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JP2006328032A - 核酸プローブ及び多重鎖核酸蛍光検出方法 - Google Patents

核酸プローブ及び多重鎖核酸蛍光検出方法 Download PDF

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JP2006328032A JP2005157903A JP2005157903A JP2006328032A JP 2006328032 A JP2006328032 A JP 2006328032A JP 2005157903 A JP2005157903 A JP 2005157903A JP 2005157903 A JP2005157903 A JP 2005157903A JP 2006328032 A JP2006328032 A JP 2006328032A
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JP2005157903A
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Junji Nishigaki
純爾 西垣
Hiroyuki Hirai
博幸 平井
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Fujifilm Holdings Corp
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Fujifilm Holdings Corp
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Abstract

【課題】 励起光カットフィルターを用いることなく、また、励起光による光分解を生じることなく高感度且つ簡便に多重鎖核酸を検出することができる化合物及び多重鎖核酸検出方法を提供することである。
【解決手段】 下記一般式(I)で表される化合物。 A−L−B ・・・(I)(式(I)中、Aは粒径1〜20nmの蛍光性半導体ナノ粒子を表し、Bは多重鎖核酸結合性蛍光分子を表し、LはAの表面に吸着または結合した2価の連結基を表す。)
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規化合物及び多重鎖核酸蛍光検出方法に関し、特に核酸プローブとして使用可能な新規化合物及びこれを用いた多重鎖核酸蛍光検出方法に関する。
近年の分子生物学の発達に伴い、生体内から抽出した核酸を、相補的な配列を有するプローブ核酸とハイブリダイゼーションすることによって対象となる核酸の存在の有無あるいは量を検出して、遺伝的な情報や、あるいは病理組織の遺伝子発現情報を得ることが行われている。このような遺伝子情報等を効率よく得るために、一度に多数の遺伝子や遺伝子発現に関する情報を得る手段として、例えばDNAチップやDNAアレイと呼ばれる検出技術(以下、総称して「DNAアレイ」と呼ぶ)が開発され、大きな注目を集めている。
DNAアレイを用いた解析の対象となるのは主としてゲノムDNAやmRNAである。DNAアレイの手法は、相補的な核酸により形成されたハイブリッド多重鎖核酸を検出することが必要であるが、生体内より採取された核酸は微量である上に、検出に適した化学種とは言い難い。
このため、現在、検出に最も広く用いられているのは核酸標識法と呼ばれる方法である。その標識原理は、検出対象となる核酸の複製を作成する際に、標識されたヌクレオチド三リン酸を複製の原料として用いることによって、生成する核酸ポリマー(オリゴマー)に取り込ませて標識することにある。標識の種類としてはRI(放射性同位元素)、蛍光色素などの直接的な標識法や、ビオチン、ジゴキシゲニンなどの間接的な標識法が知られている。RI標識の場合には放射線の検出、蛍光色素標識の場合には蛍光検出、ビオチンやジゴキシゲニンの場合には蛍光や化学発光などで検出できるように適宜処理を施したのちに検出を行い、それぞれ高感度で検出できるように検出システムが設計される。
しかし、これら標識法に基づくハイブリッドの検出に関しては、主に2つの問題点が指摘されている。1つは標識の際に用いられる核酸を複製する手法、すなわちPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)やRT(逆転写)反応において、オリジナルの核酸混合物の量的な相対関係が複製物に正確には反映されない可能性があることである。もう1つは、RI標識法を除いて、複製された遺伝子核酸は標識用化合物が結合するために、正確には複製ということができない別の化学種となってしまうことである。この点についての具体的な問題点としては、ハイブリダイゼーションの効率低下(量的低下)、及びプローブ核酸と試料核酸の認識性低下に基づく誤認識(情報の質的低下)があるとされており、標識法の根本的な問題になる可能性がある。
これを解決するために、標識を行わずに、すなわち非標識でハイブリッド2本鎖核酸を検出する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、電極上に固定された核酸プローブと遺伝子サンプルとでハイブリッドを形成させ、電気化学的に活性なインターカレーター等を用いてこのハイブリッドの形成を検出する方法が記載されている。
しかしながらこの方法では、電気化学的に検出を行うためにプローブ核酸を電極表面に固定化する必要がある。このため、同時多数の検出を行うためには多数の電極を平面上に作成し、かつそれぞれに核酸プローブを固定化しなければならない。また、シグナル/バックグラウンド比においてもハイブリッドと非ハイブリッド(プローブ1本鎖)の識別性が必ずしも十分とは言えず、定量的な検出を行うことは困難である。
一方、感度よく効果的にハイブリッド2本鎖核酸を検出する手段として、多重鎖核酸との相互作用によって蛍光強度が増大する蛍光色素を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2)。このような蛍光色素は、プローブ核酸(1本鎖)との相互作用では蛍光強度が小さく、ハイブリダイゼーションにより形成された多重鎖との相互作用により蛍光強度が著しく増大するので、標識することなくハイブリッド2本鎖が検出可能になる。
しかしながら、使用できる蛍光色素の種類は限られており、励起波長と蛍光波長が近接しているような蛍光色素では、励起光に由来するノイズ低減のために励起光カットフィルターを蛍光検出部に装着することが必須となっている上に、励起光カットフィルターは蛍光シグナルをもカットしてしまうため、感度損失が本質的な問題であった。
このような問題を回避するため、特許文献3では、2種の蛍光色素間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用して、核酸2本鎖にインターカレートしたときに蛍光増感が大きく、励起波長と蛍光波長の差が大きい蛍光色素を開示している。このようなストークシフトの大きい蛍光色素を用いることによって、励起光と蛍光シグナルの波長分離を改善している。
しかし、一般的にプローブは強いレーザーにより励起されるが、2種の有機蛍光色素を連結した試薬では、プローブの光分解が定量分析を困難にする場合が極めて多い。また、レーザー光源を搭載した測定機器は高価で大型になるため誰もが簡便に用いることができないという問題がある。
特開平5−199898号公報 特開平8−211050号 特開2002−327130号
従って、本発明は、励起光カットフィルターを用いることなく、また、励起光による光分解を生じることなく高感度且つ簡便に多重鎖核酸を検出することができる化合物及び多重鎖核酸検出方法を提供することである。
本発明の化合物は、下記一般式(I)で表される化合物である。
A−L−B ・・・(I)
式(I)中、Aは粒径1〜20nmの蛍光性半導体ナノ粒子をし、Bは多重鎖核酸結合性蛍光分子を表し、LはAの表面に吸着または結合した2価の連結基を表す。
ここで、一般式(I)のAが金属酸化物であることが好ましく、Y,Eu,Tb,Tm,Ba,Ca,Mg,Al,Mn,Zn,Si, Sr,Ga,Yb,Cr,Ce,Pb及びWから選ばれた金属の酸化物であることが更に好ましい。
また、一般式(I)のBが下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
式(II)中、Xは、酸素原子、硫黄原子、C(R3)(R4)、N(R3)を表し、ここでR3およびR4は炭素数1から3のアルキル基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に、置換または無置換の主鎖中に窒素原子を有するまたは有しない炭素数1から20のアルキル基または−(R5O)k−R6基であって、ここで、R5は炭素数2から3のアルキル基を表し、R6は炭素数1から2のアルキル基を表し、kは1から3の整数を表し、ただし、R1、R2のうち少なくともひとつは、連結基Lとの連結が可能な官能基が置換した基を有し、VおよびWはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基または炭素数1から5のヘテロアリール基を表し、pおよびqは、0から4の整数を表し、nは0から3の整数を表し、Mは、分子の電荷を中和するのに必要であり且つR1又はR2と結合していてもよい対イオンを表し、mは電荷中和に必要な数を表す。)
ここで、一般式(I)のLが一般式(III)で表される化合物の加水分解物であることが好ましい。
Q−(R74 ・・・(III)
(式中、QはSi又はTi原子を、R7は有機性基を示す。R7はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、R7のうちの少なくとも1つはBと連結するための官能基を有する。)
また、一般式(I)のLが一般式(IV)で表される化合物の加水分解物であることが好ましい。
E−(CH2r−Si(OR83 ・・・(IV)
(式(IV)中、Eはアミノ基、カルボキシル基またはメルカプト基を表し、rは2から5の整数を表し、R8は炭素数3以下のアルキル基を表す。)
ここで、一般式(I)のLが3−アミノプロピルトリアルコキシシランの加水分解物であることが更に好ましい。
本発明の核酸プローブは、上記一般式(I)で表される化合物であることを特徴としている
本発明の多重鎖核酸検出方法は、多重鎖核酸を、蛍光を用いて検出する多重鎖核酸蛍光検出方法であって、上記一般式(I)で表される化合物を、多重鎖核酸に相互作用させること、前記一般式(I)中Aの蛍光性半導体ナノ粒子を光励起させて、前記一般式(I)中Bの多重鎖核酸結合性蛍光分子への励起エネルギー移動を起こさせること、前記励起エネルギー移動の結果前記Bから放出された蛍光を検出すること、を含むことを特徴としている。
ここで、前記多重鎖核酸が、溶液中の多重鎖核酸であってもよく、また固体担体に固定化された1本鎖DNAまたは1本鎖RNAを含む多重鎖核酸であってもよい。
本発明に係る化合物は、A部分として蛍光性半導体ナノ粒子及びB部分として多重鎖核酸結合性蛍光分子を有するので、蛍光性半導体ナノ粒子を光励起させることによって光励起エネルギーがB部分の多重鎖核酸結合性蛍光分子に移動して蛍光が放出される。このため、多重鎖核酸との相互作用の有無によって多重鎖核酸結合性蛍光分子の蛍光性の発現能が変化すると共に、A部分の蛍光性半導体ナノ粒子からの光励起エネルギーの転移を生じさせることによって、簡便に且つ高感度に多重鎖核酸を検出することができる。
本発明によれば、励起光カットフィルターを用いることなく、また、励起光による光分解を生じることなく高感度且つ簡便に多重鎖核酸を検出することができる。
本発明の化合物は、下記一般式(I)で表されるものである。
A−L−B ・・・(I)
(式(I)中、Aは粒径1〜20nmの蛍光性半導体ナノ粒子を表し、Bは多重鎖核酸結合性蛍光分子を表し、LはAの表面に吸着または結合した2価の連結基を表す。)
上記一般式(I)で表される化合物は、連結基Lを介して、A部分として1〜20nmの粒径の蛍光性半導体ナノ粒子を有し、B部分として多重鎖核酸結合性蛍光分子を有している。本化合物のB部分としての多重鎖核酸結合性蛍光分子は、1本鎖との相互作用では蛍光強度が小さいが、多重鎖核酸との相互作用によって蛍光強度が増大する分子である。一方、本化合物のA部分としての蛍光性半導体ナノ粒子は、B部分の多重鎖核酸結合性蛍光分子へ光励起エネルギー転移が可能なナノ粒子である。このため、多重鎖核酸結合性蛍光分子を直接励起する必要がなくA部分の蛍光性半導体ナノ粒子を光励起すればよいので、簡便に且つ高感度に多重鎖核酸を検出することができる。
また、本化合物は、多重鎖核酸の可溶性が維持される環境下において、(a)多重鎖核酸の非存在下では、水溶液中で実質的に無蛍光性の状態で存在することができ、(b)多重鎖核酸の存在下では、多重鎖核酸との相互作用によって実質的に蛍光性を発現する、という性質を有する。本発明の蛍光性に関する性質は、A部分すなわち蛍光性半導体ナノ粒子からB部分すなわち多重鎖核酸結合性蛍光分子への励起エネルギー転移の効率と多重鎖核酸結合性蛍光分子の吸収・発光波長および蛍光発光効率の掛け合わせにより決定される。
なお、本明細書において、「相互作用可能」とは、上記化合物と多重鎖核酸とが親和性を有しており、可逆的な結合によりエネルギーの受け渡しなど何らかの物理化学的な相互作用を行うことができることを意味しているが、この用語はいかなる意味においても限定的に解釈してはならず、広義に解釈する必要がある。
また、「多重鎖核酸の可溶性が維持される環境下」とは、本化合物が多重鎖核酸と相互作用するときは、通常、溶液のpHや塩濃度などの条件が適宜選択されて多重鎖核酸が可溶性となっている。このような多重鎖核酸の可溶化形態は、従来のインターカレーターを使用するときの条件がそのまま適用可能であり、当業者であれば、そのような環境及び/又は条件を容易に選択することができる。
本明細書において、多重鎖核酸とは、核酸が相補的配列に由来する相互作用により集合した状態を指している(相互作用による多重鎖核酸の生成過程を「ハイブリダイゼーション」と呼ぶ場合がある)。多重鎖核酸は、二本鎖、三本鎖、又は四本鎖などの状態をとることが知られており、本明細書における多重鎖核酸にはこれらの多重鎖も包含される。
核酸としては、DNA又はRNAのほか、これらの化学修飾体が数多く知られており、さらにPNAと呼ばれるポリペプチド鎖を主鎖に有する核酸類縁体なども知られているが、本明細書における多重鎖核酸にはこれらがすべて包含される。
本発明においてより好ましく用いられる核酸は、DNA、RNA、及びこれらの化学修飾体であり、二本鎖、三本鎖、又は四本鎖の中では二本鎖が好ましい。場合によって、プローブ核酸と試料核酸とのハイブリダイゼーションにより生成される多重鎖核酸を、本明細書では適宜「ハイブリッド多重鎖核酸」と呼ぶ。
このような核酸は、効果的に蛍光検出されるために多重鎖を構成する少なくとも1本が少なくとも20塩基以上の配列であることが好ましいが、蛍光検出の対象として効果的なハイブリッド多重鎖核酸については、当業界では既知である。
以下、本発明に係る化合物の各構成要素について説明する。
[1]蛍光性半導体ナノ粒子(A)
一般式(I)におけるA部分は、粒径1〜20nmの蛍光性半導体ナノ粒子である。
本蛍光性半導体ナノ粒子は、所定の励起光で蛍光発光する無機の粒子であり、その平均粒子径は、投影面積における直径で表した場合の平均粒径として1〜20nmであり、好ましくは1〜10nmである。1nm以上の数平均粒径であれば蛍光性半導体ナノ粒子の安定性がよく、また20nm以下であれば、標的物質の検出時に光の散乱が低く且つ粒子の分散性が良好で、標的物質の検出を高感度に行うことができる。なお、金属ナノ粒子の粒径は、カーボン膜を貼り付けたCuメッシュに希釈した蛍光性半導体ナノ粒子を載せて乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM:例えば日本電子製1200EX)で撮影したネガを粒径測定器(例えばカールツァイス製KS−300)で測定される算術平均で示すことができる。
蛍光性半導体ナノ粒子の粒径分布は、変動係数で好ましくは0〜50%、より好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0〜10%である。なお、変動係数は、算術標準偏差を数平均粒径で除し、これを百分率で表した値(算術標準偏差×100/数平均粒径)を意味する。
蛍光性半導体ナノ粒子として好ましいものは、金属酸化物又は金属硫化物の蛍光性半導体ナノ粒子である。金属酸化物又は金属硫化物を構成する金属としては、例えば、Ba,CaなどのIIA族、ZnなどのIIB族、Y、Eu、TbなどのIIIA族、Ga、InなどのIIIB族、TiなどのIVA族、Si、PbなどのIVB族、WなどのVIA族、MnなどのVIIA族などが挙げられる。このうち好ましくは、Y,Eu,Tb,Tm,Ba,Ca,Mg,Al,Mn,Zn,Si,Sr,Ga,Yb,Cr,Ce,Pb及びWから選ばれた金属の酸化物である。またZnS,ZnSe,ZnTe,CdO,CdS,CdSe,CdTe,HgS,HgSe,HgTe,InP,InAs,GaN,GaP,GaAs,TiO2,PbS,PbSe等の金属化合物も挙げることができる。これらの金属酸化物、金属硫化物及び金属化合物の中でも生体に対して激しい反応性を示さず、かつエネルギードナーとして幅広い波長域に蛍光を発することができるY,Eu,Tb,Tm,Ba,Ca,Mg,Al,Mn,Zn,Si,Sr,Ga,Yb,Cr,Ce,Pb及びWから選ばれた金属の酸化物がより好ましく、Znが特に好ましい。蛍光性半導体ナノ粒子としては、安定に製造できること、毒性の懸念が少ないこと、安価に製造できること、粒子の単分散性が高いこと、強い発光が得られること、発光スペクトルの波長域が本目的に合致しやすいこと、励起光波長が可視ないし近紫外領域であることの各観点から、酸化亜鉛(ZnO)であることが最も好ましい。
さらにこれらの金属酸化物又は金属硫化物の蛍光性半導体ナノ粒子は、構成する金属酸化物又は金属硫化物中の金属とは異なる金属イオンを少量含有していることも好ましい。該金属イオンとしてはMn、Cu、Eu、Tb、Tm、Ce、Al、Agなどの金属イオンが挙げられ、発光の視認性が高いことおよび安定に製造できることの観点からMn及びEuが好ましい。これらの金属イオンは、塩化物イオンやフッ化物イオンを組み合わせた化合物としてドープされることも好ましい。ドープする金属イオンは1種類の原子も、複数種類の原子からなるものでもよい。従って、このような金属イオンを含む蛍光性半導体ナノ粒子としては、ZnS:Mn、ZnO:Euなどが挙げられる。該金属イオンの濃度は、蛍光性半導体ナノ粒子を構成する金属および、その種類によって最適量が異なるが、0.001〜10原子%の範囲が好ましく、0.01〜10原子%の範囲がより好ましい。
また蛍光性半導体ナノ粒子は、励起光とシグナル蛍光との分離、安価光源の利用、簡便な検出系構築の観点から好ましくは近紫外域の光で励起するものであり、より好ましくは300nm〜400nmの近紫外光を励起光とするものであり、この励起光によって、可視域の光、より好ましくは400nm〜700nmの可視光を発するものであることが好ましい。可視光を発光することによって、本化合物のB部分の多重鎖核酸結合性蛍光分子に対してエネルギーが移動し、別の可視域の多重鎖核酸結合性蛍光分子を励起することができ、多重鎖核酸結合性蛍光分子を発色させることができる。
[2]連結基(L)
一般式(I)におけるL部分は、A部分の蛍光性半導体ナノ粒子の表面に物理吸着又は化学結合した2価の連結基である。Lは、蛍光性半導体ナノ粒子(A)を水および緩衝液中で均一に分散させると共に、多重鎖核酸結合性蛍光分子(B)と連結させるための構造を有している。
Bと連結するための官能基として、アミノ基(結合基)、カルボキシル基(結合基、水溶性)が挙げられる。また、Lは2種以上の表面修飾剤を混合して生ずる構造でもよく、前述の官能基のほか、スルホン酸基(水溶性)、ポリアルキレングリコール(水溶性)などの構造を有していてもよい。
このような連結基を得るために下記一般式(III)で表される表面修飾剤又はその分解生成物で表面修飾されていることが好ましい。
Q−(R74 ・・・(III)
(式中、QはSi又はTi原子を、R7は有機性基を示す。R7はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、R7のうちの少なくとも1つはBと連結するための官能基を有する。)
前述の官能基部分を除くR7としては、例えば、アルキレン基(例:メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、シクロヘキシレン基など炭素数が1〜10、好ましくは1〜8の鎖状または環状のもの)、アルケニレン基(例:ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、8−ヘキサデセニレン基、1,3−ブタンジエニレン基、シクロヘキセニレン基など炭素数が1〜10、好ましくは1〜8の鎖状または環状のもの)、アリーレン基(例:フェニレン基、ナフチレン基、など炭素数が6〜10、好ましくは6のフェニレン基)が挙げられる。
なお、R7は、1個又は2個以上のヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子などの炭素原子以外の任意の原子を意味する)や、上記ヘテロ原子と隣接する炭素原子を含む他の官能基を1以上、部分構造として含んでいてもよい。へテロ原子は酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がもっとも好ましい。ヘテロ原子の数は特に規定されないが5個以下であることが好ましく、より好ましくは3個以下である。また他の官能基としては、エステル基(カルボン酸エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステル、スルフィン酸エステルを含む)、アミド基(カルボン酸アミド、ウレタン、スルホン酸アミド、スルフィン酸アミドを含む)、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基、アミノ基、イミド基などが挙げられる。この他の官能基はさらに置換基を有していてもよい。このような他の官能基として、好ましくは、エステル基、アミド基、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基又はアミノ基であり、さらに好ましくはアルケニル基、エステル基、エーテル基である。
7で表わされるその他の有機性基としては、任意の基が挙げられるが、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などのアルコキシ基及びフェノキシ基である。これらのアルコキシ基及びフェノキシ基はさらに置換基を有していてもよいが、合計の炭素数が8以下のものが望ましい。本発明に用いられる表面修飾剤は、アミノ基、カルボキシル基などが、酸又は塩基と塩を形成したものでもよい。
本発明に用いられる表面修飾剤のうち一般式[I]で表されるものの分解生成物とは、アルコキシ基が加水分解した水酸化物、水酸基同士間の脱水縮合反応により生成した低分子量のオリゴマー(これはリニア構造、環状構造、架橋構造などいずれであってもよい)、水酸基と未加水分解のアルコキシ基による脱アルコール縮合反応生成物、これらがさらに脱水縮合反応して形成したゾル、及びゲルをいう。
本発明に使用可能な表面修飾剤は、蛍光体ナノ粒子の表面全体を被覆していても、その一部に結合していてもよい。また、本発明において表面修飾剤は、単独で用いても複数併用してもよい。
このような連結基の中でも、アルキル基末端に置換された置換アルキルチオールや官能基を有する下記一般式(IV)のシランカップリング剤等が製造コストおよび水性媒体中での分散安定性の観点からさらに好ましい。
E-(CH2r-Si(OR83 ・・・(IV)
式(III)中、Eはアミノ基、カルボキシル基、メルカプト基を表し、rは2から5、R8は炭素数3以下のアルキル基を表す。
このようなシランカップリング剤としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−アミノプロピル)−ベンズアミドトリメトキシシラン、3−ヒドラジドプロピルトリメトキシシラン、3−マレイミドプロピルトリメトキシシラン、(p−カルボキシ)フェニルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン、3−(2−ピリジル)−プロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
このような連結基のなかでも、3-アミノプロピルトリメチルシランおよび3−アミノプロピルトリエトキシシランをZnOと混合し、加水分解を行いながら表面修飾を行うことによって得られる構造が水性媒体中での分散安定性の観点から最も好ましい。
[3]多重鎖核酸結合性蛍光分子(B)
一般式(I)におけるB部分は、多重鎖核酸結合性蛍光分子であり、多重鎖核酸の非存在下において水溶液中では実質的に無蛍光性であり、多重鎖核酸を存在させた場合に、多重鎖核酸との相互作用によって実質的に蛍光性を発現する色素化合物に相当する。
Bで表される色素化合物による多重鎖核酸の識別能の原理は、多重鎖核酸と相互作用し、多重鎖核酸から受け取った相互作用エネルギーによって本来の色素の状態(色素共役系の回復)へと平衡が移動して蛍光発光すること、及び多重鎖核酸が存在しない場合には実質的に無蛍光の状態が保持されることに基づいている。反応系内に1本鎖核酸が存在しても色素化合物と一本鎖核酸との相互作用エネルギーは小さいために実質的に無蛍光の状態が保持されるが、一方、色素と多重鎖核酸との相互作用は十分に大きく、無蛍光化された色素は多重鎖核酸との相互作用により蛍光性色素へと変化する。
本化合物中の色素化合物は、多重鎖核酸との相互作用の後、Bに連結した半導体ナノ粒子Aを励起することにより得られるエネルギーを受け取ることにより発光する。
このB部分としての色素化合物には、このような機能を有する既知のインターカレーターが適用可能であるが、1本鎖核酸と多重鎖核酸の識別性および吸収/蛍光波長制御の容易性の観点から下記一般式(II)で表されるシアニン色素構造を有する色素化合物であることが好ましい。
式中、Xは酸素原子、硫黄原子、C(R3)(R4)、N(R3)を表す。ここでR3およびR4は炭素数1から3のアルキル基を表す。Xとして好ましくは、分子の平面性が高く、多重鎖核酸へのインターカレート能が高いことおよび多重鎖核酸との相互作用の結果生じる蛍光強度が強いという観点から酸素原子および硫黄原子であり、硫黄原子が最も好ましい。
1およびR2はそれぞれ独立に、置換または無置換の主鎖中に窒素原子を有するまたは有しない炭素数1から20のアルキル基または−(R5O)k−R6基を表す。ここで、R5は炭素数2から3のアルキル基を表し、R6は炭素数1から2のアルキル基を表し、kは1から3の整数を表す。
アルキル基または−(R5O)k−R6基が置換基を有する場合、その置換基としてはハロゲン原子、又は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヘテロ環基、シアノ基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基を挙げることができ、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、フェニルエチニル基、p−スルホフェニルエチニル基、p−スルホニルアミノフェニルエチニル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、メチルスルホニルアミノ基、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−メチルスルファモイル基等が該当する。好ましくは水酸基、アミノ基、チオール基、スルホ基、カルボキシル基である。
1、R2のうち、少なくともひとつは粒子表面のLとの連結が可能な官能基を有する。官能基は、Lとの連結が可能な基であればよいが、Lとの反応性の観点からチオール基、アミノ基、カルボキシル基が好ましく、最も好ましくはカルボキシル基である。
VおよびWはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のヘテロアリール基を表し、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、等を挙げることができる。VおよびWとしては、水溶性およびインターカレート能の観点から好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基であり、もっとも好ましくは水素原子またはハロゲン原子である。pおよびqは0から4を表す。好ましくは0から2、最も好ましくは0または1である。nは0から3を表すが、好ましくは0および1、最も好ましくは0である。
Mは、分子の電荷を中和するのに必要であり且つR1又はR2と結合していてもよい対イオンを表し、mは電荷中和に必要な数を表す。Mは陽イオンでも陰イオンでもよく、陽イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオンなど)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオンなど)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンなどが挙げられる。また、Mは水素イオンでもよい。対イオンとして好ましくはアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、ハロゲン陰イオン、置換アリールスルホン酸イオンであり、さらに好ましくはアルカリ金属イオン、ハロゲン陰イオン、置換アリールスルホン酸イオンである。
一般式(I)の部分構造Bに相当する色素化合物の合成としては、一般的な合成法が既知であり、当業者が容易に合成することができる。例えば、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレイテイド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds − Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊;デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds − Special Topics in Heterocyclic Chemistry)」、第18章、第14節、482から515頁、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、などに詳細に記載されている。
[4]本化合物の製造方法
[4−1]蛍光性半導体ナノ粒子およびその分散液の製造方法
蛍光性半導体ナノ粒子は公知の合成法により製造することができる。例えば、均一沈殿法(共沈法)、逆ミセル法(マイクロエマルジョン法)、ホットソープ法、ゾル−ゲル法、ソルボサーマル法、溶融尿素法、金属錯体法などの液相合成法、CVD法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、ジュールクエンチ法、ガス中蒸着法などの気相合成法、噴霧熱分解法、超臨界法などの特殊合成法が適用できる。また、これらの合成法を組合わせて使用することもできる。液相合成法にはマイクロ波照射、超音波照射などを併用してもよいし、マイクロリアクターのような微小反応空間を利用してもよい。
本発明においては、蛍光性半導体ナノ粒子はコロイド分散する必要があり、通常の蛍光体の製造に用いる焼成は行わないことが望ましい。また、粒子の結晶成長や凝集を抑制するために、適当な表面修飾剤の存在下で反応させたり、マイクロ又はナノ空間を利用して反応させたりすることが好ましい。
金属酸化物で構成される蛍光性半導体ナノ粒子は、含有される金属のアルコキシド、アセチルアセトナートなどの有機金属化合物を加水分解するゾル−ゲル法、該金属の塩の水溶液にアルカリを加えて水酸化物として沈降させた後、脱水、アニールする水酸化物沈殿法、該金属の上記プレカーサーの溶液を用いて、超音波を照射する超音波分解法、高温高圧下で分解反応を行なうソルボサーマル法、高温下に噴霧するスプレーパイロリシスなどの液相合成法により得ることができる。また、有機金属化合物を用いる熱CVD法やプラズマCVD法、該金属または該金属酸化物のターゲットを用いるスパッタ法やレーザーアブレーション法などの気相合成法によっても得ることができる。
金属硫化物で構成される蛍光性半導体ナノ粒子は、含有される金属のジエチルジチオカルバメート化合物などの熱分解性金属化合物をトリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィン類、ω−アミノアルカン類などの高沸点有機溶媒中で結晶成長させるホットソープ法、該金属の塩の溶液に硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物溶液を添加して結晶成長させる共沈法、界面活性剤を含む上記原料水溶液をアルカン類、エーテル類、芳香族炭化水素などの非極性有機溶媒中に逆ミセルとして存在させ該逆ミセル中で結晶成長させる逆ミセル法などの液相合成法により得ることができる。また、前記金属酸化物蛍光性半導体ナノ粒子の場合と同様の気相合成法によっても得ることができる。
上述した表面修飾剤は、蛍光性半導体ナノ粒子の合成時に添加することもできるが、好ましくは合成後に添加し、その少なくとも一部を加水分解することにより該蛍光性半導体ナノ粒子と結合して、ナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆(表面修飾)させる。なお、蛍光性半導体ナノ粒子は遠心分離やろ過などの常法により洗浄、精製後、本発明に用いられる表面修飾剤を含有する溶媒(好ましくはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−エトキシエタノールなどの親水性有機溶媒)に分散させて被覆してもよい。
表面修飾剤の添加量は、蛍光体の粒子サイズ、粒子の濃度、表面修飾剤の種類(大きさ、構造)等により変動するが、金属酸化物又は金属硫化物に対し、好ましくは0.001〜10倍モル、さらに好ましくは0.01〜2倍モルである。
前述した通り、一般式(III)又は(IV)で表される表面修飾剤以外に、公知の表面修飾剤を併用することができる。公知の表面修飾剤の添加量は、特に制限はないが、好ましくは0.01〜100倍モル、さらに好ましくは0.05〜10倍モルである。
表面修飾剤が結合した蛍光性半導体ナノ粒子の分散液において、ナノ粒子の濃度は、蛍光強度によって異なるので特に限定されないが、0.01mM〜1000mMが好ましく、より好ましくは0.1mM〜100mMである。分散媒としては、上記アルコール類の他、DMF、DMSO、THFなどの親水性有機溶媒や水が好ましい。
なお、蛍光性半導体ナノ粒子の表面が表面修飾剤で被覆されていることは、FE−TEM等の高分解性TEMで観察した際に粒子間に一定の間隔が認められること、および化学分析により確認することができる。
[4−2]多重鎖核酸結合性蛍光分子との連結
一般式(III)又は(IV)に相当する表面修飾剤で被覆された蛍光性半導体ナノ粒子は、その表面修飾剤の末端にある官能基を反応基としてアミド化反応等によりさらに本化合物のB部分の多重鎖核酸結合性蛍光分子と連結する。
アミド化反応は、カルボキシル基あるいはその誘導基(エステル、酸無水物、酸ハロゲン化物など)とアミノ基の縮合により行なわれる。酸無水物や酸ハロゲン化物を用いる場合には塩基を共存させることが望ましい。カルボン酸のメチルエステルやエチルエステルなどのエステルを用いる場合には、生成するアルコールを除去するために加熱や減圧を行なうことが望ましい。カルボキシル基を直接アミド化する場合には、DCC、Morpho−CDI、WSCなどのアミド化試薬、HBTなどの縮合添加剤、N−ヒドロキシフタルイミド、p−ニトロフェニルトリフルオロアセテート、2,4,5−トリクロロフェノールなどの活性エステル剤などのアミド化反応を促進する物質を共存させたり、予め反応させておいてもよい。また、アミド化反応時、アミド化により結合させる親和性分子のアミノ基またはカルボキシル基のいずれかを常法に従って適当な保護基で保護し、反応後脱保護することが望ましい。
アミド化反応により親和性分子を結合した蛍光性半導体ナノ粒子は、ゲルろ過などの常法により洗浄、精製後、水または親水性溶媒(好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エトキシエタノールなど)に分散させて使用する。この分散液中のナノ粒子蛍光体の濃度は、蛍光強度によって異なるので特に限定されないが、10-1M〜10-15Mが好ましく、より好ましくは10-2M〜10-10Mである。
以下、本発明の方法に好適に用いられる化合物の具体例を挙げるが、本発明の方法はこれらの化合物を用いる場合に限定されることはない。
本発明の化合物は、A部分の蛍光性半導体ナノ粒子の光励起によってB部分の色素化合物へエネルギー移動が生じる。ここで、本化合物が多重鎖核酸と結合している場合、B部分の多重鎖結合性蛍光分子を介して多重鎖核酸へ本発明の化合物がインターカレートするので、色素化合物が実質的に有色に変化し且つ蛍光が放出される。従って、本発明の化合物は、蛍光発光性の核酸プローブとして好ましく利用することができる。
特に、本化合物のA部分の蛍光性半導体ナノ粒子が近紫外域の光で励起して、B部分の多重鎖結合性蛍光分子による可視域での検出が可能であるので、紫外線イルミネーター等の安価な光源により励起し、励起光の影響がまったくない可視域での多重鎖核酸を検出することができる。
本発明の核酸プローブは、多重鎖核酸の検出用として用いる場合、適当な水性溶媒と組み合わせて検出用組成物を構成してもよい。
このような水性溶媒としては、一般に核酸検出用試薬として使用可能なものがすべてそのまま適用可能であり、例えば、TBEバッファー、TEバッファー、TAEバッファー、SSC溶液、HEPESバッファー、HEPSOバッファー、TAPSバッファー、Trisバッファー、MOPSバッファー、CAPSバッファー等を挙げることができる。このような水性溶媒は、検出用組成物の全質量に対して、0.01質量%〜90質量%で存在することができる。
本発明の核酸プローブを核酸検出用として使用する場合、対象となる多重鎖核酸の濃度によって異なるが、一般に、0.01〜100μg/ml、好ましくは1〜50μg/mlの量で用いられる。
本発明の多重鎖核酸蛍光検出方法は、多重鎖核酸を、蛍光を用いて検出する多重鎖核酸蛍光検出方法であって、上記化合物(核酸プローブ)を、多重鎖核酸に相互作用させること(相互作用工程)、核酸プローブ中A部分の蛍光性半導体ナノ粒子を光励起させて、核酸プローブ中B部分の多重鎖核酸結合性蛍光分子への励起エネルギー移動を起こさせること(光励起工程)、前記励起エネルギー移動の結果前記Bから放出された蛍光を検出すること(蛍光検出工程)、を含むものである。
本多重鎖核酸蛍光検出方法によれば、核酸プローブ中A部分の蛍光性半導体ナノ粒子を光励起させることによる励起エネルギーの転移によってB部分の多重鎖核酸結合性蛍光分子から蛍光が放出されるので、この蛍光を検出することによって簡便に多重鎖核酸を検出することができる。
標的となる多重鎖核酸には、上述した多重鎖核酸が該当し、一般的に、溶液中の多重鎖核酸であることが好ましい。この多重鎖核酸は、試料溶液中で可溶化した形態を採り、溶液中に可溶化している本核酸プローブと容易に相互作用することができる。これにより、溶液中の多重鎖核酸を容易に検出することができる
また、多重鎖核酸としては、固体担体上に固定化された少なくとも1つの1本鎖核酸を含む多重鎖核酸であってもよい。ここで、固体担体上に固定された1本鎖核酸は、特定の目的に応じて選択された1本鎖のDNA又はRNA等の核酸であって、試料中に存在する相補的な核酸とハイブリッド多重鎖核酸を形成することができる。従って、ここでの多重鎖核酸は、この1本鎖核酸と試料中の核酸とがハイブリダイズすることによって固体担体上に固定されている。本核酸プローブは、このような固定化多重鎖核酸に対しても相互作用可能であり、これにより、固体担体上に形成された多重鎖核酸のうちの特定のものを容易に検出することができる。
なおこのような固定化1本鎖核酸を含む多重鎖核酸は、少なくとも1つの固定化1本鎖核酸を含むものであればよく、多重鎖核酸を構成する他の核酸鎖の固定の有無や種類は問わない。
また、核酸プローブを相互作用する前に実施される固定化1本核酸と他の核酸鎖によるハイブリダイゼーションの条件は通常の条件をそのまま適用することができる。
1本鎖核酸が固定される固体担体は、1本鎖核酸を固定可能であれば、板状、粒状等のいずれの形態を採るものであってよく、基板はガラス基板、石英基板、無蛍光石英基板、メチルセルロースメンブレン等を挙げることができる。特に基板としては、1本鎖核酸を固定化した、所謂DNAチップを好ましく挙げることができる。
本発明の核酸プローブとこれらの多重鎖核酸との相互作用は、多重鎖核酸の結合に通常用いられる条件をそのまま適用すればよく、具体的には核酸プローブを含む検出用組成物を、多重鎖核酸の可溶性が維持される環境下で、多重鎖核酸へ添加すればよい。このような条件は、上述した通りであり、当業者であれば容易に適宜設定可能である。
光励起工程の光励起条件は、核酸プローブ中の蛍光性半導体ナノ粒子部分の上述した光励起条件をそのまま適用することができ、可視域のシグナル蛍光を検出する観点から近紫外光、特に生体試料へのダメージを低減する観点から300〜400nmの近紫外光で行われることが好ましい。このような光照射は、安価な紫外線光源によって簡便に行うことができる。
蛍光検出工程は、光励起工程において光励起エネルギーの転移の結果、核酸プローブの多重鎖核酸結合性蛍光分子から放出された蛍光を検出する。ここで放出された蛍光は、励起光の波長とは異なる波長の光であるので、励起光カットフィルターを装着してノイズ低減を図る必要はない。
核酸プローブからの蛍光発光の検出及びこれに基づく標的物質の検出は、通常、この目的のために行われている条件及び手段をそのまま適用することができる。このような条件及び手段を、当業者は容易に適宜選択することができる。このとき、検出対象となる蛍光は、核酸プローブの多重鎖核酸結合性蛍光分子からの蛍光が該当するが、検出用組成物中に他の蛍光色素が存在している場合には、これらの蛍光色素からの蛍光が含まれていてもよい。蛍光検出には、通常、この用途に用いられる手段をそのまま適用することができ、例えばCCDカメラ等を挙げることができる。
本発明の多重鎖核酸蛍光検出方法は、DNAやRNA等の遺伝子混合物中に含まれると予想される特定塩基配列を含む標的RNAの定性又は定量分析方法として利用することができる。また、本方法は、遺伝子診断等の臨床診断分野での利用に有用で、更には、食品中、室内、土壌中、河川中、海洋中等の環境中の微生物の定性又は定量にも好ましく利用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、重量(質量)基準である。
(1)化合物I−1の合成
(酸化亜鉛ナノ粒子の合成)
酢酸亜鉛2水和物(5.49g,25mmol)に脱水エタノール(250ml)を加え、Dean-Steark脱水装置にて溶媒を留去しながら穏やかに2時間加熱還流を行った。留去された溶媒は150mlであった。白濁した反応液に再度脱水EtOH150ml添加して加熱還流を行い、透明化した反応液を室温まで水冷した。該反応液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(25%メタノール溶液、11.4ml,28mmol)を添加して室温にて4時間攪拌した。
続いて3−アミノプロピルトリメトキシシラン(4.7ml,25mmol)と水(1.5ml,83.3mmol)を添加して60℃にて4時間攪拌を行った。反応開始7分後に白色固体が析出する。反応液を室温まで水冷した後、固体を吸引ろ過し、エタノールで洗浄した。得られた白色粉末を減圧下で乾燥すると表面がアミノ化された酸化亜鉛ナノ粒子が得られた。収量 6.0g
上記粒子200mgを蒸留水10mlに溶解し、Sephadex G25を充填したカラムを用いてゲルろ過を行った。以降の反応は全て該脱塩水溶液を使用した。
本処方により合成したナノ粒子は10wt%でも透明な良好な分散状態を示す。粉末X線回折空間群P63mcに属する六方昌系(ウルツ鉱型)酸化亜鉛の標品とピークパターンが一致し、粒径は3nmであった。
(色素合成)
色素I−1dを、以下に示す方法で合成した。
化合物I−1a(0.52g,1.0mmol)と化合物I−1b(0.40g,1.0mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解し、トリエチルアミン(0.42ml,3.0mmol)を加えて50℃にて2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加えて生じる結晶をろ過した。結晶をメタノールから再結晶させて色素I−1c(280mg,48%)を得た。
色素I−1c(0.1g)をメタノール10mlに溶解し、1%水酸化リチウム水溶液3mlを添加して室温にて3時間攪拌した。反応液にイソプロピルアルコールと酢酸エチルを加えて結晶を析出させろ過した。結晶をセファデックスLH−20(アマシャム製)を用いたゲルろ過により精製し、色素I−1d(090mg)を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ : 8.70 (2H, dd) , 8.14 (1H, d) , 7.94 (2H, m) , 7.72 (2H, m), 7.30 (2H, dd), 6.77 (1H, s), 4.70 (2H, bs), 3.97 (3H, s), 3.40-3.20 (4H, m), 3.00 (6H, s), 2.20-1.80 (8H, m)
(色素の活性エステル化)
化合物I−1d(7.0mg,1×10-5mol),N−ヒドロキシスクシンイミド(3.4mg,3×10-5mol)を0.01M MESバッファー(pH6.0)1mlに溶解させ、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(5.8mg,3×10-5mol)を添加して室温にて1時間攪拌した。
(ナノ粒子と色素の連結)
上記活性エステル化反応溶液200μl、ナノ粒子ゲルろ過溶出液1ml、0.01M HEPESバッファー(pH7.2)1300μlを混合し、室温にて3時間攪拌した。反応液をSephadex G25を充填したカラムを用いてゲルろ過(水にて溶出)を行い、化合物I―1の水分散液を得た。
(2)化合物I−2からI−6の合成
色素構造を変更した以外はI−1と同様の条件下にて合成を行い、色素I−2からI−6を合成した。
[実施例3]
化合物I−1を用いたアガロース電気泳動ゲルのDNA染色
(染色液の調製)
化合物I−1を0.5×TBEバッファー(pH8.47)で希釈し、500nmにおける吸光度が0.08となるように調製した。この溶液を400μl計り取り、さらに40mlの0.5×TBEバッファー(pH8.47)で希釈して染色液とした。
比較用としてMolecular Probes社製インターカレーターであるSybr Safeを上記と同濃度で調製した。
(電気泳動ゲルの染色)
ニッポンジーン製Smart Ladder(0.2−10kbp)を5μl/レーンを30分間泳動させたゲルを上記染色液と室温にて30分間インキュベートした。
(DNA検出)
紫外線イルミネーターを搭載した冷却CCDカメラシステム;富士フイルム社製LAS−1000を用いてDNAを染色したゲルを撮像した。結果を図1に示す。
図1中、左側のゲルは本発明の化合物I−1により染色を行った結果である。
中央のゲルは本発明の化合物の部分構造であるI−1d、すなわちインターカレート色素のみで染色を行った結果である。
右側のゲルはMolecular Probes社が販売しているインターカレート色素SYBR Safeにより染色したものである。
図1から明らかなように、本発明の化合物I−1により既存のインターカレーターよりも高感度かつ高SN比でDNAを検出できることがわかる。
従って、本発明に係る核酸プローブを用いることによって励起光カットフィルターを用いることなく高感度且つ簡便に多重鎖核酸を検出することができることは明らかである。
本発明の実施例に係る各種の化合物(左レーン:I−1、中央レーン:I−1d、右レーン:SYBER Safe)を用いたDNA染色を示すゲルの写真である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    A−L−B ・・・(I)
    (式(I)中、Aは粒径1〜20nmの蛍光性半導体ナノ粒子を表し、Bは多重鎖核酸結合性蛍光分子を表し、LはAの表面に吸着または結合した2価の連結基を表す。)
  2. 一般式(I)のAが金属酸化物である請求項1に記載の化合物。
  3. AがY,Eu,Tb,Tm,Ba,Ca,Mg,Al,Mn,Zn,Si,Sr,Ga,Yb,Cr,Ce,Pb及びWから選ばれた金属の酸化物である請求項1の化合物。
  4. 一般式(I)のAが酸化亜鉛である請求項3に記載の化合物。
  5. 一般式(I)のBが下記一般式(II)で表される請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
    (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、C(R3)(R4)、N(R3)を表し、ここでR3およびR4は炭素数1から3のアルキル基を表し、
    1およびR2はそれぞれ独立に、置換または無置換の主鎖中に窒素原子を有するまたは有しない炭素数1から20のアルキル基または−(R5O)k−R6基であって、ここで、R5は炭素数2から3のアルキル基を表し、R6は炭素数1から2のアルキル基を表し、kは1から3の整数を表し、ただし、R1、R2のうち少なくともひとつは、連結基Lとの連結が可能な官能基が置換した基を有し、
    VおよびWはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基または炭素数1から5のヘテロアリール基を表し、
    pおよびqは、0から4の整数を表し、
    nは0から3の整数を表し、
    Mは、分子の電荷を中和するのに必要であり且つR1又はR2と結合していてもよい対イオンを表し、
    mは電荷中和に必要な数を表す。)
  6. 一般式(I)のLが一般式(III)で表される化合物の加水分解物である請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
    Q−(R74 ・・・(III)
    (式中、QはSi又はTi原子を、R7は有機性基を示す。R7はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、R7のうちの少なくとも1つはBと連結するための官能基を有する。)
  7. 一般式(I)のLが一般式(IV)で表される化合物の加水分解物である請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
    E−(CH2r−Si(OR83 ・・・(IV)
    (式(IV)中、Eはアミノ基、カルボキシル基またはメルカプト基を表し、rは2から5の整数を表し、R8は炭素数3以下のアルキル基を表す。)
  8. 一般式(I)のLが3−アミノプロピルトリアルコキシシランの加水分解物である請求項7に記載の化合物。
  9. 下記一般式(I)で表される核酸プローブ。
    A−L−B ・・・(I)
    (式(I)中、Aは粒径1〜20nmの蛍光性半導体ナノ粒子を表し、Bは多重鎖核酸結合性蛍光分子を表し、LはAの表面に吸着または結合した2価の連結基を表す。)
  10. 多重鎖核酸を、蛍光を用いて検出する多重鎖核酸蛍光検出方法であって、
    請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を、多重鎖核酸に相互作用させること、
    前記一般式(I)中Aの蛍光性半導体ナノ粒子を光励起させて、前記一般式(I)中Bの多重鎖核酸結合性蛍光分子への励起エネルギー移動を起こさせること、
    前記励起エネルギー移動の結果前記Bから放出された蛍光を検出すること、
    を含む多重鎖核酸蛍光検出方法。
  11. 前記多重鎖核酸が、溶液中の多重鎖核酸であることを特徴とする請求項10記載の多重鎖核酸蛍光検出方法。
  12. 前記多重鎖核酸が、固体担体に固定化された少なくとも1つの1本鎖核酸を含む多重鎖核酸であることを特徴とする請求項10記載の多重鎖核酸蛍光検出方法。
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