JP2006218646A - 樹脂成形体の成形方法および成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビティの開口部の閉塞面に溶融樹脂を導出して接着する際に、その閉塞面が曲面部を有しても、成形型と被成形物との間に隙間が生じることなく、バラツキを防止できる成形体の成形方法および成形型を提供する。
【解決手段】開口部13aを有する所定形状のキャビティ13を持つ成形型10を用い、ノズルから連通口を介して溶融樹脂をキャビティに導入して、前記開口部を塞ぐように配置する被成形物2の閉塞面2aにその溶融樹脂を開口部から導出して一体化する際に、前記開口部を取り囲むように間隙防止部材15を配置し、その閉塞面と型側接触面14とが間隙防止部材を介して接触するように配置する工程と、閉塞面と型側接触面とが接触し、かつ密着して開口部を閉鎖した状態で溶融樹脂をキャビティに導入する工程と、その導入した溶融樹脂をその閉塞面上で冷却固化させて当該閉塞面に接着一体化する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】開口部13aを有する所定形状のキャビティ13を持つ成形型10を用い、ノズルから連通口を介して溶融樹脂をキャビティに導入して、前記開口部を塞ぐように配置する被成形物2の閉塞面2aにその溶融樹脂を開口部から導出して一体化する際に、前記開口部を取り囲むように間隙防止部材15を配置し、その閉塞面と型側接触面14とが間隙防止部材を介して接触するように配置する工程と、閉塞面と型側接触面とが接触し、かつ密着して開口部を閉鎖した状態で溶融樹脂をキャビティに導入する工程と、その導入した溶融樹脂をその閉塞面上で冷却固化させて当該閉塞面に接着一体化する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、樹脂成形体の成形方法および成形型に関する。
近年、例えば、車両用フロントガラスを車両ボディ内面に支持および固定するために、キャビン内側とは反対側の面(ガラス外面)にポリプロピレン等を成形材料とする樹脂成形体を一体的に成形する技術が開発されている。このような射出成形装置に用いられる成形型には、ノズルとの連通口よりも下方に外部への開口部を有するキャビティが形成されている。そして、ノズルから連通口を介して溶融樹脂をキャビティに導入して樹脂成形体に射出成形するとともに、キャビティの開口部を下方から塞ぐように押圧および配置されるガラス(被成形物)の閉塞面にその溶融樹脂の一部を開口部から導出させて接着させるものである。
また、このような技術は、樹脂ボード、ケナフボード等で構成される車両用内装パネル材(被成形物)を車両ボディ内面に支持および固定するために、キャビン内側の意匠面とは反対側の面(パネル材裏面)に樹脂製のブラケット等の支持部材(樹脂成形体)を一体成形する場合等にも用いられる。
また、このような技術は、樹脂ボード、ケナフボード等で構成される車両用内装パネル材(被成形物)を車両ボディ内面に支持および固定するために、キャビン内側の意匠面とは反対側の面(パネル材裏面)に樹脂製のブラケット等の支持部材(樹脂成形体)を一体成形する場合等にも用いられる。
被成形物であるフロントガラスや内装パネル材に樹脂成形体を直接的に一体成形することができるので、接着剤等で貼り付ける場合等に比して作業時間の短縮を図ることができる。しかし、フロントガラスに微妙な曲がりが生じている場合や、内装パネル材の曲面部にその樹脂成形体を一体成形する場合に、内装パネル材においては樹脂ボード、ケナフボード等の一枚の板状物をプレス加工などで成形するため、その曲面部に微妙なバラツキが生じてしまう。曲面部にバラツキが生じてしまうため、成形型を被成形物に配置したときに、成形型と被成形物との間に隙間が生じる。隙間が生じた状態で射出すると、その隙間よりバリなどが発生し、成形した樹脂成形体にバラツキが生じてしまい、しっかりした製品形状のものが成型できないおそれがある。また、その隙間をなくすために成形型を調整しても、被成形物の形状バラツキ(曲面部の微妙なバラツキ)のほうが大きく成形型の調整だけでは隙間を吸収することができない。さらに、その成形型の調整にも手間がかかってしまう。
本発明の課題は、キャビティの開口部を下方から塞ぐように押圧および配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂の一部を開口部から導出させて接着させるときに、その閉塞面が曲面部を有した場合でも、成形型と被成形物との間に隙間が生じることがなく樹脂成形体のバラツキを防止することのできる樹脂成形体の成形方法および成形型を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の樹脂成形体の成形方法は、
ノズルとの連通口の他に外部への開口部を有する所定形状のキャビティが形成される成形型を用い、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入して樹脂成形体に成形するとともに、前記キャビティの開口部を塞ぐように配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂を前記開口部から導出させて被成形物と一体化する樹脂成形体の成形方法であって、
その成形型には、被成形物の閉塞面と対向する前記開口部を取り囲むように間隙防止部材を配置し、
前記被成形物の閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を配置したときに、その閉塞面と型側接触面とが前記間隙防止部材を介して接触するように配置される型配置工程と、
前記閉塞面と前記型側接触面とが接触し、かつ前記間隙防止部材が閉塞面に密着し開口部を閉鎖した状態のまま、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入される樹脂導入工程と、
その導入させた溶融樹脂をその閉塞面上で冷却および固化させて当該閉塞面に接着および一体化する樹脂接着工程と、
を含むことを特徴とする。
ノズルとの連通口の他に外部への開口部を有する所定形状のキャビティが形成される成形型を用い、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入して樹脂成形体に成形するとともに、前記キャビティの開口部を塞ぐように配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂を前記開口部から導出させて被成形物と一体化する樹脂成形体の成形方法であって、
その成形型には、被成形物の閉塞面と対向する前記開口部を取り囲むように間隙防止部材を配置し、
前記被成形物の閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を配置したときに、その閉塞面と型側接触面とが前記間隙防止部材を介して接触するように配置される型配置工程と、
前記閉塞面と前記型側接触面とが接触し、かつ前記間隙防止部材が閉塞面に密着し開口部を閉鎖した状態のまま、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入される樹脂導入工程と、
その導入させた溶融樹脂をその閉塞面上で冷却および固化させて当該閉塞面に接着および一体化する樹脂接着工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明の成形型は、
ノズルとの連通口の他に外部への開口部を有する所定形状のキャビティが形成され、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入して樹脂成形体に成形するとともに、前記キャビティの開口部を塞ぐように配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂を前記開口部から導出させて被成形物と一体化する樹脂成形体を成形する成形型であって、
その成形型の被成形物の閉塞面と対向する前記開口部を取り囲むように間隙防止部材を配置し、
前記被成形物の閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を配置したとき、その閉塞面と型側接触面とが前記間隙防止部材を介して接触しており、前記ノズルから前記連通口を介して前記キャビティに導入させた溶融樹脂を、その閉塞面上で冷却および固化させてその溶融樹脂と当該閉塞面とを一体成形することを特徴とする。
ノズルとの連通口の他に外部への開口部を有する所定形状のキャビティが形成され、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入して樹脂成形体に成形するとともに、前記キャビティの開口部を塞ぐように配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂を前記開口部から導出させて被成形物と一体化する樹脂成形体を成形する成形型であって、
その成形型の被成形物の閉塞面と対向する前記開口部を取り囲むように間隙防止部材を配置し、
前記被成形物の閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を配置したとき、その閉塞面と型側接触面とが前記間隙防止部材を介して接触しており、前記ノズルから前記連通口を介して前記キャビティに導入させた溶融樹脂を、その閉塞面上で冷却および固化させてその溶融樹脂と当該閉塞面とを一体成形することを特徴とする。
かかる本発明によれば、型配置工程において成形型の被成形物の閉塞面と接触する面に間隙防止部材が備えられ、キャビティ開口部を取り囲む位置に配置されているため、被成形物の閉塞面に成形型を配置した際に隙間を生じることなく配置することができる。また、隙間が生じることがないので、キャビティに溶融樹脂を射出したときにバリの発生を防止することができる。
本発明の樹脂成形体の成形方法および成形型は、
前記間隙防止部材は、前記キャビティの開口縁に沿って配置することもできる。また、前記型配置工程において、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って前記キャビティの開口部と同一面を形成することもできる。さらに、前記間隙防止部材は、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って弾性変形することにより、前記キャビティの開口部と同一面を形成することもできる。
前記間隙防止部材は、前記キャビティの開口縁に沿って配置することもできる。また、前記型配置工程において、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って前記キャビティの開口部と同一面を形成することもできる。さらに、前記間隙防止部材は、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って弾性変形することにより、前記キャビティの開口部と同一面を形成することもできる。
これにより、間隙防止部材が成形型と被成形物とが押圧したときに開口部と同一面を形成するので、樹脂成形体をしっかりした製品形状とすることができ、見栄えもよい樹脂成形体を成形することができる。また、間隙防止部材が弾性を有するため押圧が小さくともその間隙防止部材が成形型と被成形物との間に介在して隙間が生じることなく密着することができる。また、逆に押圧が大きくとも弾性変形することにより押圧する力を吸収し、被成形物が割れたり表面等に著しい損傷が残る危険もない
本発明の樹脂成形体の成形方法および成形型は、
前記被成形物は、樹脂、ケナフ等の非金属性有機質材料から構成され、かつ前記閉塞面が少なくとも一部に連続的に変化する平面部又は曲面部を有し、その平面部又は曲面部の前記閉塞面に前記樹脂成形体が接着することができる。したがって、例えば車両用内装パネル材を被成形物として実施した場合に、その任意の場所に取付位置を設定することができる。
前記被成形物は、樹脂、ケナフ等の非金属性有機質材料から構成され、かつ前記閉塞面が少なくとも一部に連続的に変化する平面部又は曲面部を有し、その平面部又は曲面部の前記閉塞面に前記樹脂成形体が接着することができる。したがって、例えば車両用内装パネル材を被成形物として実施した場合に、その任意の場所に取付位置を設定することができる。
次に、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明の成形方法を実施するための射出成形装置の一例を示す正面図である。この射出成形装置100は、本発明品である射出成形用金型10(成形型;以下、単に金型という)を用いて後述する車両用内装材ユニット1(図8参照)等を製造するものである。金型10は、固定型11(第一分割型)および可動型12(第二分割型)からなる一対の分割型を備えて構成され、可動型12を固定型11側に移動するとキャビティ13が形成される。溶融した合成樹脂成形材料(例えばポリプロピレン)がスクリュ(図示せず)等を有する射出装置20によりキャビティ13内へ射出される。キャビティ13は、このような射出装置20の先端ノズル21と連通する連通口13bと、それよりも下方に形成された外部への開口部13aとを有する。金型10の下方には、上面2a(閉塞面)で開口部13aを塞ぐように車両用内装パネル材2(被成形物)が配置される。
射出成形装置100には、金型10および射出装置20の他に、可動型12を略水平方向に移動させる金型移動機構30と、車両用内装パネル材2を上方へ移動させ、その上面2aを開口部13aに押圧(接触)保持する内装パネル材移動機構40(被成形物移動機構)とを備えている。なお、41は内装パネル材移動機構40の作動部材42先端部に取り付けられ、内装パネル材2と金型10とを押圧する際の衝撃を低減する緩衝部材(クッション材)であり、内装パネル材2の形状が反映されて形成されている。また、43は内装パネル材移動機構40に固定された金型固定部材44に取り付けられ、内装パネル材2の端面を保護する緩衝部材(クッション材)である。
このような射出成形装置100において、溶融樹脂を射出装置20のノズル21から連通口13bを介してキャビティ13に射出(導入)すると、キャビティ13の形状が反映された成形部品3(図7参照;樹脂成形体)が成形される。その際、内装パネル材2の上面2aに溶融樹脂を開口部13aから導出させると、開口部13a内の溶融樹脂は上面2a上で冷却および固化して上面2aに接着および一体化され固着部3a(図8参照)となる。
なお、このような溶融樹脂の材料は例えば、ポリプロピレン等を用いることができる(なお、これに限定されずポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネイト、変性ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド等のエンジニアプラスチック、及びその他の汎用プラスチックを主体とする合成樹脂等、公知のものを用いることができる)。
また、内装パネル材2(被成形物)は、アオイ科の植物であるケナフをポリプロピレン等でバインドしたケナフボードや樹脂ボード等を使用することができ、そのボードを例えばプレス加工等を施し、平面部および曲面部を有する所定形状をなす内装パネル材2が成形される。
次に、本発明の成形型である金型10の一例について説明する。図2は、金型10の全体を示す斜視図(a)とその底面図(b)である。図3は固定型11を示す斜視図と背面図および底面図である。図4は可動型12を示す斜視図と正面図および底面図である、図2に示すように、固定型11および可動型12は分割面(パーテング面)PLにより合わせられ一体となっており、その内部にキャビティ13を形成して型締めされている(図1参照)。
また、キャビティ13は金型10と内装パネル材2とが相対的に押圧され、金型10と内装パネル材2とが接触する型側接触面14(以下、単に接触面という)に開口部13aを有している。金型10を内装パネル材2の上面2aに配置したときに、この開口部13aから射出装置20で射出された溶融樹脂が導出することで、内装パネル材2の上面2a上で冷却および固化して上面2aに接着および一体化することができる。金型10の接触面14は、上面2aの所定の取付位置の形状が反映されて成形されている。内装パネル材2は例えばプレス加工などで、平面部および曲面部を有した所定形状に成形されるため、その取付位置に対向する接触面もその内装パネル材の形状を反映した平面部および曲面部を有して成形されている。
図2〜4に示すように、固定型11および可動型12の内装パネル材2との接触面14には、開口部13aを取り囲むように弾性を有する間隙防止部材15が備えられている。間隙防止部材15は、開口部13aの開口縁に沿って形成されており、金型10を内装パネル材2に配置したときに、開口部13aは、間隙防止部材15を介在して内装パネル材2の上面2aによって閉鎖される。また、間隙防止部材15としては、シリコン樹脂やウレタン材質等を用いることができる。例えば、溶融樹脂及び、ケナフ繊維をバインドするために用いるポリプロピレンなどの難接着基材と接着することがない異種の合成樹脂などの部材で公知のものを用いることができる。
接触面14に間隙防止部材15を備えることにより、金型10に内装パネル材2を押圧(接触)させた際に、接触面14において金型10と内装パネル材2との間に隙間を生ずることがなく、キャビティ開口部13aを閉鎖することができる。また、間隙防止部材15が弾性を有するため押圧が小さくともその間隙防止部材15が金型10と内装パネル材2との間に介在して隙間が生じることなく密着することができる。また、押圧が大きくとも弾性変形することにより力を吸収し、被成形物が例えば車両用ガラスなどのガラス部材であっても間隙防止部材15が間に介在するため、ガラス部材が割れたり、或いは表面等に著しい損傷が残る危険もない。
次に、図5により、射出成形装置100を用いて成形部品3を射出成形し内装材ユニット1を製造するための射出成形方法の一例を射出成形装置の各構成の機能とともに説明する。図5(a)、(b)および(c)は本発明の射出成形方法の型配置工程を示す図である。金型移動機構30(図1参照)によって可動型12を略水平方向に移動させて、対向する固定型11との間にキャビティ13を形成する。このとき、キャビティ13の開口部13aは内装パネル材2の上面2aから上方に離間した位置にあり、内装パネル材2の上面2aに対向する向きに開放されている。内装パネル材移動機構40(図1参照)によって内装パネル材2を上方へ移動(金型10を相対的に下方(図5(c)矢印方向)へ移動)させ、金型10(上面2a)を金型10(開口部13a)に押圧(接触)して保持する。このとき、金型10と内装パネル材2との押圧に伴って、開口部13aは上面2aで閉鎖される。
図5(d)は本発明の射出成形方法の樹脂導入工程、図5(e)は樹脂接着工程を示す図である。すなわちキャビティ13の開口部13aが内装パネル材2の上面2aに閉鎖された状態のまま、射出装置20のノズル21から連通口13bを介してポリプロピレン等の溶融樹脂Mをキャビティ13内に射出する。溶融樹脂Mはキャビティ13内に充填され、上面2a上に広がって冷却および固化することにより、内装パネル材2の上面2aに一体的に成形される。
以上の工程を経て、内装パネル材2の上面2aに成形部品3が一体化された内装材ユニット1が完成する(図5(e),図8参照)。続いて、内装材ユニット1の取出工程として、図5(f)に示すように、内装パネル材移動機構40及び金型移動機構30(図1参照)をそれぞれ前述とは逆方向に駆動させると、内装材ユニット1を取り出すことができる。
次に、図6に示すように、上記工程におけるシリコン樹脂等の間隙防止部材15の構成の機能について説明する。図6(a),(b)は、上記型配置工程に相等し、図6(c)は上記樹脂導入工程および樹脂接着工程に相等する。図6(d)は、内装材ユニット1の取出工程に相当する。図6(a)は可動型12を略水平方向に移動させて、対向する固定型11との間にキャビティ13を形成した状態で(図5(b)参照)、キャビティ開口部13aは略半円断面形状の間隙防止部材15によって取り囲まれる。このとき、間隙防止部材15は開口縁に沿って所定間隔離間した位置に配置されている。
次に、内装パネル材移動機構40によって内装パネル材2を相対的に上方へ移動させ、上面2aを開口部13aに押圧(接触)して保持する。このとき、間隙防止部材15は、金型10と内装パネル材2との押圧に伴って弾性変形をして、キャビティ内面と同一面となる間隙防止面15aを形成する。これにより、開口部13aは間隙防止部材15を介在して上面2aに閉鎖される。本実施例では、間隙防止部材15は断面視略半円形状としたが、略半円形状に限定されることなく略楕円、三角形および四角形などの多角形など種々の形状を用いることができる。また、用いる形状および部材によって開口縁からの離間幅を設定することができ、上面2aで押圧されたときにキャビティ内面と同一面となる間隙防止面15aを形成することができる。
図6(c)は溶融樹脂Mがキャビティ13内に充填され、上面2a上に広がって冷却および固化することにより、内装パネル材2の上面2aと一体的に成形部品3が形成される。このとき、内装パネル材2が曲面部を有した場合でも、間隙防止部材15が弾性的に上面2aに馴染んで密着するため、開口部13aを隙間なく閉鎖することができる。
また、図6(d)に示すように、成形部品3を成形した後、金型10から成形部品3が取り出される。このとき、弾性変形していた間隙防止部材15は、金型10と内装パネル材2との押圧が解除され通常形状(半円断面形状)にもどるとともに、金型10に装着されたまま内装材ユニット1から引き離される。前述したように、溶融樹脂Mや内装パネル材2に用いられるポリプロピレン等は難接着部材であるため、間隙防止部材15に用いられるシリコン樹脂等と接着することがなく、金型10を型開きするとともに内装材ユニット1から引き離される。
図7に間隙防止部材15の変形例を示す。図7(a)は、例えば断面視三角形の間隙防止部材15を備え、キャビティ開口部13aの開口縁に沿った状態で配置したものである。これにより、より確実にキャビティ内周と同一面の間隙防止面15aを形成することができる。また図7(b)は、キャビティ開口部13aの開口縁に沿って、所定距離隔てた位置に溝部16を形成し、その溝部16の内部に間隙防止部材15を配置したものである。これにより、間隙防止部材15の金型10からの剥離や脱落を抑制することができる。図7(c)は、キャビティ開口部13aの開口縁に段部17を設け、その段部17に間隙防止部材15を配置したものである。これにより、間隙防止部材15が段部17で介在することにより、接触面14と上面2aとが離間することなく金型10を内装パネル材2の上面2aに配置することができる。
図9、図10に示すように、内装材ユニット1は、例えば自動車Cのドア内面に取り付けられるドアトリムDや自動車Cの車両ボディ内面に支持・固定されるダッシュボード(あるいはインストルメントパネル)Eとして使用される。ここでは、内装パネル材2の上面2aとは反対側の面をキャビン内側の意匠面(表面)としているので、上面2aは内装パネル材2の裏面側に位置している。したがって、内装パネル材2はドアトリムDおよびダッシュボードEの基材を構成し、成形部品3は内装パネル材2を車両ボディに支持および固定する取付ブラケットを構成している。
以上の間隙防止部材15の構成により、内装パネル材2の曲面部などに成形部品3を取り付ける場合にも、金型10の接触面14と内装パネル材2の上面2aとに隙間が生じることないので、金型10を内装パネル材2に反映した形状に調整する手間を省くことができ、バラツキのない製品形状の成形部品3を成型することができる。
また、本発明に係る「成形型」の代表例は、一方を固定式、他方を可動式とする一対の分割型からなる射出成形用金型である。ただし、「成形型」には、射出成形以外の成形方法(例えば、圧縮成形、トランスファ成形、注型成形等)で用いられる型も含まれる。
1 車両用内装材ユニット
2 車両用内装パネル材(被成形物;基材)
2a 上面(閉塞面)
3 成形部品(樹脂成形体;取付ブラケット)
3a 固着部
3b 作用部
10 金型(成形型;射出成形用金型)
11 固定型(第一分割型)
12 可動型(第二分割型)
13 キャビティ
13a 開口部
13b 連通口
14 型側接触面
15 間隙防止部材
20 射出装置
21 ノズル
100 射出成形装置
2 車両用内装パネル材(被成形物;基材)
2a 上面(閉塞面)
3 成形部品(樹脂成形体;取付ブラケット)
3a 固着部
3b 作用部
10 金型(成形型;射出成形用金型)
11 固定型(第一分割型)
12 可動型(第二分割型)
13 キャビティ
13a 開口部
13b 連通口
14 型側接触面
15 間隙防止部材
20 射出装置
21 ノズル
100 射出成形装置
Claims (8)
- ノズルとの連通口の他に外部への開口部を有する所定形状のキャビティが形成される成形型を用い、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入して樹脂成形体に成形するとともに、前記キャビティの開口部を塞ぐように配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂を前記開口部から導出させて被成形物と一体化する樹脂成形体の成形方法であって、
その成形型には、被成形物の閉塞面と対向する前記開口部を取り囲むように間隙防止部材を配置し、
前記被成形物の閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を配置したときに、その閉塞面と型側接触面とが前記間隙防止部材を介して接触するように配置される型配置工程と、
前記閉塞面と前記型側接触面とが接触し、かつ前記間隙防止部材が閉塞面に密着し開口部を閉鎖した状態のまま、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入される樹脂導入工程と、
その導入させた溶融樹脂をその閉塞面上で冷却および固化させて当該閉塞面に接着および一体化する樹脂接着工程と、
を含むことを特徴とする樹脂成形体の成形方法。 - 前記間隙防止部材は、前記キャビティの開口縁に沿って配置される請求項1に記載の樹脂成形体の成形方法。
- 前記間隙防止部材は、前記型配置工程において、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って前記キャビティの開口部と同一面を形成する請求項1または2に記載の樹脂成形体の成形方法。
- 前記間隙防止部材は、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って弾性変形することにより、前記キャビティの開口部と同一面を形成する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂成形体の成形方法。
- 前記被成形物は、樹脂、ケナフ等の非金属性有機質材料から構成され、かつ前記閉塞面が少なくとも一部に連続的に変化する平面部又は曲面部を有し、その平面部又は曲面部の前記閉塞面に前記樹脂成形体が接着される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形体の成形方法。
- ノズルとの連通口の他に外部への開口部を有する所定形状のキャビティが形成され、前記ノズルから前記連通口を介して溶融樹脂を前記キャビティに導入して樹脂成形体に成形するとともに、前記キャビティの開口部を塞ぐように配置される被成形物の閉塞面にその溶融樹脂を前記開口部から導出させて被成形物と一体化する樹脂成形体を成形する成形型であって、
その成形型の被成形物の閉塞面と対向する前記開口部を取り囲むように間隙防止部材を配置し、
前記被成形物の閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を配置したとき、その閉塞面と型側接触面とが前記間隙防止部材を介して接触しており、前記ノズルから前記連通口を介して前記キャビティに導入させた溶融樹脂を、その閉塞面上で冷却および固化させてその溶融樹脂と当該閉塞面とを一体成形することを特徴とする成形型。 - 前記間隙防止部材は、前記キャビティの開口縁に沿って配置される請求項6に記載の成形型。
- 前記間隙防止部材は、前記閉塞面と前記型側接触面とが接触する位置に前記成形型を前記被成形物に配置したときにおいて、前記成形型と前記被成形物との押圧に伴って前記キャビティの開口部と同一面を形成する請求項6または7に記載の成形型。
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JP2006321133A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Toyota Boshoku Corp | 取付ブラケットとその製造方法 |
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-
2005
- 2005-02-08 JP JP2005031841A patent/JP2006218646A/ja active Pending
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