JP2006267558A - 電気光学装置の調整方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶装置等の電気光学装置の調整方法は、例えば領域走査倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する電気光学装置の対向電極の電位を調整することを可能にする。
【解決手段】 電気光学装置の調整方法は、電気光学装置における対向電極の電位を調整するための電気光学装置の調整方法であって、電気光学装置を2つ以上組み合わせて、画像表示領域から出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影ステップと、投影画像におけるカラーブレーク現象が小さくなるように電位を調整する調整ステップとを備える。
【選択図】 図8
【解決手段】 電気光学装置の調整方法は、電気光学装置における対向電極の電位を調整するための電気光学装置の調整方法であって、電気光学装置を2つ以上組み合わせて、画像表示領域から出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影ステップと、投影画像におけるカラーブレーク現象が小さくなるように電位を調整する調整ステップとを備える。
【選択図】 図8
Description
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置における対向電極の電位を調整するための調整方法及び装置の技術分野に関する。
例えば液晶装置等の電気光学装置では、液晶等の電気光学物質に対して直流電界が印加されることによる該電気光学物質の劣化を防いだり、表示画像におけるフリッカを低減するのが望ましい。このため、対向電極と画素電極との間で電気光学物質に印加される電界が、適当な周期で、所定電位或いは基準電位に対して正極性と負極性とに交互になるように反転駆動を行うことが一般的である。例えば、一画面毎に即ち1フィールド期間毎或いは1垂直走査期間毎に、極性を反転させるフィールド反転駆動がある。或いは、一走査線ライン毎に即ち1水平走査期間毎に、極性を反転させる横ライン反転駆動(例えば、1H反転駆動)がある。更に、一データ線ライン毎に極性を反転させる縦ライン反転駆動(例えば、1S反転駆動)や、縦横のドット毎に極性を反転させるドット反転駆動もある。このような反転駆動を行う場合には、直流電界の印加を避け且つ正極性と負極性とで同一階調とする観点からすれば、対向電極の電位の最適値とは、正極性と負極性との中央の値ということになる。
そこで従来は、このような電気光学装置における対向電極の電位を最適値に調整するための調整方法として、次の方法が広く行われている。
即ち先ず、電気光学装置をRGB用のライトバルブとして3つ組み合わせて、各ライトバルブから出射される光を合成して一枚のRGBのカラー画像としてスクリーン上に投影する。この状態で、目視によりフリッカを観察する。ここで、対向電極の電位が、その最適値からずれている程、視認されるフリッカの程度が大きくなる。逆に、対向電極の電位が、その最適値に近くなる程、視認されるフリッカの程度が小さくなる。このため、目視によりフリッカを観察して、フリッカが小さくなるように調整することで、対向電極の電位を、その最適値に調整することが可能となる。
ところで、画像表示領域を走査線に沿った分割線によって分割して得られる複数の部分領域を次のように領域走査することにより画像表示を行う独自の駆動方法が本願発明者らによって見出されている。即ち、この駆動方法によれば、駆動回路は、水平同期信号及び垂直同期信号に基づいて走査信号を生成し、各部分領域に交替に且つ各走査線に順番に走査信号を供給する。また、複数の部分領域のうち対となる二つの部分領域について、二つの部分領域のうち一方の部分領域の画素部と、二つの部分領域のうち他方の部分領域の画素部とが、走査線が選択される周期で、基準電位に対して互いに異なる極性の画像信号に基づいて駆動されるように、駆動回路によって表示データに基づいて生成された画像信号が、各データ線に供給される。このような駆動方法によれば、複数の部分領域が二つの部分領域である場合に、二つの垂直同期信号の出力タイミングの間隔によって規定される1フィールド期間に、各画素部に一画面を表示するための画像信号が極性を変えて二度書き込まれることとなる。本願明細書では以下適宜、このような駆動を、“領域走査倍速V反転駆動”(即ち“領域走査倍速フィールド反転駆動”)と称することにする。但し、本発明が対象とするのは、この領域走査倍速V反転駆動に限らず、2倍以上のn倍速でもよい。言い換えれば、ここにいう領域走査倍速V反転駆動とは、広義には2倍速以上のn倍速の場合をも含む意味である。領域走査倍速V反転駆動によれば、仮にフリッカが発生しても、その周波数が高いために、視認されるようなフリッカについては、極めて効果的に低減することが可能である。
しかしながら、上述した目視によりフリッカを観察することで対向電極の電位をその最適値とする調整方法では、領域走査倍速V反転駆動の場合には、フリッカの周波数が倍或いはそれ以上とされているため、肝心のフリッカを目視できない。即ち、フリッカを観察することでは、対向電極の電位を調整できないという、極めて深刻な技術的問題点が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑み成されたものであり、例えば上述した領域走査倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する電気光学装置であっても、その対向電極の電位を調整することを可能ならしめる電気光学装置の調整方法及び装置を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置の調整方法は上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板が貼り合わされてなり、(i)画像表示領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、(iii)前記複数の画素電極に対応して夫々が設けられた複数のスイッチング素子と、(iv)前記複数の画素電極に対向配置された対向電極を備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための電気光学装置の調整方法であって、前記電気光学装置を2つ以上組み合わせて、前記画像表示領域から出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影ステップと、前記投影画像におけるカラーブレーク現象が小さくなるように前記電位を調整する調整ステップとを備える。
本発明の電気光学装置の調整方法によれば、例えばアクティブマトリクス駆動型の電気光学装置を調整する。
即ち、この種の電気光学装置によれば、その動作時には、画像信号が、走査信号の供給されている走査線に対応するスイッチング素子にデータ線を介して供給される。これらのスイッチング素子に電気的に接続された画素電極には、例えば、走査線より走査信号が供給されて薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、”TFT”と称する)等のスイッチング素子がオン状態とされることにより、スイッチング素子を介して対応するデータ線より画像信号が供給される。このため、画素電極と対向電極間の液晶等の電気光学物質には画像信号に基づいて電圧が印加され、画像表示が行われる。
ここで特に、本発明に係る電気光学装置の調整方法によれば、上述の電気光学装置を調整する際には、先ず、カラー合成投影ステップにおいて、例えば、3つの上述の電気光学装置をRGB用のライトバルブとして3つ組み合わせて、各ライトバルブから出射される光を合成して一枚のRGBのカラー画像としてスクリーン上に投影する。次に、投影画像において、カラーブレーク現象を発生させる。ここに「カラーブレーク現象」とは、画像の動きと視聴者の目の動きの相互作用により発生する現象で、背景映像上を動く物体映像を、目で追う際に、該物体映像の後ろに虹色等の所定色の残像が見える、言い換えれば物体映像が何らかの色の尾を引きながら動くように見える現象を言う。例えば、画像上に早いボールの動きを追う際に、ボールの後ろに虹色の残像が見える現象である。一般には、「カラーブレークアップ現象」或いは「レインボー効果」とも呼ばれ、例えばDMD(Digital Mirror Device)等の技術分野において、周知の現象である。具体的には、例えば、投影画像を、模様のない、即ち、無地の比較的薄い色、好ましくは、白の背景に対して、背景の色よりも濃い色、例えば黒の四角形が中央にある画像とする。この四角形を左右或いは上下等に動かすことにより、カラーブレーク現象が生じる。
次に、調整工程において、この状態で、目視によりカラーブレーク現象を観察する。ここで、対向電極の電位が、その最適値からずれている程、視認されるカラーブレーク現象の程度が大きくなる。逆に、対向電極の電位がその最適値に近くなる程、視認されるカラーブレーク現象が小さくなる。このため、目視によりカラーブレーク現象を観察して、カラーブレーク現象を小さくするように調整することで、対向電極の電位を、その最適値に調整することが可能となる。ここに「カラーブレーク現象を小さくする」とは、カラーブレーク現象が多少なりとも発生しにくくすることをいい、好ましくは、全く発生しないようにすることをいう。具体的には、例えば、虹色の残像が、目視できなくなる程度になるまで、対向電極の電位を変化させる。
ここで特に、例えばアクティブマトリクス駆動の駆動周波数が観察者の目視力に応じて定まる所定値以上に高い場合には、フリッカが目視可能な程度には生じないのに対し、カラーブレーク現象は、このような所定値以上に高い駆動周波数の場合でも、同一観察者をして目視可能な程度に生じる。従って、例えば領域走査倍速V反転や倍速V反転の如く通常の目視ではフリッカが生じない程度にアクティブマトリクス駆動の駆動周波数が高い場合にも、カラーブレーク現象を小さくすることで対向電極の電位をその最適に近付けるように対向電極の電位を調整することが可能となる。
本発明の電気光学装置の調整方法の一の態様によれば、前記画像表示領域を、前記走査線に沿う分割線により分割して得られる複数の部分領域について、該複数の部分領域に対して交替に且つ各部分領域に含まれる前記複数の走査線に対して順番に、走査信号を供給する走査線駆動回路と、前記複数の部分領域の各々を、表示データにおける水平走査期間の1/n(但し、nは2以上の自然数)の期間を1水平走査期間として水平走査されるように、前記表示データに基づいて画像信号を生成して前記複数のデータ線に供給する画像信号供給回路とを備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための調整方法である。
この態様によれば、以下の如く領域走査倍速V反転駆動等の領域走査駆動を行う電気光学装置を調整する。
即ち、この電気光学装置によれば、その駆動時には、ビデオデッキやパーソナルコンピュータ等からソース信号が供給される。そして、水平同期信号及び垂直同期信号並びに表示データに基づいて、電気光学装置の画像表示領域において、次のように領域走査倍速V反転駆動等の領域走査駆動が行われる。
画像信号供給回路は、表示データに係る垂直走査期間或いはフィールド期間を、前述のnで割った1/nフィールド期間で、画像表示領域を垂直走査するように、画像信号を生成する。水平走査期間は、表示データに係る水平同期信号により規定される。垂直走査期間或いはフィールド期間は、表示データに係る垂直同期信号により規定される。また、典型的には、画像信号供給回路は、画像信号を、基準電位に対して正極性及び負極性の電圧のいずれかに夫々調整しつつ生成する。例えば、表示データに係るフィールド期間を、2で割った1/2フィールド期間毎に、これらの極性を基準電位に対して反転させる。走査線駆動回路は、1フィールド期間に、水平同期信号に基づくタイミングで走査信号を生成し、各部分領域に交替に且つ複数の走査線に、例えば線順次など、順番に走査信号を出力する。例えば、複数の部分領域は、分割線により分割して得られる二つの部分領域であり、走査線駆動回路は、これら二つの部分領域に対して交互に且つ各部分領域における走査線に対して線順次に走査信号を供給する。但し、複数の部分領域は夫々、分割線により分割して得られる四つの部分領域であり、走査線駆動回路は、これら四つの部分領域に対して交替に且つ各部分領域における走査線に対して線順次に走査信号を供給するように構成してもよい。尚、本発明に係る“複数n”は、典型的には、複数の部分領域の総数に等しい。但し、複数の部分領域の総数と比べて多い又は少ない2以上の自然数であってもよい。
1水平走査期間の前半に位置する1/2水平走査期間に、画像信号供給回路から供給された画像信号が、一方の部分領域において走査信号が供給されている走査線に対応するスイッチング素子にデータ線を介して供給される。これらのスイッチング素子に電気的に接続された画素電極には、例えば、走査線より走査信号が供給されてTFT等のスイッチング素子がオン状態とされることにより、スイッチング素子を介して対応するデータ線より画像信号が供給される。このため、画素電極と対向電極間の液晶等の電気光学物質には画像信号に基づいて電圧が印加され、画像表示が行われる。また、1水平走査期間の後半に位置する1/2水平走査期間に、画像信号供給回路から供給された画像信号が、他方の部分領域において走査信号が供給されている走査線に対応する画素電極にデータ線を介して供給される。このため、これらの画素電極と対向電極間の液晶等の電気光学物質には、一方の部分領域における電気光学物質と同様に電圧が印加され、画像表示が行われる。
以上のような領域走査では、画像信号は、表示データを2で割った1/2フィールド期間で、画像表示領域を垂直走査するように、生成されている。よって、画素電極には1フィールド期間に一画面を表示するための画像信号が極性を変えて二度書き込まれることとなる。即ち、本願出願人により先に提案された領域走査倍速V反転駆動が行われる。
ここで特に、上述したように領域走査倍速V反転駆動の場合には、フリッカが目視可能な程度には生じないのに対し、カラーブレーク現象は、領域走査倍速V反転駆動のような高い駆動周波数の駆動方法による場合でも、目視可能な程度に生じる。従って、領域走査倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する電気光学装置において、カラーブレーク現象を小さくすることで対向電極の電位をその最適に近付けるように対向電極の電位を調整することが可能となる。
本発明の電気光学装置の調整方法の他の態様によれば、前記画像表示領域を、表示データおける1フィールド期間の1/n(但し、nは2以上の自然数)の期間で垂直走査すると共に前記表示データにおける水平走査期間の1/nの期間を1水平走査期間として水平走査するように、前記表示データに基づいて画像信号を生成して前記複数のデータ線に供給する画像信号供給回路とを備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための調整方法である。
この態様によれば、以下の如く倍速V反転駆動等の反転駆動を行う電気光学装置を調整する。
即ち、この電気光学装置によれば、その駆動時には、画像信号供給回路は、表示データに係るフィールド期間を、前述のnで割った1/nフィールド期間で、画像表示領域を垂直走査するように、画像信号を生成する。フィールド期間は、表示データに係る垂直同期信号により規定される。また、典型的には、画像信号供給回路は、画像信号を、基準電位に対して正極性及び負極性の電圧のいずれかに夫々調整しつつ生成する。例えば、表示データに係るフィールド期間を、2で割った1/2フィールド期間毎に、これらの極性を基準電位に対して反転させる。走査線駆動回路は、1フィールド期間に、水平同期信号に基づくタイミングで走査信号を生成し、画像表示領域の複数の走査線に、例えば線順次など、順番に走査信号を出力する。例えば、1水平走査期間に、画像信号供給回路から供給された画像信号が、走査信号が供給されている走査線に対応するスイッチング素子にデータ線を介して供給される。これらのスイッチング素子に電気的に接続された画素電極には、例えば、走査線より走査信号が供給されてTFT等のスイッチング素子がオン状態とされることにより、スイッチング素子を介して対応するデータ線より画像信号が供給される。このため、画素電極と対向電極間の液晶等の電気光学物質には画像信号に基づいて電圧が印加され、画像表示が行われる。以上のような領域走査では画像信号は、表示データを2で割った1/2フィールド期間で、画像表示領域を垂直走査するように、生成されている。よって、画素電極には1フィールド期間に一画面を表示するための画像信号が極性を変えて二度書き込まれることとなる。即ち、本願出願人により先に提案された倍速V反転駆動が行われる。
ここで特に、上述したように倍速V反転駆動の場合には、フリッカが目視可能な程度には生じないのに対し、カラーブレーク現象は、倍速V反転駆動のような高い駆動周波数の駆動方法による場合でも、目視可能な程度に生じる。従って、倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する電気光学装置において、カラーブレーク現象を小さくすることで対向電極の電位をその最適に近付けるように対向電極の電位を調整することが可能となる。
本発明の電気光学装置の調整方法の他の態様では、前記カラー合成投影ステップは、前記電気光学装置を3つ組み合わせて、前記投影画像として一枚のRGBのカラー画像を投影し、前記調整ステップは、前記カラー画像における前記カラーブレーク現象を小さくする。
この態様によれば、投影画像として一枚のRGBのカラー画像を投影するので、カラーブレーク現象の調整するステップにおいて、より目視しやすい画像を選択することができ、カラーブレーク現象を小さくすることにより、対向電極の電位をその最適値に容易に近付けることが可能となる。
本発明の電気光学装置の調整方法の他の態様では、前記調整ステップは、前記画像表示領域に、背景画像中を所定形状のパターンが所定方向に動く動画像が表示されるように、前記表示データを生成する表示データ生成ステップを有し、前記投影画像における前記動画像に隣接する領域における前記カラーブレーク現象を小さくする。
この態様によれば、画像表示領域に、背景画像中を所定形状のパターンが所定方向に動く動画像が表示される。このとき、この投影画像における動画像に隣接する領域にはカラーブレーク現象が容易に目視できる程度に発生しやすい。例えば、白色の無地の背景画像中に黒色の四角形が左右方向或いは上下方向に動く動画像の場合に、カラーブレーク現象が生じやすい。このため、投影画像における動画像に隣接する、より具体的には、動画像が動く方向に対して後方側に隣接する、カラーブレーク現象は容易に目視できる。従って、カラーブレーク現象を小さくすることにより、対向電極の電位をその最適値に容易に近付けることが可能となる。
本発明の電気光学装置の調整方法の他の態様では、前記調整ステップは、前記画像表示領域に、背景画像が表示されるように、前記表示データを生成する表示データ生成ステップと、前記スクリーンの手前側に所定形状の不透明なパターンを所定方向に動かすパターン動作ステップとを有する。
この態様によれば、パターン動作ステップでは、表示データ生成ステップによって生成された表示データに基づいて画像表示領域に表示された背景画像の手前側において、即ち、スクリーンと観察者との間の空間におけるいずれかの位置において、例えば3次元的な平板やブロックなどからなる、観察者の側から見て、所定形状の不透明なパターン、例えば黒色の四角形、を所定方向、例えば左右或いは上下方向に動かす。このため、カラーブレーク現象が発生しやすい。特に、所定パターンの動く方向に対して後方側に発生しやすい。よって、カラーブレーク現象は容易に目視できる。従って、カラーブレーク現象を小さくすることにより、対向電極の電位をその最適値に容易に近付けることが可能となる。
本発明の電気光学装置の調整装置は上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板が貼り合わされてなり、(i)画像表示領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、(iii)前記複数の画素電極に対応して夫々が設けられた複数のスイッチング素子と、(iv)前記複数の画素電極に対向配置された対向電極とを備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための電気光学装置の調整装置であって、前記電気光学装置を2つ以上組み合わせて、前記画像表示領域から出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影装置と、前記投影画像におけるカラーブレーク現象が小さくなるように前記電位を調整する調整装置とを備える。
本発明の電気光学装置の調整装置によれば、前述した本発明の電気光学装置の調整方法と同様に、例えば、領域走査倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する電気光学装置において、カラーブレーク現象を小さくすることで対向電極の電位をその最適に近付けるように対向電極の電位を調整することが可能となる。ここで特に、前述したカラー合成投影ステップ及び調整ステップを装置によって行うので、目視による場合に生ずる可能性の高い調整のバラツキの低減や自動化も可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の調整方法を、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置に適用した例をとる。
(第1実施形態)
第1実施形態の電気光学装置の調整方法及び装置について、図1から図10を参照して説明する。
第1実施形態の電気光学装置の調整方法及び装置について、図1から図10を参照して説明する。
先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態の電気光学装置の調整方法を適用する液晶装置における液晶パネルの全体構成について、説明する。ここに図1は、本実施形態の電気光学装置の調整方法を適用する液晶装置における液晶パネルの構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H’線での断面図である。
図1及び図2において、本実施形態の電気光学装置の調整方法を適用する液晶装置おける液晶パネル100では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路101bが額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
TFTアレイ基板10上には、外部回接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に画素電極9aが設けられている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。そして、遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成される。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
液晶装置の電気的な全体構成について、図3及び図4を参照して説明する。ここに、図3は、液晶装置の全体構成を示すブロック図であり、図4は、液晶パネルの電気的な構成を示すブロック図である。尚、図4は、図1に示した平面図に対して、上下が逆転した平面図を示している。
図3に示すように、液晶装置は、主要部として、液晶パネル100、画像信号供給回路300、タイミング制御回路400、第1フレームメモリ62及び第2フレームメモリ63、表示データ生成回路502、並びに電源回路700を備える。
表示データ生成回路502は、例えばビデオデッキやパーソナルコンピュータ等から供給されるソース信号DATAに基づいて、水平同期信号Hs及び垂直同期信号Vs、ドットクロックDCLK、並びに表示データD0を生成する。
タイミング制御回路400は、各部で使用される各種タイミング信号を出力するように構成されている。タイミング制御回路400は、表示データ生成回路502から供給される水平同期信号Hs、垂直同期信号Vs及びドットクロックDCLKに基づいて、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。更に、タイミング制御回路400において、走査信号の出力タイミングを決定する2種のイネーブル信号ENB1及びENB2が生成される。
画像信号供給回路300には、表示データ生成回路502から水平同期信号Hs、垂直同期信号Vs、ドットクロックDCLK、及び表示データD0が供給される。画像信号供給回路300は、表示データD0に基づいて、2種のフィールドデータを生成し、後述するように一の走査線に対して走査信号が供給される周期で、生成した2種のフィールドデータを第1フレームメモリ62及び第2フレームメモリ63の一方に一時期的に蓄えると共に、他方からは蓄積した1種のフィールドデータを読み出す。尚、2種のフィールドデータには夫々、一画面を表示するための表示データが含まれている。
そして、画像信号供給回路300は、読み出した1種のフィールドデータに対して所定の処理を行う。この所定の処理の一例として、画像信号供給回路300では、例えば1種のフィールドデータをシリアル−パラレル変換して、即ち相展開して、N相、例えば6相(N=6)の画像信号VID1〜VID6を生成することがある。更に、画像信号供給回路300は、生成した画像信号VIDk(但し、k=1、2、・・・、6)の電圧を、所定の基準電位v0に対して正極性及び負極性に反転した後、画像信号VIDkを出力する。
また、電源回路700は、所定の共通電位LCCの共通電源を、図2に示す対向電極21に供給する。対向電極21は、図2に示す対向基板20の下側に、複数の画素電極9aと対向するように形成されている。
次に、液晶パネル100における電気的な構成について、図2及び図4を参照して説明する。
図2に示すように、液晶パネル100には、そのTFTアレイ基板10の周辺領域に、走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101を含む内部駆動回路が設けられている。
図4において、走査線駆動回路104は、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、及びYスタートパルスDYが供給されることによって、基本的な線順次の水平走査が可能となっている。更に、走査線駆動回路104は、供給されたイネーブル信号ENB1及びENB2に基づくタイミングで、後述するような順序で走査信号G1、G2、・・・、Gyを出力する。
データ線駆動回路101の主要部には、サンプリング信号供給回路101a、及びサンプリング回路101bが含まれる。サンプリング信号供給回路101aには、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号CLXinv、及びXスタートパルスDXが供給される。サンプリング信号供給回路101aは、XスタートパルスDXが入力されると、Xクロック信号CLX及び反転Xクロック信号XCLXinvに基づくタイミングで、サンプリング信号S1、・・・、Sxを順次生成して出力する。
サンプリング回路101bは、Pチャネル型又はNチャネル型の片チャネル型TFT若しくは相補型のTFTから構成されたサンプリングスイッチ202を複数備える。
液晶パネル100は更に、そのTFTアレイ基板の中央を占める画像表示領域10aに、縦横に配線されたデータ線114及び走査線112を備え、それらの交点に対応する各画素部70に、マトリクス状に配列された液晶素子118の画素電極9a及び画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT116を備える。
尚、本実施形態では特に、走査線112の総本数をy本(但し、yは2以上の自然数)とし、データ線114の総本数をx本(但し、xは2以上の自然数)として説明する。
前述したように、例えば、6相にシリアル−パラレル展開された画像信号VID1〜VID6は夫々、画像信号線171を介して液晶パネル100に供給される。
サンプリング回路101bにおいて、6個のサンプリングスイッチ202を1群とし、1群に属するサンプリングスイッチ202には夫々、サンプリング信号Si(i=1、2、・・・、x)が入力される。1群に属するサンプリングスイッチ202は、6本のデータ線114を1群とし、1群に属するデータ線114に対し、サンプリング信号Siに応じて、画像信号VIDkをサンプリングして供給する。即ち、1群に属するサンプリングスイッチ202を介して、1群に属するデータ線114と画像信号線171が電気的に接続される。従って、x本のデータ線114を1群に属するデータ線114毎に駆動するため、駆動周波数が抑えられる。
図4中、一つの画素部70の構成に着目すれば、TFT116のソース電極には、画像信号VIDkが供給されるデータ線114が電気的に接続されている一方、TFT116のゲート電極には、走査信号Gj(但し、j=1、2、3、・・・、y)が供給される走査線112が電気的に接続されるとともに、TFT116のドレイン電極には、液晶素子118の画素電極9aが接続されている。ここで、各画素部70において、液晶素子118は、画素電極9aと対向電極21との間に液晶を挟持してなる。従って、各画素部70は、走査線112とデータ線114との各交点に対応して、マトリクス状に配列されることになる。
液晶素子118の画素電極9aには、TFT116を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線114より画像信号VIDkが所定のタイミングで供給される。これにより、液晶素子118には、画素電極9a及び対向電極21の各々の電位によって規定される印加電圧が印加される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶パネル100からは画像信号VIDkに応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、蓄積容量119が、液晶素子118と並列に付加されている。例えば、画素電極118の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量119により保持されるので、保持特性が改善される結果、高コントラスト比が実現されることとなる。
次に、液晶装置の駆動方法について、図3から図7を参照して説明する。ここに図5は画像信号供給回路における画像信号の生成について説明するための説明図である。図6は、画像表示領域における部分領域について説明するための説明図である。図7は、変形例における図6と同趣旨の説明図である。
この液晶装置によれば、その駆動時には、図3を参照して上述したようにビデオデッキやパーソナルコンピュータ等からソース信号DATAが供給される。そして、水平同期信号Hs及び垂直同期信号Vs並びに表示データD0に基づいて、液晶装置の画像表示領域10aにおいて、次のように領域走査倍速V反転駆動の領域走査駆動が行われる。
図5に示すように、画像信号供給回路300は、表示データD0に係るフィールド期間を、2で割った1/2フィールド期間で、画像表示領域10aを垂直走査するように、画像信号VIDkを生成する。水平走査期間は、表示データD0に係る水平同期信号Hsにより規定される。フィールド期間は、表示データD0に係る垂直同期信号Vsにより規定される。また、画像信号供給回路300は、画像信号VIDkを、基準電位v0に対して正極性及び負極性の電圧のいずれかに夫々調整しつつ生成する。より具体的には、表示データD0に係るフィールド期間を、2で割った1/2フィールド期間毎に、これらの極性を基準電位v0に対して反転させる。図5には、正極性の画像信号VIDkを画像信号Aとし、負極性の画像信号VIDkを画像信号Bとして示してある。走査線駆動回路104は、1フィールド期間に、水平同期信号Hsに基づくタイミングで走査信号Gj(但し、j=1、2、3、・・・、y)を生成する。
図6に示すように、画像表示領域10aは走査線112に沿う分割線600により第1部分領域10aa及び第2部分領域10abに二等分されている。走査線駆動回路104は、第1部分領域10aa及び第2部分領域10abに交替に且つ複数の走査線112に、線順次に走査信号Gjを供給する。但し、図7に変形例として示すように、複数の部分領域は夫々、分割線611〜613により分割して得られる四つの部分領域、即ち部分領域10ae、10af、10ag、10ahであり、走査線駆動回路104は、これら四つの部分領域に対して交替に且つ各部分領域における走査線112に対して線順次に走査信号Gjを供給するように構成してもよい。尚、本発明に係る“複数n”は、本実施形態では、複数の部分領域の総数2に等しい。
図4から図6において、1水平走査期間の前半に位置する1/2水平走査期間に、画像信号供給回路300から供給された画像信号VIDkが、第1部分領域10aaにおいて走査信号Gjが供給されている走査線112に対応するTFT116にデータ線114を介して供給される。これらのTFT116に電気的に接続された画素電極9aには、走査線112より走査信号Gjが供給されてTFT116がオン状態とされることにより、TFT116を介して対応するデータ線114より画像信号VIDkが供給される。このため、画素電極9aと対向電極21間の液晶層50には画像信号VIDkに基づいて電圧が印加され、画像表示が行われる。また、1水平走査期間の後半に位置する1/2水平走査期間に、画像信号供給回路300から供給された画像信号VIDkが、第2部分領域10abにおいて走査信号Gjが供給されている走査線112に対応する画素電極9aにデータ線114を介して供給される。このため、これらの画素電極9aと対向電極21間の液晶層50には、第1部分領域10aaにおける液晶層50と同様に電圧が印加され、画像表示が行われる。
以上のように、この液晶装置における領域走査では、画像信号VIDkは、表示データを2で割った1/2フィールド期間で、画像表示領域10aを垂直走査するように、生成されている。よって、画素電極9aには1フィールド期間に一画面を表示するための画像信号が極性を変えて二度書き込まれる。即ち、本願出願人により先に提案された領域走査倍速V反転駆動が行われる。
次に本実施形態に係る調整方法について、図8から図10を参照して説明する。ここに図8は、本実施形態に係る調整方法を示すフローチャートである。図9は、カラー合成投影ステップの説明図である。図10は、表示データ生成ステップにおいて生成される表示データである。
図8及び図9に示すように、本実施形態に係る調整方法によれば、上述の液晶装置を調整する際には、先ず、カラー合成投影ステップにおいて(ステップS10)、3つの上述の液晶装置510R、510G及び510Bを夫々R(赤色)用ライトバルブ、G(緑色)用ライトバルブ及びB(青色)用ライトバルブとして、3つ組み合わせて、プロジェクタ500を構成する。プロジェクタ500は、各ライトバルブから出射される光をダイクロイックプリズム512で合成して、投影レンズ514を介して、一枚のRGBのカラー画像としてスクリーン550上に投影する。尚、光源502としては、ハロゲンランプ等の白色光源を用いている。光源502から射出された投射光は、4枚のミラー506及び2枚のダイクロイックミラー508によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶装置510R、510B及び510Gに入射されている。
次に調整ステップ(ステップS20)中の表示データ生成ステップ(ステップS21)において、画像表示領域10aに、背景画像中を所定形状の不透明なパターンが所定方向に動く動画像が表示されるように、表示データを生成する。表示データとしては、例えば、図10に示すような白色の背景画像中を黒色の四角形のパターンが上下或いは左右方向に動く動画像を生成するとよい。但し、投影画像は、白黒画像に限られるものではなく、一枚のRGBのカラー画像であってもよい。カラー画像の場合、後のカラーブレークを調整するステップにおいて、より目視しやすい画像を選択することができる。
次に調整ステップ(ステップS20)において、生成された表示データに基づいて、所定形状の不透明なパターンが所定方向に動く動画像を表示する。例えば、図10に示すような白色の背景画像800中、黒色の四角形のパターン810を上下或いは左右方向に動く動画像を表示する。これによりカラーブレーク現象が生じる。即ち、背景映像上を動く黒い色の四角形のパターン810を、目で追う際に、その黒色の四角形のパターン810の後ろに虹色等の残像が見える。言い換えれば黒色の四角形のパターン810が何らかの色の尾を引きながら動くように見える現象が生じる。
次に、調整ステップ(ステップS20)において、この状態で、目視によりカラーブレーク現象を観察する(ステップS23)。ここで、対向電極21(図2参照)の電位が、その最適値からずれている程、視認されるカラーブレーク現象の程度が大きくなる。逆に、対向電極21の電位がその最適値に近くなる程、視認されるカラーブレーク現象が小さくなる。そこで、カラーブレーク現象が最小でない場合には(ステップS23:NO)、対向電極21の電位を、視認されるカラーブレーク現象が小さくなるように、対向電極電位調整部560(図9参照)により、調整する(ステップS22)。すると、対向電極21の電位がその最適値に近付く。そして、理想的には、対向電極21の電位を、視認されるカラーブレーク現象が最も小さくなるように調整する。すると、このときの対向電極21の電位が実践的な意味での、その最適値となる。このような調整は、具体的には、虹色の残像が、目視できなくなる程度になるまで(ステップS23:YES)、対向電極21の電位を変化させることにより行い、一連の処理を終える。このとき調整した対向電極21の電位の値はメモリ部570(図9参照)に記録され、その最適値の設定に利用できるようになっている。
このように、目視によりカラーブレーク現象を観察して、カラーブレーク現象を小さくするように調整することで、対向電極21の電位を、その最適値に調整することが可能となる。
ここで本実施形態では特に、上述したような領域走査倍速V反転駆動が行われているため、対向電極の電位が最適値からずれていても、フリッカが目視可能な程度には生じないのに対し、カラーブレーク現象は、領域走査倍速V反転駆動のような高い駆動周波数の駆動方法による場合でも、目視可能な程度に生じる。従って、領域走査倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する液晶装置において、カラーブレーク現象を小さくすることで対向電極21の電位をその最適に近付けるように対向電極21の電位を調整することが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態の電気光学装置の調整方法及び装置について、図3から図5、及び図8を参照して説明する。
第2実施形態の電気光学装置の調整方法及び装置について、図3から図5、及び図8を参照して説明する。
先ず、図3から図5を参照して、第2実施形態の電気光学装置の調整方法を適用する液晶装置の駆動方法について説明する。
この液晶装置によれば、その駆動時には、次のように倍速V反転駆動の領域走査駆動が行われる。
図5に示すように、画像信号供給回路300は、表示データD0に係るフィールド期間を、2で割った1/2フィールド期間で、画像表示領域10aを垂直走査するように、画像信号VIDkを生成する。フィールド期間は、表示データD0に係る垂直同期信号Vsにより規定される。また、画像信号供給回路300は、画像信号VIDkを、基準電位v0に対して正極性及び負極性の電圧のいずれかに夫々調整しつつ生成する。より具体的には、表示データD0に係るフィールド期間を、2で割った1/2フィールド期間毎に、これらの極性を基準電位に対して反転させる。図5には、正極性の画像信号VIDkを画像信号Aとし、負極性の画像信号VIDkを画像信号Bとして示してある。走査線駆動回路104は、1フィールド期間に、水平同期信号Hsに基づくタイミングで走査信号Gj(但し、j=1、2、3、・・・、y)を生成する。
更に、走査線駆動回路104は、画像表示領域10aの複数の走査線112に、線順次に走査信号Gjを供給する。
図4及び図5において、1水平走査期間に、画像信号供給回路300から供給された画像信号VIDkが、走査信号Gjが供給されている走査線112に対応するTFT116にデータ線114を介して供給される。これらのTFT116に電気的に接続された画素電極9aには、走査線112より走査信号Gjが供給されてTFT116がオン状態とされることにより、TFT116を介して対応するデータ線114より画像信号VIDkが供給される。このため、画素電極9aと対向電極21間の液晶層50には画像信号VIDkに基づいて電圧が印加され、画像表示が行われる。
以上のように、この液晶装置における領域走査では、画像信号VIDkは、表示データを2で割った1/2フィールド期間で、画像表示領域10aを垂直走査するように、生成されている。よって、画素電極には1フィールド期間に一画面を表示するための画像信号VIDkが極性を変えて二度書き込まれる。即ち、本願出願人により先に提案された倍速V反転駆動が行われる。
ここで特に、第2実施形態の電気光学装置の調整方法は、第1実施形態の電気光学装置の調整方法と同様に、図8に示すように、画像表示領域10aから出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影ステップ(ステップS10)と、投影画像におけるカラーブレーク現象を小さくすることで対向電極21の電位をその最適値に近付けるようにその電位を調整する調整ステップ(ステップS20)とを有する。カラーブレーク現象は、領域走査倍速V反転駆動と同様、倍速V反転駆動のような高い駆動周波数の駆動方法による場合でも、目視可能な程度に生じる。従って、倍速V反転駆動の如き、極性反転の周期が比較的早い駆動方式を採用する液晶装置において、カラーブレーク現象を小さくすることで対向電極21の電位をその最適に近付けるように対向電極21の電位を調整することが可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態の電気光学装置の調整方法について、図9、図11及び図12を参照して説明する。ここに図11は、第3実施形態における図8と同趣旨のフローチャートである。図12は、パターン動作ステップにおけるパターン動作を説明する説明図である。尚、図12において、図8と同様のステップには、同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
第3実施形態の電気光学装置の調整方法について、図9、図11及び図12を参照して説明する。ここに図11は、第3実施形態における図8と同趣旨のフローチャートである。図12は、パターン動作ステップにおけるパターン動作を説明する説明図である。尚、図12において、図8と同様のステップには、同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
第3実施形態の電気光学装置の調整方法は、前述した第1実施形態の電気光学装置の調整方法と同様に、領域走査倍速V反転駆動の液晶装置における対向電極21の電位を調整するための電気光学装置の調整装置である。
図11に示すように、第3実施形態に係る調整方法によれば、上述の液晶装置を調整する際には、先ず、カラー合成投影ステップ(ステップS10)において、第1実施形態に係る調整方法と同様に、一枚のRGBのカラー画像としてスクリーン550(図9参照)上に投影する。
次に調整ステップ(ステップS20)中の表示データ生成ステップ(ステップS21)において、画像表示領域10aに、背景画像が表示されるように、表示データを生成する。表示データとしては、例えば、図12に示すような白色の背景画像を生成するとよい。但し、背景画像は白色に限られるものではなく、他の色であってもよい。
次に調整ステップ(ステップS20)中のパターン動作ステップ(ステップS25)において、図12に示すように、表示データ生成ステップ(ステップS21)によって生成された表示データに基づいて画像表示領域10aに表示された白色の背景画像900の手前側において、即ち、スクリーン550と観察者との間の空間におけるいずれかの位置において、黒色のブロック910を、観察者の側から見て、駆動装置920によって左右方向に動かす。これによりカラーブレーク現象が生じる。即ち、白色の背景映像900の手前側を動く黒色のブロック910を、目で追う際に、その黒色のブロック910の後ろに虹色等の残像が見える。言い換えれば黒色のブロック910が何らかの色の尾を引きながら動くように見える現象が生じる。その後、第1実施形態の場合と同様に(図8参照)、ステップS22及びS23を経て、一連の処理を終了する。
このように、カラーブレーク現象を発生させることができるので、第1実施形態の電気光学装置の調整方法と同様に、カラーブレーク現象を小さくすることにより、対向電極21の電位をその最適値に容易に近付けることが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の調整方法及び電気光学装置の調整装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、10aa、10ab、10ae、10af、10ag、10ah…部分領域、20…対向基板、21…対向電極、23…遮光膜、50…液晶層、52…シール材、53…額縁遮光膜、62…第1フレームメモリ、63…第2フレームメモリ、70…画素部、100…液晶パネル、101…データ線駆動回路、101b…サンプリング回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、106…上下導通端子、110…画像信号供給回路、112…走査線、114…データ線、116…TFT、171…画像信号線、300…画像信号供給回路、400…タイミング制御回路、502…表示データ生成回路、506…ミラー、508…ダイクロイックミラー、510R、510G、510B…液晶装置、550…スクリーン、560…対向電極電位調整部、570…メモリ部、600…分割線、700…電源回路、810…パターン、900…背景画像、910…ブロック、D0…表示データ、Gj…走査信号、Hs…水平同期信号、Si…サンプリング信号、v0…基準電位、VIDk…、画像信号、Vs…垂直同期信号、
Claims (7)
- 一対の第1及び第2基板が貼り合わされてなり、(i)画像表示領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、(iii)前記複数の画素電極に対応して夫々が設けられた複数のスイッチング素子と、(iv)前記複数の画素電極に対向配置された対向電極とを備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための電気光学装置の調整方法であって、
前記電気光学装置を2つ以上組み合わせて、前記画像表示領域から出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影ステップと、
前記投影画像におけるカラーブレーク現象が小さくなるように前記電位を調整する調整ステップと
を備えたことを特徴とする電気光学装置の調整方法。 - 前記画像表示領域を、前記走査線に沿う分割線により分割して得られる複数の部分領域について、該複数の部分領域に対して交替に且つ各部分領域に含まれる前記複数の走査線に対して順番に、走査信号を供給する走査線駆動回路と、
前記複数の部分領域の各々を、表示データにおける水平走査期間の1/n(但し、nは2以上の自然数)の期間を1水平走査期間として水平走査されるように、前記表示データに基づいて画像信号を生成して前記複数のデータ線に供給する画像信号供給回路と
を備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための調整方法であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の調整方法。 - 前記画像表示領域を、表示データにおける1フィールド期間の1/n(但し、nは2以上の自然数)の期間で垂直走査すると共に前記表示データにおける水平走査期間の1/nの期間を1水平走査期間として水平走査するように、前記表示データに基づいて画像信号を生成して前記複数のデータ線に供給する画像信号供給回路とを備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための調整方法であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の調整方法。
- 前記カラー合成投影ステップは、前記電気光学装置を3つ組み合わせて、前記投影画像として一枚のRGBのカラー画像を投影し、
前記調整ステップは、前記カラー画像における前記カラーブレーク現象を小さくすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置の調整方法。 - 前記調整ステップは、
前記画像表示領域に、背景画像中を所定形状のパターンが所定方向に動く動画像が表示されるように、前記表示データを生成する表示データ生成ステップを有し、
前記投影画像における前記動画像に隣接する領域における前記カラーブレーク現象を小さくすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置の調整方法。 - 前記調整ステップは、
前記画像表示領域に、背景画像が表示されるように、前記表示データを生成する表示データ生成ステップと、
前記スクリーンの手前側に所定形状の不透明なパターンを所定方向に動かすパターン動作工程と
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置の調整方法。 - 一対の第1及び第2基板が貼り合わされてなり、(i)画像表示領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、(iii)前記複数の画素電極に対応して夫々が設けられた複数のスイッチング素子と、(iv)前記複数の画素電極に対向配置された対向電極とを備えた電気光学装置における前記対向電極の電位を調整するための電気光学装置の調整装置であって、
前記電気光学装置を2つ以上組み合わせて、前記画像表示領域から出射される光を合成して一枚の投影画像としてスクリーン上に投影するカラー合成投影装置と、
前記投影画像におけるカラーブレーク現象が小さくなるように前記電位を調整する調整装置と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の調整装置。
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