JP2006213535A - 廃棄物をガス化溶融炉で処理する際に発生する塩水からの塩製造方法及び装置 - Google Patents
廃棄物をガス化溶融炉で処理する際に発生する塩水からの塩製造方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ガス化溶融炉の排水から品質の高い混合塩を製造する方法を提供する。
【解決手段】廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水をから塩を製造する塩製造方法において、少なくとも、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程を含み、該塩晶析工程で得られた塩スラリーを脱水工程によって脱水することを特徴とする塩製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水をから塩を製造する塩製造方法において、少なくとも、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程を含み、該塩晶析工程で得られた塩スラリーを脱水工程によって脱水することを特徴とする塩製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造方法及びその装置に関する。
従来より、産業廃棄物あるいは一般廃棄物の焼却処理は、様々な型式で実施されてきたが、近年、焼却場における排出ガス中のダイオキシン類などの微量有害物質の排出基準が強化され、また、焼却主灰を埋め立てる主に安定型埋立処分場、さらには焼却飛灰を法律で定められた4つの方式のうちの1つで中間処理を施した後埋め立てる管理型埋立処分場の残余量が逼迫する等、従来の焼却処理型式を踏襲し更新することが困難なケースが増加しつつある。また、資源循環型社会の創出という観点からも、廃棄物をただ単に焼却するのではなく、廃棄物をガス化し、高温で改質することにより、燃料ガスあるいは化学原料ガスとして回収するシステム(非特許文献1参照)が望まれている。
このようなガス化改質方式の焼却施設として例えば図1に示されるようなプロセスフローになる川鉄サーモセレクト方式による廃棄物ガス化溶融プロセスが開発された(非特許文献2参照)。
このプロセスは次の4つのステップから工程から構成されている。
このプロセスは次の4つのステップから工程から構成されている。
(1)プレス・ 脱ガスチャンネル
(a)ごみ(廃棄物)の圧縮、(b)乾燥・ 熱分解
(2)高温反応炉・ 均質化炉
(c)ガス化溶融、(d)スラグ均質化、(e)ガス改質
(3)ガス精製
(f)ガス急冷(急冷・酸洗浄・アルカリ洗浄)、(g)ガス精製(除塵・脱硫・除湿)
(4)水処理
(h)水処理・ 塩製造装置
(a)ごみ(廃棄物)の圧縮、(b)乾燥・ 熱分解
(2)高温反応炉・ 均質化炉
(c)ガス化溶融、(d)スラグ均質化、(e)ガス改質
(3)ガス精製
(f)ガス急冷(急冷・酸洗浄・アルカリ洗浄)、(g)ガス精製(除塵・脱硫・除湿)
(4)水処理
(h)水処理・ 塩製造装置
各ステップの概要は次のとおりである。
(1)プレス・ 脱ガスチャンネル
(a)まずピット1から移送された廃棄物をプレス2で最初の容積の1/5 程度に圧縮する。これにより廃棄物中の水分の分布は均一化され、空気は排除されて脱ガス効率が向上する。
(b)次に圧縮された廃棄物は間接的加熱炉である脱ガスチャンネル3で脱ガス(水分の蒸発、熱分解による揮発分の発生)され、続いて高温反応炉4からの放射熱などによりさらに熱分解される。廃棄物中に含まれる炭化水素、セルロースの熱分解反応として次のような反応例((1),(2)式)があり、これらの反応により熱分解カーボンが得られる。
CnHm → xCH4+yH2+zC (1)
3C6H10O5 → 8H2O+C6H8O+2CO2+2CO
+CH4+H2+7C (2)
(1)プレス・ 脱ガスチャンネル
(a)まずピット1から移送された廃棄物をプレス2で最初の容積の1/5 程度に圧縮する。これにより廃棄物中の水分の分布は均一化され、空気は排除されて脱ガス効率が向上する。
(b)次に圧縮された廃棄物は間接的加熱炉である脱ガスチャンネル3で脱ガス(水分の蒸発、熱分解による揮発分の発生)され、続いて高温反応炉4からの放射熱などによりさらに熱分解される。廃棄物中に含まれる炭化水素、セルロースの熱分解反応として次のような反応例((1),(2)式)があり、これらの反応により熱分解カーボンが得られる。
CnHm → xCH4+yH2+zC (1)
3C6H10O5 → 8H2O+C6H8O+2CO2+2CO
+CH4+H2+7C (2)
(2)高温反応炉・ 均質化炉
(c)脱ガスチャンネル3で発生したガスは高温反応炉4に流入し、熱分解物は新たな圧縮廃棄物の装入により押し出されて高温反応炉4下部に堆積する。高温反応炉4下部にPSA(Pressure Swing Adsorption;圧力スイング吸着)6で製造した酸素を吹き込み、該酸素と熱分解物中の炭素との反応((3),(4)式)により下部の温度は中心部で最高約2000℃になり、廃棄物中の金属や無機質の成分は溶融する。
C+O2 ⇔ CO2+ΔQ (3)
C+1/2O2 ⇔CO+ΔQ (4)
(c)脱ガスチャンネル3で発生したガスは高温反応炉4に流入し、熱分解物は新たな圧縮廃棄物の装入により押し出されて高温反応炉4下部に堆積する。高温反応炉4下部にPSA(Pressure Swing Adsorption;圧力スイング吸着)6で製造した酸素を吹き込み、該酸素と熱分解物中の炭素との反応((3),(4)式)により下部の温度は中心部で最高約2000℃になり、廃棄物中の金属や無機質の成分は溶融する。
C+O2 ⇔ CO2+ΔQ (3)
C+1/2O2 ⇔CO+ΔQ (4)
高温反応炉4下部に残存する炭素成分とO2が発熱反応しCO2になる。発生したCO2 はCを含有する熱分解物中を通過するとCOに還元される((5)式)。
C+CO2 ⇔ 2CO−ΔQ (5)
過剰の高温水蒸気分子が存在する場合は水性ガス化反応が生ずる。この場合、炭素と水蒸気がCOとH2に転換する((6)式)。
C+H2O ⇔ CO+H2−ΔQ (6)
有機化合物はCOとH2などに熱分解される((7)式)。
C+CO2 ⇔ 2CO−ΔQ (5)
過剰の高温水蒸気分子が存在する場合は水性ガス化反応が生ずる。この場合、炭素と水蒸気がCOとH2に転換する((6)式)。
C+H2O ⇔ CO+H2−ΔQ (6)
有機化合物はCOとH2などに熱分解される((7)式)。
CnHm+nH2O→nCO+(n+1/2m)H2 −ΔQ (7)
(d)溶融物は高温反応炉4から約1600℃に保持された均熱化炉5へ流れ、微量の炭素等はガス化される。均質化炉5において金属溶融物 (メタル)は密度が大きいため、無機質溶融物(スラグ)の下部に溜まる。これらは連続的に溢流堰を通り水砕システム7へ流れ落ちて冷却固化される。冷却固化した回収混合物は磁選によりスラグ、メタルに分離される。
(d)溶融物は高温反応炉4から約1600℃に保持された均熱化炉5へ流れ、微量の炭素等はガス化される。均質化炉5において金属溶融物 (メタル)は密度が大きいため、無機質溶融物(スラグ)の下部に溜まる。これらは連続的に溢流堰を通り水砕システム7へ流れ落ちて冷却固化される。冷却固化した回収混合物は磁選によりスラグ、メタルに分離される。
(e)高温反応炉4下部で発生したガスと脱ガスチャンネルで発生した熱分解ガスは合流し、高温反応炉4上部の改質部において約1200℃で2s 以上滞留する。この条件で、ガス中のタール分やダイオキシン類およびその前駆体は完全に分解され、H2,CO,CO2,H2Oを主成分とする粗合成ガスに改質される。約1200℃の温度では(8)式の平衡が右辺に移動し、メタンガスの量は極微量となる。
CH4+H2O ⇔ CO+3H2 (8)
CH4+H2O ⇔ CO+3H2 (8)
(3)ガス精製
(f)高温反応炉4で改質された粗合成ガスを、急冷装置8で約1200℃から約70℃まで急水冷し、de novo 合成によるダイオキシン類の再合成を阻止した後、洗浄塔11において、酸洗浄により重金属を、アルカリ洗浄により酸性ガスを、それぞれ除去する。
ここで、沸点の低いZn,Pbなどの重金属成分は主として高温反応炉4からガスの状態で移送される。また、廃棄物に含まれる塩素は、主としてHClとして合成ガス中に存在し、HClは冷却・洗浄液に溶け込む。このHClを含む酸性水(pH2〜3)によって粗合成ガスは洗浄され、重金属成分が取り除かれる(例えば(9),(10)式)。よって、このプロセスでは飛灰は発生しない。
Zn+2HCl→H2+ZnCl2 (9)
Pb+2HCl→H2+PbCl2 (10)
(f)高温反応炉4で改質された粗合成ガスを、急冷装置8で約1200℃から約70℃まで急水冷し、de novo 合成によるダイオキシン類の再合成を阻止した後、洗浄塔11において、酸洗浄により重金属を、アルカリ洗浄により酸性ガスを、それぞれ除去する。
ここで、沸点の低いZn,Pbなどの重金属成分は主として高温反応炉4からガスの状態で移送される。また、廃棄物に含まれる塩素は、主としてHClとして合成ガス中に存在し、HClは冷却・洗浄液に溶け込む。このHClを含む酸性水(pH2〜3)によって粗合成ガスは洗浄され、重金属成分が取り除かれる(例えば(9),(10)式)。よって、このプロセスでは飛灰は発生しない。
Zn+2HCl→H2+ZnCl2 (9)
Pb+2HCl→H2+PbCl2 (10)
このように、このプロセスでは廃棄物中の塩素分が有効に利用される。洗浄液は沈降槽12に送られて炭素微粒子を取り除かれ、熱交換器15Aで間接冷却された後、再びガスの急冷に循環使用される。ごみに由来する水は沈降槽12で余剰水となり、水処理装置13へ送られて処理される。
酸洗浄された合成ガスは、アルカリ洗浄され、塩化水素ガスなどの酸性ガスが中和除去される((11)式)。生成したNaClは最終的には、塩製造装置14で混合塩として回収される。
HCl+NaOH→NaCl+H2O (11)
HCl+NaOH→NaCl+H2O (11)
(g)さらに、ガスは洗浄塔11からマルチスクラバー9に送られて除塵され、脱硫洗浄され、除湿乾燥されて、有害物質を除去されたクリーンな精製合成ガスとなり、例えばガスエンジン発電機10の燃料ガスとして使用される。
(4)水処理
(h)ガス改質工程までに生成したH2 Oがガス急冷・精製工程で凝縮し、従来の焼却方式では飛灰となって排ガス中に含まれていた重金属や塩類はすべて洗浄水中に移行する。そのため、飛灰は発生せず、Fe,Zn,Pb,Na,Kなどの金属を含む水が発生するが、水処理装置13により、金属は水酸化物や混合塩などの有用物として回収される。
また、(11)式の反応で生成したNaClは、水処理装置13から塩製造装置14に送られて精製され、混合塩として回収される。
(h)ガス改質工程までに生成したH2 Oがガス急冷・精製工程で凝縮し、従来の焼却方式では飛灰となって排ガス中に含まれていた重金属や塩類はすべて洗浄水中に移行する。そのため、飛灰は発生せず、Fe,Zn,Pb,Na,Kなどの金属を含む水が発生するが、水処理装置13により、金属は水酸化物や混合塩などの有用物として回収される。
また、(11)式の反応で生成したNaClは、水処理装置13から塩製造装置14に送られて精製され、混合塩として回収される。
ところで、上記の混合塩を有価物として再利用するには、混合塩中に含まれるNH4、Al等の金属の量を低減しなければならない。
しかしながら、一般廃棄物には、可燃物中に窒素が0.5〜2%(5000〜20000mg/kg)程度含まれており、この窒素分は空気の少ない還元性雰囲気で行われる熱分解の際に一部がアンモニアに転化し、該アンモニアは粗合成ガスに含まれ、急冷〜酸洗浄の際に同ガス中の塩化水素と反応して塩化アンモニウムを生成し、これが洗浄液中に溶解し、洗浄廃液(洗浄に使用した後の洗浄液)から混合塩を回収する場合、該混合塩の品位(NaCl濃度)を低下させ、その用途を制限するという問題があった。
しかしながら、一般廃棄物には、可燃物中に窒素が0.5〜2%(5000〜20000mg/kg)程度含まれており、この窒素分は空気の少ない還元性雰囲気で行われる熱分解の際に一部がアンモニアに転化し、該アンモニアは粗合成ガスに含まれ、急冷〜酸洗浄の際に同ガス中の塩化水素と反応して塩化アンモニウムを生成し、これが洗浄液中に溶解し、洗浄廃液(洗浄に使用した後の洗浄液)から混合塩を回収する場合、該混合塩の品位(NaCl濃度)を低下させ、その用途を制限するという問題があった。
厚生省:厚生省令第14号、1999年3月3日「ガス化改質方式」
川崎製鉄技報 32(2000)4,287−291
本発明は、ガス化溶融炉の排水から品質の高い混合塩を製造すると共に、水分をプラント内で再利用水として回収することを目的とする。
本発明者らは、これらの問題を解決し、廃棄物をガス化改質し、洗浄、精製して精製合成ガスを得る廃棄物処理系において、洗浄廃液から資源として再利用可能なまでに品質の向上した混合塩を製造する処理方法を見いだすべく鋭意検討した結果、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程を組み合わせることにより上記課題を解決することができることを見いだして本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明の構成は次に記載する通りのものである。
すなわち、本発明の構成は次に記載する通りのものである。
(1)廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造方法において、少なくとも、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程を含み、該塩晶析工程で得られた塩スラリーを脱水工程によって脱水することを特徴とする塩製造方法。
(2)前記脱水工程が遠心分離によって行われることを特徴とする上記(1)の塩製造方法。
(3)前記塩晶析工程が真空蒸発によって行われることを特徴とする上記(1)、(2)の塩製造方法。
(4)前記真空蒸発の際に蒸発蒸気に同伴される塩分をサイクロン又はデミスターによって除去することを特徴とする上記(3)の塩製造方法。
(2)前記脱水工程が遠心分離によって行われることを特徴とする上記(1)の塩製造方法。
(3)前記塩晶析工程が真空蒸発によって行われることを特徴とする上記(1)、(2)の塩製造方法。
(4)前記真空蒸発の際に蒸発蒸気に同伴される塩分をサイクロン又はデミスターによって除去することを特徴とする上記(3)の塩製造方法。
(5)前記脱NH4工程が被処理液にNaOHを添加し真空蒸発処理によって行われることを特徴とする上記(1)〜(4)の塩製造方法。
(6)前記脱NH4工程における真空蒸発処理が多重効用缶を用いた真空蒸発によって行われることを特徴とする上記(5)の塩製造方法。
(7)前記脱NH4工程における真空蒸発処理が被処理液のpHを10〜13.5のアルカリ性として行われることを特徴とする上記(5)、(6)の塩製造方法。
(8)前記の、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程の各工程がこの順に進行することを特徴とする上記(1)〜(7)の塩製造方法。
(6)前記脱NH4工程における真空蒸発処理が多重効用缶を用いた真空蒸発によって行われることを特徴とする上記(5)の塩製造方法。
(7)前記脱NH4工程における真空蒸発処理が被処理液のpHを10〜13.5のアルカリ性として行われることを特徴とする上記(5)、(6)の塩製造方法。
(8)前記の、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程の各工程がこの順に進行することを特徴とする上記(1)〜(7)の塩製造方法。
(9)前記塩水に含まれるCaを除去するCa除去工程を更に含むことを特徴とする上記(1)〜(8)の塩製造方法。
(10)前記Ca除去工程が、脱NH4工程の前に行われることを特徴とする上記(9)の塩製造方法。
(11)前記の、Ca除去工程、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程の各工程がこの順に進行することを特徴とする上記(9)、(10)の塩製造方法。
(12)廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造装置において、該装置が、少なくとも、塩水濃縮手段、脱NH4手段、塩晶析手段を含み、かつ、塩晶析手段によって得られた塩スラリーを脱水する脱水手段を具備したことを特徴とする塩製造装置。
(10)前記Ca除去工程が、脱NH4工程の前に行われることを特徴とする上記(9)の塩製造方法。
(11)前記の、Ca除去工程、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程の各工程がこの順に進行することを特徴とする上記(9)、(10)の塩製造方法。
(12)廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造装置において、該装置が、少なくとも、塩水濃縮手段、脱NH4手段、塩晶析手段を含み、かつ、塩晶析手段によって得られた塩スラリーを脱水する脱水手段を具備したことを特徴とする塩製造装置。
(13)廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造装置において、該装置が、少なくとも、Ca除去手段、塩水濃縮手段、脱NH4手段、塩晶析手段を含み、かつ、塩晶析手段によって得られた塩スラリーを脱水する脱水手段を具備したことを特徴とする塩製造装置。
(14)上記(1)〜(11)の塩製造方法によって製造され、その不純物濃度が、NH4≦10mg/kg(dry)であることを特徴とする塩。
(14)上記(1)〜(11)の塩製造方法によって製造され、その不純物濃度が、NH4≦10mg/kg(dry)であることを特徴とする塩。
本発明によれば、廃棄物を溶融ガス化処理又は焼却処理する際に、ガス処理系で発生する塩を含有する塩水から、苛性ソーダ工業用原料等に再利用できる品質の高い混合塩を製造することができる。
廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を有価物として再利用するには、混合塩中に含まれるNH4の量を低減しなければならない。
例えば、苛性ソーダ工業用原料として塩を再利用するには、下記の表1に示したような程度にまで不純物濃度を低減させることが好ましい。
例えば、苛性ソーダ工業用原料として塩を再利用するには、下記の表1に示したような程度にまで不純物濃度を低減させることが好ましい。
上記不純物を除去するため、本発明の塩製造方法は、少なくとも、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程を含んでおり、更にはCa除去工程を含んでいる。
本発明の方法を実施するための工程図の一例を図2に示し、この図に基づいて本発明を説明する。
本発明の方法を実施するための工程図の一例を図2に示し、この図に基づいて本発明を説明する。
塩原水は凝集沈殿装置Aに送られる。凝集沈澱装置Aには凝集剤(FeCl3、NaOH、Na2CO3等)が供給され、ここでCaを凝集分離し汚泥(a1)として排出する。これは、Caが次工程のアンモニア蒸発工程でスケールを生成する可能性が高いので、ここで予めCaを除去しておくためである。
凝集沈殿装置Aにおいて沈殿物から分離された分離液(a2)は予熱された後、真空蒸発装置Bに送られ、ここで、アンモニア(b2)を蒸発除去する。蒸発装置としては、低温度で蒸発操作が可能であり、必要熱量が少なくて済み、材質面でも有利な真空蒸発装置を用いることが好ましく、多重効用缶を用いた真空蒸発装置がより好ましい。
蒸発に際しては処理液をpH10〜13.5のアルカリ性とすることが好ましい。アンモニアを除去するにはpH12.5程度は必要であり、pH10未満であるとアンモニアの除去効率が悪い。また、pH13.5を超えると蒸発缶の材質に悪影響を及ぼすので好ましくない。蒸発したアンモニアは水蒸気と共にコンデンサーで凝縮され、アンモニア(b2)を溶解した凝縮水(安水)となり、貯蔵されたのち、適宜、図示しないアンモニアストリッパーにより安水からアンモニアガスを放散させて、このアンモニアの一部はアンモニア分解工程で窒素ガスと水蒸気とに分解した後、系外に放出され、残部は、必要に応じてアンモニア無触媒脱硝酸反応器に供給される。
真空蒸発装置で濃縮された塩水(b1)は晶析装置Cに送られる。晶析装置としては、加熱蒸発装置、真空加熱蒸発装置等を用いることができる。
晶析装置Cから排出される塩スラリー(c1)は脱水装置Dに送って脱水し混合塩(d1)を得る。得られた混合塩は製品として系外に搬出され、分離水(d2)は晶析装置Cに戻される。脱水装置Dとしては、遠心分離機、フィルタープレス等を用いることができる。
晶析装置Cから排出される蒸発蒸気(c2)は凝縮後、再利用水として系内で使用される。晶析装置Cから排出される蒸発蒸気(c2)は上記のように、再利用水として利用されるので、蒸発蒸気に同伴される塩分はサイクロン又はデミスターによって除去し塩分濃度を低めておくことが好ましい。
ガス化溶融炉のガス処理系で発生した塩水(塩原水中の塩濃度1〜5%、流量350m3/日)を図2に示したフローで処理した。脱アンモニア工程ではpHを約12.5に制御した。
塩原水中の不純物濃度及び得られた混合塩中の不純物濃度は表2に示すとおりであった。表2に示すように、本発明の方法によって得られた混合塩は苛性ソーダ工業用原料として再利用することができる程度に不純物濃度が低減されている。
塩原水中の不純物濃度及び得られた混合塩中の不純物濃度は表2に示すとおりであった。表2に示すように、本発明の方法によって得られた混合塩は苛性ソーダ工業用原料として再利用することができる程度に不純物濃度が低減されている。
本発明の方法によれば、廃棄物処理装置から排出されるNa等の塩を含む原水から不純物濃度が低く品質の高い塩を製造することができるので、得られた塩を苛性ソーダ工業用原料等に再利用することができる。
1 ピット
2 プレス
3 脱ガスチャンネル
4 高温反応炉
5 均質化炉
6 PSA(Pressure Swing Adsorption;圧力スイング吸着)
7 水冷システム
8 急冷装置
9 マルチスクラバー
10 ガスエンジン発電機
11 洗浄塔
12 沈降槽
13 水処理装置
14 塩製造装置
15 熱交換器
2 プレス
3 脱ガスチャンネル
4 高温反応炉
5 均質化炉
6 PSA(Pressure Swing Adsorption;圧力スイング吸着)
7 水冷システム
8 急冷装置
9 マルチスクラバー
10 ガスエンジン発電機
11 洗浄塔
12 沈降槽
13 水処理装置
14 塩製造装置
15 熱交換器
Claims (14)
- 廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造方法において、少なくとも、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程を含み、該塩晶析工程で得られた塩スラリーを脱水工程によって脱水することを特徴とする塩製造方法。
- 前記脱水工程が遠心分離によって行われることを特徴とする請求項1記載の塩製造方法。
- 前記塩晶析工程が真空蒸発によって行われることを特徴とする請求項1又は2記載の塩製造方法。
- 前記真空蒸発の際に蒸発蒸気に同伴される塩分をサイクロン又はデミスターによって除去することを特徴とする請求項3記載の塩製造方法。
- 前記脱NH4工程が被処理液にNaOHを添加し真空蒸発処理によって行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塩製造方法。
- 前記脱NH4工程における真空蒸発処理が多重効用缶を用いた真空蒸発によって行われることを特徴とする請求項5記載の塩製造方法。
- 前記脱NH4工程における真空蒸発処理が被処理液のpHを10〜13.5のアルカリ性として行われることを特徴とする請求項5又は6記載の塩製造方法。
- 前記の、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程の各工程がこの順に進行することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の塩製造方法。
- 前記塩水に含まれるCaを除去するCa除去工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の塩製造方法。
- 前記Ca除去工程が、脱NH4工程の前に行われることを特徴とする請求項9に記載の塩製造方法。
- 前記の、Ca除去工程、塩水濃縮工程、脱NH4工程、塩晶析工程の各工程がこの順に進行することを特徴とする請求項9又は10に記載の塩製造方法。
- 廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造装置において、該装置が、少なくとも、塩水濃縮手段、脱NH4手段、塩晶析手段を含み、かつ、塩晶析手段によって得られた塩スラリーを脱水する脱水手段を具備したことを特徴とする塩製造装置。
- 廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH4、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する塩製造装置において、該装置が、少なくとも、Ca除去手段、塩水濃縮手段、脱NH4手段、塩晶析手段を含み、かつ、塩晶析手段によって得られた塩スラリーを脱水する脱水手段を具備したことを特徴とする塩製造装置。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の塩製造方法によって製造され、その不純物濃度が、NH4≦10mg/kg(dry)であることを特徴とする塩。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005025190A JP2006213535A (ja) | 2005-02-01 | 2005-02-01 | 廃棄物をガス化溶融炉で処理する際に発生する塩水からの塩製造方法及び装置 |
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