JP2006195355A - 現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構 - Google Patents

Abstract

【課題】 細径の光ファイバの固定手段として好適なケーブルクランプユニットを備えた光ファイバ固定機構を提供する。
【解決手段】 光コネクタＰの後端部に装着するケーブルクランプユニット２１は、光ファイバＰの外被Ｑを両側から挟持するよう半割形成し、一端から他端に行くに従って外径が次第に細くなるテーパ状の筒体によって形成したチャック体２２と、このチャック体２２を挿入すべく一端開口側から内部に行くに従って次第に縮径するよう内面テーパ状の孔部２３Ａとなる保持内筒体２３と、この保持内筒体２３を外側から弾性的に挟圧保持するよう複数のスリット部２４Ａを介して分割形成した弾性筒片部２４Ｂを備え、且つブーツ２５内に嵌挿して係止可能となるようスリット部２４Ａの根元に係止溝部２４Ｃを備えた保持外筒体２４とによって構成する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、光ファイバの接続において、２本の裸ファイバの先端面を突き合わせ、その突き合わせ接合部分の近傍を裸ファイバの側面から押圧して固定するためのメカニカルスプライス方式を採用した現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構に関する。

従来の現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構としては、特許文献１に開示されているように、光コネクタの後端部に装着されるケーブルクランプユニットを備え、該ケーブルクランプユニットは、光ファイバを貫通させる中央の光ファイバ貫通孔と、光ファイバに対して左右に引き裂かれた外被をそれぞれ挿入して保持可能にした左右二股に分岐した外被挿入溝とを備えて成る身部と蓋部の２個の成型部品によって形成したものが出願人自身によって既に提案されていて、これにより組立用の外部工具を使わずに、両光ファイバ同士の調心とファイバ保持とを同時に行えるようにすることで、簡単で短時間で組立を行うことが可能なものとしている。
特願２００３−４３２３３１号

しかしながら、従来によるの光ファイバ固定機構のケーブルクランプユニットは、太径の光ファイバに対しては有効な固定手段ではあるが、細径の光ファイバでは、外被を左右に引き裂いて身部と蓋部の外被挿入溝に挿入させることは非常に面倒なものであり、組立作業性においてあまり好ましいものではなかった。

そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑みなされたもので、両光ファイバ同士の調心とファイバ保持とを同時に行えるようにすることで、簡単で短時間で組立を行うことが可能な現場組立光コネクタにおいて、細径の光ファイバの固定手段として好適なケーブルクランプユニットを備えた現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため本発明にあっては、光コネクタの後端部に装着されるケーブルクランプユニットを備え、該ケーブルクランプユニットは、光ファイバの外被を両側から挟持させるよう半割形成され、一端から他端に行くに従って外径が次第に細くなるテーパ状の筒体によって形成されたチャック体と、外被を両側から挟持させたチャック体を挿入すべく一端開口側から内部に行くに従って次第に縮径するよう内面テーパ状の孔部となる保持内筒体と、チャック体を挿入した保持内筒体を外側から弾性的に挟圧保持させるよう複数のスリット部を介して分割形成された弾性筒片部を備え、且つブーツ内に嵌挿されて係止可能となるようスリット部の根元に係止溝部を備えると共に、フェルールの後端部分が挿入されるブッシュに接続可能とした保持外筒体とを備えて成るものである。

また、チャック体には、テーパ状の筒体を互いに離反方向に付勢するようバネ体が介装されて成るものとすることができる。

保持内筒体は、その外周面に係止溝部を設け、保持外筒体の孔内に設けた突起部と係合可能としてあるものとすることができる。

以上のように構成された本発明に係る現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構にあって、チャック体によって光ファイバの外被を両側から挟持させ、このチャック体を保持内筒体の内面テーパ状の孔部に挿入した後、保持内筒体を保持外筒体の弾性筒片部側から挿入して当該保持内筒体を外側から弾性的に挟圧保持させる。これによってファイバの保持が行われる。

チャック体に介装されているバネ体は、テーパ状の筒体を互いに離反方向に付勢させ、当該チャック体を保持内筒体の内面テーパ状の孔部に挿入した際に、チャック体と保持内筒体との圧接保持力を維持させる事により中心部に光ファイバの挿入に必要な空間を確保できる。

保持内筒体の係止溝部は、保持内筒体を保持外筒体に弾性筒片部側から挿入した際に、保持外筒体の孔内に設けた突起部が係合されることで、保持内筒体を保持外筒体内部にしっかりと固定させる。

本発明によれば、組立用の簡単な外部工具を使う事で、両光ファイバ同士の調心とファイバ保持とを同時に行えるようにすることで、短時間で簡単に組立を行うことが可能な現場組立光コネクタにおいて、細径の光ファイバの固定手段として好適なケーブルクランプユニットを備えた光ファイバ固定機構を提供することができる。

すなわち、これは本発明が、光コネクタの後端部に装着されるケーブルクランプユニットを備え、該ケーブルクランプユニットは、光ファイバの外被を両側から挟持させるよう半割形成され、一端から他端に行くに従って外径が次第に細くなるテーパ状の筒体によって形成されたチャック体と、外被を両側から挟持させたチャック体を挿入すべく一端開口側から内部に行くに従って次第に縮径するよう内面テーパ状の孔部となる保持内筒体と、チャック体を挿入した保持内筒体を外側から弾性的に挟圧保持させるよう複数のスリット部を介して分割形成された弾性筒片部を備え、且つブーツ内に嵌挿されて係止可能となるようスリット部の根元に係止溝部を備えると共に、フェルールの後端部分が挿入されるブッシュに接続可能とした保持外筒体とを備えて成るからであり、これにより、ツマミを取り外さなくても両光ファイバの心線同士の調心が容易に行われる。このようにケーブルクランプユニットへの光ファイバの取り付け作業が容易に行えると共に低減な材料費で安価にケーブルクランプユニットを製造することができる。

また、チャック体には、テーパ状の筒体を互いに離反方向に付勢するようバネ体が介装されて成るので、当該チャック体を保持内筒体の内面テーパ状の孔部に挿入した際に、チャック体と保持内筒体との圧接保持力を常に維持させる事により中心部に光ファイバの挿入に必要な空間を確保できる。

保持内筒体は、その外周面に係止溝部を設け、保持外筒体の孔内に設けた突起部と係合可能としてあるので、保持内筒体を保持外筒体内部にしっかりと固定させておくことができる。

以下、本発明を実施する最良の形態を図面を参照して説明すると、図に示される符号１は、相手側フェルール（図示していない）に突き合わせられることにより、フェルール２内に挿入された光ファイバＰとの接続を行うための略矩形状を呈する現場組立式の光コネクタである。光コネクタ１は、図１に示すように、フェルール２の後端部分が挿入されるブッシュ３と、ブッシュ３が前後方向で僅かに移動可能となるように挿入された保持部材４と、保持部材４に嵌合するフレーム５と、フレーム５の外側を被覆するツマミ６とから概ね構成されている。

フェルール２は、図４に示すように、両端部が矩形状に開口されたファイバ孔２Ａが軸方向に形成されており、挿入される光ファイバＰの突き当て接続部Ｃの位置する後部側には、ファイバ孔２Ａまで達する矩形状の凹部８を設けてある。ファイバ孔２Ａにおいて、光ファイバＰの突き当て接続部Ｃまでの前部側にはあらかじめ光ファイバＰ’が挿着されると共に、フェルール２の前端は研磨加工されている。

そして、上面側に前部から後部に向かって前傾するテーパ面７Ａを有する板状のチャック７が凹部８に合致するように被せられることで、光ファイバＰの心線の突き当て接続部Ｃを下面側で押さえ付けて、あらかじめファイバ孔２Ａに挿着されている光ファイバＰ’と、挿入される光ファイバＰの調心保持が行えるようにしてある。なお、フェルール２とチャック７の後端にはファイバ孔２Ａよりも拡径された末広がりの案内用ファイバ孔２Ｂが形成されている。

また、フェルール２のファイバ孔２Ａよりも拡径され、しかも後端部側では開口端に向けて末広がりとなる案内用ファイバ孔３Ａが形成されたブッシュ３を備え、このブッシュ３には、チャック７のテーパ面７Ａに外側から密着するよう一部にテーパ内面９Ａを有する矩形状の嵌合孔９が前端部に形成されており、組付後にはフェルール２のファイバ孔２Ａと同軸で連通するようにしてある。

さらに、ファイバ孔２Ａよりも拡径され、しかも後端部側では後述するケーブルクランプユニット２１の保持外筒体２４を嵌入させる開口部が形成された矩形状の保持部材４を備えており、組付後にはブッシュ３の案内用ファイバ孔３Ａと同軸で連通するようにしてある。そして、保持部材４の後端部には、後述するケーブルクランプユニット２１を装着可能としてある。

保持部材４の前端部、ブッシュ３前端部の外面側に形成されたフランジ状の係止部３Ｂそれぞれの間に形成されている矩形環状の空間部Ｓ１には、弾性部材１０としての例えばコイルスプリングがブッシュ３を巻装させるようにした状態で介在配置させてある。

フレーム５は、矩形状の保持部材４を挿入するよう矩形筒状に形成されており、当該保持部材４の外面側にはフランジ状の係止突起４Ｂを形成し、この係止突起４Ｂに係架保持されるようフレーム５の筒内方側に向けて若干傾斜させた舌片状の係合爪片５Ａを設けてある。また、このフレーム５の中央部やや前方側には、上下に貫通開口する２個一対のロック部材挿入孔５Ｃが左右両側に所定の間隔を置いて設けてある。

さらに、光コネクタ１へ挿着することによりブッシュ３を保持部材４側へ移動させてチャック７のテーパ面７Ａ、ブッシュ３の嵌合孔９のテーパ内面９Ａ相互の密着を解除させる一方、抜去することによりブッシュ３を相手側フェルール２側へ移動させてチャック７のテーパ面７Ａ、ブッシュ３の嵌合孔９のテーパ内面９Ａ相互を密着させるためのロック部材１１を備えている。

このロック部材１１は、図１に示すように、ロックプレート１２と、該ロックプレート１２の両側に所定の間隔、すなわち前記フェルール２の両側を通過しつつフレーム５の挿入孔５Ｃへ挿入可能な間隔を置いて立設された二股脚部１３を備えている。各二股脚部１３は、基部側が太幅に、先端側がテーパ部１３ａを介して細幅に形成されている。

一方、ケーブルクランプユニット２１は、図１、図４乃至図６に示すように、光ファイバＰの外被Ｑを挟持させるチャック体２２と、チャック体２２を挿入保持する保持内筒体２３と、保持内筒体２３を挿入保持し、フェルール２の後端部分が挿入されるブッシュ３に接続可能とした保持外筒体２４とによって概ね構成されている。

チャック体２２は、一端から他端に行くに従って外径が次第に細くなるテーパ状の円筒体によって形成され、且つ円筒軸に沿って半割状に切断されていることで、光ファイバＰの外被Ｑを両側から挟持させるようにしてある。また、チャック体２２のそれぞれの半円筒体を互いに離反方向に付勢するよう半円筒体それぞれの略中間内周部分には環状の凹部２２Ａを設け、この凹部２２Ａに例えば略Ｃリング状のバネ体２２Ｂが介装配置されている。

保持内筒体２３は、図６に示すように、光ファイバＰの外被Ｑを両側から挟持させたチャック体２２を一端開口側から挿入するために開口端から内部に行くに従って次第に縮径するよう内面テーパ状の孔部２３Ａとなっており、また保持内筒体２３の外周面には、保持外筒体２４の孔内に設けた例えば前後一対の突起部２４Ｄをそれぞれ係合させるための環状の係止溝部２３Ｂを前後一対にして設けてある。

保持外筒体２４は、図１に示すように、この一端開口部側に複数のスリット部２４Ａを介して分割形成された弾性筒片部２４Ｂを備えており、チャック体２２を挿入した保持内筒体２３をこの弾性筒片部２４Ｂに挿入した際に当該保持内筒体２３を外側から弾性的に挟圧保持させるものとしてある。そして、保持外筒体２４を弾性筒片部２４Ｂ側からブーツ２５内部に嵌挿した際に、当該ブーツ２５内周面に形成してある複数の係止突起２５Ａが、スリット部２４Ａの根元に形成した環状の係止溝部２４Ｃに係合されて両筒体２３、２４同士が一体化されるようにしてある。そして、保持外筒体２４自体は、フェルール２の後端部分が挿入されるブッシュ３に、例えばねじ込み等によって接続されるようにしてある。

ところで、以上の実施形態で示されたフェルール２にあらかじめ挿着される光ファイバＰ’は、汎用の光ファイバ専用な構造となっているが、本光コネクタ１は、それ以外の光ファイバにも適用できるものである。例えば、ファイバーグレーティング用のファイバやドープファイバ（光減裏器用のファイバ）等も使用でき、組み込む光ファイバの種類は問わない。

次に、以上のように構成された最良の形態についての使用、組立の一例を説明するに、先ず、ケーブルクランプユニット２１に光ファイバＰを取り付ける。すなわち、光ファイバＰにブーツ２５と保持内筒体２３とを予め挿入しておき、先端から光ファイバＰの心線が露出している外被Ｑを両側から半割状のチャック体２２によって挟持させる。このとき、チャック体２２の凹部２２ＡにはＣリング状のバネ体２２Ｂが介装されている。

そして、光ファイバＰに沿って保持内筒体２３をチャック体２２側に引き寄せて、このチャック体２２を保持内筒体２３の内面テーパ状の孔部２３Ａに挿入してから、保持内筒体２３を保持外筒体２４の弾性筒片部２４Ｂ側に挿入する。このとき、保持内筒体２３の外周面の係止溝部２３Ｂには、保持外筒体２４の孔内に設けた例えば前後一対の突起部２４Ｄがそれぞれ係合されて抜去等がなされない状態となる。

而して、このとき、ロック部材１１の二股脚部１３が、ツマミ６の開口部６Ａを介してフレーム５の挿入孔５Ｃからフレーム５、ブッシュ３相互間の空間部Ｓ２に挿入されているため、ブッシュ３を保持部材４側へ移動させ、チャック７への締め付け力を解除させる状態となっている。

そして、ケーブルクランプユニット２１を光コネクタ１に接続した後の光ファイバＰの挿入された心線の接続部Ｃにおける突き当て後に、ロック部材１１の二股脚部１３をフレーム５の挿入孔５Ｃから抜脱することで、弾性部材１０の拡圧弾性力に任せてブッシュ３を相手側フェルール２側へ向けて付勢移動させ、チャック７に締め付け力を付与して、チャック７のテーパ面７Ａ、ブッシュ３の嵌合孔９のテーパ内面９Ａ相互を密着させて突き当て接続部Ｃおよびその近傍をチャック７の下面側で押さえ付けるものとなる。

こうして光ファイバＰの心線の保持が行われるものとなる。すなわち、ブッシュ３の内側は、片面がフェルール２に、他の片面がチャック７のテーパ面７Ａに接触して弾性部材１０の弾性力をファイバ締め付け方向に変換させるのである。その後、ブーツ２５を保持外筒体２４に嵌め込む。また、保持部材４に嵌合するフレーム５の外側をツマミ６で被覆して完成品とする。

本発明を実施するための最良の形態における光コネクタを示す分解斜視図である。 同じく光コネクタにケーブルクランプユニットを接続した状態を示す斜視図である。 光コネクタにケーブルクランプユニットを接続した状態を示すもので、（ａ）は平面図、（ｂ）は背面図、（ｃ）は正面図、（ｄ）は側面図である。 光コネクタにケーブルクランプユニットを接続した状態を示す断面図である。 光コネクタにケーブルクランプユニットを接続した状態を示すもので、（ａ）は外径２ｍｍの光ファイバを取り付けた状態の断面図、（ｂ）は外径０．９ｍｍの光ファイバを取り付けた状態の断面図、（ｃ）は外径０．２５ｍｍの光ファイバを取り付けた状態の断面図である。 ケーブルクランプユニットを示すもので、（ａ）は保持内筒体を保持外筒体に挿入する途中の状態を示す拡大断面図、（ｂ）は保持内筒体を保持外筒体に挿入した状態を示す拡大断面図である。

符号の説明

Ｐ 光ファイバ
Ｑ 外被
Ｓ１、Ｓ２ 空間部
１ 光コネクタ
２ フェルール
２Ａ ファイバ孔
３ ブッシュ
３Ａ 案内用ファイバ孔
４ 保持部材
４Ｂ 係止突起
５ フレーム
５Ａ 内方突起
６ ツマミ
６Ａ 開口部
７ チャック
７Ａ テーパ面
８ 凹部
９ 嵌合孔
９Ａ テーパ内面
１０ 弾性部材
１１ ロック部材
１２ ロックプレート
１３ 二股脚部
１５ スリット部
１６ ホルダ
２１ ケーブルクランプユニット
２２ チャック体
２２Ａ 凹部
２２Ｂ バネ体
２３ 保持内筒体
２３Ａ 孔部
２３Ｂ 係止溝部
２４ 保持外筒体
２４Ａ スリット部
２４Ｂ 弾性筒片部
２４Ｃ 係止溝部
２４Ｄ 突起部
２５ ブーツ
２５Ａ 係止突起

Claims (3)

1. 光コネクタの後端部に装着されるケーブルクランプユニットを備え、該ケーブルクランプユニットは、光ファイバの外被を両側から挟持させるよう半割形成され、一端から他端に行くに従って外径が次第に細くなるテーパ状の筒体によって形成されたチャック体と、外被を両側から挟持させたチャック体を挿入すべく一端開口側から内部に行くに従って次第に縮径するよう内面テーパ状の孔部となる保持内筒体と、チャック体を挿入した保持内筒体を外側から弾性的に挟圧保持させるよう複数のスリット部を介して分割形成された弾性筒片部を備え、且つブーツ内に嵌挿されて係止可能となるようスリット部の根元に係止溝部を備えると共に、フェルールの後端部分が挿入されるブッシュに接続可能とした保持外筒体とを備えて成ることを特徴とした現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構。
2. チャック体には、テーパ状の筒体を互いに離反方向に付勢するようバネ体が介装されて成る請求項１記載の現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構。
3. 保持内筒体は、その外周面に係止溝部を設け、保持外筒体の孔内に設けた突起部と係合可能としてある請求項１または２記載の現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構。
   
   

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