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JP2006205808A - 鉄道車両用台車 - Google Patents

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JP2006205808A
JP2006205808A JP2005018152A JP2005018152A JP2006205808A JP 2006205808 A JP2006205808 A JP 2006205808A JP 2005018152 A JP2005018152 A JP 2005018152A JP 2005018152 A JP2005018152 A JP 2005018152A JP 2006205808 A JP2006205808 A JP 2006205808A
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JP2005018152A
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Minoru Osada
実 長田
Asaki Watanabe
朝紀 渡邉
Eiichi Maehashi
栄一 前橋
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Abstract

【課題】 左右のレール間の短絡性能を更に向上させることのできる鉄道車両用台車を提供すること。
【解決手段】 車輪11と車輪12の間を通電する電源41と、車輪13と車輪14の間を通電する電源42と、を備え、車輪12と車輪14の間が絶縁されてなり、電源41による通電により形成される閉ループR1aに電流が通流され、電源42による通電により形成される閉ループR1bに電流が通流されて、車輪踏面とレール間の接触抵抗を低減して、左右のレール間の短絡性能を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軌道回路の短絡性能を向上させ得る鉄道車両用台車に関する。
従来から、列車運行の保安装置として、軌道回路を利用して列車が在線するか否かを検知する列車在線検知装置が実用化されている。この列車在線検知装置は、軌道回路内に車両が進入した際に、当該車両の車輪及び車軸でなる輪軸によって左右のレール間が短絡されることにより、軌道回路の送端側から送出された電圧の軌道回路の受端側での受電レベルが小さくなることを利用して、軌道回路内に車両が在線していることを検知する。
従って、上記した列車在線検知装置により軌道回路内の列車を検知するには、車輪及び車軸でなる輪軸により左右のレール間を確実に短絡させる必要がある。ところが、例えば、車輪踏面及びレール頭頂面の状態等によって左右のレール間の短絡が不十分となり、列車を検知できない場合があった。具体的には、例えば、車輪と接触するレール面に形成された粉塵、油、錆等による絶縁性の被膜により、車輪踏面とレール間の電気的な接触抵抗が増大し、短絡不良が起こる。
このような問題点を改善するため、例えば、特許文献1に開示されているように、鉄道車両用台車の前位輪軸及び後位輪軸それぞれの車軸の左端部間及び右端部間に所定の電圧を印加することによって、車輪踏面とレール間の接触抵抗を低減させる短絡支援装置が知られている。
図11を用いて具体的に説明する。図11は従来の短絡支援装置による電流の経路を説明するための図である。同図に示すように、2本のレールr91及びr92上を走行する鉄道車両用台車の前位及び後位に設置される車軸95及び96の左端部間及び右端部間に電源部97及び98がそれぞれ接続されている。この電源部97及び98は、同期制御されて、交流電源により左右の車軸端間にそれぞれ電圧を印加する。
そして、電源部98を通り、車軸95の一端から車輪93を介してレールr91を流れ、車輪94を介して車軸96の一端に流れる電流の閉ループR91が形成される。同様に、電源部97を通り、車軸95の他端から車輪91を介してレールr92を流れ、車輪92を介して車軸96の他端に流れる電流の閉ループR2が形成される。電源部97及び98により車軸の左端部同士間、右端部同士間に所定の交流電圧が印加されて絶縁性の被膜が破壊され、左右のレール間が短絡状態になる。
特開2004−224075号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術の場合、例えば一方のレールのみに絶縁性の被膜が付着している時には、レールの他方側のみに閉ループが形成され、一方側のレールの絶縁性の被膜が破壊されず、左右のレール間の短絡が不十分となる場合があった。例えばカーブ箇所等の鉄道車両用台車のレールに対する荷重が変化する場所においては、左右のレールに付着している錆の量が異なる場合がある。この場合、錆が多く付着しているレール側において閉ループが形成されず、絶縁性の被膜の破壊が十分になされない現象が起きていた。
図12を用いて具体的に説明する。例えば、車輪92とレールr92の当接部分に絶縁性の被膜がある場合、図11において示した閉ループR92は形成されず、電源部97を通り、車軸95の他端から車軸95の一端及び車輪93を介してレールr91を流れ、車輪94を介して車軸96の一端から車軸96の他端に流れる閉ループR93が形成される。つまり、車輪92とレールr92の当接部分と、車輪91とレールr92の当接部分とには電流が流れないため、該当接部分に存在する絶縁性の被膜を破壊する能力が低下し、左右のレールr91,r92間の短絡状態を改善する効果が小さかった。
本発明は、上記の従来の事情を鑑みて為されたものであり、左右のレール間の短絡性能を更に向上させることのできる鉄道車両用台車を提供することを目的とする。
以上で説明した課題を解決するための第1の発明は、前位輪軸及び後位輪軸の左右一方側の車輪間(例えば、図1の車輪11と車輪12の間)を通電させる一方側通電手段(例えば、図1の電源41)と、前位輪軸及び後位輪軸の左右他方側の車輪間(例えば、図1の車輪13と車輪14の間)を通電させる他方側通電手段(例えば、図1の電源42)と、を備え、前位輪軸及び後位輪軸が台車枠と絶縁され、且つ、後位輪軸の車輪間が絶縁されてなり、前記一方側通電手段の通電により左右一方側の前位輪軸及び後位輪軸の各車輪とレールとで形成される閉ループ(例えば、図1の閉ループR1a)に電流が環流され、前記他方側通電手段の通電により左右他方側の前位輪軸及び後位輪軸の各車輪とレールとで形成される閉ループ(例えば、図1の閉ループR2a)に電流が環流されて、車輪踏面とレール間の接触抵抗を低減することを特徴とする鉄道車両用台車である。
この第1の発明によれば、後位輪軸の車輪間を電気的に絶縁することにより、左右一方側及び他方側に、独立した通電回路となる閉ループを確実に構成させることができる。従って、各車輪踏面とレールの間に確実に通電することができ、レール上の絶縁性の被膜を破壊することができる。また、絶縁されるのは後位輪軸の車輪間であり、前位輪軸の車輪間は絶縁されない。このため、鉄道車両用台車が次の軌道回路に進入する際には、従来の台車と同様に、より先頭である前位輪軸の車輪間で次の軌道回路を短絡することができる。
第2の発明は、第1の発明の鉄道車両用台車であって、後位輪軸の左右一方側及び/又は他方側の車輪が絶縁部材(例えば、図2の絶縁部材51A及び52A、図3の絶縁部材51B、図4の絶縁部材51C及び52C)を介して車軸に固定されていることを特徴とする鉄道車両用台車である。
この第2の発明によれば、後位輪軸の左右一方側及び/又は他方側の車輪が絶縁部材を介して車軸に固定されることにより、後位輪軸の車輪間を電気的に絶縁することができる。これにより通電によって左右一方側及び他方側に確実に閉ループを形成させることができる。従って、各車輪踏面とレールの間を確実に通電して、レール上の絶縁性の被膜を破壊することができる。
第3の発明は、第1の発明の鉄道車両用台車であって、後位輪軸の左右一方側の車輪が絶縁部材(例えば、図3の絶縁部材51B)を介して車軸に固定され、前記他方側通電手段が後位輪軸の車軸の左右一方側の端部と接続され、前位輪軸及び後位輪軸の各車輪への通電用のブラシ(例えば、図3のブラシ73B、74B、75B及び76B)が左右一方側に設けられていることを特徴とする鉄道車両用台車である。
この第3の発明によれば、後位輪軸の左右一方側の車輪が絶縁部材を介して車軸に固定され、他方側通電手段が後位輪軸の車軸の左右一方側の端部と接続されることで、後位輪軸の左右他方側の車輪へ通電される。また、各ブラシが左右一方側に設けられている。このため、各車輪への通電に係る部材を左右一方側に集約して設置することができ、左右他方側への配線や速度発電機の取り付け等の便宜に資することができる。
第4の発明は、第1の発明の鉄道車両用台車であって、後位輪軸の車軸は中空軸(例えば、図2の車軸22A)であり、後位輪軸の車軸の内部に当該車軸と絶縁された状態で設けられた導通部材(例えば、図2の導通部材61A)を更に備え、後位輪軸の左右の車輪が絶縁部材を介して車軸に固定され、後位輪軸の左右他方側の車輪と前記導通部材の左右他方側の端部とが接続され、前記他方側通電手段が前記導通部材の左右一方側の端部に接続され、前位輪軸及び後位輪軸の各車輪への通電用のブラシ(例えば図2のブラシ73A、74A及び75A)が左右一方側に設けられていることを特徴とする鉄道車両用台車である。
この第4の発明によれば、後位輪軸の車軸として中空軸が用いられ、当該車軸内部に、車軸と絶縁状態で、且つ、左右他方側と電気的に接続された状態で設けられた導通部材によって鉄道車両用台車の後位輪軸の左右他方側の車輪が一方側に導かれる。この結果、他方側通電手段によって導通部材の左右一方側の端部が通電されることで、後位輪軸の左右他方側の車輪が通電される。また、各ブラシが左右一方側に設けられている。このため、各車輪への通電に係る部材を左右一方側に集約して設置することができ、左右他方側への配線や速度発電機の取り付け等の便宜に資することができる。
第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか1つに記載の鉄道車両用台車であって、前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段が断続的に通電を行うように前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段を制御する通電制御手段(例えば、図6の制御回路210)を更に備えることを特徴とする鉄道車両用台車である。
この第5の発明によれば、レールと各車輪間への通電を断続的に行うことにより、通電に係る消費電力を低減させることができる。
ここで、第6の発明として、通電制御手段を、走行速度が高速になるにつれて通電周期を短くするように構成してもよい。また、第7の発明として、通電制御手段を、走行速度が高速になるにつれて通電の間隔が短くなるように通電のデューティ比を変化させるように構成してもよい。
この第6,第7の発明によれば、鉄道車両用台車の走行速度に基づいて通電周期を変化させたり、一方側通電手段及び他方側通電手段による通電のデューティ比を変化させたりすることができる。各車輪を通じてレールに通電されるレール上の車輪との接触部分は、一定の範囲である。通電の間隔(周期)を走行速度が高速になるにつれて短くしたり、通電の間隔が短くなるように通電のデューティ比を変化させたりすることで、この一定の範囲が連続するかのように制御するといったことが可能となる。
第8の発明は、第5〜第7の発明の何れかの鉄道車両用台車であって、前記通電制御手段は、前記一方側通電手段と前記他方側通電手段との通電時期をずらし、前記一方側通電手段による通電時間と前記他方側通電手段による通電時間との一部が重なるように制御することを特徴とする鉄道車両用台車である。
この第8の発明によれば、一方側通電手段及び他方側通電手段の通電時期が一部重なるように制御されることによって、任意の時点において、左右一方側と他方側の両方の状態が改善され、レール間を確実に短絡させることができる。
第9の発明は、第5〜第7の発明の何れかの鉄道車両用台車であって、前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段は、同一電源の出力端子に共通接続され、当該同一電源の出力をもとに通電を行う手段であり、前記通電制御手段は、前記一方側通電手段と前記他方側通電手段との通電時期が重ならないように、前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段の通電を制御する鉄道車両用台車である。
この第9の発明によれば、一方側通電手段と他方側通電手段の通電時期が重ならないようにすることによって、左右一方側の車輪とレール間に形成される閉ループと、左右他方側の車輪とレール間に形成される閉ループとを確実に形成させることができる。従って、レールと各車輪間を確実に通電することができるため、絶縁性の被膜を確実に破壊する能力が向上し、左右レール間を短絡させることができる。更に、電源が1つで済むため、経済的である。
第10の発明は、第1〜第9の発明の何れかの鉄道車両用台車であって、前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段の通電状況に基づいて、各車輪とレールとの当接位置に散水を行う散水手段(例えば、図5の散水装置95)を備えた鉄道車両用台車である。
この第10の発明によれば、一方側通電手段及び他方側通電手段の通電状況、例えば通電に係る電圧や電流に基づいてレールと各車輪との当接部分に散水することにより、レール上に絶縁性の被膜が付着している場合でもレールと車輪間に水を介することで当該位置の導電性を高めて、左右レール間を短絡させることができる。
本発明によれば、各車輪踏面とレールの間に確実に通電することができ、レール上の絶縁性の被膜を破壊することができる。その結果、レールと車輪間の同じ接触位置を通って構成される軌道回路の短絡性能を向上させることができる。
以下、図を参照して本発明を適用した鉄道車両用台車について詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
<原理>
図1は第1の実施の形態における鉄道車両用台車100の原理を説明するための図である。同図(a)に示すように、2本のレールr1及びr2上を走行する鉄道車両用台車100の台車前位には、進行方向に向かって右側の車輪11と左側の車輪13と車軸21とから成る輪軸17が設置され、台車後位には、進行方向に向かって右側の車輪12と左側の車輪14と車軸22とから成る輪軸18が設置され、各輪軸17,18は、台車枠と絶縁された状態で支持される。この輪軸と台車枠との絶縁構造は、上述した特許文献1にも開示されている通りに公知の構造であるため、本明細書においてその説明を省略する。
また、輪軸17の一端部に固定されている車輪11と輪軸18の一端部に固定されている車輪12との間に電源41が接続される。そして、電源41を通り、車輪11を介してレールr1を流れ、車輪12に流れる電流の閉ループR1aが形成される。また、輪軸17の他端部に固定されている車輪13と輪軸18の他端部に固定されている車輪14との間に電源42が接続される。そして、電源42を通り、車輪13を介してレールr2を流れ、車輪14に流れる電流の閉ループR2aが形成される。尚、電源41及び42は直流電源として示しているが、交流電源を用いてもよい。
INSは車輪12と車輪14の間に車軸22を介して電流が流れないように電気的に絶縁された状態にあることを表すための便宜的なマークであり、絶縁部材が設けられることを示す。絶縁部材INSの設置方法を含む輪軸の構造については詳細に後述する。絶縁部材INSを設置することによって、車輪12と車輪14の間に電流が流れなくなる。つまり、図12を参照して先述したように、従来においては車輪92の踏面とレールr92の間に電源部97による通電によっても破壊できない絶縁性の被膜がある場合、閉ループR93が形成されてしまっていた。従って、車輪92とレールr92の当接部分と、車輪91とレールr92の当接部分とには電流が流れないため、該当接部分に存在する絶縁性の被膜を破壊することができなかった。しかし、図1に示すように車輪12と車輪14の間の車軸22を介した通流を阻止する絶縁部材INSを設置することによって閉ループR93の形成を防ぎ、確実に閉ループR1a及びR2aを形成することができる。従って、各車輪踏面とレールr1,r2の間に確実に電流を流すことができ、レールr1,r2上の絶縁性の被膜を破壊して、接触抵抗を低減することができる。
図1(b)は、同図(a)に示した鉄道車両用台車100の列車編成に対する配置向きを説明するための図であり、一例として車両C1〜C3の3両編成の列車を示している。各車両の車体の両端部に台車100A〜Fが設置される。このうち、台車100Aの列車の左端の先頭寄りの輪軸117Aが図1(a)に示した輪軸17に相当し、輪軸118Aが輪軸18に相当する。また、台車100Fの列車の右端の先頭寄りの輪軸117Fが輪軸17に相当し、輪軸118Fが輪軸18に相当する。列車は、図に向かって左右両方向に進行し得る。台車の前位とは列車の最先頭又は最後尾に近い方向を差すため、台車100Aにおいては左方側が台車前位、台車100Fにおいては右方側が台車前位となる。また、台車前位の輪軸を前位輪軸、台車後位の輪軸を後位輪軸という。
このように台車を配置することで、列車に配置される鉄道車両用台車100の輪軸のうち、列車の端部(最先頭及び最後尾)に位置する輪軸である前位輪軸は、輪軸17に相当する輪軸となる。輪軸17は、輪軸を構成する左右の車輪が電気的に絶縁されていない輪軸である。すなわち、軌道回路を短絡することのできる輪軸である。このため、当該列車において、最先の輪軸で左右のレール間を短絡し、進入先の軌道回路をいち早く短絡させることができるとともに、最後尾の輪軸で左右のレール間を短絡して、最後尾の輪軸が当該軌道回路を抜けるまで在線を検知させることができる。
なお、列車の端部に位置する台車でない台車100B〜Eは、前位と後位の方向を任意として配置して良い。また、台車100B〜Eに、絶縁部材INSが用いられていない前位輪軸及び後位輪軸の左右の車輪が電気的に導通されている従来の鉄道車両用台車を用いても良い。また、連接台車としても勿論よい。
<構成>
次に後位輪軸18及び絶縁部材INSの構成について説明する。図2〜4は鉄道車両用台車100の後位輪軸の概略縦断面図である。後位輪軸18の構成は図2〜4の何れの構成を適用してもよい。図2〜4の符号として、各構成部材の末尾にA、B、Cを付す。尚、図2〜4において、各ブラシを当接面に押圧するためのバネの構造等については図示を省略している。
まず図2について説明する。図2において、後位輪軸18Aの車軸22Aは中空軸であり、車軸22Aの一端部に絶縁部材51Aを介して車輪12Aが固定される。更に車輪12Aの外側側面に導電リング62Aが車輪12Aと一体的に設けられ、車輪12Aと導電リング62Aとが電気的に導通している。車軸22Aの他端部には絶縁部材52Aを介して車輪14Aが固定される。そして車輪14Aの外側側面に導通部材61Aが車輪14Aと一体的に設けられている。導通部材61Aは車輪14Aと電気的に導通しており、車軸22Aの内部を他端部側から一端部側へ貫通するように棒状の形状を有している。車軸22Aの内部側面と導通部材61Aの間には、絶縁体である支持部材53A及び54Aが挟まれ、車軸22Aと導通部材61Aは電気的に絶縁状態が維持される。
導電リング62Aの外側には、ブラシ部70Aが配設される。ブラシ部70Aは図示しない絶縁部材を介して台車枠側に固定されており、車輪12Aの回転に伴って回転する導電リング62Aの側面を摺動するブラシ73A及び75Aと、車軸22Aの一端部側に貫通された導通部材61Aの一端部に当接するブラシ74Aと、ブラシ73A及び75Aを支持する支持端子78Aと、ブラシ74Aを支持する支持端子77Aと、支持端子78Aと支持端子77Aとを電気的に絶縁するための絶縁部材72Aと、によって構成される。そして支持端子78Aには電源41が接続され、支持端子77Aには電源42が接続される。
尚、導通部材61Aの一端面にブラシ74Aを直接当接することとして図示・説明したが、導通部材61Aの一端部に集電導体を設け、この集電導体を介してブラシ74Aを当接させてもよい。
閉ループR1aの電流経路の一部を形成する後位輪軸18Aの車輪12A側の経路は、車輪12A→導電リング62A→ブラシ73A及び75A→支持端子78Aとなる。また、閉ループR2aの電流経路の一部を形成する後位輪軸18A車輪14A側の経路は、車輪14A→導通部材61A→ブラシ74A→支持端子77Aとなる。
このように車軸22Aの一端部に絶縁部材51Aを介して車輪12Aを固定し、更に他端部に絶縁部材52Aを介して車輪14Aを固定することで、車輪12Aと車輪14Aの間を電気的に絶縁することができる。また、車輪14Aに接続されて設置された導通部材61Aの棒状部分を車軸22Aと電気的に絶縁状態となるように中空軸である車軸22Aの他端部側から一端部側に貫通させて配設することにより、確実に閉ループR1a、R2aを形成することができることに加え、通電に係る部材を一端部側に集約して配置することができるため、他端部側への配線や速度発電機の設置等の便宜に資することができる。尚、中空軸については、軽量化を目的とした新幹線台車において実現されており、同様の技術を適用することにより実現されるものである。
次に図3について説明する。後位輪軸18Bの車軸22Bは中空軸であり、車軸22Bの一端部に絶縁部材51Bを介して車輪12Bが固定される。車輪14Bは車軸22Bの他端部に絶縁部材を介することなく固定され、車輪14Bと車軸22Bとが電気的に導通している。
更に車輪12Bの外側側面に導電リング62Bが車輪12Bと一体的に設けられ、車輪12Bと導電リング62Bとが電気的に導通している。導電リング62Bの外側には、図示しない絶縁部材を介して台車枠側に固定されているブラシ部70Bが配設される。ブラシ部70Bは車輪12Bの回転に伴って回転する導電リング62Bの側面を摺動するブラシ73B及び76Bと、車軸22Bの一端面を摺動するブラシ74B及び75Bと、ブラシ74B及び75Bを支持する支持端子77Bと、ブラシ73B及び76Bを支持する支持端子78Bと、支持端子77Bと支持端子78Bとを電気的に絶縁するための絶縁部材72Bと、によって構成される。そして支持端子78Bには電源41Bが接続され、支持端子77Bには電源42Bが接続される。
尚、車軸22Bの一端面にブラシ74B,75Bを直接当接することとして図示・説明したが、車軸22Bの一端部に集電導体を設け、この集電導体を介してブラシ74B,75Bを当接させてもよい。
閉ループR1aの電流経路の一部を形成する後位輪軸18Bの車輪12B側の経路は、車輪12B→導電リング62B→ブラシ73B及び76B→支持端子78Bとなる。また、閉ループR2aの電流経路の一部を形成する後位輪軸18Bの車輪14B側の経路は、車輪14B→車軸22B→ブラシ74B及び75B→支持端子77Bとなる。
このように、車軸22Bの一端部には絶縁部材51Bを介して車輪12Bを固定し、車軸22Bの他端部には絶縁部材を介することなく車輪14Bを連接固定することにより、構造的には車軸22Bを介して一体をなす車輪12Bと車輪14Bの間を絶縁部材51Bにより電気的に絶縁することができ、確実に閉ループR1a、R2aを形成することができることに加え、通電に係る部材を一端部側に集約して配置することができるため、他端部側への配線や速度発電機の設置等の便宜に資することができる。尚、この場合、車軸22Bは中空軸ではなく、中実軸でも構わない。また、車軸として中空軸を用いた鉄道車両用台車は、軽量化を目的とした新幹線台車において実現されているものであり、同様の技術を適用することで中空軸22Bを構成することができる。
次に図4について説明する。後位輪軸18Cの車軸22Cは中実軸であり、車軸22Cの一端部には絶縁部材51Cを介して車輪12Cが固定される。更に車輪12Cの外側側面に導電リング62Cが車輪12Cと一体的に設けられ、車輪12Cと導電リング62Cとが電気的に導通している。車軸22Cの一端部側と導電リング62Cの間には絶縁部材53Cが配設され、車軸22Cと導電リング62Cが電気的に絶縁状態になるように設置される。導電リング62Cの外側には図示しない絶縁部材を介して台車枠側に固定されているブラシ部70Cが配設される。ブラシ部70Cは車輪12Cの回転に伴って回転する導電リング62Cの側面を摺動するブラシ71C及び72Cと、ブラシ71C及び72Cを支持する支持端子78Cと、によって構成される。支持端子78Cには電源41が接続される。
一方、車軸22Cの他端部には絶縁部材52Cを介して車輪14Cが固定される。更に車輪14Cの外側側面に導電リング61Cが車輪14Cと一体的に設けられ、車輪14Cと導電リング61Cとが電気的に導通している。車軸22Cの他端部側と導電リング61Cの間には絶縁部材54Cが配設され、車軸22Cと導電リング61Cは電気的に絶縁状態になるように設置される。導電リング61Cの外側には図示しない絶縁部材を介して台車枠側に固定されているブラシ部80Cが配設される。ブラシ部80Cは車輪14Cの回転に伴って回転する導電リング61Cの側面を摺動するブラシ81C及び82Cと、ブラシ81C及び82Cを支持する支持端子83Cと、によって構成される。支持端子83Cには電源42が接続される。
閉ループR1aの電流経路の一部を形成する後位輪軸18Cの車輪12C側の経路は、車輪12C→導電リング62C→ブラシ71C及び72C→支持端子78Cとなる。また、閉ループR2aの電流経路の一部を形成する後位輪軸18Cの車輪14C側の経路は、車輪14C→導電リング61C→ブラシ81C及び82C→支持端子83Cとなる。
このように、車軸22Cの一端部には絶縁部材51Cを介して車輪12Cを固定し、車軸22Cの他端部には絶縁部材52Cを介して車輪14Cを固定することにより、構造的には車軸22Cを介して一体をなす車輪12Cと車輪14Cの間を絶縁部材52Cによって電気的に絶縁することができ、確実に閉ループR1a、R2aを形成することができる。尚、この場合、車軸22Cは中実軸ではなく、中空軸でも構わない。また、防振対策や乗り心地を改善させるための路面電車の台車として、輪芯部内にゴム部材を設け、車輪踏面と車軸との間にこのゴム部材が介在し、車軸から車輪、或いは車輪から車軸にかかる応力や荷重の変化をゴム部材によって緩衝するようにした鉄道車両用台車が知られており、この技術を用いて車輪を絶縁部材であるゴムを介して車軸に固定することができる。図2及び3の場合も同様である。
以上説明したように、構造的には車軸22を介して一体をなす車輪12と車輪14の間に電流が流れないように電気的に絶縁することによって、図12を参照して説明したような閉ループR93の形成を防ぐことができ、確実に閉ループR1a及びR2aを形成することができる。従って、各車輪踏面とレールr1,r2の間に確実に電流を流すことができ、レールr1,r2上の絶縁性の被膜を破壊して、レールと車輪間の接触抵抗を低減することができる。
<変形例>
図5は第1の実施の形態の変形例である鉄道車両用台車を説明するための図である。同一の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。第1の実施の形態の変形例としての鉄道車両用台車100aは散水装置95を備える。そして、電源41及び42の通電により形成される閉ループR1a及びR2aの通電状況に基づいて散水装置95がレールr1及びr2と各車輪の当接部分に散水する。
具体的には、閉ループR1aの電圧値を計測するための電圧計91が電源41に並列に接続され、閉ループR1aの電流値を計測するための電流計92が電源41と直列に接続される。また、閉ループR2aの電圧値を計測するための電圧計93が電源42に並列に接続され、閉ループR2aの電流値を計測するための電流計94が電源42と直列に接続される。電圧計91及び93によって計測された電圧値と、電流計92及び94によって計測された電流値は散水装置95に出力される。
散水装置95は計測された電圧値及び電流値に基づいて、散水タンク内に貯えられた水をノズル96、97、98及び99を介してレールr1及びr2と各車輪との当接部分に散水する。即ち、例えばレールr1上に付着していた絶縁性の被膜を破壊できなかったか否かの検知は、閉ループR1aの電流値の低下を検知するといったことで判断できる。そこで、散水装置95に電流値の低下を検知させ、ノズル96からレールr1と車輪11の当接部分へ、ノズル97からレールr1と車輪12の当接部分へ、ノズル99からレールr2と車輪13の当接部分へ、ノズル98からレールr2と車輪14の当接部分へ、それぞれ水を噴霧させる。これにより、レールr1と車輪11及び12の間、レールr2と車輪13及び14の間に水が浸入する。水は導電性があるため、水を介してレールr1と車輪11及び12の間、レールr2と車輪13及び14の間の導電性が高まり、左右のレールr1とr2の間の短絡性能を向上させることができる。
なお、閉ループR1a及びR2aの電流値や電圧値をもとに、閉ループR1a及びR2aの通電状況を判断することとしたが、他の方法を用いてもよい。例えば、閉ループR1a,R2aが形成され、インピーダンスがほぼ“0”の状態であるときには、電源の出力電圧が絞り込まれ、定電流状態(CC(Constant Current)モードとも呼ばれる。)に切り替えられる電源がある。こういった電源を電源41,42として用いる場合には、当該電源の出力モードを検出することで、閉ループR1a及びR2aの通電状況を判断することとしてもよい。すなわち、電源の出力電圧が絞り込まれた状態であれば、閉ループR1a,R2aが正常に形成されている正常通電状況と判断し、一定以上の電圧が出力がされている状態であれば、レール上に破壊し難い絶縁性の皮膜が付着している状況と判断することができる。
このように、閉ループR1a及びR2aの通電状況に基づいて散水装置95によってレールr1及びr2と各車輪との当接部分に水が噴霧されることにより、レールr1及びr2上に絶縁性の被膜が付着している場合でもレールと車輪間の接触抵抗を低減して左右のレールr1とr2の間の短絡性能を向上させることができる。
〔第2の実施の形態〕
第1の実施の形態では、車輪11及び12間には電源41によって、車輪13及び14間には電源42によって常時通電される場合の鉄道車両用台車を説明した。第2の実施の形態では、所定の周期で断続的に通電する場合の鉄道車両用台車について説明する。
図6は第2の実施の形態における鉄道車両用台車200の原理を説明するための図である。図1に示した鉄道車両用台車100と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。また、後位の車軸と車輪の構成は、第1の実施の形態において図2〜4において説明した構成の何れを適用してもよい。
電源41の正極側端子にはGTOサイリスタ211のアノード端子が接続される。そしてGTOサイリスタ211のカソード端子は支持端子78A又は78B又は78Cに接続され、ゲート端子は制御回路210の出力端子out1に接続される。電源42の正極側端子にはGTOサイリスタ212のアノード端子が接続される。そしてGTOサイリスタ212のカソード端子は支持部材77A又は77B又は83Cに接続される。GTOサイリスタ212のゲート端子は制御回路210の出力端子out2に接続される。
制御回路210は所定の周期でパルス信号を生成し、出力端子out1及びout2から出力する。制御回路210の出力端子out1から出力されたパルス信号に応じてGTOサイリスタ211に順方向に電流が流れ、車輪11と車輪12間が通電されて閉ループR2aが形成される。また制御回路210の出力端子out2から出力されたパルス信号に応じてGTOサイリスタ212に順方向に電流が流れ、車輪13と車輪14の間が通電されて閉ループR2bが形成される。
速度センサー213は、車軸21等の回転を公知の方法で検知して鉄道車両用台車200の走行速度を計測する装置であり、公知の装置である。尚、速度センサー213は後位の車軸22の回転を検知するようにしてもよい。速度センサー213によって計測された速度は制御回路210に出力される。制御回路210は速度センサー213から出力された車速に基づいてGTOサイリスタ211及び212のゲート端子に出力するパルス信号の周期やデューティ比を変化させて出力する。
なお、GTOサイリスタ211,212については他のスイッチング素子を代用することとしてもよい。また、説明の簡明化のため、GTOサイリスタ211,212のターンオフ時のサージ防止回路の図示・説明は省略する。
図7,8は制御回路210から出力されるGTOサイリスタ211,212の駆動信号と、GTOサイリスタ211,212のON期間中にレールr1,r2の頭頂面に車輪が接触する位置を説明するための図であり、図7はその概要を、図8は詳細を説明するための図である。
まず、図7を用いて概要を説明する。上述した制御回路210から出力されるパルス信号は、GTOサイリスタ211,212へのターンON信号とターンOFF信号として説明できる。図7(a)では、パルス信号の代わりにターンON信号とターンOFF信号とを示した。図7(a)において、制御回路210がGTOサイリスタ211,212へターンON信号を出力してからターンOFF信号をする時間t2の間、GTOサイリスタ211,212はONする。ターンON信号が出力され、GTOサイリスタ211,212がONとなった瞬間において、レールの頭頂面に車輪が接触している部分(以下、「接触部分」という。)はM10である。なお、同図において、M10は、1つのレールと1つの車輪とが接触している部分を示している。
レールの長手方向に沿った接触部分M10の長さは一般的な車輪踏面であれば1cm程度である。接触部分M10は、GTOサイリスタ211,212がONした接触部分であるため、絶縁性の皮膜が破壊された通電部分とも考えられる。GTOサイリスタ211,212がONとなって後、ターンOFFするまでの間、レール上を車輪が回転移動する。従って、その接触部分も移動する。そして、ターンOFF信号が出力され、GTOサイリスタ211,212がターンOFFとなった瞬間において、レールの頭頂面に車輪が接触している接触部分はM20の位置となる。
ターンON信号とターンOFF信号とをパルス信号で表し、GTOサイリスタ211,212のON期間中の接触部分の全体部分を表した図が図7(b)である。図7(a)を参照して説明した通りに、制御回路210からターンON信号が出力されて後、ターンOFF信号が出力されるまでの間、車輪はレール上を回転移動する。従って、この間の全体の接触部分はMで示した部分となる。接触部分Mは、レールの長手方向に対して長さLMを有する一定の領域となる。勿論、接触部分Mは、GTOサイリスタ211,212がONしている期間の接触部分であるため、絶縁性の皮膜が破壊された通電部分とも考えられる。
制御回路210は、パルス信号を断続的に出力する。図7(c)にその様子を示す。図7(c)において、パルス信号P1に対応して通電された接触部分がM−1、パルス信号P2に対応して通電された接触部分がM2であり、時間t1はパルス信号の出力間隔(周期)である。また、長さLRは隣接する接触部分である接触部分M−1の端部と、接触部分M−2の端部との間の距離であり、断続的なパルス信号に対応して断続的に通電される接触部分間の位置の差である。制御回路210は、長さLR≦LMを維持するように、即ち鉄道車両用台車200が長さLMを移動するのに要する時間以下となるように、速度センサー213によって計測された列車の速度及び車輪径から時間t1を求め、パルス信号の出力間隔(周期)を決定する。長さLR≦LMが維持されることにより、接触部分があたかもレールの頭頂面上を連続して移動していくかのように制御することができる。即ち、接触部分は通電部分であるため、レールの頭頂面上に付着した絶縁性の被膜が、連続して破壊されることとなる。
次に、図8を参照して詳細に説明する。図8(a)は制御回路210の出力端子out1及びout2から同じタイミングでパルス信号が出力される場合を示した図である。パルス信号P11に対応して通電された車輪11とレールr1との接触部分がM1−1、パルス信号P12に対応して通電された車輪11とレールr1との接触部分がM1−2であり、パルス信号P21に対応して通電された車輪13とレールr2との接触部分がM2−1、パルス信号P22に対応して通電された車輪13とレールr2との接触部分がM2−2である。なお、車輪12とレールr1との接触部分、車輪14とレールr2との接触部分については図示していないが同様である。また、時間t1はパルス信号の出力間隔(周期)であり、時間t2は通電時間である。時間t3は出力端子out1から出力されたパルス信号P11,P12・・・と出力端子out2から出力されたパルス信号P21,P22・・・とにより、同じタイミングでGTOサイリスタ211及び212がONされる期間である。パルス信号P11及びP21が同時に出力されると、レールr1及びr2と各車輪との間が同時に通電されるため、左右のレールr1とr2の間を確実に短絡させることができる。尚、時間t3が長いほど、出力容量の大きな電源41,42が必要となるため、時間t3は各電源の出力容量等を考慮して適宜設定される。LR<LMの原則が崩れない限り、時間t1と時間t3の割合、即ちパルス信号のデューティ比は固定としてもよい。また、時間t3を固定として、鉄道車両用台車200の移動速度の変化に伴う時間t1の変化に従って、パルス信号のデューティ比を変化させてもよい。
さらに、図8(b)に示すように、制御回路210の出力端子out1及びout2から出力されるパルス信号が一部重なるように出力タイミングをずらしてもよい。パルス信号P31に対応して通電された車輪11とレールr1との接触部分がM3−1、パルス信号P32に対応して通電された車輪11とレールr1との接触部分がM3−2であり、パルス信号P41に対応して通電された車輪13とレールr2との接触部分がM4−1、パルス信号P42に対応して通電された車輪13とレールr2との接触部分がM4−2である。なお、車輪12とレールr1との接触部分、車輪14とレールr2との接触部分については図示していないが同様である。時間t3で示されるように、出力端子out1から出力されるパルス信号と出力端子out2から出力されるパルス信号とにより、GTOサイリスタ211及び212が同時にONしている期間は、パルス信号の幅t2に比べて少ない期間である。この結果、車輪11とレールr1とが接触した部分と、車輪13とレールr2とが接触した部分とは、長さLG分だけズレが生じる。しかし、左右レールr1とr2上を連続的にカバーしている限り、図8(a)と同じ効果が期待できる。
このように、出力端子out1及びout2から出力されるパルス信号が一部重なるように各パルス信号の出力タイミングがずれて出力されても、出力端子out1及びout2から出力されるパルス信号が重なった時間(時間t3)においては、レールr1と車輪11との間、レールr2と車輪13との間が同時に通電されるため、左右のレールr1とr2の間を確実に短絡させることができる。
また、レールr1及びr2と各車輪間への通電を断続的に行うことにより、電源41、電源42の消費電力を低減させることができる。尚、第1の実施の形態の変形例で説明したように、鉄道車両用台車200に電流計、電圧計及び散水装置を具備させ、閉ループR2a及びR2bの通電状況に基づいてレールr1及びr2と各車輪との当接部分に水を噴霧するようにしてもよい。
〔第3の実施の形態〕
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、車輪11と車輪12の間を通電するための電源41と、車輪13と車輪14の間を通電するための電源42とを備える鉄道車両用台車を説明した。第3の実施の形態では、1つの電源によって通電を行う鉄道車両用台車について説明する。
図9は第3の実施の形態における鉄道車両用台車300の原理を説明するための図である。図6に示した鉄道車両用台車200と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。また、後位の車軸と車輪の構成は、第1の実施の形態において図2〜4において説明した構成の何れを適用してもよい。
図9に示すように、車輪11と車輪12との間に電源41が接続される。電源41の正極側端子にはGTOサイリスタ211のアノード端子が接続される。そしてGTOサイリスタ211のカソード端子は支持端子78A又は78B又は78Cに接続され、ゲート端子は制御回路210の出力端子out1に接続される。更に、GTOサイリスタ311のアノード端子は電源41の正極側端子に接続され、カソード端子は支持端子77A又は77B又は83Cに接続され、ゲート端子は制御回路210の出力端子out2に接続される。
制御回路210は所定の周期でパルス信号を生成して出力端子out1及びout2から出力する。制御回路210の出力端子out1から出力されたパルス信号に応じてGTOサイリスタ211に順方向に電流が流れ、車輪11と車輪12間が通電されて閉ループR3aが形成される。また制御回路210の出力端子out2から出力されたパルス信号に応じてGTOサイリスタ311に順方向に電流が流れ、車輪13と車輪14の間が通電されて閉ループR3bが形成される。このように電源を1つにすることで、鉄道車両用台車のコストを削減することができる。
制御回路210から出力されるパルス信号の出力タイミングは、第2の実施の形態において図8を用いて説明したように制御回路210の出力端子out1及びout2からパルス信号を同時に出力するか、あるいは一部重なるように出力タイミングをずらして出力してもよい。しかし、制御回路210の出力端子out1及びout2から出力される2つのパルス信号の出力時間が重なると、電源は電源41のみであるため、閉ループR3a及び閉ループR3bの何れか一方の電流路が形成され、当該電流路のインピーダンスが極めて小さい場合には定電流制御が行われ、他方の閉ループに充分な電圧が印加されない現象が起こり得る。
そこで、図10に示すように出力端子out1からパルス信号が出力された直後に出力端子out2からパルス信号を出力して、R3aとR3bの通電経路に同時に通電されることによって起こり得る印加電圧の低下の影響を防ぐ。図10において、パルス信号P51に対応して通電された車輪11とレールr1との接触部分がM5−1、パルス信号P52に対応して通電された車輪11とレールr1との接触部分がM5−2であり、パルス信号P61に対応して通電された車輪13とレールr2との接触部分がM6−1、パルス信号P62に対応して通電された車輪13とレールr2との接触部分がM6−2である。なお、車輪12とレールr1との接触部分、車輪14とレールr2との接触部分については図示していないが同様である。
出力端子out1から出力されるパルス信号と出力端子out2から出力されるパルス信号とによって同じタイミングでGTOサイリスタ211及び212がONされる期間がないため、レールr1と車輪11との接触部分と、レールr2と車輪13との接触部分とが同時に通電されることはないが、パルス信号が重ならないようにずらして出力することにより閉ループR3a及び閉ループR3bそれぞれを確実に形成させることができ、レールr1及びr2上の絶縁性の被膜の破壊を確実に行うことができる。
また、出力端子out1からパルス信号が出力された直後に出力端子out2からパルス信号が出力される。このため、位置LSにおいては、接触部分M5−1及びM6−1の絶縁性の被膜が破壊されており、この位置LS上に車輪11,13が位置する間、即ち時間Tの間は、左右のレールr1とr2の間を確実に短絡させることができる。
また、第1の実施の形態の変形例で説明したように、鉄道車両用台車300に電流計、電圧計及び散水装置を具備させ、閉ループR3a及びR3bの通電状況に基づいてレールr1及びr2と各車輪との当接部分に水を噴霧するようにしてもよい。
第1の実施の形態における鉄道車両用台車の原理を説明するための図。 鉄道車両用台車の後位輪軸の縦断面概略図。 鉄道車両用台車の後位輪軸の縦断面概略図。 鉄道車両用台車の後位輪軸の縦断面概略図。 第1の実施の形態の変形例である鉄道車両用台車を説明するための図 第2の実施の形態における鉄道車両用台車の原理を説明するための図 第2の実施の形態における制御回路から出力される駆動信号(パルス信号)の出力タイミングと、レールの頭頂面に車輪が接触する位置とを説明するための図。 第2の実施の形態における制御回路から出力される駆動信号(パルス信号)の出力タイミングと、レールの頭頂面に車輪が接触する位置とを説明するための図。 第3の実施の形態における鉄道車両用台車300の原理を説明するための図。 第3の実施の形態における制御回路から出力される駆動信号(パルス信号)の出力タイミングと、レールの頭頂面に車輪が接触する位置とを説明するための図。 従来の鉄道車両用台車の電流経路を説明するための図。 従来の鉄道車両用台車の電流経路を説明するための図。
符号の説明
100、100a、200、300 鉄道車両用台車
11、12、13、14 車輪
41、42 電源
17、18 輪軸
21、22 車軸
r1、r2 レール
95 散水装置
210 制御回路
213 速度センサー
96、97、98、99 ノズル
211、212、311 GTOサイリスタ

Claims (10)

  1. 前位輪軸及び後位輪軸の左右一方側の車輪間を通電させる一方側通電手段と、
    前位輪軸及び後位輪軸の左右他方側の車輪間を通電させる他方側通電手段と、
    を備え、前位輪軸及び後位輪軸が台車枠と絶縁され、且つ、後位輪軸の車輪間が絶縁されてなり、前記一方側通電手段の通電により左右一方側の前位輪軸及び後位輪軸の各車輪とレールとで形成される閉ループに電流が環流され、前記他方側通電手段の通電により左右他方側の前位輪軸及び後位輪軸の各車輪とレールとで形成される閉ループに電流が環流されて、車輪踏面とレール間の接触抵抗を低減することを特徴とする鉄道車両用台車。
  2. 後位輪軸の左右一方側及び/又は他方側の車輪が絶縁部材を介して車軸に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用台車。
  3. 後位輪軸の左右一方側の車輪が絶縁部材を介して車軸に固定され、
    前記他方側通電手段が後位輪軸の車軸の左右一方側の端部と接続され、
    前位輪軸及び後位輪軸の各車輪への通電用のブラシが左右一方側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用台車。
  4. 後位輪軸の車軸は中空軸であり、
    後位輪軸の車軸の内部に当該車軸と絶縁された状態で設けられた導通部材を更に備え、
    後位輪軸の左右の車輪が絶縁部材を介して車軸に固定され、
    後位輪軸の左右他方側の車輪と前記導通部材の左右他方側の端部とが接続され、
    前記他方側通電手段が前記導通部材の左右一方側の端部に接続され、
    前位輪軸及び後位輪軸の各車輪への通電用のブラシが左右一方側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用台車。
  5. 前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段が断続的に通電を行うように前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段を制御する通電制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の鉄道車両用台車。
  6. 前記通電制御手段が、走行速度が高速になるにつれて通電周期を短くすることを特徴とする請求項5に記載の鉄道車両用台車。
  7. 前記通電制御手段が、走行速度が高速になるにつれて通電の間隔が短くなるように通電のデューティ比を変化させることを特徴とする請求項5に記載の鉄道車両用台車。
  8. 前記通電制御手段は、前記一方側通電手段と前記他方側通電手段との通電時期をずらし、前記一方側通電手段による通電時間と前記他方側通電手段による通電時間との一部が重なるように制御することを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の鉄道車両用台車。
  9. 前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段は、同一電源の出力端子に共通接続され、当該同一電源の出力をもとに通電を行う手段であり、
    前記通電制御手段は、前記一方側通電手段と前記他方側通電手段との通電時期が重ならないように、前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段の通電を制御することを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の鉄道車両用台車。
  10. 前記一方側通電手段及び前記他方側通電手段の通電状況に基づいて、各車輪とレールとの当接位置に散水を行う散水手段を備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の鉄道車両用台車。
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