JP2006233107A - コークスの製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 装入嵩密度を増加させるためのタール等をコークス粒子間に浸透させ易く、コークスの生産性を向上させることができるコークスの製造方法を提供する。
【解決手段】
コークス炉炭化室に石炭を装入した後に、又はコークス炉炭化室に石炭を装入するのと同時に、加熱された液体状のタール及び/又はピッチを前記石炭に注入し、その後、前記石炭を乾留してコークス化する。タール及び/又はピッチを加熱することで、タール及び/又はピッチの粘性を低減することができ、石炭の粒子間にタール及び/又はピッチを浸透させ易くなる。このため、石炭装入嵩密度増加を通じたコークス強度の向上が図れる。さらに、加熱したタール及び/又はピッチの顕熱の分だけ、石炭を昇温させることができるので、コークス生産性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】
コークス炉炭化室に石炭を装入した後に、又はコークス炉炭化室に石炭を装入するのと同時に、加熱された液体状のタール及び/又はピッチを前記石炭に注入し、その後、前記石炭を乾留してコークス化する。タール及び/又はピッチを加熱することで、タール及び/又はピッチの粘性を低減することができ、石炭の粒子間にタール及び/又はピッチを浸透させ易くなる。このため、石炭装入嵩密度増加を通じたコークス強度の向上が図れる。さらに、加熱したタール及び/又はピッチの顕熱の分だけ、石炭を昇温させることができるので、コークス生産性が向上する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コークス炉において石炭を乾留してコークスを製造する方法、特に、コークス炉の炭化室に液体状のタール及び/又はピッチを注入することによってコークスの品質を改善する方法に関する。
石炭を乾留してコークスにするコークス炉は、燃焼室と炭化室とが交互に配置され、燃焼室と炭化室とは耐火煉瓦の隔壁(炉壁煉瓦)で仕切られている。炭化室には上方から装入車のホッパに積んだ石炭が装入される。石炭は炭化室の両側に配置された燃焼室の熱で乾留され、コークスとされる。乾留されたコークスは、押出し機の押出しラムによって側方から押され、炭化室から排出される。
石炭を乾留すると、石炭粒子同士が相互に粘結して塊状多孔質のコークスが得られる。この際、コークスは両側の燃焼室からの熱で間接的に加熱されるため、炭化室内では、上記炉壁煉瓦に近い部位のコークスの温度が高く、炭化室中心部のコークス温度が低くなる。
コークスは高温で熱処理されるほど強度が向上することが知られており、高強度コークスは高炉の安定操業にとって好ましいことが知られている。このような背景から、炭化室幅方向の中心部の強度を向上させて、炭化室内全体のコークス強度を向上させようとする技術が提案されている。
例えば特許文献1には、乾留後のコークスの収縮によって、コークスの中心部に形成されたすき間内に液状タールを吹き込み、かくして、コークスの保有する熱によって液状タールを熱分解させ、もって、液状タールをコークスの中心部に形成された亀裂及び気孔に付着させて、コークスの中心部の強度を向上させる冶金用コークスの製造方法が提案されている(特許文献1、特許請求の範囲)。この特許文献1に記載の冶金用コークスの製造方法は、石炭の乾留後に液状タールを吹き込んで高強度コークスを得るものである。
これに対して、石炭の乾留前において石炭の装入嵩密度を上げる技術も知られている。装入嵩密度がコークス強度改善に効果があるのは、石炭の粒子のすき間が近くなり、粒子間の反応が円滑に行われるためと考えられている。このような石炭の乾留前に石炭の装入密度を上げる技術として、特許文献2には、装入筒を介して石炭を炭化室に装入するに際して、装入筒に設けた噴霧ノズルから炭化室幅方向中心部に装入される石炭に界面活性剤又はオイルを噴霧し、石炭嵩密度の増加を通じてコークス強度を増加するコークスの製造方法が記載されている(特許文献2、特許請求の範囲)。
また、特許文献3には、噴霧ノズルから炭化室幅方向中心部に装入される石炭にタール、又は界面活性剤の水溶液を噴霧し、石炭嵩密度の増加を通じてコークス強度を増加するコークスの製造方法が記載されている(特許文献3、段落[0014],[0015])。
特開平11−181435号公報
特開平10−245564号公報
特開2004−75826号公報
しかしながら、石炭嵩密度の増加を図ろうとして、タールを石炭に噴霧する場合、タール自体の粘性が高いので、石炭粒子間にタールを浸透させ難く、このため石炭の装入密度の増加につながらないおそれがある。また、乾留前に炭化室内の石炭に界面活性材、タールを噴霧すると、炭化室内の石炭をいたずらに冷却することにもなる。
そこで本発明は、装入嵩密度を増加させるためのタール等をコークス粒子間に浸透させ易く、コークスの生産性を向上させることができるコークスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コークス炉炭化室に石炭を装入した後に、又はコークス炉炭化室に石炭を装入するのと同時に、加熱された液体状のタール及び/又はピッチを前記石炭に注入し、その後、前記石炭を乾留してコークス化することを特徴とするコークスの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコークスの製造方法において、前記タール及び/又はピッチは、50〜400℃に加熱されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のコークスの製造方法において、前記タール及び/又はピッチは、コークス炉から発生するコークス炉ガスとの熱交換により加熱されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコークスの製造方法において、コークス炉から発生するコークス炉ガスを液体状の前記タール及び/又はピッチに接触させて、前記コークス炉ガス中のタールを前記タール及び/又はピッチに溶解させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4いずれかに記載のコークスの製造方法において、前記タール及び/又はピッチを注入する位置が、炭化室巾方向の中心部であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5いずれかに記載のコークスの製造方法において、前記タール及び/又はピッチを注入するタイミングが、添加位置の温度が400℃以下である時期であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6いずれかに記載のコークスの製造方法において、前記タール及び/又はピッチを炭化室内に注入するにあたり、昇降可能なランスを用い、そのランスをコークス炉の炉頂から炭化室内に挿入することによって、そのランスを通じて前記タール及び/又はピッチの注入を行なうことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、タール及び/又はピッチを加熱する加熱装置と、加熱された液体状の前記タール及び/又はピッチを貯蔵するタンクと、炭化室に対して昇降可能に設けられ、液体状の前記タール及び/又はピッチを炭化室内に注入するランスと、前記タンクに貯蔵された前記タール及び/又はピッチを前記ランスに圧送するポンプと、を備え、コークス炉炭化室に石炭を装入した後に、又はコークス炉炭化室に石炭を装入するのと同時に、前記ランスをコークス炉の炉頂から炭化室内に挿入することによって、前記ランスを通じて前記タール及び/又はピッチの注入を行なうことを特徴とするコークスの製造装置である。
請求項1に記載の発明によれば、タール及び/又はピッチを加熱することで、タール及び/又はピッチの粘性を低減することができ、石炭の粒子間にタール及び/又はピッチを浸透させ易くなる。このため、装入嵩密度増加を通じたコークス強度の向上が図れる。また、タール及び/又はピッチの粘結性向上効果を利用したコークス強度向上効果も期待される。さらに、加熱したタール及び/又はピッチの顕熱の分だけ、石炭を昇温させることができるので、コークス生産性が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、タール及び/又はピッチを50〜400℃に加熱することによって、タール及び/又はピッチの粘度を低下させることができ、石炭層へ浸透し易くなる。ここで、タール及び/又はピッチの上限温度を400℃以下にすることで、重合反応でタール及び/又はピッチに固体が析出して粘性が逆に高くなってしまうのを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、タール及び/又はピッチの加熱のための熱源としてコークス炉から発生するコークス炉ガスの熱を有効利用できる。
請求項4に記載の記載によれば、コークス炉ガス中のタールをタール及び/又はピッチ中に捕捉することができる。
請求項5に記載の発明によれば、炭化室内巾方向中心部におけるコークス強度の低下を防ぐことができる。
請求項6に記載の発明によれば、乾留工程の前でタール及び/又はピッチを注入するので、タール及び/又はピッチが石炭の粒子同士の反応を促進させる。
請求項7に記載の発明によれば、タール及び/又はピッチをランスを用いて注入することで、コークス強度向上に効果のある物質を炭化室内の所望の位置に添加することが可能になる。
請求項8に記載の発明によれば、タール及び/又はピッチを加熱することで、タール及び/又はピッチの粘性を低減することができ、石炭の粒子間にタール及び/又はピッチを浸透させ易くなる。このため、石炭装入嵩密度増加を通じたコークス強度の向上が図れる。さらに、加熱したタール及び/又はピッチの顕熱の分だけ、石炭を昇温させることができるので、コークス生産性が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。本発明には、微粉炭を混合しないでピッチのみ、あるいはタールのみを石炭に注入する場合も含まれるが、以下の実施形態では、より効果のある、ピッチあるいはタールに微粉炭を添加したスラリー状の物質を石炭に注入する例を説明する。
図1は、本発明に係る方法を実施する装置を示した概念図である。まず、タンク1にピッチと微粉炭を入れ、これらを50〜400℃に好ましくは300〜350℃に加熱して、液体状のピッチに微粉炭を分散させたスラリー状の物質を得る。
ピッチには、コークス炉よりガスとともに発生する副生ピッチを用いることが好ましいが、石油系のピッチも利用できる。ピッチは常温では固体であるが加熱により溶融して液体になる。100℃以上に加熱することでピッチの粘度を低下させ、石炭層へより浸透させ易くなる。一方、ピッチの上限温度を400℃以下にするのは、重合反応で固体が析出するなどして粘度が高くなるのを防止するためである。この他にも50℃以上に加熱したピッチを炭化室の石炭層に注入することによって、炭化室2内の石炭を昇温することができ、これにより生産性が上がる。
ピッチの替わりにコークス炉よりガスとともに発生するタールを使用してもよい。また、ピッチそのものにはコークス強度向上効果がなくとも、ピッチ+微粉炭の混合物としてコークス強度向上効果が発現されればよい。
ピッチに混合される微粉炭の炭種は、コークス強度向上に効果のある粘結炭が望ましい。石炭の粒子間に注入されるピッチが十分な強度向上効果を持つ場合には、より劣質な微粉炭も利用できる。一般に、乾留後の炭化室2内のコークス中心部には巾10-20mm程度の大きな亀裂ができることが知られているが、乾留歩留まりの高い石炭を混合した場合、コークス収量が増加する。
コークス炉の炭化室に装炭車により石炭を装入した後に、炭化室にスラリー状の物質を注入する。スラリー状の物質の注入位置は、コークス強度低下がおこる炭化室巾方向中心部(すなわち、注入位置から両炉壁までの距離の差が炉幅の1/2以下)がよい。そして、炉頂方向に必要に応じ複数箇所(好ましくは5〜15ヶ所程度)に注入するのがよい。ランス3の長さ方向に複数の孔を開けておくことで、上下方向に満遍なく注入できる。
注入タイミングは石炭の軟化溶融が始まる温度以下(具体的には、スラリー状の物質の添加位置の温度が400℃以下である時期である)がよい。操業上は、装炭車に付属の装置を製作して、装入直後に行なうことが望ましい。この他にも、装炭車によりコークス炉炭化室に石炭を装入しながら同時平行的にスラリー状の物質を注入してもよい。石炭の装入と同時に注入することで、炭化室にスラリー状の物質を注入する際の圧力を低減することができ、石炭にスラリー状の物質を浸透させ易くなる。
ランス3は昇降可能とし、注入以外のタイミングでは炭化室2の外に置く。これにより、石炭装入および、コークス窯出し時に操業の邪魔にならず、また、熱によるランス3の変形も防止できる。ランス3は垂直方向に挿入するのが望ましい。特に、挿入方向が垂直から大きくずれる場合には、ランス3が炉壁と接触して、炉壁に損傷を与える可能性があるので注意が必要である。垂直に挿入するため、炉頂に設置するランス3の昇降装置は高さ方向の複数点でランスを固定し、ずれが発生しないようにする。また、炭化室2内でランス3が曲がってしまうことを避けるため、十分な強度をもったランス3を用いる。好ましくは外径20mm程度以上の鋼製パイプを用いるのがよい。炭化室2の石炭に対して挿入を行なう際には、粉体抵抗があるが、ランス3の上部から大きな力を与えて挿入してもよいし、ランス3の先端または本体をドリル様の形状としておき、石炭層にねじ込むようにしてもよい。
炭化室2の上部にはランスを挿入するための穴を予め設けておく。この穴は通常は蓋により閉鎖されており、ランス3の挿入の際にのみこの蓋を取り、ランス3を挿入する。この穴は、石炭を装入するための装炭孔蓋に設けてもよいし、炉頂の煉瓦を貫通するように設けてもよい。
スラリー状の物質を加熱する場合の熱源としては、コークス炉から発生するコークス炉ガスが利用可能である。このコークス炉ガスは600〜700℃以上の顕熱を持つからである。従来、コークス炉ガスの顕熱はあまり有効には利用されておらず、本発明により有効利用が可能になる。コークス炉ガスは石炭を乾留しコークスを製造する際に生成するガスであり、その成分はCH4,CO,H2を主体とし、タール、軽油、アンモニア等を含む。発生コークス炉ガスによる加熱を行なう方法としては、加熱装置としての熱交換器によりコークス炉ガスと間接的に接触させてもよいが、図1に示されるようにコークス炉ガスをスラリー状の物質に直接流通させて、熱交換することもできる。コークス炉ガスをスラリー状の物質に直接流通させる場合、コークス炉ガスの水分の凝縮を防止するため、スラリー状物質の温度が100℃以上となるように維持することが好ましい。この発生コークス炉ガスによる加熱の他にも、設備費低減のため、スラリー状の物質を外部熱源により加熱してもよい。
従来、発生コークス炉ガスの熱が有効活用しにくかった原因としては、発生コークス炉ガス中にタール分や粉塵が含まれるため、タールや粉塵を分離せずにコークス炉ガスの温度を冷却すると液体分の粘度が上がりすぎ、配管内で閉塞をひきおこす、という問題があったことが挙げられる。発生コークス炉ガスを液体中に流通させる場合、こうした閉塞の問題が回避可能となり好ましい。また、発生コークス炉ガス中のタール分が液体に溶け込み、粉塵分は懸濁し、コークス炉に再供給される。一般にタール分や発生コークス炉ガスに同伴される石炭微粉は粘結性を持つため、コークス強度向上効果を有する点からも好ましい。
このような熱交換のためのタンク1はコークス炉に複数(およそ5〜20窯に1基程度)設置され、スラリー状の物質の昇温が行なわれる。
スラリー状の物質は、タンク1から注入のための装置(以下、注入車と呼ぶ)にポンプによって圧送される。注入車は、装炭車に付属、または独立で炉頂を移動できるようにするのが効果的である。注入車は圧送されるスラリー状の物質を注入車上のタンクに移す。注入車上のタンクは保温を十分に行なうことが好ましい。注入車上にタンクを設けない場合、注入車が炉頂を移動できるように、タンク1と注入車を断熱保温されたフレキシブルホース4で接続するのが望ましい。
図2は、石炭の粒子間に注入されたスラリー状の物質を示す模式図である。石炭に液体状のピッチ5を注入すると、注入した直後にピッチ5が冷えて固化する。このときピッチ5の熱は石炭の粒子6に伝導する。固化したピッチ5及び微粉炭7は石炭の粒子6間の隙間を埋める。
炭化室の石炭にスラリー状の物質を注入した後、石炭の乾留が開始される。石炭を乾留すると、石炭粒子6同士が相互に粘結してコークス化する。このとき、溶融状態のピッチ5が媒介になり石炭粒子6間の反応を促進させる。ピッチ5を媒介させたうえで、粘結性に寄与する粘結炭等の微粉炭7を石炭の粒子6間に媒介させれば、粒子6間の反応がさらに促進し、この結果、高強度のコークスが得られる。
タンクに軟化点50〜60℃のコールタール系ピッチを供給し、コークス炉からの発生コークス炉ガスを流通させて熱交換を行なった。300℃に昇温したコールタール系ピッチを注入車に移送し、注入車を炭化室上に移動させ、あらかじめ設置した注入孔からランスを挿入して炭化室内に注入した。ランスには高さ方向10cmに1箇所の割合で炉頂方向に向いた穴が開けられており、コールタール系ピッチの注入量は、炭化室内の石炭量に対して、1質量%となるようにした。ランスの装入および昇温により液体化しているコールタール系ピッチの注入は石炭装入後3-8分の時間に行ない、注入後、ランスを引き抜いて、コールタール系ピッチを注入した石炭層を通常通り加熱した。燃焼室温度1200℃で乾留を18時間行ない、通常通りコークスを押出し、乾式消火した。このコークスをサンプリングし、強度を測定したところ、JIS-DI(150/15)指数で84.5であった。同じ石炭を用い、コールタール系ピッチを添加しないで製造したコークスの強度は84.2であり、コールタール系ピッチ添加により0.3ポイントのコークス強度向上が確認された。
また、同様の操作により製造したコークスを湿式消火し、コークスの炉壁に摸した部位と、炭化室中心側の部位の強度を測定したところ、炉壁側の強度が82.8,中心側の強度が82.6となり、両者の強度差は、0.2炉壁側が高い結果となった。同じ石炭によりコールタール系ピッチを注入しない条件で同じ操作によりコークスを製造した場合のコークスの炉壁に接した部位と、炭化室中心側の部位の強度は、炉壁側の強度が82.8,中心側の強度が81.7となり、強度差は1.1炉壁側が高い結果となり、本発明の方法によって、炭化室中心部のコークス強度が向上できたことが確認された。
コークス炉からの発生コークス炉ガスを流通させるタンクに軟化点50〜60℃のコールタール系ピッチを供給し、同時に0.5mm以下に粉砕した粘結炭を供給した。この時の粘結炭のピッチに対する比率は10質量%となるようにした。熱交換により300℃に昇温したスラリーを注入車に移送し、注入車を炭化室上に移動させ、あらかじめ設置した注入孔からランスを挿入して炭化室内にスラリーを注入した。ランスには高さ方向10cmに1箇所の割合で炉頂方向に向いた穴が開けられており、スラリーの注入量は、炭化室内の石炭量に対して、1質量%となるようにした。ランスの装入および液体注入は石炭装入後3-8分の時間に行ない、注入後、ランスを引き抜いて、スラリーを注入した石炭層を通常通り加熱した。燃焼室温度1200℃で乾留を18時間行ない、通常通りコークスを押出し、乾式消火した。このコークスをサンプリングし、強度を測定したところ、JIS-DI(150/15)指数で84.6であった。同じ石炭を用い、スラリーを添加しないで製造したコークスの強度は84.2であり、スラリー添加により0.4ポイントのコークス強度向上が確認された。
また、同様の操作により製造したコークスを湿式消火し、コークスの炉壁に接した部位と、炭化室中心側の部位の強度を測定したところ、炉壁側の強度が82.8,中心側の強度が82.7となり、両者の強度差は、0.1炉壁側が高い結果となった。同じ石炭によりスラリーを注入しない条件で同じ操作によりコークスを製造した場合のコークスの炉壁に接した部位と、炭化室中心側の部位の強度は、炉壁側の強度が82.8,中心側の強度が81.7となり、強度差は1.1炉壁側が高い結果となり、本発明の方法によって、炭化室中心部のコークス強度が向上できたことが確認された。
1…タンク
2…コークス炉炭化室
3…ランス
4…フレキシブルホース
5…ピッチ
6…石炭の粒子
7…微粉炭
2…コークス炉炭化室
3…ランス
4…フレキシブルホース
5…ピッチ
6…石炭の粒子
7…微粉炭
Claims (8)
- コークス炉炭化室に石炭を装入した後に、又はコークス炉炭化室に石炭を装入するのと同時に、加熱された液体状のタール及び/又はピッチを前記石炭に注入し、その後、前記石炭を乾留してコークス化することを特徴とするコークスの製造方法。
- 前記タール及び/又はピッチは、50〜400℃に加熱されることを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
- 前記タール及び/又はピッチは、コークス炉から発生するコークス炉ガスとの熱交換により加熱されることを特徴とする請求項2に記載のコークスの製造方法。
- コークス炉から発生するコークス炉ガスを前記タール及び/又はピッチに接触させて、前記コークス炉ガス中のタールを前記タール及び/又はピッチに溶解させることを特徴とする請求項3に記載のコークスの製造方法。
- 前記タール及び/又はピッチを注入する位置が、炭化室巾方向の中心部であることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のコークスの製造方法。
- 前記タール及び/又はピッチを注入するタイミングが、添加位置の温度が400℃以下である時期であることを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のコークスの製造方法。
- 前記タール及び/又はピッチを炭化室内に注入するにあたり、昇降可能なランスを用い、そのランスをコークス炉の炉頂から炭化室内に挿入することによって、そのランスを通じて前記タール及び/又はピッチの注入を行なうことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載のコークスの製造方法。
- タール及び/又はピッチを加熱する加熱装置と、
加熱された液体状の前記タール及び/又はピッチを貯蔵するタンクと、
炭化室に対して昇降可能に設けられ、液体状の前記タール及び/又はピッチを炭化室内に注入するランスと、
前記タンクに貯蔵された前記タール及び/又はピッチを前記ランスに圧送するポンプと、を備え、
コークス炉炭化室に石炭を装入した後に、又はコークス炉炭化室に石炭を装入するのと同時に、前記ランスをコークス炉の炉頂から炭化室内に挿入することによって、前記ランスを通じて前記タール及び/又はピッチの注入を行なうことを特徴とするコークスの製造装置。
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WO2019178109A1 (en) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | Lummus Technology Llc | In situ coking of heavy pitch and other feedstocks with high fouling tendency |
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2005
- 2005-02-28 JP JP2005052466A patent/JP2006233107A/ja active Pending
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WO2019178109A1 (en) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | Lummus Technology Llc | In situ coking of heavy pitch and other feedstocks with high fouling tendency |
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