JP2006218497A - 板材のレーザー溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 板厚が異なる金属板を突き合せてレーザー溶接する際に、溶接ビードの下面に形成される凹みを無くし、かつ突き合わせ部分に隙間があっても溶接エネルギーロスを生じることなく、かつ、低消費電力、高生産性で成型のよいテーラードブランク材を溶接することができるレーザー突き合わせ溶接方法を提供する。
【解決手段】 互いに板厚の異なる2枚の板材の片方の表面を相互にずらした状態で突き合わせ、この突き合わせ線に沿って前記片方の表面が相互にずれた側にレーザー光を照射しつつレーザー光と板材を相対的に移動させて溶接するレーザー溶接方法において、全てのレーザー光を厚い側の板材に照射と共に、溶接中に溶接速度を変更することを特徴とするレーザー溶接方法。
【選択図】 図3
【解決手段】 互いに板厚の異なる2枚の板材の片方の表面を相互にずらした状態で突き合わせ、この突き合わせ線に沿って前記片方の表面が相互にずれた側にレーザー光を照射しつつレーザー光と板材を相対的に移動させて溶接するレーザー溶接方法において、全てのレーザー光を厚い側の板材に照射と共に、溶接中に溶接速度を変更することを特徴とするレーザー溶接方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は、板厚の異なる2枚の板材を突き合わせ、この突き合わせ線に沿ってレーザービームを照射しつつ移動させて溶接を行い、良好な溶接ビードを形成するレーザー溶接方法に関するものである。
近年、板厚の異なる金属板を事前に突き合わせてレーザー溶接で接合し、その金属板をプレス成形等の組成加工による二次加工にて所望の形状に成形する技術の適用が、自動車用部品等で一般化しつつある、板厚の異なる(異厚)の金属板を接合し、一板の金属板(ブランク)としてプレス成形を行えば、部品の部分的な補強や軽量化を促すことができる。
異なる板厚の金属板のレーザー突合せ溶接方法としては、図1の板材のレーザー突き合わせ溶接全体図に示すように、厚い金属板2と薄い金属板3とを突き合わせ、突き合わせ位置にレーザートーチ4からレーザービームを照射5して溶接ビード6を形成する溶接を行っており、突き合わせ位置にレーザービームを性格に照射するため、溶接前の突き合わせ位置を検知し、溶接位置と突き合わせ位置とのずれ量を演算し、このずれ量を解消する方向へ溶接ヘッドを移動させるレーザー溶接装置がある(例えば、特許文献1参照)。
ところが、板厚の異なる金属板をレーザービームを照射して突き合わせ溶接する場合に、図2(a)の突き合わせ位置にレーザービームを照射する場合の溶接断面図に示すように、レーザービーム1の照射位置を厚い金属板2及び薄い金属板3の突き合わせ部7と一致させて照射して溶接すると、図1(b)の溶接結果に示すように、溶接された金属板2、3の溶接ビード6は、薄板側の金属板3の溶融量よりも厚板側の金属板の溶融量が少なくなる。このため、溶接部に厚板側の金属板に鋭い段差8が形成されることとなる。鋭い段差が溶接部に形成されると、溶接継手強度が低くなると共に、プレス成形時にプレス型とのかじりが発生し、成形性を劣化させるという問題を生じる。
このような問題を解決するために、レーザービームの集光レンズを光軸に対して所定量傾け、板厚の大きい金属板に照射されるレーザービームのエネルギー密度を、板厚の小さい金属板に照射されるレーザービームのエネルギー密度より大きくして、両金属板に照射されるレーザービームのエネルギー密度より大きくして、両金属板が等しく溶融できるようにした突き合わせレーザー溶接方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この溶接方法を自動車のボデー等に用いられる薄鋼板の突き合わせ溶接へ適用した場合に、厚板側と薄板側とに照射するレーザービームのエネルギー密度分布の制御が困難のため、両金属板を等しく溶融させることができないという問題が生じる。
この問題を解決するため、板厚の異なる金属板を突き合わせ、該金属板の突き合わせ部にレーザービームを照射して突き合わせ溶接を行う異板厚素材のレーザー溶接方法として、レーザービームの照射位置を金属板の板厚の差に応じて突き合わせ部から厚板側に移動させることを特徴とする異板厚素材のレーザー溶接方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
ところが、これまで提案されている従来の板厚の異なる金属板のレーザー溶接方法では突合せ部の板端面同士の隙間(ギャップ)によって生じる問題が解決されていない。即ち、溶接に用いる金属板は、一般にせん断加工により切り出しているが、切り出した板材は、端面はわずかながら湾曲しており、このような板材の突き合わせ溶接では、図2(a)に示すように、溶接前の突き合わせ部分に板端面同士の隙間9が生じることが避けられない。
突き合わせギャップが存在すると、溶接ビード6の下面に凹み10が形成され、継手強度が低下すると共に、プレス成形時に金型かじりの問題が生じる。即ち、溶接ビードは溶融された材料が冷えて固まって形成されるが、突き合わせ部にギャップが存在すると、このギャップを埋めるに十分な溶融材料がなく、他からこのギャップを埋める材料を供給しない限り溶接ビード下面が凹んでしまう。さらに、隙間が広い部分ではレーザービームが突き抜け、突き抜けたビーム11によって溶接のエネルギー効率が悪化するという問題が生じる。
また、突き合わせレーザー溶接によるテーラードブランク等の溶接金属板の製造では、製造コストの低減が要求される。このため、高速溶接を志向するが、ある速度以上の高速溶接条件下では相対的にレーザーによる溶接熱源が不足するために十分なビードが形成されず不完全溶接の状態となる。
したがって、高速溶接時には高出力のレーザーが必要で、電力代が嵩むという問題があった。一方、省電力を志向し低出力のレーザーを用いた場合には生産性を上げることができず、コスト低減に寄与できないという問題があった。例えば、炭酸ガスレーザーの発振効率は投入電力の10%であり、残りの90%のエネルギーは熱交換器を通じて大気に放散されるため、一般的なテーラードブランク装置向けの6kWのレーザー発信機では約140kWもの膨大な電力を消費する。
板厚の異なる2枚の金属板を片方の面が同一となるように突合せ、表面のずれた側からレーザービームを照射する場合、溶接ビード上面の鋭利的段差は、既存技術で解決可能であったが、プレス成形時に応力集中を生じさせ割れを発生させる原因となるビード下面に形成される凹みを無くす技術は未だ解決されていない問題である。
また、隙間がある突き合わせ部分にレーザービームを照射しても、エネルギーその隙間を突き抜けてしまい無駄になるため、溶接のエネルギー効率が悪化し、したがって、より高いレーザーエネルギーが必要になるなどの問題があった。さらに、製造コストの低減を図ることが要求されている。
そこで、本発明は板厚が異なる金属板を突き合せてレーザー溶接する際に、溶接ビードの下面に形成される凹みを無くし、かつ突き合わせ部分に隙間があっても溶接エネルギーロスを生じることなく、かつ、低消費電力、高生産性で成型のよいテーラードブランク材を溶接することができるレーザー突き合わせ溶接方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意研究し、その結果、板厚の異なる2枚の金属板をレーザー突き合わせ溶接する場合に、全てのレーザー光を厚い側の金属板のみに照射し、かつ溶接速度変更することにより上記問題が解決できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいて完成したもので、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)互いに板厚の異なる2枚の板材の片方の表面を相互にずらした状態で突き合わせ、この突き合わせ線に沿って前記片方の表面が相互にずれた側にレーザー光を照射しつつレーザー光と板材を相対的に移動させて溶接するレーザー溶接方法において、全てのレーザー光を厚い側の板材に照射と共に、溶接中に溶接速度を変更することを特徴とするレーザー溶接方法。
(2)突き合わせ線を画像処理にて検出する装置とレーザー照射位置を制御する手段とによって、予め設定したずらし量を実現するように、レーザー照射位置を制御することを特徴とする上記(1)に記載のレーザー溶接方法。
(3)溶接始終端部の溶接速度を遅くすることを特徴とする請求項1または2記載のレーザー溶接方法。
本発明によれば、板厚の異なる金属板同士のレーザー突き合わせ溶接において、低消費電力、高生産性でもって、溶接ビード部の鋭い段差や、ビード裏面の凹みのない滑らかな溶接ビード形状を得ることができ、その結果、従来のような継手部の強度の低下やプレス成形時の金型のかじりのない成型性の良い溶接金属板(ブランク)を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図3は、異なる板厚の金属板を突き合せてレーザー突合せ溶接する際に、レーザービームを厚い金属板のみに照射する本発明例を示す図である。
板材にレーザービームを照射すると、その照射部分のみならず、周りの材料の照射部分からの熱伝導を受けて、溶融することで溶接ビードが形成される。
一般的に溶接ビードの幅は、レーザービームの照射位置での幅の2倍から3倍状態のものとなる。
図3に示すように、板厚の異なる2枚の金属板を片方の面(溶接時に裏側となる面)が同一となるように突合せ、表面がずれた高い側となる。板厚の厚い方の金属板2にレーザービーム1を照射し、その照射位置が、エッジ部分も溶融される範囲内であれば、厚い方の溶融された材料が、重力と表面張力により薄い方の金属板3に架橋し、溶接することができる。このとき、突合せ表面の段差部分も溶融するため、形成された溶接ビードは、その表面が非常に滑らかなものとなり、鋭い段差がない12状態となる。
また、突き合わせ部分に隙間があるときでも、その部分に照射されるビームはないため、100%レーザービームエネルギーを溶接する金属板に投入することが可能である。
このため、溶接ビード6幅の範囲で、厚い金属板2の表面から、薄い金属板3の表面まで滑らかな直線状にビード表面が形成される。つまり、突き合わせ部分の鋭利な段差部分が溶融し滑らかな直線となることで流れ出した溶融金属が突き合わせ部分の空隙を埋める。この場合、溶接ビーム照射を厚手側材料に投入することで、よりビード表面の傾斜が緩やかになり、多くの空隙を埋める材料がもたらされるため、ビード裏面形状の凹みが減少し、凹みなし13状態となる。レーザービームの焦点は、レーザービームの出力によって異なるが、通常直径約0.2〜0.3mmの集光径となるので、レーザービームの照射を板厚の厚い方の金属板のみにするためには、レーザービーム照射の焦点の中心位置が、厚い金属板の突き合わせ位置(エッジ)から0.1mm以上離れた距離の位置とする必要がある。
また、ビーム照射位置が厚板上で、突き合わせ位置から遠ざかりすぎると、ついには端面が溶融しなくなり溶接できなくなる。このため、突き合わせ位置から0.4mm以内とすることが好ましい。
また、突合せた金属板の板厚差が、あまりに大きな板厚差であると滑らかな直線状の溶接ビード表面を形成することが困難となるので、板厚差を4mm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは2mm以下である。
溶接すべき金属板の板厚が厚くなると、板厚差を大きくしても溶接時の溶融金属量が多くなるので、板厚差が大きくても滑らかな直接状の溶接ビード表面を形成することが可能となり、また、溶接ビード裏面の凹みのない溶接ビードを得ることが可能となる。ただ、レーザー突合せ溶接に適用する金属板は、0.6〜6mm程度の薄鋼板が実用的に用いられている。
レーザー溶接速度は、レーザー出力にもよるが、溶接速度が速いと表面ビード幅が広くなって、表面ビードは小さくなるので、5〜8m/minが好ましい。
レーザー溶接速度を選択することで、良好な溶接継手強度が得られ、溶接金属板(ブランク材)をプレス成形して製品とする場合に、割れ等が発生せず、良好な強度を有するプレス成型品を得ることができる。
ビーム照射位置の端面からの距離を一定に保ち、良好な品質のビードを得るために、溶接線上流で突き合わせ位置を光切断法で検知し、それに応じて予め設定したシフト値へ、レーザーヘッドをオフセットして制御する。
図4は、本発明でのレーザー照射位置を制御する方法の例を示す図である。
レーザー照射位置を制御するには、図4に示すように、まず、溶接する突き合わせ線(ギャップ位置)を画像処理にて検出するキャップ位置検出装置14によって、突き合わせ線を検出する。次いで、溶接線に沿って移動するレーザーヘッド15からレーザービームが照射されるが、その照射位置を、レーザーヘッド駆動装置16を作動させて厚い金属板2側に予め設定したずらし量だけシフトさせる。
即ち、検出した突き合わせ線位置及び予め設定したずらし量を演算装置に入力し、演算装置からの出力によりレーザーヘッド駆動装置を作動させ、レーザーヘッドを所定量シフトさせ、レーザー照射位置を制御するものである。
また、溶接金属板(テーラードブランク)の製造コストを低減するためには、溶接速度を上げて生産性を向上させることや、できるだけ低いレーザーパワー消費量での溶接を行うことが必要である。
テーラードブランク等の溶接金属板は、溶接後プレス成形を施されているため成型性が求められる。特に、溶接部近傍においては板厚の薄い低強度側の材料に歪が集中するため割れ易く、この部分が成型性のネックとなることが多い。
つまり、プレス加工時に溶接始終端部から割れが発生しやすい。これは溶接始終端部では、プレス加工時に歪が短軸引っ張りとなるために、塑性加工歪限界が小さいためである。
一方、溶接ビード部に沿って観察すると一部においては加工性は溶接始終端部ほどは必要でなく、それよりむしろ、経済性を重視した製造方法をとるほうがよい場所がある。つまり溶接線において、その成型性を重視する領域と経済性を重視する領域に分けて溶接パラメーターを最適に制御して成型性及び経済性を両立させようとするものである。
しかし、溶接パラメーターと成型性の関係については明らかではないため、先ず溶接速度と成型性の関係について調査した。板厚1.4mmと0.7mmの軟鋼板を6kWの炭酸ガスレーザーを用いて突合せ溶接した。ビームの狙い位置は突き合わせ線から±0.15mmの範囲にセットした。成型性はエリクセン試験にて判定した。図6にその溶接速度と成型性結果を示す。この結果から溶接速度を下げることにより成型性が向上することが判明した。すなわち、溶接線のうち、成型性優先領域においては溶接速度を下げて経済性を犠牲にしつつも成型性を確保しつつ、高い成型性の不要な経済性優先領域においては溶接速度を上げて溶接することで、成型性と経済性を両立できる。溶接速度を下げると成型性が向上するメカニズムは溶接速度を下げることによって溶接ビードの断面積を増加させるからであると考えた。溶接ビード部分は溶接熱により焼入れされた状態のため、母材に比して、著しく硬度が上がり変形しにくくなっているためこの部分が大きいと溶接部近傍の低強度側材料の変形を拘束する度合いが大きくなり、結果として低強度側材料の破断が置きがたくなって成型性が向上するものであると考えられる。
そこで、本発明では溶接中に溶接速度を変更し、図7に示すように溶接始終端部の成型性優先領域では溶接速度を下げて成型性を確保し、高い成型性の不要な経済性優先領域においては溶接速度を上げて溶接することで成型性と経済性を両立させるようにした。
溶接速度の変更は、成型性に影響がある溶接始終端部の70mm以下の範囲を成型性優先領域として、経済優先領域での溶接速度の85%以下とすることが好ましい。
以上のように、本発明によれば突き合わせ段差を解消し、溶接ビード裏面の凹みを解消することで、プレス成型時に金型かじりを防止すると共に、溶接ビードへの応力集中を緩和し、良好なプレス成型品を得ることができる。
以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明実施例では、炭酸ガスレーザーを用いて鋼板の突き合わせ接合を行った。炭酸ガスレーザートーチは、2組の反射ミラーを用いており、このうちの一つが凹面ミラーでレーザービームの集光を行う。このレーザートーチはサーボモータで旋回し、レーザー照射位置を変更できる。このレーザートーチの溶接上流側に突き合わせエッジ検出装置があり、この装置はスリットレーザー光を突き合わせ部に照射し、その映像をカメラで撮影したものを画像処理し自動で突き合わせ位置を検出することができる。この検出したエッジ位置を元に、ビーム照射位置が常に厚い方の板に照射されるように前記レーザートーチを駆動して時々刻々制御している。
実施例では加工点出力6kWの炭酸ガスレーザーを用いた。このときビーム集光径は0.25mmであった。板厚1.4mmと0.7mmのものを組み合わせた。
このときビームねらい位置を突き合わせ線位置から厚い板側に動かした条件で溶接し、厚板側へのビームシフト量を種々変えて実験を行った。
また、溶接速度は、溶接始終端部50mmにおいて溶接速度を毎分8mとし、ほかの部分は溶接速度を毎分10mとして、溶接長1mの溶接実験を行った。
この場合の1枚あたりの溶接時間は7.5秒で、溶接中の消費エネルギーは450kJであった。
その溶接結果は表1に示すとおりであった。
○印は、鋭い段差が生じず滑らかなビードが形成された場合で、×印は、溶接ビードの溶け込みが不充分で鋭い段差が生じた場合で、そして△印は鋭い段差が一部生じた場合である。その溶接試験の結果を図5に示す(図5のa〜dは、表1のa〜dに対応している)。
上記結果より、ビーム照射シフト量は0.15mmが段差の滑らかさと裏面ビードの形状の両方の観点から最も良好であり、ビーム径を考慮すると、レーザービームは厚い板側を照射していることが分る。また、溶接速度を変更したことで約18%の消費エネルギーを低減できた。
このような方法で製造した板をプレス成型したところ、金型へのかじりや板破断もなく良好なプレス成品を得ることができた。
1 レーザービーム
2 厚い金属板
3 薄い金属板
4 レーザートーチ
5 ビーム照射
6 溶接ビード
7 突き合わせ部
8 鋭い段差
9 隙間
10 凹み
11 突き抜けたビーム
12 鋭い段差なし
13 凹みなし
14 キャップ位置検出装置
15 レーザーヘッド
2 厚い金属板
3 薄い金属板
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6 溶接ビード
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8 鋭い段差
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10 凹み
11 突き抜けたビーム
12 鋭い段差なし
13 凹みなし
14 キャップ位置検出装置
15 レーザーヘッド
Claims (3)
- 互いに板厚の異なる2枚の板材の片方の表面を相互にずらした状態で突き合わせ、この突き合わせ線に沿って前記片方の表面が相互にずれた側にレーザー光を照射しつつレーザー光と板材を相対的に移動させて溶接するレーザー溶接方法において、全てのレーザー光を厚い側の板材に照射すると共に、溶接中に溶接速度を変更することを特徴とするレーザー溶接方法。
- 突き合わせ線を画像処理にて検出する装置とレーザー照射位置を制御する手段とによって、予め設定したずらし量を実現するように、レーザー照射位置を制御することを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接方法。
- 溶接始終端部の溶接速度を遅くすることを特徴とする請求項1または2記載のレーザー溶接方法。
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