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JP2006327803A - 産業車両の転倒防止装置 - Google Patents

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JP2006327803A
JP2006327803A JP2005156929A JP2005156929A JP2006327803A JP 2006327803 A JP2006327803 A JP 2006327803A JP 2005156929 A JP2005156929 A JP 2005156929A JP 2005156929 A JP2005156929 A JP 2005156929A JP 2006327803 A JP2006327803 A JP 2006327803A
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Kimihiko Okano
公彦 岡野
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】 旋回時における車両姿勢不安定化の抑制に好適な産業車両の転倒防止装置を提供する。
【解決手段】 前輪2および/または後輪3の近傍にこれらの左右車輪の幅よりも外周側に配置され、車両の旋回走行時における左右方向の傾斜時に路面Lとの間で当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を分担して支持して当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を軽減する輪荷重調整手段10を備えるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フォークリフトに代表される産業車両の転倒防止装置に関するものである。
従来からフォークリフト等の産業車両の旋回走行時における横加速度により車体が予測以上に大きく傾動して車両姿勢や積荷の積載状態が不安定になることを防止する産業車両のパワーステアリング装置が提案されている(特許文献1参照)。
これは、油圧ポンプから供給される作動油をステアリングからの操舵入力に応じてコントロールバルブにより油圧パワーシリンダの一対の油室に給排するものにおいて、コントロールバルブの各給排ポートと各油室とを接続する管路にそれぞれ作動油の給排を遮断可能な電磁開閉弁を設け、車速及び操舵角を検出し、車速が車速判定値以上でかつ操舵角が操舵角判定値以上であれば、油圧パワーシリンダへ作動油を供給する側の電磁開閉弁を閉弁させ、旋回時に車両が不安定となる操舵を制限するようにしている。
特開平11−334635号公報
しかしながら、上記従来例では、車速と操舵角とで設定された遠心力が所定値を超える場合に電磁開閉弁を閉じてそれ以上の操舵を制限するものであるが、操舵制限状態であっても車速を更に増速すると、車両に加わる遠心力が増加し、車両姿勢や積荷の積載状態が不安定になる場合があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、旋回時における車両姿勢不安定化の抑制に好適な産業車両の転倒防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、前輪および/または後輪の近傍にこれらの左右車輪に対し、車両の旋回走行時に、旋回外輪となる車輪よりも外周側に配置され、車両の左右方向の傾斜時に路面との間で当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を分担して支持して当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を軽減する輪荷重調整手段を備えるようにした。
したがって、本発明では、前輪および/または後輪の近傍にこれらの左右車輪に対し、車両の旋回走行時に、旋回外輪となる車輪よりも外周側に配置され、車両の左右方向の傾斜時に路面との間で当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を分担して支持して当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を軽減する輪荷重調整手段を備えるため、旋回時のロールが大きくなると荷重調整手段が作動して進行方向前方側の左右車輪のコーナリングフォースを減少させ、車両の旋回半径を大きくして、車両の転倒モーメントが転倒限界を越えないようにすることができる。
以下、本発明の産業車両の転倒防止装置を各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明を適用した産業車両の転倒防止装置の第1実施形態を示し、図1は転倒防止装置を装備した産業車両としてのフォークリフトの斜視図、図2は転倒防止装置の作動を説明する産業車両の正面図、図3は転倒防止装置の作動を説明する産業車両の平面図である。
図1において、産業車両としてのフォークリフトは、車体1の前部に一対の左右の駆動輪2を有し、後部に一対の左右の操舵輪3を有する4輪構成となっている。左右駆動輪2は、図示しないエンジン・変速機、および終減速機よりなる駆動装置により前進方向若しくは後進方向に車両を駆動する。左右駆動輪2の車軸は車体1にリジットに固定支持されており、車両に遠心力が作用した場合には、駆動輪2のタイヤの弾性変形に応じて車体1が傾斜(ロール)する。操舵輪3はカウンタウェイト4の下方位置に配置され、車体1の左右方向の中心の前後方向に延びる図示しないスイング軸によりスイング可能に支持したアクスルの左右端に転舵可能に支持されている。このため、車両に遠心力が作用した場合には、車両後方の操舵輪3側においては、操舵輪3のタイヤの弾性変形とアクスルのスイング角度との両者に応じて車体1が傾斜(ロール)する。
前記左右駆動輪2の前方には、荷物を運搬するための荷役装置としてのマスト装置5が設けられ、左右駆動輪2と後部の操舵輪3との間に運転席6が設けられている。運転席6には、ステアリングホイール7と、マスト装置5をチルトおよび昇降させるときに操作する図示しない荷役レバー(チルトレバーおよびリフトレバー)と、走行方向を選択する図示しない前後進レバーと、図示しないアクセルペダルおよびブレーキペダル等が設けられている。前後進レバーは、前進、中立、後進の3つ位置を切換えることができる。
前記駆動輪2である前輪の近傍の車体1には、転倒防止装置として機能する輪荷重調整手段10を車体1の左右方向外側に突出させて備える。前記輪荷重調整手段10は、左右前輪2の左右方向外側に位置させてキャスタ輪11(自由に方向の変わる車輪)を備え、キャスタ輪11は車両が静止若しくは直進走行している通常の姿勢時には、路面Lとの間に予め設定した隙間を備えるよう配置している。具体的には、キャスタ輪11がその方向を変えて車両内側にトレールをもつ場合においても、左右駆動輪2のトレッド幅よりも左右方向外側において、路面Lに接地されるよう配置する。そして、車両を旋回走行させて生ずる遠心力により左右いずれかの方向に傾斜するロール状態が所定値(ロール角)を超える場合においては、図2に示すように、左右方向の傾斜した側のキャスタ輪11が接地するよう構成している。前記所定ロール角は、旋回時の遠心力により前輪である左右駆動輪2のいずれか一方が路面Lから浮き上る状態で傾斜した側のキャスタ輪11の接地が開始されるよう設定することが望ましい。そして、該当する側のキャスタ輪11の接地荷重が車体1のそれ以上の傾斜に対応して徐々に増加するように設定する。前記キャスタ輪11のトレールは、比較的短く設定することで、キャスタ輪11の接地後の方向変化により接地荷重が大幅に変化しないようにすることが望ましい。
以上の構成の産業車両の転倒防止装置である輪荷重調整手段10の動作について以下に説明する。
産業車両の転倒防止装置である輪荷重調整手段10は、フォークリフトの停車中および直進での走行状態の運転時においては、左右方向の加速度が作用していないため、車体1の横方向の傾きが発生しない。このため、キャスタ輪11は予め設定した隙間をもって路面Lに対面しており、車体荷重および積載荷重は駆動輪2および操舵輪3により分担して受持たれる。
前進走行状態からステアリングホイール7を操舵して旋回走行に移行すると、図2(右操舵された場合を示している)に示すように、車体1には旋回に伴う遠心力が作用する。遠心力の増加に伴って旋回内輪(この場合には右側駆動輪2)への荷重分担が減少する一方、旋回外輪(この場合には左側駆動輪2)への荷重分担が増加する。旋回内輪2のタイヤは荷重分担の減少に連れて接地面積を減少させて膨らむ一方、旋回外輪2のタイヤは荷重分担の増加に連れて接地面積を増加させて偏平に撓んでゆき、車体1は旋回外輪側へ傾斜(ロール)してゆく。旋回に伴い左右駆動輪2および左右操舵輪3には、夫々荷重分担に応じたサイドフォース(横力)が作用する。
旋回による遠心力が増加して車体1のロール状態が所定値(ロール角)を超えると、旋回外輪側である左側駆動輪2の近傍に配置した輪荷重調整手段10のキャスタ輪11が路面に接触し始める(図2参照)。このキャスタ輪11の路面への接触は、車両より旋回外輪2に加わる荷重の一部を分担することとなり、旋回外輪2での荷重分担を減少させることとなる。この旋回外輪2での荷重分担の減少は、左右駆動輪2(前輪)の荷重配分の相対的な低下を招き、前輪2のスリップアングルを増加させる。この状態は、図3に示すように、破線のトレールで旋回走行している車両に対して、その進行方向をやや直進方向に変更するアンダーステアの傾向とし、車体1に加わる旋回モーメント(ヨーモーメント=ロールモーメント)を低減させる。また、キャスタ輪11の路面への接触により、キャスタ輪11が回転されることとなるため、路面Lとの間で回転音および回転振動を発生させ、オペレータは車両が不安定姿勢に移行しつつあることの警告の役割も発揮する。
車両速度の増加や旋回半径の減少により車両に加わる遠心力が増加した場合には、旋回外輪側のキャスタ輪11の接地荷重が増加され、その荷重分担が更に増加される。このため、左右駆動輪2(前輪)の荷重配分の相対的な低下は増加され、前輪2のスリップアングルは更に増加され、車両の進行方向をよりアンダーステアとする傾向を増加させ、車体1に加わる旋回モーメント(ヨーモーメント=ロールモーメント)を更に低減させる。
結果として、旋回走行時における旋回モーメント(ヨーモーメント=ロールモーメント)は、キャスタ輪11が接地して荷重分担が増加する近辺の値に制限され、車両に加わる転倒モーメントが所定値を超えることを制限し、車両姿勢が不安定となって転倒することを防止することができる。この効果は、所定車速での走行時における旋回半径の減少によるロールモーメントの増加に対しても、所定旋回半径での走行時における走行速度の上昇によるロールモーメントの増加に対しても、車両の旋回半径を増加させて車両姿勢が不安定となって転倒することを防止する。また、キャスタ輪11の接地は、それ以上の車体1の傾きを制限することとなり、車両姿勢の不安定化を制限し、積載荷物の荷崩れを抑制できる。
上記実施形態では、所定車速以上の速度で旋回する機会は前進走行時に限定されるものとして、車両の前進走行時における旋回走行時の車両姿勢の不安定化を抑制する輪荷重調整手段10について説明しているが、所定車速以上で後進させつつ旋回走行させる機会がある車両においては、図示はしないが、左右後輪である操舵輪3の近傍の車体1に、前記したキャスタ輪からなる輪荷重調整手段を配置するよう構成してもよい。この場合には、前進走行時には走行方向の前方の車輪である前輪2の近傍に設置した輪荷重調整手段10を作動状態とし、後輪3近傍に設置した輪荷重調整手段を非作動状態とする。反対に、後進走行時は走行方向の前方の車輪である後輪3近傍に設置した輪荷重調整手段を作動状態とし、前輪2の近傍に設置した輪荷重調整手段10を非作動状態とする。この構成の産業車両では、前進旋回走行時においては前輪2側に配置した輪荷重調整手段10が作動して車両の所定以上の不安定姿勢を抑制でき、後進旋回走行時においては後輪3側に配置した輪荷重調整手段が作動して車両の所定以上の不安定姿勢を抑制できる。
前記前後の輪荷重調整手段10の作動状態と非作動状態との切換え手段としては、例えば、キャスタ輪11を昇降可能に配置し、前進時は前方に設置したキャスタ輪11を路面Lから所定距離離した作動位置に降下させる一方、後方に設置したキャスタ輪11を退避位置に上昇させ、後進時は後方に設置したキャスタ輪11を路面から所定距離離した作動位置に降下させる一方、前方に設置したキャスタ輪11を退避位置に上昇させることで実現できる。
なお、上記実施形態において、輪荷重調整手段10として、路面から所定間隔を空けて配置したキャスタ輪11を用いるものについて説明したが、図示はしないが、旋回時におけるロール荷重を分担しつつコーナリングフォースを発生しない、若しくは、車輪よりもコーナリングフォースの発生が少なければよいのであるため、路面Lに単に接触する部材であってもよい。その場合に、路面Lとの摩擦抵抗の少ないものであれば、前記したキャスタ輪11と同様に作用させることができ、また、路面Lとの摩擦抵抗が大きいものであれば、車両の旋回外方側に制動力を加えることとなって、その旋回半径をより積極的に増加させるよう機能させることができる。このような路面接触部材を用いる場合には、キャスタ輪11と同様に、路面Lへの接触点と車体1への上下方向の支持軸の軸心とをオフセットさせて両者間にトレールを設けることにより、路面接触部材を安定的に路面Lに接触させることができる。この構成においても、路面接触部材が路面Lに接触した場合には、路面Lとの摺動音および振動を発生するため、オペレータは車両が不安定姿勢に移行しつつあることの警告の役割も発揮する。
また、旋回半径をより積極的に増加させる手段として、キャスタ輪11を用いる場合においては、キャスタ輪11の車輪の回転に対して制動力を加えるブレーキ手段を設けるようにしてもよく、この場合のブレーキ手段は、旋回走行時に作動させるものであっても、また、常時作動させておくものであってもよい。また、旋回半径をより積極的に増加させる別の手段としては、進行方向がトーアウトとなるように支持軸を固定した補助輪であってもよい。この場合における補助輪は、車両が旋回走行により傾斜して路面Lに接地すると、荷重分担に応じて旋回方向の外側に向かって回転され、車両の進行方向前方側を旋回外側に積極的に付勢し、車両の旋回半径を増加させる。このような補助輪の車輪に対してブレーキ手段により制動力を加えるようにすると、旋回半径の増加効果はより一層高めることができる。
なお、車両の各車輪2、3のタイヤは、走行距離等の使用状態に応じて摩耗したり、また、種類によって有効径が変化するため、キャスタ輪11、補助輪および路面接触部材の路面Lとの間隔の変化に対応して、その取付高さを調整可能とすることが望ましい。また、積荷の種類によっては、車両の不安定姿勢の判定基準(ロール角)も変化するためにも、その取付高さを調整可能とすることが望ましい。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)前輪2および/または後輪3の近傍にこれらの左右車輪に対し、車両の旋回走行時に、旋回外輪となる車輪よりも外周側に配置され、車両の左右方向の傾斜時に路面Lとの間で当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を分担して支持して当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を軽減する輪荷重調整手段10を備えるため、旋回時のロールが大きくなると荷重調整手段10が作動して進行方向前方側の左右車輪のコーナリングフォースを減少させ、車両の旋回半径を大きくして、車両の転倒モーメントが転倒限界を越えないようにすることができる。
(イ)輪荷重調整手段10は、旋回走行時における路面Lへの接触時にコーナリングフォースを発生しないか若しくは近傍の左右車輪よりも発生するコーナリングフォースが小さいもの、例えば、車両の進行方向に応じてキャスタ方向が変化するキャスタ輪11とすると、車両の進行方向前方側の左右車輪で発生するコーナリングフォースを遠心力の増加に連れて効果的に低減させることができ、車両の旋回半径の拡大に寄与することができる。
(ウ)輪荷重調整手段10は、車両の進行方向に対してトーアウト方向に進行方向を配列した車輪(補助輪)である場合には、車両の進行方向前方をトーアウト方向に付勢することができ、より一層旋回半径の増加に寄与できる。
(エ)輪荷重調整手段10は、路面Lに摺動接触する路面接触部材である場合には、構造を簡素化でき、しかも、路面接触部材を、上下方向に延びる回転可能な軸に対して横方向にオフセットすると、キャスタ輪11と同様に全ての方向において制動力を発生させることができ、よりトーアウト気味に旋回半径を増加できる。
(オ)輪荷重調整手段10は、車両の左右方向の傾斜角度が予め設定した所定値より少ない場合には路面Lとの間に隙間を備え、左右方向の傾斜角度が前記所定値を越える場合に路面Lに接触して左右車輪の輪荷重を分担するように構成すると、輪荷重調整手段10が接地することにより、音と振動が発生し、オペレータへの予告的な警告の効果がある。
(カ)輪荷重調整手段10は、路面Lへの接触時に制動力を発生させるようにすると、制動によるヨーモーメントにより車両の旋回半径をより一層大きくできる。
(キ)進行方向の後方に位置する車輪近傍に配置した前記輪荷重調整手段10は、車両の傾斜を許容して当該車輪の輪荷重を分担して支持しないように構成すると、進行方向後方側の輪荷重軽減によるオーバステアを回避しつつ進行方向の前方側の左右車輪の輪荷重のみを低減して旋回半径を増大できる。
(第2実施形態)
図4〜図6は、本発明を適用した産業車両の転倒防止装置の第2実施形態を示し、図4は輪荷重調整手段の車両後方からの断面図、図5は輪荷重調整手段のロック手段の断面図、図6は輪荷重調整手段のキャスタ方向規制手段の平面図である。本実施形態においては、車両の進行方向に応じて作動状態と非作動状態とを自動的に切換え可能とした構成を第1実施形態に追加したものである。なお、図1〜3と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図4において、転倒防止装置としての輪荷重調整手段10は、各車輪の近傍の車体1に固定されてキャスタ軸12を回転自在且つ昇降自在に支持する固定ボス13と、キャスタ輪11を路面に向かって付勢する付勢手段14と、固定ボス13に設けられてキャスタ軸12に設けたロック溝15にプランジャ16の先端を係合させてキャスタ軸12の昇降動作をロックさせるロック手段17と、路面Lへの非接触時にキャスタ輪11のキャスタ方向を車体1内方に付勢する退避手段18とを備える。
前記固定ボス13は、車体1への固定プレート13Aに円筒状のボス13Bを溶接等により固定して形成し、円筒状のボス13Bが上下方向となるように配置して固定プレート13Aを車体1にボルト等により固定される。ボス13Bには軸受メタル13Cがその両端からボス13B内面に挿入され、軸受メタル13Cによりキャスタ軸12を回転自在且つ摺動自在に支持する。ボス13Bの軸方向の中途部には半径方向の貫通穴13Dが設けられ、この貫通穴13Dにはロック手段17として機能するプランジャ16がボス13Bの半径方向に摺動自在に挿入され、プランジャ16は背面に配置したスプリング16Aにより半径方向内側に突出するよう付勢されている。
前記キャスタ軸12は、オフセットさせてキャスタ輪11を下方に保持しており、前記ボス13Bの軸受メタル13Cにより上下方向の摺動および回転自在に支持されている。また、ボス13Bとキャスタ輪12の鍔12Aとの間に配置したスプリング14により路面L側に突出するよう付勢されるも、上端側に固定したリング12Bによりキャスタ輪11と路面Lとの間に所定間隔をあけるようにしている。前記ボス13B内のキャスタ軸12には、図5に示すように、前記プランジャ16の先端に係合してロック手段17を構成する円周溝15が設けられている。前記円周溝15は、キャスタ輪12のキャスタ方向が車両前方(後輪3側に配置する輪荷重調整手段10にあっては車両後方)となる場合には、ロック手段17が解除されるよう、円周溝15を設けないようにしており、その他のキャスタ方向となる場合においては、ロック手段17が有効となるように円周方向に部分的に設けている。このため、キャスタ輪11のキャスタ方向が車両前方(後輪3側に配置する輪荷重調整手段10にあっては車両後方)となる場合には、キャスタ輪11の上下移動をロック手段17により拘束せず、その他のキャスタ方向ではキャスタ輪11の上下移動がロック手段17により拘束される。
前記退避手段18は、キャスタ輪11の鍔12Aと車体1との間に配置したスプリング19(引張り)により構成されている。スプリング19の鍔12Aへの係合部は、キャスタ輪11のキャスタ方向が車体1側に向かうよう、キャスタ輪11のオフセットされた円周方向位置に係合している。従って、キャスタ輪11が路面Lに接触していない時点では、キャスタ輪11は、図6に実線で示し、図4で示すように、車体1側に向かうキャスタ方向をとって退避位置に位置している。しかしながら、キャスタ輪11が路面Lに接地された場合には、車両の進行方向に応じてキャスタ方向を変化させるため、図6の破線図示のように、スプリング19は伸ばされ、路面Lとの接地を解かれるとスプリング19によりキャスタ輪11を退避位置に付勢する。
以上の構成の輪荷重調整手段10を備える産業車両の転倒防止装置においては、図4〜6に示す左側前輪2近傍に配置されたものを前提に説明すると、車両の前進走行時において、接地していない場合にはキャスタ輪11は、上述したように、スプリング19により退避位置に位置し、キャスタ軸12のリング12Bがボス13B上端に接触してスプリング14は伸長されており、プランジャ16と円周溝15とからなるロック手段17が作動している。
車両が旋回走行(右側への旋回走行(時計回り)について説明する)に移行して発生する遠心力が所定値以上となると、車体1に傾斜が発生し、キャスタ輪11が路面Lに接地される。接地したキャスタ輪11は車両の前進により車両後方にトレールを形成するようキャスタ方向を変化される。このため、キャスタ軸12は、図5に示す状態から角度90度前後時計回りに旋回される。そして、左側前輪2近傍に配置した輪荷重調整手段10においては、キャスタ方向が車両後方となる部分には円周溝15が設けられており、ロック状態を維持する。このため、キャスタ輪11の昇降動作は拘束されており、左側前輪2の輪荷重の一部をキャスタ輪11により分担して、第1実施形態と同様に、車両の前回半径を増大させ、車両姿勢が不安定となることを抑制する。
車両が後進状態で旋回走行(右側への旋回走行(反時計回り))する場合においては、遠心力が所定値以上となると、車体1に傾斜が発生し、キャスタ輪11が路面Lに接地される。接地したキャスタ輪11は車両の後進により車両前方にトレールを形成するようキャスタ方向を変化される。このため、キャスタ軸12は、図5に示す状態から角度90度前後、反時計回りに旋回される。そして、左側前輪2近傍に配置した輪荷重調整手段10においては、キャスタ方向が車両前方となる部分には円周溝15が設けられていないため、ロック状態が解除される。このため、キャスタ輪11の昇降動作は許可状態となり、左側前輪2の輪荷重の一部をキャスタ輪11により分担しない。従って、進行方向の後方側の左右車輪2の輪荷重に変化はなく、車両の前回半径が減少されることを防止することができる。なお、この走行状態においては、車両後方に設けた輪荷重調整手段10がロック手段17を作動させてそのキャスタ輪11により進行方向前方側の左右車輪3の輪荷重を分担して旋回半径を増大させ、車両姿勢が不安定となることを抑制する。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(キ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
(ク)進行方向の前方に位置する車輪近傍に配置した前記輪荷重調整手段10は、車両の左右方向の所定以上の傾斜により路面Lに接触して押付けられた際の上方への移動をロック手段17の作動により阻止し、進行方向の後方に位置する車輪近傍に配置した前記輪荷重調整手段10は、車両の左右方向の所定以上の傾斜により路面Lに接触して押付けられた際の上方への移動をロック手段17の解除により許容するようにすると、前記効果(キ)を発揮させることができる。
(ケ)前記ロック手段17は、キャスタ輪11若しくは横方向にオフセットした路面接触部材のキャスタ方向に応じて作動および解除がなされるようにすると、制御装置を必要とすることなく機械的に前記効果(キ)を発揮させることができる。
(コ)キャスタ輪11若しくは横方向にオフセットした路面接触部材は、路面Lへ接触していない場合には、そのキャスタ方向を車両内方となるよう付勢すると、通常走行時に左右外方に突出せずコンパクトにできる。
(第3実施形態)
図7は、本発明を適用した産業車両の転倒防止装置の第3実施形態を示す概略構成図である。本実施形態においては、積載荷重により変化するタイヤ撓みに応じてキャスタ輪と路面との間隔を調整するようにしたものである。なお、第1、2実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図7において、本実施形態の転倒防止装置の輪荷重調整手段10は、車両の積載荷重に応じてキャスタ軸12を上昇させるシリンダ装置20を備える。シリンダ装置20は、そのピストン21で区画したシリンダ室22に荷役装置5であるリフトシリンダ5Aのボトム圧を導入するようにしており、ピストン21に連結したピストンロッド23を下方に突出させて、その先端をキャスタ軸12に連結させている。ピストンロッド23とキャスタ軸12とはスラストベアリング24を介して連結され、キャスタ軸12およびキャスタ輪11のキャスタ方向が車両の進行方向に応じて旋回可能としている。また、ボス13Bとキャスタ輪11の鍔12Aとの間に配置するスプリング14Aは、シリンダ装置20に導入するボトム圧に応じてキャスタ軸12のスライド位置が上昇するようばね常数の高いスプリングを用いている。なお、第2実施形態のロック手段17は、キャスタ輪11を路面から所定の高さにロックするものであるため、本実施形態では用いていない。その他の構成は、第2実施形態と同様に構成している。
この実施形態における輪荷重調整手段10では、積荷の積載荷重に応じて、荷役装置5に隣接させて配置させている左右駆動輪2のタイヤが偏平に弾性変形して、車体1の路面に対する間隔(車高)が変化し、キャスタ輪11と路面Lとの間隔が積載荷重に応じて減少することを防止するものである。即ち、積荷の積載荷重に応じて荷役装置5のリフトシリンダ5Aのボトム圧が変化することに着目して、当該ボトム圧をシリンダ装置20に導入するようにしている。そして、積載荷重が上昇するに連れて車高が低下する一方、キャスタ軸12がシリンダ装置20によって上昇する。従って、キャスタ輪11と路面Lとの間隔は、積載荷重が変化、例えば、空荷状態や重積載状態に関らず、一定値とすることができ、旋回走行時の車両姿勢の不安定化の防止特性が変化することを防止できる。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(キ)に加えて、以下に記載する効果を奏することができる。
(サ)輪荷重調整手段10は、上下方向に移動可能に車体1に支持され且つ弾性手段14Aにより路面Lへの接近方向に付勢されるも路面Lとの間に所定間隔を備えるように配置され、車両の傾斜に応じて路面Lとの接触圧を徐々に増加させるよう構成すると、車両の傾斜角度の増加に対する輪荷重分担割合の増加特性を調整することができる。また、タイヤの変形特性(縦剛性)に合わせて輪荷重分担割合の増加特性を調整することもできる。
(シ)輪荷重調整手段10は、積載荷重に応じて車両上方へ移動されるようにすると、積載状態に関らず車両の輪荷重分担特性を一定の特性として維持させることができる。
本発明の一実施形態を示す転倒防止装置を装備した産業車両としてのフォークリフトの斜視図。 同じく転倒防止装置の作動を説明する産業車両の正面図。 転倒防止装置の作動を説明する産業車両の平面図。 本発明の第2実施形態を示す産業車両の転倒防止装置における輪荷重調整手段の車両後方からの断面図。 図4の輪荷重調整手段のロック手段の断面図。 図4の輪荷重調整手段のキャスタ方向規制手段の平面図。 本発明の第3実施形態を示す産業車両の転倒防止装置の概略構成図。
符号の説明
L 路面
1 車体
2 駆動輪、前輪
3 操舵輪、後輪
4 カウンタウェイト
5 マスト装置、荷役装置
6 運転席
7 ステアリングホイール
10 輪荷重調整手段
11 キャスタ輪
12 キャスタ軸

Claims (14)

  1. 前輪および/または後輪の近傍にこれらの左右車輪に対し、車両の旋回走行時に、旋回外輪となる車輪よりも外周側に配置され、車両の左右方向の傾斜時に路面との間で当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を分担して支持して当該車両の進行方向側の左右車輪の輪荷重を軽減する輪荷重調整手段を備えることを特徴とする産業車両の転倒防止装置。
  2. 前記輪荷重調整手段は、旋回走行時における路面への接触時にコーナリングフォースを発生しないか若しくは近傍の左右車輪よりも発生するコーナリングフォースが小さいものであることを特徴とする請求項1に記載の産業車両の転倒防止装置。
  3. 前記輪荷重調整手段は、車両の進行方向に応じてキャスタ方向が変化するキャスタ輪であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の産業車両の転倒防止装置。
  4. 前記輪荷重調整手段は、車両の進行方向に対してトーアウト方向に進行方向を配列した車輪であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の産業車両の転倒防止装置。
  5. 前記輪荷重調整手段は、路面に摺動接触する路面接触部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の産業車両の転倒防止装置。
  6. 前記路面接触部材は、上下方向に延びる回転可能な軸に対して横方向にオフセットされていることを特徴とする請求項5に記載の産業車両の転倒防止装置。
  7. 前記輪荷重調整手段は、車両の左右方向の傾斜角度が予め設定した所定値より少ない場合には路面との間に隙間を備え、左右方向の傾斜角度が前記所定値を越える場合に路面に接触して左右車輪の輪荷重を分担するものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の産業車両の転倒防止装置。
  8. 前記輪荷重調整手段は、路面への接触時に制動力を発生させるものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の産業車両の転倒防止装置。
  9. 進行方向の後方に位置する車輪近傍に配置した前記輪荷重調整手段は、車両の傾斜を許容して当該車輪の輪荷重を分担して支持しないように構成したことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の産業車両の転倒防止装置。
  10. 進行方向の前方に位置する車輪近傍に配置した前記輪荷重調整手段は、車両の左右方向の所定以上の傾斜により路面に接触して押付けられた際の上方への移動をロック手段の作動により阻止し、進行方向の後方に位置する車輪近傍に配置した前記輪荷重調整手段は、車両の左右方向の所定以上の傾斜により路面に接触して押付けられた際の上方への移動をロック手段の解除により許容することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の産業車両の転倒防止装置。
  11. 前記ロック手段は、キャスタ輪若しくは横方向にオフセットした路面接触部材のキャスタ方向に応じて作動および解除がなされることを特徴とする請求項10に記載の産業車両の転倒防止装置。
  12. 前記キャスタ輪若しくは横方向にオフセットした路面接触部材は、路面へ接触していない場合には、そのキャスタ方向を車両内方となるよう付勢されていることを特徴とする請求項3または請求項11に記載の産業車両の転倒防止装置。
  13. 前記輪荷重調整手段は、上下方向に移動可能に車体に支持され且つ弾性手段により路面への接近方向に付勢されるも路面との間に所定間隔を備えるように配置され、車両の傾斜に応じて路面との接触圧を徐々に増加させるよう構成したことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の産業車両の転倒防止装置。
  14. 前記輪荷重調整手段は、積載荷重に応じて車両上方へ移動されることを特徴とする請求項13に記載の産業車両の転倒防止装置。
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