[go: up one dir, main page]

JP2006334605A - ろう材及びそれを用いたろう付け製品 - Google Patents

ろう材及びそれを用いたろう付け製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2006334605A
JP2006334605A JP2005159170A JP2005159170A JP2006334605A JP 2006334605 A JP2006334605 A JP 2006334605A JP 2005159170 A JP2005159170 A JP 2005159170A JP 2005159170 A JP2005159170 A JP 2005159170A JP 2006334605 A JP2006334605 A JP 2006334605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing material
brazing
layer
alloy
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005159170A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Sagawa
英之 佐川
Hiromitsu Kuroda
洋光 黒田
Kazuma Kuroki
一真 黒木
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Fumio Horii
文夫 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2005159170A priority Critical patent/JP2006334605A/ja
Publication of JP2006334605A publication Critical patent/JP2006334605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 取り扱いが容易で、かつ、十分な耐熱性及び耐食性を有するろう材及びそれを用いたろう付け製品を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係るろう材10は、被ろう付け部材同士をろう付けするろう材において、少なくとも2層構造の複合体で構成され、かつ、第1の層11とその他の層12の組み合わせが、各層11,12を構成する金属又は合金の融点よりも融点の低い合金が得られる金属層同士の組み合わせである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱交換器や燃料電池用部材などの被ろう付け部材同士をろう付けするためのろう材及びそれを用いたろう付け製品に関するものである。
自動車用オイルクーラの接合材としてステンレス基クラッド材が使用されている。これは、基材であるステンレス鋼板の片面又は両面に、ろう材としての機能を有するCu材がクラッドされている。
また、ステンレス鋼や、Ni基合金又はCo基合金などからなる部品のろう付け材として、ろう付け接合部の耐食性に優れる各種Niろう材に、Ni、Cr、又はNi-Cr合金の中から選択される金属粉末を4〜22wt%添加してなる粉末Niろう材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、高耐食性を有するろう材として、JIS規格に準ずる組成を有し、Ni、Crを主成分とするアモルファス箔形状のNiろう材がある。
特開2000−107883号公報
ところで、従来のろう材又はろう付け用クラッド材を、高温で、腐食性の高いガス又は液体に晒される熱交換器(燃料電池改質器用クーラや、排ガス再循環装置(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation)という)用クーラ)の接合用ろう材として使用する場合、以下に示すような問題があった。
(1) 前述したステンレス基クラッド材を自動車用オイルクーラの接合材として使用する場合、耐熱性及び耐食性については全く問題がない。しかし、このステンレス基クラッド材を、燃料電池用熱交換器やEGR用クーラの接合材として使用する場合、耐熱性及び耐食性に問題があった。なぜなら、燃料電池用熱交換器やEGR用クーラ内には、高温で、かつ、腐食性の高い溶液や排気ガスなどが循環されることから、ステンレス基クラッド材のろう材(Cu材)では耐熱性及び耐食性が十分でなく、使用できないという問題があった。
(2) 特許文献1記載の粉末Niろう材、及びJIS規格で規定された各種Niろう材は、粉末状であることから、各ろう付け接合部ごとに粉末Niろう材をそれぞれ塗布するという作業が必要になる。つまり、ろう付け作業に多大な労力を要するため、ろう付け製品の生産性が著しく低くなり、その結果、製造コストの上昇を招くという問題があった。また、粉末ろう材は、ろう付け接合部に塗布する際に、有機系のバインダなどを使用するため、バインダの蒸発工程が必要となる他、バインダの蒸発に伴う異臭の発生や、ろう付け炉内が汚染されるといった問題が生じる。
(3) 前述した市販のアモルファス箔Niろう材は脆いため、ろう材製造時及びろう付け製品の組立時の取り扱い(ハンドリング)が難しく、製造コストが高くなるという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、取り扱いが容易で、かつ、十分な耐熱性及び耐食性を有するろう材及びそれを用いたろう付け製品を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るろう材は、被ろう付け部材同士をろう付けするろう材において、少なくとも2種類の金属で構成され、かつ、第1の金属とその他の金属の組み合わせが、各金属の融点よりも融点の低い合金が得られる金属同士の組み合わせである。
ここで、第1の金属はNi或いはNi合金、第2の金属はTi或いはTi合金であってもよい。また、第1の金属はNi或いはNi合金、第2の金属はTi或いはTi合金、第3の金属はNi或いはNi合金であってもよい。さらに、第1の金属はFe-Ni合金、第2の金属はTi或いはTi合金、第3の金属はNi或いはNi合金であってもよい。
また、本発明に係るろう材は、被ろう付け部材同士をろう付けするろう材において、少なくとも2層構造の複合体で構成され、かつ、第1の層とその他の層の組み合わせが、各層を構成する金属又は合金の融点よりも融点の低い合金が得られる金属層同士の組み合わせである。
ここで、第1の層はNi或いはNi合金層、第2の層はTi或いはTi合金層であってもよい。また、第1の層はNi或いはNi合金層、第2の層はTi或いはTi合金層、第3の層はNi或いはNi合金層であってもよい。さらに、第1の層はFe-Ni合金層、第2の層はTi或いはTi合金層、第3の層はNi或いはNi合金層であってもよい。
ろう材は、P、Cu、Mn、Al、又はCrから選ばれる少なくとも1種の元素を含有していてもよい。また、ろう材は、50重量%以下の濃度範囲でFeを含有していることが好ましい。さらに、ろう材は、箔材、棒材、又はワイヤ材のいずれであってもよい。
一方、本発明に係るろう付け製品は、前述したろう材を用い、被ろう付け部材同士をろう付け接合したものである。
本発明によれば、Ni,Tiが主成分で、1200℃前後の温度でろう付け処理が可能なろう材が得られるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係るろう材の横断面図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係るろう材10は、被ろう付け部材同士をろう付けするものであり、少なくとも2層構造の複合体で構成される。具体的には、ろう材10は、第1の層であるNi又はNi合金層(以下、Ni層という)11と、第2の層であるTi又はTi合金層(以下、Ti層という)12の2層構造の積層体(複合体)で構成される。
ろう材10全体におけるNiの重量をW1、NiとTiの重量の総和をW2とすると、W1/W2は0.58〜0.68、好ましくは0.62〜0.67とされる。W1/W2が0.58未満だと(又は0.68を超えると)、ろう材10の融点が著しく高くなり、1200℃前後でのろう付け処理が不可能となる。
Ni層11を構成するNi合金は、大別すると、Fe成分を含有するものと、Fe成分を含有しないものとがある。Fe成分を含有するNi合金としては、例えば、Fe-Ni合金、好ましくはインバー(登録商標)や42アロイが挙げられる。
ろう材10は、P、Cu、Mn、Al、又はCrから選ばれる少なくとも1種の元素を含有していてもよい。例えば、ろう材10に、0.02〜10.0重量%、好ましくは0.02〜5.0重量%の割合でPを含有させると、ろう材の湯流れ性、耐酸化性を改善することができる。ここで、Pの含有量を0.02〜10重量%と限定したのは、0.02重量%未満だと、湯流れ性の向上が期待できないためであり、逆に10.0重量%を超えると、ろう付けを行う被ろう付け部材の種類によっては強度低下が生じるためである。また、ろう材10にCu、Mnを含有させると、ろう材の湯流れ性を改善することができる。さらに、ろう材10にAl、Crを含有させると、ろう材の耐食性を改善することができる。
また、ステンレス鋼を始めとする鉄系合金の被ろう付け部材同士をろう付けする場合、ろう材中にFeを添加することが望ましい。これは、Feを添加することで、被ろう付け部材の食われを低減することができるためである。Feの含有量としては、50重量%以下、好ましくは15〜50重量%以下が望ましい。ここで、Fe濃度が50重量%を超えると、ろう付け接合部の耐食性及びろう材の湯流れ性が低下するため、好ましくない。
本実施の形態においては、Ni層11とTi層12の2層構造のろう材10について説明を行った。しかし、ろう材の層構造は、これに特に限定するものではなく、3層以上の構造であってもよい。例えば、図2に示すように、3層構造のろう材20、図3に示すように、5層構造のろう材30が挙げられる。ろう材20は、Ni層11a(第1の層)、Ti層12(第2の層)、Ni層11b(第3の層)の順に積層してなる複合体であり、ろう材30は、Ni層11a(第1の層)、Ti層12a(第2の層)、Ni層11b(第3の層)、Ti層12b(第4の層)、Ni層11c(第5の層)の順に積層してなる複合体である。
また、本実施の形態においては、箔状(薄板状)を呈したろう材(箔材)10を用いて説明を行ったが、ろう材の形状は箔状に特に限定するものではなく、例えば、棒状又はワイヤ状であってもよい。例えば、図4に示すように、Ti層12(第2の層)からなる心材の周りに、Ni層11からなる第1の層を設けたろう材(棒材、ワイヤ材)40や、図5に示すように、Ni層11b(第3の層)からなる心材の周りに、Ti層12からなる第2の層、Ni層11aからなる第1の層を順に設けたろう材(棒材、ワイヤ材)50が挙げられる。この場合、心材の周りに設けられた層は、メッキ法、押出法、造管法などによって形成される。
次に、本実施の形態に係るろう材10を用いたろう付け方法を説明する。
本実施の形態に係るろう材10に、適宜、圧延加工を施すことで、各層11,12がクラッドされ、所望の厚さのろう材(最終製品)が得られる。この最終製品が、接合を行う被ろう付け部材(図示せず)同士のろう付け予定部分(以下、ろう付け箇所と記す)に配置される。
次に、ろう付け箇所をメインに被ろう付け部材を加熱することで、ろう付け処理がなされる。このろう付け処理によって、ろう付け箇所においてろう材10の溶融反応が生じる。このろう付け処理の温度は、例えば、1150〜1250℃未満、好ましくは1200℃前後とされる。
このろう付け処理により、先ず、ろう材10におけるNi層11とTi層12の間で相互に拡散反応が進行し、Ni層11とTi層12の界面で溶融が生じ始める。つまり、ろう材10中では、Ni成分及びTi成分が混合、接触して、合金化が生じる。これによって、ろう材10の融点は、Ni、Tiのそれぞれの融点(1455℃、1670℃)と比べて低くなり、より低い温度でのろう付け処理が可能となる。その結果、1200℃前後(約1150〜1250℃未満)の温度でろう材10が溶融し始め、ろう材10の流動が生じ、ろう材10が溶融してろう溶融部が形成される。
特に、本実施の形態に係るろう材10のNi層11がFe成分を含有する場合、Ni層11とTi層12の界面で溶融が生じ始める際に、ろう材10に含まれるFe成分がろう材10全体に拡散するため、ろう材10の溶融が更に進行し易くなる。つまり、ろう材10中では、Ni成分、Ti成分、及びFe成分が混合、接触して、合金化が生じる。これによって、ろう材10の融点は、NiとTiだけで構成されるろう材を溶融させる場合と比較して更に低下することから、更に低い温度でのろう付け処理が可能となる。その結果、約1200℃未満の温度でろう材10が溶融し始める。
また、Ni層11がFe成分を含有する場合、ろう付け処理時にろう材10の溶融、流動が生じるが、この溶融、流動の前に、ろう材10全体にFe成分が十分に拡散する。このため、溶融したろう材10全体のFe濃度は、溶融前のろう材10全体のFe濃度と同じ50重量%以下となる。
ろう付け処理の際に、被ろう付け部材のFe成分がろう溶融部中に溶け込むことがあるが、溶け込みが生じるのは、ろう溶融部におけるFe濃度が飽和に達するまでであり、溶け込み可能なFe量には限界がある。ろう材10のろう溶融部には、全体に十分な濃度のFe成分が存在するため、被ろう付け部材のFe成分が、ろう溶融部中に溶け込むことが抑制され、被ろう付け部材に侵食が発生するのを大幅に低減することができる。また、ろう溶融部中のFe濃度は、湯流れ性を阻害しないように50重量%以下に調整している。このため、ろう溶融部の湯流れ性は良好である。これらの結果、ろう付け処理後において、ろう付け製品のろう付け接合部で強度低下が生じることはなく、ろう付け接合部の信頼性は良好である。
その後、ろう材10が完全に溶融した段階で急冷を行うことで、ろう溶融部が凝固してろう付け接合部となり、被ろう付け部材同士がろう付け接合部を介して接合され、ろう付け製品が得られる。
本実施の形態に係るろう材10は、耐食性に優れ、高融点のNi、Tiを主成分とするものであるため、ろう材10を用いたろう付け製品のろう付け接合部は、十分な耐熱性及び耐食性を有する。
また、本実施の形態に係るろう材10は、高融点のNi、Tiが主成分であるものの、1200℃前後という低い温度でのろう付け処理が可能であり、ろう付け生産性は良好である。
さらに、本実施の形態に係るろう材10は、各層11,12が十分にクラッドされているため、曲げ加工、プレス加工などの加工性が良好であり、被ろう付け部材のろう付け箇所形状に応じて、その形状を自在に変形させることができる。よって、本実施の形態に係るろう材10は、従来のアモルファス箔Niろう材などと比較して、安価に製造可能であり、その結果、ろう付け製品の製造コストも安価となる。
また、本実施の形態に係るろう材10は、箔材、棒材、又はワイヤ材であるため、従来の粉末状のろう材のように有機系バインダなどを必要とせず、ろう付け処理の際の取り扱い性が容易である。
本実施の形態に係るろう材10を用いるろう付け製品としては、EGR用クーラ等の高温・高腐食性のガス又は液体に晒される熱交換器、燃料電池の改質器用クーラ、燃料電池部材、オイルクーラ、ラジエータ、二次電池部材などが挙げられる。また、本実施の形態に係るろう材10は、ろう付け接合部に高い耐食性が要求される全てのろう付け製品にも適用可能である。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ0.90mmのNi板(Ni条材)、厚さ1.0mmのTi板(Ti条材)を順に重ね合わせて2層構造の積層体を形成した。この積層体に圧延処理を繰り返し施し、厚さ50μmのクラッド材(ろう材)を作製した。
このクラッド材をステンレス鋼(SUS304)板上に配置した後、クラッド材上にステンレス鋼(SUS304)パイプを載置した。その後、このような状態に配置された部材を1200℃の管状炉で加熱してろう付け処理を行い、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
(実施例2)
厚さ0.45mmのNi板(Ni条材)、厚さ1.0mmのTi板(Ti条材)、厚さ0.45mmのNi板(Ni条材)を順に重ね合わせて3層構造の積層体を形成した。この積層体を用いる以外は実施例1と同様にして、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
(実施例3)
厚さ0.72mmのインバー(登録商標)板(インバー条材)、厚さ1.0mmのTi板(Ti条材)、厚さ0.52mmのNi板(Ni条材)を順に重ね合わせて3層構造の積層体を形成した。この積層体を用いる以外は実施例1と同様にして、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は25wt%であった。
(実施例4)
厚さ2.26mmのインバー(登録商標)板(インバー条材)、厚さ1.0mmのTi板(Ti条材)、厚さ0.06mmのNi板(Ni条材)を順に重ね合わせて3層構造の積層体を形成した。この積層体を用いる以外は実施例1と同様にして、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は50wt%であった。
(比較例1)
実施例1と同じステンレス鋼板上に厚さ50μmに圧延したNi箔を配置した後、そのNi箔上に、実施例1と同じステンレス鋼パイプを載置した。その後、このような状態に配置された部材を1200℃の管状炉で加熱してろう付け処理を行い、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
(比較例2)
実施例1と同じステンレス鋼板上に厚さ50μmに圧延したTi箔を配置した後、そのTi箔上に、実施例1と同じステンレス鋼パイプを載置した。その後、このような状態に配置された部材を1200℃の管状炉で加熱してろう付け処理を行い、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
(比較例3)
厚さ2.36mmのインバー(登録商標)板(インバー条材)、厚さ1.0mmのTi板(Ti条材)、厚さ0.03mmのNi板(Ni条材)を順に重ね合わせて3層構造の積層体を形成した。この積層体を用いる以外は実施例1と同様にして、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は51wt%であった。
(従来例1)
実施例1と同じステンレス鋼板上に厚さ50μmに圧延したCu箔(ろう材)を配置した後、そのCu箔上に、実施例1と同じステンレス鋼パイプを載置した。その後、このような状態に配置された部材を1120℃の管状炉で加熱してろう付け処理を行い、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
(従来例2)
実施例1と同じステンレス鋼板の片面に、JIS規格のBNi-5に相当する市販の粉末Niろう材を合成樹脂バインダで溶いたものを塗布した後、その塗膜上に、実施例1と同じステンレス鋼パイプを載置した。その後、このような状態に配置された部材を1180℃の管状炉で加熱してろう付け処理を行い、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
(従来例3)
実施例1と同じステンレス鋼板の片面に、JIS規格のBNi-5に相当する市販のアモルファス箔Niろう材を配置した後、その箔上に、実施例1と同じステンレス鋼パイプを載置した。その後、このような状態に配置された部材を1180℃の管状炉で加熱してろう付け処理を行い、ろう付け製品を作製した。ろう材のFe濃度は0wt%であった。
実施例1〜4、比較例1〜3、及び従来例1〜3の各ろう材の構成(層構造、ろう材全体に占めるFe濃度の割合)を表1に示す。また、実施例1〜4、比較例1〜3、及び従来例1〜3の各ろう付け製品について、加工性、腐食発生の有無、ろう付生産性(取扱い性)の評価を行い、それらの評価に基づいて総合評価を行った。これらの結果も併せて表1に示す。
加工性の評価は、板(箔)状の各ろう材の180°曲げ試験を行い、材料破断の有無、及びクラック発生の有無を、外観目視観察及び光学顕微鏡観察により行った。
腐食発生の有無は、ろう付け処理後の各ろう付け製品を、塩素イオン、硝酸イオン、及び硫酸イオンを含む腐食性溶液中に1000h浸漬して腐食試験を行い、その後、これらの各ろう付け製品を溶液中から取出してろう付け接合部の組織観察を行い、腐食発生が有るか無いかを調べることによって行った。また、腐食試験後の溶液を分析し、ろう材からの溶出物の定量比較を行い、腐食の程度を判断した。
Figure 2006334605
表1に示すように、実施例1〜4の各ろう材は、Ni層とTi層、又はNi合金層(インバー(登録商標)層)、Ti層、Ni層を組み合わせることで、Ni、Tiの各融点(1455℃、1670℃)と比べて融点が大幅に低下し、1200℃でのろう付けが可能であった。また、実施例3,4の各ろう材の評価から、ろう材中のFe濃度が50重量%以下であれば、十分高い耐食性が得られることがわかった。さらに、実施例1〜4の各ろう材は板状であるため加工性が良好であり、かつ、ろう付け生産性も良好であることがわかった。
これに対して、比較例1,2の各ろう材は加工性及び取扱い性は良好であるものの、ろう材がNi箔,Ti箔というように高融点金属の単体で構成されているため、各ろう材の融点が高い。このため、比較例1,2の各ろう材は、1200℃のろう付け処理では溶融せず、ろう材として機能しなかった。
また、比較例3のろう材は、実施例3,4の各ろう材と同じ構造を有しているが、ろう材中のFe濃度が51重量%であり、規定範囲(50重量%以下)を超えているため、耐食性にやや問題があった。このことから、ろう材中のFe濃度は50重量%以下が望ましいということがわかる。
一方、従来例1のろう材は加工性及び取扱い性が良好であり、かつ、ろう材の融点が比較的低いことから、単体でろう材として機能させることができる。しかしながら、ろう材がCu単体で構成されているため、耐食性が不十分で、著しい腐食が発生することから、高耐食環境下での使用に耐えられないことがわかった。
従来例2のろう材は耐食性は良好であるものの、粉末ろう材であることから、曲げ加工を行うことは不可能であり、更に有機物系のバインダーを必要とすることなどから、取扱性は良好でない。また、ろう材を塗布した後の状態で、振動が加わることで、ろう材がステンレス鋼板(被ろう付け部材)から剥離・脱落してしまうため、著しく取扱いが難しいことがわかった。
従来例3のろう材は耐食性は良好であるものの、脆いアモルファス箔ろう材であることから、曲げ加工を行うことは不可能であり、また、取扱いも難しかった。
本発明の好適一実施の形態に係るろう材の横断面図である。 図1のろう材の第1変形例を示す図である。 図1のろう材の第2変形例を示す図である。 図1のろう材の第3変形例を示す図である。 図1のろう材の第4変形例を示す図である。
符号の説明
10 ろう材
11 Ni層(第1の層)
12 Ti層(第2の層)

Claims (13)

  1. 被ろう付け部材同士をろう付けするろう材において、少なくとも2種類の金属で構成され、かつ、第1の金属とその他の金属の組み合わせが、各金属の融点よりも融点の低い合金が得られる金属同士の組み合わせであることを特徴とするろう材。
  2. 上記第1の金属がNi或いはNi合金、第2の金属がTi或いはTi合金である請求項1記載のろう材。
  3. 上記第1の金属がNi或いはNi合金、第2の金属がTi或いはTi合金、第3の金属がNi或いはNi合金である請求項1記載のろう材。
  4. 上記第1の金属がFe-Ni合金、第2の金属がTi或いはTi合金、第3の金属がNi或いはNi合金である請求項1記載のろう材。
  5. 被ろう付け部材同士をろう付けするろう材において、少なくとも2層構造の複合体で構成され、かつ、第1の層とその他の層の組み合わせが、各層を構成する金属又は合金の融点よりも融点の低い合金が得られる金属層同士の組み合わせであることを特徴とするろう材。
  6. 上記第1の層がNi或いはNi合金層、第2の層がTi或いはTi合金層である請求項5記載のろう材。
  7. 上記第1の層がNi或いはNi合金層、第2の層がTi或いはTi合金層、第3の層がNi或いはNi合金層である請求項5記載のろう材。
  8. 上記第1の層がFe-Ni合金層、第2の層がTi層或いはTi合金、第3の層がNi或いはNi合金層である請求項5記載のろう材。
  9. 上記ろう材が、P、Cu、Mn、Al、又はCrから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する請求項1から8いずれかに記載のろう材。
  10. 上記ろう材が、50重量%以下の濃度範囲でFeを含有する請求項1,4,5,8,9いずれかに記載のろう材。
  11. 上記ろう材が、箔材である請求項1から10いずれかに記載のろう材。
  12. 上記ろう材が、棒材又はワイヤ材である請求項1から10いずれかに記載のろう材。
  13. 請求項1から12いずれかに記載のろう材を用い、被ろう付け部材同士をろう付け接合したことを特徴とするろう付け製品。
JP2005159170A 2005-05-31 2005-05-31 ろう材及びそれを用いたろう付け製品 Pending JP2006334605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005159170A JP2006334605A (ja) 2005-05-31 2005-05-31 ろう材及びそれを用いたろう付け製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005159170A JP2006334605A (ja) 2005-05-31 2005-05-31 ろう材及びそれを用いたろう付け製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006334605A true JP2006334605A (ja) 2006-12-14

Family

ID=37555587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005159170A Pending JP2006334605A (ja) 2005-05-31 2005-05-31 ろう材及びそれを用いたろう付け製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006334605A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049368A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2008055470A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2008055471A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2008238188A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材およびそれを用いたろう付け製品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003117678A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2003117686A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2003117685A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd 複合ろう材及びろう付加工用複合材並びにろう付け製品
JP2003117679A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd 複合ろう材及びろう付加工用複合材並びにろう付け方法
JP2005088071A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2005103610A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003117686A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2003117685A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd 複合ろう材及びろう付加工用複合材並びにろう付け製品
JP2003117678A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2003117679A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Hitachi Cable Ltd 複合ろう材及びろう付加工用複合材並びにろう付け方法
JP2005088071A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2005103610A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049368A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2008055470A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2008055471A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2008238188A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Hitachi Cable Ltd ろう付け用複合材およびそれを用いたろう付け製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002363707A (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP3765533B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP3915726B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2006334605A (ja) ろう材及びそれを用いたろう付け製品
JP2006334602A (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP3814179B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP4507942B2 (ja) ろう付け用クラッド材及びそれを用いたろう付け製品
JP4239853B2 (ja) ろう付け用複合材及びその製造方法並びにろう付け製品
JP2008030102A (ja) ろう付け用複合材のろう付け接合方法及びろう付け製品
JP2006334603A (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2003117679A (ja) 複合ろう材及びろう付加工用複合材並びにろう付け方法
JP4196776B2 (ja) ろう付け用複合材及びその製造方法
JP2003117685A (ja) 複合ろう材及びろう付加工用複合材並びにろう付け製品
JP2005088071A (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP3909015B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法並びにろう付け製品
JP2003071586A (ja) ろう付け用複合材及びこれを用いたろう付け製品
JP4239764B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法
JP2005103610A (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP4507943B2 (ja) ろう付け用クラッド材及びそれを用いたろう付け製品
JP4821503B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP4821520B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP4107206B2 (ja) ろう付け用複合材を用いたろう付け方法
JP3891137B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品
JP2005186106A (ja) ろう付け方法及びそれに用いるろう材並びにそのろう材を用いた複合材及びろう付け製品
JP4244112B2 (ja) ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070719

A977 Report on retrieval

Effective date: 20091119

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20091124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20100122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100406