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JP2006223115A - 健康キムチおよびその他の漬物 - Google Patents

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JP2006223115A JP2005037672A JP2005037672A JP2006223115A JP 2006223115 A JP2006223115 A JP 2006223115A JP 2005037672 A JP2005037672 A JP 2005037672A JP 2005037672 A JP2005037672 A JP 2005037672A JP 2006223115 A JP2006223115 A JP 2006223115A
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瀬 行 博 廣
Keiko Hirose
瀬 慶 子 廣
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Abstract

【課題】 本発明は、漬物に、日本人好みの味であるフルーティな風味を付加して、味に奥行きを与えるとともに、健康に良い成分を強化し、乳酸菌を添加して発酵させ製造し、さわやかな酸味と保存性の良い健康漬物類を提供すること課題とする。
【解決手段】 白菜および/または大根の基礎素材に、海産物を併せて用い、乳酸菌を使用して、製造したことを特徴とする、キムチ。白菜および/または大根の基礎素材に、海産物に加えるに、果物を併せて用い、乳酸菌を使用して、製造したことを特徴とする、キムチ。乳酸菌として、L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumのいずれか一種または複数種を使用することを特徴とする、キムチ。および、それら乳酸菌を使用した漬物類。
【選択図】 なし

Description

本発明は、健康によりすぐれた成分を含有し、なおかつ日本人好みの味を追求した漬物、特にキムチ、に関する。
日本は四季折々に野菜がとれる豊かな国である。昭和30年代までは、多くの家庭では暮れになるとたくさんの野菜を漬物しにして、それを春まで食べてきた。長い伝統が生んだすばらしい知恵である。ところが最近では、減塩運動の影響もあってか、漬物をあまり食べない人もいるようである。漬物はりっぱなアルカリ性食品で、消化吸収されると血液をアルカリ性にするとともに、酵素や野菜そのものに含まれる食物繊維などが健康維持に大きな役割を果たす。塩は漬物の基本であり、野菜を塩漬けにすると、野菜の中の水分が外へ流れ、塩が野菜の中に入り込んで塩漬けになる。漬物は、こうした成分の交換作用と発酵作用によって味が良くなり、食物繊維の量も増える。わが国の漬物は野菜と塩で保存することから始められたと言われている。人類が塩を使用し始めたのは今から4000年前の頃からと言われ、以来塩は人類にとって重要なものとして今日に至った。名古屋駅より西方7km程のところに漬物祖神「萱津神社」がある。昔この地方は海辺で塩が取れさらにその周辺の土地は地味が肥えていた為野菜の産地でもあった。そしてこうした塩と野菜が毎年土地の神「萱津神社」に奉納されていた。しかしあまりにたくさん奉納されるので無駄にすることが多く、そこで捨てるのはもったいないと塩と野菜を一緒にカメに投げ入れておいたところ、自然に醗酵して美味しい漬物になっていた。付近の人々はこの不思議で風味豊かで保存が良い食べ物を「神の賜り物」「万病の妙薬」としておし戴いたといわれている。今日の漬物を表す「香の物」とは、日本武尊が仰せられた「藪に香の物」のお言葉が語源になっていると言われている。
漬物は、不溶性食物繊維(水に溶けない食物繊維)の供給源としてみれば、食品の中で最高とも言われている。不溶性食物繊維は便秘や肥満はもちろん、血液中のコレステロールを抑制するため、動脈硬化や高血圧などの成人病やガンの予防になるとも言われており、1日あたり20〜25gを摂取するのが望ましいとされている。例えば、5gの食物繊維を摂取するのに、生のレタスやキャベツなら約1kgであるが、たくあん漬なら約400gと、ほぼ半分で同じ量の食物繊維がとれる。このように漬物は生野菜に比べて、食物繊維が効率よく摂取できるのが大きな魅力である。その他ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群も豊富である。
食物繊維の効能の第一は大腸ガン等の予防である。これは3つに分けられる。第一は食べた有害物質を吸着して排泄すること。有害タール色素をネズミに与える時、牛蒡繊維を加えてやるとその1群はガンがでず、加えなかった1群は全てガンになったと言う有名な実験がある。油脂は加工食品にするとすぐに酸化して過酸化物となり、新しい油脂でも体内に入ると活性酸素によって酸化され同様に過酸化物になる。この過酸化油脂を食物繊維は吸収して排泄してしまう。第2は食物繊維を多量に摂ると腸を刺激して活発に働き排泄速度を速める。すなわち有害物質が腸壁粘膜に触れる時間を短くする。ネズミの耳に有害タール色素をこくめいに毎日塗ってやると皮膚ガンの発生する事は周知の真実である。大腸ガンが最も発生しやすい宿便になるS字結腸と直腸を食物繊維は便を速やかに通過させる。第3には食物繊維は腸内細菌のビフィジス菌の発育を助け有害なウエルシュ菌の発育を抑える。大腸ガンの最も強いプロモーターは腸内における油脂の消化の功拙でうまくゆかなくてできる発ガン物質によると言われている。油脂を摂る限り食物繊維により良い腸内細菌群になっていないと問題である。油脂の消化を助けるための胆のうから胆汁酸が出てきくる。この胆汁酸は食物繊維による腸内細菌の助けによって油脂を正常に分解してくれる。ところが食物繊維が少なくウエルシュ菌が多いと油脂を消化する胆汁酸の働きが悪くなり発がん物質3−メチルクロールアンツーラン類似化合物ができ大腸を刺激するとともに腸壁から血液に入って全身に回って臓器にガンを作る。
食物繊維の効能は以上の3つが重要であるがこの他便秘の予防、糖尿病の血糖値の急激上昇の抑制、血液中のコレステロールの上昇抑制による動脈硬化防止の働きもある。食物繊維の必要量は1日20〜30gといわれている。日本人は12gしか攝っていないので食欲増進の茄子浅漬、新高菜漬を食べたり納豆に刻み高菜漬や近江漬を混ぜて食べるというように食物繊維を取る努力をする必要がある。
ウメ、ウメは古来中国渡来の植物というのが定説であり、「万葉集」においてウメまたはムメという和語で和歌に詠まれている。
この語の発音は、ウメの中国語音メイをそのまま伝えており、これが渡来説の証拠であるといわれている。しかしだからといって、日本に自生していた可能性がないとも言い切れません。
その理由として、大分県の宇佐、玖珠(くす)両群の山間部や富士川上流の奥深い渓谷地に群落自生している老巨木のウメは 日本原産の原種的ウメではないか、という説をなす学者もいる。
もっとも薬用、食用としてのウメの効能が中国より朝鮮半島を経由して伝えられた時点にあっては、ウメは中国文化と同様価値の高い輸入品という印象が強く、その後の長い期間にわたって日本人に“渡来物” の印象を与えつづけていたと思われる。ウメは、クエン酸やピクリン酸が血液中の乳酸の発生を抑え体内の老廃物を外へ出して、肝臓を強化し心臓病を予防する。
偏食にかたよりがちな若い人に、カルシウム不足が目立っている。体内でクエン酸と結びつくとカルシウムの吸収がよくなる。 カルシウムが不足するとイライラやストレスがたまる。クエン酸が体内に入ると筋肉疲労の元になる乳酸の発生をおさえられる。
ノーベル賞学者の英国のクレプス博士の「クエン酸サイクルの理論」で明らかにされている。 微量のカテギン酸に整腸作用があり、豊富な酸は胃腸の運動を高め梅特有の殺菌、抗菌作用も手伝って両方に効果を発揮する。梅肉エキスも強い抗菌性を示す。ムメフラールという物質や微量青酸の働きである。
にんにく、にんにくの原産地については、アフリカのジュンガリア原産説や中国原産説など諸説があるが、中央アジアのキルギス地方原産説が有力なようである。
そこから西へ伝わり、紀元前3000年頃の古代エジプト王朝時代には、強壮食品としてタマネギとともに栽培されていたことが記録されている。 また紀元前1300年頃には、ピラミッド建設に従事した奴隷たちがにんにくを強壮用に食していたことがわかっている。
そのようにエジプトで愛用されていたにんにくは、まもなく地中海沿岸から古代ギリシア、ロ−マ、さらにはヨ−ロッパ全土へと広がった。 にんにくの東洋への進出ル−トは、エジプトからアラブ諸国、インド、そして漢へと伝わった。
一方、日本へのにんにくの渡来は定かではないが、紀元700年頃に中国から伝わって来たようである。にんにくには、サチヴァミン複合体と呼ばれる19種類にもおよぶ有効成分が含まれている。 サチヴァミン複合体の働きは、細胞を若返らせる。また、血漿コレステロ−ルを引き下げ血液の循環を良くするので、高血圧・低血圧を正常化させる。
また、疲労回復・風邪予防・胃腸病・下痢や便秘予防、高血圧や低血圧・肝臓病・冷え性などによいとされている。
また最近では、ガンにも効果があるとの研究発表もある。にんにくはS−アリルシステインスルホキシドというアミノ酸を含み、傷を付けたり磨砕すると細胞中のC−Sリアーゼという酵素が働いてスルフエン酸という物質に分解される。このスルフェン酸は2分子が脱水縮合してジアリルチオスルフイネート(アリシン)をつくり強い抗菌性を示す。アリシンの抗菌性は強く大抵の微生物を薄い濃度で完全に抑える。キムチの中の擂りおろしたにんにく、あるいは種々のにんにく漬は有効で近頃は南高梅にんにくという二重の薬食を持つ漬物も開発されている。
ラッキョウ、ラッキョウは、中国で紀元前三世紀の頃から栽培され、日本には九世紀ごろ伝わったとされている。「ラッキョウ」という名も、中国名がなまってできたもの。平安時代にはニラに対してオオニラなどとも呼ばれていた。当時は食用ではなくもっぱら薬として利用されていた。江戸時代になって野菜として全国的に広まったといわれている。ちなみに欧米ではまったく食用とはされていない。らっきょうには、カロリーやたんぱく質などの栄養はほとんどないが、カルシウム、リン、鉄などのミネラル分が豊富に含まれている。にんにく、にら、ネギ、しょうが、ラッキョウ、これらは五葷(ごくん)と呼ばれ、いずれも精のつくものばかりである。風邪をひいて熱のある時はこの手の根菜を食べて体を温めるという人も多い。ラッキョウ以外の四つの根菜は香辛料、薬味あるいはそれ自体を味わう素材としても利用されるが、ラッキョウはほとんどが漬物になります。甘酢漬け、塩漬け、かす漬け、焼酎漬け、などで親しまれ、カレーライスの薬味や酒の肴によく合う。また、血液の余分な粘りを取り去り、さらさら血液にする効果があると言われている。
ネギ、ネギは、油脂を構成する脂肪酸のうち、リノール,リノレン,アラキドン酸の3つは栄養学的に重要で必須脂肪酸といわれてきました。その中のアラキドン酸はトロンポンキサンチンA2というものになって血小板を血管壁に粘着させ血栓を形成する。このことは血管内の微細な傷の修復として重要なのであるが多くなると血管が詰まってしまう。これをニンニクの抗菌性を示すチオスルフイネートから二次的に形成する臭気物質のメチルアリルトリスルフィド、アホエンなどの物質が阻害してくれる。そしてこれはニンニク臭の主体のジアリルジスルフィドの形成と同時に生成する。このような効果はニンニク以外にもネギ、ラッキョウ、タマネギ等のネギ属漬物は全てもっている。
たくあん、たくあんは、食物に発ガン性があっても唾液が抑制するので唾液をだすため30回のそしゃくが望ましいという報告もある。また、そしゃくは歯と歯の噛み合わせをよくするとともに胃の負担を軽くする。最も噛む効果が出るのは「たくあん」とも言われる。
生姜、生姜は3世紀以前に日本に入り正倉院文書にも758年にその塩漬が出ている。日本最古のスパイスといえる。そして発汗、解熱、健胃作用の効果から薬用としても使われてきた。この生姜に大腸ガンを抑える効果のあることが明らかにされた。生姜の主成分ジンゲロールが食事量の0.02%で生体の遺伝子が発ガン物質にさらされる初期の段階で発ガン物質を解毒する。生姜中のジンゲロール含量は1〜3%といわれていて、生姜1日10〜30g食べれば良い事になる。
現在の漬物は、さらなる健康志向のため、低塩化が進められている。漬物は本来、保存食品であったため塩分が高い傾向にあったが今の漬物は違う。一年中新鮮な野菜が豊富に出廻るようになり、野菜を長く保存する必要がなくなった。また、低塩化のための技術としては、食塩にかかるアルコールなどの浸透圧を利用したり、小袋詰めにして加熱殺菌、冷蔵庫などによる保存と流通などの各方面からの研究と改善が功を奏している。
漬物の種類には、塩漬として、浅漬類、らっきょう塩漬、つぼ漬、しょうが塩漬、梅干、梅漬、白菜漬、高菜漬、広島菜漬、野沢菜漬、すぐき漬、等。糠漬として、たくあん漬、糠みそ漬、白菜糠漬、日野菜漬、等。醤油漬として、福神漬、割干漬、しば漬、山菜しょうゆ漬、朝鮮漬(キムチ)、野沢菜漬、高菜漬、広島菜漬、松前漬、刻みしょうゆ漬、一本漬しょうゆ漬、しょうがしょう漬、等。味噌漬として、山菜みそ漬、大根みそ漬、各種野菜菜みそ漬、等。粕漬として、奈良漬、山海漬、わさび漬、守口漬、野菜わさび漬、しょうが粕漬、山菜粕漬、セロリー粕漬、各種野菜粕漬、等。酢漬として、らっきょう酢漬、千枚漬、はりはり漬、梅酢漬、紅しょうが漬、酢漬ピクルス、かぶ酢漬、等。こうじ漬として、べったら漬、三五八漬、かぶらずし、にしん漬、各種野菜こうじ漬、等。からし漬として、なすからし漬、ふきからし漬、山菜からし漬、しいたけからし漬、等。もろみ漬として、こなすもろみ漬、きゅうりもろみ漬。などが市販されている。
また、漬物に存在している微生物の乳酸菌は、ヨーグルトに含まれている乳酸菌よりも1g中の数が多いと言われている。また、漬物は、ヨーグルトなどの醗酵乳は腸内に到達する前に死滅してしまうのに対して、漬物の乳酸菌は腸内生息が可能との報告もある。
動物性発酵食品では乳酸菌スターターを接種する場合が多く、植物性発酵食品では原料や製造環境に生息する乳酸菌を巧みに増殖させる例が多い。しかし、最近は植物性食品でもそれに適した乳酸菌をスターターとして添加する製造法の開発も進んでいる。植物性発酵食品としては、漬物類などの野菜・果実加工品、穀実加工品、各種の醸造製品などがある。また、最近は生食用野菜やデリカテッセン(洋風の調理済み食品)の衛生的保存にも、乳酸菌の利用が試みられている。
漬物には、発酵したものと発酵させないものがある。発酵漬物は乳酸菌や酵母が関与し、特有の風味を醸成し、保存性を付与する。無塩漬物(すんき、中国の酸菜、ネパールのグンドルックなど)では、発酵によって酸やアルコールを生成させ、pHを低下させてBacillus属などの腐敗細菌を抑える。また、生成した乳酸以外の抗菌性物質によって雑菌の増殖を阻止する。漬物類では特に乳酸菌スターターを添加することはないが、確実な乳酸発酵を促すため、前に漬けた種菌が付着した漬菜を新鮮な菜類と交互に漬け込むか、種菌を含む漬液を注ぎ込むか、あるいは前によくできた菜漬の乳酸菌が付着した容器(かめ)をそのまま、次に使用する。
低塩漬物(野沢菜漬、泡菜、搾菜、サワークラウトなど)の保存性にも、乳酸菌は寄与している。例えば、サワークラウトは、陰干しし細切したキャベツに2〜3%の食塩を加え、5〜10℃で40日以上乳酸発酵する。酸度は1.5%程度となる。キャベツだけでなく、キュウリやオリーブも塩水に漬けて発酵するが、その過程で生育するPediococcus
pentosaceusがペディオシンを生成し、発酵 野菜の保存に寄与することはかなり以前から知られていた。
無塩・低塩漬物の代表的な乳酸菌としては、Leuconostoc
mesenteroides、Enterococcus faecalis、E.faecium、P.acidilactici、P.pentosaceus、Lactobacillus
plantarum、L.brevisなどが挙げられる。食塩濃度が低いと、初期にL.mesenteroides、発酵中期にP.pentosaceus、次いでL.plantarumやL.brevisが優勢になるというように、何種類かの乳酸菌が連続的に働くといわれている。キムチ(沈菜)にその典型例が見られる。
浅漬は原料野菜の新鮮な風味を生かすことを特徴とする漬物で、加熱殺菌工程がなく、食塩濃度が2%前後と
低く、また合成保存料を使用しない場合が多いことから、漬物のなかで最も微生物管理が難しいものとされている。浅漬で、ある程度の乳酸菌の増殖は適度な酸味を付与するとともにグラム陰性細菌の生育を抑制し、亜硝酸の生成を抑えるなど、最初は好ましい効果を示すが、乳酸菌が過度に増殖すると品質劣化(酸敗)の原因となるので注意を要する。
家庭でつくられる伝統的な糠みそ漬でもL.plantarum やP.pentosaceusが重要な役割を演じている。前回述べ
たように、ナイシンZは非常に長い年月維持されてきた糠床から分離されたLactococcus lactisで発見されたバクテリオシンである。なお、たくあん漬は、主として酵母が関与するアルコール発酵漬物に分類されるが、この場合も乳酸菌によるpHの低下が有害な産膜性酵母の増殖を抑えるといわれている。
一般に茶の発酵は、茶葉のなかの酵素を作用させて茶(例えば紅茶やウーロン茶)に加工することを意味するが、漬物として微生物(主として乳酸菌)で発酵する特殊な茶があり、漬物茶と呼ばれる。通常の漬物と違って、食塩を一切使用しない点が特徴である。中国雲南省やタイ、ミャンマなどには乳酸発酵した茶が存在し、わが国の碁石茶、阿波晩茶、富山黒茶もその流れを汲むものである。タンニンの阻害を受けにくいL.plantarumが主要菌種である。ローカルな製品で生産量もわずかであるが、近年乳酸発酵茶の健康に対する効果が注目されている。
わが国でも、生食用野菜の消費は増大しつつあり、この種の食品の衛生管理は目下、非常に関心がもたれている。弁当および惣菜の衛生規範では、サラダや生野菜(未加熱処理品)の細菌数(生菌数)は10cfu/g以下が
望ましいとされ、業界の自主基準では10/g以下となっている。特に生食用芽物野菜やカット野菜については、腸管出血性大腸菌、サルモネラ、腸炎ビブリオなどの汚染を念頭において、栽培から収穫後、消費に至るまでの一貫した衛生管理を行なわなければならない。この際、低温で増殖可能なListeria monocytogenesやAeromonas hydrophilaにも注意を払う必要がある。
生食用野菜の貯蔵期間を延長し、安全性を確保するために、乳酸菌の利用が試みられている。例えば、Lactobacillus caseiが大腸菌群数などを減らす効果があり、さらにA.hydrophila、Salmonella Typhimurium、Staphylococcus aureusを死滅させると報告されている。また
、カイワレダイコンの養液にLactococcus属の 乳酸菌を加えて、E.coli
O157:H7に対する抑制効果 を明らかにした。さらに、Enterococcus mundtiiの生成するバクテリオシンがCA貯蔵した芽物野菜(mungbean sprout)におけるL.monocytogenesの制御に有効であることが示された。
生食用野菜のグラム陰性腐敗細菌や食中毒細菌を乳酸菌で抑制する技術は今のところ未完成であるが、洗浄殺菌、CA貯蔵ならびに低温保持だけに頼らざるを得ない生食用野菜の保蔵に乳酸菌の自然な抗菌力を活かす余地は十分あると考えられる。また、すぐ食べられる調理済み野菜サラダの糞便系大腸菌群数は8 ℃で6日間の保存期間中に徐々に増加するが、L.caseiの生菌あるいは培養液透析外液濃縮物を加えると、顕著な抑制効果が認められた事実は注目に値する。
豆乳を乳酸菌で発酵してヨーグルトやバターミルクに似た製品をつくることができる。発酵豆乳は健康食品としても注目されている。乳酸菌としては、Streptococcs thermophilus、Lactobacillus
acidophilusのほか、L.plantarum、Leuconostoc
mesenteroidesなどが用いられる。乳酸発酵により、大豆臭が消え、フレーバーとテクスチャーが改善されるとともに、保存性も向上する。また、ピーナッツミルクやキャッサバの発酵にも乳酸菌が関与することが知られている。
ライ麦でつくるサワーブレッドのパン種にはL.casei など中温性乳酸桿菌の存在が生地の物性改善とフレーバーの面から必須である。サンフランシスコサワーブレッドではヘテロ発酵型のL.sanfranciscoなどが利用される。また、通常のパン(食パンなど)の製造においても、酵母と共存している乳酸菌が食味(テクスチャーなど)に好ましい影響を及ぼすといわれている。この効果が認識されたのは比較的最近のことである。また、乳酸菌はパンの保存性向上に寄与することは、非常に日持ちのよいイタリアのパネトーネに好例が見られる通りである。なお、乳酸菌はソーダクラッカーの製造工程でも重要である。均一でフレーバーの優れた製品をつくるため、ソーダクラッカーの生地にL.plantarum、L.delbrueckii、L.leichmanniiなどを添加して発酵する場合があるが、最終製品の保存性に関与するものではない。
醸造製品でも乳酸菌が有用な働きを示す例が少なくない。酒造りでは、乳酸菌は腐造(火落ち)の原因となるため嫌われるが、清酒の伝統的な手法(生、山廃)では逆に乳酸菌の力が利用されている。すなわち、Leuconostoc
mesenteroidesやL.sakeが増殖して、清酒酵母の自然純粋培養に導く環境整備の役割を果たす。このことを模式的に示したのが図6である。8℃前後で仕込まれた酒母中で、まず低温性の硝酸還元菌(Pseudomonas など)が増殖し、亜硝酸が生成するが、その後、硝酸還元菌は死滅する。次に乳酸菌が増殖する。産膜酵母や野生酵母は亜硝酸、乳酸による低pH、低温などの作用で死滅する。仕込み後、約2週間経過すると乳酸菌以外の微生物は検出されなくなり、酒母を培養するのに最適な条件となるので、優良な清酒酵母を接種する。残存する乳酸菌は、酒母の発酵が活発になると、生成したアルコールによって死滅するので、優良清酒酵母のみが多量に存在する酒母が得られることになる(図6)。なお、清酒、ワイン、ビールなどの醸造中に、ナイシンやアシドシン8912(L.acidophilus由来)などで、有害乳酸菌による腐敗を防ぐ試みも為されている。
ワインのリンゴ酸を乳酸に分解するOenococcus oeni などの減酸効果はよく知られており、有用な菌株をスターターとして添加する方法も実用化されつつある。
醤油醪は食塩濃度が高いので耐塩性のあるTetragenococcus halophilusが増殖し、醤油の淡色化に寄与するといわれている。醤油は、それ自体が保存性の優れた調味料であり、この面での乳酸菌の効果は無視してもよいであろう。一方、味噌の味に悪影響を及ぼす重要な汚染菌の一つである枯草菌(Bacillus subtilis)を抑えるため、バクテリオシンをつくる味噌定着型の乳酸菌の活用が提案されている。すなわち、熱殺菌(蒸煮)直後の無菌状態に近い大豆をナイシン生産菌(Lactococcus lactis IFO 12007)によって乳酸発酵することにより、大豆に乳酸菌の独占的菌叢を形成させ、生産されたナイシンにより、その後の工程で大豆や麹を汚染する有害細菌の増殖を阻止して、味噌の品質と加工適性を改善する方法を開発されている。
乳酸菌をほぼ10/g接種して30℃で24時間乳酸発酵した大豆に枯草菌を10/g接種すると、この菌はナイシンの作用により直ちに死滅した。大豆麹に食塩水を加え、30℃で熟成を行なった結果、L.lactisは耐塩性がないので、仕込み時に添加された食塩(11%)により急速に減少、死滅するため、味噌の過度のpH低下(酸敗)は阻止された。ナイシンは乳酸発酵により大量に生産されたが、熟成中に麹菌の生産したプロテアーゼによって分解され、消失した。また、ナイシン生産菌を利用して、枯草菌の存在しない無塩味噌を調製することができた。この場合、食塩濃度は自由に調整できる。という報告がある。
同様な手法により、好ましい風味の米味噌を調製することもできる。米味噌の場合は、蒸米には乳酸菌の増殖に必要な栄養成分が不足しているため、そのままでは十分に乳酸発酵することができないが、大豆煮汁の添加によってナイシン生産性乳酸菌を旺盛に増殖させることができた。このような加藤らの技術開発は、乳酸菌による食品保蔵の実用化の事例として高く評価されるものである。
従来から、人々が乳酸発酵の風味が存在することを認めている食品で、乳酸菌を積極的に保蔵に利用することは容易である。しかし、食品の種類によっては、乳酸発酵を経ないで有害微生物を制御したい場合もある。残念ながら、このような乳酸菌の利用法は、ごく少数の事例を除いて、まだ実用化の域に達していない。ナイシンの特徴、特に食品産業で大問題である芽胞形成菌への有効性を活かすことができる分野への利用は、検討に値する。例えば、果汁などの酸性飲料を変敗させるAlicyclobacillusの制御が問題となっているが、ナイシンによってこの菌の耐熱性を低下させ、しかも発芽・増殖を抑制できる事実は注目に値する。現在、乳酸菌の抗菌性についてはバクテリオシンに研究が集中しており、乳酸菌由来の新しい有用なバクテリオシンの発見が期待されるが、これと同時に乳酸菌の菌体や発酵産物が発揮する複合的な抗菌作用も重視すべきであろう。乳酸菌のバクテリオシンは、主としてグラム陽性細菌に対して有効であるが、有害微生物のなかにはいろいろな種類のグラム陰性細菌も存在する。この種の菌群を抑制するには、単一のバクテリオシンではなく、その他の抗菌因子との併用が効果的と考えられる。
キムチにおける熟成において、素材中のたんぱく質が分解され、化学調味料では得られないペプチドなどのおいしさをつくることや、生臭い臭いがなくすること。この製法では乳酸菌の活用により、低温で短期に熟成させるため、酸味の発生が少なく、風味の高い製品を製造できること。更にキムチの熟成を促進する乳酸菌について、活性の高いものが製造現場でいつでも使用できるように、安定した乳酸菌製剤の製品化にも成功したという報告もある。
漬物用乳酸菌HS−1は,茨城県工業技術センターで開発された植物性乳酸菌スターターである。正式な名称はLactobacillus・sakei(ラクトバチルス・サケイ)HS−1といい,特許第3091196号に登録されている。美味しいキムチから発見されたものである。人為的操作は加えずに純粋培養した乳酸菌HS−1をスターターとしている。HS−1は,植物性乳酸菌であり漬物等野菜加工品をよく発酵する。HS−1の食塩耐性は8%であり,ほとんどの野菜の塩漬に使用可能である。食中毒菌は,25℃以上で増殖が盛んであるが20℃以下ではあまり増えない。HS−1は低温性乳酸菌なので,安全な温度領域の15〜20℃でも良く発酵する。HS−1の乳酸の生成量は他の植物性乳酸菌,例えばラクトバチルス・プランタラムより少ないので,過剰に酸っぱくならない。pH4前後で発酵が止まる。発酵乳酸はさわやかな酸味である。HS−1は,発酵ガスをださないホモ発酵乳酸菌ですので,密封包装しても後から膨れることはない。HS−1を使用すると,塩漬け中の亜硝酸の生成を抑えることができる。野菜の塩漬の時に,野菜1kgあたり1gの乳酸菌を加えてるのが適当である。差し水に混ぜると均一に広がる。重石をして,室温(15℃以上)の場所に放置する。夏季など20℃以上の場所では1日で,春・秋の15℃では3日で乳酸菌が最大に増殖する。10℃以下では,発酵終了まで時間が長期にかかるので,冷蔵庫では漬けないのがよい。また唐辛子や昆布を加えても構わないが,ニンニク,酢,ミョウバンが多くあると上手に発酵しない。好みの発酵の段階で野菜を容器から取り出し,余分の液を絞り,そのまま食することができる。ポリ袋等に入れ1〜2℃の冷蔵にすればそれ以上の発酵が抑えられる。発酵した野菜を醤油や味醂,甘酢,キムチのタレなどで調味漬にすると,更においしさの幅が広がるとともに日持ちが良くなる。販売目的の場合は調味漬けにするのが望ましい。
ところで、キムチとは、朝鮮料理で、塩漬けした大根・白菜・キュウリなどを唐辛子・ニンニク・塩辛などをまぜた薬味で漬け込んだものであるが、キムチの種類は季節、地域、風土、原料等によっていろいろあり、代表的なキムチは白菜キムチ(ペチュキムチ)、大根キムチ(カクトゥギ)、胡瓜のキムチ(オイキムチ)であるが、ほかにもチョンガクキムチ、にらのキムチ、キャベツキムチ、アサツキのキムチ等約200種ほどに及んでいるといわれている。
一般的な製法としては、1.白菜の古い葉は取り除き、たてに半分に切る。白菜の芯に包丁で切目を少しいれて、後は手で裂く。15%の塩水を準備しておく。 2.白菜を6時間ほど塩水に浸けておいてから、水で洗い、水気を切る。 3.大根、ネギ、アサツキ、芹の余分な皮を剥き、洗う。大根は千切りにする。ネギ、アサツキ、芹を4cmの長さに切る。 4.千切りにした大根にまず、唐辛子粉を入れて混ぜる。海老の塩辛、芹、ネギ、アサツキ、ショウガ、ニンニク、松の実、千切りにした唐辛子を入れて良く混ぜる。塩と少量の砂糖で調味する。 5.水気を切った白菜の葉と葉の間に、薬味を塗り付けるように挟んでいく。 6.具を詰めた白菜を一番外側の葉でくるっと巻いて容器に入れる。7.キムチをよく発酵させるため、20℃の所に約40時間置いてから冷蔵庫に入れる。 というような方法が一般的である。
キムチおよび、漬物製造における乳酸菌の使用に関する先行文献をについて見ると以下のようなものがある。
特開2004−113233号公報(特許文献1)には、皮を剥がしたらっきょうを用い、必要に応じてこれに他の野菜や果物、山菜、海産物等から選択した所要種類の副原料を混ぜ合わせ、これをキムチのタレに漬け込んでキムチとする。らっきょうに組み合わせる副原料は、野菜や果物、椎茸等の山菜、烏賊やスルメ、塩辛、辛子明太子等海産物、肉類等から選択することができ、上記野菜としては、従来から用いられている白菜、大根、胡瓜、茄子、韮等を挙げることができ、果物としては、林檎、柿等等を、肉類としては、牛肉、豚肉、鶏肉等を用いることができる。上記キムチのタレは、市販されているキムチの素を利用して製作すれば簡単であるが、好みのキムチのタレを製作してもよく、キムチのタレの材料としては、例えば、野菜類として、唐辛子、生韮、ネギ、鷹の爪、ニンニク、生姜、セリ、果物としては、林檎、柿等を用い、海産物として、スルメ、辛子明太子、塩辛、イワシエキス等、好みのものを選択して使用し、調味料としては、砂糖、化学調味料等を挙げることができ、これらを適宜選択して混ぜ合わせることにより製作する技術が開示されている。
特開2003−23959号公報(特許文献2)には、野菜または果物などのキムチ材料に塩を含めた添加物を添加,熟成させる方法において,添加物は漬けキムチ材料100重量%に対して塩6から10重量%,玄米20から40重量%,唐辛子の種80から100重量%を混合する。このように通常の果物や野菜から選択された漬けキムチ材料に添加物を加えるとき,本発明においては,添加物として通常漬物に使える塩の他に,玄米と唐辛子の種を添加することに特徴がある。即ち,本発明で使われる添加物は,漬けキムチ材料100重量%に対して塩6から10重量%,米糠20から40重量%,唐辛子の種80から100重量%を混合したものである。米糠は一般的に玄米の糠のことで,玄米を精米し白米製造時に大量に得られるものであり,蛋白質,脂肪,ビタミンB,ミネラル,繊維素などの各種栄養素が含まれている。このように栄養豊富な米糠をキムチ漬けに利用すると,漬けキムチの足りない栄養を補うと同時に,米糠に含まれているトコぺロルによって漬けキムチの長期保存時変色と酸化を防ぐ事ができ,キムチがもろくなることも防止できるのである。従って,漬けキムチの長期保存時にも歯ごたえがよいというメリットがあるという技術が開示されている。
特開平7−222552号公報(特許文献3)には、食品素材として、魚貝類、食肉類を用いても、味が変質したり、風味が極度に低下したり、品質が劣化したりしないキムチを提供するために、唐辛子と各種調味料を基本ベースとし、これを食品素材と混合してキムチを製造するにあたり、少なくともキムチ液の基本ベースに含まれる化学調味料を、天然調味料で置き換えると共に、魚貝類、海藻類から発酵方法によって抽出したエキスを添加して調味液をつくり、これを、野菜、魚貝類、食肉類から選択される1種もしくは2種以上の食品素材と混合し、その所定量を袋や容器内に収納して密封したのち、80℃〜130℃の温度で加熱殺菌処理する方法、及びこの方法で製造されたキムチの技術が開示されている。
特開平10−4872号公報(特許文献4)には、塩を使用することなしに、食感にすぐれ且つ日持ちする漬物を製造する方法。野菜を半生ボイルした後、キムチの素と混ぜ、袋に詰めて真空パックにし、殺菌処理する。野菜を半生状態とするためのボイル温度および時間は野菜によって異なるが、概ね80〜100℃で1〜5分間ボイルすることにより野菜を半生状態とする技術が開示されている。
特開2003−18955号公報(特許文献5)には、グルタチオンを生産する能力を有する酵母菌、該酵母菌をラクトバチルス属乳酸菌またはラクトコッカス属乳酸菌の少なくとも1種の生育が可能な発酵環境下で、変異誘起剤を用いることなく継代培養を行うことによって得られる変異酵母菌、該変異酵母菌を発酵食物に添加したことを特徴とする健康食品。
発酵食物が、キムチであることを特徴とする健康食品。 酵母菌が、サッカロミセス属(Saccharomyces)に属する酵母菌であることを特徴とする健康食品が開示されている。
特開平7−213225号公報(特許文献6)には、純韓国産唐辛子とにんにくと生姜とアミ塩辛とりんごをすり潰し、これに煮干し、昆布、かつお節のだし汁を加え、更に天然塩とさんおん糖とを添加して濃縮液状に攪拌形成した後常温下で約7日間発酵させて熟成することを特徴とする自然食品キムチの素が開示されている。これは、純韓国産唐辛子20g〜50g、(国産唐辛子でもよい)。にんにく50g〜80g、生姜小粒3〜5個、アミ塩辛100g〜300g、りんご中玉半個〜2.5個をよくすり潰し、これに煮干し、昆布、かつお節のだし汁200mL〜400mLと塩田製の天然塩と精製しないさんおん糖を適量加えてよく攪拌し、どろどろの液状にした後かめ、プラスチック又は硝子容器に充填し蓋をして常温下で発酵させれば約1週間で熟成し、キムチの素として使用できる。使用後は冷蔵庫に保存する。保存期間は約10日である。使用の際は塩漬、又は一夜漬した白菜にまぶせば白菜のキムチ漬ができるというものである。
特開平7−107901号公報(特許文献7)には、キムチの素地が、粉又は/及び細片の乾燥とうがらし約10乃至50重量部、粉砕生にんにく約30乃至150重量部、さらに果粒状合成ダシ約10乃至30重量部を水100重量部乃至150重量部に溶かしたダシ汁50乃至180重量部及び/又は魚貝類の混合塩辛約10乃至50重量部、調味料及び/又は細片野菜1乃至50重量部を混加して成るカンピョウキムチの製法が開示されている。乾燥とうがらしを粉砕して粉とうがらし30gを得る。また、果粒状合成ダシ20gをコップ一杯の水(150g)に溶かす。さらに、生にんにく100gを前記の合成ダシ汁30gを加えてミキサ−で砕いてドロドロ状態にする。上記加工した粉とうがらし、生にんにく及び合成ダシ汁を充分攪拌混合してキムチの素地を作るというものである。
特開2002−101816号公報(特許文献8)には、乳酸菌が、キムチ又はキムチの原料の野菜から採取され、キムチ成分を含む乳酸菌分離用培地で培養又は継代、選択された菌株であり、24から72時間液体培養した後に培養液1mlあたり0.005ユニット以上のグルタミン脱炭酸酵素活性を示すことを特徴とする、キムチの製造方法が開示されている。通常、キムチに含まれる乳酸菌としては、Lactobacillus
brevisLactobacillus plantarumLactococcus LactisLeuconostoc
mesenteroidesLeuconostoc dextranicumEnterococcus casseliflavusStreptococcus
thermophilus等が一般的に認められている。これらの乳酸菌 は原料の野菜由来であることから、生産毎に菌種が安定せず、また脱炭酸酵素活性も低いため、グルタミン酸からγ−アミノ酪酸への変換効率は極めて低いことが多い。従って、天然由来のグルタミン酸と活性乳酸菌叢による最適発酵システムを確立することにより、γ−アミノ酪酸を多量に含有したキムチを製造する方法を提供するものである。
特許第3091196号公報(特許文献9)には、野菜を原料とする漬物を製造する方法であって、漬物原料である洗浄された野菜に、漬物用スターターとしての乳酸菌としてラクトバチルス・サケHS1(Lactobacillus sakeHS1:FERM P−17617)を添加して発酵させることを特徴とする乳酸菌を用いた漬物の製造方法。洗浄した生あるいは下漬けした野菜に、前記のようにして培養、分離したラクトバチルス・サケHS1を10〜10CFU/mlになるように添加し、10〜15℃で2日〜15日間保持すると、添加した乳酸菌が急速に増殖し、乳酸を生成する。漬液のpHが4前後になると発酵が止まり、野菜の乳酸含量は多くとも0.4〜0.5%以内にとどまる。発酵野菜はこのまま、或いは低温下で貯蔵し、アミノ酸系調味料やソルビトールなどの甘味料で調味して製品化する。ことが開示されている。
特開2004−242586号公報(特許文献10)には、(1)根菜類及び肉・魚介類をそれぞれ調理する工程と、(2)前記工程(1)で調理したものを混合する工程と、(3)動植物油脂類、乾物類、ジュース類、スープ類及び野菜・豆類に調味料を加えて、それらを煮込む工程と、(4)前記工程(2)で混合したものと前記工程(3)で煮込んだものとを一緒にして攪拌する工程と、(5)前記工程(4)で攪拌したものを袋又は容器に入れる工程と、を有し、前記根菜類、肉・魚介類、動植物油脂類、乾物類、ジュース類、スープ類及び野菜・豆類は、合計して異なる8種類以上の食材を含んでいることを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。前記工程(5)の袋又は容器を密封して殺菌する工程を有することを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。前記根菜類は、ゴボウ類、大根類、ハス類、人参類、ゆで竹の子、ウリ類、切り干し大根、クワイ、カンピョウ、コンニャク類、シラタキ類、いも類、カボチャ類、かぶ類、ニンニク、ショーガ、高レイ人参、ウコン、ラキョ、山芋類、とうもろこし、甘草の根、ワサビ、玉ねぎ類、ワサビ大根、キクイモの全部又は一部を含み、前記肉・魚介類は、鶏肉及び若鶏肉類として胸、ささみ、もも、ももぶっ切り、ぶっ切り、手羽元、手羽、赤身、スペアリプ、皮、挽肉、臓器肉類として砂肝、レバー、ハツ、牛肉類としてロース、カルビ、バラカルビ、肩、肩バラ、小間切、テール、すじ、すね、挽肉、赤身、もも、そともも、ハラミ、臓器肉類として舌、レバー、ミノ、ホルモン、ハチのス、ギャラ、千枚、牛豚肉類として合挽、豚肉類としてロース、三枚肉、ヒレ、もも、肩、小間切、挽肉、かしら、赤身、足、耳、スペアリプ、臓器肉類として舌、マメ、ハツ、モツ、レバー、ガツ、子袋、羊肉及び子羊肉類としてマトン、ラム、肉製品としてハム、ベーコン、ソーセージ、肉・魚製品としてソーセージ類、魚製品として、ソーセージ類、オデン種類、カマボコ類、貝類として貝柱、ホタテ、かき、あさり、シジミ、はまぐり、いたや貝、アワビ、トコブシ、さざえ、赤貝、ウニ、魚介類として白赤身類、かわはぎ、サンマ、サバ、アジ、ムツ、ブリ、はまち、とびうお、いさき、さわら、かれい、金目だい、すすき、たい、たちうお、ニシン、身欠ニシン、シシャモ、キビナゴ、カツオ、なまがつお、イワシ、まいわし、うるめイワシ、タラ、銀ダラ、真タラ、シャケ、白シャケ、あんこう、かじき、黒かじき、むろあじ、まぐろ、マグロの脂身、びんながまぐろ、本まぐろトロ、きちじ、あら、白子類、ひらめ、いか、たこ類、えび、芝えび、大正えび、ほたるいか、イクラ、スジコ、たらこ、なまこ、しゃこ、ウナギ、やつめうなぎ、コイ、どじょう、カワサギ、あゆ、わかさぎ、にじます、カニ類、ふかひれ、ちりめんじゃこ、いりこ、ハンペン、シラス、干えび、田作り類、玉子類の全部又は一部を含み、前記動植物油脂類は、豚脂ラード、牛脂ヘット、鶏脂、バター脂肪、マーガリン、オリープ油、サフラワー油、ひまわり油、大豆油、菜種油、とうもろこし油、落花生油、米ぬか油、バーム油、ごま油、綿実油、マガデミアナッツオイル、クッキングオイル、アボガド油、米油の全部又は一部を含み、前記乾物類は、干しシイタケ類、アガリスクだけ、干ワラビ、菊のり、わかめ、きくらげ類、昆布類、唐辛子、のり類、しらす干類、かつを節、寒天、ひじき類の全部又は一部を含み、前記ジュース類は、大根類、人参類、瓜類、ショウガ類、キャベツ類、リンゴ類、レモン、パイナップル、ぶどう類、梨類、いちご類、アボガド、柿類、キウリフルーツ、スイカ、バナナ、びわ、ベリー類、ブルーン、キンカン、みかん類、夏みかん、桃梅、ツルユケモモ、ユーカリ、ヒシ、ゲンノショウコ、ピート、あんず、さくらんぼ、マンゴー、パパイヤ、ガアバ、アセロラ、チェリー、グレープフルーツ類、オレンジ類、メロン類、もも類、モロヘイヤー、プロゼロニン、ガルシニアカンボジア、ビート、クレソンの全部又は一部を含み、前記スープ類は、とり一羽又はとりガラ、とりの足、豚の足、牛の足、混合削ぶし、かつお節、出しこぶ、煮干の全部又は一部を含み、前記野菜・豆類は、ホーレン草類、小松菜、春菊、ブロッコリー、カリフラワー、金針菜、ピーマン類、トマト類、インゲン、絹さや、白菜、キャベツ類、高菜、玉ねぎ類、ネギ類、シャレット、セロリ、もやし類、ナス類、アスパラ類、三葉、根菜の葉類、クワイ、ヨモギ、瓜類、ショウガ、セリ、青梗菜、ニラ、しし唐辛子、しそ類、あしたば、オクラ、つるむらさき、おかひじき、レタス類、マッシュルーム類、きのこ類、ふきのとう、タラの芽、なめこ、モロヘイヤ、アセロラ、グアバ、パセリ類、ビート、パプリカ類、ゼンマイ、かぶ類、唐辛子、ふき、干柿、菜の花、グリンピース、そらまめ、枝豆類、山くらげ、カイワレの全部又は一部を含み、前記調味料は、シジミ、アサリ、ハマグリ、かき、ホタテ、干貝柱類、貝柱パスダー、缶詰各種類、こぶ粉末、シジミ粉末,干シラス類、煮干粉末、干エビ類、黒大豆粉末、あぶら揚、納豆類、豆腐類、オカラ、麩、梅干、ザーサイ、小麦胚芽、ミール類、きな粉、小麦ぬか、小麦ふすま、のり類、カニ・えびの殻、甲羅粉末、木の実類としてアーモンド、クルミ、チソの実、ギンナン、松の実、カボチャの実、ナッツ類、ごま類、そばの種、スイートコーン、ナツメ、酢類としてリンゴ、ギムネマ、シルベスタ、果実の皮類として、みかんの皮、リンゴの皮、レモンの皮、ぶどうの皮、卵類、牛乳類、やぎ乳、乳製品、脱脂粉乳、ヨーグルト、乳酸菌、スキムミルク、チーズ類、和洋酒類、味噌類、醤油類、パセリ類、ペッパ類、パプリカ類、マスタード類、ワサビ類、ゆず類、みりん類、ホップ、麹、酒かす、お茶類、ハーブ類、スパイス類、塩類、コショウ類、からし類、さんしょう類、葉物茎物類、粉類として強力粉、小麦粉、パン粉、上新粉、片栗粉、白玉粉、漬物類、ぬかみそ類、のり類、干いか類、オオスズメバチ巣、深海ザメエキス、かつを油漬、ゼラチン、伊勢エビ、砂糖類、ハチミツ類の全部又は一部を含む、ことを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。前記工程(1)で、さらに穀類を根菜に入れることを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。前記工程(5)で、さらに調理した穀類を袋又は容器に入れることを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。前記穀類は、米類又は麺類を含むことを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。前記工程(5)で、さらに調理した固形の野菜類、根菜類、卵類、肉・魚介類の全部又は一部を袋又は容器に入れることを特徴とする加工食品、加工食品の副合製品又はジュース類の製造方法。が開示されている。
特開2004−121140号公報(特許文献11)には、浅漬において、下漬の段階で生成する野菜の抽出液を利用した漬物用発酵液を提供すること、さらに添加物の使用をできるだけ少なくした浅漬を製造可能な漬物用発酵液およびそれを使用した味のよい浅漬を提供すること。野菜を塩漬けして得られる野菜の抽出液に乳酸菌を加えて乳酸発酵させた後、乳酸菌を除去して得られる漬物用発酵液、および野菜又は塩漬けした野菜を前記の発酵液で使用してなる調味液で処理することを特徴とする漬物の製造法。本発明の発酵液を用いた浅漬の調味液は、従来の調味液と比較して化学調味料を50%以上、合成酸味料をほぼ100%減ずることができる。しかも、得られる浅漬には野菜にもともと含まれるアミノ酸やミネラル等の栄養分を豊富に含み、かつ味もよい。また、従来必要であった野菜エキスの廃棄物処理設備も不要である。ことが開示されている。
特開2003−259801号公報(特許文献12)には、野菜及び魚や肉類(動物性タンパク質)の双方に使用することができ、野菜を元の色彩を残した色の鮮やかな漬物とすることができ、1か月使用した後においても臭気を発生することなく、長期間密閉度の高い室内において漬物を漬けることができる。また魚や肉類へは漬物床を短時間塗布することで、その臭みや強い癖が抜け、焼き物とするとまろやかな味の焼き魚や焼き肉となる。大豆粕をヘテロ発酵型乳酸菌のラクトバチルスファーメンタムとホモ発酵型乳酸菌のラクトバチルスプランタルムとペディオコッカスペントサセウスの3種類の乳酸菌で乳酸熟成させて構成される。大豆粕は、豆腐、豆乳の副産物であるおからを含むことを特徴とする漬物床。腐敗防止材は、天然塩または醸造酢であることを特徴とする漬物床。大豆粕に腐敗防止材を加えて撹拌する工程と、大豆粕にヘテロ発酵型乳酸菌のラクトバチルスファーメンタムとホモ発酵型乳酸菌のラクトバチルスプランタルムとペディオコッカスペントサセウスを含む乳酸菌水溶液を加える工程と、乳酸菌を加えた大豆粕を撹拌する工程と、乳酸菌を加えた大豆粕を乳酸発酵する工程と、乳酸発酵した大豆粕を袋に詰める工程と、乳酸発酵した大豆粕をさらに乳酸発酵させて熟成させる工程と、熟成させた大豆粕を熱処理して減菌する工程とを有することを特徴とする漬物床の製造方法。大豆粕は、豆腐、豆乳の副産物であるおからを含むことを特徴とする漬物床の製造方法。腐敗防止材は、天然塩または醸造酢であることを特徴とする漬物床の製造方法。について開示されている。
特開2003−245062号公報(特許文献13)には、バクテリオシンを産生する乳酸菌及びグルタチオンを産生する酵母菌、該酵母菌及び前記乳酸菌をラクトバチルス属乳酸菌またはラクトコッカス属乳酸菌の少なくとも1種の生育が可能な発酵環境下で、それぞれ継代培養する事によって得られる耐性乳酸菌及び耐性酵母菌、該耐性乳酸菌及び耐性酵母菌を発酵食物に添加した事を特徴とする健康食品の保存剤。バクテリオシンを産生する乳酸菌及びグルタチオンを産生する酵母菌、該酵母菌及び前記乳酸菌をラクトバチルス属乳酸菌またはラクトコッカス属乳酸菌の少なくとも1種の生育が可能な発酵環境下で、それぞれ継代培養する事によって得られる耐性乳酸菌及び耐性酵母菌、該耐性乳酸菌及び耐性酵母菌と、リゾチームもしくはリゾチーム及び炭酸カルシウムとを発酵食物に添加した事を特徴とする健康食品の保存剤。発酵食物が、キムチ、もしくはたくあん漬、糠漬、すぐき漬などの日本を代表する漬物、もしくはサワークラフト、ピクルスなどの西洋の漬物である事を特長とする健康食品の保存剤。乳酸菌が、ラクトバチルス属(Lactobucillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ルコノストク属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)から成る群より選ばれる1種または2種以上である事を特徴とする健康食品の保存剤。酵母菌が、サッカロミセス属(Saccharomyces)である事を特徴とする健康食品の保存剤。について開示されている。
特開2003−47398号公報(特許文献14)には、豆腐、豆乳等の製造に際して副次的に生産される“おから”や大豆滓に、醸造酢、オレンジ汁及び乳酸菌とを含有する菌水、天然塩、昆布及び唐辛子を添加後所要時間攪拌して混合物を得る工程と;該混合物を所要内袋に袋詰めして脱気する工程と;該内袋内の該混合物を所要時間乳酸醗酵して熟成させる工程と;該内袋内の該熟成混合物を所要温度で所要時間煮沸して滅菌する工程と;該滅菌混合物を自然冷却させる工程と;予め粉体乳酸菌を内蔵する小袋を入れた所要外袋内に、該滅菌混合物を有する該内袋を入れてシールする工程と;から成る乳酸菌により熟成させる漬物床の製造法。“おから”50kg.に、醸造酢、オレンジ汁及び乳酸菌とを含有する菌水80リットルと、天然塩3kg.乳酸菌水(ラクトバチルス
ファーメンタムLactobacillus fermentum)13リットル、昆布50g.及び唐辛子30g.とを添加後30分間攪拌して1kg.の混合物を得る工程と;該混合物を所要内袋に袋詰後1分30秒間脱気し、その真空度を720mg/Hg.とする工程と;該内袋内の該混合物を10℃〜15℃の低温で1週間乳酸醗酵させて熟成させる工程と;該熟成混合物を85℃で30分煮沸して滅菌する工程と;該滅菌混合物を自然冷却させる工程と;予め1g.の粉体乳酸菌(ラクトバチルス
ファーメンタムLactobacillusfermentum)を内蔵する小袋を入れた所要外袋内に、該内袋を入れ、シールする工程と;から成る乳酸菌により熟成させる漬物床の製造法。“おから”に、醸造酢、オレンジ汁及び乳酸菌とを含有する菌水、天然塩、昆布及び唐辛子を添加後所要時間攪拌して混合物を所要内袋に袋詰めして脱気し、該内袋を所要時間乳酸醗酵させて熟成させ、該熟成混合物を所要温度で所要時間煮沸して滅菌し、該滅菌混合物を自然冷却させ、予め粉体乳酸菌を内蔵する小袋を入れた所要外袋内に、該滅菌混合物を有する該内袋を入れ、シールして成る漬物床。について開示されている。
特開2003−18955号公報(特許文献15)には、グルタチオンを生産する能力を有する酵母菌、該酵母菌をラクトバチルス属乳酸菌またはラクトコッカス属乳酸菌の少なくとも1種の生育が可能な発酵環境下で、変異誘起剤を用いることなく継代培養を行うことによって得られる変異酵母菌、該変異酵母菌を発酵食物に添加したことを特徴とする健康食品。発酵食物が、キムチであることを特徴とする健康食品。発酵食物が、たくあん漬、ぬか漬、すぐき漬などの日本を代表する漬物であることを特徴とする健康食品。発酵食物が、サワ−クラウト、ピクルスなどの西洋の漬物であることを特徴とする健康食品。酵母菌が、サッカロミセス属(Saccharomyces)に属する酵母菌であることを特徴とする健康食品。酵母菌が、キャンディダ属(Candida)、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、ロ−ドトルラ属(Rhodotorula)、トルロプシス属(Torulopsis)、ハンセヌラ属(Hansenula)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、ピシア属(Pichia)、クルベロマイセス属(Kluyveromyces)、ファフィア属(Phaffia)からなる群より選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする健康食品。について開示されている。
特開2001−231442号公報(特許文献16)には、有胞子性乳酸菌、発酵性材料を含有する漬物組成物であって、該発酵性材料1000gに対して、食塩を50〜260gの範囲で含有せしめたことを特徴とする漬物組成物。
更に、食塩以外の発酵性調味料を含む調味材料を含有する漬物組成物。更に、調味材料の浸透剤を含有する漬物組成物。有胞子性乳酸菌、発酵性材料を含有する漬物組成物であって、該漬物組成物中に水分を15質量%以下、アルコール分を0.1〜8質量%の範囲で含有させ、かつ水分とアルコール分の含有比率を1/1〜15/1の範囲に調整することを特徴とする漬物組成物保存時における有胞子性乳酸菌の安定化法。漬物組成物の使用において、該漬物組成物中に水分とアルコール分とを含有させ、使用時に該漬物組成物中の水分とアルコール分の含有比率を15/1〜500/1の範囲に調整することを特徴とする漬物組成物の使用方法。について開示されている。
特開2001−95477号公報(特許文献17)には、おからと米糠と食塩と水とが混合され、乳酸菌と麹菌とが添加されて発酵熟成されてなる漬物床。漬物床において、おからと米糠との重量配合比率が10対3であることを特徴とする漬物床。おからと米糠と食塩と水とを撹拌混合した混合物を半分ずつに分配し、一方の半部に乳酸菌を添加し他方の半部に麹菌を添加してそれぞれ別個に発酵熟成させ、発酵熟成の後に両半部を撹拌混合する漬物床の製造方法。漬物床の製造方法において、おからは製造後に直ちに冷却されることを特徴とする漬物床の製造方法。漬物床の製造方法において、米糠は食塩と水との撹拌混合の後におからとの撹拌混合に先行して加熱殺菌処理されることを特徴とする漬物床の製造方法。について開示されている。
特開2000−342169号公報(特許文献18)には、少なくとも乳酸菌及び/又は酵母を含有し、かつ水分含量が15重量%以下に調整された発酵材料をシート体に付着又は充填させたことを特徴する漬物シート。
発酵材料が−50℃から+5℃の低温条件下で、真空乾燥した後の水分含有量が15重量%以下となるように調製された発酵材料である漬物シート。
発酵材料が食用バインダーによりシート体上に付着又は充填されてなる請求項漬物シート。発酵材料がシート体に設けた溝部に付着又は充填されてなる漬物シート。について開示されている。
特開2000−159788号公報(特許文献19)には、トレハロース含有組成物が、食品、医薬品、化粧品、工業化学品、疲労回復剤、強壮・強精剤、育毛剤、保存料、呈味料、乳化剤、着料、着色料、増量剤、安定化剤、賦形剤、担体、呈味改良剤、品質改良剤、防腐剤、脱水剤、ボディー賦与剤、照り賦与剤、粘性賦与剤、保水性賦与剤、食用乾燥剤、微生物汚染防止剤、澱粉老化防止剤、又は加水分解・酸敗・褐変又は褐変反応による変質・劣化防止剤であることを特徴とするトレハロース含有組成物。食品が、農水畜産品、プレミックス粉、調味料、複合調味料、甘味料、香辛料、エキス類、保存料、乳化剤、香料、着色料、酒類、麺類、嗜好飲料、清涼飲料水、和菓子、洋菓子、氷菓、シロップ類、ペースト類、果実・野菜の加工食品類、瓶詰類又は缶詰類、漬物類、又は、漬物の素類である請求項15記載のトレハロース含有組成物。について開示されている。
特開平11−75788号公報(特許文献20)には、(1)野菜と食塩とを混合する工程;
(2)野菜を加圧することなく嫌気条件を維持しつつ、該野菜を発酵させる工程;を含む方法で得られた、漬物。について開示されている。
特開平8−289724号公報(特許文献21)には、おからに水、食塩及び乳酸菌を添加配合したことを特徴とする漬物床用組成物。更に酒精及び醗酵有機酸を添加配合したことを特徴とする漬物床用組成物。
更に糖類及び増粘剤を添加配合したことを特徴とする漬物床用組成物。について開示されている。
特開平6−113732号公報(特許文献22)には、食用植物原料の抽出物を含有してなる浅漬の素。具体的には、米糠に水または温水を加えて抽出操作を行なった後に濾過して得た米糠抽出物を含有してなる浅漬の素、米麹に水または温水を加えて糖化または/および粉砕した後に濾過して得た米麹抽出物を含有してなる浅漬の素、酒粕に水または温水を加えて抽出操作を行なった後に濾過して得た酒粕抽出物を含有してなる浅漬の素、果汁を含有してなる浅漬の素、野菜汁を含有してなる浅漬の素。脱水浸透剤として無機塩(塩化ナトリウムを除く)、有機酸塩、糖類およびアルコールから選ばれる化合物を含む浅漬の素。好ましい態様は、上記の抽出物が乳酸菌または/および漬物の発酵に関与する酵母によって発酵されたものである。上記の浅漬の素を用いて製造された漬物。について開示されている。
しかしながら、特開2004−113233号公報による技術では、原料に皮を剥がしたらっきょうを用いてキムチを形成したので、従来、漬物や煮物にしか利用されていないらっきょうをキムチに適した新たな食材として使用することにより、味覚や食感が今までにない斬新なキムチとなり、しかも、美味しくて健康食品としての効果も兼ね備えているので、らっきょう及びキムチの消費拡大に大きく貢献することができるというものではあるが、らっきょうと、副原料の野菜や果物、および調味料と組み合わせても、なかなか上品な味は出てこない。
特開2003−23959号公報による技術では、果物および野菜類などを利用して漬けキムチを製造時,米糠と唐辛子を添加することで,熟成過程におけて発生する果物および野菜類の酸化による変色およびもろくなることの欠点を補い,長期保存しても歯ごたえが良く,甘辛い味がする漬けキムチの製造方法を提供する有用な発明であるものの、米糠を使用するので、好みにもよるが、味の品が低下する。
また、特開平7−222552号公報による技術では、によれば、加熱殺菌処理が可能となったので、キムチの食品素材として幅広い各種の素材を用いることが出来る。従って、魚貝類、食肉類を用いた場合でも、変質や腐敗を防止出来ると共に、キムチ本来の味や風味を保持した品質のものをいつでも供給することが出来る。更にまた、本発明のキムチは、口の中に入れると、トロリと直ぐ溶けるような味わいがあり、適度の辛味と風味とも相俟って、従来には無い、きわめて美味なるキムチが得られるというものであるが、魚貝類、食肉類を用いると味の品が低下する。
さらに、特開平10−4872号公報による技術では、野菜を半生ボイルした後、キムチの素と混ぜ、袋に詰めて真空パックにし、殺菌処理することを特徴とする野菜のキムチ漬の製造方法であり、これによれば、あらゆる野菜について、食塩を用いずに、食感にすぐれ且つ1ヶ月以上も日持ちする漬物を簡単に作ることができるのではあるが、やはり風味の品が低下したものになる。
特開2004−113233号公報 特開2003−23959号公報 特開平7−222552号公報 特開平10−4872号公報 特開2003−18955号公報 特開平7−213225号公報 特開平7−107901号公報 特開2002−101816号公報 特許第3091196号公報 特開2004−242586号公報 特開2004−121140号公報 特開2003−259801号公報 特開2003−245062号公報 特開2003−47398号公報 特開2003−18955号公報 特開2001−231442号公報 特開2001−95477号公報 特開2000−342169号公報 特開2000−159788号公報 特開平11−75788号公報 特開平8−289724号公報 特開平6−113732号公報
本発明は、漬物に、日本人好みの味であるフルーティな風味を付加して、味に奥行きを与えるとともに、健康に良い成分を強化し、乳酸菌を添加して発酵させ製造し、さわやかな酸味と保存性の良い健康漬物類を提供すること課題とするものである。
本発明者らは、さわやかな酸味を出すとともに、保存性を良くするために粉体乳酸菌を使用し、さらに、和風味の付与についは、果物(リンゴ、柿、パイナップル、キウイ、ナシ等)を加えることを着想した。
また、健康に対する効果を付与することについては、海産物(昆布、牡蠣、オキアミ)を加えることを着想した。
昆布に多く含まれるヨード分は甲状腺ホルモンを刺激し、新陳代謝を活発化させ柔らかい髪の毛や、すべすべしたお肌を保つことが知られている。
牡蠣(カキ)は、日本で「海の玄米」と呼ばれるほど、その栄養価が高いことで知られており、牡蠣(カキ)はグリコーゲンが多く、高たんぱくで、ミネラルも豊富である。
オキアミは私たちにとっても、リン脂質とオメガ3系脂肪酸と抗酸化物質を豊富に併せもつ非常に栄養価の高い食材である。
リン脂質とは、細胞膜を構成する主要成分の一つである。人の体を構成する約60兆個の細胞は一つひとつが、リン脂質を成分とする細胞膜で覆われている。細胞は血液中から酸素と栄養素を取り込む際に、細胞膜が不必要な異物も入らないようガードし、また細胞から作られた老廃物を外へ排出する役割を発揮する。EPAなどのオメガ3系脂肪酸も同様に強く丈夫な細胞膜の構成に欠かせない。それぞれを単独で摂取した時よりもリン脂質とオメガ3系脂肪酸を一緒に取る方が効果ははるかに高く発揮されるといわれている。
すなわち、本発明は、下記の構成要件を要旨とするものである。
(1)白菜および/または大根の基礎素材に、海産物と、キムチの素を併せて用い、乳酸菌を使用し、製造したことを特徴とする、キムチ。
(2)白菜および/または大根の基礎素材に、海産物と、キムチの素に、さらに果物を併せて用い、乳酸菌を使用し、製造したことを特徴とする、キムチ。
(3)海産物が、オキアミあるいは、昆布、牡蠣、オキアミを併せたものであることを特徴とする、キムチ。
(4)果物が、リンゴ、柿、パイナップル、キウイ、ナシのいずれか1種、または複数種を併せたものであることを特徴とする、キムチ。
(5)乳酸菌として、L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumのいずれか一種または複数種を使用することを特徴とする、キムチ。
(6)乳酸菌として、L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumのいずれか一種または複数種を使用して醗酵させたことを特徴とする漬物、
1.塩漬として、浅漬、らっきょう塩漬、つぼ漬、しょうが塩漬、梅干、梅漬、白菜漬、高菜漬、広島菜漬、野沢菜漬、すぐき漬、
2.糠漬として、たくあん漬、糠みそ漬、白菜糠漬、日野菜漬、
3.醤油漬として、福神漬、割干漬、しば漬、山菜しょうゆ漬、野沢菜漬、高菜漬、広島菜漬、松前漬、刻みしょうゆ漬、一本漬しょうゆ漬、しょうがしょう漬、
4.味噌漬として、山菜みそ漬、大根みそ漬、各種野菜菜みそ漬、
5.粕漬として、奈良漬、山海漬、わさび漬、守口漬、野菜わさび漬、しょうが粕漬、山菜粕漬、セロリー粕漬、各種野菜粕漬、
6.こうじ漬として、べったら漬、三五八漬、かぶらずし、にしん漬、各種野菜こうじ漬、
7.からし漬として、なすからし漬、ふきからし漬、山菜からし漬、しいたけからし漬、もろみ漬として、こなすもろみ漬、きゅうりもろみ漬。
乳酸菌を使用し、酸味をさわやかにし、キムチ風味に、日本人好みの味であるフルーティな風味を付加して、キムチの味に奥行きを与えるとともに、健康に良い成分を強化した、健康キムチ食品、その他漬物類を提供することができる。
白菜および/または大根の基礎素材に、海産物と、キムチの素に、さらに果物を併せて製造したことを特徴とする、キムチ。海産物が、オキ昆布、牡蠣、オキアミを併せたものであることを特徴とする、キムチ。果物が、リンゴ、柿、パイナップル、キウイ、ナシのいずれか1種または複数種であることを特徴とする、キムチ。これらのキムチにおいて、乳酸菌として、L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumのいずれか一種または複数種を使用するキムチ。白菜・大根:果物:海産物の重量比率は、3:1:0.2〜6:1:0.05であることが好ましい。
以下に、本発明によるキムチ食品の構成および効果を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[乳酸菌の作り方]
乳酸菌は、スプレードライヤーにより粉体乳酸菌とする。この際乳酸菌を培養した溶液の固形分が粉体となる。この場合、精製水(1000ml)に脱脂粉乳10%(100g)、グルコース(ブドウ糖)5%(50g)、酵母エキス0.2%(2g)(50g)を配合させた培養溶液内で乳酸菌を37℃〜42℃で3日間培養した後、該スプレードライヤーにより粉末化する。L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentum、について、粉体乳酸菌を調製した。
[キムチの素の作り方]
下記の配合は、実験的に少量規模で、以下に記述するところの、家庭消費1回分をめどとしたキムチの素を作る際の配合をしめしている。通常は、この相当倍量の配合量で、まとめて、キムチの素を作っておき、適宜、分取しキムチの製造に供する。また、キムチの素の配合は、多様であり、ほぼ下記の配合例に示すものであればよい。
[キムチの素の配合例]
唐辛子 40g
イワシ塩辛 40g
にんにく 25g
食用塩 10g
玉ねぎ 60g
しょうが 12g
昆布粉末 3g
砂糖 10g
グルタミン酸ソーダ 0.2g
上記の配合のものを、よく攪拌し、どろどろの液状にした後かめ、プラスチック容器に充填し蓋をして常温下(20℃〜25℃)で発酵させる。約1週間で熟成し、キムチの素として使用できる。キムチの製造用に、余った場合は、冷所(3℃〜10℃)に保存しておく。
[キムチ製造の配合/実施例1]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2000g
大根 400g
リンゴ 200g
柿 200g
パイナップル 200g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.fermentum使用)
水 適量
上記配合について、実施例1における、具体的なキムチの製造方法を記述すると下記のようになる。
1.白菜を割り、切り込みを入れる。
2.食用塩を適量の水に溶かし(海水より濃いほうがよい)、白菜の葉に塩を浸透させる。
3.5kg程度の重石をのせて、常温(20℃〜25℃)で24時間、さらに冷所(3℃〜10℃)で24時間寝かせる。
4.白菜の葉を重ね、20分程度静置して、余分な水分を落とす。
5.A(大根、リンゴ、柿、パイナップル等の副材料)の皮を適宜剥がして、細切する。
6.B(昆布、牡蠣、オキアミ)を予め、混合しておく。
7.白菜の葉に、A(大根、リンゴ、柿、パイナップル等の副材料)とB(昆布、牡蠣、オキアミ)を、丁寧にのせ、粉体乳酸菌をまぶしながら、白菜の葉を重ね合わせる。
8.プラスチック容器に入れ、常温(20℃〜25℃)で48時間、さらに冷所(3℃〜10℃)で2日以上、食するまでの期間、適宜寝かせる。
[キムチ製造の配合/実施例2]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2000g
大根 400g
リンゴ 200g
柿 200g
パイナップル 200g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.sake、L.fermentumを併用)
水 適量
[キムチ製造の配合/実施例3]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2000g
大根 400g
リンゴ 200g
柿 200g
パイナップル 200g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.mesenteroides、L.sake、L.fermentumを併用)
水 適量
[キムチ製造の配合/実施例4]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2000g
大根 400g
リンゴ 200g
柿 200g
パイナップル 200g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.mesenteroides、P.pentosaces、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumを併用)
水 適量
[キムチ製造の配合/実施例5]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2600g
大根 400g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.fermentum使用)
水 適量
[キムチ製造の配合/実施例6]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2060g
大根 400g
キウイ 200g
ナシ 200g
パイナップル 200g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.fermentum使用)
水 適量
[キムチ製造の配合/実施例7]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2660g
大根 400g
食用塩 30g
キムチの素 200g
粉体乳酸菌 3g(L.fermentum使用)
水 適量
[キムチ製造の配合/比較例1]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2000g
大根 400g
リンゴ 200g
柿 200g
パイナップル 200g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
水 適量
[キムチ製造の配合/比較例2]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2600g
大根 400g
昆布 20g
牡蠣 20g
オキアミ 20g
食用塩 30g
キムチの素 200g
水 適量
[キムチ製造の配合/比較例3]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2060g
大根 400g
キウイ 200g
ナシ 200g
パイナップル 200g
食用塩 30g
キムチの素 200g
水 適量
[キムチ製造の配合/比較例4]
下記の配合は、通常の家庭で、1回分程度量製造する場合を想定したものである。
白菜 2660g
大根 400g
食用塩 30g
キムチの素 200g
水 適量
実施例2〜実施例7、比較例1〜比較例4におけるキムチの製造法は、基本的には、実施例1と同様にした。
[官能評価結果]
実施例1〜7、および比較例1〜5について、保存の冷所から皿に取り出して、室温(20℃)で、8時間後の風味を5名のパネルにて、官能評価を行った。
評価は、3.酸味がさわやかで、和風味が生きており味に奥行きがある、2.酸味のさわやかさがややとぼしく、味わいの深さにやや欠ける、1.普通キムチという感じで、さほど奥行きのある味わいはなく、酸味にさわやかさもない、0.わるくはないが普通のキムチの感じ、の評点で行った。数字は5名の平均値を示す。
[表1]
官能評価点
実施例1 2.6
実施例2 2.6
実施例3 2.7
実施例4 2.8
実施例5 2.4
実施例6 2.4
実施例7 2.2
比較例1 1.9
比較例2 1.8
比較例3 1.6
比較例4 1.5
上記の表1より、白菜や大根のベースに、果物(リンゴ、柿、パイナップル、キウイ、ナジ等)と海産物(昆布、牡蠣、オキアミ)を加え、乳酸菌を添加して醗酵させることにより、さわやかな酸味であり、和風味が生きており味に奥行きがあるキムチ食品が提供できることがわかった。
なお、実施例から、厳格に確定することは困難であるが、白菜・大根:果物:海産物の重量比率は、3:1:0.2〜6:1:0.05、であることが好ましい。
漬物について、
○塩漬として、浅漬類、らっきょう塩漬、つぼ漬、しょうが塩漬、梅干、梅漬、白菜漬、高菜漬、広島菜漬、野沢菜漬、すぐき漬、
○糠漬として、たくあん漬、糠みそ漬、白菜糠漬、日野菜漬、
○醤油漬として、福神漬、割干漬、しば漬、山菜しょうゆ漬、野沢菜漬、高菜漬、広島菜漬、松前漬、刻みしょうゆ漬、一本漬しょうゆ漬、しょうがしょう漬、
○味噌漬として、山菜みそ漬、大根みそ漬、各種野菜菜みそ漬、
○粕漬として、奈良漬、山海漬、わさび漬、守口漬、野菜わさび漬、しょうが粕漬、山菜粕漬、セロリー粕漬、各種野菜粕漬、
○こうじ漬として、べったら漬、三五八漬、かぶらずし、にしん漬、各種野菜こうじ漬、○からし漬として、なすからし漬、ふきからし漬、山菜からし漬、しいたけからし漬、もろみ漬として、こなすもろみ漬、きゅうりもろみ漬、等があるが、
1.白菜漬、2.たくあん漬、3.しば漬、4.大根味噌漬、5.しょうが粕漬、6.べったら漬、7.なすからし漬について、乳酸菌粉体(L.mesenteroides)を原料1kg当り1g使用して、漬物を試作したが、美味なものとなった。
本発明により、キムチとしてはもちろん、果物やオキアミ等の海産物を組み合わせることにより、和食にも合い、健康的にも良い効果を期待できる、健康キムチ食品を提供でき、乳酸菌の使用により、使用しないものよりも、酸味がさわやかなものとなった。また、その他の漬物の製造にも、乳酸菌の使用技術が、応用できることがわかった。
















Claims (4)

  1. 白菜および/または大根の基礎素材に、海産物を併せて用い、乳酸菌を使用して、製造したことを特徴とする、キムチ。
  2. 白菜および/または大根の基礎素材に、海産物に加えるに、果物を併せて用い、乳酸菌を使用して、製造したことを特徴とする、キムチ。
  3. 乳酸菌として、L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumのいずれか一種または複数種を使用することを特徴とする、請求項1あるいは請求項2のいずれかに記載のキムチ。
  4. 乳酸菌として、L.mesenteroides、P.pentosaceus、L.plantarum、L.brevis、L.sake、L.lactis、L.fermentumのいずれか一種または複数種を用いて醗酵させたことを特徴とする、下記に記載する漬物、
    (1)塩漬として、浅漬、らっきょう塩漬、つぼ漬、しょうが塩漬、梅干、梅漬、白菜漬、高菜漬、広島菜漬、野沢菜漬、すぐき漬、
    (2)糠漬として、たくあん漬、糠みそ漬、白菜糠漬、日野菜漬、
    (3)醤油漬として、福神漬、割干漬、しば漬、山菜しょうゆ漬、野沢菜漬、高菜漬、広島菜漬、松前漬、刻みしょうゆ漬、一本漬しょうゆ漬、しょうがしょう漬、
    (4)味噌漬として、山菜みそ漬、大根みそ漬、各種野菜菜みそ漬、
    (5)粕漬として、奈良漬、山海漬、わさび漬、守口漬、野菜わさび漬、しょうが粕漬、山菜粕漬、セロリー粕漬、各種野菜粕漬、
    (6)こうじ漬として、べったら漬、三五八漬、かぶらずし、にしん漬、各種野菜こうじ漬、
    (7)からし漬として、なすからし漬、ふきからし漬、山菜からし漬、しいたけからし漬、もろみ漬として、こなすもろみ漬、きゅうりもろみ漬。






















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