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JP2006335961A - アクリル系樹脂発泡シート - Google Patents

アクリル系樹脂発泡シート Download PDF

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Shunji Takeda
俊二 武田
Morio Tsuyama
守男 津山
Masahiro Ishii
正裕 石居
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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性及び生産性に優れたアクリル系樹脂発泡シートを提供する。
【解決手段】 本発明のアクリル系樹脂発泡シートは、ジメチルホルムアミドを溶媒としたゲル分率が70重量%以上であり且つ気泡のうち、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合が90%以上を占めることを特徴とするので、優れた耐熱性を有していると共に、高発泡倍率とすることができ軽量性にも優れており、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分をスライス、除去して気泡を露出させた上で、アクリル系樹脂発泡シートの表面に表皮材を積層させる場合にあっても、アクリル系樹脂発泡シートの気泡の切断開口部による凹部は微細にして均一であるので、アクリル系樹脂発泡シートの表面に大きな凹部は生じておらず、アクリル系樹脂発泡シートの表面に表皮材を美麗な状態に積層一体化させることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性及び軽量性に優れたアクリル系樹脂発泡シートに関する。
従来からアクリル系樹脂発泡シートは、硬質である上に軽量性及び断熱性に優れていることから、建築材料などの用途に広く用いられている。このようなアクリル系樹脂発泡シートとしては、特許文献1に、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれた一種若しくは二種以上の単量体に、水などの膨潤剤を添加した状態で、上記単量体を重合させて重合体を製造し、この重合体を加熱して発泡させるアクリル系樹脂発泡シートの製造方法が開示されている。
しかしながら、上記アクリル系樹脂発泡シートは、その発泡倍率を高くすることが難しかく、アクリル系樹脂発泡シートの発泡倍率を高くしようとすると、発泡温度を200℃以上にしなければならず、生産性の面においても問題があった。
又、建築材料などの芯材として用いられる場合、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分を除去した後、アクリル系樹脂発泡シートの両面にガラス繊維からなる不織布を重ね合わせた上で不織布に熱硬化性樹脂を含浸、加熱硬化させることによって、アクリル系樹脂発泡シートの両面に表皮材を積層一体化させて用いられることが多い。
しかしながら、上記製造方法によって製造されたアクリル系樹脂発泡シートは、その気泡径が大きかったり或いは気泡径のバラツキが大きいことから、使用にあたって、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分を除去した際、アクリル系樹脂発泡シートの表面に、気泡を切断して形成される凹部が不均一に或いは大きな開口度でもって露出した状態となる。
そして、このような状態に凹部が形成されているアクリル系樹脂発泡シートの表面に不織布を重ね合わせ、該不織布に熱硬化性樹脂を含浸し加熱硬化させて表皮材を積層一体化させようとすると、アクリル系樹脂発泡シートの表面に形成された凹部が原因となって反りが発生したり或いは表皮材の厚みが不均一となるといった問題が生じていた。
特公昭40−29020号公報
本発明は、耐熱性及び生産性に優れたアクリル系樹脂発泡シートを提供する。
本発明のアクリル系樹脂発泡シートは、ジメチルホルムアミドを溶媒としたゲル分率が70重量%以上であり且つ気泡のうち、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合が90%以上を占めることを特徴とする。
本発明のアクリル系樹脂発泡シートはアクリル系樹脂から構成される。このようなアクリル系樹脂としては、特に限定されず、アクリル系単量体を含有する単量体組成物を重合させることによって得ることができる。
上記アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルなどが挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの何れか一方或いは双方を意味する。
更に、上記単量体組成物中には、アクリル系単量体以外にこのアクリル系単量体と共重合可能な単量体が含有されていてもよく、このような単量体としては、無水マレイン酸、スチレンなどが挙げられる。
そして、単量体組成物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸及びスチレンからなることが好ましい。このような場合、単量体組成物中における(メタ)アクリル酸の含有量は、少ないと、単量体組成物の極性が低くなって他の配合物が溶解しにくくなる一方、多いと、得られるアクリル系樹脂発泡シートの耐熱性が低下したり或いは発泡性アクリル系樹脂の発泡性が低下するので、15〜50重量%が好ましい。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸の何れか一方或いは双方を意味する。
又、単量体組成物中における(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、少ないと、発泡性アクリル系樹脂の発泡性が低下する一方、多いと、得られるアクリル系樹脂発泡シートの耐熱性が低下するので、30〜70重量%が好ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの何れか一方或いは双方を意味する。
更に、単量体組成物中における(メタ)アクリルアミドの含有量は、少ないと、得られるアクリル系樹脂発泡シートの耐熱性が低下する一方、多いと、単量体組成物中への溶解性が低下して均質な単量体組成物を得ることが困難となることがあるので、0.1〜20重量%が好ましい。
そして、単量体組成物中における無水マレイン酸の含有量は、少ないと、得られるアクリル系樹脂発泡シートの耐熱性が低下する一方、多いと、単量体組成物中への溶解性が低下して均質な単量体組成物を得ることが困難となることがあるので、0.1〜20重量%が好ましい。
又、単量体組成物中におけるスチレンの含有量は、少ないと、発泡性アクリル系樹脂の発泡性が低下することがある一方、多いと、単量体組成物中への溶解性が低下して均質な単量体組成物を得ることが困難となることがあるので、5〜30重量%が好ましい。
なお、上記単量体組成物中には、上記単量体の他に、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどの連鎖移動剤、t−ドデシルメルカプタンなどの重合促進剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、離型剤などが含有されていてもよい。
そして、本発明のアクリル系樹脂発泡シートにおけるジメチルホルムアミドを溶媒としたゲル分率は、低いと、アクリル系樹脂発泡シートの耐熱性が低下したり、或いは、アクリル系樹脂発泡シートの気泡が粗大なものとなるので、70重量%以上に限定され、高すぎると、高発泡倍率のアクリル系樹脂発泡シートとすることができないことがあるので、98重量%以下が好ましい。
なお、ジメチルホルムアミドを溶媒とした、アクリル系樹脂発泡シートのゲル分率は、下記の要領で測定されたものをいう。先ず、ジメチルホルムアミド中にアクリル系樹脂発泡シートを浸漬して攪拌しながら25℃に維持された室温内に24時間に亘って放置する。なお、ジメチルホルムアミドに対してアクリル系樹脂発泡シートが0.5重量%となるように調整する。ジメチルホルムアミド中に浸漬させる前のアクリル系樹脂発泡シートの重量をAgとする。
次に、ジメチルホルムアミド中の不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、下記式により算出した。
ゲル分率(重量%)=(B/A)×100
そして、本発明のアクリル系樹脂発泡シートの気泡のうち、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合は90%以上に限定され、98%以上が好ましい。これは、上述したように、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分を除去して表皮材を積層一体化させた際、アクリル系樹脂発泡シートの気泡の切断開口部に起因した凹部が原因となって、表皮材に凹凸が発生し或いは表皮材の厚みが不均一となったり、アクリル系樹脂発泡シートに反りが発生することがあるからである。
ここで、アクリル系樹脂発泡シートの気泡径は下記の要領で測定される。先ず、アクリル系樹脂発泡シートを任意の箇所にて厚み方向に切断する。そして、アクリル系樹脂発泡シートの切断面を電子顕微鏡を用いて倍率10倍にて撮影し、拡大顕微鏡写真を得る。次に、拡大顕微鏡写真に表れた切断面に表れた気泡を任意に100個抽出し、各気泡毎に、気泡を包囲し得る最小径の真円を描き、この真円の直径を気泡の気泡径とする。なお、上述の気泡径を測定する要領において、写真上に表れた気泡断面のみに基づいて気泡径を判断する。
即ち、気泡同士は、アクリル系樹脂発泡シートの切断面においては気泡壁によって互いに完全に分離しているように見えても、アクリル系樹脂発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているような場合もあるが、本発明においては、アクリル系樹脂発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているか否かについて考慮せず、写真上に表れた気泡膜断面のみに基づいて気泡形態を判断し、写真上に表れた気泡膜断面により完全に囲まれた一個の空隙部分を一個の気泡として判断する。なお、アクリル系樹脂発泡シートの表面と、この表面からアクリル系樹脂発泡シートの厚み方向に厚みの5%だけ内側に入った部分との間に存在する気泡は対象外とする。なお、アクリル系樹脂発泡シートの厚み方向とは、アクリル系樹脂発泡シートの表面に直交する方向をいう。
そして、気泡径が1mm以下である気泡の数N1 を数え、下記式に基づいて、アクリル系樹脂発泡シートの気泡中、気泡径が1mm以下である気泡の割合を算出することができる。この要領に沿って、アクリル系樹脂発泡シートにおける任意の三箇所での切断面において、アクリル系樹脂発泡シートの気泡中、気泡径が1mm以下である気泡の割合を算出し、各切断面毎に算出した、気泡径が1mm以下である気泡の割合を相加平均した値を、アクリル系樹脂発泡シートにおける気泡径が1mm以下である気泡の割合とする。
気泡径が1mm以下である気泡の割合(%)=100×N1 /100
又、アクリル系樹脂発泡シートのTMA測定による耐熱温度は、低いと、上述のように、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分を除去して表皮材を積層一体化する際に、アクリル系樹脂発泡シートの熱収縮が大きくなることがあるので、140℃以上が好ましい。
なお、アクリル系樹脂発泡シートのTMA測定による耐熱温度は下記の要領で測定されたものをいう。アクリル系樹脂発泡シートから一辺が7mmの立方体状の試験片を切り出す。次に、この試験片の上端面全面に対して垂直下方に98mNの荷重を加えつつ、試験片を常温から2℃/分の昇温速度で加熱し、試験片の上下高さが試験前の試験片の上下高さに対して3%収縮した際の温度を測定し、この温度をアクリル系樹脂発泡シートのTMA測定による耐熱温度とする。なお、アクリル系樹脂発泡シートのTMA測定による耐熱温度は、例えば、セイコーインスツルメンツ社から商品名「EXSTRA6000」にて市販されている測定装置を用いて測定することができる。
更に、本発明のアクリル系樹脂発泡シートの密度は、高いと、アクリル系樹脂発泡シートの軽量性が低下するので、0.083g/cm3 以下に限定される。なお、アクリル系樹脂発泡シートの密度は、JIS K7222に準拠して測定されたものをいう。
次に、上記アクリル系樹脂発泡シートの製造方法について説明する。先ず、アクリル系樹脂単量体を含有する単量体組成物中に、架橋剤、重合開始剤及び発泡剤を添加して均一に混合する。
単量体組成物中に架橋剤を添加し、単量体組成物を重合させて得られるアクリル系樹脂を架橋させることによって、ジメチルホルムアミドを溶媒とした、アクリル系樹脂発泡シートのゲル分率を70重量%以上として、得られるアクリル系樹脂発泡シートの耐熱性を優れたものとすることができる。
上記架橋剤とは、アクリル系樹脂発泡シートを構成しているアクリル系樹脂を架橋させるものをいい、このような架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、アリルメタクリレート、ビニルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、アジピン酸ジビニル、ジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、ジアリルアミン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、数平均分子量が200のポリエチレングリコールのジアクリレート、数平均分子量が400のポリエチレングリコールのジアクリレート、数平均分子量が600のポリエチレングリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、数平均分子量が200のポリエチレングリコールのジメタクリレート、数平均分子量が400のポリエチレングリコールのジメタクリレート、数平均分子量が600のポリエチレングリコールのジメタクリレートなどの一分子中に二個以上の重合性不飽和結合を有する重合性単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどの二官能性の重合性単量体などが挙げられる。
そして、単量体組成物中への架橋剤の添加量は、少ないと、得られるアクリル系樹脂発泡シートの耐熱性が低下することがある一方、多いと、得られるアクリル系樹脂発泡シートの発泡倍率が低下して軽量性が低下することがあるので、単量体組成物100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
上記重合開始剤としては、単量体組成物を構成する単量体を重合させることができれば、特に限定されないが、単量体組成物に溶解する重合開始剤(油溶性重合開始剤)が好ましい。このような油溶性重合開始剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;イソブチロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α,α−ビスネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられる。
そして、上記重合開始剤の単量体組成物中への添加量としては、少ないと、未反応の単量体が多量に残存することがある一方、多いと、単量体の重合反応が急激に進行して制御不能となることがあるので、単量体組成物100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましい。
なお、上記重合開始剤と共に重合促進剤を単量体組成物中に添加してもよく、このような重合促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、アミン化合物などが挙げられる。
更に、上記発泡剤としては、単量体組成物を重合させて得られるアクリル系樹脂を発泡させることができれば、特に限定されず、例えば、尿素、アゾ化合物、重炭酸塩などの熱分解型発泡剤;プロパノールなどのアルコール、低分子量炭化水素などの物理型発泡剤などが挙げられ、単量体組成物に対する溶解性に優れていることから、尿素が好ましい。なお、熱分解型発泡剤を用いる場合には、単量体組成物の重合温度にて分解しないものを選択する必要がある。
又、上記発泡剤の単量体組成物中への添加量としては、少ないと、発泡性アクリル系樹脂が発泡しないことがある一方、多いと、破泡することがあるので、単量体組成物100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。
そして、上述のように架橋剤、重合開始剤及び発泡剤、並びに、必要に応じて添加剤が添加された単量体組成物を重合開始剤の分解温度以上の温度に加熱して重合させて発泡性アクリル系樹脂シートを製造し、この発泡性アクリル系樹脂シートを加熱して発泡させてアクリル系樹脂発泡シートを製造することができる。なお、単量体組成物を重合させる際、反応温度が各単量体の沸点を越えないように調整する必要がある。
本発明のアクリル系樹脂発泡シートは、ジメチルホルムアミドを溶媒としたゲル分率が70重量%以上であり且つ気泡のうち、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合が90%以上を占めることを特徴とするので、優れた耐熱性を有し、しかも、高発泡倍率とすることができ軽量性にも優れている。
そして、気泡のうち、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合が90%以上を占めているので、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分をスライス、除去して気泡を露出させた上で、アクリル系樹脂発泡シートの表面に表皮材を積層させる場合にあっても、アクリル系樹脂発泡シートの気泡の切断開口部による凹部は微細にして均一であるので、アクリル系樹脂発泡シートの表面に大きな凹部は生じておらず、アクリル系樹脂発泡シートの表面に表皮材を美麗な状態に積層一体化させることができる。
特に、アクリル系樹脂発泡シートの表面に表皮材を積層一体化するにあたって、アクリル系樹脂発泡シートの表面部分をスライス、除去して気泡を露出させた上でアクリル系樹脂発泡シートの表面に不織布を重ね合わせ、この不織布に熱硬化性樹脂を含浸させた後に熱硬化性樹脂を硬化させて表皮材とする場合にあっても、アクリル系樹脂発泡シートの表面には大きな凹部は形成されておらず、熱硬化性樹脂が熱硬化過程において局部的に異常発熱を生じることはない。
従って、アクリル系樹脂発泡シートが熱硬化性樹脂の硬化過程にて部分的に過剰に加熱されて反りが発生したり、或いは、表皮材の厚みが不均一となったり表皮材の表面に凹凸が目立つようなことはなく、美麗な状態にアクリル系樹脂発泡シートの表面に表皮材を積層一体化させて積層シートを作製することができ、この積層シートを成形することによって所望形状の成形品を得ることができる。
(実施例1,2、比較例1,2)
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリルアミド、無水マレイン酸、スチレン、及び、メタクリロニトリルが表1に示した所定の重量割合となるように混合して均一に攪拌して単量体組成物を作製した。
次に、上記単量体組成物中に、架橋剤として2−ヒドロキシエチルメタクリレートを、重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイドを、発泡剤として尿素又はプロパノールを、連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを、重合促進剤としてt−ドデシルメルカプタンを単量体組成物100重量部に対して表1に示した所定量づつ添加して均一に混合した。
しかる後、単量体組成物を80℃に加熱して36時間に亘って重合させて発泡性アクリル系樹脂を製造し、この発泡性アクリル系樹脂をシート状に成形して、厚みが25mmの発泡性アクリル系樹脂シートを得た。そして、発泡性アクリル系樹脂シートを170℃に1時間に亘って加熱することによって、厚みが約65mmのアクリル系樹脂発泡シートを得た。
得られたアクリル系樹脂発泡シートにおけるジメチルホルムアミドを溶媒としたゲル分率、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合、TMA測定による耐熱温度及び密度を上述の要領で、アクリル系樹脂発泡シートの平均気泡径及び反り発生度を以下に述べる要領で測定し、その結果を表1に示した。なお、平均気泡径は、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合を測定する際に測定対象となった気泡の気泡径の相加平均値とした。
(反り発生度)
得られたアクリル系樹脂発泡シートから縦2000mm×横1000mmの平面長方形状に切り出すと共に、この切り出したアクリル系樹脂発泡シートの両面からそれぞれ表面部分を同一厚みづつスライスして除去し、縦2000mm×横1000mm×厚み50mmの試験シートを作製した。
しかる後、上記試験シートの両面にガラス繊維からなる不織布を重ね合わせた後、この不織布に不飽和ポリエステル樹脂を全面的に含浸させて多層シートを得た。この多層シートを加熱して不飽和ポリエステル樹脂を熱硬化させて表皮材を形成し、試験シートの両面に表皮材が積層一体化してなる積層シートを得た。上述の要領で積層シートを100枚、製造した。
各積層シートにおける縦方向の両端部が共に50mm以上反っているか否かを目視観察により判断し、両端部が双方とも50mm以上反っている積層シートの数Nを数えた。そして、下記式に基づいて反り性を算出した。
反り性(%)=100×N/100
Figure 2006335961

Claims (2)

  1. ジメチルホルムアミドを溶媒としたゲル分率が70重量%以上であり且つ気泡のうち、気泡径が0.8mm以下の気泡の割合が90%以上を占めることを特徴とするアクリル系樹脂発泡シート。
  2. TMA測定による耐熱温度が140℃以上で且つ密度が0.083g/cm3 以下であることを特徴とする請求項1に記載のアクリル系樹脂発泡シート。
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