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JP2006327413A - シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 - Google Patents

シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 Download PDF

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JP2006327413A JP2005154158A JP2005154158A JP2006327413A JP 2006327413 A JP2006327413 A JP 2006327413A JP 2005154158 A JP2005154158 A JP 2005154158A JP 2005154158 A JP2005154158 A JP 2005154158A JP 2006327413 A JP2006327413 A JP 2006327413A
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Abstract

【課題】 車両に搭載される合理的なシートベルト装置を構築するのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 車両に搭載されるシートベルト装置100は、シートベルト装着時において、シートベルトリトラクタ1のスプールを駆動するモータを、車両衝突前にシートベルト巻き取り方向へと駆動制御してシートベルト3に第1の張力を付与するとともに、車両衝突時にシートベルト巻き取り方向へと駆動制御してシートベルト3に第2の張力を付与する構成とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるシートベルト装置の構築技術に関するものである。
従来、自動車等の車両において、シートベルトによって車両乗員を拘束する種々の構成のシートベルト装置が知られている。この種のシートベルト装置では、車両衝突前及び車両衝突時においてシートベルト(ウェビング)の張力を高める構成が要請される。具体的には、車両衝突前にて車両衝突が予測される際に、車両乗員に危険を報知するためにシートベルト張力を高める構成、車両衝突前にて車両衝突が不可避の時に乗員拘束向上のためにシートベルト張力を高める構成、また車両衝突時にて乗員拘束向上のためにシートベルト張力を高める構成などが必要とされる。
そこで、例えば下記特許文献1には、車両衝突前及び車両衝突時においてシートベルト張力を高める可能性を備えたシートベルト装置が開示されている。この特許文献1に記載の技術では、車両衝突前にはバックル側に設けられた電動モータのような可逆的な機構によってシートベルトに第1の張力を発生させる一方、車両衝突時にはリトラクタ側に設けられた火薬式のような不可逆的な機構によってシートベルトに第2の張力を発生させる可能性が提示されている。
特開平6−286581号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のようなシートベルト装置では、車両衝突前にシートベルト張力を高める第1の機構をバックル側に設け、車両衝突時にシートベルトの張力を高める第2の機構をリトラクタ側に設ける構成であり、しかもこれら第1及び第2の機構を異なる機構を用いて構成しているため、装置の小型化や軽量化、装置コスト低減を図るのに限界がある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両に搭載される合理的なシートベルト装置を構築するのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。本発明は、典型的には自動車の車両に搭載されるシートベルト装置に適用することができるが、自動車以外の車両、例えば飛行機、船舶、電車、バス等に搭載されるシートベルト装置の構築技術に対し本発明を応用し得る。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項1に記載のこのシートベルトリトラクタは、シートベルト装置(乗員拘束システムともいう)の構成要素として車両に搭載されるものであって、電動モータ、スプール、モータ減速機構、制御手段を少なくとも備える。
本発明の電動モータは電動式のモータであり、シートベルト巻き取り動作及びシートベルト巻き出し動作を行うスプールの駆動源とされる。本発明では、1または複数のモータを組み合わせて電動モータを構成することができる。本発明のスプールは、電動式の電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材として構成される。このスプールに対し巻き取り及び巻き出しされる乗員拘束用のシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員を、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束することが可能とされる。なお、本発明では、電動モータの駆動軸とスプールとの間に、モータ減速機構が介在する構成になっている。このモータ減速機構は、複数のギアを介してモータ回転を減速する機構として構成される。これにより、電動モータのモータ回転はモータ減速機構を介して減速された状態でスプールに伝達される。
本発明の制御手段は、少なくとも電動モータの駆動制御を行う手段として構成され、電動モータの駆動方向、駆動時間、モータ出力等を制御する。この制御手段は、典型的にはCPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成される。この制御手段は、シートベルトリトラクタに専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタのみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段として兼用とされてもよい。
特に本発明の制御手段は、シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着時において、第1の設定モード及び第2の設定モードを少なくとも有する。
制御手段の第1の設定モードでは、車両衝突前に電動モータがシートベルト巻き取り方向へと駆動制御され、シートベルトに第1の張力が付与される。具体的には、車両衝突前に電動モータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御することによって、車両衝突の予知や運転者の居眠りを乗員に報知する態様、車両衝突が不可避であるとき急制動などによる車両乗員の姿勢変化を拘束する態様、通常運転時に乗員に不快感を与えない程度に乗員を拘束する態様等が、第1の設定モードに包含される。これによって、車両衝突前に電動モータ及びモータ減速機構を介してスプールがシートベルト巻き取り動作を行い、シートベルトの張力が高められる。
一方、制御手段の第2の設定モードでは、車両衝突時に電動モータがシートベルト巻き取り方向へと駆動制御され、シートベルトに第2の張力が付与される。これによって、車両衝突時に電動モータ及びモータ減速機構を介してスプールがシートベルト巻き取り動作を行い、シートベルトの張力が高められる。具体的には、車両衝突が実際に発生したときの乗員の初期拘束を確実に行う態様が、第2の設定モードに包含される。この第2の設定モードにおける第2の張力は、第1の設定モードにおける第1の張力と合致してもよいし、異なってもよい。なお、本発明でいう「車両衝突時」には、実際に車両衝突が発生したのち、制御手段の制御信号の伝達によって電動モータが実際に駆動されてシートベルトの張力が高まるまでのタイミングが包含される。
このように本発明では、車両衝突前及び車両衝突時にシートベルトの張力を高める動作が、いずれもシートベルトリトラクタ側に設けられた同一の動力源(電動モータ)、同一の機構(モータ減速機構、スプール等)を用いて行われるようになっている。
従って、請求項1に記載のシートベルトリトラクタを用いれば、車両衝突前にシートベルトの張力を高める機構と、車両衝突時にシートベルトの張力を高める機構として別々の機構を用いる場合に比して、装置の小型化や軽量化、装置コスト低減を図るのに有効な合理的なシートベルト装置を構築することが可能となる。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項2に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の制御手段は、車両衝突前に車両衝突が予知された際、或いは車両衝突前に車両衝突が不可避であるとされた際に第1の設定モードとされ、車両衝突が発生した際に第2の設定モードとされるとともに、第2の張力が第1の張力よりも高くなるように電動モータを駆動制御する構成とされる。具体的には、第2の設定モードにおいて、電動モータの電流値(「制御電流値」ともいう)や電圧値(「印加電圧値」ともいう)を第1の設定モードよりも高める設定により、モータ出力、モータ回転数(回転速度)などを変更することによって、シートベルトの巻き取りに係る張力を相対的に高めることが可能となる。
このような構成によれば、車両衝突前に車両衝突が予知された際に、制御手段が第1の設定モードを遂行することによって、車両乗員に危険を報知するべくシートベルトを巻き取り、シートベルト張力を高めることが可能となる(報知ないし警報動作)。また、車両衝突前に車両衝突が不可避であるとされた際に、制御手段が第1の設定モードを遂行することによって、乗員拘束向上を図るべくシートベルトを巻き取り、シートベルト張力を高めることが可能となる(車両衝突前の乗員拘束動作)。一方、車両衝突が発生した際に、制御手段が第2の設定モードを遂行することによって、乗員の初期拘束向上を図るべくシートベルトを巻き取り、シートベルト張力を高めることが可能となる(車両衝突時の乗員拘束動作)。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項3に記載のこのシートベルト装置は、車両に搭載される乗員拘束システムを構成する装置であって、シートベルト、電動モータ、スプール、モータ減速機構、制御手段、バックル、タング、検知センサを少なくとも備える。
本発明のシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員を、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束することが可能とされる。本発明のバックルは、車両に対し固定される部材として構成される。本発明のタングは、シートベルトに設けられシートベルト装着時に、本発明のバックルに係合する部材として構成される。本発明の検知センサは、タングがバックルに係合したことを検知する手段として構成され、この検知情報に基づいてシートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着状態であるか否かが判定されるようになっている。その他、本発明の電動モータ、スプール、モータ減速機構、制御手段は、請求項1に記載のシートベルトリトラクタの構成要素と実質的に同様の機能を有する。
従って請求項3に記載の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用効果と同様に、装置の小型化や軽量化、装置コスト低減を図るのに有効な合理的なシートベルト装置を構築することが可能となる。
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項4に記載のこのシートベルト装置では、請求項3に記載の制御手段は、車両衝突前に車両衝突が予知された際、或いは車両衝突前に車両衝突が不可避であるとされた際に第1の設定モードとされ、車両衝突が発生した際に第2の設定モードとされるとともに、第2の張力が第1の張力よりも高くなるように電動モータを駆動制御する構成とされる。
このような構成によれば、請求項2に記載の発明の作用効果と同様に、車両衝突前に車両衝突が予知された際に、制御手段が第1の設定モードを遂行することによって、車両乗員に危険を報知するべくシートベルトを巻き取り、シートベルト張力を高めることが可能となる(報知ないし警報動作)。また、車両衝突前に車両衝突が不可避であるとされた際に、制御手段が第1の設定モードを遂行することによって、乗員拘束向上を図るべくシートベルトを巻き取り、シートベルト張力を高めることが可能となる(車両衝突前の乗員拘束動作)。一方、車両衝突が発生した際に、制御手段が第2の設定モードを遂行することによって、乗員の初期拘束向上を図るべくシートベルトを巻き取り、シートベルト張力を高めることが可能となる(車両衝突時の乗員拘束動作)。
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのシートベルト装置付車両である。
請求項5に記載のこのシートベルト装置付車両は、請求項3または請求項4に記載のシートベルト装置を少なくとも備える。本発明のシートベルト装置付車両は、当該シートベルト装置が、車両内の収容空間、例えばピラー内の収容空間、シート内の収容空間、あるいは車両内のその他の部位の収容空間に収容された構成とされる。
このような構成によれば、装置の小型化や軽量化、装置コスト低減を図るのに有効な合理的なシートベルト装置が車両内の収容空間に収容された構成の車両が提供される。
以上のように、本発明によれば、車両に搭載されるシートベルト装置につき、特に車両衝突前及び車両衝突時にシートベルトの張力を高める動作を、いずれも同一の動力源(電動モータ)、同一の機構(モータ減速機構、スプール等)を用いて行う構成によって、装置の小型化や軽量化、装置コスト低減を図ることが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜図9を参照しながら、本発明における「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を説明する。
本実施の形態のシートベルト装置100の構成が図1に模式的に示される。
図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、本発明の「シートベルト装置付車両」である自動車車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ1、シートベルト3、ショルダーガイドアンカー70、タング(トング)72、アウトアンカー74、バックル76、ECU78等を主体に構成されている。なお、ECU78をシートベルトリトラクタ1の構成要素とすることもできる。
また、車両には、当該車両の衝突予知や衝突発生に関する情報、当該車両の運転状態に関する情報、シートに着座している車両乗員の着座位置や体格に関する情報、周辺の交通状況に関する情報、天候や時間帯に関する情報などの各種の情報を検出して、その検出情報をECU78に対し入力する入力要素80が搭載されている。この入力要素80の検出情報が、常時又は所定時間毎にECU78に伝達され、シートベルト装置100などの動作制御に用いられる。
特に、本実施の形態の入力要素80には、車両の衝突予知や実際の衝突発生といった、車両衝突の関する情報を検知する車両衝突情報検知センサ82が含まれている。この車両衝突情報検知センサ82は、自車両に対する衝突対象物(別車両、障害物、歩行者など)との間の距離、相対速度、相対加速度や、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度等の検出情報(検出信号)を検出(計測)可能なセンサとして構成される。この車両衝突情報検知センサ82は、単一の検出センサとして構成されてもよいし、或いは単一の検出センサを複数組み合わせて構成されてもよい。具体的には、ミリ波レーダ、レーザーレーダ、加速度センサ、カメラセンサ等を用いて車両衝突情報検知センサ82を構成することができる。
シートベルト3は、運転席である車両シート84に着座した車両乗員C(「運転者」ともいう)の拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルト(ウェビング)である。このシートベルト3が、本発明における「乗員拘束用のシートベルト」に対応している。このシートベルト3は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ1から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー70を経由し、タング(トング)72を通ってアウトアンカー74に連結されている。ショルダーガイドアンカー70は、車両乗員Cの乗員肩部領域においてシートベルト3を係止しガイド(誘導)する機能を有する。そして、車体に対し固定されたバックル76にタング72が挿入される(係合する)ことによって、当該シートベルト3が車両乗員Cに対し装着状態となる。このタング72が、本発明における「タング」に相当し、このタング72が係合するバックル76が、本発明における「バックル」に相当する。
なお、バックル76にはバックルスイッチ76aが内蔵されており、バックル76にタング(トング)72が挿入されシートベルトバックル操作がなされたこと(実質的にはシートベルト装着状態になったこと)が、このバックルスイッチ76aによって検知される。このバックルスイッチ76aが検知した情報はECU78に伝達され、シートベルト装着状態であるか否かが判定されるようになっている。このバックルスイッチ76aが、本発明における「タングがバックルに係合したことを検知する検知センサ」に相当する。なお、シートベルト装着状態であるか否かを判定する機構としては、種々のセンサ類やスイッチ類を用いることができ、例えばこのバックルスイッチ76aに代えて、シートベルト3の引き出し量を検知し、引き出し量が所定量を上回ることを条件にしてートベルト装着状態であると判定するように構成することもできる。
シートベルトリトラクタ1は、後述するスプール52及びモータ53を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置であり、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。このシートベルトリトラクタ1は、図1に示す例では、車両のBピラー86内の収容空間に装着されている。
ECU78は、入力要素80からの入力信号に基づいて、シートベルトリトラクタ1をはじめ、各種の動作機構に関する制御を行う機能を有し、CPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成されている。特に本実施の形態の説明では、このECU78は、衝突/衝突不可避判定部78a、モータ制御部78bを少なくとも備える。このECU78が、本発明における「制御手段」を構成している。
衝突/衝突不可避判定部78aは、車両衝突情報検知センサ82の検出情報に基づいて、実際の衝突発生や車両の衝突予知を判定する機能を有し、当該判定によって得られた情報は、後述する「リトラクタ制御」においてモータ53の制御に用いられる。モータ制御部78bは、モータ53の駆動制御を行う手段として構成される。具体的には、モータ制御部78bが、モータ53の電磁コイルに供給される電流供給量や電流供給方向を制御することによって、モータシャフトの、回転速度、回転方向、回転時間、回転トルク(出力)などが可変とされる。
なお、本実施の形態のECU78は、シートベルトリトラクタ1に専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタ1のみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段として兼用とされてもよい。
ここで、シートベルト装置100を構成するシートベルトリトラクタとしては、図2及び図3に示す第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1を用いることもできるし、或いは図4〜図9に示す第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’を用いることもできる。
(第1実施の形態)
まず、図2及び図3を参照しながら、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1の詳細な構成を説明する。図2には、図1中のシートベルトリトラクタ1の断面構造が示され、図3には、図2中のシートベルトリトラクタ1のA−A線断面矢視図が示される。
図2に示すように、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1は、車体に取り付け固定されるベースフレーム(リトラクタ本体フレーム)51の内部に、スプール(巻き取り軸)52、モータ53、ホールセンサ54、磁気ディスク55、内歯車56、プラネタリギア57、サンギア58、キャリア59、ベアリング60,61が装着される構成になっている。
シートベルトリトラクタ1のスプール52は、ベースフレーム51に対し回転動作可能に支持される構成とされる。このスプール52は、単一のモータ53の駆動に伴ってシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材であり、本発明における「スプール」に相当する。具体的には、スプール52は、固定側部材である内歯車56との間に介在するベアリング60及び、固定側部材であるモータ53の本体部との間に介在するベアリング61によって、固定側部材に対し回転動作可能な構成とされている。すなわち、スプール52及びモータ53のモータハウジング53aは、スプール外側面と内歯車内側面との間に介在するベアリング機構(ベアリング60)と、スプール内周面とモータハウジング外周面との間に介在するベアリング機構(ベアリング61)とによって相対的に軸支された構成になっている。このような構成によれば、モータハウジング53aに対するスプール52の相対的な回転動作が、簡便な構成の軸支構造によって許容される。
このシートベルトリトラクタ1では、スプール52のスプール外周面52aにシートベルト3が巻き取られ、あるいはこのスプール52のスプール外周面52aからシートベルト3が巻き出されるようになっている。すなわち、スプール52のスプール外周面52aは、シートベルト3の被着面(当接面)として構成される。詳細については後述するが、モータ53のモータシャフト(駆動軸)が、一方の方向に回転動作することによってシートベルト3をスプール52から巻き出す操作(巻き出し動作)がなされ、他方の方向に回転動作することによってシートベルト3をスプール52に巻き取る操作(巻き取り動作)がなされる。
本実施の形態のように、スプール52をモータ53によって回転駆動する構成によれば、当該スプール52をシートベルト巻き取り方向にバネ付勢するスプリング機構を省略することができる。このスプリング機構は、スプール52のスプール幅方向に沿って当該スプールに隣接して配置されるのが一般的であるため、当該スプリング機構を省略することによって、スプール52のスプール幅方向に関する長さを抑え、シートベルトリトラクタ1全体をより小型化することが可能となる。
このスプール52は、一方の底面が有底で他方の底面が開口した円筒形状に形成されており、その円筒内の中空空間52bに開口側からモータ53が挿入され、収容(内蔵)される構成になっている。スプール52内の中空空間52bにモータ53が収容されたこのモータ収容状態では、モータ53のモータハウジング53aがスプール52のスプール外周面52aの幅方向に沿った長軸方向に延在する。
このモータ収容状態では、モータ53のモータハウジング53aの長軸方向の長さL1と、スプール52のスプール外周面52aの幅方向の長さL2、更にはシートベルト3のシートベルト幅の3つが概ね合致するようになっている。すなわち、本実施の形態では、シートベルト3の規格幅に見合うように、モータハウジング53aの長軸方向の長さ、及びスプール外周面52aの幅方向の長さが設定される。また、図2に示すように、本実施の形態では、スプール52全体としての幅方向の長さが、スプール外周面52aの幅方向の長さとほぼ同じであり、実質的にスプール52全体としての幅方向の長さ、モータハウジング53aの長軸方向の長さL1、スプール外周面52aの幅方向の長さL2、シートベルト3のシートベルト幅の4つが概ね合致することとなる。
このような構成によれば、モータハウジング53aの長軸方向の大きさに見合うように、スプール52のスプール幅を抑え、シートベルトリトラクタ1全体としての長軸方向に関する大きさを低減することができるため、車両に搭載されるシートベルトリトラクタ1及びシートベルト装置100を小型化することが可能とされる。これにより、車両におけるシートベルトリトラクタ1及びシートベルト装置100の配置場所の自由度が高まる。このとき、スプール52のスプール幅の範囲内でモータハウジング53aを極力長軸方向に長くすることによって、より動力性能の高いモータを使用することが可能とされる。
また、本実施の形態のように、スプール52の円筒内にモータ53を収容する構成によれば、シートベルトリトラクタ1の小型化及び軽量化を図ることができるうえに、モータ駆動時における遮音性向上、モータ53から生じる電磁波の遮断性向上を図ることが可能となる。
また、本実施の形態では、モータ53のモータハウジング53aの外径(直径)D1と、スプール52のスプール外周面52aの外径D2との比率(D1/D2)が0.8以下となるように構成されるのが好ましい。この比率(D1/D2)は、0.8以下の範囲において適宜設定可能である。例えば、モータ53の外径D1を40[mm]とし、スプール52のスプール外周面52aの外径D2を55[mm]とすることができる。この場合、比率(D1/D2)がおよそ0.73となる。このような構成によれば、モータ53の径方向の大きさに見合うように、スプール52の径方向の大きさを抑えることができ、シートベルトリトラクタ1全体としての径方向に関する大きさを低減することが可能とされる。
更に、本実施の形態のスプール52は、シートベルトリトラクタ1の実質的な外形を規定するとともに、少なくともモータ53等の主要なスプール構成要素を収容する「シートベルトリトラクタ本体部(リトラクタハウジング)」を形成している。そして、本実施の形態では、モータ53のモータハウジング53aの容積(モータハウジング53aの占める容積)V1と、スプール52の円筒の容積V2と、シートベルトリトラクタ本体部内の収容容積V3との相関において、V3<V1+V2となるように設定されている。本構成において、スプール52の容積V2は、シートベルトリトラクタ本体部内の収容容積V3と実質的に合致する。また、シートベルトリトラクタ本体部内の収容容積V3は、典型的には巻き取り状態のシートベルト内に形成される空間容積として規定される。容積に関するこのような設定範囲は、スプール及びモータに関する相対的な容積を勘案したうえで、シートベルトリトラクタの小型化を図るのに有効なリトラクタ小型化調整領域として規定される。より好ましくは、V3<(V1+V2)×Nであり、0.5<N<1となるように設定される。また、確実にリトラクタの小型化及び軽量化を図る上においては、V3<(V1+V2)×NにおけるNの設定範囲に関し、更に好ましくは、0.55<N<0.95、更に好ましくは0.55<N<0.85、更に好ましくは0.55<N<0.75を採用することができる。
また、本実施の形態では、モータ53のモータハウジング53aの容積(モータハウジング53aの占める容積)V1と、スプール52の円筒の容積V2との比率(V1/V2)に関しては、当該比率(V1/V2)が4割(概ね0.4)以上で且つ10割(概ね1)を下回るような、容積比率に関するリトラクタ小型化調整領域に設定されている。
上記のようなリトラクタ小型化調整領域は、本実施の形態のスプール52及びモータ53に関する相対的な容積を勘案したうえで、シートベルトリトラクタ1の小型化を図るのに有効な領域として規定される。具体的には、図2に示すように、シートベルトリトラクタ1の幅方向の長さは、モータハウジング53aの長軸方向の長さL1、及びスプール52のスプール外周面52aの幅方向の長さL2と概ね合致しているため、実質的にスプール52やモータ53の径方向の相対的な長さを好適に定めることによって、上記リトラクタ小型化調整領域に対応した各容積の相対的な関係が設定されることとなる。このような構成により、リトラクタの小型化が図られる。特に、本実施の形態のような寸法構成のシートベルトリトラクタ1は、セダンタイプの自動車の後席シート用として車両内の比較的大きさの限られた空間領域に収容されることが可能であるが、後席シート用として小型化構造を有しているところ、もちろん前席シート用として車両内に収容することも可能である。
本実施の形態のモータ53は、いわゆる「インナーロータ型のブラシレスモータ」と称呼されるタイプの単一の電動モータとして構成される。このモータ53が、本発明における「電動モータ」を構成している。このモータ53は、モータハウジング53a内において、磁石をロータ(回転子)にして内側に収容するとともに、巻線をステータ(固定子)にして外側に配置し、ロータの回転に伴ってモータシャフトが回転するように構成されている。また、このモータ53には、モータハウジング53a側にホールセンサ(磁気位置検出センサ)54が装着され、ロータ側に磁気ディスク55が装着されている。当該ホールセンサ54及び磁気ディスク55の協働によって、ロータの位置が検出され、この検出情報から得られるシートベルト3の巻き出し量または巻き取り量に基づいて、モータ回転数やモータ負荷に関する制御が可能とされる。このように、本実施の形態では、モータ53におけるロータの位置検出手段が、シートベルト3の巻き出し量または巻き取り量を検出する手段として兼用化されている。従って、このモータ53のような構成のブラシレスモータを用いることによって、ロータの回転速度及び回転方向、シートベルト3の巻き出し量または巻き取り量などの検知する特別なセンサ類が必要とならず合理的である。また、このモータ53のような構成のブラシレスモータは、本体の小型化、出力の向上、放熱性の向上を得るのに効果的である。
図2及び図3に示すように、このモータ53のモータシャフト(駆動軸)は、サンギア58を有する構成になっており、このサンギア58の外周に3つのプラネタリギア57が係合するように構成されている。このプラネタリギア57は3つに限定されず、必要に応じて適宜設定可能である。更に、これらプラネタリギア57の外周は、内歯車56の内周に係合するように構成されている。すなわち、プラネタリギア57は、内歯車56とサンギア58との間に介在する、いわゆる「遊星ギア」と称呼されるギアとして構成される。また、この内歯車56にキャリア59が止着されており、更にこのキャリア59に対しスプール52が連結されている。上記の内歯車56、プラネタリギア57、サンギア58は、モータ53の減速機構(本発明における「複数のギアを介してモータ回転を減速するモータ減速機構」に対応)を構成するものであり、本実施の形態では、このモータ減速機構がモータハウジング53aの長軸方向に沿って当該モータハウジング53aに隣接して配置されている。また、本実施の形態では、このモータ減速機構を構成する複数のギアが、モータシャフトの軸方向と直交する方向に面一状に並んで配置されている。
このような構成によれば、複数のギアの配置構造の工夫によってモータ減速機構の長軸方向に関する長さが抑えられることとなり、当該モータ減速機構まで含めたシートベルトリトラクタ1全体としての長軸方向に関する大きさを更に低減することができるため、車両に搭載されるシートベルトリトラクタ1及びシートベルト装置100をより小型化することが可能とされる。
また、本実施の形態では、スプール外周面52aの幅方向に関する第1の長さと、モータハウジング53aの長軸方向に関する長さ及びモータ減速機構の長軸方向に関する長さを合わせた第2の長さ、更にはシートベルト3のシートベルト幅の3つが概ね合致するようになっている。すなわち、本実施の形態では、シートベルト3の規格幅に見合うように、第1の長さ及び第2の長さが設定される。また、図2に示すように、本実施の形態では、スプール52全体としての幅方向の長さが、スプール外周面52aの幅方向の長さとほぼ同じであり、実質的にスプール52全体としての幅方向の長さ、第1の長さ、第2の長さ、シートベルト3のシートベルト幅の4つが概ね合致することとなる。このような構成によれば、モータハウジング53a及びモータ減速機構を合わせた長軸方向の大きさに見合うように、スプール52のスプール幅を抑え、シートベルトリトラクタ全体としての長軸方向に関する大きさを低減することができる。
また、本実施の形態では、モータ53の回転中心である駆動軸(モータシャフト)、スプール52の回転中心であるスプール軸、減速機構を構成するサンギア58の回転中心である減速軸は、スプール外周面52aの幅方向に沿って概ね同一直線上に並んで配置されている。このような構成によれば、モータ減速機構の簡素化及び小型化が図られるとともに、モータ53、スプール52、モータ減速機構の径方向に関する大きさが抑えられることとなり、シートベルトリトラクタ全体を小型化し軽量化することが可能とされる。
上記シートベルトリトラクタ1の構成において、モータ53のモータシャフトが回転動作すると、サンギア58に係合する3つのプラネタリギア57は、サンギア58の減速軸(モータ53の駆動軸)の軸まわりに回転動作し、これによりキャリア59を介してスプール52が回転動作することとなる。例えば、図3において、サンギア58が減速軸を中心にして右回りに回転動作するとき、3つのプラネタリギア57は、サンギア58とのギア外周と内歯車56のギア内周との間において、左方向に自転しつつこのサンギア58の周りを右回りに公転するように回転動作する。反対に、サンギア58が減速軸を中心にして左回りに回転動作するとき、3つのプラネタリギア57は、サンギア58とのギア外周と内歯車56のギア内周との間において、右方向に自転しつつこのサンギア58の周りを左回りに公転するように回転動作する。このとき、モータ53の回転数は数分の1に減速され、反対にトルクは強められてスプール52に伝達される。スプール52に伝達された回転力によって、当該スプール52の外周面におけるシートベルト3の巻き取り動作または巻き出し動作がなされることとなる。このような構成によれば、モータ減速機構を簡素化することができ、リトラクタ全体の小型化及び軽量化を図ることが可能となる。
(第2実施の形態)
次に、図4〜図9を参照しながら、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’の詳細な構成を説明する。このシートベルトリトラクタ1’は、後述するスプール4及びモータ6を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置であり、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。
図4に示すように、この例のシートベルトリトラクタ1’は、大きく分けてフレーム2と、必要時に乗員を拘束するシートベルト3と、このシートベルト3を巻き取るスプール4と、フレーム2の一側に配設され、衝突時等の所定減速度以上の大減速度時に作動してスプール4のベルト引出し方向αの回転を阻止するロック手段5と、スプール4に付与する回転トルクを発生する単一のモータ6と、モータ6の回転を比較的高い減速比で減速してスプール4に伝達する高減速比減速機構7aとモータ6の回転を比較的低い減速比で減速してスプール4に伝達する低減速比減速機構7bとを有するとともに、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが設定されて、モータ6の回転トルクをこれらの第1動力伝達経路および第2動力伝達経路のいずれか一方を選択的に介してスプール4に伝達する動力伝達機構8と、動力伝達機構8を第1動力伝達経路と第2動力伝達経路のいずれか一方に選択的に切り換え設定する動力伝達モード切換機構9とからなっている。
これら動力伝達機構8及び動力伝達モード切換機構9は、モータ6とスプール4との間に介在して、これらモータ6とスプール4とが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する機構(いわゆる「クラッチ」と称呼される機構)を構成するものであり、本発明における「複数のギアを介してモータ回転を減速するモータ減速機構」に対応している。この接続状態は、モータ6の動力をスプール4に伝達可能な状態であり、モータ6が駆動されることによって当該モータ6の動力がスプール4に伝達される。また、この接続状態においてモータ6が駆動停止されている場合には、スプール4に対し高い巻き出し抵抗が付与されるため、スプールからのシートベルトの巻き出し(引き出し)が規制された状態が形成される。これに対し、接続解除状態においては、スプール4に対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、スプール4からシートベルト3を容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。
フレーム2は、平行な一対の側壁2a,2bとこれらの側壁2a,2bを連結する背板2cとからなっている。このフレーム2内の両側壁2a,2b間には、シートベルト3を巻き取るためのスプール4が回転可能に配設されている。このスプール4は、シートベルトリトラクタ1’において従来周知慣用のスプールを用いることができる。このスプール4は、単一のモータ6の駆動に伴ってシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材であり、本発明における「スプール」に相当する。
一方の側壁2aには、ロック手段5が取り付けられている。このロック手段5もシートベルトリトラクタにおいて従来周知慣用のロック手段を用いることができる。すなわち、ロック手段5は、車両に加えられる所定減速度以上の大減速度をヴィークルセンサ(減速度感知センサ)が感知して作動したとき、あるいはシートベルト3の所定速度以上の引出し速度をウェビングセンサ(ベルト引出し速度感知センサ)が感知して作動したとき作動して、スプール4の引出し方向αの回転を阻止するようになっている。
なお、図示しないがスプール4とロック手段5との間には、ロック手段5の作動によりシートベルト3の引出しが阻止されたとき、シートベルト3の荷重を制限する従来周知慣用のフォースリミッタ機構(エネルギ吸収機構:以下、EA機構ともいう)が設けられている。このEA機構としては、例えば従来周知のトーションバーから構成することができ、ロック手段5の作動によりシートベルト3の引出しが阻止されたとき、このトーションバーがねじれ変形することで、シートベルト3の荷重が制限され、衝撃エネルギが吸収されるようになっている。
図4および図5(a)に示すように、モータ6は、フレーム2の他方の側壁2bに3個のねじ10により取り付けられているリテーナ11のフレーム2取付面側に、一対のねじ12により取り付けられる。このモータ6のモータ回転軸6aがリテーナ11の貫通孔11aを貫通しており、リテーナ11のフレーム2側と反対側に突出したモータ回転軸6aに外歯を有するモータギヤ13がモータ回転軸6aと一体回転可能に取り付けられている。このモータ6は、スプール4の外部に配置された電動式のモータとして構成され、本発明における「電動モータ」に相当する。
図4に示すように、スプール4および前述のEA機構(例えば、トーションバー)の両方と減速機構7a,7bとの間には、これらを回転方向に連結するコネクタ14が設けられている。このコネクタ14は、スプール4およびEA機構の両方と回転方向に連結する第1回転連結部14aと、コネクタ側軸受け15と回転方向に連結する第2回転連結部14bと、スプライン状に形成されて減速機構7a,7bと回転方向に連結する第3回転連結部14cとから構成されている。
第1回転連結部14aは、図4に明瞭に示されていないが多角筒状に形成されており、その外面側がスプール4にこのスプール4と一体回転可能に連結されるとともに、その内面側がEA機構(例えば、トーションバー)にこのEA機構と一体回転可能に連結されるようになっている(なお、コネクタ14とスプール4およびEA機構との一体回転可能な連結構造は従来周知であるので、その具体的な説明は省略する)。
第2回転連結部14bの外周面が断面多角形状に形成されているとともに、コネクタ側軸受け15の内周面が同じ断面多角形状に形成されている。そして、コネクタ側軸受け15が第2回転連結部14bに嵌合することで、コネクタ側軸受け15はコネクタ14に相対回転不能に取り付けられる。このコネクタ側軸受け15が、リテーナ11の孔11bに相対回転不能に取り付けられるリテーナ側軸受け16に相対回転可能に支持されることにより、コネクタ14がリテーナ11に回転可能に支持されている。
第3回転連結部14cには、例えばスプライン溝のような軸方向に延びる所定数の係合溝が周方向に等間隔をおいて形成されている。
高減速比減速機構7aは、環状のキャリヤギヤ17と、このキャリヤギヤ17に回転可能に取り付けられる所定数(図示例では3個)のプラネットギヤ18と、円環状のリング部材19と、サンギヤ部材20とを備えている。
キャリヤギヤ17の内周面17aのコネクタ14側部分には、例えばスプライン溝のような軸方向に延びる所定数の係合溝が周方向に等間隔をおいて形成されている。この内周面17aの係合溝がコネクタ14の第3回転連結部14cの係合溝間の凸部に嵌合しかつ内周面17aの係合溝間の凸部がコネクタ14の第3回転連結部14cの係合溝に嵌合(スプライン嵌合と同様の嵌合)することで、キャリヤギヤ17がコネクタ14に相対回転不能に、つまりコネクタ14と一体回転可能に連結される。また、このキャリヤギヤ17の外周面には、外歯17bが形成されている。
プラネットギヤ18は減速プレート21を介して減速ピン22によりキャリヤギヤ17に回転可能に取り付けられる。
リング部材19は、内周面に形成されたインターナルギヤ19aと外周面に形成されたラチェット歯19bとを備えており、これらのインターナルギヤ19aとラチェット歯19bは互いに一体に回転するようになっている。
サンギヤ部材20は、図6(a)および(b)に示すように小径の外歯からなるサンギヤ20aと大径の外歯20bを備えており、これらのサンギヤ20aと外歯20bは互いに一体に回転するようになっている。
そして、キャリヤギヤ17に支持された各プラネットギヤ18がともにサンギヤ20aとインターナルギヤ19aとに常時噛合して、遊星機構が構成されている。これにより、減速機構7は、サンギヤ20a入力でキャリヤギヤ17出力の遊星歯車減速機構として構成される。
図4に示すように動力伝達機構8は、更に、コネクトギヤ23と、一対のクラッチスプリング24と、一対のプーリ25と、外歯を有する下側コネクトギヤ26と、外歯を有する上側コネクトギヤ27と、ガイドプレート28と、外歯を有するアイドルギヤ29とを備えている。
コネクトギヤ23は、リテーナ11に立設された回転軸11cに回転可能に支持され、大径の外歯からなる第1コネクトギヤ23aと小径の第2コネクトギヤ23bを備えており、これらの第1および第2コネクトギヤ23a,23bは互いに一体に回転するようになっている。その場合、図5(a)および(b)に示すように大径の第1コネクトギヤ23aはモータギヤ13に常時噛合されている。
図4に示すように、下側コネクトギヤ26の両側面には回転軸26aがそれぞれ突設されており(図4には、一方の回転軸26aのみ図示)、これらの回転軸26aを軸方向に貫通する貫通孔26bが穿設されている。各回転軸26aには平坦部が形成されているとともに、各プーリ25の長孔25aが平坦部の平面に沿うようにして嵌合されている。これにより、各プーリ25がともに下側コネクトギヤ26の両側面に下側コネクトギヤ26と一体回転可能に支持されている。各プーリ25には、それぞれクラッチスプリング24が第1湾曲係止部24aが係止されている。更に、下側コネクトギヤ26の一側の回転軸26aには上側コネクトギヤ27が下側コネクトギヤ26と一体回転可能に支持されている。そして、各プーリ25、下側コネクトギヤ26および上側コネクトギヤ27がリテーナ11に立設された回転軸11dに回転可能に支持される。
ガイドプレート28は、その一対の孔28aがリテーナ11に立設された一対の支持軸11eにそれぞれ嵌合支持された状態で、一対のねじ30をガイドプレート28の対応するねじ孔28bを貫通させかつリテーナ11に穿設された一対のねじ孔11fに螺合することで、リテーナ11に取り付けられている。このガイドプレート28に立設された回転軸28cに、アイドルギヤ29が回転可能に支持されている。
図5(a)および(b)に示すように、このアイドルギヤ29は、サンギヤ部材20の外歯20b、コネクトギヤ23の小径の第2コネクトギヤ23bおよび上側コネクトギヤ27のいずれにも常時噛合されている。
そして、低減速比減速機構7bは、上側コネクトギヤ27と、下側コネクトギヤ26と、クラッチギヤ31およびキャリヤギヤ17とを備えている。
したがって、アイドルギヤ29に伝達されたモータ6の回転トルクは、アイドルギヤ29から低減速比減速機構7bを介してスプール4に伝達されるか、あるいはアイドルギヤ29から高減速比減速機構7aを介してスプール4に伝達されるようになる。
図4に示すように、動力伝達モード切換機構9は、外歯を有するクラッチギヤ31と、回転軸32と、クラッチアーム33と、クラッチパウル34と、抵抗スプリング35と、スプリングストッパ36とを備えている。
図8に示すようにクラッチギヤ31は、このクラッチギヤ31より大径のキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合可能とされているとともに、図示しないが下側コネクトギヤ26に常時噛合されている。回転軸32は、クラッチギヤ31の中心孔31aを貫通してこのクラッチギヤ31を回転可能に支持している。
クラッチアーム33は両側壁33a,33bと底部(不図示)とからなる断面コ字状に形成されている。両側壁33a,33bの一端側は底部が突出しており、これらの突出部に直線状の支持溝33cが形成されている。そして、両側壁33a,33bの両突出部の間にクラッチギヤ31が配置され、クラッチギヤ31の両側面から突出する回転軸32がそれぞれ対応する支持溝33cにこれらの支持溝33cに沿って移動可能に支持されている。更に、回転軸32の両側壁33a,33bから突出する突出部分に各クラッチスプリング24の第2湾曲係止部24bが係止されている。更に、回転軸32の一端側は、リテーナ11に穿設されたガイド孔11gに嵌合支持されている。このガイド孔11gは、回転軸11dを中心とした円の円弧として形成されている。したがって、回転軸32はガイド孔11gにガイドされて、回転軸11dを中心とした円の円周に沿って移動可能となっている。
また、両側壁33a,33bの他端側には、それぞれ長孔33dが穿設されているとともにほぼ円弧状の係合部33eが突設されている。更に、両側壁33a,33bの長手方向中央部には、それぞれ支持孔33fが穿設されている。クラッチアーム33は、これらの支持孔33fがリテーナ11に立設された支持軸11hに嵌合されて回動可能に支持され、Eリング37を支持軸11hに組み付けることで抜け止めされている。
クラッチパウル34は、一端側に支持孔34aが穿設されているとともに、他端側に係止爪34bが形成されている。また、クラッチパウル34の他端側つまり係止爪34b側には、係合ピン34cが立設されている。係合ピン34cはクラッチアーム33の長孔33dに嵌合されていて、クラッチアーム33に対して相対回動可能にかつ長孔33dに沿って相対移動可能とされている。図7に示すように、クラッチパウル34は、パウルピン38を支持孔34aに貫通させかつリテーナ11のピン孔11iに挿入係止させることで、リテーナ11に回動可能に取り付けられる。そして、図9に示すように係止爪34bがリング部材19の時計回り(スプール4のベルト引出し方向αに対応)の回転に対してラチェット歯19bに係止可能となっており、係止爪34bがラチェット歯19bに係止したときは、リング部材19の時計回りの回転が阻止される。
抵抗スプリング35は帯状の板ばねから構成されており、下端部がL字状に形成された支持部35aとされているとともに、長手方向中央より上方位置にコ字状の凹部35bが形成されている。この凹部35bより下方の支持部35aまでが平面とされているとともに、凹部35bより上端までが湾曲面とされている。
この凹部35bには、クラッチアーム33の係合部33eが係脱可能とされている。図7に示すように、この係合部33eが凹部35bに係合した状態では、支持溝33cの延設方向がガイド孔11gの円弧の接線方向となり、回転軸32がガイド孔11gから支持溝33cへおよび逆の支持溝33cからガイド孔11gへ移動可能となっている。
スプリングストッパ36はL字状に形成されており、このスプリングストッパ36とリテーナ11に形成されたスプリング取付部11jとの間に支持部35aが挟持されることで、抵抗スプリング35がリテーナ11に上端を自由端とした片持ち支持で取り付けられている。
前述の減速機構7、動力伝達機構8および動力伝達モード切換機構9の各構成要素が、リテーナ11のフレーム2取付側と反対側の面に形成された凹部内に組み付けられた状態で、この面にリテーナカバー39が所定数(図示例では4個)のねじ40で取り付けられて、これらの構成要素がカバーされる。
このように構成された動力伝達機構8および動力伝達モード切換機構9は、ECU78によって次の3つのモードに切り換え制御される。これら3つのモードを図7〜図9を参照しながら説明する。ここで、図7は、図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’における動力伝達遮断モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。また、図8は、図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’における低減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。また、図9は、図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’における高減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。
(1)動力伝達遮断モード(フリーモード)
図7に示すように、動力伝達遮断モードでは動力伝達モード切換機構9におけるクラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bに係合した状態にされる。また、係合部33eが凹部35bに係合した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに係合されなく、リング部材19は回転自由となっている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との間のトルク伝達経路(後述するように、低速かつ高トルク伝達経路)は遮断される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの右端に当接してクラッチギヤ31は最右位置に設定される。この最右位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bから離れている。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間のトルク伝達経路(後述するように、高速かつ低トルク伝達経路)が遮断される。
したがって、動力伝達遮断モードはスプール4とモータ6が接続されず、モータ6の回転トルクがスプール4へ伝達されない、かつ、スプール4の回転トルクもモータ6へ伝達されない動力伝達モードである。すなわち、この動力伝達遮断モードは、スプール4と動力伝達機構8との物理的な接続状態(本発明における「動力伝達機構の接続状態」に対応)が解除された接続解除状態(本発明における「動力伝達機構の接続解除状態」に対応)として規定される。この状態では、スプール4が動力伝達機構8側(モータ6側)から完全に切り離されることで動力伝達機構8によりスプール4に対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、スプール4の回転動作が容易とされるため、モータ6の駆動及び駆動停止に関わらず、当該スプール4に巻き取られているシートベルト3の引き出し操作(巻き出し操作)が容易となる。
(2)低減速比動力伝達モード
図8に示すように、低減速比動力伝達モードでは、動力伝達遮断モードと同様にクラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bに係合した状態にされる。また、係合部33eが凹部35bに係合した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに係合されなく、リング部材19は回転自由となっている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路は遮断される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの中央の最高位置(スプール4の回転軸に最も接近した位置)に設定され、クラッチギヤ31も最高位置(スプール4の回転軸に最も接近した位置)に設定される。この最高位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間の高速かつ低トルク伝達経路が接続される。すなわち、モータ6は、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29、上側コネクトギヤ27、下側コネクトギヤ26、クラッチギヤ31、キャリヤギヤ17およびコネクタ14を介してスプール4に接続されている。したがって、低減速比の動力伝達経路が設定される。また、回転軸32の最高位置では、回転軸32はクラッチアーム33の支持溝33c内に進入してクラッチアーム33に当接して
いる。
このように、この低減速比動力伝達モードは低減速比で、高速かつ低トルク伝達経路が設定される動力伝達モードである。この低減速比動力伝達モードでは、モータ6の駆動により迅速なベルト巻取りが可能となる。この低減速比動力伝達モード及び後述の高減速比動力伝達モードは、いずれもスプール4と動力伝達機構8とが物理的に接続され、モータ6の動力を動力伝達機構8を介してスプール4に伝達可能な接続状態として規定される。
特に、モータ6が駆動され動力伝達機構8が低減速比動力伝達モード或いは後述の高減速比動力伝達モードに設定されている状態は、モータ6の動力が動力伝達機構8を介してスプール4に伝達される状態である。また、モータ6が駆動停止され動力伝達機構8が低減速比動力伝達モード或いは後述の高減速比動力伝達モードに設定されている状態は、スプール4と物理的な接続状態にある動力伝達機構8によって、スプール4に対し高い巻き出し抵抗が付与され、スプール4からシートベルト3を巻き出し(引き出し)にくい状況、或いは巻き出し(引き出し)が不能とされた状況が形成される状態である。
(3)高減速比動力伝達モード
図9に示すように、高減速比動力伝達モードでは、クラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bから脱出し、抵抗スプリング35の凹部35bより上方の湾曲部に位置した状態にされる。また、このように係合部33eが凹部35bから脱出した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに時計回りに係合し、リング部材19は時計回りの回転が阻止されている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路が接続される。すなわち、モータ6は、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29、サンギヤ部材20の外歯20b、サンギヤ20a、プラネットギヤ18、キャリヤギヤ17およびコネクタ14を介してスプール4に接続されている。したがって、遊星機構により高減速比の動力伝達経路が設定される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの左端に当接してクラッチギヤ31は最左位置に設定される。この最左位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bから離れている。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間の高速かつ低トルク伝達経路が遮断される。
このように、この高減速比動力伝達モードは高減速比で、低速かつ高トルク伝達経路が設定される動力伝達モードである。この高減速比動力伝達モードでは、モータ6の駆動により高ベルト張力でのベルト巻取りが行われる。
これらの動力伝達遮断モード、低減速比動力伝達モード、高減速比動力伝達モード間の動力伝達モード切換は、動力伝達モード切換機構9によって行われる。例えば、以下に示す3つの態様にしたがって各モードの切り換えが遂行される。
(1)動力伝達遮断モード→低減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換
図7に示す動力伝達遮断モードの状態から、モータ6が正回転(図7においてモータ回転軸6aが時計回り:スプール4のベルト巻取り方向(図4中の方向β)の回転に対応)すると、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29および上側クラッチギヤ27を介して下側コネクトギヤ26とプーリ25とがそれぞれスプール4のベルト巻取り方向βに対応した方向に回転する。すると、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合していないので空転するとともに、回転軸32が抵抗を受けないのでクラッチスプリング24がプーリ25と同方向に回動する。これにより、クラッチギヤ31および回転軸32がガイド孔11gに沿って左方に移動し、図8に示すように回転軸32がクラッチアーム33に当接する。
この回転軸32がクラッチアーム33に当接した位置では、図8に示すようにクラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置に設定されて、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。これにより、クラッチギヤ31の回転がキャリヤギヤ17に伝達され、キャリヤギヤ17が回転する。このとき、シートベルト3にスラックがあると、このキャリヤギヤ17の回転でシートベルト3がスプール4に巻き取られる。このスラックが除去されると、スプール4が回転しなくなるので、キャリヤギヤ17も回転しなくなる。このため、クラッチギヤ31もキャリヤギヤ17から抵抗を受けて回転しなくなる。
しかし、モータ6の回転トルクにより下側コネクトギヤ26が回転しようとするので、下側コネクトギヤ26の回転トルクにより、回転軸32に前述の最左位置方向に向かう力が加えられる。このとき、回転軸32がクラッチアーム33に当接しているので、この力により回転軸32がクラッチアーム33を押圧する。しかし、このときシートベルト3の張力が所定値以下であるので、回転軸32の押圧力によるクラッチアーム33を時計回りに回転させようとするモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより小さい。したがって、係合部33eが凹部35bから脱出しなく、クラッチアーム33は回動しなく、回転軸32がこのクラッチアーム33に当接した位置に停止する。
この回転軸32の停止により、クラッチギヤ31および回転軸32が図8に示す前述の最高位置に保持される。クラッチギヤ31が最高位置に保持されることで、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17の外歯17bとの噛合が保持され、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との高速かつ低トルク伝達経路の接続が保持される。また、クラッチアーム33が回動しないので、クラッチパウル34も回動しなく、係止爪34bはラチェット歯19bに係合しない位置に保持される。これにより、リング部材19が自由となり、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路の遮断が保持される。
こうして、動力伝達機構8の動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は低減速比動力伝達モードに設定される。
(2)低減速比動力伝達モード→高減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換
高減速比動力伝達モードはモータ6の比較的高い回転トルクにより設定される。その場合、高減速比動力伝達モードは、動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードを介して設定される。
動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換は前述と同じである。しかし、高減速比動力伝達モードの設定ではシートベルト3の張力が所定値より大きいので、図8に示す低減速比動力伝達モードの状態で、回転軸32の押圧力によりクラッチアーム33に加えられるモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより大きくなる。このため、係合部33eが凹部35bから脱出可能となる。
したがって、クラッチスプリング24が反時計回りに更に回動すると、回転軸32がクラッチアーム33をその支持軸11hを中心に時計回りに回動させながら、ガイド孔11gに沿って左方へ移動する。これにより、クラッチギヤ31も更に左方へ移動する。回転軸32がガイド孔11gの左端に当接すると、それ以上の移動が阻止され、クラッチギヤ31、回転軸32およびクラッチスプリング24が停止する。これにより、図9に示すようにクラッチギヤ31および回転軸32は前述の最左位置に設定される。この最左位置では、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bから外れ、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との高速かつ低トルク伝達経路は遮断される。
一方、クラッチアーム33の回動に連動して、クラッチパウル34がクラッチパウルピン38を中心に反時計回りに回動し、図9に示すようにその係止爪34bがラチェット歯19bに係止可能な位置に設定される。このとき、モータ6の回転トルクでサンギヤ部材20が回転してリング部材19も時計回りに回転しているので、ラチェット歯19bが係止爪34bに係止する。これにより、リング部材19の回転が停止し、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路が接続される。
こうして、動力伝達機構8の低減速比動力伝達モードから高減速比動力伝達モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は高減速比動力伝達モードに設定される。
(3)高減速比動力伝達モード→(低減速比動力伝達モード)→動力伝達遮断モードの動力伝達モード切換
図9に示す高減速比動力伝達モードの状態で、モータ6が逆回転(図7においてモータ回転軸6aが反時計回り:スプール4のベルト引出し方向(図4中の方向α)の回転に対応)すると、下側コネクトギヤ26およびプーリ25も前述と逆回転する。すると、クラッチスプリング24も同様に前述と逆方向に回動するので、クラッチギヤ31および回転軸32がクラッチアーム33を反時計回りに回動させながらガイド孔11gに沿って右方へ移動する。
クラッチアーム33の反時計回りの回動に連動してクラッチパウル34が時計回りに回動するので、クラッチパウル34はラチェット歯19bと係合しない非係合位置となる。これにより、リング部材19が回転自由になり、低速かつ高トルク伝達経路が遮断される。
クラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置になったとき、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合して一時的に図8に示す低減速比動力伝達モードとなるが、クラッチギヤ31および回転軸32の右方への移動が継続しているので、すぐにクラッチギヤ31は外歯17bから外れ、空転する。これにより、高速かつ低トルク伝達経路は一時的接続されるがすぐに遮断される。なお、高速かつ低トルク伝達経路が一時的接続されたとき、モータ6が逆回転しているので、スプール4はベルト引出し方向αに一時的に回転するが、すぐに停止する。
回転軸32がガイド孔11gの右端に当接すると、それ以上の移動が阻止され、クラッチギヤ31、回転軸32およびクラッチスプリング24が停止する。これにより、クラッチギヤ31および回転軸32は前述の図7に示す最右位置に設定される。
こうして、動力伝達機構8の高減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は動力伝達遮断モードに設定される。
このように本実施の形態において、動力伝達機構8の設定はモータ6の回転制御によって切り換る。
具体的には、低減速比動力伝達モードに関しては、モータ6が正回転方向に回転制御されることによって動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードへと切り換り当該低減速比動力伝達モードが継続される一方、モータ6が逆回転方向に回転制御されることによって低減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへと切り換り当該低減速比動力伝達モードが解除される。このとき、動力伝達機構8を接続状態(低減速比動力伝達モード)から接続解除状態(動力伝達遮断モード)へと切り換えるべく、モータ6が逆回転方向へ回転制御されると、スプール4に対するモータ6の回転速度差によって動力伝達機構8が接続状態(低減速比動力伝達モード)から接続解除状態(動力伝達遮断モード)に切り換るように構成されている。
また、高減速比動力伝達モードに関しては、モータ6が逆回転方向に制御されることによって低減速比動力伝達モードから高減速比動力伝達モードへと切り換り当該高減速比動力伝達モードが継続される一方、モータ6が正回転方向に制御されることによって高減速比動力伝達モードから低減速比動力伝達モードへと切り換り当該高減速比動力伝達モードが解除される。
ここで、上記構成のシートベルト装置100において、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1ないし第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’のモータの駆動制御は、車両乗員に対する拘束または拘束解除を行う際に用いられ、図1中の入力要素80からの各種の入力信号の基づき、ECU78により適宜実施される。すなわち、本実施の形態のシートベルト装置100は、入力要素80からの入力信号に基づいてECU78がモータの動作を制御し、これによってシートベルト3の張力を調節し、車両乗員の拘束状態を調節する機能を有しており、車両における「乗員拘束システム」を構成するものである。本実施の形態では、上記シートベルト3の状態に関し次の7つの具体的なシートベルト設定モードを設定することが可能であり、予め設定されたこれらのシートベルト設定モードに基づいてECU78によるシートベルトリトラクタの制御を遂行することができる。
(1)シートベルト格納用巻取りモード
シートベルト格納用巻取りモードは、シートベルト3の装着を解除するために、タング(図1中のタング(トング)72)をバックルから抜き出し、バックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ76a)がOFFとなったとき、シートベルト3を格納状態にするために完全に巻き取る設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこのシートベルト格納用巻取りモードでは、一旦引き出されたシートベルト3をスプール52に迅速に巻き取るようにモータ53がベルト巻取り方向に駆動制御される。そして、シートベルト3が完全に巻き取られて、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときにモータ53が停止されることで、シートベルト3はごく弱いベルト張力が生じているベルト格納モードとなる。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこのシートベルト格納用巻取りモードでは、モータ6が比較的低い回転トルクでベルト巻取り方向に駆動されて、動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定される。したがって、一旦引き出されたシートベルト3は低トルクで迅速に巻き取られる。そして、シートベルト3が完全に巻き取られて、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときにモータ6が停止されることで、シートベルト3はごく弱いベルト張力が生じているベルト格納モードとなる。
(2)シートベルト装着モード
シートベルト装着モードは、シートベルト装着の際、シートベルト3がスプールから引き出される設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこのシートベルト装着モードでは、車両乗員がバックル76にトング(タング)72を装着する操作において、車両乗員がシートベルト3或いはトング(タング)72を掴み易くするように、モータ53の動作をベルト巻き出し方向に制御する。これにより、シートベルト装着時の負荷と動作を軽減することが可能となる。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこのシートベルト装着モードでは、車両乗員がシートベルト3或いはトング(タング)72を掴み易くするように、モータ6の動作をベルト巻き出し方向に制御し、かつ動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定される。これにより、シートベルト装着時の負荷と動作を軽減することが可能となる。
(3)フィッティング用シートベルト巻取りモード
フィッティング用シートベルト巻取りモードは、シートベルト3を引き出してタング(図1中のタング(トング)12)をバックルに挿入係合してバックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ16a)がONした後、シートベルト3を車両乗員にフィットさせるために、余分に引き出されたシートベルト3を巻き取る状態、およびシートベルト3の通常装着状態(このとき、バックルスイッチはON状態となっている)で、車両乗員が動いてシートベルト3が所定量引き出された後、車両乗員が再び正規位置に着座したとき、引き出されたシートベルト3を巻き取る設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこのフィッティング用シートベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1のモータ53がベルト巻取り方向に駆動されて、シートベルト3に所定の張力が作用するように制御される。従って、シートベルト3は車両乗員にフィットした状態で装着される。これにより、シートベルト引き出し時に生じた弛みをなくすことが可能となる。また、必要に応じて、モータ53の動作をシートベルト巻き取り方向またはシートベルト巻き出し方向に微調整制御することによって、シートベルト装着中のフィット感を調整することができる。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこのフィッティング用シートベルト巻取りモードでは、モータ6がベルト巻取り方向に駆動され、かつ動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定される。したがって、シートベルト3は低トルクで迅速に巻き取られ、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときモータ6が停止することで、シートベルト3は乗員にフィットした状態で装着される。これにより、シートベルト引き出し時に生じた弛みをなくすことが可能となる。また、必要に応じて、モータ6の動作をシートベルト巻き取り方向またはシートベルト巻き出し方向に微調整制御することによって、シートベルト装着中のフィット感を調整することができる。
(4)通常装着モード(コンフォートモード)
通常装着モード(コンフォートモード)は、フィッティング用シートベルト巻取りモード終了後に設定される、シートベルト3の通常装着状態の設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこの通常装着モードでは、モータ53は、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じるように制御される。これにより車両乗員はシートベルト3が装着されても圧迫感を抱くことはない。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこの通常装着モードでは、動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定された状態で、モータ6は、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じるように制御される。これにより車両乗員はシートベルト3が装着されても圧迫感を抱くことはない。
(5)警報モード(報知モード)
警報モードは、通常装着モードで車両走行中に、自車両周辺の障害物や運転手の居眠り等を検知して、シートベルト3の巻取りを所定回数繰り返すことで、運転者に警報を発する設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこの警報モードでは、自車両周辺の障害物(別車両、障害物、歩行者など)が所定範囲内にあると判定した場合や、当該障害物に自車両が衝突する可能性が高いと判定した場合、或いは運転者が居眠りをしていると判定した場合に、モータ53がシートベルト巻き取り方向及びシートベルと巻き出し方向へ繰り返し駆動される。したがって、シートベルト3に比較的強いベルト張力(後述する緊急モードのベルト張力より弱い)と、ごく弱いベルト張力とが車両乗員に繰り返し加えられるので、運転者は自車両周辺の障害物の接近や居眠りに対して注意を促される。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこの警報モードでは、動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定された状態で、モータ6がシートベルト巻き取り方向及びシートベルと巻き出し方向へ繰り返し駆動される。
この警報モードは、シートベルト装着時において、車両衝突前にモータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御してシートベルト3に第1の張力を付与する設定モードであり、本発明における「第1の設定モード」に相当する。
(6)車両衝突前拘束モード
車両衝突前拘束モードは、通常装着モードで車両走行中に、或いは上記警報モードに引き続いて、自車両が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い場合(衝突不可避と判定した場合)に設定される設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこの車両衝突前拘束モードでは、シートベルト装着状態において、シートベルト3に強めの張力が作用するように、モータ53の動作がシートベルト巻き取り方向に制御される。これにより、急制動などによる車両乗員の姿勢変化を拘束することが可能とされる。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこの車両衝突前拘束モードでは、シートベルト装着状態において、シートベルト3に強めの張力が作用するように、動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定された状態で、モータ6の動作がシートベルト巻き取り方向に制御される。これにより、急制動などによる車両乗員の姿勢変化を拘束することが可能とされる。
この車両衝突前拘束モードは、シートベルト装着時において、車両衝突前にモータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御してシートベルト3に第1の張力を付与する設定モードであり、本発明における「第1の設定モード」に相当する。
(7)車両衝突時拘束モード
車両衝突時拘束モードは、車両走行中に自車両が実際に障害物等に衝突したと判定した場合に設定される設定モードである。
第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるこの車両衝突時拘束モードでは、シートベルト装着状態において、シートベルト3に、上述の警報モード時や車両衝突前拘束モード時よりも強め(高め)の張力が作用するように、モータ53の動作がシートベルト巻き取り方向に制御される。これにより、車両衝突の際の車両乗員の姿勢変化を拘束する初期拘束を確実に行うことが可能とされる。
一方、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’におけるこの車両衝突前拘束モードでは、シートベルト装着状態において、シートベルト3に、上述の警報モード時や車両衝突前拘束モード時よりも強め(高め)の張力が作用するように、動力伝達機構8が高減速比動力伝達モードに設定された状態で、モータ6の動作がシートベルト巻き取り方向に制御される。これにより、シートベルト3は高トルクで巻き取られて、きわめて強いベルト張力で乗員が拘束される。
この車両衝突時拘束モードは、シートベルト装着時において、実際の車両衝突時にモータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御してシートベルト3に第2の張力を付与する設定モードであり、本発明における「第2の設定モード」に相当する。
ここで、上記構成のシートベルトリトラクタ1の制御に関し、上述の警報モード、車両衝突前拘束モード及び車両衝突後拘束モードの詳細な制御内容を、図10及び図11を参照しながら具体的に説明する。シートベルトリトラクタ1におけるこの制御は、図1中のECU78によって遂行される。
本実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるリトラクタ制御処理のフローチャートが図10に示される。
図10に示すように、このリトラクタ制御処理では、まずステップS10によって、シートベルト装着状態であるか否かを判定する。具体的には、図1中のバックルスイッチ16aがバックル16にタング(トング)12が挿入されたことを検知した場合に、シートベルト装着状態であると判定し、バックルスイッチ16aがタング12の挿入解除を検知した場合に、シートベルト装着解除状態であると判定する。このステップS10においてシートベルト装着状態であると判定した場合(ステップS10のYES)に、ステップS20にすすむ。
図10中のステップS20では、シートベルト3による警報条件が成立しているか否かを判定する処理を行う。具体的には、図1中の車両衝突情報検知センサ82によって検知された情報に基づいて、自車両周辺の障害物(別車両、障害物、歩行者など)が所定範囲内にあると判定した場合や、当該障害物に自車両が衝突する可能性が高と判定した場合、若しくはシートベルト3に作用する張力変化を検出するセンサによって検知された情報に基づいて、運転者が居眠りをしていると判定した場合に、警報条件の成立とされる。このステップS20において警報条件が成立した場合(ステップS20のYES)に、ステップS30にすすむ。
図10中のステップS30では、前述の警報モードによる制御を行う。この制御では、シートベルト3に作用する張力を増減させる動作(張力を一時的に高める動作)を複数回繰り返すようにモータを駆動制御することで、車両乗員(運転者)に対し注意を促す警報動作を行う。その後、ステップS40にすすむ。
図10中のステップS40では、自車両の衝突不可避を判定する処理を行う。具体的には、図1中の車両衝突情報検知センサ82によって検知された情報に基づいて、車両乗員の衝突回避操作によっても自車両の衝突が回避できない(自車両が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い)ことを示す衝突不可避信号を検出した場合に、衝突不可避と判定する。このステップS40において衝突不可避である場合(ステップS40のYES)に、ステップS50にすすむ。
図10中のステップS50では、前述の車両衝突前拘束モードによる制御を行う。具体的には、図1中の車両衝突情報検知センサ82によって検知された情報に基づいて、車両衝突前において自車両の衝突が回避できないと判定した場合に、シートベルト3に強めの張力が作用するように、モータの動作をシートベルト巻き取り方向に制御する。
更に、図10中のステップS60では、自車両の実際の衝突発生を判定する処理を行う。具体的には、図1中の車両衝突情報検知センサ82によって検知された情報に基づいて、自車両の衝突が実際に発生したことを示す衝突発生信号を検出した場合に、衝突発生と判定される。このステップS60において衝突発生とした場合(ステップS40のYES)に、ステップS70にすすむ。
図10中のステップS70では、前述の車両衝突後拘束モードによる制御を行う。具体的には、図1中の車両衝突情報検知センサ82によって検知された情報に基づいて、実際に衝突が発生したと判定した場合に、シートベルト3に、警報モード時や車両衝突前拘束モード時よりも強め(高め)の張力が短時間で作用するように、モータの動作をシートベルト巻き取り方向に制御する。
ここで、図10に示すリトラクタ制御処理におけるシートベルト張力の経時変化の一例が図11に示される。図11では、図10中のステップS40以降のシートベルト張力の経時変化を示している。このシートベルト張力をシートベルト巻き取り力に置き換えることもできる。
図11に示すように、ECU78は、図10中のステップS40において衝突不可避信号を検出すると、シートベルト張力を時間Δt1の間に初期値P0(通常はゼロ)から張力P1へと増加させるように、モータのモータ出力を制御する。このときのシートベルト張力の変化量ΔP1は(P1−P0)であり、このときのシートベルト巻取り速度V1は、(ΔP1/Δt1)に比例する。この車両衝突前にて、シートベルト3に作用する、張力P0から張力P1までの範囲内の張力が、本発明における「第1の張力」に相当する。
その後、ECU78は、図10中のステップS60において衝突発生信号を検出すると、シートベルト張力を時間Δt2の間に第1のモータ出力P1から第2のモータ出力P2へと増加させるように、モータのモータ出力を制御する。このときのシートベルト張力の変化量ΔP2は(P2−P1)であり、このときのシートベルト巻取り速度V2は、(ΔP2/Δt2)に比例する。この車両衝突時にて、シートベルト3に作用する、張力P1から張力P2までの範囲内の張力が、本発明における「第2の張力」に相当する。
本実施の形態では、シートベルト張力の変化量に関し、衝突発生前の変化量ΔP1よりも衝突発生時の変化量ΔP2の方が大きくなり、且つシートベルト巻取り速度に関し、衝突発生前のシートベルト巻取り速度V1よりも衝突発生時のシートベルト巻取り速度V2の方が大きくなるように設定されている。このときのモータのモータ出力は、電流値(「制御電流値」ともいう)と電圧値(「印加電圧値」ともいう)との積であることから、電流値や電圧値を適宜変化させて、モータ出力、モータ回転数(回転速度)などを変更することによって、衝突発生前及び衝突発生時のシートベルト張力やシートベルト巻取り速度が所望の範囲の制御することができる。このような設定にしたがってモータを駆動制御することによって、衝突発生時における車両乗員の初期拘束性能を向上させるのにとりわけ効果的である。
このように本実施の形態のシートベルト装置100は、車両衝突前及び車両衝突時にシートベルト3の張力を高める動作を、いずれもシートベルトリトラクタ側に設けられた同一の動力源(モータ)、同一の機構(モータ減速機構、スプール等)を用いて行う構成であるため、車両衝突前にシートベルトの張力を高める機構と、車両衝突時にシートベルトの張力を高める機構として別々の機構を用いる場合に比して、装置の小型化や軽量化、装置コスト低減を図るのに有効である。
また、本実施の形態のシートベルト装置100によれば、特に図10に示すリトラクタ制御処理を、図11に示すような制御態様にしたがって遂行することによって、車両衝突後拘束モード時には、警報モード時や車両衝突前拘束モード時よりも強め(高め)のシートベルト張力が短時間で作用するようにでき、とりわけ乗員の初期拘束向上を図ることが可能となる。
また、本実施の形態のシートベルト装置100において、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1を用いれば、スプール52の円筒内に電動モータ53を収容する構成によって、シートベルトリトラクタ1全体の小型化及び軽量化を図ることができるうえに、モータ駆動時における遮音性向上、モータ53から生じる電磁波の遮断性向上を図るのに有効である。
また、本実施の形態のシートベルト装置100において、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1を用いれば、スプール52とモータ53との間に介在する複数のギアの配置構造の工夫によってモータ減速機構の長軸方向に関する長さが抑えられることとなり、当該モータ減速機構まで含めたシートベルトリトラクタ1全体としての長軸方向に関する大きさを更に低減することができる。
また、本実施の形態のシートベルト装置100において、第2実施の形態のシートベルトリトラクタ1’を用いれば、動力伝達機構8に高速かつ低トルク動力伝達経路からなる低減速比動力伝達モードと低速かつ高トルク動力伝達経路からなる高減速比動力伝達モードとの2つの動力伝達経路を設定しているので、低減速比動力伝達モードによる、シートベルト3のスラック除去のための迅速なベルト巻取りと、高減速比動力伝達モードによる、乗員拘束のための高トルクでのベルト巻取りという2つの巻取り性能を実現することができる。
しかも、これらの2つの動力伝達経路が設定されることで、モータ6の回転トルクを効率よくスプール4に伝達することができるので、限られた消費電力でこれらの2つの巻取り性能を確実に発揮することができる。特に、乗員拘束のための高トルクでのベルト巻取りを低速かつ高トルク動力伝達経路で実現されるので、モータ6の回転トルクを従来に比して小さくすることができる。これにより、モータ6の消費電力を低減させることができるとともに、より小型のモータを使用することができ、その分、シートベルトリトラクタ1’をコンパクトにできる。
また、前述の2つの巻取り性能を実現できることで、シートベルトリトラクタ1’にモータ6の回転トルクによるプリテンショニング機能を持たせることができる。したがって、従来のシートベルトリトラクタにおける反応ガスを用いたプリテンショナーを不要にできるので、コストを削減することができる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、シートベルト3の状態に関し7つのシートベルト設定モードを設定する場合について記載したが、本発明における設定モードの数については必要に応じて適宜変更可能である。本発明のシートベルトリトラクタないしシートベルト装置は、シートベルト装着時であって衝突発生前及び衝突発生時に、同一の電動モータ、モータ減速機構、スプールを用いてシートベルト張力を高めることが可能な、少なくとも2つの設定モードを有してればよい。
また、上記実施の形態では、衝突発生前及び衝突発生時におけるシートベルト巻き取り動作を単一のモータを用いて行う場合について記載したが、本発明では衝突発生前におけるシートベルト巻き取り動作と、衝突発生時におけるシートベルト巻き取り動作を、シートベルトリトラクタ側に設けた異なるモータによって行うように構成することもできる。
また、上記実施の形態では、運転席に着座する車両乗員に対し使用され、Bピラー内の収容空間に収容されるシートベルトリトラクタ1ないしシートベルトリトラクタ1’について記載したが、助手席をはじめ後部座席に着座する車両乗員に対し使用されるシートベルトリトラクタの構造に本発明を適用することもできる。本発明のシートベルトリトラクタの構造を後部座席に着座する車両乗員に対し用いる場合、当該シートベルトリトラクタは、2列シート配列の自動車の車両においてはCピラー内の収容空間に収容され、3列シート配列の自動車の車両においてはCピラーやDピラー内の収容空間に収容される。特に、CピラーやDピラー内の収容空間は車両前後方向の大きさが制限されることがあり、このような場合には、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1のように幅方向の大きさに関しコンパクト化されたシートベルトリトラクタは、とりわけ効果的である。
また、上記実施の形態では、シートベルトリトラクタ1ないしシートベルトリトラクタ1’を車両ピラー内の収容空間に収容する場合について記載したが、本発明では、車両内の各部位のうち、車両ピラー以外の収容空間にシートベルトリトラクタを収容するように構成することもできる。例えば、前席(前列)の運転席シートや助手席シート、また前席よりも後ろの列の乗員シートにつき、これらシートの内部に収容空間を設け、この収容空間に本実施の形態のシートベルトリトラクタ1ないしシートベルトリトラクタ1’を収容する構成が可能である。当該シートは、車両ピラーと同様に車両前後方向の大きさが制限されることがあり、このような場合には、第1実施の形態のシートベルトリトラクタ1のように幅方向の大きさに関しコンパクト化されたシートベルトリトラクタは、とりわけ効果的である。
また、上記実施の形態では、自動車に装着されるシートベルト装置100の構成について記載したが、本発明のシートベルト装置の構成は、例えば自動車、飛行機、船舶、電車、バス等の車両乗員を乗せて移動する車両に装備されるシートベルト装置に好適に利用され得る。
本実施の形態のシートベルト装置100の構成を模式的に示す図である。 図1中のシートベルトリトラクタ1の断面構造を示す図である。 図2中のシートベルトリトラクタ1のA−A線断面矢視図である。 別の実施の形態のシートベルトリトラクタ1’を示す分解斜視図である。 図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’をリテーナカバーを外した状態で示し、図中(a)は斜視図、図中(b)は左側面図である。 図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’に用いられるサンギヤ部材を示し、(a)はその斜視図、(b)は(a)におけるIIIB方向から見た斜視図である。 図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’における動力伝達遮断モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’における低減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 図4に示す例のシートベルトリトラクタ1’における高減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 本実施の形態のシートベルトリトラクタ1ないしシートベルトリトラクタ1’におけるリトラクタ制御処理のフローチャートである。 図10に示すリトラクタ制御処理におけるシートベルト張力の経時変化の一例を示す図である。
符号の説明
1,1’ シートベルトリトラクタ
3 シートベルト
4,52 スプール
6,53 モータ
7 減速機構
7a 高減速比減速機構
7b 低減速比減速機構
8 動力伝達機構
9 動力伝達モード切換機構
13 モータギヤ
17 キャリヤギヤ
18 プラネットギヤ
19 リング部材
19a インターナルギヤ
19b ラチェット歯
20 サンギヤ部材
20a サンギヤ
23 コネクトギヤ
24 クラッチスプリング
25 プーリ
26 下側コネクトギヤ
27 上側コネクトギヤ
29 アイドルギヤ
31 クラッチギヤ
32 回転軸
33 クラッチアーム
33c 支持溝
33e 係合部
34 クラッチパウル
34b 係止爪
35 抵抗スプリング
35b 凹部
40 ねじ
51 ベースフレーム
54 ホールセンサ
55 磁気ディスク
56 内歯車
57 プラネタリギア
58 サンギア
59 キャリア
60,61 ベアリング
70 ショルダーガイドアンカー
72 タング(トング)
74 アウトアンカー
76 バックル
76a バックルスイッチ
78 ECU
78a 衝突/衝突不可避判定部
78b モータ制御部
80 入力要素
82 車両衝突情報検知センサ
84 車両シート
86 Bピラー
100 シートベルト装置

Claims (5)

  1. 車両に搭載されるシートベルトリトラクタであって、
    電動モータと、前記電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行うスプールと、前記電動モータの駆動軸と前記スプールとの間にて複数のギアを介してモータ回転を減速するモータ減速機構と、前記電動モータの駆動制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着時において、車両衝突前に前記電動モータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御して前記シートベルトに第1の張力を付与する第1の設定モードと、車両衝突時に前記電動モータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御して前記シートベルトに第2の張力を付与する第2の設定モードを有することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記制御手段は、車両衝突前に車両衝突が予知された際、或いは車両衝突前に車両衝突が不可避であるとされた際に前記第1の設定モードとされ、車両衝突が発生した際に前記第2の設定モードとされるとともに、前記第2の張力が前記第1の張力よりも高くなるように前記電動モータを駆動制御することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  3. 車両に搭載されるシートベルト装置であって、
    車両乗員に対し装着される乗員拘束用のシートベルトと、電動モータと、前記電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行うスプールと、前記電動モータの駆動軸と前記スプールとの間にて複数のギアを介してモータ回転を減速するモータ減速機構と、前記電動モータの駆動制御を行う制御手段と、車両に対し固定されたバックルと、前記シートベルトに設けられシートベルト装着時に前記バックルに係合するタングと、前記タングが前記バックルに係合したことを検知する検知センサと、を備え、
    前記制御手段は、前記検知センサの検知情報に基づいて前記シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着状態であると判定した場合において、車両衝突前に前記電動モータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御して前記シートベルトに第1の張力を付与する第1の設定モードと、車両衝突時に前記電動モータをシートベルト巻き取り方向へと駆動制御して前記シートベルトに第2の張力を付与する第2の設定モードとを有することを特徴とするシートベルト装置。
  4. 請求項3に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、車両衝突前に車両衝突が予知された際、或いは車両衝突前に車両衝突が不可避であるとされた際に前記第1の設定モードとされ、車両衝突が発生した際に前記第2の設定モードとされるとともに、前記第2の張力が前記第1の張力よりも高くなるように前記電動モータを駆動制御することを特徴とするシートベルト装置。
  5. 請求項3または4に記載のシートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成のシートベルト装置付車両。
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