JP2006245918A - 撮影装置および撮影装置における減光フィルタの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
LCD減光フィルタの透過率分布を被写体の光量に応じて自動決定し、低輝度から中輝度の被写体の撮像において、より高画質の撮影画像を得る。
【解決手段】
被写体を撮影するために、レンズ光学系3と撮像素子1との間の光路上2に、撮像素子1に到達する光量を領域別に減ずるように制御する減光フィルタ8を備える。LCD制御回路9は、減光フィルタ1における各領域別の入射光量をL、各領域別の透過率をLの関数T(L)として表した時に、Lが所定の値L0より小さい範囲において関数T(L)は、最大値を取り、Lの増加に対し関数T(L)が単調減少となるように減光フィルタ8を制御する。
【選択図】
図1
LCD減光フィルタの透過率分布を被写体の光量に応じて自動決定し、低輝度から中輝度の被写体の撮像において、より高画質の撮影画像を得る。
【解決手段】
被写体を撮影するために、レンズ光学系3と撮像素子1との間の光路上2に、撮像素子1に到達する光量を領域別に減ずるように制御する減光フィルタ8を備える。LCD制御回路9は、減光フィルタ1における各領域別の入射光量をL、各領域別の透過率をLの関数T(L)として表した時に、Lが所定の値L0より小さい範囲において関数T(L)は、最大値を取り、Lの増加に対し関数T(L)が単調減少となるように減光フィルタ8を制御する。
【選択図】
図1
Description
本発明は、撮影装置および撮影装置における減光フィルタの制御方法に関し、特に、撮像素子に到達する光量を制御する減光フィルタを備える撮影装置およびその減光フィルタの制御方法に関する。
デジタルスチルカメラ等の撮像機器では、光学系(レンズ)によって結像した像を電気信号に変換するためにCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化物半導体)といった固体撮像素子を用いている。このような固体撮像素子は、照射された光の強さに比例する電圧を発生する微細な構造(画素)を半導体製造プロセスを用いて平面に敷き詰め、さらに色情報を得るためにカラーフィルタを装着したデバイスである。
デジタルスチルカメラの普及により、消費者がデジタルスチルカメラで撮影された画像に対しより高画質を求める傾向が強くなってきている。高画質な画像の一つの要素として、解像度の向上、すなわち、画像を構成する画素数を増加させることが求められている。画像の画素数を増加させるには、固体撮像素子上の画素数を増加させる必要がある。デジタルスチルカメラにおいては、その筐体を流用しつつ画素数を増加させるため、デバイスの大きさを変化させずに画素数を増加させる方法が取られる場合が多い。しかし、デバイスサイズを変化させずに画素数を増加させると、画素あたりの面積が縮小してしまう。画素の面積が縮小すると、表現できる光量の幅(ダイナミックレンジ)が狭くなり、高輝度や低輝度において十分な階調表現が困難となる。すなわち、光量が多い部分で、白に飽和する白飛び(被写体に関らず真っ白になる現象)が発生し、逆に光量が少ない部分では黒に飽和する黒潰れ(被写体に関らず真っ黒になる現象)が発生する。
このようなダイナミックレンジの減少を防ぐ撮影装置が、例えば特許文献1において開示されている。図8は、特許文献1記載の撮影装置50の構成図である。被写体Aから到来する光は、撮像レンズ12を介し、光路上に設置された液晶フィルタ14を通過してCCDエリアセンサ16に結像する。調整部20は、信号処理部18からの情報を元に液晶フィルタ14を制御する。液晶フィルタ14の透過率を50%としてCCDエリアセンサ16を露光し、CCDエリアセンサ16の受光する光量がダイナミックレンジを超えた部分、すなわち光量が多く白飛びしている部分については液晶フィルタ14の透過率を増加させ、逆に光量が少なく黒潰れが発生する部分については液晶フィルタ14の透過率を減少させる動作を行うものである。また、この場合の液晶フィルタ14の制御は、固定された下限の輝度を下回った場合は透過率を直線的に増加させ、また、固定された上限の輝度を上回った場合は透過率を線形的に減少させる。この下限・上限および変化率(傾き)は固定もしくはユーザーにより決定されるものである。
撮像素子、例としてCCDは、デジタルスチルカメラの普及と、より精細な画像を撮影したいというユーザーの要望により、デバイスあたりの画素数が増大する傾向にある。画素あたりの面積を従来と同等に保ったまま画素数を増大させると、必然的にデバイスサイズが増大する。撮像素子のデバイスサイズが変更されると、光学系を再設計する必要が生じる。同時に、セット(デジタルスチルカメラ本体)も再設計する必要が生じる。このことは、デジタルスチルカメラメーカにとって負担となり、新製品を早いサイクルで市場に投入する必要のあるデジタルスチルカメラにとって不利となる。
以上のことから、撮像素子のデバイスサイズを一定に保ち、画素数のみを増大させる方法がとられている。この結果、画素あたりの受光面積は縮小する。1画素あたりの受光面積が小さくなる程、CCDが検出できる光量の明暗差(輝度ダイナミックレンジ)が狭くなる傾向にある。一般的に、CCDが捉えることのできる明暗差は、写真フィルムよりも狭いため、フィルムカメラで撮影した場合に比べてデジタルスチルカメラで撮影した場合、輝度の小さすぎる部分には黒潰れ、輝度の大きすぎる部分では白飛びが発生しやすくなる。これらは画質を損ねる原因となり、発生させないことが望ましい。
このような問題を解決する手法が特許文献1などに提案されている。光学系と撮像素子の間に液晶などを用いた動的なフィルタを挿入し、高輝度部分および低輝度部分に対して選択的に透過率を変化させることにより、CCDへ入射する光量をCCDの輝度ダイナミックレンジ内に収める手法である。
ここで、特許文献1の段落番号[0073]には、「液晶フィルタ14の一律の透過率、例えば光透過率50%から光透過率分布τ(i、j)が設定されることで、撮像時間中に受光する被写体Aの像の光量が変化して、アンダー露光となったり、オーバー露光とならないようにするためである」との記述がある。また、特許文献1の図3の(b)(d)(f)では、撮像素子のダイナミックレンジ内に収まる輝度において「液晶フィルタ」の透過率が一律の透過率に固定されていることが示されている。
この手法によると、被写体の輝度がCCDのダイナミックレンジに収まる輝度であっても、実際にCCDが受光する光量は、上記に述べた固定された透過率に設定された液晶フィルタにより、減少してしまう。これは、見かけ上のCCDの撮像感度を低下させてしまうことになる。上に記したように、現在のCCDの撮影条件は厳しくなっている上に、さらにこの手法を用いることにより、露光時間増大によるブレ(カメラを手に持って撮影する場合に露光中にカメラが動いたために撮影された画像が不鮮明になる現象、あるいは、露光中に被写体が動いたために撮影された画像が不鮮明になる現象、もしくはこの両方)の発生およびゲインアップ(CCD出力電圧の増幅率を上げる)によるノイズの増大(画面がぎらつき、画質が劣化する)が懸念される。
また、特許文献1では、段落番号[0067]に「光量調整のための各種パラメータ、例えば上述した値Y1や傾きα1等は、予め設定された値が用いられ、液晶フィルタ14の光透過率分布τ(i、j)が調整される。(中略)値Y1や傾きα1等の光星調整のための各種パラメータの入力を撮影者が入力するように求め(後略)」とある。すなわち、「光量調整のための各種パラメータ」は、「予め設定された値」もしくは、「撮影者が入力」した値であり、必ずしも撮影時の被写体に最適な設定となるとは限らないため、被写体に対して最適な状態で撮影されない可能性がある。
上記課題を解決するために本発明の一つのアスペクトに係る撮影装置は、被写体を撮影するために、レンズ光学系と撮像素子との間の光路上に、撮像素子に到達する光量を領域別に減ずるように制御する減光フィルタを備える撮影装置である。この撮影装置は、減光フィルタの透過率を最大とした時の撮像素子における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べ、最小の光量から最小とは異なる所定の光量までに対応する各領域では、対応の減光フィルタにおける透過率を最大とし、所定の光量を超える各領域では、光量の増加に伴って該透過率が減少するように減光フィルタを制御する制御回路を備える。
本発明の一つのアスペクトに係る撮影装置における減光フィルタの制御方法は、撮影装置において、被写体を撮影するためにレンズ光学系と撮像素子との間の光路上に備えられ、撮像素子に到達する光量を領域毎に減ずるように制御する減光フィルタの制御方法である。この方法は、減光フィルタの全ての領域における透過率を最大に設定し、被写体に対応する光をレンズ光学系および減光フィルタを介して撮像素子に照射するステップと、撮像素子上の全ての画素において明るい方の飽和レベルに達している画素が存在するかを判定するステップと、飽和レベルに達している画素が存在する場合には、飽和レベルが生じなくなるまで、減光フィルタの透過率を全ての画素に対して一様に減少させるステップと、を含む。また、減光フィルタの透過率を最大とした時の撮像素子における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べ、最小の光量から最小とは異なる所定の光量までに対応する各領域では、対応の減光フィルタにおける透過率を最大とし、所定の光量を超える各領域では、光量の増加に伴って該透過率が減少するように減光フィルタの透過率を設定するステップをを含む。
本発明によれば、LCD減光フィルタの透過率分布を被写体の光量に応じて自動決定する。したがって、特に中輝度の被写体の撮像において、従来技術よりもノイズを減少し、もしくは露光時間を短縮し、より高画質の撮影画像を得ることができる。
本発明の実施形態に係る撮影装置は、被写体を撮影するために、レンズ光学系と撮像素子との間の光路上に、撮像素子に到達する光量を領域別に減ずるように制御する減光フィルタ(液晶フィルタ)を備える。そして、減光フィルタの透過率を最大とした時の撮像素子における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べ、最小の光量から最小とは異なる所定の光量までに相当する領域を探索し、探索した領域に対応する減光フィルタの領域における透過率を最大とし、所定の光量を超える光量に相当する領域においては光量の増加に対し透過率が単調減少となるように減光フィルタを制御する。
このような撮影装置において、LCD減光フィルタの透過率を撮像素子の輝度ダイナミックレンジに収まるように自動的に決定可能なアルゴリズムによって、撮像素子の輝度ダイナミックレンジを拡大しつつ、低〜中輝度の被写体に対して撮像素子の感度を最大限生かせるように減光フィルタの透過率が決定される。このような減光フィルタの透過率の制御によって、撮像素子のダイナミックレンジに収まる光量においてノイズの少ない画質を実現しつつ、被写体の低輝度部および高輝度部の階調表現を向上させることができる。
図1は、本発明の実施例に係る撮影装置の構成を示すブロック図である。撮影装置は、固体撮像素子1、レンズ光学系3、機械式絞り4、画像生成回路5、記録装置6、露光時間制御回路7、LCD減光フィルタ8、LCD制御回路9、半導体メモリ10を備える。被写体から到来する光は、光路2上に設置された、レンズ光学系3、機械式絞り4、LCD減光フィルタ8を介し、固体撮像素子1に結像する。固体撮像素子1は、露光時間制御回路7によって結像する時間が制御され、結像によって得られた信号を画像生成回路5に出力する。画像生成回路5は、所定の形式の画像データを生成し、記録装置6に記録すると共に、生成した画像データをLCD制御回路9に送る。LCD制御回路9は、RAMなどで構成される半導体メモリ10に記憶されている、LCD減光フィルタ8に設定するための画素ごとの透過率を元にLCD減光フィルタ8の制御を行う。LCD減光フィルタ8は、固体撮像素子1への入射光量を制限するために画素毎に光の透過率を変化させることができるフィルタである。すなわち、LCD減光フィルタ8は、液晶等で構成され、印加される電圧の大きさに応じて光の透過率を変化させることができる、画素単位の構造を格子状に敷き詰めたものであり、おのおのの領域における透過率を個々に制御することができるものである。LCD制御回路9は、画像生成回路5からの情報を元に、LCD減光フィルタ8の画素ごとの透過率を個々に制御する。
次に、撮影装置の動作について説明する。図2は、本発明の実施例に係る撮影装置の動作を示すフローチャートである。撮影装置において、以下に述べるように大きく、(1)LCD減光フィルタ8の最小透過率の導出、(2)LCD減光フィルタ8の画素毎の透過率決定、(3)LCD減光フィルタ8を使った露光、の順に処理がなされる。
(1)LCD減光フィルタ8の最小透過率の導出では、図2のステップS1〜S4に相当する処理がなされる。図3は、ステップS3〜ステップS4における撮影画像を模式的に表す図である。まず、全ての座標において、LCD減光フィルタ8の透過率を100%に設定し、被写体であるパターン101に対応する光を光学系であるレンズ光学系3およびLCD減光フィルタ8を介して入射し、固体撮像素子1に照射する(ステップS1)。次に、固体撮像素子1上の全ての画素において飽和レベルに達している画素が存在するか調べる(ステップS2)。飽和レベルに達している画素が存在する場合には、飽和が発生しなくなるまで、LCD減光フィルタ8の透過率を全ての画素に対して一様に減少させていく(ステップS3〜ステップS4)。この時点でLCD減光フィルタ8の最小透過率が決定する。この時の撮影画像は、図3のパターン103に示すように、被写体の低輝度部が黒つぶれとなった画像となる。
(2)LCD減光フィルタ8の画素毎の透過率決定では、図2のステップS5〜ステップS6に相当する処理がなされる。図4は、ステップS5〜ステップS6における撮影画像を模式的に表す図である。前項(1)では、固体撮像素子1上の全ての画素について、LCD減光フィルタ8に対し、均一な透過率を設定した。しかし、この状態では図4に示すように光量の少ない画素について階調表現が困難になり、黒つぶれが発生する。そこで、光量の少ない画素については透過率を1(100%)とし、後述する方法で設定した光量を境界にして、後述する式に従って光量の増加に応じてLCD減光フィルタ8の透過率を最小透過率に近づけることで、低輝度域の階調表現と光量の多い領域における階調圧縮を実現する。固体撮像素子1に照射される光量に応じLCD減光フィルタ8の透過率を画素毎に計算した値(図4のパターン104)を、半導体メモリ10に記憶する。
(3)LCD減光フィルタ8を使った露光では、図2のステップS7に相当する処理がなされる。図5は、ステップS7における撮影画像を模式的に表す図である。全ての座標についての算出された透過率が半導体メモリ10に格納された時点で、この画素毎に算出された透過率をLCD減光フィルタ8に設定し、光学系から入射する光を用いて個体撮像素子1に露光する。この時の撮影画像は、図5のパターン105に示すように、被写体の低輝度部から高輝度部まで破綻せずに(黒つぶれおよび白飛びの回避して)表示される。
次に、上記(1)、(2)、(3)の各処理について、以下にさらに詳しく説明する。
(1)LCD減光フィルタの最小透過率Tminの導出について説明する。図6は、LCD減光フィルタ前後の関係を示す図である。図7は、LCD減光フィルタの入射光量と撮像素子上の光量の関係を表すグラフである。図6において、LCD減光フィルタ8が無く、レンズ光学系3から直接受光した場合に受光する光量301をLr、LCD減光フィルタ8越しに固体撮像素子1が受光する光量302をLt、LCD減光フィルタ8の透過率をTとおく。次に、全ての座標において、T=1(透過率100%)に設定し、光学系より入射される光を固体撮像素子1に照射する。このとき、LCD減光フィルタ8の透過率が100%のときの被写体の光量と固体撮像素子1上の光量との関係は、図7における直線303で表される。
次に、全ての座標において、Lt<Lccdmaxを満たすよう、Tを均一かつ一様に減少させていく。このときのTをTminとすると、以下の式(1)、(2)が成立する。
Lr=Lt/Tmin ・・・式(1)
Lrmax=Lccdmax/Tmin ・・・式(2)
Lr=Lt/Tmin ・・・式(1)
Lrmax=Lccdmax/Tmin ・・・式(2)
このときの被写体の光量と固体撮像素子1上の光量の関係は、図7における直線304で表される。次に、このときのすべての座標に対応するLrを固体撮像素子1の座標ごとに図1の半導体メモリ10に記憶する。
(2)LCD減光フィルタ8の画素毎の透過率決定方法について説明する。前項(1)において、LCD減光フィルタの最小透過率Tminの導出では、固体撮像素子1上の全ての画素について、均一な透過率のLCD減光フィルタ8を設定した。しかし、この状態では光量の少ない画素について階調表現が困難になる。そこで、光量の少ない画素については透過率を1とし、ある光量を超えた画素についてはLCD減光フィルタによる階調圧縮を行う。レンズ光学系3から直接受光する、階調圧縮を開始する光量をLredgeとし、式(3)のように表現する。以下の式(3)において、nは不等式で示した範囲内の任意の値で階調圧縮を行いうる。nの値により階調圧縮の特性は異なったものとなるため、nの値を以下の範囲内で変化させ、好ましい特性を実験的に求めるようにしてもよい。
Lredge=n・Lrmax (ただし、0≦n≦Lccdmax/Lrmax) ・・・式(3)
Lredge=n・Lrmax (ただし、0≦n≦Lccdmax/Lrmax) ・・・式(3)
この光量Lredgeを境界にして、光量が増加するに従ってLCD減光フィルタ8の透過率をTminに近づけることで、低輝度域(光量域A)の階調表現と光量の多い領域(光量域B)における階調圧縮とを実現する。
図7のグラフにおいて、直線305をあらわす関数、すなわち点(Lr、L)=(Lredge、Lredge)と、点(Lr、L)=(Lrmax、Lccdmax)の2点を結ぶ関数f(Lr)(ただし、Lredge≦Lr≦Lrmax)を決定する。以後、このf(Lr)を階調圧縮関数と呼ぶ。階調圧縮関数は、自然な階調を表現するために単調増加関数でなければならない。すなわち、LCD減光フィルタ8の透過率を最大とした時の固体撮像素子1における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べ、Lccdmaxを超える各領域では、光量の増加に伴って透過率が減少するようにLCD減光フィルタ8の透過率を設定する。
実際の露光(撮影)時に、固体撮像素子1が受け取ることを期待される光量をLccdfin、この光量を実現するための透過率をTexpと置くと、
Lccdfin=f(Lr) ・・・式(4)
Texp=1 (0≦Lr<Lredgeの時)
Texp=Lccdfin/Lr (Lredge≦Lr≦Lrmaxの時) ・・・式(5)
となる。この式(4)、(5)を用いて、Lccdfinの固体撮像素子1のすべての座標に対応するTexpを半導体メモリ10に記憶する。
Lccdfin=f(Lr) ・・・式(4)
Texp=1 (0≦Lr<Lredgeの時)
Texp=Lccdfin/Lr (Lredge≦Lr≦Lrmaxの時) ・・・式(5)
となる。この式(4)、(5)を用いて、Lccdfinの固体撮像素子1のすべての座標に対応するTexpを半導体メモリ10に記憶する。
(3)LCD減光フィルタ8を使った露光について説明する。前項(2)のLCD減光フィルタ8の画素毎の透過率決定において、半導体メモリ10に記憶したTexpの全ての座標についての算出が終了した後、画素毎に算出された透過率Texpに応じた透過率をLCD減光フィルタ8に設定する。このとき、固体撮像素子1に照射される光量はLccdfinで表される値となる。
次に、階調圧縮関数f(Lr)の選択方法について説明する。階調圧縮関数f(Lr)には、任意の単調増加関数を設定することができる。以下にその例を示す。
まず、f(Lr)がLrの2次関数とする。入力光量と生成画像の輝度値との関係において、不連続な点が存在しないほうが望ましい。これは、階調圧縮関数についても同様である。もし、同一画像中に連続的な階調の変化が存在し、かつ、階調圧縮関数の不連続点の前後の光量を含む被写体であった場合、不連続点において画像上の輝度が不連続的に変化するトーンジャンプと呼ばれる現象が発生してしまうためである。
階調圧縮関数f(Lr)を2次関数とすると、f(Lr)とLrの関係は、式(6)で表わされる。
f(Lr)=Lccdfin=(n・Lrmax−Lccdmax)(Lr−Lrmax)2/{Lrmax(n−1)}2+Lccdmax ・・・式(6)
f(Lr)=Lccdfin=(n・Lrmax−Lccdmax)(Lr−Lrmax)2/{Lrmax(n−1)}2+Lccdmax ・・・式(6)
この関数がLr=Lredgeにおいて傾きが1となるnの条件は、
n={Lccdmax−(Lccdmax 2−Lrmax(2Lccdmax−Lrmax))1/2}/Lrmax ・・・式(7)
となる。この式(6)、(7)を用いた階調圧縮では、トーンジャンプを発生させずに固体撮像素子1のダイナミックレンジの拡大を行うことが可能である。
n={Lccdmax−(Lccdmax 2−Lrmax(2Lccdmax−Lrmax))1/2}/Lrmax ・・・式(7)
となる。この式(6)、(7)を用いた階調圧縮では、トーンジャンプを発生させずに固体撮像素子1のダイナミックレンジの拡大を行うことが可能である。
次に、f(Lr)がLrの1次関数とする場合を考える。この場合、Lr=Lredgeで不連続となる2種の直線を連結した形で表される。階調圧縮関数f(Lr)を直線とする場合、以下の式(8)のように表される。
f(Lr)=Lccdfin=(n・Lrmax−Lccdmax)Lr/Lrmax/(n−1)+n(Lccdmax−Lrmax)/(n−1) ・・・式(8)
f(Lr)=Lccdfin=(n・Lrmax−Lccdmax)Lr/Lrmax/(n−1)+n(Lccdmax−Lrmax)/(n−1) ・・・式(8)
これらの例から分かるように、f(Lr)=Lccdfinを2次関数とし、かつ、階調特性全体において不連続点が存在しなければ、トーンジャンプが発生しないため生成画像において良好な階調表現が得られる。ただし、計算量は1次関数に比べて多くなる。Lccdfinを1次関数とすると、Lr=Lredgeとなる点でトーンジャンプが発生するが、被写体の暗い部分の階調を生かしつつ、光量の多い部分の飽和が防げ、かつ計算量が少なくなる。
上記では1次関数と2次関数とを例に挙げたが、指数関数など以下の(A)、(B)の条件を満たすものであれば、階調圧縮関数として好ましい。
(A)f(Lr)=LccdfinがLredge≦Lr≦Lrmaxの範囲において単調増加関数であること。
(B)トーンジャンプを発生させないためには、f(Lr)=Lccdfinの点(Lredge、Lredge)における傾きが1であること。
(A)f(Lr)=LccdfinがLredge≦Lr≦Lrmaxの範囲において単調増加関数であること。
(B)トーンジャンプを発生させないためには、f(Lr)=Lccdfinの点(Lredge、Lredge)における傾きが1であること。
以上の説明では、階調圧縮関数について説明したが、固体撮像素子1に照射される光量と入射光量との比、すなわちLCD減光フィルタ8の透過率を取り上げて説明しても同等である。先に述べたようにLCD減光フィルタ8の透過率を最大とした時の固体撮像素子1における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べた時の光量をL、このLに対応する透過率をLの関数T(L)として表した場合に、Lccdmaxを超える各領域では、光量の増加に伴って透過率が単調減少(関数T(L)は広義の単調減少関数)となることが好ましい。また、固体撮像素子1に到達する光量がLの最大値において飽和レベル寸前であるように関数T(L)を設定することが好ましい。さらに、関数T(L)は、L=Lccdmaxにおいて微分可能な関数、すなわち傾きが連続することが好ましい。
1 固体撮像素子
2 光路
3 レンズ光学系
4 機械式絞り
5 画像生成回路
6 記録装置
7 露光時間制御回路
8 LCD減光フィルタ
9 LCD制御回路
10 半導体メモリ
101、103、104、105 パターン
301、302 光量
303、304、305 直線
2 光路
3 レンズ光学系
4 機械式絞り
5 画像生成回路
6 記録装置
7 露光時間制御回路
8 LCD減光フィルタ
9 LCD制御回路
10 半導体メモリ
101、103、104、105 パターン
301、302 光量
303、304、305 直線
Claims (8)
- 被写体を撮影するために、レンズ光学系と撮像素子との間の光路上に、前記撮像素子に到達する光量を領域別に減ずるように制御する減光フィルタを備える撮影装置であって、
前記減光フィルタの透過率を最大とした時の前記撮像素子における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べ、最小の光量から最小とは異なる所定の光量までに対応する各領域では、対応の前記減光フィルタにおける透過率を最大とし、前記所定の光量を超える各領域では、光量の増加に伴って該透過率が減少するように前記減光フィルタを制御する制御回路を備えることを特徴とする撮影装置。 - 各領域別の光量を最小から最大に向かって並べた時の該光量をL、このLに対応する前記透過率をLの関数T(L)として表した場合に、前記制御回路は、前記撮像素子に到達する光量が前記Lの最大値において飽和レベル寸前であるように前記関数T(L)を設定することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
- 前記関数T(L)は、前記Lに関して連続関数であることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
- 前記関数T(L)は、前記所定の光量をL0とし、L=L0に関して微分可能な関数であることを特徴とする請求項3記載の撮影装置。
- 撮影装置において、被写体を撮影するためにレンズ光学系と撮像素子との間の光路上に備えられ、前記撮像素子に到達する光量を領域毎に減ずるように制御する減光フィルタの制御方法であって、
前記減光フィルタの全ての領域における透過率を最大に設定し、前記被写体に対応する光を前記レンズ光学系および前記減光フィルタを介して前記撮像素子に照射するステップと、
前記撮像素子上の全ての画素において明るい方の飽和レベルに達している画素が存在するかを判定するステップと、
前記飽和レベルに達している画素が存在する場合には、前記飽和レベルが生じなくなるまで、前記減光フィルタの透過率を全ての画素に対して一様に減少させるステップと、
前記減光フィルタの透過率を最大とした時の前記撮像素子における各領域別の光量を最小から最大に向かって並べ、最小の光量から最小とは異なる所定の光量までに対応する各領域では、対応の前記減光フィルタにおける透過率を最大とし、前記所定の光量を超える各領域では、光量の増加に伴って該透過率が減少するように前記減光フィルタの透過率を設定するステップと、
を含むことを特徴とする撮影装置における減光フィルタの制御方法。 - 各領域別の光量を最小から最大に向かって並べた時の該光量をL、このLに対応する前記透過率をLの関数T(L)として表した場合に、前記撮像素子に到達する光量が前記Lの最大値において飽和レベル寸前であるように前記関数T(L)を設定することを特徴とする請求項5記載の撮影装置における減光フィルタの制御方法。
- 前記関数T(L)は、前記Lに関して連続関数であることを特徴とする請求項6記載の撮影装置における減光フィルタの制御方法。
- 前記関数T(L)は、前記所定の光量をL0とし、L=L0に関して微分可能な関数であることを特徴とする請求項7記載の撮影装置における減光フィルタの制御方法。
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