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JP2006301578A - 画像形成装置用クリーニングブレード及びその製造方法 - Google Patents

画像形成装置用クリーニングブレード及びその製造方法 Download PDF

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JP2006301578A
JP2006301578A JP2005367169A JP2005367169A JP2006301578A JP 2006301578 A JP2006301578 A JP 2006301578A JP 2005367169 A JP2005367169 A JP 2005367169A JP 2005367169 A JP2005367169 A JP 2005367169A JP 2006301578 A JP2006301578 A JP 2006301578A
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thermoplastic resin
component
rubber
mass
cleaning blade
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JP2005367169A
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Bokujiyu Sugimoto
睦樹 杉本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】クリーンニングブレードのエッジ形状を任意の形状にすることができ、さらに優れたエッジ精度を有することによりクリーニング性能を向上させる。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物あるいは熱硬化性エラストマー組成物からなり、金型キャビティ表面粗さRz(1)を0.05〜0.3μmとした成形金型を用いて成形し、クリーニングブレードの表裏両面の表面粗さRz(2a)を0.1〜2.0μm、厚さ面の表面粗さRz(2b)を0.1〜5.0μm、エッジRを0.01〜0.4mm、稜線粗さを10μm以下、真直度を0.1mm以下としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置用クリーニングブレードおよびその製造方法に関するものである。
普通紙を記録紙として用いる静電式写真複写機では、一般に、感光体の表面に放電により静電荷を与え、その上に画像を露光して静電潜像を形成し、次に逆極性を帯びたトナーを静電潜像に付着させて現像し、そのトナー像を記録紙に転写し、最後にトナー像が転写された記録紙を加熱加圧し、トナーを記録紙上に定着させることによって複写を行っている。従って、複数枚の記録紙に順次複写を行うためには、前記工程において感光体より記録紙にトナー像を転写した後、感光体の表面に残留するトナーを除去する必要がある。その除去方法の一つとして、クリーニングブレードを感光体表面に圧接し、感光体を摺接してクリーニングするブレード・クリーニング方式が知られている。
このブレード・クリーニング方式に用いられる画像形成装置用クリーニングブレードは、一般的に次のような方法で製造される。
まず、シート状物を成形し、次に得られたシートをカッターによって長方形のブレード状に切断し、支持部材に貼り付け、検査工程に送られる。
前記のような製造方法が一般的なのは、クリーニングブレードを構成する原料の性質による。すなわち、画像形成装置用クリーニングブレードとしては弾性部材が好ましく用いられており、なかでも永久歪みが小さく、耐摩耗性に優れている等の理由からポリウレタンが多く用いられている。
ポリウレタンは熱硬化性樹脂のため、成形方法がキャスティングタイプ(注型)またはミラブルタイプ(混練)に通常は限定され、キャスティングタイプ(注型)またはミラブルタイプ(混練)により得られたシートをカッターで切断しエッジを作製する方法が一般的に採られている。
例えば、特開2000−75743号公報(特許文献1)には、所定の硬度と反発弾性を有するエラストマーからなる電子写真装置用クリーニングブレードが記載されており、当該エラストマーとしてポリウレタンが好ましいことが記載されている(第(2)頁右欄第37〜38行)。このようなポリウレタンからなるクリーニングブレードは、遠心成形により得られた円柱状のシート体を短冊状にカットすることにより製造される(第(3)頁左欄第33〜35行)。
また、特開2000−75748号公報(特許文献2)には、板状弾性部材と支持部材とからなり、板状弾性部材の支持部材との接着部の外側角部が所定の形状を有するクリーニングブレードが記載されており、板状弾性部材の材料としてポリウレタンが好ましいことが記載されている(第(3)頁左欄第13〜15行)。当該クリーニングブレードにおいても、巾カットによりエッジが形成されることが記載されている(第(4)頁左欄第48〜49行)。
さらに、特許第3593203号(特許文献3)には、特定のポリウレタン弾性体からなるブレード部材を有する電子写真装置用クリーニングブレードが記載されている。当該文献においても、ブレード部材はシートを所定の寸法にカットすることにより作製されている(第(5)頁第39〜40行)。
クリーニングブレードの製造工程において最も重要な工程は感光体表面と接するエッジを作製する工程である。
前述のようにカッターによるシート状部材の切断では、通常は角度90度のエッジをもつクリーニングブレードが得られる。カッターの角度により鈍角または鋭角のエッジを作製することも可能であるが、大量生産には不向きである。また、前記方法ではカッター刃の寿命が短く、数十〜100本程度のブレードを作製するだけで切れが悪くなる。カッター刃の切れが悪くなると、エッジ部分のエッジRが大きくなり、クリーニング性能が悪くなる。
特開2000−75743号公報 特開2000−75748号公報 特許第3593203号
本発明は、エッジ形状を任意の形状にすることができ、さらに優れたエッジ精度を有することによりクリーニング性能を向上させた画像形成装置用クリーニングブレードを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性エラストマー組成物を用いて、金型で成形した成形品からなり、
矩形状のシート状物で、その表裏両面の表面粗さRz(2a)が0.1μm〜2.0μm、該表裏両面と直交する厚み方向の表面粗さRz(2b)が0.1〜5.0μm、エッジRが0.01mm〜0.4mm、稜線粗さが10μm以下、真直度が0.1mm以下であることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレードを提供している。
前記したように、本発明のクリーニングブレードは、その表裏両面の表面粗さRz(2a)を0.1μm〜2.0μmとしている。このように0.1μm以上としているのは、0.1μm未満であると、キャビティ設計が困難であり、射出成形金型の製作が難しいためである。一方、2.0μm以下としているのは、2.0μmを超えると、稜線粗さも10μmを超えてしまい、クリーニング性能が低下するおそれがあるからである。該表面粗さRz2は0.1μm〜1.5μmであることが好ましい。
クリーリングブレードの厚さ方向の表面粗さRz(2b)を0.1〜5.0μmとしているのは、0.1μm未満であると、キャビティ設計が困難であり、射出成形金型の製作が難しいためである。一方、5.0μmを越えると、稜線粗さも10μmを超えてしまい、クリーニング性能が低下するおそれがあるからである。なお、クリーニングブレードのシート厚み面の表面粗さRz2bは、0.1μm〜4.0μmであることが好ましい。
また、エッジRを0.01mm〜0.4mmとしているのは、0.01mm未満であると、キャビティ設計が困難であり、またキャビティ精度が低下するため、クリーニングブレードの寸法精度が悪くなるおそれがある。エッジRが0.4mm以下であるのは、エッジRが0.4mmを超えると、エッジ部分の丸みにより粒径トナーが回転を起こしやすくなり、クリーニング性能が低下するおそれがあるからである。エッジRは好ましくは0.01mm〜0.3mmである。
なお、エッジ部分は微小的にみれば曲面となっており、その曲面の半径をエッジRという。
さらに、稜線粗さを10μm以下としているのは、稜線粗さが10μmを超えると、エッジ部分の凹凸から粒径の小さい球状トナーが漏れるためクリーニング性能が低下するおそれがあるからである。好ましくは稜線粗さが8μm以下である。稜線粗さの下限値は特に限定されず小さい方が好ましいが、通常は1μm程度である。
さらに、真直度が0.1mm以下としているのは、真直度が0.1mmを超えると、クリーニングブレード両端の感光体表面に対する接地圧力が異なるため、クリーニング性能が低下するおそれがあるからである。真直度は好ましくは0.08mm以下である。真直度の下限値は特に限定されず小さい方が好ましいが、通常は10μm程度である。
本発明では、前記画像形成装置用クリーリングブレードを製造する方法として、金型キャビティ表面粗さRzが0.05μm〜0.3μmである成形金型を用い、前記熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性エラストマー組成物を射出成形またはプレス成形して製造していることを特徴としている画像形成装置用クリーニングブレードの製造方法を提供している。
即ち、本発明は、従来のシート状物をカッターで切断してクリーニングブレードを製造する方法に代えて、射出成形またはプレス成形を用いることにより、金型によりエッジ形状および表裏両面および厚さ方向の表面粗さを任意に制御して、クリーリングブレードを製造し、同一精度のクリーリングブレードを大量生産可能としている。
このように成形品とする場合には、金型のキャビッティの表面精度が重要となる。本発明では、前記のように、金型キャビティ表面粗さRzを0.05μm〜0.3μmとすることにより、成形されるクリーリングブレードは、前記したように、その表裏両面の表面粗さRz(2a)が0.1μm〜2.0μm、該表裏両面と直交する厚み方向の表面粗さRz(2b)が0.1〜5.0μm、エッジRが0.01mm〜0.4mm、稜線粗さが10μm以下、真直度が0.1mm以下としている。
前記金型キャビティ表面粗さRzを0.05μm〜0.3μmとしているのは、0.05μm未満であるとキャビティ設計が困難であり、成形金型の製作が難しいためである。0.3μm以下であるのは、金型キャビティ表面粗さRzが0.3μmを超えるとキャビティの転写性が悪くなるため、転写されるクリーニングブレードの表面粗さRzが大きくなり、かつ稜線粗さも大きくなり、ひいてはクリーニング性能の低下につながるからである。前記金型キャビティ表面粗さRzは、好ましくは0.05μm〜0.2μmである。
前記のような金型キャビティ表面粗さRzは、金型のキャビティを鏡面加工することにより達成できる。
また、成形金型は、クリーニングブレードのエッジ部分のキャビティは割り物構造ではなく、一体構造を有することが好ましいが、特に限定されない。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物を射出成形してクリーニングブレードを成形する場合、その成形条件については、前記成形金型を用いること以外は、原料となる熱可塑性樹脂の種類等に応じて適宜選択される。
例えば、成形温度は150℃〜300℃、好ましくは180℃〜230℃であり、金型冷却温度は50℃〜150℃、好ましくは50℃〜90℃、射出時間は5秒〜60秒、好ましくは10秒〜30秒、冷却時間は5秒〜120秒、好ましくは10秒〜60秒である。
また、熱硬化性エラストマー組成物を射出成形またはプレス成形してクリーニングブレードを成形する場合の条件についても、前記成形金型を用いること以外は、原料となる熱硬化性エラストマー組成物の種類等に応じて適宜選択される。
例えば、成形温度は100℃〜300℃、好ましくは130℃〜250℃であり、加硫時間は1分〜50分、好ましくは5分〜30分である。
本発明において、クリーニングブレードを構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系熱可塑性樹脂、エステル系熱可塑性樹脂、アミド系熱可塑性樹脂、ウレタン系熱可塑性樹脂、スチレン系熱可塑性樹脂、エポキシ化熱可塑性樹脂、シリコーン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、フッ素系熱可塑性樹脂、アイオノマー樹脂もしくは動的架橋型熱可塑性樹脂、またはこれら2種以上を混合した熱可塑性樹脂が挙げられる。
オレフィン系熱可塑性樹脂としては、市販されているオレフィン系熱可塑性樹脂であればいずれも使用できるが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、メタロセン触媒重合ポリエチレン、メタロセン触媒重合ポリプロピレン等が挙げられる。
前記オレフィン系熱可塑性樹脂の具体例として、住友化学(株)から市販の「エクセレン」、三菱化学(株)から市販の「ゼラス」、JSRから市販の「エクセリンク」等が挙げられる。
エステル系熱可塑性樹脂としては、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテルを重合単位として含有する共重合体や、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合単位として含有する共重合体等が例示される。
前記ハードセグメントにおいては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと炭素数が1〜25のグリコールまたはそのエステル形成性誘導体を用いることができる。前記炭素数が1〜25のグリコールとしてはエチレングリコールまたは1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
ソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエーテルとしては、例えばポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグリコールを用いることができる。またソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエステルとしては、例えばカプロラクトン、エナンラクトンまたはカプリロラクトンなどのラクトン類を用いることができる。
前記エステル系熱可塑性樹脂の具体例として、東洋紡績(株)から市販の「ペルプレン(Pelprene)」シリーズ、より具体的にはペルプレンP30B、ペルプレンP40B、ペルプレンP40H、ペルプレンP47DもしくはペルプレンP90B;または東レ・デュポン(株)から市販の「ハイトレル(Hytrel)」シリーズ、より具体的にはハイトレル3046、ハイトレル3078、ハイトレルG3548L、ハイトレル4047、ハイトレル4767、ハイトレル4777もしくはハイトレル5077等が挙げられる。
アミド系熱可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11もしくはナイロン12等のナイロン樹脂を好適に用いることができる。
前記アミド系熱可塑性樹脂の具体例として、大日本インキ化学工業(株)から市販の「グリラックスA」、三菱エンジニアリングプラスチック(株)から市販の「ノバミッドPAE」、積水化学工業(株)から市販の「S−TPAE」等が挙げられる。
前記ウレタン系熱可塑性樹脂は、一般にハードセグメントとしてポリウレタン構造を含有し、ソフトセグメントとしてポリエステルまたはポリエーテル構造のポリオール化合物を含有する。前記ポリウレタン構造は一般にジイソシアネートと鎖延長剤としての多価アルコール類またはアミン類等とから成る。本発明においては前記ポリオール化合物や鎖延長剤は特に制限されず、一般的にウレタン系熱可塑性樹脂に使用されるものを適宜用いることができる。
ここで、前記ポリオール化合物としては特に制限されるものではないが、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、コポリエステル系ポリオールまたはポリカーボネート系ポリオール等を挙げることができる。より具体的にはポリエステル系ポリオールとしてポリカプロラクトングリコール、ポリ(エチレン−1,4−アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペート)グリコール等;ポリエーテル系ポリオールとしてポリオキシテトラメチレングリコール等;コポリエステル系ポリオールとしてポリ(ジエチレングリコールアジペート)グリコール等;ポリカーボネート系ポリオールとして(ヘキサンジオール−1,6−カーボネート)グリコール等を挙げることができる。これらの数平均分子量は約600〜5,000、特に1,000〜3,000であることが好ましい。
前記ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)もしくはナフタリンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート;例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)もしくはリジンジイソシアネート(LDI)等の脂肪族ジイソシアネート;例えば4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)もしくはトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)
等の脂環式ジイソシアネート等を挙げることができ、特にHDI、H12MDI、H6XDIまたはCHDI等が耐変色性(耐黄変性)を有する点から好ましい。
前記鎖延長剤としては通常多価アルコール類またはアミン類等を用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキシルグリコール、1,3−ブチレングリコール、ジシクロヘキシルメチルメタンジアミン(水素添加MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)等を挙げることができる。
前記ウレタン系熱可塑性樹脂の具体例として、BASFジャパン(株)から市販の「エラストラン」シリーズ、より具体的にはエラストランET880、エラストランET385またはエラストランET685等が挙げられる。また、(株)クラレから市販の「クラミロン」、DICバイエルンポリマー(株)から市販の「パンデックス」等も挙げられる。
スチレン系熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)または水素添加スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
SBSの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)を使用し、そのブタジエン二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。SISの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)を使用し、そのイソプレン二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。SIBSの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)を使用し、そのブタジエンもしくはイソプレンの二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。
スチレン系熱可塑性樹脂としては前記共重合体の変性物であってもよい。なかでも水素添加スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の変性物を用いることが好ましい。前記変性物としては末端に水酸基が付加した共重合体が挙げられる。
前記スチレン系熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば(株)クラレから市販されている「セプトン(SEPTON)」シリーズ、より具体的にはセプトン2002、セプトン2063、セプトン4077、セプトン8007もしくはセプトンHG−252;三菱化学(株)から市販の「ラバロン」;住友化学(株)から市販の「住化TPE」;アロン化成(株)から市販の「エラストマーAR」等が挙げられる。
エポキシ化熱可塑性樹脂としては、分子鎖中のいずれかにエポキシ基を有するポリマーであればよいが、好ましくは分子鎖中の二重結合をエポキシ化してなる熱可塑性樹脂、例えば末端二重結合をエポキシ化してなる熱可塑性樹脂が挙げられる。
エポキシ化される熱可塑性樹脂は分子鎖中または分子末端に二重結合を有していればよいが、なかでも融点以下では凍結相または結晶相を示すポリマーブロックにより分子運動が拘束されているハードセグメントのポリマーブロックと分子運動が拘束されていないソフトセグメントのポリマーブロックとが結合してなるブロック共重合体が好ましい。
ハードセグメントを構成するポリマーブロック(以下PHブロックと称する)とソフトセグメントを構成するポリマーブロック(以下PSブロックと称する)との結合様式は、PHブロック−PSブロック型、PHブロック−PSブロック−PHブロック型、(PHブロック−PSブロック)n(ただし、nは整数)で表されるマルチブロック型、星型など、特に限定されない。しかし、本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂としてはPHブロック−PSブロック−PHブロック型でソフトセグメントのポリマーブロックの二重結合がエポキシ化されたものが好ましい。
エポキシ化される熱可塑性樹脂として具体的には、ハードセグメントがポリスチレンで、ソフトセグメントがポリブタジエン、ポリイソプレンもしくはブタジエンとイソプレンのランダムコポリマーブロックであるブロック共重合体またはこれらの水素添加物であるスチレン系熱可塑性樹脂が好適な例として挙げられる。
前記エポキシ化熱可塑性樹脂としては、例えば、
(1)ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックを有し、該ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂;
例えば、ポリスチレンブロック−ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックのブロック共重合体構造を有し、該ポリブタジエンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂、または、ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックのブロック共重合体構造を有し、該ポリイソプレンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂、
(2)イソプレンとブタジエンとのランダムコポリマーブロックを有し、該ランダムコポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂;
例えば、ポリスチレンブロックとイソプレンとブタジエンとのランダムコポリマーブロックのブロック共重合体構造を有し、該ランダムコポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂、
(3)ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックの二重結合部分の少なくとも一部を水素添加してエチレン−ブチレンを構成単位とするポリマーブロックとのブロック共重合体構造(SEBS構造)有し、該ポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂、
(4)ポリスチレンブロックとポリイソプレンブロックの二重結合部分の少なくとも一部を水素添加してエチレン−プロピレンを構成単位とするポリマーブロックとのブロック共重合体構造(SEPS構造)を有し、該ポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂
などを挙げることができる。
中でも本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂としては、
エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体;
エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体;
エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体;
エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体中のイソプレン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体が好ましい。
前記エポキシ化熱可塑性樹脂の具体例を商品名で例示すると、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体としてダイセル化学工業(株)製「エポフレンドA1005」、「エポフレンドA1010」、「エポフレンドA1020」、「エポフレンドAT501」、「エポフレンドCT310」等があり、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体としてダイセル化学工業(株)製「エポフレンドAT018」、「エポフレンドAT019」等がある。
シリコーン系熱可塑性樹脂としては、シリコーンゴムまたはフロロシリコーンゴム等が挙げられる。また、シリコーンゴムと他の熱可塑性樹脂による完全動的加硫型の熱可塑性エラストマーなどを用いてもよい。
前記シリコーン系熱可塑性樹脂の具体例として、マルチベース・アジア(株)から市販の「TPSiV」等が挙げられる。
塩化ビニル系熱可塑性樹脂の具体例として、東亜合成化学(株)から市販の「アロンエラストマーAE」もしくは「アロンNP」、ゼオン化学 (株)から市販の「エラスター」等が挙げられる。
フッ素系熱可塑性樹脂としては、フッ素ゴムもしくは液状フッ素エラストマーなどのフッ素系エラストマー、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、パーフロロアルコキシエラストマー(PFA)、エチレン四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。
前記フッ素系熱可塑性樹脂の具体例として、呉羽化学工業(株)から市販の「クレハKFポリマー」、ダイキン工業 (株)から市販の「ポリフロン」「ネオフロン」等が挙げられる。
アイオノマー樹脂としては、金属塩で部分的に中和され金属イオンで架橋されている樹脂であれば公知のものを用いることができる。なかでも、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和架橋した二元共重合体系アイオノマー樹脂、または、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した三元共重合体系アイオノマー樹脂が好ましい。前記金属イオンとしては、例えばNaイオン、KイオンもしくはLiイオン等のアルカリ金属イオン;例えばZnイオン、CaイオンもしくはMgイオン等の2価金属イオン;例えばAlイオンもしくはNdイオン等の3価金属イオン;およびそれらの混合物が挙げられるが、Naイオン、ZnイオンまたはLiイオン等が反発性および耐久性等から好適に用いられる。
前記二元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン(Hi−milan)1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7318(Na)、ハイミランAM7315(Zn)、ハイミランAM7317(Zn)、ハイミランAM7311(Mg)またはハイミランMK7320(K)などがある。更にデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、サーリン(Surlyn)8920(Na)、サーリン8940(Na)、サーリンAD8512(Na)、サーリン9910(Zn)、サーリンAD8511(Zn)、サーリン7930(Li)またはサーリン7940(Li)などがある。またエクソン化学社から市販されているアイオノマー樹脂としては、アイオテック(Iotek)7010(Zn)またはアイオテック8000(Na)などがある。
前記三元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミランAM7316(Zn)等、デュポン社から市販されているサーリンAD8265(Na)、サーリンAD8269(Na)等がある。
なお、前記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mgなどはこれらの中和金属イオンの金属種を示している。
また、前記例示のものを2種以上混合してもよい。例えば前記例示の1価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を2種以上混合して用いてもよい。二元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂と三元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂とを組み合わせて用いてもよい。
動的架橋型熱可塑性樹脂としては、(a)スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂またはポリエステル樹脂に、(b)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、アクリルゴム、BIMS(イソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体を臭素化したゴム)、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムからなる群から選択される1種以上のゴム成分を動的架橋により分散させた熱可塑性樹脂が挙げられる。なかでも、スチレン系熱可塑性エラストマーにEPDMを動的架橋により分散させた熱可塑性樹脂、ポリプロピレンにEPDMを動的架橋により分散させた熱可塑性樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマーにEPDMを動的架橋により分散させた熱可塑性樹脂などが好適な例として挙げられる。
前記動的架橋型熱可塑性樹脂の具体例として、エーイーエスジャパン(株)から市販の「サントプレン」、東洋紡績 (株)から市販の「サーリンク」等が挙げられる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、ハードセグメントとソフトセグメントを有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。かかる熱可塑性樹脂においては、高温環境ではハードセグメントの樹脂要素が、低温環境ではソフトセグメントのゴム弾性要素が発現されるため、温度依存性が小さいという利点を有するからである。
なかでも、本発明においては、ウレタン系熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂を用いることが特に好ましい。
また、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、アイオノマー樹脂からなる成分Bと、スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、前記成分Cと成分Dは必須成分とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂も他の特に好ましい態様の熱可塑性樹脂として挙げられる。
前記成分A,B,C,Dの4つの成分を含む熱可塑性樹脂を用いる場合、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りしておく一方、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りしておき、
得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A,B,C,Dを含む熱可塑性樹脂を設け、
前記熱可塑性樹脂を上述した金型キャビティ表面粗さRz1が0.05〜0.3μmである射出成形金型を用いて射出成形して成形することにより本発明のクリーニングブレードを製造する。
前記成分A,B,C,Dの4成分を含む熱可塑性樹脂を用いる場合、成分Aのエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂と成分Bのアイオノマー樹脂との相溶性は悪い。
しかしながら、成分Bのアイオノマー樹脂と成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂とを加熱混合することにより、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基がアイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基と反応して界面に軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体が生成し、それら共重合体が混練時の剪断力によってアイオノマー樹脂(成分B)のマトリックス中に均一に微分散され、アイオノマー樹脂が軟化される。得られた混合物はエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含むため、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)と相溶化が可能である。さらに、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)はエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)と相溶化が可能である。よって、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)とを媒介させてエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とアイオノマー樹脂(成分B)とを相溶させることができる。
熱硬化性エラストマー組成物を用いる場合には、少なくともゴム成分と、充填剤と、架橋剤を含んでいる。
前記ゴム成分としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、またはこれら2種以上を混合したゴム成分が挙げられる。
前記充填剤としては、共架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、ゴム用軟化剤、補強剤が挙げられる。
前記架橋剤としては、硫黄、有機硫黄化合物、有機過酸化物、耐熱性架橋剤または樹脂架橋剤が挙げられる。
前記ゴム成分として2種類のゴムを混合して用いる場合、ゴム成分の総重量を100質量部とすると、一方のゴム(「ゴムa」とする)の配合量を90質量部〜50質量部、好ましくは90質量部〜70質量部とし、他方のゴム(「ゴムb」とする)の配合量を10質量部〜50質量部、好ましくは10質量部〜30質量部とすることが好ましい。
前記熱硬化性エラストマー組成物は、前記ゴム成分100質量部に対し充填剤を0.1〜80質量部、架橋剤を0.1〜30質量部含んでいることが好ましい。
充填剤の配合量をゴム成分(1)100質量部に対し0.1質量部〜80質量部としているのは、充填剤の配合量が0.1質量部未満であるとゴム成分が十分に補強されなかったり、加硫されなかったりするおそれがあるからであり、一方、充填剤の配合量が80質量部を超えると硬度が大きくなりすぎ、本発明のクリーニングブレードが感光体を傷つけるおそれがあるからである。
架橋剤の配合量をゴム成分100質量部に対し0.1質量部〜30質量部としたのは、架橋剤の配合量が0.1質量部未満であると加硫密度が小さくなり所望の物性が得られなくなるおそれがあるからであり、一方、架橋剤の配合量が30質量部を超えると過剰な架橋反応により硬度が大きくなりすぎ、本発明のクリーニングブレードが感光体を傷つけるおそれがあるからである。
前記ゴム成分としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)あるいは/および水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)を用いることが好ましい。特に、残存二重結合が10%以下である水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴムを用いることが最も好ましい。
NBRまたはHNBRの原料となるNBRとしては、アクリロニトリル含量が25%以下である低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量が25〜31%である中ニトリルNBR、アクリロニトリル含量が31〜36%である中高ニトリルNBR、アクリロニトリル含量が36%以上である高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。なかでも、アクリロニトリル含量が31〜36%である中高ニトリルNBRを用いることが好ましい。
また、アクリロニトリルブタジエンゴムあるいは/および水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴム(ゴムa)に所望により他のゴム(ゴムb)を組み合わせてもよい。他のゴム(ゴムb)としては先に例示したゴムのいずれを用いてもよいが、アクリロニトリルブタジエンゴムあるいは/および水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴム(ゴムa)に他のゴム(ゴムb)を組み合わせて用いる場合には、ゴム成分(1)の総重量を100質量部とすると、ゴムaの配合量を90質量部〜50質量部、好ましくは90質量部〜70質量部とし、ゴムbの配合量を10質量部〜50質量部、好ましくは10質量部〜30質量部とすることが好ましい。
また、前記充填剤としては、共架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、ゴム用軟化材、補強材、その他の添加剤等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記共架橋剤とは、それ自身も架橋すると共に、ゴム分子とも反応して架橋し全体を高分子化する働きをするものを総称している。
共架橋剤としては、メタクリル酸エステル、メタクリル酸もしくはアクリル酸の金属塩に代表されるエチレン性不飽和単量体、多官能ポリマー類またはジオキシム等を用いることができる。
エチレン性不飽和単量体としては、
(a)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c)前記(a)、(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d)(a)〜(c)の金属塩、
(e)1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f)スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g)トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h)その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトンなどが挙げられる。
前記(c)の「モノカルボン酸類のエステル」としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、i−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等が挙げられる。
前記(c)の「ジカルボン酸類のエステル」としては、マレイン酸メチルもしくはイタコン酸メチルなどのハーフエシテル類、またはジアリルフタレート、ジアリルイタコネート等が挙げられる。
前記(c)の「不飽和カルボン酸類の無水物」としては、例えば、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物等が挙げられる。
前記(d)の「金属塩」としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸もしくはフマル酸等のような不飽和カルボン酸のアルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩またはマグネシウム塩等が挙げられる。
なかでも、本発明において好適に用いられるエチレン性不飽和単量体としては、
メタクリル酸;
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレートもしくはイソブチレンエチレンジメタクリレートなどのメタクリル酸高級エステル;
アクリル酸アルミニウム、メタクリル酸アルミニウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウムもしくはメタクリル酸マグネシウム等のメタクリル酸もしくはアクリル酸の金属塩;
トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ビニルトルエン、ビニルピリジンまたはジビニルベンゼン
等が挙げられる。
前記多官能ポリマー類としては、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマー類が挙げられ、より具体的には、Buton150、Buton100、ポリブタジエンR−15、Diene−35またはHystal−B2000等が挙げられる。
前記ジオキシムとしては、例えばp−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムまたはN,N’−m−フェニレンビスマレイミド等が挙げられる。
前記共架橋剤の配合量はゴム成分が加硫されるのに十分な量であればよく、通常はゴム成分100質量部に対して0.1質量部〜10質量部の範囲から選択される。
加硫促進剤としては、無機促進剤または有機促進剤のいずれも用いることができる。
無機促進剤としては、消石灰、MgO等の酸化マグネシウム、酸化チタンまたはリサージ(PbO)等が挙げられる。
有機促進剤として、チウラム類、チアゾール類、チオウレア類、ジチオカーバミン酸塩類、グアニジン類およびスルフェンアミド類等が例示される。
チウラム類としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドまたはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
チアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドまたはN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
チオウレア類としては、N,N’−ジエチルチオウレア、エチレンチオウレアまたはトリメチルチオウレア等が挙げられる。
ジチオカーバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカーバミン酸銅、ジメチルジチオカーバミン酸鉄(III)、ジエチルジチオカーバミン酸セレン、ジエチルジチオカーバミン酸テルル等が挙げられる。
グアニジン系促進剤としては、ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等が挙げられる。
スルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。
前記加硫促進剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよい。通常は、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部〜3質量部の範囲から選択される。
加硫促進助剤としては、亜鉛華等の金属酸化物;ステアリン酸、オレイン酸もしくは綿実脂肪酸等の脂肪酸;その他従来公知の加硫促進助剤等が挙げられる。なお、亜鉛華等の金属酸化物は下記の補強剤としての役割も果たす。可塑剤としては、例えば、フタル酸系、アジピン酸系、セバチン系、安息香酸系などの化合物が用いられ、具体的には、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルフォスフェート(TCC)などが挙げられる。
加硫促進助剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はゴム成分100質量部に対して0.5質量部〜5質量部の範囲から選択される。
老化防止剤としてはアミン類、イミダゾール類またはフェノール類などが挙げられる。
アミン類としては、スチレン化ジフェニルアミン、ジアルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンまたはN,N’−ジ−6−ナフチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
イミダゾール類としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール等が挙げられる。
フェノール類としては、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、スチレン化メチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、モノ−(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノールまたは1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
その他、老化防止剤としては、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、1−(N−フェニルアミノ)−ナフタレン、ジブチルジチオカーバミン酸ニッケル、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル等を用いてもよい。
前記老化防止剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はゴム成分100質量部に対して1質量〜10質量部の範囲から選択される。
ゴム用軟化剤としては、具体的には、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバチン酸誘導体、安息香酸誘導体およびリン酸誘導体などが挙げられる。
より具体的には、ジブチルフタレート(DBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート等のジオクチルフタレート(DOP)、ジイソオクチルフタレート(DIOP)、高級アルコール−フタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、アジピン酸ポリエステル、ジブチルジグリコール−アジペート、ジ(ブトキシエトキシエチル)アジペート、イソオクチル−トール油脂肪酸エステル、トリブチルフォスフェート(TBP)、トリブトキシエチル−フォスフェート(TBEP)、トリクレジルフォスフェート(TCP)、クレジル−ジフェニクルフォスフェート(CDP)、ジフェニルアルカン等が挙げられる。
前記ゴム用軟化剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はゴム成分100質量部に対して0.5質量〜5質量部の範囲から選択される。
補強剤としては、ゴムとの相互作用を導くフィラーとして主にカーボンブラックが使用される他、例えばホワイトカーボン(例えば乾式シリカもしくは湿式シリカなどのシリカ系充填剤、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウム・シリケート、クレー(ケイ酸アルミニウム)、シラン改質クレーもしくはタルクなどの無機補強剤や、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂、木粉等の有機補強剤が使用できる。
なかでも、補強効果、コスト、分散性および耐摩耗性の観点より、カーボンブラックを用いることが好ましい。該カーボンブラックとしては、例えばSAFカーボン(平均粒径18〜22μm)、SAF−HSカーボン(平均粒径20μm前後)、ISAFカーボン(平均粒径19〜29μm)、N−339カーボン(平均粒径24μm前後)、ISAF−LSカーボン(平均粒径21〜24μm)、I−ISAF−HSカーボン(平均粒径21〜31μm)、HAFカーボン(平均粒径26〜30μm)、HAF−HSカーボン(平均粒径22〜30μm)、N−351カーボン(平均粒径29μm前後)、HAF−LSカーボン(平均粒径25〜29μm)、LI−HAFカーボン(平均粒径29μm前後)、MAFカーボン(平均粒径30〜35μm)、FEFカーボン(平均粒径40〜52μm)、SRFカーボン(平均粒径58〜94μm)、SRF−LMカーボン、GPFカーボン(平均粒径49〜84μm)等が例示される。なかでも、FEFカーボン、ISAFカーボン、SAFカーボンまたはHAFカーボンを用いることが好ましい。
前記補強剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はゴム成分100質量部に対して5質量部〜100質量部の範囲から選択される。
その他の添加剤としてはアミド化合物、脂肪酸金属塩またはワックス等が挙げられる。
アミド化合物としては、脂肪族系アミド化合物または芳香族系アミド化合物が挙げられる。脂肪族系アミド化合物の脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、パルミトレイン酸、エイコセン酸、エルシン酸、エライジン酸、トランス−11−エイコセン酸、トランス−13−ドコセン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸が挙げられる。脂肪族系アミド化合物としては、具体的にはエチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミドなどが挙げられ、特に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドが好ましい。
脂肪酸金属塩としては、脂肪酸がラウリル酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミステリン酸またはオレイン酸であり、金属が亜鉛、鉄、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、鉛またはマンガンである塩が挙げられる。
ワックスとしては、パラフィン系ワックス、モンタン系ワックス、アマイド系ワックス等が挙げられる。
前記その他の添加剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はゴム成分100質量部に対して1質量部〜10質量部の範囲から選択される。
前記熱硬化性エラストマー組成物に用いられる架橋剤としては、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、耐熱性架橋剤または樹脂架橋剤等が挙げられる。
硫黄としては、通常回収硫黄を粉砕し微粉としたものが使用される。分散性などを改良した表面処理硫黄も適宜使用することができる。また、未加硫ゴムからのブルームを避けるために不溶性硫黄も使用することができる。
有機含硫黄化合物としては、例えば、N,N’−ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ−3−ヘキセン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が挙げられる。
耐熱性架橋剤としては、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、ヘキサメチレン−1,6−ビスチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6−ビス(ジベンジルチオカルバモイルジスルフィド)ヘキサン等が挙げられる。
樹脂架橋剤としては、タッキーロール201、タッキーロール250−III(以上、田岡化学工業(株)製)、ヒタノール2501(日立化成工業(株)製)などアルキルフェノール樹脂または臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
前記架橋剤の配合量はゴム成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はゴム100質量部に対して0.1質量部〜30質量部の範囲から選択される。
前記した熱硬化性エラストマー組成物からなる本発明のクリーニングブレードは、前記熱硬化性エラストマー組成物を一軸押出機、1.5軸押出機、二軸押出機、オープンロール、ニーダー、バンバリーミキサーまたは熱ロールなどの混練装置を用いて前記各成分を混合することにより得ることができる。
各成分の混合順序は特に限定されず、全ての成分を一度に混練装置に投入して混合してもよいし、一部の成分を混練装置に投入して予め混練しておき、得られた混合物に残りの成分を添加し混練してもよい。好ましくは、ゴム成分と充填剤を予め混練しておき、得られた混合物に架橋剤を添加し混練する方法がよい。
このように混練した熱硬化性エラストマー組成物を前記したキャビテイ面を有する金型に射出成形あるいはプレス成形して、クリーンニングブレードを製造している。
本発明によれば、従来はシート状物として成形した後にカッターで切断して形成していたクリーニングブレードを成形金型を用いて射出成形あるいはプレス成形しているため、成形金型のキャビティを適宜設計することにより、様々な形状の表面粗さやエッジを大量生産が可能な形で作製することができる。よって、従来より主流である直角のエッジはもちろん、鈍角や鋭角のエッジ、さらには断面形状が階段状や波状、C面であるエッジを作製することもできる。
さらに、本発明によれば、エッジ精度をより均一に保つことができる。すなわち、上述したようにカッターでの切断によるエッジの作製では、カッター刃の寿命が短く、数十〜100本程度のブレードを作製するだけで切れが悪くなる。カッター刃の切れが悪くなるとエッジ部分のエッジRが大きくなるため、カッター刃を替えるタイミングによりエッジ精度に不均一が生じる。一方、エッジ精度を均一に保とうとすると、頻繁にカッター刃を替えなくてはならず、製造の手間とコストが非常にかさむ。それに対し、本発明によれば、射出成形金型の寿命は長く、キャビティ表面粗さが劣ることはないため、1つの金型で1〜5万本程度のブレードを作製することが可能である。ゆえに、エッジ精度をより均一に保つことができ、かつそのためにかかる手間と費用も軽減できる。
本発明によれば、従来のクリーニングブレードの製造方法よりも加工工程が減るため、コストの低減につながる。
従来のシートのカット加工によるクリーニングブレードの製造方法では優れたエッジ精度を発揮できなかった熱可塑性樹脂や熱硬化性エラストマー組成物でも、本発明によれば実用上問題のないエッジ精度を有するクリーニングブレードに加工することができ、素材の選択の幅が広がる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の第1実施形態の画像形成装置用クリーニングブレードは、ウレタン系熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂から成形している。
本実施形態の画像形成装置用クリーニングブレードを構成する熱可塑性樹脂にはウレタン系熱可塑性樹脂以外に他の熱可塑性樹脂が含まれていてもよいが、樹脂成分としてウレタン系熱可塑性樹脂のみを含有していることが好ましい。また、本発明の目的に反しない限り酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤または架橋剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
前記ウレタン系熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂を、金型キャビティ表面粗さRz1が0.2μm〜0.3μmである射出成形金型を用いて射出成形する。
前記射出成形金型には金型キャビティ表面粗さRz1を前記数値範囲内とするために鏡面仕上げが施されており、かつクリーニングブレードのエッジ部分のキャビティは一体構造を有する。射出成形の条件は適宜選択すればよいが、例えば成形温度180℃〜250℃、金型冷却温度60℃〜100℃、射出時間5秒〜30秒、冷却時間10秒〜60秒である。クリーニングブレードは、厚さ1mm〜3mm、幅10mm〜40mm、長さ200mm〜500mmの短冊状に成形することが好ましい。
本発明の第2実施形態の画像形成装置用クリーニングブレードは、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、アイオノマー樹脂からなる成分Bと、スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、前記成分Cと成分Dは必須成分とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂から成形している。
第2実施形態で用いる熱可塑性樹脂について詳述する。
前記熱可塑性樹脂は、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)ならびにエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の4成分からなる場合;
エステル系熱可塑性樹脂もしくは/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)またはアイオノマー樹脂(成分B)のいずれか一方と、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)と、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の3成分からなる場合、
に大別される。
より具体的には下記態様が挙げられる。
(1)エステル系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
(2)ウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
(3)エステル系熱可塑性樹脂およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
(4)エステル系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
(5)ウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
(6)エステル系熱可塑性樹脂およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
(7)アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂。
なかでも、(1)、(2)、(4)、(5)、(7)に示した態様の熱可塑性樹脂が特に好ましい。
成分A、B、C、Dの4成分を含む場合、成分A、成分B、成分Cをそれぞれ10〜90質量部、成分Dを成分A、成分Bおよび成分Cの合計100質量部に対して3〜20質量部の割合で配合することが好ましい。
エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)の配合量を10質量部以上90質量部以下としているのは、成分Aの配合量が10質量部より少ないと反発性や耐久性が低下するおそれがある一方、90質量部より多いとクリーニングブレードの硬度が所望する値より高くなり感光体を傷つけるおそれがあることによる。成分Aの配合量は10質量部以上80質量部以下がより好ましく、10質量部以上70質量部以下がさらに好ましい。
アイオノマー樹脂(成分B)の配合量を10質量部以上90質量部以下としているのは、10質量部より少ないと、アイオノマー樹脂中の遊離カルボキシル基の数が少なくなり、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基との反応が減少するため、当該反応によって生成する軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体の含有量が減少し、前記共重合体が適度に分散できなくなり、ひいては樹脂全体の適度な分散も得られなくなることから、耐久性が低下するおそれがあることによる。一方、90質量部より多いと、アイオノマー樹脂中の遊離カルボキシル基の数が多くなり、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基と過剰に反応するため、硬度が所望する値より高くなり感光体などの相手部材を傷つけるおそれがあることによる。成分Bの配合量は10質量部以上80質量部以下がより好ましく、10質量部以上70質量部以下がさらに好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)の配合量を10質量部以上90質量部以下としているのは、10質量部より少ないと、例えば末端水酸基変性化したスチレン系熱可塑性樹脂を用いた場合、エポキシ基との反応が低下し適当な分散が得られなくなって耐久性が低下するおそれがある一方、90質量部より多いと硬度が所望する値より低くなり、感光体に摺動接触または回転接触する際にクリーニングブレードのエッジ部にめくれが生じるおそれがあることによる。成分Cの配合量は10質量部以上80質量部以下がより好ましく、10質量部以上70質量部以下がさらに好ましい。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の配合量を、成分A、成分Bおよび成分Cの配合量の合計100質量部に対して3質量部以上20質量部以下としているのは、3質量部より少ないと、エポキシ化熱可塑性樹脂中のエポキシ基の数が少なくなり、アイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基との反応が減少するため、当該反応によって生成する軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体の含有量が減少し、前記共重合体が適度に分散できなくなり、ひいては樹脂全体の適度な分散も得られなくなることから、耐久性が低下するおそれがあることによる。一方、成分Dの配合量が20質量部より多いと、エポキシ化熱可塑性樹脂中のエポキシ基の数が多くなり、アイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基と過剰に反応するため、硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることによる。成分Dの配合量は、5質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。
成分A、C、Dの3成分を含む場合は、成分Aと成分Cをそれぞれ30質量部〜70質量部、成分Dを成分Aと成分Cの合計100質量部に対して3質量部〜20質量部の割合で配合することが好ましい。
エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)の配合量を30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと反発性や耐久性が低下するおそれがある一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より高くなり感光体を傷つけるおそれがあることによる。成分Aの配合量は30質量部以上60質量部以下がより好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)の配合量を30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと上述したように樹脂全体の適度な分散が得られなくなって耐久性が低下するおそれがある一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より低くなり、感光体に摺動接触または回転接触する際にクリーニングブレードのエッジ部にめくれが生じ、反転現象の発生につながるおそれがあるためである。成分Cの配合量は30質量部以上60質量部以下がより好ましい。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の配合量を、成分Aおよび成分Cの配合量の合計100質量部に対して3質量部以上20質量部以下としているのは、3質量部より少ないと上述したように樹脂全体の適度な分散が得られなくなって耐久性が劣る可能性がある一方、20質量部より多いと硬度が所望する値より高くなり感光体を傷つけるおそれがあることによる。成分Dの配合量は5質量部以上20質量部以下がより好ましい。
成分B、C、Dの3成分を含む場合は、成分Bと成分Cをそれぞれ30質量部〜70質量部、成分Dを成分Bと成分Cの合計100質量部に対して3質量部〜20質量部で配合することが好ましい。
アイオノマー樹脂(成分B)の配合量を30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと、アイオノマー樹脂中の遊離カルボキシル基の数が少なくなり、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基との反応が減少するため、上述したように樹脂全体の適度な分散が得られなくなって耐久性が低下するおそれがあることによる。一方、70質量部より多いと、アイオノマー樹脂中の遊離カルボキシル基の数が多くなり、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基と過剰に反応するため、硬度が所望する値より高くなり感光体などの相手部材を傷つけるおそれがあることによる。成分Bの配合量は30質量部以上60質量部以下がより好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)の配合量を30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと上述したように樹脂全体の適度な分散が得られなくなって耐久性が劣るおそれがある一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より低くなり、感光体に摺動接触または回転接触する際にクリーニングブレードのエッジ部にめくれが生じ、反転現象の発生につながるおそれがあるためである。成分Cの配合量は30質量部以上60質量部以下がより好ましい。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の配合量を成分Bおよび成分Cの配合量の合計100質量部に対して3質量部以上20質量部以下としているのは、3質量部より少ないと、エポキシ化熱可塑性樹脂中のエポキシ基の数が少なくなり、アイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基との反応が減少するため、上述したように樹脂全体の適度な分散が得られなくなることから、耐久性が低下するおそれがあることによる。一方、成分Dの配合量が20質量部より多いと、エポキシ化熱可塑性樹脂中のエポキシ基の数が多くなり、アイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基と過剰に反応するため、硬度が所望する値より高くなり感光体を傷つけるおそれがあることによる。成分Dの配合量は5質量部以上20質量部以下がより好ましい。
本実施形態で用いる熱可塑性樹脂には、本発明の目的に反しない限り、上記成分A〜D以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤または架橋剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
前記第2実施形態のクリーニングブレードは、以下の方法で製造している。
原料の熱可塑性樹脂が前記成分A、B、C、Dの4つの成分を含む場合、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りしておく一方、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りしておき、ついで得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A、B、C、Dを含む熱可塑性樹脂を設ける。
前記熱可塑性樹脂を金型キャビティ表面粗さRzが0.2μm〜0.3μmである射出成形金型を用いて射出成形してクリーニングブレードを製造する。前記射出成形金型には金型キャビティ表面粗さRzを前記数値範囲内とするために鏡面仕上げが施されており、かつクリーニングブレードのエッジ部分のキャビティは一体構造を有する。該クリーニングブレードは、厚さ1mm〜3mm、幅10mm〜40mm、長さ200mm〜500mmの短冊状に成形・加工することが好ましい。
樹脂の混練に際しては、例えば、一軸押出機、1.5軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーまたは熱ロールなどの混練機を用いることができる。前記成分Aと成分Cとの混練温度は180℃〜200℃、混練時間は0.5分〜3分である。前記成分Bと成分Dとの混練温度は190℃〜210℃、混練時間は0.5分〜3分である。夫々混練された前記2つの混練物を混練する際の混練温度は200℃〜210℃、混練時間は0.5分〜3分である。
射出成形の条件は適宜選択すればよいが、例えば成形温度180℃〜250℃、金型冷却温度60℃〜100℃、射出時間5秒〜30秒、冷却時間10秒〜60秒である。
原料の熱可塑性樹脂が前記成分A、C、Dの3成分を含む場合も、上記4成分の場合と同様に、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)とを混練りし、得られた混練物にエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を加えて加熱混練し前記成分A、C、Dを含む熱可塑性樹脂を設け、かかる熱可塑性樹脂を射出成形により成形してクリーニングブレードを製造する。
原料の熱可塑性樹脂が前記成分B、C、Dの3成分を含む場合も、上記4成分の場合と同様に、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練しておき、得られた混練物にスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を配合し、前記成分B、C、Dを含む熱可塑性樹脂を設け、かかる熱可塑性樹脂を射出成形により成形してクリーニングブレードを製造する。
本実施態様で用いる各成分の詳細については上述したとおりである。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)ついては下記要件を満たすことが好ましい。すなわち、前記エポキシ化熱可塑性樹脂において、エポキシ基含有率が0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%であることがより好ましい。また、エポキシ基の含有割合をみる指標の一つとしてオキシラン酸素濃度が0.5〜2.0質量%であることが好ましい。オキシラン酸素濃度は臭化水素による滴定により求めることができる。具体的にはASTMD1652法に従って、所定量のポリマーをクロロホルム/クロロベンゼン(1/1混合溶液)に溶解し、クリスタルバイオレット指示薬を加え、臭化水素酢酸溶液で滴定することによって、オキシラン酸素濃度を測定することができる。
エポキシ化される熱可塑性樹脂として上述したスチレン系熱可塑性樹脂を用いる場合、スチレン含有率が10質量%〜60質量%であることが好ましい。
さらに、本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂は、23℃におけるJIS−A硬度が70〜90であることが好ましい。JIS−A硬度はJIS K 6253に従って測定している。
さらに、前記エポキシ化熱可塑性樹脂は、196℃、2.16kgfのメルトフロートレート(MFR)値が2g〜10g/10分であることが好ましい。MFR値はJIS K 7210に従って測定している。
次に、第3実施形態の画像形成装置用クリーニングブレードを説明する。
第3実施形態のクリーンニングブレードは、少なくともゴム成分(1)と充填剤(2)と架橋剤(3)とからなる熱硬化性エラストマー組成物から形成している。
ゴム成分(1)としては、アクリロニトリルブタジエンゴムあるいは/および水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴム(ゴムa)を用いている。
アクリロニトリルブタジエンゴムとしては、アクリロニトリル含量が31%〜36%である中高ニトリルアクリロニトリルブタジエンゴムを用いることが好ましい。
水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴムとしては、中高ニトリルアクリロニトリルブタジエンゴムに水素添加し、残存二重結合が10%以下としたものが好ましく、これをゴム成分(1)として用いることが最も好ましい。
充填剤(2)としては、ゴム成分(1)100質量部に対し1質量部〜80質量部、好ましくは10質量部〜80質量部、より好ましくは20〜70質量部の割合で配合している。
充填剤(2)としては、共架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤または補強剤を用いている。
前記共架橋剤としてはメタクリル酸を用いることが好ましい。メタクリル酸の配合量はゴム成分100質量部に対し5質量部〜10質量部、好ましくは7質量部〜10質量部である。
前記加硫促進剤としては、無機促進剤である酸化マグネシウムまたは有機促進剤であるチアゾール類もしくはチウラム類を用いることが好ましい。チアゾール類としてはジベンゾチアジルジスルフィドが最も好ましく、チウラム類としてはテトラメチルチウラムモノスルフィドが最も好ましい。酸化マグネシウムの配合量はゴム成分100質量部に対し5質量部〜10質量部、好ましくは7質量部〜10質量部である。チアゾール類またはチウラム類の配合量はゴム成分100質量部に対し0.5質量部〜3質量部である。
前記加硫促進助剤としては酸化亜鉛またはステアリン酸を用いることが好ましい。加硫促進助剤の配合量はゴム成分100質量部に対し0.5〜5質量部、好ましくは1.0〜5質量部である。さらに、加硫促進助剤を2種類以上組み合わせる場合、1種類当たりの配合量はゴム成分100質量部に対し0.5〜2.5質量部であることが好ましい。
前記補強剤としてはカーボンブラックを用いることが好ましく、なかでもISAFカーボンを用いることがより好ましい。カーボンブラックの配合量はゴム成分100質量部に対し5質量部〜80質量部、好ましくは10質量部〜60質量部である。
充填剤(2)としての前記成分は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも共架橋剤と加硫促進剤と補強剤の組み合わせ、加硫促進剤と加硫促進助剤と補強剤の組み合わせ、加硫促進剤と補強剤の組み合わせが好ましい。特に、メタクリル酸と酸化マグネシウムとカーボンブラックの組み合わせ、チアゾール類および/またはチウラム類と酸化亜鉛とステアリン酸とカーボンブラックの組み合わせ、酸化亜鉛とステアリン酸とカーボンブラックの組み合わせが好ましい。
架橋剤(3)は、ゴム成分(1)100質量部に対し0.1質量部〜30質量部、好ましくは0.5質量部〜20質量部である。
架橋剤(3)として、硫黄、有機化酸化物または樹脂架橋剤を用いている。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記硫黄としては粉末硫黄を用いることが好ましい。硫黄の配合量はゴム成分100質量部に対し0.1質量部〜5質量部、好ましくは0.5質量部〜3質量部である。架橋剤(3)として硫黄を用いる場合は、充填剤(2)として加硫促進剤と加硫促進助剤を用いることが好ましい。
前記有機過酸化物としてはジクミルパーオキシドを用いることが好ましい。有機過酸化物の配合量はゴム成分100質量部に対し0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.5質量部〜6質量部である。
前記樹脂架橋剤としてはアルキルフェノール樹脂を用いることが好ましい。樹脂架橋剤の配合量はゴム成分100質量部に対し1.0質量部〜20質量部、好ましくは5〜20質量部である。
当該第3実施形態の熱硬化性エラストマー組成物を用いた場合、クリーンニングブレードを以下の方法で製造している。
まず、ゴム成分(1)と充填剤(2)を一軸押出機、1.5軸押出機、二軸押出機、オープンロール、ニーダー、バンバリーミキサーまたは熱ロールなどの混練装置を用いて混練する。混練温度は80℃〜120℃、混練時間は5〜6分である。混練温度が80℃未満、混練時間が5分未満ではゴム成分(1)が十分に可塑化せず混練りが不十分となりやすいからであり、混練温度が120℃を超え、混練時間が6分を超えてはゴム成分(1)が分解するおそれがあるからである。
ついで、得られた混合物に架橋剤(3)を添加し、前記のような混練装置を用いて混練する。混練温度は80℃〜90℃、混練時間は5分〜6分である。混練温度が80℃未満、混練時間が5分未満では混合物が十分に可塑化せず混練りが不十分となりやすいからであり、混練温度が90℃を超え、混練時間が6分を超えては加硫剤(3)が分解するおそれがあるからである。
以上のようにして得られた熱硬化性エラストマー組成物を、金型キャビティ表面粗さRz1が0.2〜0.3μmである金型を用いてプレス成形している。前記金型は第1実施形態と同様な表面粗さRzを有する金型を用いているが、エッジ部分のキャビティは一体構造としている。
射出成形の条件は適宜選択すればよいが、前記熱硬化性エラストマー組成物を金型内にセットして、155℃〜175℃にて10分〜30分間プレス加硫して成形している。
成形されたクリーニングブレードは、厚さ1mm〜3mm、幅10mm〜40mm、長さ200mm〜500mmの短冊状としている。
クリーニングブレード10は、通常、接着剤により支持部材21に接合されている。支持材21は剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチックまたはセラミック等で形成されたものが用いられるが、金属製が好ましい。クリーニングブレード10の金型成形面となる表裏両面10aと該表裏両面と直交する厚さ面10bとに挟まれた部位のエッジ部分10cは微小的にみれば曲面を有しており(図1(b))、その半径を0.01〜0.4mmのアールとしている。図中、10dは稜線である。
前記表裏両面10aは表面粗さRz(2a)を0.1〜2.0μmとし、厚さ面10bの表面粗さRz(2b)を0.1〜5.0μmとしている。稜線粗さを10μm以下、真直度を0.1mm以下としている。
クリーニングブレード10と支持部材21とを接合するために用いる接着剤としては、ポリアミド系もしくはポリウレタン系ホットメルト接着剤や、エポキシ系もしくはフェノール系接着剤等が挙げられる。これらのなかではホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
図4に、本発明の画像形成装置用クリーニングブレードを搭載したカラー用画像形成装置の模式図を示した。図4中において、10はクリーニングブレード、11は帯電ローラ、12は感光体、13は中間転写ベルト、14は定着ローラ、15a〜15dはトナー、16は鏡、17はレーザー、18は被転写体、19aは一次転写ローラ、19bは二次転写ローラ、21は支持部材、22はトナー回収ボックスである。
図4に示す画像形成装置において、以下の工程で画像が形成される。
まず、感光体12が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ11によって感光体12が帯電された後に、鏡16を介してレーザー17が感光体12の非画像部を露光して除電し、画線部に相当する部分が帯電した状態になる。次に、トナー15aが感光体12上に供給されて、帯電画線部にトナー15aが付着し1色目の画像が形成される。このトナー画像は一次転写ローラ19aを介して中間転写ベルト13上へ転写される。同様にして、感光体12上に形成されたトナー15b〜15dの各色の画像が中間転写ベルト13上に転写され、転写ベルト13上に4色のトナー15(15a〜15d)からなるフルカラー画像が一旦形成される。このフルカラー画像は二次転写ローラ19bを介して被転写体(通常は紙)18上へ転写され、所定の温度に加熱されている定着ローラ14を通過することで被転写体18の表面へ定着される。
前記工程において、複数枚の記録紙に順次複写を行うために、中間転写ベルト13上へ転写されず感光体12上に残留したトナーは、感光体12表面に圧接されているクリーニングブレード10が感光体12を摺擦することにより除去され、トナー回収ボックス22に回収される。
「実施例」
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
表1に熱可塑性樹脂組成物によりクリーンニングブレードを成形した実施例1〜7と、その比較例1、2の成分および測定した物性を示す。
Figure 2006301578
前記表1に記載の物性は下記の方法で測定した。
(1)金型キャビティ表面粗さRz(1)、成形品のクリーンニングブレード1の表裏両面10aの表面粗さRz(2a)、厚さ面10bの表面粗さRz(2b)
レーザー顕微鏡(BuLL&BEAR社製、Bull Sound System)を用いて粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、十点平均粗さRzを算出する。
(2)エッジR
成形したクリーニングブレードを断面方向(稜線に対し垂直な方向)にカットする。カット方法としては窒素置換中においてクライオミクロトーム(ライカ社製、FC4E)で切削する。走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立製作所製、S−2460N)にて断面を観察し、画像処理によりエッジRを算出する。
(3)稜線粗さ・真直度
図2に示した稜線検査機により稜線粗さおよび真直度を測定する。すなわち、クリーニングブレード1に対して45°の角度から、CCDカメラ7をエッジの長さ方向に1mmごとに移動させながら稜線3をスキャンする。稜線の両端を結ぶ直線を基準線とし、その基準線に対する凹凸の差を画像処理により算出し、326個のデーターを得た。その凹凸差のデーターの平均値をもって稜線粗さとし、凹凸差のデーターの最大値を真直度とした。
(4)クリーニング性能
図3に示すように、水平におかれたOPC(自社製のOrganic Photo Conductor)を塗布したガラス23上に粒径10μmの重合トナー(キャノン、富士ゼロックの市販のプリンターより抜きだした市販のトナー)を付着させた。 実施例および比較例で作製したクリーニングブレード1をOPC塗布ガラス23に対し10〜40度の角度で保持し、その角度を保ったまま水平にスライドさせた。その際、トナーの掻き取り具合を観察した。
なお、本試験は低温環境の10℃の温度下で行った。
表1、表2においては、全てのトナーが掻き取れた場合を「○」、わずかでも残トナーが観察される場合を「×」とした。
(実施例1)
ウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用いてクリーニングブレードを作成した。具体的には、射出成形機(NISSEI製 160)を用いて、成形温度210℃、金型冷却温度80℃、射出時間16秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、幅27mm、厚さ2mm、長さ326mmのクリーニングブレードを得た。金型としては、鏡面仕上げを施し、キャピティ表面粗さRz(1)が0.3μmである金型を用いた。得られたクリーニングブレードについて上記物性を測定した。
また、クロムフリーSECC製の支持部材に得られたクリーニングブレードをホットメルト(ダイヤボンド製材質)を用いて貼り付け、ついでシート中心部をカットしてクリーニング部材を作製し、上記試験に供した。
(実施例2)
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
一方で、アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」と、エポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた2種類の混合物を1.5軸混練押出機(アイペック製 HTM38)を用いて、温度200℃の条件下、スクリュー回転数200rpmで混練押出して、熱可塑性樹脂を製造した。
得られた熱可塑性樹脂を用いて実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
(実施例3)
成分Aとして、エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」の代わりにウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用いた以外は、実施例2と全く同様に本発明のクリーニングブレードを作製した。
(実施例4)
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物にエポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」を表1に示す量配合し、ついで実施例2と同一の条件で混練押出し、熱可塑性樹脂を製造した。得られた熱可塑性樹脂を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
(実施例5)
成分Aとして、エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」の代わりにウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用い、各成分の配合量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例4と全く同様に本発明のクリーニングブレードを作製した。
(実施例6)
アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」と、エポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物にスチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」を表1に示す量配合し、ついで実施例2と同一の条件で混練押出して熱可塑性樹脂を製造した。得られた熱可塑性樹脂を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
(実施例7)
スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」を配合せず、各成分の配合量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例6と全く同様に本発明のクリーニングブレードを作製した。
(比較例1、2)
射出成形金型として、鏡面仕上げを施しておらず、キャピティ表面粗さRz(1)が0.4μmである金型を用いた以外は、実施例1、2と全く同様にしてクリーニングブレードを作製した。
鏡面仕上げを施し、キャピティ表面粗さRz(1)が0.3μmである射出成形金型を用いた実施例1〜7は、クリーニングブレード10の表裏両面の表面粗さRz(2a)が0.5μm〜1.4μm、エッジRが0.3mm〜0.4mm、稜線粗さが5.9μm〜9.1μm、真直度が0.03mm〜0.07mmと優れたエッジ精度を有し、その結果優れたクリーニング性能を発揮した。
一方、鏡面仕上げを施さず、キャビティ表面粗さRz(1)が0.4μmである射出成形金型を用いた比較例1、2は、表裏両面の表面粗さRz(2a)が2.0μmを超え、さらに稜線粗さも10μmを超え、真直度も0.1mmを超えてしまった。このようにエッジ精度が悪いため、クリーニング性能が低下していることが確認できた。
熱硬化性エラストマー組成物でクリーンニングブレードを成形した実施例8〜実施例11および、その比較例3、4を下記の表2に示す。
Figure 2006301578
実施例8〜11は、まず、ゴム成分(1)および充填剤(2)を表2に示す配合量計量し、バーバリーミキサー(KOBELCO製 MIXTRON BB 1.7L)に投入し、5分間程度混練りした。
得られた混合物と表2に示す配合量の架橋剤(3)を同様のゴム混練装置ロール(KANSAI ROLL製 LABORATORY MILL 14in)に投入して、5分間程度混練りして熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られた組成物を金型内にセットし、プレス成形機を用いて、160℃で30分間プレス加硫を行ない、幅27mm、厚さ2mm、長さ326mmのクリーニングブレードを得た。
なお、金型としては、鏡面仕上げを施し、キャビティ表面粗さRz(1)が0.3μmである金型を用いた。
得られたクリーニングについて表1と同様に物性を測定した。
また、クロムフリーSECC製の支持部材に得られたクリーニングブレードをホットメルト(ダイヤボンド製材質)を用いて貼り付け、ついでシート中心部をカットしてクリーニング部材を作製し、上記試験に供した。
(比較例3、4)
プレス成形金型として鏡面仕上げをしておらず、キャビティ表面粗さRz(1)が0.4μmである金型に、表2に示す配合のゴム組成物をセットしてプレス加硫を行なった。
表2に記載の成分のうち下記成分については、具体的に下記製品を用いた。
NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム);JSR(株)製「N232S」(結合アクリロニトリル量35%)
HNBR(水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム);日本ゼオン(株)製「2020L」(結合アクリロニトリル量36%)
ウレタンゴム;市販品ウレタンゴム(硬度75A)
カーボンブラック;東海カーボン(株)製「シーストISAF」
酸化マグネシウム;協和化学工業(株)製「150ST」
メタクリル酸;三菱レイヨン(株)製「MAA(商品名)」
酸化亜鉛;三井金属(株)製「酸化亜鉛2種(商品名)」
ステアリン酸;日本油脂(株)製、「つばき」
加硫促進剤A(ジベンゾチアジルスルフィド);大内新興化学(株)製「ノクセラーDM」
加硫促進剤B;(テトラメチルチウラムモノスルフィド);大内新興化学(株)製「ノクセラーTS」
硫黄;鶴見化学(株)製 粉末硫黄
有機過酸化物(ジクミルパーオキシド);日本油脂(株)製「パークミルD」
鏡面仕上げを施し、キャビティ表面粗さRz(1)が0.3μmであるプレス成形金型を用いた実施例8〜11は、クリーニングブレードの表裏両面の表面粗さRz(2a)が0.4μm〜1.5μm、シート厚さ面の表面粗さRz(2b)が0.6μm〜3.7μm、エッジRが0.05mm〜0.35mm、稜線粗さが3.7μm〜8.2μm、真直度が0.06mm〜0.09mmと優れたエッジ精度を有し、その結果優れたクリーニング性能を発揮した。
一方、鏡面仕上げを施さず、キャビティ表面粗さRz(1)が0.4μmであるプレス成形金型を用いた比較例3、4は、クリーニングブレードの表裏両面の表面粗さRz(2a)が2.0μmを超え、厚さ面の表面粗さRz(2b)が5.0μmを超え、エッジRが0.45mmを超え、稜線粗さが10μmを超え、さらには真直度も0.1mmを超えてしまった。このようにエッジ精度が悪いため、クリーニング性能が低下していることが確認できた。
(a)は、本発明のクリーニングブレードを有するクリーニング部材の模式図である。(b)は、(a)に示したエッジ部分の拡大図である。 実施例で用いた稜線粗さおよび真直度を測定する稜線検査機の模式図である。 実施例におけるクリーニング性能の試験方法を説明するための図である。 本発明の画像形成装置用クリーニングブレードを搭載したカラー用画像形成装置の模式図である。
符号の説明
10 クリーニングブレード
10a 表裏両面
10b 厚さ面
10c エッジ部分
10d 稜線
21 支持部材
11 帯電ローラ
12 感光体
13 中間転写ベルト
14 定着ローラ
15 トナー
19a、19b 転写ローラ
20 クリーニングブレード
21 支持部材
22 トナー回収容器
23 OPC塗布ガラス

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性エラストマー組成物を用いて、金型で成形した成形品からなり、
    矩形状のシート状物で、その表裏両面の表面粗さRz(2a)が0.1μm〜2.0μm、該表裏両面と直交する厚み方向の表面粗さRz(2b)が0.1〜5.0μm、エッジRが0.01mm〜0.4mm、稜線粗さが10μm以下、真直度が0.1mm以下であることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレード。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、オレフィン系熱可塑性樹脂、エステル系熱可塑性樹脂、アミド系熱可塑性樹脂、ウレタン系熱可塑性樹脂、スチレン系熱可塑性樹脂、エポキシ化熱可塑性樹脂、シリコーン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、フッ素系熱可塑性樹脂、アイオノマー樹脂もしくは動的架橋型熱可塑性樹脂、またはこれら2種以上を混合した熱可塑性樹脂である請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、
    エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、
    アイオノマー樹脂からなる成分Bと、
    スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、
    エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、
    前記成分Cと成分Dは必須成分とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂である請求項2に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  4. 前記熱硬化性エラストマー組成物が、アクリロニトリルブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、またはこれら2種以上を混合したゴム成分を含むものである請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  5. 前記熱硬化性エラストマー組成物が、少なくとも前記ゴム成分と、充填剤と、架橋剤を含み、前記ゴム成分100質量部に対し充填剤を0.1〜80質量部、架橋剤を0.1〜30質量部含んでいる請求項4に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  6. 前記ゴム成分として、少なくともアクリロニトリルブタジエンゴムあるいは/および水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴムを含み、
    前記充填剤として、共架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、ゴム用軟化剤あるいは/および補強剤を含み、
    前記架橋剤として、硫黄、有機硫黄化合物、有機過酸化物、耐熱性架橋剤または樹脂架橋剤を含む請求項4または請求項5に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  7. 請求項1乃至請求項6に記載のクリーニングブレードの製造方法であって、
    金型キャビティ表面粗さRzが0.05μm〜0.3μmである成形金型を用い、前記熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性エラストマー組成物を射出成形またはプレス成形で製造していることを特徴としている画像形成装置用クリーニングブレードの製造方法。
  8. エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りしておく一方、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りしておき、
    得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A,B,C,Dを含む熱可塑性樹脂を設け、
    前記熱可塑性樹脂を前記成形金型を用いて射出成形している請求項7に記載の画像形成装置用クリーニングブレードの製造方法。
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