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JP2006272064A - 酸化触媒 - Google Patents

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浩一郎 原田
Yoshinori Taio
良則 對尾
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Abstract

【課題】 ディーゼルエンジンの排気通路中のDPFの上流に配置される酸化触媒においてDPFへ流れる排気ガスの温度を効果的に高めることができるようにする。
【解決手段】 筒状のハニカム担体31の中心部に、中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる触媒層32aが形成され、外周部には、上記中空状酸化物粉末と同じ組成の中実状粒子と触媒金属とからなる触媒層32aが形成されている。上記中心部触媒層32aは、ハニカム担体の半径の1/4〜3/4の半径の範囲に形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排気通路中のパティキュレートフィルターの上流に配置される酸化触媒に関するものである。
ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(以下、PMという)は環境に与える影響が大きいため、このPMを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)が排気通路に設けられた自動車が増加してきている。このようにDPFを設ける場合、DPFに捕集されたPMを除去する必要があり、そのための手段としてDPFの上流にバーナーを設けてその熱でPMを燃焼させるようにしたものがあるが、DPFを構成するフィルタ担体が過熱されて溶損するおそれがある。
このような問題を避けるため、例えば特許文献1に示されるように、排気通路のDPFの上流に酸化触媒を設け、この酸化触媒で排気ガス中のNOを酸化させてNOとし、このNOをDPFに送ることにより、DPFに捕集されたPMをNOで酸化除去させるようにした排気ガス浄化装置が開発されている。
ところで、DPFとして一般に用いられているウォールフロータイプの円筒状のフィルタでは、放射熱が大きく低温になり易い外周側通路部分と、中央側通路の下流側部分へのPM堆積量が増加し易い傾向がある。これに対し、上記特許文献1に示された装置では、DPFの上流に設けた酸化触媒の外周側通路部分に強酸化触媒を、中央側通路部分に弱酸化触媒をそれぞれ担持させた構造となっている。そして、特許文献1には、このような酸化触媒の構造によると外周側通路部分の強酸化触媒は中央側通路部分の弱酸化触媒よりも酸化反応が強いため、NOの酸化反応によって外周側通路部分からの排気ガス温度は中央側通路部分のそれよりも高まることとなり、結果としてDPFにおける温度分布は全体的に見て均等化されるというように記載されている。
特開2003−148141号公報
上記の特許文献1の記載によると、強酸化触媒と弱酸化触媒とは、同種の触媒であれば、担持密度や担持濃度を変えることにより形成され、つまり外周側通路部分に中央側通路部分より多くの触媒が担持される。
しかし、このように外周側通路部分に中央側通路部分より多くの触媒を担持させると、外周側通路部分では、通路抵抗が中央側通路部分より増大することにより排気ガスの流量が少なくなり、このため強酸化触媒であっても発熱量は少なくなる。一方、中央側通路部分では、排気ガス量は多いが弱酸化触媒であるため酸化反応が起きにくく、この部分の昇温への寄与率は低くなる。
従って、酸化触媒全体としてDPFを昇温させる効果は充分に得られ難かった。
本発明は上記の事情に鑑み、DPFの上流に配置される酸化触媒においてDPFへ流れる排気ガスの温度を効果的に高めることができる酸化触媒を提供するものである。
本発明は、ディーゼルエンジンの排気通路中のパティキュレートフィルターの上流に配置される酸化触媒であって、筒状のハニカム担体の径方向中心部に、中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる触媒層が形成されているものである。
この構成によると、DPFの上流に配置される酸化触媒において、中心部触媒層が中空状酸化物粉末の破砕殻を含んでいることにより嵩高になって層の厚みが増加し、排気ガスの流通抵抗が増えて流量、流速が低下する。そして、中空状酸化物粉末の破砕殻は中実状粒子と比べて嵩高になる分だけポーラスでガスの拡散が良好になり、ガスと触媒との接触機会が増えるため酸化性能が高まって反応熱が増大することにより、中心部触媒層を通る排気ガスの温度が上昇する。
一方、酸化触媒の外周部は放熱による温度低下が生じ易い部分であるが、中心部での流通抵抗の増加に伴い、排気ガスの流量が外周部で多くなるため、放熱以上に、排気ガス中の未燃HC等の燃焼による発熱が生じて、排気ガス温度が上昇する。
こうして、酸化触媒の中心部と外周部とでそれぞれ排気ガス温度が高められ、かつ、これらの部分の排気ガス温度が均等化される。
本発明の酸化触媒において、中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる中心部触媒層は、ハニカム担体の半径の1/4〜3/4の半径の範囲に形成されていることが好ましい。このようにすると、中心部と外周部とで排気ガス温度の格差が充分に小さく抑えられる。
また、本発明の酸化触媒において、ハニカム担体の上記中心部を囲う外周部には、上記中空状酸化物粉末と同じ組成の中実状粒子と触媒金属とからなる触媒層が形成され、中心部触媒層の担体単位体積あたりの触媒量が外周部触媒層の担体単位体積あたりの触媒量の4/5〜3/2に設定されていることが好ましい。このようにすると、可及的に触媒量を少なくしつつ、効果的に排気ガス温度を高めることができる。
また、上記酸化物は酸化アルミニウムと、酸素吸蔵材と、ゼオライトとの混合物であることが好ましい。
このようにすると、ゼオライトは未燃HCをクラッキングにより炭素数の少ないHC成分、つまり燃焼し易い成分に変換し、また、酸素吸蔵材は排気ガスの空燃比がリーンのときに酸素を吸蔵して、リッチのときに酸素を放出する。従って、排気ガスの空燃比がリッチ状態にされると、排気ガス中の未燃HCがゼオライトで燃焼し易い成分に変えられるとともに酸素吸蔵材から放出される酸素により効率良く燃焼され、排気ガス温度の上昇が促進される。
以上のように、本発明の酸化触媒によると、ハニカム担体の径方向中心部では中空状酸化物粉末の破砕殻により酸化性能が高められて排気ガスの温度が上昇するとともに、中心部で流量が低下してその分だけ外周部で排気ガスの流量が増加し、放熱し易い外周部でも排気ガスの温度が高められるため、酸化触媒の中心部、外周部の全体にわたり排気ガスの温度を充分に上昇させることができ、DPFに堆積するPMの酸化除去を効果的に行うことができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1はディーゼルエンジンの排気通路1にDPF2及び酸化触媒3を組付けた状態を示している。この図において、排気通路1を構成する排気管は、図外のディーゼルエンジン本体に排気マニフォールドを介して接続される。そして、ディーゼルエンジン本体から排出される排気ガスは、白抜き矢印で示すように、排気通路1中を図1で左側から右側へ流れる。
上記排気通路1には、排気ガス中のPMを捕集するDPF2が設けられるとともに、このDPF2に近接してその上流(図1で左側)に酸化触媒3が設けられている。
上記DPF2は、所謂ウォールフロータイプのフィルタであって、コーディエライトやセラミックスにより、多孔質壁で区画した多数の通路(セル)を有するハニカム状に形成されるとともに、千鳥状に一部の通路の上流端側と他の通路の下流端側とが目封止されることにより、上流端側が開口した通路から流入した排気ガスが多孔質壁を通って下流端側が開口した通路へ流れ、その間にPMが捕集されるようになっている。このようなウォールフロータイプのDPF2は従来から知られているため、詳しい図示及び説明は省略する。
上記DPF2の外形は円筒状となっている。
上記DPF2の上流に設けられた酸化触媒3は、図2および図3に示すように、DPF2に対応する円筒状に形成され、多数の通路30を有するハニカム担体31と、このハニカム担体31に担持された触媒層32a,32bとを有しており、触媒層32a,32bは酸化物粉末と触媒金属とを含んでいる。特に本発明の特徴とする構造として、ハニカム担体31の径方向中心部Aには、中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる触媒層32aが形成されている。また、この中心部を囲う外周部Bには、上記中空状酸化物粉末と同じ組成の中実状粒子と触媒金属とからなる触媒層32bが形成されている。
なお、上記のように中心部Aに触媒層32aを形成し、外周部Bに触媒層32bを形成するには、先ず外周部Bの担体両端面にマスキング部材を配置した後、中心部Aに触媒層32a用の触媒スラリーを塗布する。エアブローにより余分なスラリーを除去し、外周部Bのマスキングを取り去った後、乾燥する。続いて、中心部Aの担体両端面にマスキング部材を配置した後、外周部Bに触媒層32b用の触媒スラリーを塗布し、中心部と同様にスラリーの除去、乾燥を行う。最後に焼成を行う。
上記中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる中心部触媒層32aは、好ましくはハニカム担体31の半径の1/4〜3/4の半径の範囲に形成されている。中心部触媒層32aの担体単位体積あたりの触媒量は、外周部触媒層32bの担体単位体積あたりの触媒量の4/5〜3/2に設定されている。また、触媒層32a,32bに含まれる酸化物は、好ましくは酸化アルミニウム(Al)と、酸化セリウム(CeO)等の酸素吸蔵材と、ゼオライトとの混合物である。なお、酸素吸蔵材は、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)との複酸化物、あるいはさらにセリウム以外の希土類金属の酸化物を第3成分として含む複酸化物等であってもよい。
中心部触媒層32aに含まれる破砕殻の製法の一例を、次に説明する。
(工程1) 直径約0.1〜5μmのポリビニルブチラール(PVB)粒子を5%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液に入れて、混合溶液を作成する。
(工程2) 上記混合溶液60wt%に対し、後述のように調製された触媒粉末40wt%を添加し、混合スラリーにする。
(工程3) ロート状滴下器具を用いて、混合スラリーを塩化カリウム(KCl)溶液中に滴下し、PVB粒子表面に触媒粉末がコーティングされた状態の球体として堆積させる。
(工程4) 堆積した球体を乾燥し、さらに乾燥させた球体を焼成する。乾燥の条件は大気中で150°C、2時間とし、焼成の条件は大気中で500°C、2時間とする。このように乾燥、焼成を行うことにより、球体内部のPVB成分が熱分解して焼失し、中空材が得られる。
(工程5)上記中空材の粉末を数mmの厚さに引き伸ばし、メカプレスを用いて比較的低圧で圧粉する。
こうして、中空状酸化物粉末の破砕殻が得られる。この破砕殻は、図4の顕微鏡写真に示すように、球状の殻が砕かれた破片状であって、中実の粒子と比べて空隙が多く、嵩高となる。
なお、上記工程2で混合溶液に添加される触媒粉末は、次のように調整される。すなわち、酸化アルミニウム(Al)、酸化セリウム(CeO)およびゼオライトを同じ重量比で混合し、その混合物に対し、白金(Pt)が2wt%担持されるように、ジニトロアミン白金硝酸溶液を加える。さらに、イオン交換水を混合してスラリー状とした後、蒸発乾固を行い、充分に乾燥した後、乳鉢で粉砕し、電気炉で焼成する。焼成の条件は大気中で500°C、2時間とする。
以上のような酸化触媒3によると、ディーゼルエンジンの排気通路1のDPF2の上流に配置された状態で、エンジンがDPF2の再生のためにポスト噴射(通常の燃料噴射の後に排気ガス中のHC成分等の増加のために行う燃料噴射)などの再生モード運転を行っているとき、酸化触媒3を通る排気ガス中のHC、NOなどが酸化され、温度が高められつつ排気ガスがDPF2に流れて、OおよびNO等により、DPF2に堆積しているPMが酸化除去される。
この場合に、特に中心部触媒層32aが中空状酸化物粉末の破砕殻を含んでいることにより嵩高になって層の厚みが増加し、排気ガスの流通抵抗が増えるため、中心部Aでは排気ガス流量および流速が低下するが、中空状酸化物粉末の破砕殻が嵩高になる分だけガスと触媒との接触機会が増えるため酸化性能が高まって反応熱が増大する。このような作用により、中心部Aを通る排気ガスの温度が上昇する。
一方、中心部Aで排気ガス流量が低下する分だけ、酸化触媒3の外周部では排気ガスの流量が増加し、それにより、排気ガス中のHC等の燃焼による発熱量が増加する。従って、放熱し易い外周部でも、排気ガス温度が上昇する。
こうして、酸化触媒の中心部と外周部とでそれぞれ排気ガス温度が充分に高められ、DPF2におけるPMの燃焼性能が高められる。
このような効果を確認するため、酸化触媒3による排気ガス温度の上昇およびDPF2におけるPMの燃焼性能についての評価のために行った実験とその結果を、次に説明する。
(サンプルおよび実験方法)
評価実験のための酸化触媒3のサンプルとして、後述の各種実施例および比較例に相当するものを作製した。これらのサンプルはいずれも、酸化触媒3のサイズが直径143.8mm、長さ118.0mm、セルの構造が6mil/400cpsiであり、触媒層が破砕殻と中実粒子のいずれについても2wt%の白金が担持されているものである。
各サンプルにつき、排気通路1のDPF2の上流に配置した状態で、酸化触媒3の排気ガス昇温性能を調べる昇温性能評価実験と、酸化触媒3の後段のDPF2におけるスート(soot:PMに含まれる煤)の燃焼性能を調べる燃焼性能評価実験とを行った。
上記昇温性能評価実験としては、排気通路1中に酸化触媒3のサンプルとDPF2とを組み込んだ状態で、ディーゼルエンジンを運転するとともに上記ポスト噴射を行うことにより排気ガス中の未燃焼成分を増加させつつ、酸化触媒入口温度を300°Cに保ち、酸化触媒出口温度が安定したときに、酸化触媒出口側端面における中央部と外周部から1cmの部分との2点(図2中に×印を付して示す)の温度を測定した。
また、上記燃焼性能評価実験としては、排気通路1中に酸化触媒3のサンプルとDPF2とを組み込んだ状態で、DPF2にスートが4g/l堆積した後、上記ポスト噴射を行うことによりDPF2の再生を開始し、その再生開始から3分で再生を停止した後、DPF2を排気通路から取り出し、DPF2内部に残存したスートの堆積分布を調査した。この堆積分布の調査としては、図5(a)に示すDPF2の中央部と図5(b)に示すDPF2の周辺近傍部(外周端から5mmの位置)とにおいて小径円柱状部分Pをカップ上コア抜きドリルなどで切り出し、さらに切り出した小径円柱状部分Pから図5(c)のように入口部P1、長さ方向中央部P2および出口部P3を切り出し、その各部P1〜P3についてスート堆積量を測定した。堆積量の測定は、切り出し後に各部P1〜P3について重量を測定し、次に各部P1〜P3に堆積したスートを燃焼、除去してから、再度各部P1〜P3について重量を測定し、先に測定した重量とスート燃焼、除去後に測定した後の重量との差を求めるようにしたものである。
(実験結果1)
次の表1に示す実施例1〜3と比較例1,2とについて上記昇温性能評価実験を行った結果を図6に示す。
表1中の実施例1〜3は中心部触媒層を破砕殻、外周部触媒層を中実粒子としたものであり、一方、比較例1,2は中心部、外周部のいずれの触媒層も中実粒子としたものである。
なお、実施例1〜3および比較例1,2はいずれも、中心部Aの半径を酸化触媒全体の半径rに対してr/2となっている。また、実施例1〜3および比較例1,2はいずれも外周部の触媒担持量が100g/lとされ、中心部Aの触媒担持量が比較例1と2とで異なり、実施例1〜3でもそれぞれ異なっているが、比較例2と比べると実施例1〜3は中心部Aの触媒担持量が少なくなっている。ここで、触媒担持量とは、担体の単位体積あたり(1リットルあたり)の触媒量である。
図6の実験結果によると、中心部触媒層が破砕殻を含んでいる実施例1〜3は、中心部触媒層も中実状粒子で構成される比較例1,2と比べ、中央部と外周部の両方で出口ガス温度が高められ、中央部と外周部の温度格差が小さくなる。とくに、比較例1と比べると外周部の温度が高くなって上記温度格差が大幅に減少し、また、比較例2と比べると、中心部の触媒担持量が少ないにもかかわらず、出口ガス温度が高められる。
(実験結果2)
次の表2および図7に示すように、中心部触媒層を破砕殻、外周部触媒層を中実粒子とした実施例相当の酸化触媒3で、中心部Aの半径を触媒全体の半径rに対してr/8から7r/8まで種々変えた5種類のサンプル(図7(a)〜(e))を作製し、これらのサンプルと上記比較例1とにつき、上記昇温性能評価実験を行った結果を図8に示す。なお、これらのサンプルおよび比較例1は、中心部の触媒担持量を100g/l、外周部の触媒担持量も100g/lとしている。
図8の実験結果によると、中心部触媒層32aを破砕殻、外周部触媒層32bを中実粒子とするとともに、その中心部Aの半径をr/4〜3r/4とすれば、上記比較例1と比べて外周部の温度が充分に高くなり、中心部と外周部の温度格差が小さくなる。これに対し、中心部Aの半径がr/8であれば、中心部触媒層での破砕殻による流通抵抗増大によって外周部で排気ガスの流量を増加させるという作用が低減し、また、中心部Aの半径が7r/8であれば、外周部のエリアが小さくなりすぎるため、外周部の温度上昇が少なくなる。
従って、破砕殻を含む触媒層が形成される中心部の半径はr/4〜3r/4程度が好ましい。
(実験結果3)
酸化触媒3の中心部触媒層を破砕殻、外周部触媒層を中実粒子とし、かつ、中心部の触媒担持量を80g/l、外周部の触媒担持量を100g/lとして、中心部Aの半径が触媒全体の半径rに対してr/4とr/2と3r/4の3種類のサンプルを作製し、これらのサンプルと上記比較例2とにつき、上記昇温性能評価実験を行った結果を図9に示す。
また、中心部触媒層を破砕殻、外周部触媒層を中実粒子とし、かつ、中心部の触媒担持量を150g/l、外周部の触媒担持量を100g/lとして、中心部Aの半径が触媒全体の半径rに対してr/4とr/2と3r/4の3種類のサンプルを作製し、これらのサンプルと上記比較例2とにつき、上記昇温性能評価実験を行った結果を図10に示す。
これら図9,図10に示した実験結果と前述の図6に示した実験結果とを考察する。中心部と外周部の各触媒層をともに中実粒子とした比較例の中では中心部の触媒担持量を外周部よりも多くした比較例2の方が外周部の温度が高められるが、この比較例2と比べても、中心部触媒層を破砕殻として中心部の触媒担持量を80g/l(外周部の触媒担持量の4/5)とした場合(図9参照)では中央部及び外周部で出口側ガス温度が高まる効果が得られた。また、同じく中心部触媒層を破砕殻として中心部の触媒担持量を150g/l(外周部の触媒担持量の3/2)とした場合(図10参照)は、より一層外周部の温度が高められて、中央部と外周部の温度格差が小さくなり、しかも、触媒担持量が比較例2と比べて少なくなる。
つまり、破砕殻を含む触媒層が形成される中心部の触媒担持量を外周部の触媒担持量の4/5〜3/2とすれば、触媒担持量を少なくしつつ、酸化触媒全体にわたり排気ガス温度を高める作用が良好に得られる。
(実験結果4)
本発明の実施例に相当するサンプルとして、破砕殻を含む触媒層を形成した中心部の触媒担持量が80g/l、中実粒子を含む触媒層を形成した外周部の触媒担持量が100g/lであって、中心部の破砕殻部分の半径が酸化触媒全体の半径に対してr/4とr/2である2種類のサンプルを作製し、これらの実施例に相当する2種類のサンプルと前述の比較例2とを用い、上記燃焼性能評価実験を行った結果を、図11および図12に示す。図11は酸化触媒の下流に配置されていたDPFの中央部から切り出した小径円柱状部分P(図5(a)参照)の入口部P1、中央部P2、出口部P3の各部位(図5(c)参照)においてスート堆積量を測定したデータである。また、図12は、上記DPFの外周端近傍から切り出した小径円柱状部分P(図5(b)参照)の入口部P1、中央部P2、出口部P3の各部位(図5(c)参照)においてスート堆積量を測定したデータである。
これらの実験結果によると、本発明の実施例に相当する上記2種類のサンプルは比較例2よりも中心部の触媒担持量が大幅に少なくされているにもかかわらず、上記2種類のサンプルを用いた場合、比較例2を用いた場合と比べ、DPFのスート堆積量が全体的に少なくなり、燃焼性能が改善されていることが解る。
また、このように、DPFの内部でのスート燃焼がより均一に近づくと、局所的に異常燃焼が起こり難いため、熱応力による破損や溶損等を回避することができる点でも有利である。
本発明に係る酸化触媒とDPFをディーゼルエンジンの排気通路に組み込んだ状態の概略図である。 酸化触媒を概略的に示す斜視図である。 酸化触媒の拡大部分断面図である。 中空状酸化物粉末の破砕殻の顕微鏡写真である。 昇温性能評価実験においてDPFのスート堆積量を調べる方法を示す説明図である。 実施例1〜3と比較例1,2とについて昇温性能評価実験を行った結果を示すグラフである。 中心部触媒層を破砕殻、外周部触媒層を中実粒子とした酸化触媒で、中心部の半径を触媒全体の半径種々変えた5種類のサンプルを示す説明図である。 上記5種類のサンプルと比較例とについて昇温性能評価実験を行った結果を示すグラフである。 本発明の実施例に相当する3種類のサンプルと比較例とにつき、昇温性能評価実験を行った結果を示すグラフである。 図9に実験結果を示したサンプルとは触媒担持量が相違する別の実施例相当の3種類のサンプルと比較例とにつき、昇温性能評価実験を行った結果を示すグラフである。 実施例相当の2種類のサンプルを用いた場合と比較例を用いた場合とにつき、DPFでの燃焼性能の評価実験を行った結果を示すものであって、DPFの中央部から切り出した小径円柱状部分の入口、中央、出口の各部位におけるスート堆積量を測定したデータを示すグラフである。 実施例相当の2種類のサンプルを用いた場合と比較例を用いた場合とにつき、DPFでの燃焼性能の評価実験を行った結果を示すものであって、DPFの外周端近傍部から切り出した小径円柱状部分の入口、中央、出口の各部位におけるスート堆積量を測定したデータを示すグラフである。
符号の説明
1 排気通路
2 DPF
3 酸化触媒
30 通路
31 ハニカム担体
32a 中心部触媒層
32b 外周部触媒層

Claims (4)

  1. ディーゼルエンジンの排気通路中のパティキュレートフィルターの上流に配置される酸化触媒であって、筒状のハニカム担体の径方向中心部に、中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる触媒層が形成されていることを特徴とする酸化触媒。
  2. 中空状酸化物粉末の破砕殻と触媒金属とからなる中心部触媒層は、ハニカム担体の半径の1/4〜3/4の半径の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1記載の酸化触媒。
  3. ハニカム担体の上記中心部を囲う外周部には、上記中空状酸化物粉末と同じ組成の中実状粒子と触媒金属とからなる触媒層が形成され、中心部触媒層の担体単位体積あたりの触媒量が外周部触媒層の担体単位体積あたりの触媒量の4/5〜3/2に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化触媒。
  4. 上記酸化物は酸化アルミニウムと、酸素吸蔵材と、ゼオライトとの混合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸化触媒。
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