JP2006321375A - 車両用滑り止め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤに対して容易に装着可能であると共に、駆動輪にのみ装着された場合であっても、駆動輪と従動輪との路面に対するグリップ力の差を適正にし得る車両用滑り止め装置の提供。
【解決手段】 車両のタイヤ10に装着される車両用滑り止め装置1は、タイヤ10のトレッド部10aを取り囲むように配置され、路面に対するグリップ力を発生させるベルト部2と、ベルト部2をトレッド部に対して保持可能に形成された外方側部3および内方側部4と、ベルト部2により発生されるグリップ力を低減させるようにベルト部2に設けられてグリップ力低減手段として機能する複数の開口部20とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 車両のタイヤ10に装着される車両用滑り止め装置1は、タイヤ10のトレッド部10aを取り囲むように配置され、路面に対するグリップ力を発生させるベルト部2と、ベルト部2をトレッド部に対して保持可能に形成された外方側部3および内方側部4と、ベルト部2により発生されるグリップ力を低減させるようにベルト部2に設けられてグリップ力低減手段として機能する複数の開口部20とを備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車両のタイヤに装着される車両用滑り止め装置に関し、特に、タイヤに対して容易に装着可能な車両用滑り止め装置に関する。
一般に、車両を氷雪路(以下、雪路および凍結路の双方を含むものとする。)で走行させる際には、車両のタイヤに対して金属製のチェーンを装着するのが一般的である。また、近年では、金属製のチェーンにおける騒音や舗装路面の損傷といった問題を低減し得る樹脂製の滑り止めネット(例えば、特許文献1参照。)も普及している。しかしながら、タイヤに金属製のチェーンや樹脂製の滑り止めネットを装着するのには、手間と時間とが要求される。このため、タイヤが路面に接地した状態であっても、タイヤに対する容易な装着が可能となるように設計された滑り止め装置も知られている(例えば特許文献2参照。)。
特許文献2に記載の滑り止め装置は、タイヤのトレッド部を取り囲むように配置される繊維製のベルト部と、ベルト部をトレッド部に対して保持可能に形成された柔軟な内側部および外側部とを含む。この滑り止め装置をタイヤに装着するに際しては、車体とタイヤとの隙間に内側部を滑り込ませると共に内側部をタイヤの内側のサイドウォール部に引っ掛けてベルト部等によりタイヤの接地部以外をできるだけ覆い、タイヤを僅かに転動させる。これにより、車両をジャッキアップすることなく容易に滑り止め装置をタイヤに装着することができる。そして、かかる滑り止め装置によれば、金属製のチェーンや樹脂製の滑り止めネットに比べて、走行時の振動を格段に低減させることができ、滑り止め装置をタイヤに装着したことによる乗り心地の悪化を良好に抑制することができる。また、この種の滑り止め装置としては、ベルト部に相当する部位に防滑手段としてのスリットを刻設したものも知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開昭59−160607号公報
特表2002−541007号公報
特開平1−249503号公報
ところで、上述のような滑り止め装置は一般に車両の駆動輪に装着されるが、滑り止め装置を駆動輪に装着した場合、駆動輪と従動輪とで路面に対するグリップ力が比較的大きく異なることになるので、滑り止め装置の装着前後において車両の操舵特性(オーバーステアあるいはアンダーステア)が大きく変化する。また、上述のように、特許文献2および3に記載されたような滑り止め装置を用いた場合、車両の乗り心地が比較的良好に保たれることから、ドライバーが滑り止め装置の装着中であるにも拘わらず、車速を高めてしまうおそれがある。このため、特許文献2および3に記載されたような滑り止め装置の使用時には、上述の滑り止め装置の装着前後における操舵特性の変化の影響が顕著に現れてしまいドライバーの操舵負担が大きくなってしまうおそれもある。
そこで、本発明は、タイヤに対して容易に装着可能であると共に、駆動輪にのみ装着された場合であっても、駆動輪と従動輪との路面に対するグリップ力の差を適正にし得る車両用滑り止め装置の提供を目的とする。
本発明による車両用滑り止め装置は、車両のタイヤに装着される車両用滑り止め装置において、タイヤのトレッド部を取り囲むように配置され、路面に対するグリップ力を発生させるベルト部と、ベルト部をトレッド部に対して保持可能に形成された外方側部および内方側部と、ベルト部により発生されるグリップ力を低減させるようにベルト部に設けられたグリップ力低減手段とを備えることを特徴とする。
この車両用滑り止め装置は、タイヤのトレッド部を取り囲むように配置されて路面に対するグリップ力を発生させる例えば繊維材からなるベルト部と、ベルト部をトレッド部に対して保持可能に形成された外方側部および内方側部とを備えるものである。この滑り止め装置をタイヤに装着する際には、車体とタイヤとの隙間からタイヤの内側に内方側部を滑り込ませると共に、内方側部をタイヤの内側のサイドウォール部に係止させ、ベルト部、外方側部および内方側部によりタイヤの接地部以外をできるだけ覆う。そして、この状態でタイヤを僅かに転動させれば、この滑り止め装置は、車両をジャッキアップすることなく容易にタイヤに装着されることになる。また、この滑り止め装置のベルト部には、ベルト部により発生されるグリップ力を低減させるグリップ力低減手段が設けられている。従って、この滑り止め装置を駆動輪、特に前輪駆動車両の前輪に装着した場合、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。この結果、この車両用滑り止め装置によれば、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差を適正にして滑り止め装置の装着前後における車両の操舵特性の変化を抑制することが可能となる。
この場合、グリップ力低減手段は、トレッド部を路面に露出させるようにベルト部に形成された開口部であると好ましい。
このように、ベルト部にトレッド部を路面に露出させる開口部を形成することにより、ベルト部によって発生されるグリップ力を容易に低減させることが可能となる。また、グリップ力低減手段を開口部とすることにより、ベルト部とタイヤのトレッド部との間に雪や氷が入り込んでも、雪等は開口部から外部に排出されることになる。これにより、ベルト部の内表面とトレッド部との間に雪や氷が溜まってしまうことを抑制し、雪や氷の存在により滑り止め装置がタイヤに対して空回りしてしまうことを良好に抑制することが可能となる。更に、ベルト部に開口部を形成することにより、車両走行時にベルト部に対して周方向に作用する張力を逃がして、ベルト部の耐摩耗性を向上させることができる。
また、開口部は、ベルト部に対して概ね等間隔に複数配設されていると好ましい。
このような構成を採用すれば、滑り止め装置の強度を良好に確保しつつ、ベルト部により発生されるグリップ力を適正に調整可能となる。
更に、開口部は、内方側部側よりも外方側部側で開口面積が大きくなるように形成されていると好ましい。
一般に、車両の旋回時には、いわゆる外輪においてタイヤの撓みにより路面との接地部位がトレッド部外側に移動する。従って、ベルト部の開口部を内方側部側よりも外方側部側で開口面積が大きくなるように形成すれば、車両旋回時に、ベルト部によって発生されるグリップ力を確実に低減させて駆動輪と従動輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。
また、開口部は、車両の前進時のタイヤ回転方向前側よりも後側で開口面積が大きくなるように形成されてもよい。
この態様によれば、開口部を介してベルト部の内表面とトレッド部との間に雪や氷が入り込むことを抑制しつつ、ベルト部の内表面とトレッド部との間に入り込んだ雪等の排出を促進させることが可能となる。
更に、開口部は、タイヤの周方向において開口面積が徐々に変化するように形成されてもよい。
この態様によれば、滑り止め装置が装着されたタイヤが路面を転動する際に、ベルト部と路面とが接する状態からタイヤのトレッド部と路面とが接する状態への移行を穏やかなものとし、滑り止め装置を装着したことによる乗り心地への影響を小さくすることが可能となる。
そして、開口部の総開口面積は、トレッド部の表面積の15%〜50%であると好ましい。
また、グリップ力低減手段は、ベルト部を構成する素材よりも小さい摩擦係数を有する低摩擦部材であると好ましい。
この態様によっても、滑り止め装置を駆動輪、特に前輪駆動車両の前輪に装着した場合に、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。この結果、かかる態様によっても、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差を適正にして滑り止め装置の装着前後における車両の操舵特性の変化を抑制することが可能となる。
更に、ベルト部は、氷雪路面に対するグリップ力を発生し得る繊維材料からなると好ましい。
本発明によれば、タイヤに対して容易に装着可能であると共に、駆動輪にのみ装着された場合であっても、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差を適正にし得る車両用滑り止め装置の実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1および図2は、本発明による車両用滑り止め装置を示す斜視図であり、図3および図4は、図1および図2の車両用滑り止め装置を車輪に装着した状態を示す断面図である。これらの図面に示される滑り止め装置1は、図示されない車両に適用されるものであり、図3に示されるように、タイヤ10およびホイール11により構成される車輪12に対して、外側からタイヤ10およびホイール11を覆うように装着される。
滑り止め装置1は、図1および図2に示されるように、概ね環状のベルト部2と、ベルト部2の外側周縁部に固定された外方側部3と、ベルト部2の内側周縁部に固定された内方側部4とを含む。ベルト部2は、氷雪路面に対して強いグリップ力を発生させ得る例えばポリアミドやポリエステル等からなる繊維材、あるいはフェルト材等により、タイヤ10のトレッド部10aを取り囲むことができるように形成される。ベルト部2の全長(円周長)は、タイヤ10の接地部以外でベルト部2の内表面とタイヤ10とのトレッド部10aの表面との間に僅かな隙間G(図3参照)が形成されるようにタイヤ10の最大円周長よりも大きく定められる。
外方側部3は、図2に示されるように、柔軟な繊維材により概ね円形に形成されており、タイヤ10およびホイール11の外側の側部全体を覆うことができるものである。外方側部3は、ベルト部2の外周縁部に縫合、接着あるいは融着等により固定される。本実施形態では、外方側部3を構成する素材として、雪や氷の進入を抑制しつつ通気性を確保すべく、例えばポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル(PVC)、ゴム材等からなる目の細かなメッシュ材が採用されている。なお、外方側部3の中央に、滑り止め装置1が車輪12から離脱しない程度のサイズを有する開口が形成されてもよい。
内方側部4は、図1および図3からわかるように、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル(PVC)等からなる繊維材により概ね環状に形成されており、タイヤ10の内側のサイドウォール部を少なくとも部分的に覆うことができるものである。この内方側部4の内周縁部には、例えば内周端を折り返すことにより、環状の筒状部5が形成されている。そして、筒状部5の内部には、弾性部材6が収容されている。弾性部材6は、例えばゴム材等からなり、内方側部4の内周縁部を適度に収縮させるための張力を発生する。なお、弾性部材6をゴム材等により構成する場合、ゴム材の伸びを抑えると共に、筒状部5の内表面との摩擦を低減するために、ゴム材に滑らかな素材からなる被覆を施すことが好ましい。また、上述のような筒状部と弾性部材とを用いる代わりに、内方側部4の内周縁部に縫合等により環状の弾性部材が直接固定されてもよい。
そして、滑り止め装置1のベルト部2には、ベルト部2により発生されるグリップ力を低減させるグリップ力低下手段としての概ね矩形状の開口部20が複数形成されている。本実施形態では、ベルト部2に対して6個の開口部20が概ね等間隔で配設されている。ただし、開口部20の数は、これに限られるものではなく、例えば3〜8個程度とされると好ましい。なお、図1および図2からわかるように、本実施形態では、各開口部20が外方側部3および内方側部4に僅かに回り込むように形成されているが、これに限られるものではなく、各開口部20の側縁部と外方側部3および内方側部4との間にトレッド部10aを覆う部分が残されていてもよい。
上述のように構成される滑り止め装置1は、基本的に薄い繊維材により形成されていることから、未使用時には、薄く折り畳んだ状態で車両に搭載しておくことができる。そして、雪道や氷結路等にて車両を走行させる際、滑り止め装置1は、車輪12に対して極めて容易に装着され得る。
すなわち、滑り止め装置1を駆動輪である車輪12に装着するに際しては、ホイールハウスとタイヤ10との隙間から、滑り止め装置1の内方側部4をタイヤ10の内側に滑り込ませると共に、内方側部4をタイヤ10の内側のサイドウォール部に引っ掛けることにより、ベルト部2、外方側部3および内方側部4によってタイヤ10の接地部以外(およそ3分の2程度)をできるだけ覆う。この際、内方側部4は、筒状部5内の弾性部材6の弾性力によりタイヤ10に係止される。そして、この状態から車両を走行させてタイヤ10を僅かに転動させれば、弾性部材6によって内方側部4に付与される張力により、内方側部4の全体がタイヤ10の内側のサイドウォール部を覆うようになる。これにより、ベルト部2は、外方側部3および弾性部材6が収容された筒状部5を含む内方側部4の作用により、トレッド部10aに対して確実に保持されることになる。このように、滑り止め装置1は、車両をジャッキアップすることなく容易にタイヤ10に装着され得る。
上述のようにして滑り止め装置1が車輪12に対して装着されると、図4に示されるように、タイヤ10のトレッド部10aは開口部20を介して路面に対して部分的に露出されることになる。これにより、ベルト部2により発生されるグリップ力、すなわち、滑り止め装置1が装着されたタイヤ10の氷雪路面に対するグリップ力は、グリップ力低減手段としての開口部を備えていない滑り止め装置が用いられた場合に比べて低下することになる。この結果、滑り止め装置1を車両の駆動輪に装着した場合には、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。つまり、滑り止め装置1を例えば前輪駆動車両の前輪に装着すれば、駆動輪である前輪と従動輪である後輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。従って、滑り止め装置1を用いれば、滑り止め装置1の装着前後における車両の操舵特性の変化を抑制可能となり、滑り止め装置1の装着時に仮にドライバーが多少車速を高めたとしても、当該操舵特性の変化の影響が顕著に現れてしまうことを抑えることができるので、滑り止め装置1の使用時におけるドライバーの負担(特に操舵負担)を軽減可能となる。
また、ベルト部2に対して開口部20を設ければ、ベルト部2とタイヤ10のトレッド部10aとの間に雪や氷が入り込んでも、雪等は開口部20から外部に排出されることになる。これにより、ベルト部2の内表面とトレッド部10aとの間に雪や氷が溜まってしまうことを抑制し、雪や氷の存在により滑り止め装置1がタイヤ10に対して空回りしてしまうことを良好に抑制することが可能となる。更に、上述の滑り止め装置1では、開口部20がベルト部2に対して概ね等間隔に複数配設されているので、滑り止め装置1の強度を良好に確保しつつ、ベルト部2により発生されるグリップ力を適正に調整することができる。また、ベルト部2に開口部20を形成することにより、車両走行時にベルト部2に対して周方向に作用する張力を逃がして、ベルト部2の耐摩耗性を向上させることが可能となる。
更に、ベルト部2に対して複数の開口部20を好ましくは等間隔で設けることにより、ドライバーの車速を上げる欲求を抑えることも可能となる。すなわち、繊維材からなる滑り止め装置を用いながら氷雪路で車両を走行させる場合、騒音等が比較的少ないことから、一般的なチェーンや樹脂製の滑り止めネット等を用いた場合に比較して、ドライバーが車速を上げがちになる。これに対して、ベルト部2に開口部20が複数形成されていれば、ベルト部2の表面とトレッド部10aとの段差により、車速が上がるほど車両走行時の振動が大きくなるので、ドライバーの車速を上げる欲求を抑えることができる。このように、本実施形態の滑り止め装置1は、氷雪路等においてドライバーが車速を上げることを抑えることをも可能とし、その点からも氷雪路を走行する際のドライバーの運転負担軽減に寄与し得るものである。
なお、ベルト部2に形成される開口部20の総開口面積は、トレッド部10aの表面積のおよそ15%〜50%程度に設定されるとよい。単数あるいは複数の開口部20の総開口面積をこのような範囲から選択することにより、滑り止め装置1の強度の確保と、ベルト部2のグリップ力の低減効果とを実用上良好に達成することが可能となる。また、ベルト部2に形成される開口部20の総開口面積を変化させた滑り止め装置1を複数用意しておけば、時期的あるいは地域的な降雪状態の変化に対応することが可能となる。
更に、開口部20の形状は、上述のような矩形状(長方形状あるいは正方形状)に限られるものではない。すなわち、開口部20の形状は、図5(a)に示されるように、台形状(好ましくは、等脚台形状、ただし三角形状を含む)であってもよく、図5(b)に示されるように、平行四辺形状であってもよく、図5(c)に示されるように楕円形状(真円形状を含む)であってもよい。
また、開口部20の形状が台形状あるいは三角形状である場合、図5(d)に示されるように、開口部20は、それぞれの下底(または底辺)がベルト部2の一方の縁部側と他方の縁部側とに交互に位置するようにベルト部2に配設されてもよい。更に、開口部20の形状を図5(c)に示されるような楕円形状(真円形状)とすれば、応力集中の抑制により滑り止め装置1の耐久性向上を図ることができる。
そして、ベルト部2に対し、開口部20が図5(a)から図5(d)に示されるように形成された場合、開口部20の開口面積は、タイヤ10の周方向において徐々に変化することになる。これにより、滑り止め装置1が装着されたタイヤ10が氷雪路面を転動する際に、ベルト部2と路面とが接する状態からタイヤ10のトレッド部10aと路面とが接する状態への移行を穏やかなものとし、滑り止め装置1を装着したことによる車両の乗り心地への影響を小さくすることが可能となる。
また、図5(e)に示されるように、比較的細幅の開口部(スリット)20をトレッド部10aの幅方向および周方向に複数並設してもよい。このように、複数の開口部20をトレッド部10aの幅方向にも並設させる場合、開口部の形状は、図5(e)の例のように矩形状に限られず、図5(a)から(c)に示されるような台形状(三角形状を含む)、平行四辺形状、あるいは楕円形状(真円形状を含む)とされてもよい。
更に、開口部20は、内方側部4側よりも外方側部3側で開口面積が大きくなるように形成されてもよい。すなわち、一般に車両の旋回時には、いわゆる外輪においてタイヤの撓みにより路面との接地部位がトレッド部外側に移動する。従って、ベルト部2の開口部20を内方側部4側よりも外方側部3側で開口面積が大きくなるように形成すれば、車両旋回時に、ベルト部2によって発生されるグリップ力を確実に低減させて駆動輪と従動輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。
この場合、例えば、開口部20の形状が図5(a)に示されるような台形状(三角形状)である場合、ベルト部2に対して複数の開口部20をそれぞれの下底(底辺)側が外方側部3側すなわち車両外側に位置するように形成すればよい。また、ベルト部2の幅方向における中心線よりも車両外側すなわち外方側部3側にのみ開口部20を設けてもよい。更に、図5(e)に示されるように複数の開口部20をトレッド部10aの幅方向にも並設させる場合、車両外側すなわち外方側部3側に位置する開口部20の開口面積を内側の開口部20よりも大きくしてもよい。
また、開口部20は、図5(f)に示されるように、車両の前進時のタイヤ回転方向前側よりも後側で開口面積が大きくなるように形成されてもよい。図5(f)の例において、三角形状(台形状、好ましくは等脚台形状であってもよい)の開口部20は、それぞれの底辺(下底)が車両の前進時のタイヤ回転方向後側に位置するようにベルト部2に形成されている。これにより、開口部20(特に開口部20の前部)を介してベルト部2の内表面とトレッド部10aとの間に雪や氷が入り込むことを抑制しつつ、ベルト部2の内表面とトレッド部10aとの間に入り込んだ雪等の開口部20(特に開口部20の後部)からの排出を促進させることが可能となる。
そして、ベルト部2により発生される氷雪路面に対するグリップ力を低減させるためには、開口部20以外の手段が採用されてもよい。すなわち、ベルト部2には、グリップ力低減手段として、当該ベルト部2を構成する素材よりも小さい摩擦係数(動摩擦係数)を有する例えばポリウレタン、合成皮革、塩化ビニル(PVC)といった低摩擦部材が設けられてもよい。この場合、上述の開口部20を完全に覆うようにベルト部2に対して低摩擦部材を縫合等により固定してもよく、また、開口部を有さないベルト部の表面に複数の低摩擦部材を好ましくは等間隔で縫合等により強固に固定してもよい。このような構成によっても、滑り止め装置1を駆動輪、特に前輪駆動車両の前輪に装着した場合、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができるので、駆動輪と従動輪とのグリップ力の差を適正にして滑り止め装置1の装着前後における車両の操舵特性の変化を抑制することが可能となる。
1 滑り止め装置、2 ベルト部、3 外方側部、4 内方側部、5 筒状部、6 弾性部材、10 タイヤ、10a トレッド部、11 ホイール、12 車輪、20 開口部。
Claims (9)
- 車両のタイヤに装着される車両用滑り止め装置において、
前記タイヤのトレッド部を取り囲むように配置され、路面に対するグリップ力を発生させるベルト部と、
前記ベルト部を前記トレッド部に対して保持可能に形成された外方側部および内方側部と、
前記ベルト部により発生されるグリップ力を低減させるように前記ベルト部に設けられたグリップ力低減手段とを備えることを特徴とする車両用滑り止め装置。 - 前記グリップ力低減手段は、前記トレッド部を路面に露出させるように前記ベルト部に形成された開口部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用滑り止め装置。
- 前記開口部は、前記ベルト部に対して概ね等間隔に複数配設されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用滑り止め装置。
- 前記開口部は、前記内方側部側よりも前記外方側部側で開口面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用滑り止め装置。
- 前記開口部は、前記車両の前進時のタイヤ回転方向前側よりも後側で開口面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用滑り止め装置。
- 前記開口部は、前記タイヤの周方向において開口面積が徐々に変化するように形成されていることを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の車両用滑り止め装置。
- 前記開口部の総開口面積は、前記トレッド部の表面積の15%〜50%であることを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の車両用滑り止め装置。
- 前記グリップ力低減手段は、前記ベルト部を構成する素材よりも小さい摩擦係数を有する低摩擦部材であることを特徴とする請求項1に記載の車両用滑り止め装置。
- 前記ベルト部は、氷雪路面に対するグリップ力を発生し得る繊維材料からなることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の車両用滑り止め装置。
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