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JP2006216721A - 半導体ウエハ研削用粘着シート及び半導体ウエハの研削方法 - Google Patents

半導体ウエハ研削用粘着シート及び半導体ウエハの研削方法 Download PDF

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JP2006216721A
JP2006216721A JP2005027066A JP2005027066A JP2006216721A JP 2006216721 A JP2006216721 A JP 2006216721A JP 2005027066 A JP2005027066 A JP 2005027066A JP 2005027066 A JP2005027066 A JP 2005027066A JP 2006216721 A JP2006216721 A JP 2006216721A
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semiconductor wafer
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pressure
grinding
weight
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JP2005027066A
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English (en)
Inventor
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
Satoshi Hayashi
聡史 林
Taihei Sugita
大平 杉田
Kazuhiro Shimomura
和弘 下村
Giichi Kitajima
義一 北島
Yasuhiko Oyama
康彦 大山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】半導体ウエハの研削性に優れ、半導体ウエハを極めて薄く研削した場合であっても半導体ウエハが割れず、かつ、糊残りすることなく剥離可能な半導体ウエハ研削用粘着シート、及び、該半導体ウエハ研削用粘着シートを用いた半導体ウエハの研削方法を提供する。
【解決手段】少なくとも基材の一方の面に、半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を有する半導体ウエハ研削用粘着シートであって、前記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層は、周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上であり、かつ、ゲル分率が70%以下である半導体ウエハ研削用粘着シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体ウエハの研削性に優れ、半導体ウエハを極めて薄く研削した場合であっても半導体ウエハが割れず、かつ、糊残りすることなく剥離可能な半導体ウエハ研削用粘着シート、及び、該半導体ウエハ研削用粘着シートを用いた半導体ウエハの研削方法に関する。
半導体集積回路(ICチップ)は、通常、高純度半導体単結晶等をスライスしてウエハとしたのち、フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パターンを形成して、次いでウエハ裏面を研削機により研削して、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、最後にダイシングしてチップ化することにより、製造されている。
近年、ICチップの用途が広がるにつれて、ICカード類に用いたり、積層して使用したりすることができる厚さ50μm程度の極めて薄い半導体ウエハも要求されるようになってきている。
半導体ウエハの研削時には、半導体ウエハに粘着シートを介して、半導体ウエハ表面に形成された回路パターンを保護し、半導体ウエハの破損を防止したり、研削加工を容易にしたりしている。このような粘着シートとしては、例えば、特許文献1には、光を照射することにより硬化する光硬化性樹脂からなる粘着剤層を有するものが開示されている。このような粘着シートを用いれば、研削後、シートに光を照射することにより粘着剤層が硬化して粘着力が減少するため、容易に剥離することができるとされる。
しかしながら、厚さが50μm程度の半導体ウエハは、従来の厚さが100〜600μm程度の半導体ウエハに比べてもろく衝撃により割れやすくなるので取扱性に劣り、従来の手法により研削加工を施すと、研削時の圧力により半導体ウエハが変形して、破損してしまうという問題があった。
また、半導体ウエハの回路パターンが形成された面に粘着シートの粘着剤層を貼り付けた場合、凹部にエア噛みを生じ、エア噛み部において剥離時に回路パターン上に糊残りが発生してしまうという問題もあった。
特開平10−92776号公報
本発明は、上記現状に鑑み、半導体ウエハの研削性に優れ、半導体ウエハを極めて薄く研削した場合であっても半導体ウエハが割れず、かつ、糊残りすることなく剥離可能な半導体ウエハ研削用粘着シート、及び、該半導体ウエハ研削用粘着シートを用いた半導体ウエハの研削方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも基材の一方の面に、半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を有する半導体ウエハ研削用粘着シートであって、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層は、周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上であり、かつ、ゲル分率が70%以下である半導体ウエハ研削用粘着シートである。
以下に本発明を詳述する。
厚さ50μm程度と極めて薄く半導体ウエハを研削する際に半導体ウエハが割れることを
防止する方法として、例えば、半導体ウエハの表面に貼り付ける粘着シートの粘着剤層を、貯蔵弾性率を高くして硬くすることで、研削時の圧力により半導体ウエハが変形したり反りが生じたりすることが考えられる。しかしながら、半導体ウエハの粘着シートを貼り付ける面には、種々の回路パターンが形成されており凹凸面となっているため、粘着シートの粘着剤層が硬いと、半導体ウエハ表面の凹凸に粘着剤層が追従せず、粘着剤層と半導体ウエハとの間に隙間が形成され、いわゆるエア噛みが生じてしまう。本発明者らは、厚さを50μm程度にして研削する場合には、このような粘着剤層と半導体ウエハの表面との間で生じるエア噛みが半導体ウエハの研削を不均一にし、ウエハの破損を引き起こすことを見出した。
更に、本発明者らは、粘着剤層と半導体ウエハとの間にエア噛みが生じると、酸素により硬化性樹脂の硬化が阻害されることから、粘着剤層の硬化が不充分となり、半導体ウエハの表面に糊残りが発生してしまうことも見出した。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討の結果、半導体ウエハの裏面を研削する際に半導体ウエハを固定する粘着シートの粘着剤層の貯蔵弾性率を高くして硬くする一方で、該粘着剤層のゲル分率を所定の範囲内に調整することで、半導体ウエハの厚さを50μm程度まで薄く研削した場合であっても、半導体ウエハに割れが発生することがなく半導体ウエハの研削性に優れるとともに、半導体ウエハの表面に形成された回路等による凹凸に対する粘着剤層の追従性が優れたものとなり、エア噛みの発生を防止して半導体ウエハの裏面を均一に研削することができ、更に、粘着シートを半導体ウエハの表面から剥離する際に、糊残りが生じないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートは、少なくとも基材の一方の面に半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を有するものであり、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層の周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率の下限が5×10Paである。5×10Pa未満であると、研削時の圧力により半導体ウエハが変形して割れが生じる。周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率の上限については特に限定されないが、後述するゲル分率を達成し得る条件等を考慮すると、好ましい上限は5×10Paである。ここでいうゲル分率とは、溶剤に対する溶解成分と非溶解成分との比率である。
なお、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートは、基材の一方の面のみに粘着剤層を有する片面粘着シートであってもよいし、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートであってもよい。
上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層のゲル分率の上限は70%である。70%を超えると、半導体ウエハ表面に形成された回路等による凹凸に対する追従性が低下し、粘着剤層と半導体ウエハとの間でエア噛みが生じ、半導体ウエハの裏面の研削を均一に行うことができなかったり、効果不良に起因する糊残りを生じたりする。好ましい下限は50%である。
一般に、貯蔵弾性率を調整する方法としては、例えば、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を構成する粘着剤に使用する樹脂を適宜選択する方法が挙げられる。また、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層のゲル分率を調整する方法としては、例えば、粘着剤の架橋度を調整したり、粘着剤に添加する低分子量物質の添加量を調整したりする方法等が挙げられる。
ゆえに、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートにおいて、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層の周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率及びゲル分率を上記範囲に調整する方法としては、上記方法を鑑みて、後述する樹脂等を適宜組み合わせることが好ましい。
このような粘着剤層としては、例えば、アクリルポリマーが挙げられる。重合させるモノマーとしては特に限定されず、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられ、特に、イソボロニルアクリレート(IBA)セグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有する粘着剤からなるものが好適である。
このような粘着剤は、架橋剤の濃度を調整したり、気体発生剤等の低分子量物質の配合量を調整したりすることにより上記粘着剤層の周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率及びゲル分率を上記範囲に調整することができ、また、光の照射や加熱等の刺激を与えることにより粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、架橋硬化による貯蔵弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下し、半導体ウエハに貼り付けた本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートの剥離が容易となる。
上記炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとしては特に限定されないが、高い耐薬品性が発揮できることから2−エチルヘキシルアクリレートセグメント及び/又はブチルアクリレートセグメントが好適である。
上記アクリル系共重合体は、例えば、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内に官能基を有するアクリル系ポリマー(以下、官能基含有アクリル系ポリマーともいう)を予め合成し、分子内に上記官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物ともいう)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有アクリル系ポリマーは、イソボロニルアクリレートと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル酸エステルとを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られる。上記官能基含有アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種モノマーが挙げられる。
上記官能基含有アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、例えば、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合は、エポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基がヒドロキシル基の場合は、イソシアネー
ト基含有モノマーが用いられ、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基がエポキシ基の場合は、カルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基がアミノ基の場合は、エポキシ含有モノマーが用いられる。
上記アクリル系共重合体における各セグメントの含有量としては特に限定されないが、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来するセグメントとの合計に占めるイソボロニルアクリレートセグメントの比の好ましい下限が10重量%である。10重量%未満であると、充分なブリードアウト低減効果が得られないことがある。より好ましい下限は20重量%である。イソボロニルアクリレートの比の上限については特に限定されないが、得られるアクリル系共重合体のガラス転移温度が常温(23℃)以下となるようにすることが好ましい。アクリル系共重合体のガラス転移温度が常温(23℃)を超えると、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートは常温下において粘着性を発揮し得ない。
例えば、2−エチルヘキシルアクリレートセグメントとの組み合わせにおいては、イソボロニルアクリレートの比の上限は70重量%であり、ブチルアクリレートセグメントとの組み合わせにおいては、イソボロニルアクリレートの比の上限は70重量%である。
上記ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーの1分子あたりの官能基数は5以上であることが好ましい。5未満であると、粘着剤の硬化(架橋)が不充分となり接着力の低下が充分でないことがある。
また、上記ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
このようなラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーとしては特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、市販のオリゴマー状のエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イソボロニルアクリレート(IBA)セグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とする粘着剤層は、必要に応じて、光重合開始剤又は熱重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有する場合には光硬化性とすることができ、熱重合開始剤を含有する場合には熱硬化性とすることができる。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体
化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂社製)等が好適である。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層としては、その他にポリエステル、ゴム等のエラストマー、シリコーン樹脂、ナイロン、ポリイミド等が挙げられる。
上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層には、研削後には本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートと半導体ウエハとを容易に剥離することができるようにするために、刺激を与えると気体を発生する気体発生剤や、加熱により発泡する微粒子等を含有させることが好ましい。
また、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートが両面粘着シートである場合には、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層にのみ上記気体発生剤や上記微粒子等を含有させてもよく、両方の粘着剤層に上記気体発生剤や上記微粒子等を含有させてもよいが、後者の場合には、一方の粘着剤層には、刺激を与えると気体を発生する気体発生剤を含有させる、他方の粘着剤層には、加熱により発泡する微粒子を含有させることが好ましい。
上記粘着剤層が気体発生剤を含有する場合には、硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、接着面の少なくとも一部を剥離して接着性を低下させることができる。また、上記アクリル系共重合体がイソボロニルアクリレートセグメントを有することにより、粘着剤層からの気体発生剤のブリードアウトを効果的に制御し、粘着剤の保存安定性を向上することができる。
上記刺激としては、例えば、光、熱、超音波、衝撃等による刺激が挙げられる。なかでも光又は熱による刺激が好ましい。上記光としては、例えば、紫外線や可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、気体発生剤を含有する粘着剤層は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。
上記気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物及び/又はアジド化合物であることが好ましい。
上記アゾ化合物としては特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾ
ビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾイリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
ICチップの製造においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入ることから、これらのなかでも熱分解温度の高い2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好適である。
これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アジド化合物としては特に限定されず、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマーなどのアジド基を有するポリマー等が挙げられる。
これらのアジド化合物は、光、熱、超音波及び衝撃等の刺激を与えることによりにより窒素ガスを発生する。
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによって半導体ウエハ等の被着体が損傷することがあるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないため半導体ウエハ等の被着体を損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。したがって、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
上記気体発生剤は、上記粘着剤層中に溶解していることが好ましい。上記気体発生剤が粘着剤層中に溶解していることにより、刺激を与えたときに気体発生剤から発生した気体が効率よく粘着剤層の外に放出される。また、上記気体発生剤が粘着剤層中に粒子として存在すると、気体を発生させる刺激として光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、粘着剤層の表面平滑性が悪くなったりすることがある。なお、上記気体発生剤が粘着剤層中に溶解していることは、電子顕微鏡により粘着剤層を観察したときに気体発生剤の粒子が見あたらないことにより確認することができる。
上記気体発生剤を粘着剤層中に溶解させるためには、上記粘着剤層を構成する粘着剤に溶解する気体発生剤を選択すればよい。なお、粘着剤に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより粘着剤層中に気体発生剤をできるかぎり微分散させることが好ましい。粘着剤層中に気体発生剤を微分散させるためには、気体発生剤は、微小な粒子であることが好ましく、更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。即ち、電子顕微鏡により上記粘着剤層を観察したときに気体発生剤を確認することができない状態まで分散させることがより好ましい。
上記気体発生剤の含有量としては、気体発生剤の種類により適宜選択すればよいが、例えば、気体発生剤としてアゾ化合物を用いる場合には、粘着剤100重量部に対して好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。5重量部未満であると、充分な剥離圧力が得られず剥離できないことがあり、50重量部を超えると、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生することがある。より好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記粘着剤層は、上記気体発生剤としてアジド化合物又はアゾ化合物等の光による刺激により気体を発生する気体発生剤を含有している場合には、更に光増感剤を含有することが好ましい。上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができるので、被着体がポリイミド等のアジド化合物又はアゾ化合物から気体を発生させる波長の光を透過しないものであっても、被着体越しに光を照射して気体を発生させることができ被着体の選択の幅が広がる。上記光増感剤としては特に限定されないが、例えば、チオキサントン増感剤等が好適である。なお、チオキサントン増感剤は、光重合開始剤としても用いることができる。
上記粘着剤層には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートが両面粘着シートである場合には、半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層と反対側の粘着剤層としては、上記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層と同じでもよく、従来公知の粘着剤層でもよいが、好ましくは前者である。
上記基材の材料としては特に限定されず、例えば、ポリアクリル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記基材の厚さとしては特に限定されないが、好ましい上限は100μmである。100μmを超えると、剥離のときに大きな力を要する。
また、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートが片面粘着シートである場合には、半導体ウエハのサポート性を高くするために、基材の厚みの下限が50μmであることが好ましい。
また、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートが両面粘着シートである場合は、半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層と反対側の粘着剤層にガラス基板等の硬い基板を貼り合わせることにより、半導体ウエハのサポート性を高くすることができる。
本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートを製造する方法としては特に限定されず、例えば
、ポリエチレンテレフタレート等の基材表面に、上記成分を含有する粘着剤等をドクターナイフやスピンコーター等を用いて塗工する等の従来公知の方法を用いることができる。
本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートは、半導体ウエハの研削性に優れ、半導体ウエハを極めて薄く研削した場合であっても半導体ウエハに反りが発生することを防止することができ、かつ、糊残りすることなく剥離可能である。
本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートを用いて半導体ウエハを研削する際には、半導体ウエハの回路が形成された面に、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートの粘着剤層を貼り付け、上記半導体ウエハの前記回路が形成された面の反対側面に研削処理を施す方法が挙げられる。
また、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートが両面粘着シートである場合には、半導体ウエハの回路が形成された面に、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートの半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を貼り付け、上記半導体ウエハに貼り付けた粘着剤層と反対側の粘着剤層と、ガラス基板等の支持板とを貼り合わせ、上記半導体ウエハの前記回路が形成された面の反対側面に研削処理を施す方法が挙げられる。
一方の面上に回路が形成された半導体ウエハの上記回路が形成された面の反対側面を研削する半導体ウエハの研削方法であって、上記半導体ウエハの上記回路が形成された面に、本発明の半導体ウエハ研削用粘着シートの前記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を貼り付け、上記半導体ウエハの上記回路が形成された面の反対側面に研削処理を施す工程を有する半導体ウエハの研削方法もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、半導体ウエハの研削性に優れ、半導体ウエハを極めて薄く研削した場合であっても半導体ウエハが割れず、かつ、糊残りすることなく剥離可能な半導体ウエハ研削用粘着シート、及び、該半導体ウエハ研削用粘着シートを用いた半導体ウエハの研削方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)粘着剤の調製
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量30万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.25重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤Aの酢酸エチル溶液を調製した。
イソボロニルアクリレート 40重量部
2−エチルヘキシルアクリレート 60重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤Aの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)10重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤Bを調製した。
(2)粘着シートの作製
粘着剤Aの酢酸エチル溶液を、厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤A層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
粘着剤Bの酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤B層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
次いで、粘着剤A層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤A層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤B層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤B層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された半導体ウエハ研削用粘着シートを得た。半導体ウエハ研削用粘着シートの粘着剤層はいずれも透明であった。
(実施例2)
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量30万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.1重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤Aの酢酸エチル溶液を調製した。
2−エチルヘキシルアクリレート 100重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
以下、粘着剤Aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤B、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
(実施例3)
実施例1と同様のアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)50重量部、ポリイソシアネート1重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部を混合し粘着剤Aの酢酸エチル溶液を調製した。
以下、粘着剤Aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤B、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
(実施例4)
実施例1と同様のアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート1重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、アゾ化合物(VAm110)27.2重量部、チオキサントン系光増感剤(DETX−S)4.896重量部を混合し粘着剤Aの酢酸エチル溶液を調製した。
以下、粘着剤Aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤B、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
(実施例5)
実施例1と同様のアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤Aの酢酸エチル溶液を調製した。
以下、粘着剤Aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤B、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
(実施例6)
実施例1と同様のアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤aの酢酸エチル溶液を調製した。
以下、粘着剤aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤b、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
(比較例1)
実施例1と同様のアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ポリイソシアネート1重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部を混合し粘着剤aの酢酸エチル溶液を調製した。
以下、粘着剤aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤b、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
(比較例2)
実施例1と同様のアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート35重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート1重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、アゾ化合物(VAm110)40.8重量部、チオキサントン系光増感剤(DETX−S)4.896重量部を混合し粘
着剤aの酢酸エチル溶液を調製した。
以下、粘着剤aを用いた以外は、実施例1と同様にして気体発生剤を含有する粘着剤b、及び、半導体ウエハ研削用粘着シートを製造した。
<評価>
(1)弾性率測定
実施例1〜6及び比較例1〜2で作製した半導体ウエハ研削用粘着シートについて、粘着剤層の弾性率を、周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した、動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率として求めた。
結果を表1に示した。
(2)ゲル分率測定
酢酸エチル3.0gに対して実施例及び比較例で作製した気体発生剤を含有する粘着剤B又はbを0.1g入れて24時間振盪し、50μmマス目のメッシュで不溶成分を取り出し、この不溶成分を110℃で1時間乾燥し、この重さをC(g)とした。ゲル分率は1000C(%)で規定される。
結果を表1に示した。
(3)基材と粘着剤層との接着力の評価
実施例1〜6及び比較例1〜2で作製した半導体ウエハ研削用粘着シートについて、粘着剤層側からセパレータをしたまま紫外線を照射した。次いで、セパレータを剥離した後、JIS K 5400に記載された碁盤目テープ法により、粘着剤層と基材との接着力を評価した。即ち、カッターナイフを用いて粘着剤層の表面にすきま間隔5mm、ます目の数が9点になるように切り傷を付けた碁盤目を形成した。次いで、碁盤目の上に接着部分の長さが約50mmとなるようにスリオンテック社製スリオンテープ#6260を貼り付け、消しゴムでこすって完全に付着させた。テープを付着させてから2分後にテープの一方の秦を持って瞬間的に引き剥がした。このときの碁盤目の傷の状態を目視により観察し、JIS K 5400に従い評価を行った。
結果を表1に示した。
(4)回路追従性評価
実施例1〜6及び比較例1〜2で作製した半導体ウエハ研削用粘着シートを5μm段差、50μm幅の回路付きパターンに常温でラミネートし、100倍の顕微鏡でエア噛みを観察し、以下の基準により評価した。
結果を表1に示した。
○:半導体ウエハ研削用粘着シートと半導体ウエハの回路が形成されている面とがエア噛みを生じることなく接着していた。
×:半導体ウエハ研削用粘着シートと半導体ウエハの回路が形成されている面との間にエア噛みが生じた。
Figure 2006216721
本発明によれば、半導体ウエハの研削性に優れ、半導体ウエハを極めて薄く研削した場合であっても半導体ウエハが割れず、かつ、糊残りすることなく剥離可能な半導体ウエハ研削用粘着シート、及び、該半導体ウエハ研削用粘着シートを用いた半導体ウエハの研削方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも基材の一方の面に、半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を有する半導体ウエハ研削用粘着シートであって、前記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層は、周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上であり、かつ、ゲル分率が70%以下であることを特徴とする半導体ウエハ研削用粘着シート。
  2. 一方の面上に回路が形成された半導体ウエハの前記回路が形成された面の反対側面を研削する半導体ウエハの研削方法であって、
    前記半導体ウエハの前記回路が形成された面に、請求項1記載の半導体ウエハ研削用粘着シートの前記半導体ウエハに貼り付ける粘着剤層を貼り付け、前記半導体ウエハの前記回路が形成された面の反対側面に研削処理を施す工程を有する
    ことを特徴とする半導体ウエハの研削方法。
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