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JP2006271525A - ミシンのワイパー装置 - Google Patents

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JP2006271525A
JP2006271525A JP2005092071A JP2005092071A JP2006271525A JP 2006271525 A JP2006271525 A JP 2006271525A JP 2005092071 A JP2005092071 A JP 2005092071A JP 2005092071 A JP2005092071 A JP 2005092071A JP 2006271525 A JP2006271525 A JP 2006271525A
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thread
wiper
yarn
sewing machine
wiper device
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JP2005092071A
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English (en)
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Shinya Fujiwara
慎也 藤原
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Priority to AT06006179T priority patent/ATE400685T1/de
Priority to DE602006001675T priority patent/DE602006001675D1/de
Priority to US11/387,867 priority patent/US7134398B2/en
Priority to CN 200610074117 priority patent/CN1840766A/zh
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Abstract

【課題】糸払い後の上糸の糸端部を簡単な機構で確実に保持するミシンのワイパー装置を提供すること。
【解決手段】糸払いを行う作用位置と非作用位置とに亙って揺動可能に刺繍押え14に枢支されたワイパー部材16の糸払い動作を行う作用位置から待機位置への復動により、ワイパー部材16の先端部に設けられた糸係合部27の下面部に固着した摩擦抵抗付与部材29と加工布Wを押える布押え部13の上面部とで上糸の糸端部を挟持して保持するように構成した。
【選択図】 図17

Description

本発明は、縫製終了後に切断された上糸をワイパー部材で糸払した後、その糸払いした上糸の糸端部をワイパー部材と布押え部との協働により保持するように構成したミシンのワイパー装置に関する。
従来、刺繍縫製可能なミシンにおいては、刺繍縫製に際して加工布を押える布押え部材を駆動する布押え機構と、縫製終了時に、縫針に繋がっている上糸の糸端を切断する糸切断装置と、切断された上糸の糸端をワイパー部材で払い上げる糸払い機構とが設けられたものが実用に供されている。
例えば、特許文献1のミシンのワイパー装置は、ミシン機枠に回動可能に支持されるワイパー体と、加工布を押える押え金と、押え金の昇降移動に連動する昇降手段と、ワイパー体の上端と昇降手段の上端に連結した連結リングとを有する。昇降手段は、押え金に形成される貫通穴に遊嵌され下端に貫通穴より大きな係止体を有した支持棒と、この支持棒を挿入するよう支持棒に支持されるバネ体とからなる。
縫製終了後において、押え金の上昇移動に連動して昇降手段が上昇すると、連結リンクを介してワイパー体が縫針方向へ移動して、ミシンの糸切断手段で切断された上糸の糸端部を払い上げる。
さらに、特許文献2の糸払い装置において、ミシンのベッド部の針板の下面付近には上糸及び下糸を自動で切断する糸切断装置、ミシンのベッド部の上方のミシン頭部には、糸切断装置による切断後に、縫針に繋がっている上糸を針板上に引き上げて加工布から上糸の糸端を引抜く糸払い装置が設けられている。
この糸払い装置は、上糸を加工布から引抜けるように先端部に鉤部を有するワイパーと、そのワイパーを駆動させるワイパー駆動機構と、ワイパーには上糸の糸端部を保持する上糸保持具とを有する。
縫製終了後において、針棒及び布押えが上昇移動すると、ワイパー駆動機構によりワイパーが作動し、糸切断装置による糸切断後の上糸の糸端部を鉤部で引掛けて加工布の上側に引き出し、その上糸の糸端部を上糸保持具で保持する。
実開平6−52782号公報 特開2003−103080号公報
特許文献1のミシンのワイパー装置においては、糸切断手段により切断された上糸の糸端をワイパー部材により加工布の上側に引き抜くだけの構成であり、糸払い後の上糸の糸端部が保持されないので、その糸端部に糸縒りが生じ易く、そのため、次の縫い始めの縫目が正常に出来なかったり、次の縫い始めの縫目が乱れて綺麗に出来ない等の不具合が生じる虞がある。
特許文献2の糸払い装置においては、ワイパーで上糸の糸端を払い上げ、上糸保持具で上糸の糸端部を保持する構成であるが、ワイパー駆動機構により、糸切断装置の移動刃の糸切断動作と同期してワイパーが駆動制御されているため、その構成が複雑であると共に装置が大型化して高価であった。
本発明の目的は、糸払い後の上糸の糸端部を簡単な機構で確実に保持するミシンのワイパー装置を提供することである。
請求項1のミシンのワイパー装置は、縫針が挿通可能な布押え部を有する刺繍押えに装着され、縫針の目孔から延びる上糸を糸切断手段により切断した後に上糸の糸端部を加工布の上側に引き出すように糸払いを行うワイパー部材を備えたワイパー装置において、布押え部と前記ワイパー部材との協働により上糸の糸端部を保持するように構成されたものである。
このワイパー装置は、刺繍縫製中における複数の刺繍領域を繋ぐ渡り糸を糸切断手段により切断した後や刺繍糸の色替え時及び縫製終了後に上糸を切断した後に、ワイパー部材が作動して上糸の糸端部を加工布の上面側に引き出すように糸払いする。糸払い後、糸払いしたワイパー部材と布押え部との協動により、糸払いされた上糸の糸端部が確実に保持されるので、次の縫い始めの縫目が正常に形成される。
請求項2のミシンのワイパー装置は、請求項1の発明において、ワイパー部材は、上糸の糸端部を布押え部と挟持して保持する糸係合部を有するものである。
請求項3のミシンのワイパー装置は、請求項2の発明において、ワイパー部材は、糸払いを行う作用位置と非作用時の待機位置とに亙って揺動可能に刺繍押えに枢支され、作用位置から待機位置への復動により、上糸の糸端部を布押え部と糸係合部とで挟持して保持するように構成されたものである。
請求項4のミシンのワイパー装置は、請求項2又は3の発明において、布押え部と糸係合部の少なくとも一方に、保持されている状態の上糸の糸端部に摩擦抵抗を付与する摩擦抵抗付与部材が設けられたものである。
請求項5のミシンのワイパー装置は、請求項4の発明において、摩擦抵抗付与部材は糸係合部の下面部に固着され、摩擦抵抗付与部材と布押え部の上面部とで上糸の糸端部が挟持されて保持されるように構成されたものである。
請求項6のミシンのワイパー装置は、請求項4又は5の発明において、摩擦抵抗付与部材は、基布に短繊維が植設されたパイル部材で構成されたものである。
請求項7のミシンのワイパー装置は、請求項2〜4の何れかの発明において、布押え部と糸係合部の平面視の形状は、略同じ形状であるものである。
請求項8のミシンのワイパー装置は、請求項2〜4又は7の何れかの発明において、布押え部と糸係合部は、縫針が貫通可能な貫通穴が形成された形状であるものである。
請求項1の発明によれば、糸払いを行うワイパー部材を備え、布押え部とワイパー部材との協働により上糸の糸端部を保持するように構成したので、上糸の糸端部が確実に保持されることにより、次の縫い始めの縫目が正常に形成され、縫製品質を向上させることができる。更に、簡単な構成なので、装置を小型化できると共に製造コストを低減できる。
請求項2の発明によれば、ワイパー部材は、上糸の糸端部を布押え部と挟持して保持する糸係合部を有するので、上糸の糸端部を保持する構成を簡単化できる。
請求項3の発明によれば、糸払いを行う作用位置と非作用時の待機位置とに亙って揺動可能に前記刺繍押えに枢支され、前記作用位置から前記待機位置への復動により、前記上糸の糸端部を前記布押え部と前記糸係合部とで挟持して保持するように構成したので、ワイパー部材が復動する動作を利用して糸端部を挟持できるので、簡単な構成で上糸の糸端部を保持することができる。
請求項4の発明によれば、布押え部と糸係合部の少なくとも一方に、保持されている状態の前記上糸の糸端部に摩擦抵抗を付与する摩擦抵抗付与部材を設けたので、摩擦抵抗付与部材から付与される摩擦抵抗によって、上糸の糸端部をより確実に保持することができる。
請求項5の発明によれば、摩擦抵抗付与部材を糸係合部の下面部に固着したので、ワイパー部材が待機位置から作用位置に往動して糸払いした際に、上糸の糸端部が摩擦抵抗付与部材と接触して摩擦抵抗が付与されることにより、上糸の糸端部が糸係合部から脱落してしまうことを防止することができる。また、摩擦抵抗付与部材と布押え部の上面部とで上糸の糸端部を挟持して保持するように構成したので、上糸の糸端部を保持する構成を省スペース化することができる。
請求項6の発明によれば、摩擦抵抗付与部材は、基布に短繊維が植設されたパイル部材で構成したので、簡単な部材で安価に製作できる。
請求項7の発明によれば、布押え部と糸係合部の平面視の形状は、略同じ形状であるので、糸端部をより確実に挟持して保持することができる。
請求項8の発明によれば、布押え部と糸係合部は、縫針が貫通可能な貫通穴が形成された形状であるので、上糸の糸端部は糸係合部の貫通穴に挿通した状態で挟持され、上糸の糸端部をより確実に保持することができる。
本発明に係るミシンのワイパー装置は、縫針が挿通可能な布押え部を有する刺繍押えに装着され、縫針の目孔から延びる上糸を糸切断手段により切断した後に上糸の糸端部を加工布の上側に引き出すように糸払いを行うワイパー部材を備えたワイパー装置において、布押え部とワイパー部材との協働により上糸の糸端部を保持するように構成してある。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
先ず、図1に示すように、刺繍縫製可能なミシンMについて簡単に説明する。
このミシンMは、通常の家庭用の電子制御ミシンと同様のもので、ベッド部1と、ベッド部1の右端部から立設された脚柱部2の上端からベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3を有する。このミシンMでは、ベッド部1の左端側部分には、刺繍枠(図示略)を用いて刺繍縫いに供する刺繍枠駆動機構4が着脱可能に装着されている。刺繍枠駆動機構4は、刺繍枠をX方向(左右方向)とY方向(前後方向)に夫々独立に駆動する。
ベッド部1の針板1aの下側には、一般的なミシンと同様に、送り歯を上下動させる送り歯上下動機構(図示略)及び前後動させる送り歯前後動機構(図示略)と、下糸が巻かれたボビンを着脱自在に装着する釜機構(図示略)と、上糸と下糸を切断する糸切断機構(図示略)等が設けられている。脚柱部2の前面には、液晶ディスプレイ6が設けられている。
アーム部3には、ミシンモータで回転駆動される左右方向に延びるミシン主軸(図示略)と、この主軸を手動操作で回転可能なハンドプーリ7と、下端に縫針5を装着した針棒8を上下動させる針棒駆動機構(図示略)と、針棒8を布送り方向と直交する左右方向に揺動させる針振り機構9と、天秤を針棒の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)と、ミシン機枠に昇降可能に支持された押え棒10をミシン機枠に固定されたステッピングモータにより上昇位置と下降位置とに亙って昇降駆動する昇降機構(図示略)などが設けられている。
アーム部3の前面側には、縫製の開始及び停止の操作のための縫製開始・停止スイッチ11等が設けられている。アーム部3の頭部において、押え棒10には、布押え部13を有する刺繍押え14が装着され、布押え部13には縫針5が上下方向に貫通可能な貫通穴12が形成されている。刺繍押え14には、上糸を針板1aの下側の糸切断機構で糸切りしその糸切り後に縫針5の目孔から延びる上糸の糸端部を加工布の上側に引き出すように糸払いするワイパー装置15が設けられている。刺繍押え14とワイパー装置15には、後述する支持部材20と、支持軸21と、駆動力入力機構22等が設けられている。
次に、ワイパー装置15ついて説明する。
図2〜図9、図13に示すように、ワイパー装置15は、糸払いを行うワイパー部材16を含むワイパー機構17と、ワイパー機構17を駆動しワイパー部材16を糸払い動作させるワイパー駆動機構18と、針棒8の位置に連動してワイパー部材16を作動可能状態と作動不能状態と亙って切換える切換え機構19とを有する。
次に、ワイパー機構17とワイパー部材16について図2〜図5、図13に基づいて説明する。ワイパー機構17は、ワイパー部材16と、リンク機構23とを備えている。
ワイパー部材16は、刺繍押え14の駆動力入力機構22の本体部材24には針振り方向(左右方向)と平行な水平枢支軸25を中心として揺動可能に枢支され、ワイパー部材16は、迂回腕部26と、この迂回腕部26の下端部に一体形成された糸係合部27とを備えている。
迂回腕部26は、ワイパー部材16が上方へ揺動して糸払いする際に針棒8に縫針5を固定する針止め部材30と干渉しないように迂回する形状に構成されている。
糸係合部27は、ワイパー部材16の先端部に設けられ、平面視にて布押え部13と略同じ形状に形成されている。糸係合部27の内部には縫針5が上下方向に貫通可能で且つ左右方向に針振り可能な幅広の略楕円形状の貫通穴28が設けられている。この実施例では、この貫通穴28の形状は、布押え部13の貫通穴12と同一形状である。糸係合部27の下面部には、後述する摩擦抵抗付与部材29が糸係合部27の下面部の全周に亙って固着されている。
支持部材20は、押え棒10に取着された布押え部13と一体に形成され、支持部材20の上下1対の支持片部20a,20bには、鉛直方向の向きに支持軸21が固着されている。
駆動力入力機構22は、支持軸21に昇降可能に支持された本体部材24と、この本体部材24の上端部に左右方向へ揺動可能に枢着された当接部材31を有し、当接部材31の上端には当接部31aが形成されている。
本体部材24には上下1対の被案内部24a,24bが形成され、上下1対の支持片部20a,20bの間において、支持軸21が下端の被案内部24bに上下摺動自在に挿通され、上側の支持片部20aよりも上方において支持軸21が上端の被案内部24aに上下摺動自在に挿通され、本体部材24が支持軸21に上下摺動自在に支持されている。支持片部20aと上端の被案内部24aの間で支持軸21には圧縮コイルバネからなる弾性部材32が外装され、駆動力入力機構22は弾性部材32により上方へ付勢されている。
本体部材24の上端部には、前後1対の支持片24cが正面視にて右方へ突出状に成形され、正面視にて前後方向向きの水平支軸33が固着されている。当接部材31は、その水平支軸33に対して揺動可能且つ軸方向には移動不能に支持されている。また、当接部材31は、水平支軸33に外装された捩じりコイルバネ34の弾性力により正面視にて反時計回り方向に付勢され、本体部材24に係止した姿勢で支持されている。当接部材31は、その係止した姿勢から時計回り方向に約30度の角度の揺動が可能である。
次に、リンク機構23について説明する。
図4,図5,図8,図13に示すように、リンク機構23は、支持軸21の上下方向の略中段部に、針振り方向と平行方向に植設された駆動ピン35と、本体部材24に上下方向に長く切欠かれたスリット36と、ワイパー部材16にリンク腕部37が一体成形され、このリンク腕部37に形成されたリンクスリット37aとを有する。この駆動ピン35が、スリット36とリンクスリット37aとの両方に摺動可能に挿入されている。
押え棒10に取着された支持部材20の上下位置を固定した状態で、本体部材24を下方に移動させると、本体部材24に固着された水平枢支軸25の位置が、駆動ピン35に対して相対的に下方に移動する。これによりワイパー部材16のリンクスリット37aが図4,図13に示すように前方に向かって斜め下方に延びる姿勢から、図8,図15に示すように前方に向かって斜め上方に延びる姿勢に移動するので、図4,図13に示すようにワイパー部材16の糸係合部27が、布押え部13の上側に上方から接近対向する位置(ワイパー部材の非作用時の待機位置に相当する)から、図8,図15に示すように針止め部材30の前方に到るまで移動する。
次に、押え棒10の昇降動作によりワイパー部材16を駆動するワイパー駆動機構18について説明する。ワイパー駆動機構18は、押え棒10を昇降駆動する昇降機構で駆動されるように構成され、押え棒10の下端部には刺繍押え14の下端部が締めネジ38により固定され、押え棒10の昇降動作により刺繍押え14と一体的に形成された支持部材20も上下方向に昇降する。
当接部材31の当接部31aが後述の針棒台39と当接可能位置にある場合には、押え棒10の上昇と共に支持部材20が上昇して、当接部31aが針棒台39と当接する。当接部31aが針棒台39と当接した以降は、当接部31aは、その位置で係止された状態となる。押え棒10と共に支持部材20が更に上昇すると、前述したように本体部材24に固着された水平枢支軸25の位置が、駆動ピン35に対して相対的に下方に移動することにより、ワイパー部材16は、図4,図13に示すように、ワイパー部材16の非作用時の待機位置から、図8,図15に示すように、針止め部材30の前方に到る位置に回動すると、切断された上糸の糸端部が糸係合部27の下面に固着された摩擦抵抗付与部材29を介して糸係合部27の貫通穴28の内部に保持された状態で加工布Wの上面側に引き出されるように糸払いされる。
次に、切換え機構19について説明する。
図3,図5に示すように、切換え機構19は、針振り機構9と、針棒8を上下方向に摺動可能に支持する針棒台39で構成されている。
針棒8を針振り動作させる針振り機構9について説明する。
図10〜12に示すように、針振り機構9は、針棒台39、揺動レバー40、ステッピングモータ41、揺動カム42等を有する。
図10に示すように針棒台39は、針棒8と略平行に上下方向に伸長する形状で、針棒8の左側近傍に配設されており、その上端部が支軸39aによりミシン機枠に揺動可能に支持され、針棒8を上下方向に移動可能に支持する上側枢支部43と下側枢支部44とを有している。従って、針棒台39が左右方向に揺動するとそれに伴い針棒8も左右方向に揺動する。
揺動レバー40は針棒台39と略平行に上下方向に伸長する形状で、上下方向の略中段部がミシン機枠に支持された枢支ピン45に対して揺動可能に枢支されており、その下端部46は針棒台39の下端部に固定されたカム体47に当接すると共に、その上端部48にはピン49が固着され、針棒台39を左右方向に揺動させる揺動カム42のカム面50に当接する。針棒台39は図示しないコイルバネによりその下端部が左向き方向に付勢され、夫々の当接状態が保持されるように構成されている。揺動カム42はミシン機枠に回転可能に支持され、ミシン機枠に固定されたステッピングモータ41が揺動カム42を駆動する。揺動カム42は外周部にはギヤが形成され、ステッピングモータ41の駆動ギヤ51と噛合している。
揺動カム42には、回動軸心からの距離が大きい半径拡大カム面52と回動軸心から距離が小さい半径縮小カム面53とを連続させたカム面50が形成されている。
図11に示すように、ステッピングモータ41の回転により揺動カム42が回転し、揺動カム42の回動軸心からの距離が大きい半径拡大カム面52にピン49が接触すると、揺動レバー40の上端部48が左方向に移動し、枢支ピン45を介して揺動レバー40の下端部46が右方向に移動するため針棒台39も右方向に移動する。
図12に示すように、ステッピングモター41の回転により揺動カム42が回転し、揺動カム42の回動軸心から距離が小さい半径縮小カム面53にピン49が接触すると、揺動レバー40の上端部48が右方向に移動し、枢支ピン45を介して揺動レバー40の下端部46が左方向に移動するため針棒台39も左方向に移動する。
つまり、針振り機構9により、揺動レバー40の下端部46が右方向に移動(図11参照)すると、針棒台39が、当接部材31の当接部31aと当接可能な位置に移動する。このとき押え棒10の上昇動作により刺繍押え14と共に支持部材20が上昇すると、当接部31aが針棒台39に当接してワイパー部材16が作動する。
一方、揺動レバー40の下端部46が左方向に移動(図12参照)した状態では、、針棒台39が当接部31aと当接不能な退避位置に移動するので、押え棒10の上昇動作により刺繍押え14と共に支持部材20が上昇しても、当接部31aが針棒台39に当接せずに、針棒台39の右側に位置するだけなのでワイパー部材16は作動しない。
次に、ワイパー部材16の糸係合部27に設けた摩擦抵抗付与部材29について説明する。
図2〜図9,図13,図14に示すように、摩擦抵抗付与部材29は、糸係合部27の下面の全面に固着されたパイル部材55で構成されている。このパイル部材55は、基布の下面に短繊維(例えば綿毛など)の毛羽を全面に亙って均一密集状に植設した構造のものであり、糸係合部27に保持されている状態の上糸の糸端部に摩擦抵抗を付与するものである。糸係合部27が刺繍押え14の布押え部13の上側に上方から接近対向状に位置する場合に、パイル部材55の毛羽の先端部分が布押え部13の上面に接触し、糸係合部27と布押え部13との協働により糸端部を保持可能に構成されている。
ここで、ワイパー装置15の動作について図13〜図17に基づいて説明する。
刺繍縫製終了後、ベッド部1に設けられた図示しない糸切断機構により上糸が切断された状態を図13に示す。
この状態により、針振り機構9により針棒8を右方に移動させた後、押え棒10を上昇させて刺繍押え14を上昇させると、当接部31aが針棒台39に当接し、図14,図15に示すように、ワイパー部材16が回動して糸払い動作を行い、切断された上糸の糸端部を加工布Wの上側に引き上げる。
図14に示すように、上糸の糸端部がワイパー部材16によって引き上げられる際、上糸の糸端部はパイル部材55の毛羽に接触して摩擦抵抗が付与される。そのため、上糸の糸端部が加工布Wから抜けた瞬間に上糸の糸端部に掛かっていた張力が無くなって弛みが発生しても、その摩擦抵抗により、上糸の糸端部は糸係合部27の貫通穴28から脱落することなく確実に係止される。
次に、押え棒10を降下させていくと、図16に示すように、上糸の糸端部は糸係合部27に係止された状態でワイパー部材16が降下する。その後、図17に示すように、ワイパー部材16が更に降下してその待機位置に戻ると、パイル部材55の毛羽の先端部分と布押え部13の上面部とで上糸の糸端部が挟持されて保持される。このように、ワイパー部材16が作用位置から待機位置へ復動することにより、上糸の糸端部が挟持されて保持される。
次に、以上説明したワイパー装置15の作用効果について説明する。
このワイパー装置15は、糸払いを行うワイパー部材16を備え、縫製後に糸切断機構により切断された上糸の糸端部が布押え部13とワイパー部材16の糸係合部27の協働により保持されるので、次の縫い始めの縫目が正常に形成され、縫製品質を向上させることができる。更に、簡単な構成なので、装置を小型化できると共に製造コスト低減できる。
また、糸係合部27の下面に設けたパイル部材55により上糸の糸端部に摩擦力を付与するように構成したので、糸払い動作中に、上糸の糸端部が糸係合部27から脱落してしまうことを防止することができる。また、摩擦抵抗付与部材29と布押え部13の上面部とで上糸の糸端部を挟持して保持するように構成したので、上糸の糸端部を保持する構成を省スペース化することができる。
ワイパー部材16は、上糸の糸端部を布押え部13と挟持して保持する糸係合部27を有し、上糸の糸端部を係合部27には、縫針5が挿通可能な挿通穴28が設けられているので、上糸の糸端部は糸係合部27の貫通穴28に挿通した状態で挟持され、上糸の糸端部をより確実に保持することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕実施例においては、糸係合部27の下面部の全面に摩擦抵抗付与部材29を設けたが、下面部の全面ではなく、上糸の糸端部が糸係合部27に接触する前方部分の一部に設けるように構成してもよい。
また、糸係合部27の下面部だけでなく、布押え部13の上面部にも摩擦抵抗付与部材29を設けてもよい。或いは、布押え部13の上面部だけに摩擦抵抗付与部材29を設けてもよい。
2〕実施例においては、摩擦抵抗付与部材29はパイル部材を採用したが、パイル部材に限定されるものではなく、フェルト、スポンジ、ウレタンフォーム、ゴム、面ファスナー等の部材であってもよい。
3〕前記糸係合部27の形状は、平面視にて布押え部13と略同じ形状であったが、布押え部13の形状とは異なる形状であってもよい。
4〕その他、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更された種々の形態を包含するものである。
本発明の実施例に係るワイパー装置を装着した状態の刺繍ミシンの斜視図である。 同ワイパー装置の左側面図である。 同ワイパー装置の正面図である。 同ワイパー装置の右側面図である。 同ワイパー装置の斜視図である。 ワイパー部材の作動状態を示す左側面図である。 ワイパー部材の作動状態を示す正面図である。 ワイパー部材の作動状態を示す右側面図である。 ワイパー部材の作動状態を示す斜視図である。 針振り機構の正面図である。 針棒右振状態の針振り機構の正面図である。 針棒左振状態の針振り機構の正面図である。 ワイパー部材の待機状態を示す斜視図である。 ワイパー部材の糸払い動作途中の状態を示す斜視図である。 ワイパー部材の糸払い動作完了時の状態を示す斜視図である。 ワイパー部材の待機位置への復動途中の状態を示す斜視図である。 ワイパー部材の待機位置まで復動した状態を示す斜視図である。
符号の説明
M 刺繍ミシン
W 加工布
5 縫針
13 布押え部
15 ワイパー装置
16 ワイパー部材
27 糸係合部
29 摩擦抵抗付与部材
55 パイル部材

Claims (8)

  1. 縫針が挿通可能な布押え部を有する刺繍押えに装着され、縫針の目孔から延びる上糸を糸切断手段により切断した後に上糸の糸端部を加工布の上側に引き出すように糸払いを行うワイパー部材を備えたワイパー装置において、
    前記布押え部と前記ワイパー部材との協働により上糸の糸端部を保持するように構成されたことを特徴とするミシンのワイパー装置。
  2. 前記ワイパー部材は、前記上糸の糸端部を前記布押え部と挟持して保持する糸係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のミシンのワイパー装置。
  3. 前記ワイパー部材は、糸払いを行う作用位置と非作用時の待機位置とに亙って揺動可能に前記刺繍押えに枢支され、前記作用位置から前記待機位置への復動により、前記上糸の糸端部を前記布押え部と前記糸係合部とで挟持して保持するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のミシンのワイパー装置。
  4. 前記布押え部と前記糸係合部の少なくとも一方に、保持されている状態の前記上糸の糸端部に摩擦抵抗を付与する摩擦抵抗付与部材が設けられたことを特徴とする請求項2又は3に記載のミシンのワイパー装置。
  5. 前記摩擦抵抗付与部材は前記糸係合部の下面部に固着され、前記摩擦抵抗付与部材と前記布押え部の上面部とで前記上糸の糸端部が挟持されて保持されるように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のミシンのワイパー装置。
  6. 前記摩擦抵抗付与部材は、基布に短繊維が植設されたパイル部材で構成されたことを特徴とする請求項4又は5に記載のミシンのワイパー装置。
  7. 前記布押え部と前記糸係合部の平面視の形状は、略同じ形状であることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のミシンのワイパー装置。
  8. 前記布押え部と前記糸係合部は、前記縫針が貫通可能な貫通穴が形成された形状であることを特徴とする請求項2〜4又は7の何れかに記載のミシンのワイパー装置。
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