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JP2006292721A - 磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及び免疫測定法 - Google Patents

磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及び免疫測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロマト展開性に優れ、高感度な免疫測定を行うことが可能な磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及びこれを用いた免疫測定法を提供する。
【解決手段】有機高分子物質と、前記有機高分子物質中に分散した磁性体とからなる、平均粒子径が50〜500nmの磁性体内包粒子であって、前記有機高分子物質中における前記磁性体の分散径が1〜30nmであり、かつ、前記磁性体を50〜80重量%含有することを特徴とする磁性体内包粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロマト展開性に優れ、高感度な免疫測定を行うことが可能な磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及びこれを用いた免疫測定法に関する。
測定試料中に含有される被検物質を検出する方法としては、例えば、抗原−抗体反応を利用した酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、ラテックス凝集法、免疫クロマト法等の生物学的反応を利用した種々の方法が提案されている。なかでも、簡便かつ迅速であることから、免疫クロマト法が多用されるようになってきている。
免疫クロマト法では、通常、少なくとも2種類の抗体を利用したサンドイッチ法が採用されている。すなわち、金属コロイドや着色粒子を支持体として、アイソトープ、酵素、蛍光物質等で標識された抗体を含む試薬と測定試料とを反応させ、測定試料中に含まれる抗原と標識抗体とを結合し、これをもう一つの抗体が固定化されたクロマト担体に流すことにより、クロマト担体中に抗原を捕捉し、捕捉された抗原を標識をもとに分析するというものである。
このような免疫クロマト法等に供するための支持体として、磁性体内包粒子が注目されている。磁性体内包粒子は、以前からラジオイムノアッセイ等において磁性により効率よく簡便にB/F分離を行うための支持体としての利用が提案されていたが、磁性体内包粒子の磁性量を標識とすることにより、他の標識物質で標識せずに分析を行うことができる等の利点があるとされる(特許文献1〜3)。
しかしながら、実際に磁性体内包粒子を免疫クロマト法に用いると、磁性体内包粒子がクロマト担体中に滞留してしまったり、展開させる側のクロマト先端部位付近に不均一に残留してしまったりする等、金属コロイドや着色粒子に比べてクロマト展開性が大きく劣るという問題があった。
特開平6−148189号公報 特開平7−225233号公報 特表2001−524675号公報
本発明は、上記現状に鑑み、クロマト展開性に優れ、高感度な免疫測定を行うことが可能な磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及びこれを用いた免疫測定法を提供することを目的とする。
本発明は、有機高分子物質と、上記有機高分子物質中に分散した磁性体とからなる、平均粒子径が50〜500nmの磁性体内包粒子であって、上記有機高分子物質中における上記磁性体の分散径が1〜30nmであり、かつ、上記磁性体を50〜80重量%含有する磁性体内包粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、磁性体内包粒子を免疫クロマト法に用いた場合に、クロマト展開性が劣る原因について鋭意検討したところ、従来の磁性体内包粒子は自己凝集しやすいことから、二次粒子径が大きくなりクロマト担体の孔を通過しにくくなること、及び、クロマト担体自体にも非特異的に吸着しやすいことが原因であることを見出した。本発明者らは、更に鋭意検討した結果、磁性体内包粒子の平均粒子径を所定の大きさとし、かつ、磁性体の分散径及び含有量が特定の範囲内である磁性体内包粒子を用いた場合に、磁性体内包粒子の自己凝集が抑制され、クロマト展開性が向上するとともに、高感度な免疫測定が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の磁性体内包粒子は、有機高分子物質と、該有機高分子物質中に分散した磁性体とからなる。
上記有機高分子物質は、本発明の磁性体内包粒子のマトリックスとしての役割を有する。
上記有機高分子物質としては、スチレン系モノマーに由来するセグメントを有する共重合体であることが好ましい。スチレン系モノマーに由来するセグメントを有することにより、本発明の磁性体内包粒子の水系媒体中における分散性が向上する。
上記スチレン系モノマーとしては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等、又は、二官能性のジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチレン系モノマーは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記スチレン系モノマーに由来するセグメントの含有量の好ましい下限は60重量%である。60重量%未満であると、得られる本発明の磁性体内包粒子の水系媒体中での分散性が劣ることがある。
上記有機高分子物質は、スチレン系モノマーに由来するセグメントのほかに、反応性官能基を含有するビニルモノマーに由来するセグメントを有していてもよい。反応性官能基を含有するビニルモノマーに由来するセグメントを有することにより、該反応性官能基を介して抗原や抗体を容易に結合することができる。
上記反応性官能基を含有するビニルモノマーの反応性官能基としては、抗原や抗体等を共有結合により結合可能なものであれば特に限定されず、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルアミノ基、スルホン酸基等が挙げられる。このような反応性官能基を含有するビニルモノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、グリシジル(メタ)アクリレート、トリエチルアンモニウム(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの反応性官能基を含有するビニルモノマーは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記共重合体は、その他のビニルモノマーに由来するセグメントを有していてもよい。
その他のビニルモノマーとしては特に限定されず、例えば、塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。これら単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記共重合体は、架橋性モノマーに由来するセグメントを有していてもよく、これらのセグメントにより架橋が施されていてもよい。
上記架橋性モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等が挙げられる。これら架橋性単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記磁性体は、上記有機高分子物質中に分散している。
上記磁性体としては特に限定されないが、残留磁気がない超常磁性を有するものが好適である。残留磁気があると自己凝集しやすくなり、クロマト展開性が劣ることがある。
上記超常磁性を有する磁性体としては特に限定されず、例えば、四三酸化鉄(Fe)、γ−三酸化二鉄(γ−Fe)等の各種フェライト類;鉄、マンガン、コバルト等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。なかでもフェライト類が好適であり、なかでも四三酸化鉄(Fe)が好適である。
このような磁性体としては、Fe2+とFe3+とを1:2の割合で含む混合液を塩基性の溶液に滴下することでFeが得られる共沈反応法により調製したもの等を用いることができる。また、フェリコロイドHC−50(タイホー工業社製)、HX―20(シグマハイケミカル社製)等の市販品も用いることができる。
上記有機高分子物質中における磁性体の分散径の下限は1nm、上限は30nmである。1nm未満であると、磁性体の製造自体が困難であることに加え、磁性体の磁性応答特性が減少し、標識として用いたときの感度が低下する。30nmを超えると、残留磁気を生じやすくなり、自己凝集しやすくなることに加え、磁性体が磁性体内包粒子の表面に露出しやすくなる。好ましい下限は5nm、好ましい上限は20nmである。
本発明の磁性体内包粒子中における磁性体の含有量の下限は50重量%、上限は80重量%である。50重量%未満であると、磁性量が低く、極微量の測定対象成分を分析する際に検出が困難となり、80重量%を超えると、自己凝集しやすくなったり、磁性体内包粒子全体の重量が大きくなり過ぎたりしてクロマト展開性が劣る。好ましい下限は60重量%、好ましい上限は70重量%である。
磁性体を50〜80重量%含有する磁性体内包粒子は、例えば、製造過程で得られる磁性体内包粒子分散液のうち、ネオジム磁石を用いて1分間で磁石に引き寄せられる磁性体含有率が高い分画を、磁性体内包粒子として分取することができる。
なお、磁性体含有率が80重量%を超える粒子が生成した場合、磁性体凝集塊になり重合器壁面などに付着するため、混入することはない。
本発明の磁性体内包粒子は、平均粒子径の下限が50nm、上限が500nmである。50nm未満であると、媒体中に懸濁させたときの分散安定性が悪くなって自己凝集しやすくなり、500nmを超えると、クロマト担体の孔を通過しにくくなり、クロマト展開性が劣る。好ましい下限は100nm、好ましい上限は400nmである。
本発明の磁性体内包粒子は、粒子径のCV値が50%未満であることが好ましい。50%以上であると、粒子径の大きい粒子がクロマト担体の孔を通過しにくくなり、クロマト担体中に残存することがある。
本発明の磁性体内包粒子は、上記有機高分子物質を構成する炭素元素と上記磁性体を構成する金属元素との構成比率の絶対偏差の好ましい上限が0.3である。
なお、本明細書において絶対偏差とは、上記有機高分子物質を構成する炭素元素と、磁性体を構成する金属元素の同期発光を測定し、粒子毎の炭素元素と金属元素との混在比率のバラツキから算出したその測定データの分散状態を示す偏差値であって、磁性体内包粒子の磁性体含有量のバラツキを示すパラメータである。上記絶対偏差の数値が小さいほど磁性体含有量のバラツキが小さく、すなわち、磁性体内包粒子の均一性が高く、大きいほど磁性体含有量のバラツキが大きい、すなわち、磁性体内包粒子の均一性が低いことを示す。
上記絶対偏差が0.3を超えると、免疫測定法に利用した場合に、測定再現性や定量性が低くなり測定精度が悪化することがあり、得られる測定データの信頼性が低くなる。より好ましい上限は0.27、更に好ましい上限は0.25、特に好ましい上限は0.20である。
本発明の磁性体内包粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法、ミニエマルジョン重合法、分散重合法等を応用した方法が挙げられる。なかでも、粒子径の小さな粒子を容易に製造することができることから、ミニエマルジョン重合法を応用した方法が好適である。
具体的には、有機溶媒中に磁性体を分散させた磁性体分散液と、モノマー、重合開始剤、及び、共界面活性剤を含有するモノマー溶液とを混合してモノマー混合液を調製する工程1、前記モノマー混合液を、界面活性剤を溶解させた水系媒体に滴下し、微分散させることにより、不均一なモノマー液滴が形成したミニエマルジョン溶液を調製する工程2、前記モノマー液滴を重合させ、磁性体内包粒子分散液を調製する工程3、及び、前記磁性体内包粒子分散液から、磁気分離法により磁性体含有率が50〜80重量%の粒子を分画し、回収する工程4を有する磁性体内包粒子の製造方法が挙げられる。このような磁性体内包粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
以下、ミニエマルジョン重合法を応用した本発明の磁性体内包粒子の製造方法を詳しく説明する。
本発明の磁性体内包粒子の製造方法では、まず、有機溶媒中に磁性体を分散させた磁性体分散液と、モノマー、重合開始剤、及び、共界面活性剤を含有するモノマー溶液とを混合してモノマー混合液を調製する工程1を行う。
このように、いったん磁性体分散液を調製し、これをモノマーと混合してモノマー混合液を調製することにより、磁性体が上記有機高分子材料からなるマトリックス中に上述の分散径で微分散し、かつ、上述の絶対偏差の値を達成した磁性体の含有量が均一な磁性体内包粒子を得ることができる。
上記磁性体分散液に用いる有機溶媒としては、磁性体の分散性に優れ、磁性体を溶解してしまったりせず、かつ、モノマーと混合可能なものであれば特に限定されない。
このような有機溶媒としては、ブタノールや脂肪族炭化水素系溶媒を含有するものが好適である。上記脂肪族炭化水素系溶媒としては、磁性体の分散性に特に優れることから、炭素数5〜20の直鎖又は分岐のものが好適であり、炭素数5〜7の直鎖又は分岐のものがより好適である。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、イソペンタン等が挙げられる。これらの脂肪族炭化水素系溶媒は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記有機溶媒中における上記脂肪族炭化水素系溶媒の含有量としては、80重量%以上であることが好ましい。80重量%未満であると、充分に磁性体を分散させることができず、ひいては得られる磁性体内包粒子中における磁性体の分散径が大きくなったり、磁性体の含有量のバラツキが大きくなったりすることがある。
上記有機溶媒の含有量としては、磁性体に対して好ましい下限が20重量%、好ましい上限が500重量%である。20重量%未満であると、充分に磁性体を分散できないことがあり、500重量%を超えると、重合工程後に残存溶媒の除去が必要となり操作が煩雑となることがある。より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は300重量%である。なお、沸点が高い有機溶媒を用いる場合には、より少ない量を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブタンニトリル)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリド等のアゾ(アゾビスニトリル)タイプの開始剤、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過硫酸塩(例えば過硫酸アンモニウム)、過酸エステル(例えばt−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバレート及びt−ブチルペルオクテート)等の過酸化物タイプのラジカル系重合開始剤等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、モノマー混合物液滴の分散液の調製時に添加してもよいし、調整後に別に添加してもよい。
上記重合開始剤の含有量としては特に限定されないが、モノマー100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。
上記共界面活性剤としては、ミニエマルジョン重合において一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサデカン、スクアラン、シクロオクタン等のC〜C30の直鎖、分岐鎖、環状アルカン類;ステアリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のC〜C30アルキルアクリレート;セチルアルコール等のC〜C30アルキルアルコール;ドデシルメルカプタン等のC〜C30アルキルチオール;ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン等のポリマー類;長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸類、長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸エステル類、長鎖脂肪族又は芳香族アミン類、ケトン類、ハロゲン化アルカン類、シラン類、シロキサン類、イソシアネート類等が挙げられる。なかでも、炭素数が12以上のアルカン類が好適であり、なかでも炭素数12〜20のアルカン類がより好適である。これらの共界面活性剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記共界面活性剤の含有量としては特に限定されないが、モノマー100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が50重量部である。
上記磁性体分散液とモノマーとを混合してモノマー混合液を調製する際には、必要に応じて後述するような界面活性剤を用いてもよい。
本発明の磁性体内包粒子の製造方法では、次いで、上記モノマー混合液を、界面活性剤を溶解させた水系媒体に滴下し、微分散させることにより、不均一なモノマー液滴が形成したミニエマルジョン溶液を調製する工程2を行う。
上記水系媒体としては特に限定されず、通常は蒸留水やイオン交換水等が用いられる。
上記界面活性剤としては特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。なかでも、アニオン性界面活性剤が好適である。
上記アニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート及びこれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩等が挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、セチルトリメチルアンモニウムプロミド、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、Triton X−100、X−114、X−305、N−101(以上、ユニオンカーバイド社製)、Tween 20、40、60、80、85(以上、アイ・シー・アイ社製)、Brij 35、58、76、98(以上、アイ・シー・アイ社製)、Nonidet P−40(シェル社製)、Igepol CO530、CO630、CO720、CO730(ローヌ・プーラン社製)等の市販のものを用いることができる。これらのなかでは、アニオン性界面活性剤が好ましい。
上記界面活性剤としては、上記モノマーと重合可能な反応基を有する反応性界面活性剤も用いることができる。上記反応基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基が好適である。
このような反応性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、特開平9−279073号公報等に記載されるものが挙げられる。具体的には、上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル(アリルベンゼン)スルホン酸塩、ラウリルスチレンスルホン酸塩、ステアリル(アリルベンゼン)スルホン酸塩、ステアリルスチレンスルホン酸塩等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類又はそれらのポリエチレンオキサイド付加物類;ラウリルアリルスルホ琥珀酸エステル、ラウリルビニルスルホ琥珀酸エステル、ステアリルアリルスルホ琥珀酸エステル、ステアリルビニルスルホ琥珀酸エステル等のアルキルスルホ琥珀酸エステル類又はそれらのポリエチレンオキサイド付加物類;(メタ)アクリル酸ラウリルスルホン酸塩、オレイルスルホン酸塩等のアルキル又はアルケニルスルホン酸塩類、(メタ)アクリル酸ステアリル硫酸塩、オレイル硫酸塩等のアルキル又はアルケニル硫酸塩類又はそれらのポリエチレンオキサイド付加物類等が挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリアリルアンモニウムクロライド、ステアリルトリアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジアリルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールオクチル(アリルフェニル)エーテル、ポリエチレングリコールノニル(アリルフェニル)エーテル、ポリエチレングリコールオレイルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキル又はアルケニルフェニルエーテル類;モノステアリル酸モノアリルグリセリル、ジステアリン酸モノアリルグリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類又はそれらのポリエチレンオキサイド付加物類;モノステアリン酸モノアリルソルビタン、トリステアリン酸モノアリルソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類又はそれらのポリエチレンオキサイド付加物類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のポリエチレンオキサイドエステル類等が挙げられる。
上記反応性界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤であるアクアロンHS−10(第一工業製薬社製)、Antox−MS−60、RA−1000シリーズ、Antox−MS−2N(日本乳化剤社製)、アデカリアソープSE−10N(旭電化工業社製)、テラムルS−180A(花王社製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業社製);カチオン性界面活性剤であるRF―751(日本乳化剤社製);ノニオン性界面活性剤であるアデカリアソープNE−10(旭電化工業社製)、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーPE−400(日本油脂社製)等の市販品が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記界面活性剤の含有量としては、モノマー100重量部に対し好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限が5重量部であり、より好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記モノマー混合液からなる液滴を微分散させる方法としては特に限定されず、例えば、界面活性剤を含有する水系媒体中に上記モノマー混合液を加え、高い剪断力を発生させる剪断混合装置によって乳化させる方法等の従来公知の方法を用いることができる。
上記剪断混合装置としては特に限定されず、例えば、ピストンホモジナイザー、マイクロ流動化装置(例えば、Microfluidizer(みずほ工業社製))、超音波分散機等が挙げられる。なかでも、プローブ式の超音波分散機が好適に用いられる。
微分散させる際に超音波分散機を用いる場合、超音波出力の好ましい下限は5W、好ましい上限は200Wである。5W未満であると、分散力不足により大きな液滴が生じ、次工程の重合反応が困難となることがあり、200Wを超えると、所望の磁性体内包粒子が得られないことがある。
また、超音波の照射時間としては、超音波出力にもよるが、10〜30秒の範囲で行うことが好ましい。
ここで、完全に均一なモノマー液滴を形成させる、一般的なミニエマルジョン重合法の場合、高含有率の磁性体内包粒子を得ることができない。
本明細書において、不均一とは、液滴が均一になる前に分散工程を止めることであって、磁気分離法により回収する磁性体内包粒子については、粒子径や磁性体含有量は粒子毎に不均一ということではない。不均一になる条件は、数値化することは難しいが、超音波ホモジナイザーの出力が低く、かつ、処理時間が短い条件で実現できている。
また、不均一なモノマー液滴とは、超音波分散処理の際、磁性体内包量によってモノマー液滴が、同じ超音波出力であっても液滴の分裂効率が変わることを利用し、系全体としては液滴径が均一に至るまでの不均一な状態で処理を終えることにより得られる。また、この方法により得られるモノマー液滴は、液滴径を均一にする場合よりも磁性体含有率の高い液滴になる。また、磁性体内包粒子は、モノマー液滴が不均一な状態で重合後、磁気分離法により磁性体含有率が高く、かつ、均一性の高い分画を回収することにより得られる。
本発明の免疫測定用磁性粒子の製造方法においては、超音波出力や乳化時間を調整し、不均一な乳化状態で微分散処理を終了する。このように完全均一なモノマー液滴にしないことにより、磁性体含有率の高い磁性体内包粒子を得ることができる。
本発明の磁性体内包粒子の製造方法では、次いで、前記モノマー液滴を重合させ、磁性体内包粒子分散液を調製する工程3を行う。
上記重合は、通常50〜95℃で5〜24時間程度加熱することにより行う。
本発明の磁性体内包粒子の製造方法では、次いで、前記磁性体内包粒子分散液から、磁気分離法により磁性体含有率が50〜80重量%の粒子を分画し、回収する工程4を行う。
上記分画の方法としては特に限定されず、例えば、遠心分離法、磁気分離法等の精製方法が挙げられる。これにより、所望の平均粒子径、磁性体分散径及び磁性体含有量を有するものを採取することができ、本発明の磁性体内包粒子を得ることができる。
特に、精製方法のなかでも、磁気分離法が好適に用いられる。磁気分離の処理時間を短くすることで磁性体含有率の高い磁性体内包粒子を回収することができる。
本発明の磁性体内包粒子は、磁性体の含有量が多いことから、本発明の磁性体内包粒子に抗原又は抗体を結合又は吸着させ、免疫測定用粒子をすることにより、極微量の磁性体内包粒子であっても磁性量の検出が可能となり、高感度な免疫測定を行うことができる。
このような免疫測定用粒子もまた、本発明の1つである。
また、本発明の磁性体内包粒子は、平均粒子径が50〜500nmであり、かつ、磁性体の分散径が1〜30nmであることから、自己凝集を抑制することができ、本発明の磁性体内包粒子を支持体として、抗原や抗体等を結合又は吸着させた免疫測定用粒子は、通常孔径が5〜20μmであるクロマト担体中を容易に展開(移動)することができる。更に、クロマト担体に非特異的に吸着することもないことから、クロマト展開性にも極めて優れる。従って、本発明の免疫測定用粒子を用いれば、磁性体内包粒子の磁性量を標識として分析を行う免疫測定法、特に免疫クロマト法を好適に行うことができる。
このような本発明の免疫測定用粒子を用いた免疫測定法もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、磁性体内包粒子の平均粒子径を所定の大きさとし、かつ、磁性体の分散径及び含有量が特定の範囲内である磁性体内包粒子を用いた場合に、磁性体内包粒子の自己凝集が抑制され、クロマト展開性が向上するとともに、高感度な免疫測定を可能することができる。
本発明によれば、クロマト展開性に優れ、高感度な免疫測定を行うことが可能な磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及びこれを用いた免疫測定法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)磁性体内包粒子の作製
磁性流体「フェリコロイドHC50(タイホー工業社製)」10.0g(磁性体5g含有)をインキュベーター中で80℃にて12時間乾燥し、濃縮された磁性流体7.0gを得た。得られた磁性流体にヘキサン3gを加えて、一晩放置し、磁性体を分散させて磁性体分散液を得た。
得られた磁性体分散液の全量に対して、スチレン10g、ヘキサデカン0.8g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.05gを加え、スターラーを用いて氷冷下で混合してモノマー混合液を得た。
次いで、水100gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8gを溶解させた水溶液を、得られたモノマー混合液を加え、出力200Wのプローブ型の超音波ホモジナイザー(Sonifier model250、Branson社製)を用いて、氷冷下、出力目盛り5(70W)で2分間処理して、磁性体を含むモノマー混合液の液滴が水中に分散したミニエマルジョン溶液を調製した。
得られたミニエマルジョン溶液を窒素雰囲気下、80℃で、24時間重合することにより、磁性体内包粒子分散液を得た。
次いで、得られた磁性体内包粒子分散液のうち、ネオジム磁石を用いて1分間で磁石に引き寄せられる磁性体含有率が高い分画を、磁性体内包粒子として分取した。
得られた磁性体内包粒子について、動的光散乱光度計(Photal PAR−IIIS、大塚電子社製)を用いて動的光散乱法により粒子径を測定したところ、平均粒子径は263nmであった。また、得られた磁性体内包粒子を水で希釈し、金属メッシュで支持したコロジオン膜上に沈着固定した後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、磁性体の分散径を測定したところ、10〜25nmであった。更に、TG−DTA分析により磁性体内包粒子中の磁性体含有量を測定したところ67重量%であった。
(2)免疫測定用粒子の作製
得られた磁性体内包粒子5.0mgにpH9.5の水酸化カリウム水溶液1mLを加え、15000RPMにて20分間遠心分離後、上清を除去し、分散液に存在する界面活性剤を除去した。続いて、得られた磁性体内包粒子に、0.02Mリン酸バッファー1.0mLを添加し、超音波で再分散後、15000RPMにて20分間遠心分離し、上清を除去した。この遠心洗浄操作を3回繰り返した。
続いて、得られた磁性体内包粒子に、0.02Mリン酸バッファー1.0mLを添加し、抗α−hCGモノクローナル抗体100μg加え、37℃恒温槽中で2時間攪拌した。その後、15000RPMにて20分間遠心分離を行い、未反応の抗α−hCGモノクローナル抗体を除去した。なお、粒子への抗α−hCGモノクローナル抗体結合量は、上清の蛋白濃度測定から仕込みの72%であることを確認した。
得られた磁性体内包粒子を100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、再度遠心分離を行った。その後、磁性体内包粒子を、牛血清アルブミンが1%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、37℃恒温槽で1時間撹拌し、ブロッキング処理を行った。次いで、15000RPMにて20分間遠心分離を行い、牛血清アルブミン及びグリセロールを各々1%(w/v)、アジ化ナトリウムを0.01%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH7.5)1mLに分散させ、免疫測定用粒子を得た。
(実施例2)
出力200Wのプローブ型の超音波ホモジナイザー(Sonifier model250、Branson社製)を用いて、氷冷下、出力目盛り3(30W)で5分間処理したこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒子径310nm、磁性体の分散径10〜25nm、磁性体の含有量62重量%の磁性体内包粒子及び免疫測定用粒子を得た。
(比較例1)
磁性流体「フェリコロイドHC50」4.0g(磁性体2g含有)をインキュベーター中で80℃にて12時間乾燥し、濃縮された磁性流体3.0gを得た。次いで、得られた磁性流体にヘキサン1gを加え、一晩放置し、磁性体分散液を得た。
得られた磁性体分散液について、出力400Wのプローブ型の超音波ホモジナイザー(Sonifier model450、Branson社製)を用いて出力目盛り5(110W)で10分間処理したこと、及び、磁性体内包粒子分散液のうち、ネオジム磁石を用いて5分間で磁石に引き寄せられる分画を磁性体内包粒子として分取したこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径180nm、磁性体の分散径10〜25nm、磁性体の含有量36重量%の磁性体内包粒子及び免疫測定用粒子を得た。
(比較例2)
0.5mol/Lの硫酸第一鉄水溶液50mLと、0.5mol/Lの硫酸第二鉄水溶液50mLとの混合液に、更に2mol/Lの水酸化ナトリウム110mLを混合し、マグネタイトを得た。得られたマグネタイト5gに5重量%のオレイン酸ナトリウム溶液40gを添加し、オレイン酸によって被覆された磁性体を得た。得られた磁性体5gにヘキサン1gを加え、磁性体分散液を得た。
得られた磁性体分散液について、出力400Wのプローブ型の超音波ホモジナイザー(Sonifier model450、Branson社製)を用いて、出力目盛り5(110W)で10分間処理したこと、及び、磁性体内包粒子分散液のうち、ネオジム磁石を用いて5分間で磁石に引き寄せられる分画を磁性体内包粒子として分取したこと以外は実施例1と同様にして、平均粒子径230nm、磁性体の分散径20〜40nm、磁性体の含有量41重量%の磁性体内包粒子及び免疫測定用粒子を得た。
(比較例3)
実施例1で得られた磁性体分散液について、出力400Wのプローブ型の超音波ホモジナイザー(Sonifier model450、Branson社製)を用いて、出力目盛り7(140W)で10分間処理したこと、及び、磁性体内包粒子分散液のうち、ネオジム磁石を用いて60分間で磁石に引き寄せられる分画を磁性体内包粒子として分取したこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒子径110nm、磁性体の分散径10〜30nm、磁性体の含有量28重量%の磁性体内包粒子及び免疫測定用粒子を得た。
(比較例4)
市販の磁性体内包粒子(エスタポールM1―030/40、メルク社製、平均粒子径420nm、磁性体の分散径15〜35nm、磁性体の含有量40.2重量%)を用い、磁性体内包粒子12.5mgにpH9.5の水酸化カリウム水溶液1mLを加え、15000RPMにて10分間遠心分離後、上清を除去し、分散液に添加されている界面活性剤を除去した。続いて、得られた沈渣に、0.02Mリン酸バッファーを625μL、予め調整した2%濃度のカルボジイミド溶液(PBSバッファー)を0.625mL添加し、37℃恒温槽中で1.5時間攪拌した。反応溶液は、15000RPMにて10分間遠心分離を行い、上清を除去後、0.02Mリン酸バッファー1.2mLを添加し、超音波で再分散した。この遠心洗浄操作を3回繰り返し、未反応のカルボジイミドを除去した。
続いて、得られた沈渣に、0.1Mホウ酸バッファー1.2mLを添加し、抗α−hCGモノクローナル抗体200μg加え、37℃恒温槽中で一晩攪拌した。翌日、反応溶液に30mMグリシン溶液(ホウ酸バッファー)50μLを添加し、37℃恒温槽中で30分間攪拌した。その後、15000RPMにて10分間遠心分離を行い、未反応の抗α−hCGモノクローナル抗体を除去した。なお、粒子への抗α−hCGモノクローナル抗体結合量は、上清の蛋白濃度測定から仕込みの65%であることを確認した。
得られた沈渣を100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、再度遠心分離を行った。得られた沈渣を、牛血清アルブミンが1%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、37℃恒温槽で30分間撹拌し、ブロッキング処理を行った。その後、15000RPMにて10分間遠心分離を行い、その沈渣を牛血清アルブミン及びグリセロールを各々5%(w/v)、アジ化ナトリウムを0.01%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH7.5)1mLに分散させ、免疫測定用粒子を得た。
(評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた免疫測定用粒子について、以下の方法により性能評価を行った。
ニトロセルロースメンブレン(SRHF P70、日本ミリポア社製)を幅20cm×長さ6cmに裁断し、その長さ方向上端より2cmの部位(反応部位)に、抗β−hCGモノクローナル抗体を2.0mg/mLの濃度になるようにトリス塩酸緩衝液(10mmol/L、pH7.4)に溶解した溶液を幅0.7mmの直線状に塗布した。その後、37℃で2時間乾燥した後、牛血清アルブミン(和光純薬社製)を1重量%の濃度になるようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液に1時間浸漬し、ブロッキング処理を行った。さらにその後、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.1重量%の濃度になるようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液にて洗浄後、シリカゲルデシケーター内で室温下にて乾燥し、抗β−hCGモノクローナル抗体を固定化した試験片を得た。
得られた試験片を幅5mmに裁断し、長さ方向上端に幅5mm×長さ20mmの吸水パッド(AP22、日本ミリポア社製)を、下端に幅5mm×長さ15mmのコンジュゲートパッド(グラスファイバー、日本ミリポア社製)を重ね、透明なテープで固定して試験片とした。
試験液として、牛血清アルブミン1%(w/v)、トリトン−100 0.03%(w/v)、及び、hCG濃度が0mIU/mL、10mIU/mL、50mIU/mL、100mIU/mLになるような生理食塩水を調製した。
次いで、各試験液200μLに免疫測定用粒子10μgを添加、混合した後、作製した試験片のコンジュゲートパッドに100μLをそれぞれ滴下した。
滴下から20分経過後、市販のGMRセンサ(差動磁界センサ、NVE社製)を用いて、試験片の反応部位の磁性量を測定した。
測定結果を表1に示した。
Figure 2006292721
表1に示したように、実施例1〜2で作製した免疫測定用粒子では、滴下から20分後において、hCG濃度を0mIU/mLとした場合を除いた全ての試験片で一定の磁性量が検出された。また、検出された磁性量は、hCG濃度に依存していることが確認された。これにより、実施例1で作製した免疫測定用粒子は、磁性を標識とする免疫測定法に有用であることが判った。
一方、比較例1、3で作製した免疫測定用粒子では、hCGが高濃度の場合、磁性量が確認できたが、hCGが低濃度(比較例1:10mIU/mL、比較例3:50mIU/mL)の場合は、磁性量が検出限界以下であるため、検出できなかった。
また、比較例2、4で作製した免疫測定用粒子では、何れの試験片においても反応部位及び反応部位までの部位で免疫測定用粒子に基づく着色が認められた。特に、コンジュゲートパッドを重ねた部位付近の着色があり、免疫測定用粒子が滞留していることが認められた。また、被検物質が存在しない場合(0mIU/mL)にも、磁性量が検出されていることから、非特異的に反応部位に免疫測定用粒子が捕捉されてしまうことが判った。
本発明によれば、クロマト展開性に優れ、高感度な免疫測定を行うことが可能な磁性体内包粒子、磁性体内包粒子の製造方法、免疫測定用粒子及びこれを用いた免疫測定法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 有機高分子物質と、前記有機高分子物質中に分散した磁性体とからなる、平均粒子径が50〜500nmの磁性体内包粒子であって、前記有機高分子物質中における前記磁性体の分散径が1〜30nmであり、かつ、前記磁性体を50〜80重量%含有することを特徴とする磁性体内包粒子。
  2. 磁性体は、超常磁性を有するものであることを特徴とする請求項1記載の磁性体内包粒子。
  3. 磁性体は、酸化鉄であることを特徴とする請求項2記載の磁性体内包粒子。
  4. 有機高分子物質は、スチレン系モノマーに由来するセグメントを60重量%以上含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁性体内包粒子。
  5. 有機溶媒中に磁性体を分散させた磁性体分散液と、モノマー、重合開始剤、及び、共界面活性剤を含有するモノマー溶液とを混合してモノマー混合液を調製する工程1、
    前記モノマー混合液を、界面活性剤を溶解させた水系媒体に滴下し、微分散させることにより、不均一なモノマー液滴が形成したミニエマルジョン溶液を調製する工程2、
    前記モノマー液滴を重合させ、磁性体内包粒子分散液を調製する工程3、及び、
    前記磁性体内包粒子分散液から、磁気分離法により磁性体含有率が50〜80重量%の粒子を分画し、回収する工程4を有する
    ことを特徴とする磁性体内包粒子の製造方法。
  6. 工程2において、出力が5〜200Wの超音波で微分散させることを特徴とする請求項5記載の磁性体内包粒子の製造方法。
  7. 請求項1、2、3又は4記載の磁性体内包粒子と、前記磁性体内包粒子に結合又は吸着した抗原又は抗体とからなることを特徴とする免疫測定用粒子。
  8. 請求項1、2、3又は4記載の磁性体内包粒子を担体として用い、前記磁性体内包粒子の磁性量を標識として分析を行うことを特徴とする免疫測定法。
  9. 免疫クロマト法を用いて分析を行うことを特徴とする請求項8記載の免疫測定法。
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