本発明の実施の一形態について図1ないし図18に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本実施の形態におけるセキュリティシステムは、家屋のセキュリティを監視するものとして、いわゆるホームセキュリティについて具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
〔A:セキュリティシステムの構成〕
図2は、本発明の実施の形態に係るセキュリティシステム1の概略構成を示す概略図である。図2に示すように、セキュリティシステム1は、監視システム11と携帯電話機(携帯電話)12とを含んでおり、この監視システム11と携帯電話機12とが、外部ネットワーク13を介して互いに通信可能に接続されている。
監視システム11は、家屋内外のセキュリティを行う領域(セキュリティ領域)における種々の状態を監視するものである。また、携帯電話機12は、監視システム11のユーザによって予め登録された携帯電話機である。すなわち、上記セキュリティシステム1は、監視システム11がセキュリティ領域に何らかの異常が発生したと判断した場合に、外部ネットワーク13を介して、ユーザによって予め登録された携帯電話機12にその旨を通知するものである。これにより、ユーザは、セキュリティ領域に異常が発生したことを知ることができることとなっている。以下、具体的に説明する。
〔A−1:監視システム〕
図3は、上記セキュリティシステム1における監視システム11の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、監視システム11は、センサ21、カメラ(無線通信装置)22、アクチュエータ23、メインコントローラ(他の通信装置)25を備えている。
(センサ)
センサ21は、侵入等の異常状態を検知し、警報を発する機器である。具体的には、センサ21は、セキュリティ領域の状態を監視して、その状態の変化を検知する。また、センサ21は、状態の変化を検知して、異常状態であるか否かを判断し、異常状態である場合には、その旨をメインコントローラ25に通知する。なお、異常とは、災害や侵入等のセンサで検知した異常状態を総称したものとする。
上記センサ21としては、例えば、ドップラーセンサ、振動センサ、MIR(Micro Impulse Radar)センサ等を用いることができる。ただし、用いることができるセンサとしては、セキュリティ領域の状態の変化を識別するものであればよく、上記各センサに限定されるものではない。他にも、例えば、焦電センサやリードSW等を用いることもできる。また、セキュリティシステム1の仕様等によって、使用するセンサの数や種類、それらの組み合わせを適宜変えてもよい。
上記の振動センサは、振動や音を検知するものである。振動センサは、例えばドアに設置することにより、ドアの振動を検知することや、ピッキング等の鍵を触る際の音や振動を検知することができる。また、焦電センサやドップラーセンサを設置することにより、人の存在や物体移動を検知することができる。また、リードSWやMIRセンサをドアや窓に設置することによって、ドアや窓の開閉を検知したり、窓ガラスが割られたこと等を検知したりすることができる。なお、MIRセンサとは、反射を見て物体を検知するものである。
図4は、センサ21の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、センサ21は、検知部51、センサ制御部52、センサ通信部53、センサ電源部54、センサ電源監視部55を備えている。なお、上記にて例示した各センサは、検知する対象が異なるのみであり、構成は各センサについて同様の説明が適用できる。
検知部51は変化に関する情報(変化情報)を検知するものである。この変化情報とは、検知部51が検知した状態の変化の程度(状態の変化のレベル)に関する情報である。検知部51にて検知した変化情報は、センサ制御部52へと送信される。
センサ制御部52は、センサ21全体を制御するものであり、例えば、異常の判定、異常の通知、センサ電源部54として電池を使用した場合の電池残量監視等を行っている。具体的には、センサ制御部52は、検知部51にて検知した変化情報を受信すると、検知部51が検知した状態変化のレベルが異常なレベル(異常状態)であるか否かの判断を行う。
センサ制御部52には、予め、検知部51にて検知した変化情報が異常を示すものであるか否かを判定するための閾値が記憶されている。このため、センサ制御部52は、検知部51から送信された変化情報を閾値と比較して、閾値を超えている場合に異常であると判定する。センサ制御部52は、異常であると判定した場合には、その旨を示す異常通知をメインコントローラ25に送信する。センサ制御部52からの異常通知はセンサ通信部53を介して行われる。
センサ通信部53は、センサ21がメインコントローラ25と通信を行うためのインターフェースである。センサ21は、メインコントローラ25と無線通信を行うようになっており、本実施の形態では、センサ21とメインコントローラ25とは、特定小電力無線を用いた無線通信を行っている。このため、センサ通信部53は、特定小電力無線用のRFIC(無線タグ)を備えた構成を有している。センサ制御部52からの異常通知は、センサ通信部53からメインコントローラ25へと送信される。
なお、本実施の形態におけるセンサ21とメインコントローラ25との通信は、センサ21からメインコントローラ25への単方向通信となっているが、これらの間の通信は、双方向通信であってもよい。ただし、双方向通信とする場合には、常に相手装置からの信号を受信できるような待機状態にしておく必要がある。このため、消費電力は大きくなる。これに対して、本実施の形態のように単方向通信とする場合には、検知部51にて異常を検知した際にメインコントローラ25に対してその旨を通知すればよいため、消費電力を小さくすることができる。
また、センサ電源部54は、センサ21の各部材を駆動させるための電源である。センサ電源部54は、AC電源や電池とすることができる。ただし、センサ21の設置箇所はドアや窓等であることが多いため、電池を用いることが好ましい。この場合、センサ21は、通信用の線および電源用の線の双方共に不要となり、いわゆるフルワイヤレス化を図ることができる。なお、電池としては、一次電池、二次電池、太陽電池等を用いることができる。
センサ電源部54に電池を使用する場合、電池が全て消費され、センサ21の駆動が停止することのないように電池残量を監視する必要がある。このため、センサ21は、電池残量を監視するセンサ電源監視部55を備えている。センサ電源監視部55は、電池の残量を定期的に監視しており、その監視結果をセンサ制御部52に送信する。センサ制御部52は、監視結果に基づいて電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。センサ制御部52によって電池残量が所定値以下であると判断された場合には、センサ通信部53はその旨を示す電池残量低下通知をメインコントローラに送信する。
なお、本実施の形態では、「センサ21」と記載した場合に、上記各種センサのうちの1つを示すのみならず、上記各種センサの複数を示す場合も含む。
(カメラ)
カメラ23は、セキュリティ領域の状態を撮影するものである。図1は、カメラ23の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、カメラ23は、カメラ第1通信部(第1の通信部)61、カメラ第2通信部(第2の通信部)62、カメラ制御部63、カメラモジュール(取得手段、撮影部)64、カメラ電源部65、カメラ電源監視部66、LED67を備えている。
カメラ第1通信部71およびカメラ第2通信部62は、カメラ23がメインコントローラ24と通信を行うためのインターフェースである。本実施の形態では、カメラ23とメインコントローラ25との通信には無線通信が用いられている。また、カメラ第1通信部61を介して行われる通信と、カメラ第2通信部62を介して行われる通信とは、互いに異なる通信方式が採用されている。
具体的には、カメラ第1通信部61を介して行われる無線通信には、特定小電力無線が用いられている。また、カメラ第2通信部62を介して行われる無線通信には、IEEE802.11b規格に準拠した無線通信(以下「無線LAN」と称する)が用いられている。特定小電力無線の通信方式は消費電力が小さく、無線LANの通信方式は消費電力が大きいため、通信するデータの種類に応じて無線LANによる通信を最小限に抑えることが、異なる通信方式を採用するねらいである。
ただし、使用する通信方式は、上記に限定されるものではなく、通信速度の異なる通信方式となるような組み合わせであればよい。カメラ第1通信部61を介して行われる無線通信に特定小電力無線を用いる場合に、カメラ第2通信部62を介して行われる無線通信には、IEEE802.11規格に準拠した無線通信(例えば、802.11a、802.11g等)やIEEE802.15規格に準拠した無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、ZigBee(登録商標)等)を用いることもできる。
カメラ制御部63は、カメラ23全体を制御するものであり、例えば、カメラモジュール64に対する撮影指示や撮影した画像データの受信制御、後述するLED67の点灯制御や電池残量監視等を行うものである。
図1に示されるように、カメラ制御部63は、コマンド処理部(伝送要求取得手段、第2通信部駆動手段)69、通信手段−送信データ対応付記憶部(第2通信部用データ識別情報記憶部)60、およびカメラ通信制御部(選択手段)68を備えている。
コマンド処理部69は、カメラ第1通信部61またはカメラ第2通信部62を介してメインコントローラ25から受信した制御コマンド、もしくは、カメラ電源監視部66から受けた制御コマンドに応じた処理を行うものである。
具体的には、コマンド処理部69は、カメラ第1通信部61を介して、メインコントローラ25から、画像伝送要求コマンド、無線LANの設定コマンドなどを受け付ける。また、コマンド処理部69は、カメラ第2通信部62を介して、メインコントローラ25から、撮影制御コマンドなどを受け付ける。さらに、コマンド処理部69は、カメラ電源監視部66から、電池電圧値を含み、電池残量が所定閾値か否かの判定を要求する電池残量判定コマンドを受け付ける。
画像伝送要求コマンドを受け付けた場合、コマンド処理部69は、カメラモジュール64、LED、およびカメラ第2通信部62を所定時間(例えば、30秒)だけ起動(駆動)させる。そして、コマンド処理部69は、画像伝送要求コマンドを受信したことを通知するための応答データを送信データとして生成し、生成した応答データをカメラ通信制御部68に出力する。続けて、コマンド処理部69は、カメラモジュール64によって撮影された画像データを送信データとして生成し、カメラ通信制御部68に出力する。
また、コマンド処理部69は、カメラモジュール64が撮影を行っている間において、上記撮影制御コマンドを受付可能である。そして、撮影制御コマンドを受け付けた場合、コマンド処理部69は、当該撮影制御コマンドに応じて、カメラモジュール64を制御する。例えば、拡大/縮小指示を示す撮影制御コマンドである場合、コマンド処理部69は、カメラモジュール64の撮影範囲を変化させる。
無線LANの設定コマンドを受け付けた場合、コマンド処理部69は、カメラ第2通信部62の通信条件の設定処理を行う。
電池残量判定コマンドを受けた場合、コマンド処理部69は、当該電池残量判定コマンドに含まれる電池電圧が所定閾値以下であるか否かを判定する。そして、所定閾値以下である場合に、コマンド処理部69は、電池残量が低下したことを示す電池残量低下通知データを送信データとして生成し、カメラ通信制御部68に出力する。
なお、コマンド処理部69は、生成した送信データに、当該送信データの内容(種類)を示すデータ識別情報を含ませている。すなわち、コマンド処理部69は、画像データに対して、画像であることを示すデータ識別情報「画像」を含ませている。同様に、コマンド処理部69は、画像伝送要求コマンドに対する応答データに対して、画像伝送要求コマンドの受付に対する応答であることを示すデータ識別情報「応答」を含ませている。また、コマンド処理部69は、電池残量低下通知データに対して、データ識別情報「通知」を含ませている。
このように、コマンド処理部69が生成する送信データは、データ識別情報「画像」「応答」「通知」のいずれかである。ここで、データ識別情報「画像」が含まれる画像データは、比較的データ容量(例えば、10kbyte)が大きく、それ以外の送信データは、データ容量(例えば、10byte)が小さい。
なお、本実施形態では、コマンド処理部69は、シングルタスクで処理を行うものとする。これにより、コマンド処理部69の構成が簡単となる。
通信手段−送信データ対応付記憶部60は、カメラ第2通信部62で送信する送信データの内容(種類)を示すデータ識別情報(第2通信用データ識別情報)を記憶するものである。本実施形態では、通信手段−送信データ対応付記憶部60は、第2通信用データ識別情報として、「画像」のみを記憶している。
なお、通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶される第2通信用データ識別情報は、予め定められたものである。
本実施形態では、カメラモジュールは、所定時間(例えば、30秒)だけ駆動され、撮影する。そのため、カメラモジュールによって撮影された画像データのデータ容量は、ほぼ一定となる(約10kbyte)。そして、第2通信用データ識別情報としては、通常のデータ容量が所定閾値(例えば、100byte)よりも大きくなる(と想定される)送信データである画像データに対応するデータ識別情報が予め設定されている。言い換えると、第2通信用データ識別情報として、特定小電力無線の通信速度で送信した場合に要する通常の時間が所定時間(例えば、30秒)よりも大きくなる(と想定される)送信データである画像データに対応するデータ識別情報が予め設定されている。
カメラ通信制御部68は、コマンド処理部69から受けた送信データの中からデータ識別情報を読み取り、読み取ったデータ識別情報が上記通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されているか否かを判断する。送信データから抽出したデータ識別情報が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されている場合、カメラ通信制御部68は、カメラ第2通信部62を用いて、送信データを送信させる。一方、送信データから抽出したデータ識別情報が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されていない場合、カメラ通信制御部68は、カメラ第1通信部61を用いて、送信データを送信させる。
このように、カメラ通信制御部68は、カメラ23からメインコントローラ25への通信方式の切り替えを制御するものである。すなわち、カメラ通信制御部68は、通信を行うデータの種類に応じて、特定小電力無線を用いた通信と無線LANを用いた通信とを切り替える(選択する)機能を有している。カメラ通信制御部68は、特定小電力無線を用いた通信を行う場合には、カメラ第1通信部61を介して通信を行うように制御し、無線LANを用いた通信を行う場合には、カメラ第2通信部62を介して通信を行うように制御する。
本実施の形態は、通常はカメラ第1通信部61を介して通信を行い、画像を撮影する一連の手順の中で画像データを転送する段になった際にカメラ第2通信部62に切り替えて通信を行っている。すなわち、カメラ通信制御部68は、画像を撮影する一連の手順の中で画像データを転送する段になった際にカメラ第1通信部61ではなくカメラ第2通信部62を選択している。
カメラモジュール64は、カメラ制御部63の指示に基づいて所定の画像を撮影するものである。カメラモジュール64は、CCD等の撮像装置を備えており、例えば、異常が発生した場合に、その異常の状態を撮影したり、ユーザの指示により画像を撮影したりする。また、カメラモジュール64は、パン/チルト機能を有していることが好ましい。この場合、定点画像ではなく、ある程度の範囲を含む空間を撮影することができる。
また、カメラモジュール64で撮影する画像は、静止画でもよく動画でもよい。カメラモジュール64で撮影された画像データは、カメラ制御部63へと送られる。そして、この画像データはカメラ制御部63の制御によって、カメラ第2通信部62を介してメインコントローラ25に送信される。
カメラ電源部65は、カメラ23の各部材を駆動させるための電源である。カメラ電源部65としては、電池を用いることができる。この場合、カメラ23には通信用の線および電源用の線の双方共に不要となるため、カメラ23の取り付け位置に制限がなくなる。なお、使用する電池は、一次電池でも二次電池でもよい。
また、カメラ電源監視部66は、電源として用いた電池の残量を監視するものである。カメラ電源監視部66は、監視結果(例えば、電池電圧値)を含み、電池残量が低下しているか否かの判定を要求する電池残量判定コマンドを定期的に生成し、カメラ制御部63に出力する。そして、カメラ制御部63は、電池の残量が所定値以下であるか否かを判断し、所定値以下であると判断した場合(例えば一定の電圧以下になった場合)に、その旨を示す電池残量低下通知をメインコントローラに送信する。
なお、カメラ電源部65としては、電池を用いることに限定されるものではなく、AC電源を用いることもできる。この場合には、電池残量を監視するカメラ電源監視部66は不要となる。また、AC電源を用いた場合には、消費電力が大きい動画の撮影や動画の画像データの送信を容易に行うことが可能となる。
LED67は、照明用のライトである。LED67は、撮影の際に、カメラ設置箇所の明るさが十分でない場合に点灯する。LED67は、手動で点灯させることもでき、自動で点灯させることもできる。LED67を手動で点灯させる場合には、携帯電話機12からメインコントローラ25にアクセスしてLED67を点灯させることができる。また、LED67を自動で点灯させる場合には、例えば、カメラ制御部63が、カメラ設置箇所の明るさを検知して撮影可能な明るさであるか否かを判定し、撮影可能な明るさでないと判定した場合にLED67を点灯させればよい。
上述のように、カメラ23とメインコントローラ25との通信は、カメラ第1通信部61およびカメラ第2通信部62を介した無線通信によって行われる。また、カメラ第1通信部61とメインコントローラ25との通信は特定小電力無線が用いられ、カメラ第2通信部62とメインコントローラ25との通信は無線LANが用いられている。カメラ23とメインコントローラ25との通信に関する詳細については後述する。
(アクチュエータ)
アクチュエータ22は、異常が発生した際に、外部に向けて異常を知らせたり、不審者等を威嚇したりするものである。アクチュエータ22は、メインコントローラ25と通信可能に接続されており、メインコントローラ25からの指示に基づいて異常の通報や威嚇を行っている。図5は、アクチュエータ22の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、アクチュエータ22は、アクチュエータ通信部71、アクチュエータ制御部72、通報威嚇部73、アクチュエータ電源部74、アクチュエータ電源監視部75を備えている。
アクチュエータ通信部71は、アクチュエータ22がメインコントローラ25と通信を行うためのインターフェースである。アクチュエータ22とメインコントローラ25との通信は、無線でも有線でもよい。ただし、アクチュエータ22の設置箇所に制限がなくなるという点から無線通信を用いることが好ましい。本実施の形態では、無線通信方式として特定小電力無線を用いている。
異常が発生した場合、アクチュエータ通信部71は、メインコントローラ25から送信された異常の発生に関する信号(異常信号)を受信する。アクチュエータ通信部71にて受信した異常信号は、アクチュエータ制御部72に送られる。
アクチュエータ制御部72は、アクチュエータ22全体を制御するものである。すなわち、アクチュエータ制御部72は、上記アクチュエータ通信部71を制御して、メインコントローラ25との通信を行う。また、アクチュエータ制御部72は、メインコントローラ25から異常信号を受信すると、その信号に応じて通報威嚇部73を駆動する。
通報威嚇部73は、異常があったことを「音」や「光」等で外部に知らせると共に、侵入者等を威嚇するものである。通報威嚇部73としては、具体的には、例えばベル、ブザー、サイレン、照明等を用いることができる。
なお、アクチュエータ22は、少なくともメインコントローラ25から異常信号を受信できるものであればよく、アクチュエータ22とメインコントローラ25との通信は、単方向通信でもよく双方向通信でもよい。ただし、アクチュエータ22を駆動させる電源として電池を用いる場合には、アクチュエータ22からメインコントローラ25に対して電池残量に関するデータを送信する必要があるため、この場合には双方通信であることが好ましい。
なお、アクチュエータ22を駆動させるアクチュエータ電源部74としては、AC電源や電池を用いることができるが、電池を用いることが好ましい。この場合、アクチュエータ22は、通信用の線および電源用の線の双方共に不要となり、いわゆるフルワイヤレス化を図ることができる。なお、電池としては、一次電池、二次電池、太陽電池等を用いることができる。
また、アクチュエータ電源部74として電池を用いる場合には、電池残量を監視するアクチュエータ電源監視部75を備えていることが好ましい。アクチュエータ電源監視部75は、電池の残量を定期的に監視しており、その監視結果をアクチュエータ制御部72に送信する。アクチュエータ制御部72は、監視結果に基づいて電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。アクチュエータ22は、アクチュエータ制御部72によって電池残量が所定値以下であると判断された場合には、アクチュエータ通信部71を介してメインコントローラ25にその旨を送信する。
(メインコントローラ)
メインコントローラ25は、上記センサ21、カメラ23およびアクチュエータ22を制御することにより、監視システム11全体を制御するものである。図6は、メインコントローラ25の概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、メインコントローラ25は、第1通信部(通信手段)81、第2通信部(通信手段)82、外部通信部83、制御部(制御手段)84、電源監視部85、記憶装置86、時計部87を備えている。
第1通信部81および第2通信部82は、メインコントローラ25が、センサ21、カメラ23およびアクチュエータ22と通信を行うためのインターフェースである。すなわち、メインコントローラ25は、第1通信部81および第2通信部82を介して、センサ21、カメラ23およびアクチュエータ22と通信を行っている。
また、第1通信部81を介して行われる通信と、第2通信部82を介して行われる通信とは、互いに異なる通信方式が採用されている。具体的には、第1通信部81を介して行われる通信には特定小電力無線が用いられ、第2通信部82を介して行われる通信には無線LANが用いられている。
外部通信部83は、メインコントローラ25が、外部ネットワーク13と通信を行うためのインターフェースである。メインコントローラ25は、外部通信部83を介してイーサネット(登録商標)等と接続されている。すなわち、監視システム11は、イーサネット(登録商標)を介して外部ネットワーク13と接続されている。
このように、メインコントローラ25は、センサ21、カメラ23およびアクチュエータ22と通信可能に接続されていると共に、外部ネットワーク13と通信可能に接続されている。
制御部84は、メインコントローラ25全体を制御するものであり、通信制御部88とセキュリティ管理制御部89と通信手段−制御コマンド対応付記憶部80とを備えている。
セキュリティ管理制御部89は、セキュリティシステム1の警戒状態の設定を含む各種設定を行うための制御や、センサ21やカメラ23から送信されたデータに基づいて異常である旨をユーザに通知するための制御を行うものである。
セキュリティ管理制御部89は、センサ21、カメラ23およびアクチュエータ22を制御するための制御コマンドを生成するものである。制御コマンド生成部は、生成した制御コマンドを通信制御部88に出力する。
具体的には、セキュリティ管理制御部89は、外部通信部から受けた指示に応じて、制御コマンドを生成する。制御コマンド生成部が生成する制御コマンドには、カメラ23に対する画像伝送要求コマンド、カメラ23に対する撮影制御コマンド、カメラ23に対する無線LANの設定コマンド、センサ21に対する機能のオン/オフの切替コマンド、アクチュエータに対する威嚇開始指示などが含まれる。
なお、セキュリティ管理制御部89は、生成する制御コマンドの中に、当該制御コマンドの種類を示すコマンド識別情報を含ませている。
通信手段−制御コマンド対応付記憶部80は、第2通信部82を用いて送信する制御コマンドの種類を識別するコマンド識別情報(第2通信用コマンド識別情報)を記憶している。本実施形態では、通信手段−制御コマンド対応付記憶部80は、第2通信用コマンド識別情報として、「撮影制御」のみを記憶している。
通信制御部88は、第1通信部81、第2通信部82および外部通信部83を制御するものである。すなわち、通信制御部88は、センサ21、カメラ23、アクチュエータ22および外部ネットワークに対する通信を制御している。
通信制御部88は、メインコントローラ25からカメラ23やセンサ21への通信方式の切り替えを制御するものである。すなわち、通信制御部88は、通信を行うデータの種類に応じて、特定小電力無線を用いた通信と無線LANを用いた通信とを切り替える(選択する)機能を有している。通信制御部88は、特定小電力無線を用いた通信を行う場合には、第1通信部81を介して通信を行うように制御し、無線LANを用いた通信を行う場合には、第2通信部82を介して通信を行うように制御する。
具体的には、通信制御部88は、セキュリティ管理制御部89から制御コマンドを受け付けた場合、当該制御コマンドの中からコマンド識別情報を抽出し、抽出したコマンド識別情報が上記通信手段−制御コマンド対応付記憶部80に第2通信用コマンド識別情報として記憶されているか否かを判断する。制御コマンドから抽出したコマンド識別情報が通信手段−制御コマンド対応付記憶部80に記憶されている場合、通信制御部88は、第2通信部82を用いて、制御コマンドを送信させる。一方、制御コマンドから抽出したデータ識別情報が通信手段−制御コマンド対応付記憶部80に記憶されていない場合、通信制御部88は、第1通信部81を用いて、制御コマンドを送信させる。
また、通信制御部88は、第1通信部81または第2通信部82を介してカメラ23またはセンサ21から受けた端末向けデータを、外部通信部を用いて、予め登録されている携帯電話機12に送信する。例えば、通信制御部88は、カメラ23から受信した画像データや、センサ21から受信した異常通知を、携帯電話機12に送信する。
このように、本実施の形態では、通常は第1通信部81を介して通信を行い、画像データを受信する段になった際に第2通信部82に切り替えて通信を行っている。
電源監視部85は、メインコントローラ25を駆動させるための電源を監視するものである。メインコントローラ25を駆動させるための電源としては、一次電池、二次電池、太陽電池やAC電源のいずれを用いてもよい。メインコントローラ25は、メインコントローラ25の電源が一次電池または二次電池である場合に電源監視部85を備えている。すなわち、電源監視部85は、メインコントローラ25の電源がAC電源または太陽電池といった交換不要な(永久的な)電源でない場合に電池の残量を監視すればよい。
この場合、電源監視部85による監視結果が制御部84に送られ、制御部84は、電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。判断の結果、電池残量が所定値以下である場合には、メインコントローラ25は、外部通信部83を介してユーザの携帯電話機12にその旨のメールを送信する。
また、電源監視部85は、使用する電源が電池であるかAC電源であるかに関わらず、電源遮断を検知する機能を有していてもよい。この場合、電源監視部85は、何らかの原因で電源が遮断された場合に、それを検知することができる。そして、メインコントローラ25は、ユーザの携帯電話機12にその旨を通知するメールを送信してもよい。これにより、例えば、侵入者による故意的な電源遮断や停電といった不測事態による警戒中断をユーザに知らせることが可能となる。
また、メインコントローラ25は、電源が遮断された場合に、この電源が遮断されたという事実を記憶装置86に記憶させてもよい。さらに、メインコントローラ25は、時計部87の時間情報に基づいて、遮断された時間を併せて記憶させてもよい。時計部87は、時計機能を有するものであり、時間設定は手動でも自動でも行うことができる。自動で時間設定を行う場合とは、例えば、ネットワーク上の時計専用サーバから時間情報を取得する場合や、何らかのデータを受信した際に、そのデータに付加されている時計情報を取得する場合が挙げられる。手動で時間設定を行う場合には、携帯電話機12からメインコントローラ25にアクセスして時計機能の設定変更を行えばよい。
なお、記憶装置86には、電源遮断に関する情報の他に、発生した異常履歴や、カメラ23にて撮影した画像データ等を記憶させてもよい。また、アクチュエータ22を駆動させるための設定を記憶させてもよい。この場合、メインコントローラ25は、この設定に基づいてアクチュエータ22を駆動させる。
また、メインコントローラ25に複数の異なる色のLED等を設け、セキュリティシステム1が有する複数の警戒状態に応じて点灯させるLEDを変えてもよい。これにより、セキュリティシステム1が現時点でどの警戒状態にあるのかを簡単に判別することができる。例えば、セキュリティシステム1が外出モードの場合には赤色のLEDを点灯させ、在宅モードの場合には緑色のLEDを点灯させ、非警戒モードの場合にはLEDを消灯させることにより容易に判別できる。
(カメラとメインコントローラとの通信)
上述のように、カメラ23とメインコントローラ25との通信には、特定小電力無線および無線LANが用いられている。本実施の形態では、第1通信部81とカメラ第1通信部61とが特定小電力無線にて通信しており、第2通信部82とカメラ第2通信部62とが無線LANにて通信している。これら、第1通信部81とカメラ第1通信部61との通信、および第2通信部82とカメラ第2通信部62との通信は、各々双方向通信である。
ここで、第1通信部81からカメラ第1通信部61へ送信されるデータは、無線LANの設定に関するデータや、カメラ23の起動指示、カメラ23に対する撮影指示等である。一方、カメラ第1通信部61から第1通信部81へ送信されるデータは、カメラ23をメインコントローラ25に登録するための登録コマンド等である。
なお、無線LANの設定に関するデータとは、メインコントローラ25とカメラ23との無線LANによる通信(第2通信部82とカメラ第2通信部62との無線LANによる通信)を確立するために登録すべき設定用データである。このようなデータとしては、例えば、アドレス設定するためのデータ等がある。
一方、カメラ第2通信部62から第2通信部82へは、カメラ23にて撮影した画像データが送信される。また、第2通信部62とカメラ第2通信部82との通信においては、互いに無線LANの設定が正常に行われたか否かを確認するための通信(PING)が行われる。
なお、カメラは、通常の状態においては、カメラ第1通信部61およびカメラ制御部63のみが駆動している。他の部材は駆動しておらず、いわゆるスリープ状態になっている。この状態では、カメラ第1通信部61(すなわち、特定小電力無線を用いて通信を行う部材)は、メインコントローラ25から送信される起動指示(撮影指示)を待ち受ける、待機状態となっている。
カメラ第1通信部61は、メインコントローラ25から起動指示(撮影指示)を受信すると、カメラ制御部63によって各部材を起動させる。そして、撮影指示がある場合には、画像を撮影し、カメラ制御部63は、カメラ第2通信部62を介して(無線LANを用いて)画像データをメインコントローラ25に送信する。
以下に、カメラ23とメインコントローラ25との間の通信に関する処理の流れについて、カメラ23側の処理と、メインコントローラ25側の処理とに分けて説明する。
<カメラにおける処理の流れについて>
図14は、カメラ23における処理の流れを示すフローチャートである。カメラ23では、カメラ制御部63、カメラ第1通信部61およびカメラ電源監視部66が駆動しており、他の部材は駆動していない。この状態において、カメラ制御部63は、カメラ第1通信部61からの制御コマンド(ここでは、画像伝送要求コマンドもしくは無線LANの設定コマンド)、または、カメラ電源監視部66からの制御コマンド(ここでは、電池残量判定コマンド)を待ち受けている、待機状態となっている(S1)。
次に、カメラ制御部63のコマンド処理部69は、カメラ第1通信部61からの制御コマンド(ここでは、画像伝送要求コマンドもしくは無線LANの設定コマンド)の受信の有無、および、カメラ電源監視部66からの制御コマンド(ここでは、電池残量判定コマンド)の受信の有無を判断する(S2)。制御コマンドの受信がない場合(S2でNo)、再度、S2の処理を繰り返す。
一方、制御コマンドの受信があった場合(S2でYes)、コマンド処理部69は、受信した制御コマンドを解析し、画像伝送要求コマンドであるか否かを判断する(S3)。
画像伝送要求コマンドを受信した場合(S3でYes)、コマンド処理部69は、カメラモジュール64、LED、カメラ第2通信部62を駆動させる(S4)。これにより、カメラモジュール64が撮像を開始し、カメラ第2通信部62がメインコントローラ25と無線LANの通信を確立させる。
その後、コマンド処理部69は、画像伝送要求コマンドを受け付けた旨を示す応答データを生成し、カメラ通信制御部68に出力する。この際、コマンド処理部69は、応答データに、データの種類を示すデータ識別情報(ここでは、画像伝送要求コマンドに対する応答である旨を示す情報「応答」)を含ませている。そして、カメラ通信制御部68は、コマンド処理部69から受けた応答データからデータ識別情報を抽出し、抽出したデータ識別情報「応答」が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されているか否かを判断する。本実施形態では、データ識別情報「応答」が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されていないため、カメラ通信制御部68は、当該応答データをカメラ第1通信部61を用いて送信する(S5)。
次に、コマンド処理部69は、S4によって駆動されたカメラモジュール64によって撮影された画像データを、カメラ通信制御部68に出力する。この際、コマンド処理部69は、画像データに、データの種類を示すデータ識別情報(ここでは、画像であることを示す情報「画像」)を含ませている。そして、カメラ通信制御部68は、コマンド処理部69から受けた画像データからデータ識別情報を抽出し、当該データ識別情報「画像」が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されていることを認識する。そのため、カメラ通信制御部68は、当該画像データをカメラ第2通信部62を用いて送信する(S6)。このようにして、カメラ通信制御部68は、カメラモジュール64が撮影した画像データを、カメラ第2通信部62を用いて送信し続ける。
その後、コマンド処理部69は、カメラ第2通信部62が撮影制御コマンドを受信したか否かを判断する(S7)。撮影制御コマンドを受信した場合(S7でYes)、コマンド処理部69は、該撮影制御コマンドに応じた処理を行う(S8)。例えば、コマンド処理部69は、カメラモジュール64の焦点距離を制御し、撮影範囲の拡大/縮小を行う。その後、S9の処理に移行する。一方、撮影制御コマンドを受信しない場合も、S9の処理に移行する。
次に、コマンド処理部69は、カメラモジュール64、LED、カメラ第2通信部62を駆動させてから所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判断する(S9)。なお、コマンド処理部69は、図示しないタイマを備えており、該タイマを用いて経過時間を計測している。起動から所定時間経過していない場合(S9でNo)、S6の処理に戻り、画像データの送信処理が継続して行われる。一方、所定時間経過した場合(S9でYes)、コマンド処理部69は、カメラモジュール64、LED、カメラ第2通信部62の駆動を停止させる。その後、S1の処理に戻る。
また、上記S3において、受信した制御コマンドが画像伝送要求コマンドでない場合、コマンド処理部69は、受信した制御コマンドに従った処理を行う(S10)。このとき、コマンド処理部69は、必要に応じて、カメラ第1通信部61を用いた通信を行う。
具体的には、受信した制御コマンドが無線LANの設定コマンドである場合には、コマンド処理部69は、カメラ第2通信部62用の設定情報を更新する。
また、受信した制御コマンドが電池残量判定コマンドである場合、コマンド処理部69は、電池残量が低下したことを示す電池残量低下通知データを送信データとして生成し、カメラ通信制御部68に出力する。このとき、コマンド処理部69は、当該データにデータ識別情報「通知」を含ませている。そして、本実施形態では、データ識別情報「通知」が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されていないため、カメラ通信制御部68は、該電池残量低下通知データをカメラ第1通信部61を用いて送信する。
<メインコントローラにおける処理の流れについて>
次に、メインコントローラ25における、カメラ23との通信に関する処理の流れについて、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、セキュリティ管理制御部89は、外部通信部が携帯電話機12から現在の画像の伝送要求指示を受信したか否かを判断する(S11)。現在の画像の伝送要求指示には、カメラ23を識別するカメラ識別情報が付加されている。なお、ユーザは、主に、センサ21が検知した異常通知を携帯電話機12が受信したときに、カメラ23の画像の伝送要求指示を携帯電話機12に入力し、メインコントローラ25に送信する。これに限らず、ユーザは、カメラ23の画像の確認を行いたいと思ったときに、カメラ23の画像の伝送要求指示を携帯電話機12に入力し、メインコントローラ25に送信することができる。
外部通信部が現在の画像の伝送要求指示を受信した場合、セキュリティ管理制御部89は、受信した伝送要求指示に付加されているカメラ識別情報で識別されるカメラ23に対する画像伝送要求コマンドを生成し、通信制御部88に出力する。このとき、セキュリティ管理制御部89は、画像伝送要求コマンドの中に、当該コマンドの種類を示すコマンド識別情報「伝送要求」を含ませている。
通信制御部88は、セキュリティ管理制御部89から受けた画像伝送要求コマンドからコマンド種別情報を抽出し、該コマンド種別情報「伝送要求」が通信手段−制御コマンド対応付記憶部80に記憶されているか判断する。本実施形態では、コマンド種別情報「伝送要求」が通信手段−制御コマンド対応付記憶部80に記憶されていないため、通信制御部88は、画像伝送要求コマンドを第1通信部81を用いて送信する(S12)。
次に、セキュリティ管理制御部89は、上記画像伝送要求コマンドに対する応答データを第1通信部81が受信したことを確認する(S13)。その後、第2通信部82が画像データを受信する(S14)。
そして、通信制御部88は、第2通信部82が受信した画像データを、S11で受信した伝送要求指示の送信元である携帯電話機12に対して、外部通信部を用いて送信する(S15)。そして、S11の処理に戻る。
以上のように、カメラ23において、カメラ通信制御部68は、カメラ第1通信部61による特定小電力無線と、カメラ第2通信部62による無線LANとを、送信データの種類によって切り替えている。具体的には、カメラ通信制御部68は、通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されている第2通信用データ識別情報を含む送信データを無線LANで送信し、それ以外の送信データを特定小電力無線で送信する。また、メインコントローラ25において、通信制御部88は、画像伝送要求コマンドを特定小電力無線で送信し、当該コマンドで要求した画像データを無線LANで受信する。
ここで、通信手段−送信データ対応付記憶部60には、データ容量が所定閾値以上となることが予め想定されている送信データ(言い換えると、特定小電力無線の通信速度で送信した場合に要する時間が所定時間よりも大きくなることが想定される送信データ)に対応するデータ識別情報が格納されている。本実施形態では、画像データに対応するデータ識別情報「画像」である。
これにより、カメラ通信制御部68は、データ容量が大きい送信データ(ここでは、画像データ)を、通信速度が特定小電力無線よりも速い無線LANで送信することができる。また、カメラ通信制御部68は、画像伝送要求コマンドを受けたときにのみ、カメラ第2通信部62を駆動させる。そのため、常に待受状態となり、消費電力が大きい無線LANの駆動時間を必要最小限にすることができる。その結果、データ容量の大きい画像データを短時間で効率的に送信することができるとともに、消費電力の増加を最小限にすることができる。
なお、特定小電力無線による無線通信は、一般的な種々のセンサ間における無線通信方式として広く普及している。このため、構成が簡単であり、設置や設定を容易に行うことができる機器である。また、特定小電力無線による無線通信は、無線LANによる無線通信と比較して、各端末間における通信の確立が速く、通信距離が長いという利点を有している。さらに、特定小電力無線による無線通信は、単方向通信および双方向通信の双方が可能であると共に、データの送受信を行う場合にのみ通信を確立することもできるため、消費電力を小さくできるという利点も有している。
一方、無線LANによる無線通信は、一般的なパソコン間における無線通信方式として広く普及している。このため、構成が簡単でありコストが安い。また、無線LANによる無線通信は、特定小電力無線による無線通信と比較して、通信速度が速いという利点を有している。このため、容量の大きいデータを送受信する場合には好適に使用できる。ただし、規格上、単方向通信ができず、常に送受信可能な状態で待機している必要があることから消費電力は大きい。
このように、特定小電力無線による無線通信と、無線LANによる無線通信との異なる通信方式を用いることにより、送信するデータに応じて特定小電力無線と無線LANとの利点を活かすように通信方式を使い分けることができる。上記説明では、カメラ23において、データ容量が所定閾値以上となることが予め想定されている送信データ(言い換えると、特定小電力無線の通信速度で送信した場合に要する時間が所定時間よりも大きくなることが想定される送信データ)を無線LANで送信し、それ以外を特定小電力無線で送信するものとした。その結果、カメラ電源部65に用いられる電池の寿命を長くすることができる。すなわち、例えば、無線LANによる無線通信は、画像データの送受信にのみ用いて、無線LANの設定機能を示すデータやカメラ起動信号等のデータの送受信には特定小電力無線を用いることにより、消費電力の大きい無線LANの使用を最小限にすることが可能となる。その結果、カメラ電源部65に電池を用いることが可能となり、カメラ23をワイヤレス化することができる。
〔A−2:外部ネットワーク〕
上記監視システム11は、外部ネットワーク13を介して携帯電話機12と通信可能に接続されている。この外部ネットワーク13とは、いわゆるインターネットである。ただし、本発明では、監視システム11と携帯電話機12とは、インターネットを経由しながらプロトコル変換部を介して通信を行っている。
プロトコル変換部とは、監視システム11と携帯電話機12とにおける双方向通信を実現するためのものである。ここで、携帯電話機12はHTTPを用いてデータ通信を行っているが、監視システム11は、ルータを介してインターネットを接続されているため、携帯電話機12と監視システム11とが直接通信を行うことができない。このため、上記プロトコル変換部を介して所定のプロトコルに変換するようになっている。
プロトコル変換部は、VPN(Virtual Private Network)およびプロキシサーバを備えている。VPNは、インターネットを経由しているにも関わらず、拠点間を専用線のように相互に接続し、安全な通信を可能にするネットワーク技術であり、仮想専用網、仮想ネットワークとも呼ばれる。プロキシサーバは、いわゆるアドレス変換(プロトコル変換)する装置である。
すなわち、プロトコル変換部は、監視システム11等のローカルネットワークにおける障壁(例えばルータ等)を超えて、監視システム11と携帯電話機12との間における双方向通信を可能とするものであればよい。
プロキシサーバを有するVPNを介して通信を行うことにより、トンネリング接続と、VPN専用IPとによってNAT配下の監視システムへダイレクトに接続することが可能となり、いわゆる「NAT越え」が可能となる。これにより、監視システム11と携帯電話機12との間でのメールの送受信が可能となる。
また、VPNを用いた通信では、通信パケットを暗号化した通信が行われている。例えば、監視システムと携帯電話機間の通信は、SSLにより暗号化される。これにより、安全な通信を確立することができる。また、管理上好ましくないアクセスを直ちにシャットダウンすることも可能である。
さらに、例えば、グローバルIPをVPNのIPとして端末に付与することにより、VPNのネットワークに接続されていない、一般のインターネット上の端末からもダイレクトに接続できる。
〔A−3:携帯電話機〕
上記携帯電話機12は、外部ネットワーク13にケーブル等で接続された基地局に対して電波の送受信により通信している。すなわち、携帯電話機12は、基地局を介して外部ネットワーク13に接続されており、これにより監視システム11と通信可能に接続されている。なお、本発明のセキュリティシステム1に用いられる携帯電話機12としては、インターネットに接続可能であり、メールの送受信機能を有する携帯電話機12であればよい。
〔B:セキュリティシステムの設定・登録〕
次に、上記セキュリティシステム1の設定・登録について図7ないし図13に基づいて説明する。図7ないし図13は、セキュリティシステム1の各種設定・登録を行う際の流れ(データの送受信)を示すブロック図である。
上記セキュリティシステム1の使用開始時にはメインコントローラ25の初期設定を行う。図7に示すように、この初期設定は、携帯電話機12を用いて行われる。まず、セキュリティシステム1購入時に添付されているマニュアルに記載されたアドレスにアクセスする(設定(1))。すると、マニュアルに記載されたIDおよびパスワードを入力する画面が携帯電話機12に表示される。そして、マニュアルに記載されたIDおよびパスワードを入力してログインする(設定(2))。これにより、携帯電話機12には新しいパスワードとメールアドレスを登録する画面が表示される。
この画面にて新しいパスワードとメールアドレスを入力し設定ボタンを押すと、パスワードおよびメールアドレスに関するデータがメインコントローラ25に送信され、これらパスワードおよびメールアドレスが登録される(設定(3))。これにより、メインコントローラ25の初期設定が完了する。また、メインコントローラ25の初期設定が完了すると、メインコントローラ25から携帯電話機12に対して、初期設定が完了した旨の通知が行われる(通知(4))。なお、上記IDやパスワードの入力に誤りがある場合には、エラーが表示され、再入力するための画面を選択するメニューを表示させてもよい。
次に、各センサ21やカメラ23をメインコントローラ25に認識させるための登録を行う。各センサ21、カメラ23、メインコントローラ25には登録ボタンが設けられており、この登録ボタンを用いて登録が行われる。
具体的には、上記にて初期設定が完了したメインコントローラ25の登録ボタンを押すと、メインコントローラ25は一定時間(例えば30秒間)登録モード状態になる。一方、カメラ23やセンサ21に設けられた登録ボタンを押すと、登録ボタンを押したカメラ23やセンサ21から登録コマンドが送信される。
ここで、センサ21の登録について図8に基づいて説明する。まず、メインコントローラ25の初期設定を行った後に、メインコントローラ25を登録モード状態にする(設定(5))。そして、メインコントローラ25が登録モード状態の間に、センサ21の登録ボタンを押す。すると、登録ボタンを押したセンサ21に関する登録コマンドがメインコントローラ25に送信される(登録(6))。メインコントローラ25は、登録モード状態の間に登録コマンドを受信すると、対応するセンサ21を登録する。そして、メインコントローラ25は、センサ21を登録すると、その旨を示すデータを携帯電話機12に送信する。携帯電話機12は、センサ21の登録が完了した旨を表示することによりユーザに通知する(通知(7))。
次に、カメラ23の登録について図9に基づいて説明する。まず、メインコントローラ25の初期設定を行った後に、メインコントローラ25を登録モード状態にする(設定(8))。そして、メインコントローラ25が登録モード状態の間に、カメラ23の登録ボタンを押す。すると、カメラ23からメインコントローラ25に対して特定小電力無線によって登録コマンドが送信される(登録(9))。メインコントローラ25は、登録モード状態の間にカメラ23の登録コマンドを受信すると、無線LANの設定に必要なデータを特定小電力無線によってカメラ23に送信する(設定(10))。
カメラ23は、無線LANの設定に必要なデータを受信すると、自装置の無線LANの設定を行う。そして、カメラ23は、無線LANの設定を完了すると、無線LANの設定が完了した旨の通知を特定小電力無線によってメインコントローラ25に送信する(通知(11))。メインコントローラ25は、カメラ23から設定完了の通知を受信すると、無線LANによって通信が正常に行われているか否かを確認する通信(PING)を行う(確認(12))。メインコントローラ25は、カメラ23との通信が正常に行われていることを確認すると、このカメラ23を登録する。そして、メインコントローラ25は、カメラ23の登録が完了した旨を示すデータを携帯電話機12に送信する。携帯電話機12は、カメラ23の登録が完了した旨を表示することによりユーザに通知する(通知(13))。
なお、本実施の形態では、メインコントローラ25を登録モード状態にするために、メインコントローラ25に設けられた登録ボタンを押しているが、これに限定されるものではない。例えば、携帯電話機12から、メインコントローラ25に対して、登録モード状態に移行させるためのコマンドを送信し、メインコントローラ25はこのコマンドを受信することで登録モード状態に移行するようになっていてもよい。
また、メインコントローラ25が通常モード状態(登録モード状態でない場合)で、カメラ23やセンサ21の登録ボタンを押した場合においても、メインコントローラ25には登録コマンドが送信される。ただし、この場合には、メインコントローラ25は、カメラ23やセンサ21の登録を行うのではなく、受信した登録コマンドに基づいて、カメラ23やセンサ21からメインコントローラ25に対する無線通信が正常に行われているかを確認するようになっている。すなわち、メインコントローラ25は、無線受信確認機能を有している。メインコントローラ25は、無線通信が正常に行われていることを確認すると、登録されたメールアドレスに対してその旨の通知メールを送信する。
次に、セキュリティシステム1の各種設定を行う。この各種設定は、登録した携帯電話機12を用いて、予め決められたアドレスにアクセスして、本セキュリティシステム1に係るメニューを表示させて行われる。上記メニューには、例えばセキュリティ設定、登録情報設定等がある。
〔B−1:セキュリティ設定〕
セキュリティ設定は、ホームセキュリティの具体的な設定に関するものであり、例えば、警戒状態の設定、アクチュエータやカメラの設定に関するものである。
(警戒設定)
警戒設定は、セキュリティシステム1の警戒状態を設定するメニューである。本実施の形態では、警戒状態を示すモードとして、警戒モードおよび非警戒モードがあり、警戒モードには外出モードおよび在宅モードがある。
非警戒モードとは、セキュリティシステム1を非警戒の状態にするモードである。非警戒の状態とは、セキュリティシステム1が警戒を解除した状態を指し、センサ21が状態の変化を検知しても警報として出力されることのない状態を指す。
また、警戒モードとは、セキュリティシステム1を警戒の状態にするモードである。警戒の状態とは、セキュリティシステム1が警戒に入った状態を指し、センサ21が状態の変化(異常)を検知すると警報を出力できる状態を指す。
また、外出モードとは、全てのセンサ21を警戒の状態にするモードである。また、在宅モードとは、家屋内に人が存在するものの、不審者等が家屋内部へ侵入することを検知したい場合に用いられるモードである。すなわち、在宅モードは、非警戒モードと外出モードとの中間のセキュリティ状態である。すなわち、在宅モードまたは外出モードを選択した場合には、セキュリティシステム1は警戒の状態となる。
次に、セキュリティシステム1の警戒設定を行う方法について図10に基づいて説明する。まず、登録された携帯電話機12を用いてメインコントローラ25にアクセスする(設定(14))。すると、IDおよび初期設定で登録したパスワードを入力するログイン画面が表示される。なお、システムメンテナンスメッセージ等の通知がある場合には、その旨の通知をログイン画面に表示させてもよい。
そして、IDおよびパスワードを入力してログインする(設定(15))と、メインメニューの画面が表示される。なお、登録したパスワードを忘れてしまった場合を考慮して、パスワードを通知するメニューを設けてもよい。この場合には、パスワードを通知するメニューを選択すると、IDを入力する画面が表示され、正しいIDを入力した場合には、登録したメールアドレスに登録したパスワードを通知するようにすればよい。そして、その後にログイン画面を表示させればよい。
メインメニューには、ホームセキュリティにアクセスするためのメニューと、登録された設定の変更・追加メニューにアクセスするためのメニュー(登録情報設定)とが表示される。また、セキュリティシステム1のユーザに対して必ず知らせる必要のある情報(例えば、電池残量の低下警告等)がある場合には、メインメニューに表示させることが好ましい。
メインメニューにて、ホームセキュリティにアクセスするためのメニューを選択すると、ホームセキュリティに関する設定メニューの画面が表示される。設定メニューの画面には、現在の警戒状態が表示される。警戒モードを変更する場合には、メインメニューにて他の警戒モード(「外出モード」「在宅モード」「警戒解除」のうち、現在設定されていない警戒モードの何れか)を選択する(設定(16))。これにより、変更後の警戒状態を選択した旨の表示がされると共に、設定メニュー画面には、新たな設定が現在の警戒状態として表示される(通知(17))。このようにして、警戒状態を変更・設定することができる。
なお、警戒状態を変更した場合には、変更後の警戒状態について携帯電話機12に表示されるようになっているが、警戒状態が変更された旨のメールをメインコントローラ25から携帯電話機12に送信してもよい。
また、メインメニューにて、アクチュエータ22の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、アクチュエータ設定画面が表示される。また、メインメニューにて、カメラ23の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、カメラの設定画面や、カメラにて撮影した画像を表示させる画面が表示される。
(アクチュエータ設定)
アクチュエータ設定は、アクチュエータ22に関する設定を行うメニューであり、例えば、異常の有無に関わらず、強制的にアクチュエータ22を駆動させるといった設定がある。また、この場合、駆動させる時間等を設定することもできる。メインメニューにて、アクチュエータ22の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、アクチュエータ設定画面が表示される。
なお、警戒モードを選択している場合において、異常が発生した場合に駆動させるアクチュエータ22に関する設定を行ってもよい。例えば、いずれのセンサが異常を検知した場合に、いずれのアクチュエータ22を駆動させるかといった設定や、駆動時間の設定、音や光の強度の設定等を行うことができる。
(カメラ設定)
カメラ設定とは、カメラ23に関する設定を行うメニューであり、カメラ23にて撮影した画像を見るためのメニューである。カメラ23に関する設定としては、例えば撮影設定、画像更新設定、画像履歴設定等がある。
メインメニューにて、カメラ23の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、登録されているカメラ23を選択する画面が表示される。ここで、登録されたカメラ23を選択すると(登録されたカメラが複数ある場合には、そのいずれかを選択すると)、選択したカメラ23が撮影した画像にアクセスして見ることができる。また、カメラ23の設定画面にて、撮影する解像度や照明のON/OFFといった設定を行うこともできる。
なお、上記撮影設定とは、カメラ23での撮影に関する設定であり、撮影設定の項目としては、例えば、撮影枚数(静止画の場合)、撮影時間(動画の場合)、撮影角度(パン/チルト機能がある場合)等がある。
また、異常発生時に撮影した画像データに対して所定の加工を施す場合には、その旨の設定を行うことができる。例えば、不審者の侵入等による異常が発生した場合には、不審者の顔を検出して拡大表示するといった加工を施すように設定してもよい。また、異常発生時ではなくとも、カメラ23にてセキュリティ領域の画像を撮影したい場合には、撮影設定にて撮影指示を行えば撮影することができる。
画像更新設定は、カメラ23にて撮影した画像の更新に関する設定である。例えば、一定間隔で撮影するようにカメラ23を設定している場合には、その間隔を設定してもよい。また、この設定は手動で行うことができる。
カメラ23にて撮影した画像は、メインコントローラ25の記憶装置に記憶させておくことが可能である。画像履歴設定では、過去に撮影した画像のうち、記憶させておく画像の種類や、期間等を設定することもできる。
なお、メインメニューからカメラ23にアクセスして撮影を行い、撮影した画像を携帯電話機12に送信して表示させることも可能である。この方法について図11に基づいて説明する。
まず、ログイン画面にてIDおよびパスワードを入力してメインメニューを表示させる(設定(18)(19))。次に、メインメニューにて、カメラ23による画像を撮影するためのメニューを選択する(設定(20))。このメニューから、カメラ23を起動させて、画像を撮影する旨の指示を行う。これにより、メインコントローラ25からカメラ23に起動信号が送信されると共に、画像を撮影する旨の指示信号が送信される(起動(21))。この起動信号および指示信号は、特定小電力無線を用いて送信される。
カメラ23は、起動信号および指示信号を受信すると、自装置を起動させて所定の画像を撮影する。そして、撮影した画像データをメインコントローラ25に対して送信する(転送(22))。この画像データは、無線LANを用いて送信される。画像データを受信したメインコントローラ25は、携帯電話機12に対してネットワークを介して画像データを送信する(転送(23))。これにより、ユーザは、携帯電話機12にて撮影を指示した画像を見ることが可能となる。
〔B−2:登録情報設定〕
登録情報設定は、セキュリティシステム1の登録情報の設定変更に関するものである。設定変更について図12に基づいて説明する。まず、ログイン画面にてIDおよびパスワードを入力してメインメニューを表示させる(設定(24)(25))。そして、メインメニューにて登録情報設定を表示させるメニューを選択することにより登録情報設定のメニューが表示される(設定(26))。登録情報設定のメニューから設定できる内容としては、例えば、センサの動作履歴、時刻合わせ、メールアドレスの設定、ソフトウエアの更新、ユニットの管理、パスワードの変更、アクチュエータの設定等がある。また、上記各種設定や設定変更が完了した場合には、メインコントローラ25から携帯電話機12に対して設定(変更)完了が通知される(通知(27))。
登録情報設定のメニューにおいて、センサ21の動作履歴に関するメニューを選択すると、センサ21の動作履歴が表示される。このように、本実施の形態におけるセキュリティシステム1は、メインコントローラ25の記憶装置に過去のセンサ21の動作履歴(異常の履歴)に関する情報(異常履歴情報)を記憶していてもよい。表示されるセンサ21の動作履歴としては、例えば、動作した日時、動作したセンサ、検知内容等である。また、表示するセンサ21の動作履歴の件数は適宜設定できる。さらに、最新の動作履歴から表示したり、古い動作履歴から表示したりしてもよい。また、センサ21の動作と共にカメラ23による撮影が行われた場合には、対応する画像データを確認することができるようになっていてもよい。
登録情報設定のメニューにおいて、時刻合わせに関するメニューを選択すると、時刻設定の画面が表示される。また、この画面では、現在の自動更新に関する情報を表示することもでき、自動更新のON/OFFを変更することもできる。また、この時刻設定の画面において、自動的に時刻を設定するメニューを選択すると、ネットワーク上の時計サーバや他のデータに付加された時計を参照して自動的に時刻を設定するようになっている。さらに、時刻設定の画面において、手動で時刻を設定するメニューを選択すると、時刻設定用の画面が表示され、手動で時刻を設定することができる。
登録情報設定のメニューにおいて、メールアドレスの設定に関するメニューを選択すると、メールアドレスの各種設定を変更可能なメニューが表示される。このメールアドレス設定のメニューでは、メールアドレスの追加・削除・変更を行うことができる。メールアドレス設定のメニューにて「追加」を選択することにより、追加するメールアドレスを登録することができる。また、メールアドレス設定のメニューにて「変更」を選択すると、登録されているメールアドレスが表示される。この中から変更するメールアドレスを選択してメールアドレスを変更することができる。また、メールアドレス設定のメニューにて「削除」を選択すると、登録されているメールアドレスが表示される。この登録されているメールアドレスの中から削除するメールアドレスを選択し削除することができる。
登録情報設定のメニューにおいて、ソフトウエア更新に関するメニューを選択すると、ソフトウエアを更新可能な画面が表示される。この画面にて「更新する」旨のメニューを選択すると、インターネットに接続してソフトウエアを更新する。ソフトウエアの更新が完了すると、ソフトウエアの更新が完了した旨を通知するための画面が表示される。なお、ソフトウエアの更新の必要がない場合には、「更新する」旨のメニューを選択しても、更新すべきソフトウエアがない旨表示され、更新は行われない。
登録情報設定のメニューにおいて、ユニットの管理に関するメニューを選択すると、ユニットを管理するためのメニューが表示される。このユニットを管理するためのメニューでは、例えば、登録されているユニット(センサ21やカメラ23、アクチュエータ22等)の一覧を表示させる。また、ユニットの一覧を表示させ、その中でセキュリティシステム1として登録するユニットを適宜選択することもできる。また、ユニットの一覧から、任意のユニットを選択し、このユニットの名称を変更することもできる。また、ユニットの一覧から、任意のユニットを選択して、ユニットから削除することもできる。
登録情報設定のメニューにおいて、パスワード変更に関するメニューを選択すると、パスワードの変更メニューが表示される。この変更メニューの画面にて、現在のパスワードと新しいパスワードとを入力することによりパスワードを変更することができる。また、パスワードが変更されると、パスワードが変更された旨の画面が携帯電話機12に表示され確認できる。
また、登録情報設定のメニューにおいて、アクチュエータの設定に関するメニューを選択すると、登録されているアクチュエータ22の駆動設定(ON/OFF)および駆動時間を設定する画面が表示され、適宜設定することができる。
なお、上記各操作中に何らかのエラーが発生した場合には、エラーを示す画面が携帯電話に表示される。また、セキュリティシステム1のサービス利用を停止する際には、サービス利用停止用の画面にてパスワードを入力すればよい。
〔C:セキュリティ方法〕
上記の各種設定や登録を行うことでセキュリティシステム1の使用が可能となる。なお、警戒状態が非警戒モードの場合には、メインコントローラ25は、各センサ21からデータが送信された場合であっても異常である旨の通知を行わない。また、警戒状態が在宅モードの場合には、メインコントローラ25は、家屋の内部に設置されたセンサ21から送信されたデータに対しては異常通知を行わない。
一方、在宅モードの場合であっても、家屋の外部に設置されたセンサ21から異常である旨のデータが送信された場合には、メインコントローラ25は異常通知をメールで送信する。これにより、ユーザが家屋内にいる場合であっても不審者の外からの侵入を検知することができる。また、警戒状態が外出モードの場合には、メインコントローラ25は、各センサ21から異常である旨のデータが送信されると、異常通知をメールで送信する。
ここで、上記セキュリティシステム1を用いてセキュリティを行う方法について図13に基づいて説明する。以下では、一例として、セキュリティシステム1を外出モードに設定した状態におけるセキュリティ方法や監視方法について説明する。
まず、上述のように、ユーザは携帯電話機12からメインコントローラ25にアクセスしてメインメニューの項目から外出モードを選択する。これにより、セキュリティシステム1は外出モードに設定される。メインコントローラ25は、全センサ21からの異常通知(検知結果)を受信することができ、異常である旨を認識できる状態になっている。
各センサ21のうち、いずれかのセンサ21が異常であることを検知すると、メインコントローラ25に対して異常を検出した旨を通知する(異常コマンドを送信する)(通知(28))。メインコントローラ25は、異常コマンドを受信すると、登録・設定されているアクチュエータ22に対して駆動信号を送信する(起動(29))。アクチュエータ22は、駆動信号に応じて所定の動作(威嚇等)を行う。また、メインコントローラ25は、異常コマンドを受信すると、携帯電話機12に対して異常通知メールを送信する(通知(30))。異常通知メールでは、異常であること、異常の種類、異常を検知したセンサの種類、異常が発生した時間等が通知される。この異常通知メールの送信は、上記アクチュエータ22への駆動信号の送信と同時に行われることが好ましい。
なお、メインコントローラ25は、センサ21が異常を検知した際に、カメラ23を連動させてもよい。すなわち、この場合、メインコントローラ25がセンサ21から送信された異常コマンドを受信すると、異常が発生した場所の画像を撮影することが可能なカメラ23に対して撮影指示を行う。カメラ23は、メインコントローラ25から送信された撮影指示に基づいて撮影し、その画像データをメインコントローラ25に送信する。センサ21とカメラ23とを連動させた場合には、異常通知メールにて、カメラ23によって撮影した画像データへアクセスするアドレスを通知してもよい。
なお、状態の変化が「異常」であるか否かの判定は、状態の変化を検知した各センサ21にて行ってもよく、メインコントローラ25にて行ってもよいが、本実施の形態では各センサ21にて行っている。この場合、センサ21は状態の変化を検知すると、状態の変化の度合いと異常であるか否かを判断するための閾値とを比較し、状態の変化の度合いが閾値を超えている場合には異常であると判断する。この閾値は各センサ21のセンサ制御部に予め記憶させておく。
一方、異常であるか否かの判定をメインコントローラ25にて行う場合、各センサ21は、状態の変化を検知すると、状態の変化を検知したこと、およびその変化の度合いについてメインコントローラ25に通知する。メインコントローラ25は、異常であるか否かを判断するための各センサ21に対応付けられた閾値を記憶装置に記憶しておき、センサ21から通知された状態の変化とこのセンサ21に対応付けられた閾値とを比較する。メインコントローラ25は、状態の変化の度合いが閾値を超えていると判断した場合には、センサ21にて検知した状態の変化は異常状態であると判断し、携帯電話機に対して異常通知メールを送信する。
ここで、異常が発生した場合におけるセキュリティシステム1の動作について説明する。まず、上述したように、いずれかのセンサ21が異常を検知すると、このセンサ21はメインコントローラ25に対して異常を検知した旨の通知を行う。メインコントローラ25は、異常の通知を受信すると、メインコントローラ25に登録されているアクチュエータ22に駆動コマンドを送信する。アクチュエータ22は、メインコントローラ25からの駆動コマンドを受信することにより動作(威嚇)する。メインコントローラ25は、アクチュエータ22への駆動コマンドの送信と同時に、登録されたメールアドレスに対して異常通知メールを送信する。
これにより、ユーザは異常が発生したことを知ることができる。また、ユーザは、必要に応じてメインコントローラ25にアクセスすることにより、カメラ23に対する撮影指示や、カメラ23が撮影した画像の確認や、アクチュエータ22を追加で駆動させてさらなる威嚇を行うことができる(制御(31))。
ここで、ユーザが携帯電話機12からカメラ23に撮影指示を行う方法や、既に撮影した画像データにアクセスする方法について説明する。
上述したように、まず、携帯電話機12にてセキュリティシステム1のメインメニューにアクセスする。メインメニューからホームセキュリティのメニューを表示させる項目を選択し、ホームセキュリティのメニューからカメラに撮影指示を送信するための項目を選択する。そして、セキュリティシステム1に登録されているカメラ23の一覧が表示された場合には、アクセスするカメラを選択する。
これにより、メインコントローラ25は、選択したカメラ23に対して撮影指示を送信する。この撮影指示の送信は特定小電力無線により行われる。また、カメラ23は、メインコントローラ25からの撮影指示を受信すると自装置を起動させて画像を撮影し、撮影した画像データをメインコントローラ25に送信する。この画像データの送信は無線LANにより行われる。そして、メインコントローラ25は画像データを携帯電話機12に送信する。これにより、ユーザは選択したカメラ23にて撮影した画像を見ることができる。
なお、ユーザは、カメラ23にて撮影した画像データの履歴にアクセスして、過去に撮影した画像を見ることもできる。この場合、メインメニューからカメラにて撮影した画像にアクセスするための項目を選択すればよい。また、ユーザは、メインメニューからアクチュエータ22に関する設定を選択することによってアクチュエータを強制駆動させることができる。
なお、上記セキュリティシステム1は、上述した侵入者や災害等の異常検知・異常通知の機能の他に、緊急通報的な機能を有していてもよい。具体的には、例えば、ユーザが自分の調子が悪くなった場合に救急車を呼ぶ機能や、浴槽に動きセンサを設置して、入浴中に倒れた場合に家族に通報する機能や、ガス漏れ等生活全般のモニタリングをする機能等である。
また、上記カメラ23は、セキュリティシステム1に用いられる場合に限定されるものではない。例えば、カメラ23と、このカメラ23を制御するメインコントローラ等の制御装置とを組み合わせた構成で用いることもできる。
(変形例)
(カメラの変形例1)
上記説明では、カメラ通信制御部68が通信を行うデータの種類を判断し、それに応じてカメラ第1通信部61およびカメラ第2通信部62を切り替える(選択する)構成とした。すなわち、この場合、カメラ通信制御部68は、通信を行うデータの種類を判別する手段を有しており、データを送信する毎に、この判別する手段が送信するデータの種類を判別する。
しかしながら、判別するデータの種類としては、例えば、データの容量等であってもよい。この場合、カメラ通信制御部68は、送信データのデータ容量を計測し、計測したデータ容量がある一定の値以上である場合には、無線LANを選択し、ある一定の値より小さい場合には、特定小電力無線を選択すればよい。
(カメラの変形例2)
また、上記説明では、カメラ23は異常が発生した際の状況を撮影するためのものであり、異常を検知するためのセンサとしての機能は有していない。しかしながら、カメラ23を上記各センサと同様に異常検知用として使用することも可能である。
カメラ23をセンサとしても使用する場合の例としては、撮影した画像データを用いて異常検知する第1の例と、カメラ23の内部に内蔵センサ50aを取り付ける第2の例とが考えられる。
第1の例の場合、カメラ23での撮影を、一定時間毎に自動的に行うように設定しておくことが好ましい。
そして、この場合、撮影した画像データに基づいて、異常の有無を判断する。異常の有無は、一定時間毎に撮影した画像データを比較し、状態に変化が生じていると判断した場合には異常が発生したと判断する。異常の有無の判断はカメラ23にて行ってもよく、メインコントローラ25にて行ってもよい。
異常の有無の判断をカメラ23にて行う場合には、カメラ制御部63に閾値を記憶させておく。そして、カメラ制御部63が、画像データに基づく変化の度合いと閾値とを比較して、変化の度合いが閾値を超えている場合には異常が発生したと判断する。一方、異常の有無の判断をメインコントローラ25にて行う場合には、カメラ23は、一定時間毎に撮影した画像データをその都度メインコントローラ25に送信する。そして、メインコントローラ25がそれら各画像データに基づいて異常の有無を判断する。
第2の例の場合、図16に示されるように、カメラ23は、内蔵センサ50aを備えている。内蔵センサ50aは、例えば、人体の検知が可能な赤外線センサなどである。
第2の例の場合、内蔵センサ50aは、異常を検知した場合(ここでは、人体を検知した場合)、異常通知コマンドをカメラ制御部63に出力する。
このように、第1の例では、画像データに基づく変化の度合いに基づいて、第2の例では、内蔵センサ50aからの異常通知コマンドに基づいて、カメラ制御部63は、異常が発生したことを認識できる。
以下、カメラ制御部63が異常の発生を認識した場合の処理例を図17のフローチャートを用いて説明する。なお、以下では、第2の例を用いて説明するが、第1の例の場合にも適用できることはいうまでもない。
なお、図16に示されるように、カメラ23は、通知情報切替部50bを備えている。当該通知情報切替部50bは、内蔵センサ50aが異常を検知したときにメインコントローラ25に通知する情報を、異常を検知した旨を示す通知データ、または、異常検知直後に撮影された画像データのいずれかに切り替えるものである。通知情報切替部50bは、ユーザからの設定指示に従って、通知する情報を切り替える。なお、当該設定指示は、携帯電話機12から、メインコントローラ25を介して伝送される。
まず、カメラ制御部63のコマンド処理部69は、内蔵センサ50aからの異常通知コマンドの有無を判断する(S21)。内蔵センサ50aから異常通知コマンドを受けると、コマンド処理部69は、通知情報切替部50bによって設定された通知情報を確認し、通知情報が画像データを含むか否かを判断する(S22)。
通知情報が画像データを含まない場合(S22でNo)、つまり、通知情報が通知データのみである場合、コマンド処理部69は、異常を検知したことを示す異常通知データを生成し、カメラ通信制御部68に出力する。なお、異常通知データのデータ識別情報は「通知」である。そして、カメラ通信制御部68は、データ識別情報「通知」が通信手段−送信データ対応付記憶部60に記憶されていないため、当該異常通知データをカメラ第1通信部61を用いて送信する(S23)。そして、カメラ23は処理を終了する。
一方、通知情報が画像データを含む場合(S22でYes)、コマンド処理部69は、カメラモジュール64、LEDおよびカメラ第2通信部62を駆動させる(S24)。そして、コマンド処理部69は、異常通知コマンドを受けた時刻(つまり、異常の検知時刻)を示す異常検知時刻情報が付加された、カメラモジュール64で所定時間だけ撮影された画像データをカメラ通信制御部68に送る。カメラ通信制御部68は、異常検知時刻情報が付加された画像データをカメラ第2通信部62を用いて送信する(S25)。そして、カメラ23は処理を終了する。
なお、メインコントローラ25では、セキュリティ管理制御部89は、第2通信部82が受信した異常検知時刻情報が付加された画像データを記憶装置86に格納する。
その後、メインコントローラ25の通信制御部88は、外部通信部83を介して携帯電話機12から過去の画像の伝送要求指示を受信した場合、該伝送要求指示で指定された異常検知時刻に対応する画像データを記憶装置86から読み出す。そして、通信制御部88は、読み出した画像データを、伝送要求指示の送信元である携帯電話機12に対して、外部通信部83を用いて送信する。
上記説明では、カメラ23に組み込まれた内蔵センサ50aが異常を検知した際に撮影された画像データは、メインコントローラ25の記憶装置86で管理されるものとした。しかしながら、これに限定されるものではない。
例えば、カメラ制御部63のコマンド処理部(駆動手段)69は、内蔵センサ50aから異常通知コマンドを受けると、カメラモジュール64およびLEDを駆動させ、カメラモジュール64で撮影された画像データを、図示しない内蔵記憶装置に格納してもよい。そして、メインコントローラ25の通信制御部88は、外部通信部83を介して携帯電話機12から過去の画像の伝送要求指示を受信した場合、該伝送要求指示に付加された異常検知時刻に対応する画像データの伝送を要求するコマンド(過去画像伝送要求コマンド)を、第1通信部81を用いてカメラ23に送信する。カメラ23のコマンド処理部69は、当該過去画像伝送要求コマンドを受けると、カメラ第2通信部62を駆動させる。そして、コマンド処理部69は、当該過去画像伝送要求コマンドで指定された画像データを上記内蔵記憶装置から読み出し、カメラ通信制御部68に出力する。このときにも、コマンド処理部69は、画像データにデータ識別情報「画像」を含ませる。そして、カメラ通信制御部68が画像データをメインコントローラ25に送信し、メインコントローラ25の通信制御部88は、受信した画像データを、伝送要求指示の送信元である携帯電話機12に対して外部通信部83を用いて送信すればよい。
また、カメラ23に組み込まれた内蔵センサ50aが異常を検知した際に撮影された画像データは、メインコントローラ25以外のネットワークサーバで管理されてもよい。ユーザは、携帯電話機12を用いて、当該ネットワークサーバにアクセスし、所望の異常検知時刻の画像データをダウンロードすればよい。
(カメラの変形例3)
上記説明では、通信手段−送信データ対応付記憶部60は、カメラ第2通信部62で送信する送信データの内容(種類)を示すデータ識別情報(第2通信用データ識別情報)を記憶するものとした。しかしながら、通信手段−送信データ対応付記憶部60は、送信データの内容(種類)を示すデータ識別情報と、当該送信データの送信に用いる通信手段(ここでは、カメラ第1通信部61およびカメラ第2通信部62)とを対応付けたテーブルを記憶していてもよい。
例えば、通信手段−送信データ対応付記憶部60は、図18に示されるように、データ識別情報「画像」とカメラ第2通信部62(図中では、無線LANと記載)とが対応付けられ、データ識別情報「通知」および「応答」とカメラ第1通信部61(図中では、特定小電力無線と記載)とが対応付けられたテーブルを記憶している。
上記テーブルを参照することで、カメラ通信制御部68は、送信データから抽出したデータ識別情報に対応する通信手段を選択すればよい。
(カメラの変形例4)
カメラ23は、マイクを備え、画像データと同期した音声データを送信データとして生成してもよい。この場合、コマンド生成部は、音声データに対して、データ識別情報「音声」を含める。
また、音声データは、通常のデータ容量が所定閾値(例えば、100byte)よりも大きいと想定される送信データである。言い換えると、特定小電力無線の通信速度で送信した場合に要する通常の時間が所定時間(例えば、30秒)よりも大きいと想定される送信データである。そのため、通信手段−送信データ対応付記憶部60には、第2通信用データ識別情報として「音声」が記憶されることとなる。これにより、音声データも無線LANで送信される。
(メインコントローラの変形例1)
セキュリティ管理制御部89は、カメラ23から送信された画像データに対して、所定の処理を施すものであってもよい。例えば、上記説明では、ユーザが撮影画像の拡大/縮小を希望する場合、メインコントローラ25が撮影制御コマンドをカメラ23に送信するものとした。しかしながら、セキュリティ管理制御部89は、カメラ23で撮影した画像データの特定の部分のみを拡大して表示する設定である場合に、拡大する部分を画像の中から切り出してもよい。この特定の部分とは、例えば、異常が不審者の侵入である場合における侵入者の顔などである。
(メインコントローラの変形例2)
上記説明では、メインコントローラ25は、第2通信部82を常時駆動させるものとした。しかしながら、これに限らず、メインコントローラ25は、カメラ23と同様に、必要な場合にのみ第2通信部82を駆動させてもよい。これにより、メインコントローラ25の省電力化を図ることができる。
具体的には、メインコントローラ25は、起動時において、第2通信部82以外の部材のみを駆動させ、第2通信部82をスリープ状態にしておく。そして、通信制御部88は、上記画像伝送要求コマンドを第1通信部81を用いて送信したとき、もしくは、その応答を受信したときに、第2通信部82を駆動させ、無線LANで送信されるデータ(ここでは、画像データ)を待ち受ける。そして、画像データの受信が終了した時点で、通信制御部88は、第2通信部82の駆動を停止させる。
(メインコントローラの変形例3)
上記説明では、メインコントローラ25は、携帯電話機12からの現在の画像の伝送要求を受けたときに、カメラ23に対して画像伝送要求コマンドを送信するものとした。しかしながら、これに限らず、メインコントローラ25は、センサ21から異常通知を受けたときに、当該センサ21と予め対応付けられているカメラ23に対して、画像伝送要求コマンドを送信してもよい。
具体的には、セキュリティ管理制御部89は、第1通信部81がセンサ21から異常通知を受信したか否かを判断する。そして、第1通信部81が異常通知を受信した場合、セキュリティ管理制御部89は、当該異常通知を送信したセンサ21に予め対応付けられているカメラ23に対する画像伝送要求コマンドを生成し、通信制御部88に出力する。そして、通信制御部88は、画像伝送要求コマンドを第1通信部81を用いて送信する。
次に、セキュリティ管理制御部89は、上記画像伝送要求コマンドに対する応答データを第1通信部81が受信したことを確認する。その後、第2通信部82が画像データを受信する。
そして、セキュリティ管理制御部89は、第2通信部82が受信した画像データを、センサ21が異常を検知した時刻と対応付けて、記憶装置86に格納する。
その後、セキュリティ管理制御部89は、外部通信部が携帯電話機12から過去の画像の伝送要求指示を受信したか否かを判断する。過去の画像の伝送要求指示には、異常の検知時刻が付加されている。
過去の画像の伝送要求指示を受信した場合、通信制御部88は、該伝送要求指示に付加された異常検知時刻に対応する画像データを記憶装置86から読み出す。そして、通信制御部88は、読み出した画像データを、伝送要求指示の送信元である携帯電話機12に対して、外部通信部を用いて送信する。
(その他)
上記説明では、無線LANが特定小電力無線よりも通信速度が速いという利点を活かして、データ容量の大きなデータを、無線LANを用いて送信するものとした。これに限らず、複数の通信方式を用いることができる装置において、各通信方式の利点を活かして、送受信するデータの種類に応じて、通信方式を選択することが好ましい。
例えば、特定小電力無線は、無線LANよりも、通信確立に要する時間が短い。この通信確立に要する時間を考慮して、送信データに対して、どの通信方式を選択するかが予め定められていてもよい。すなわち、通信時間の総計は、送信データ自体の伝送時間に加えて、通信確立に要する時間も含まれる。該通信時間の総計が最小となる通信方式が予め設定されていればよい。そして、本実施形態の場合、ある種類の送信データに対する通信時間の総計が最小となる通信方式が無線LANである場合に、該送信データの種類を示すデータ識別情報が通信手段−送信データ対応付記憶部60に格納されればよい。
例えば、画像や音声などの大容量データ(データ容量が所定閾値以上のデータ)は、データ自体の伝送時間が、通信確立に要する時間よりもはるかに長いため、伝送時間が短くなるように、通信速度の速い無線LANが設定される。
一方、異常通知や電池残量低下通知などは、データ容量が所定閾値よりも小さいため、通信時間の総計に対する通信確立に要する時間の占める割合が大きくなる。そのため、通信時間の総計が最小となるように、通信確立の要する時間が短い特定小電力無線が設定される。
このように、送信データを特定小電力無線または無線LANの何れで伝送するかの決定は、通信確立に要する時間を考慮した場合でも、送信データのデータ容量に応じて行われる。
また、特定小電力無線は、無線LANよりも、通信距離が長い、そのため、装置間で通信するデータに要求される通信距離の長さが所定閾値以上であることが予め想定されているとき、当該データを特定小電力無線で通信することが好ましい。
例えば、屋外に設置されたセンサ21やカメラ22(駐車場内の車に設置されたセンサやカメラ)などと屋内に設置されたメインコントローラ25との通信には、特定小電力無線が設定され、屋内に設置されたセンサ21やカメラ22とメインコントローラ25との通信には、無線LANが設定されてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、カメラの各ブロック、特にカメラ制御部は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、カメラは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるカメラの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記カメラに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、カメラを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
(補足事項)
本発明に係る無線通信装置は、他の通信装置と無線通信により情報を送受信する無線通信装置であって、通信速度が互いに異なる通信方式を用いて通信を行う複数の通信手段と、上記送受信する情報に応じて、通信に用いる通信手段を選択する選択手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記無線通信装置は、他の通信装置と無線通信によって情報の送受信を行っている。また、無線通信装置は、通信手段を複数備えている。この複数の通信手段は、各々通信速度が異なる通信方式を用いたものである。このため、通信手段を変えることによって、通信速度を変えることができる。なお、通信速度とは、単位時間当たりに送受信可能な情報の容量を表し、通信速度が速いほど送受信可能な情報の容量が大きくなる。
また、無線通信装置は、通信手段を選択する選択手段を備えている。この選択手段は、送受信する情報に応じて通信手段を選択する。すなわち、送受信する情報の種類や容量に応じて、その情報の送受信に用いる最適な通信手段を選択することができる。この場合、例えば、容量の大きな情報を送受信する場合には、通信速度の速い通信手段を選択し、容量の小さな情報を送受信する場合には、通信速度の遅い通信手段を選択することが可能となる。すなわち、送受信する情報に最適な通信方式を選択し、効率的かつ確実な通信を実現することができる。また、一般に、通信速度の速い通信手段の駆動電力は、通信速度の遅い通信手段の駆動電力よりも大きいため、上記選択をすることにより消費電力を最小限に抑制することができる。
本発明に係る無線通信装置では、上記複数の通信手段は、少なくとも、特定小電力無線を用いて通信を行う通信手段と、無線LANを用いて通信を行う通信手段とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、特定小電力無線は、通信の確立が速く、通信距離が長いという利点を有している。さらに、特定小電力無線は、消費電力が小さいという利点も有している。一方、上記無線LANとは、例えばIEEE802.11b規格に準拠した無線通信を意味する。このため、無線LANは、通信速度が速いという利点を有している。したがって、送受信する情報に応じてこれら各通信方式を選択することにより、効率的な情報の送受信が可能となり、消費電力を最小限に抑制することができる。
本発明に係る無線通信装置では、自装置外部の領域に関する情報を取得する取得手段をさらに備えていることが好ましい。自装置外部の領域とは、無線通信装置自身が設置されている領域における自装置以外の周辺領域のことである。また、この領域に関する情報とは、例えば、該領域に発生した状態の変化・環境の変化等に関する情報や、該領域の風景・景色に関する画像といった情報等を挙げることができる。すなわち、自装置以外の周辺領域とは、領域に関する情報を取得することが可能な範囲を示す。
このように、上記情報を取得する取得手段を備えていることにより、無線通信装置の設置された周辺の情報を常に取得することが可能となる。また、取得した情報を無線通信にて他の通信装置に対して送信することもできるため、他の通信装置側においても確認することができる。すなわち、無線通信装置がセンサ的な機能を有していることとなる。
本発明に係る無線通信装置では、上記取得手段は、自装置外部の領域を撮影する撮影手段であることが好ましい。上記の構成によれば、撮影手段を用いて上記領域を撮影することが可能となる。すなわち、無線通信装置がカメラ的な機能を有していることとなる。
本発明に係る無線通信装置では、上記送受信する情報が、撮影手段により撮影した画像データを含み、上記選択手段は、画像データの通信には、無線LANを用いて通信を行う通信手段を選択し、画像データ以外のデータの通信には、特定小電力無線を用いて通信を行う通信手段を選択することが好ましい。
上記の構成によれば、画像データの通信には無線LANを用いて通信を行う通信手段を選択する。すなわち、容量の大きなデータを送受信する場合に、通信速度の速い通信手段を選択している。このため、通信速度の速い通信手段を用いる必要のある場合にのみ、無線LANを用いており、通信速度の速い通信を用いる必要がない場合には、特定小電力無線を用いているため、消費電力を最小限に抑制することが可能となる。
本発明に係る無線通信装置では、上記他の通信装置を制御する制御手段を備えていることが好ましい。上記の構成によれば、通信装置の異なる通信方式を用いて他の通信装置を制御することができる。また、無線通信装置は、上記通信手段による無線通信を用いて、他の通信装置を制御するための信号を送信し、他の通信装置を制御している。このため、制御する際に送信する情報の容量に応じて通信手段を変えた制御が可能となる。このため、低消費電力かつ効率的に他の通信装置を制御することができる。
本発明に係る無線通信システムは、上記の取得手段もしくは撮影手段を備えた無線通信装置と、上記の制御手段を備えた無線通信装置とを備えていることを特徴としている。上記の構成によれば、双方の無線通信装置が、通信速度の異なる複数の通信手段と選択手段とを有しているため、送受信する情報に応じた通信を行うことができる。また、制御手段よって撮影手段を制御することが可能となるため、撮影手段の制御や操作を容易に行うことができる。
本発明に係る無線通信方法は、無線通信により情報を送受信する無線通信方法であって、通信速度が互いに異なる複数の通信方式の中から、送受信する情報に応じた通信方式を選択し、上記選択された通信方式を用いて情報の送受信を行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記無線通信方法は、通信速度が異なる複数の通信方式の中から、送受信する情報に応じた通信方式を選択することによって、該情報の送受信に最適な通信方式を選択することができる。この場合、例えば、容量の大きな情報を送受信する場合には、通信速度の速い通信方式を選択し、容量の小さな情報を送受信する場合には、通信速度の遅い通信方式を選択することが可能となり、消費電力を最小限に抑制することができる。
本発明に係る無線通信方法では、上記通信方式は、少なくとも、特定小電力無線と無線LANとを含むことが好ましい。上記の構成によれば、特定小電力無線は、消費電力が小さいという利点も有しており、上記無線LANとは、通信速度が速いという利点を有している。このため、送受信する情報に応じてこれら各通信方式を選択することにより、効率的な情報の送受信が可能となり、消費電力を最小限に抑制することができる。
本発明に係る無線通信方法では、上記送受信する情報には、画像データが含まれており、無線LANを用いて画像データの送受信を行い、特定小電力無線を用いてそれ以外のデータの送受信を行うことが好ましい。上記の構成によれば、画像データといった容量の大きなデータを送受信する場合には、通信速度の速い無線LAN用い、それ以外の容量の小さなデータといった通信速度の速い通信を用いる必要がないデータを送受信する場合には、特定小電力無線を用いているため、消費電力を最小限に抑制することが可能となる。
なお、上記無線通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記無線通信装置をコンピュータにて実現させる無線通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。