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JP2006173562A - アンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子及びその画像生成装置並びに情報中継装置 - Google Patents

アンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子及びその画像生成装置並びに情報中継装置 Download PDF

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JP2006173562A
JP2006173562A JP2005186350A JP2005186350A JP2006173562A JP 2006173562 A JP2006173562 A JP 2006173562A JP 2005186350 A JP2005186350 A JP 2005186350A JP 2005186350 A JP2005186350 A JP 2005186350A JP 2006173562 A JP2006173562 A JP 2006173562A
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Naokatsu Yamamoto
直克 山本
Koichi Akaha
浩一 赤羽
Shinichiro Ushito
信一郎 牛頭
Naoki Otani
直毅 大谷
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National Institute of Information and Communications Technology
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Abstract

【課題】 光通信波長帯を発振する長波長の面発光レーザ素子と、その画像生成装置及び情報中継装置を提供すること。
【解決手段】 下部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡と、上部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡との一対で構成される共振器と、その下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間に配置された活性層とを備えた面発光レーザ素子において、活性層を、アンチモン系半導体を用いた量子ドットで構成する。電極の接続されたGaAs半導体基板に、下部GaAs半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡を積層し、活性層のアンチモン系半導体としては、InGaSbを用い、上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡としては、電極の接続されたAlAsまたはAlGaAsを用いてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体の積層面に対して垂直方向に、通信波長1.3から1.55ミクロン帯の光を出射する発光素子と、それを用いた画像生成装置及び情報中継装置に関する。
従来のレーザ発光素子は、その基板の側方へ光を出射するので、レーザ発光素子の作製工程において、基板を数百ミクロンの幅で劈開する必要があった。
それに対して、面発光レーザ素子(Vertical Cavity Surface Emitting Laser、Surface Emitting Laser)は、半導体基板に垂直に光を出射するので、劈開する工程が不要であり、シンプルな製作工程で得られる。
面発光レーザは、活性領域の両側を2つの反射鏡によって挟み込んで、光共振器(Optical Resonator) を形成することを基本とする。
光共振器としては、2枚の反射鏡を向かい合わせたファブリ・ペロー共振器が一般的であるが、面発光レーザでは、分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector)を用いることが多い。
分布ブラッグ反射鏡は、1/4波長の厚みをもつ屈折率の異なる層を積み重ねて構成される。薄膜材料を周期構造にすることによって光を干渉させ、ブラッグ反射により各層での反射波を強め合わせて、高い反射率を得るようにしている。
例えば、GaAs系では、GaAsとAlAsの材料などが用いられ、30対程度の層数が用いられる。
面発光レーザは、半導体基板と、一対の半導体多層膜反射鏡と、その一対の半導体多層膜反射鏡の間に位置する活性層とを基本的な構成要素とするが、活性層には、量子井戸構造または量子ドット構造が利用できる。
量子ドット構造は、直径が数ナノメートルから数十ナノメートル程度の人工的な微小半導体で構成される。ここに閉じ込められた電子は、量子ドットの大きさによって性質が変わるので、人工的に電子の特徴を制御することができる。レーザの発光部分に量子ドットを入れると、消費電力の省力化や発光波長の揺らぎの低減にもつながる利点がある。
このような面発光レーザは、共振器体積が小さいことから、発振閾値電流を0.1ミリアンペアまでに低くでき、高速変調が可能である。
また、レーザの直径を1ミクロン〜数ミクロンの大きさにできるので、ビームの広がりが小さく、他の光学デバイスとの結合性が良好で、2次元配列も容易であり、光伝送や光インターコネクションのアレイ光源としても期待されている。
面発光レーザでは、共振器の光学長を変えることで、発振波長を変化させることができる。
近年、10Gbpsを超える光伝送速度を持つシステムとして、波長分割多重(WDM)通信が注目され研究開発が行われている。伝送速度10Gbpsのファーストギガビットイーサとして4波長のWDM通信が提案され、将来的には更に波長分割数を増やしたシステムが必要とされる。このような波長分割多重通信では、微少な波長間隔で発振波長を制御する必要があり、波長可変機構を有する面発光レーザも求められている。
面発光レーザに関する従来技術としては、特許文献1〜3などがある。
特開2001-230500号 特開2001-223439号 特開平08-213712号
特許文献1は、GaN系発光ダイオードまたは半導体レーザ装置などの量子井戸構造を有する半導体レーザ装置に関する発明であり、GaN/AlGaNまたはAlGaN /AlGaN量子井戸構造の活性層の結晶成長において、キャリアガスとして窒素を使用すること、Inを含む物質を同時供給することにより活性層に圧縮性歪みを付与制御し、活性層の厚さをコントロールすることなく、量子井戸構造の結晶性や、対称性、光学特性を改善する技術に関する。
特許文献2は、量子ドットを透光性のある絶縁材料で隔てた構造とすることにより、高特性の発光素子を作製する方法に関する発明であり、量子ドットのサイズ、形状および配列の形態をコントロールするとともに、量子ドット間を透明絶縁体で隔てるものである。量子ドットの形状、サイズ、位置および個数を制御して、量子ドット充填用穴をマトリックス上に作成し、その穴に成分を充填して量子ドットを形成し、量子ドットの位置と、導光体およびキャリア生成体のサイズおよび位置を制御して多層構造を得る技術に関する。
特許文献3は、垂直共振器面発光レーザ、共振器発光ダイオード、共振器垂直型光学装置に関する発明であり、ブラッグ反射型多層下部ミラーが形成された基板と、半導体下部スペーサ領域と、活性領域と、下部ミラーおよび活性領域ならびに下部スペーサ領域を囲む誘電体領域とを有し、上部ミラーは、金属端子が設けられた開ロ部を有し、端子はインジウム錫酸化物などの透明かつ導電性を有する酸化物から形成されている上部スペーサ領域と直接接触している構成を開示する技術に関する。
上述のように、半導体の表面から垂直に光を発する面発光レーザは、シンプルに製造でき、低い消費電力で動作する特徴がある。そのため、多数の研究機関で、実用化に向けた研究開発が進められている。既に、可視光領域から900ナノメートル周辺の波長域では実用の段階にある。
しかし、光通信波長帯である1.3〜1.55ミクロンにおいては、依然として研究途上である。
そこで、本発明は、光通信波長帯を発振する長波長の面発光レーザ素子と、それを用いた画像生成装置及び情報中継装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子は、下部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡と、上部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡との一対で構成される共振器と、その下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間に配置された活性層とを備え、光通信波長を発振する面発光レーザ素子において、活性層を、アンチモン系半導体を用いた量子ドットで構成することを特徴とする。
ここで、活性層のアンチモン系半導体を、GaAs中に埋め込まれたInGaSbの量子ドットで構成してもよい。
或いは、活性層のアンチモン系半導体を、AlGaSbやAlGaAsSbなどのSb系III-V族半導体材料中に埋め込まれ、格子歪の緩和を受けたInAs量子ドットで構成してもよい。
活性層の積層面における量子ドットの形状を非等方形状にして、その非等方的な方位に応じて、発振するレーザの偏光方向を制御してもよい。
活性層の積層面におけるアンチモン系量子ドットの形状を、[1−10]方向に長い略楕円形状とし、その方位に偏向された直線偏光を発振するように制御してもよい。
このようなアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子は、付設電極からの電流注入か、光照射による活性層の励起によって、波長1.3から1.55ミクロン帯で動作する。
電流注入の場合には、電極の接続されたGaAs半導体基板に、下部GaAs半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡を積層してもよい。
上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡としては、電極の接続されたAlAsまたはAlGaAsが有用である。
光照射による活性層の励起の場合には、下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡の一方または両方を、誘電体多層膜で構成し、上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡に、活性層を励起する外部光の照射手段を設けてもよい。
誘電体多層膜は、屈折率の異なる誘電体材料の組みで構成し、SiO2/TiO2などが有効である。
また、活性層を、量子ドットを1個から数個だけ含むピラー構造とし、電流または光励起によって量子ドット内に生成する電子と正孔の対が、量子ドット内で再結合する際に生じる発光を、単一光子源として供するようにしてもよい。
面発光レーザの発振波長は、下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間のキャビティの光学距離によって決まる。
下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間のキャビティの光学距離を、所望発振波長÷材料の屈折率の整数倍として、その所望波長で発振するようにしてもよい。
このような光通信波長用面発光レーザ素子を複数並列されて、素子構造体を形成してもよい。
すると、キャビティの光学距離が異なる素子を設けると、多波長発振させられる。
素子の間隔は、近接させると高集積化できるが、近すぎると光の染み出しが影響するから、互いの素子が干渉しない程度の発振波長の約1/4〜1/2が好ましい。
素子を2次元的に配置し、各素子を信号変調して出力することで、素子によって出力周波数を変えてもよい。
素子から出力される信号経路は、光ファイバも自由空間も自在に利用できる。
変調信号を2次元画像情報として生成することで、画像生成装置として供してもよい。
また、変調信号を2次元画像情報として情報を中継することで、情報中継装置として供してもよい。
本発明によると、簡易な構成でありながら、例えば波長1.34ミクロン程度で室温連続発振する長波長の面発光レーザ素子が得られるので、光通信での利用に供することが可能である。
以下に、図面を基に本発明の実施形態を説明する。
図1は、GaAs中に埋め込まれたInGaSb量子ドットのPL発光スペクトルであり、2つのInGaSb量子ドットの表面原子間力顕微鏡像を併せて示してある。図では、活性層の積層面の方位に相当する面を、InGaSb量子ドットの直交する[110]及び[1−10]方向に設定している。
面発光レーザの活性層の量子ドットにアンチモン系半導体化合物を用いた例として、InGaSb量子ドットをあげた。GaAs中に埋め込まれたInGaSb量子ドットは、図示のように、1.3から1.55ミクロン帯で発光することが示される。
なお、Siを照射することによって、量子ドットを高密度化できると共に、発光強度を上げることができる。
図2は、この材料を用いた例の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図であり、図3は、その発光スペクトル図である。
半導体基板の上に、下部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡、活性層、上部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡が順に積層され、半導体基板と上部半導体多層膜は、電極に接続される。
電流が導通されることによって、下部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡と、上部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡とは共振器として作用し、干渉によって得られたレーザ光が、上部半導体多層膜から垂直に出射される。
本実施例では、半導体基板に、安価なGaAsを用いた。基板には、SiやInP等の半導体結晶や石英ガラス等の非晶質なども利用できる。
下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡にもGaAsを用い、上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡にはAlGaAsを用いた。上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡はAlAsでもよい。
GaAs上で長波長発光する材料を作成することは従来困難であったが、活性層に、アンチモン系半導体の量子ドットを用いることでこの問題を解決した。
活性層のアンチモン系半導体としては、InGaSbが有用に利用できる。
この素子を用いて室温で連続発振が確認され、図2の発振スペクトル図に示したように、波長約1.34ミクロンにピークが現れた。
これによって、従来利用されなかったアンチモンという材料が、面発光レーザの長波長化に有効であることが示された。
また、本素子は、例えば、GaAsの(001)面にGaAsのバッファー層をエピタキシャル成長させるなど、従来公知の容易な結晶成長方法で作成できるため、製造コストの低減にも有効である。
活性層の材料としては、量子ドットの周囲の化合物に、アンチモンが添加された材料も使用できる。
図4は、そのタイプの面発光レーザ素子を例示する断面説明図であり、図5は、その発光スペクトル図である。
活性層が、AlGaSbやAlGaAsSbなどのSb系III-V族半導体材料に埋め込まれ、格子歪の緩和を受けた量子ドットで構成されている。AlGaSbのAlとGaの組成を変化させることによって、発光波長を1.3から1.7ミクロンの間で変化させることができる。
一般に、GaAs中に埋め込まれたInAs量子ドットは1ミクロン程度で発光することが知られているが、これは通信波長での発光には相当しない。
InAsとGaAsの材料の格子定数(InAs:0.605nm, GaAs:0.565nm)が7%程度異なることにより、GaAs中に埋め込んだときにInAs量子ドットへ圧縮歪が印加されるため、発光波長が短波長化したことによると考えられている。アンチモン系化合物はGaAsの格子定数よりも大きいために、InAs量子ドットをアンチモン系半導体化合物で覆うことによって、量子ドットにかかる歪を緩和することできる。
つまり、量子ドットにアンチモン系化合物を用いた場合と、量子ドットの周囲にアンチモン系化合物を用いた場合は、ともに量子ドットからの通信波長1.3から1.55ミクロン帯の発光を実現することが可能である。ゆえに波長1.3から1.55ミクロン帯で動作する通信用面発光レーザ用の活性層材料として、これらのアンチモン材料と量子ドットの組み合わせは非常に有効である。
他方、下部の半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部の半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡の一方または両方を、誘電体多層膜で構成して、上部の半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡に、活性層を励起する外部光の照射手段を設けてもよい。
図6は、その光励起式の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図と、その光学配置を示す説明図である。
GaAs基板上にAlAs/GaAs多層膜分布ブラッグ反射鏡を成長させ、その後、GaAsに埋め込まれたInGaSb量子ドットを3層積層した。キャビティの上部にアンチモン系量子ドットを配置し、キャビティ長を設計波長の半分とすることで、量子ドット層で光の電界強度が最大となるように設計した。上部に、ガラス基板上にSiO2/TiO2で構成された誘電体多層膜分布ブラッグ反射鏡を貼設した。
誘電体多層膜は、SiO2/TiO2をはじめとした屈折率の異なる誘電体材料の組みが利用できる。
800nmの励起光を、ガラスを透過させInGaSb量子ドット活性層に照射した。
量子ドットからの発光は、上部の誘電体多層膜反射鏡と下部の半導体多層膜反射鏡の間で閉じ込められる。
図7に、その発光特性を示す。励起光強度の増加にともない発光波長1.255ミクロンの発光強度は閾値をもつことがわかった。また、その閾値励起光強度で発光スペクトルの半値幅(FWHM)が減少することがわかり、光励起による面発光レーザの発振が観測された。
以上の結果より、反射鏡の一部を誘電体膜として、外部光照射による量子ドット活性層の励起によって、通信波長帯で動作する面発光レーザの実現性が確認された。
図8は、別実施例の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図であり、図9は、その発光スペクトル図である。
本実施例では、InGaSb量子ドット活性層を、SiO2/Ta2O5から成る誘電体多層膜で挟み、キャビティ長を所望発振波長1.55ミクロンの半分に調整した。1.55ミクロン帯のレーザはアイセーフな光として利用可能である。
これに対し、上部から励起光を量子ドット活性層に照射したところ、図9に示すように、1.55ミクロン帯での発振が確認された。そのレーザ発振は、直線偏光であり、偏光方向が量子ドットの[1−10]方向であった。
図10は、その量子ドットの大きさとSiの照射との関係を示すグラフである。
活性層の積層面における量子ドットの大きさはSiの照射によって漸減し、直交する[110]と[1−10]の方向のうち、[1−10]方向に長い略楕円状の形状となった。
このように、活性層の積層面における量子ドットの形状を非等方形状にして、その非等方的な方位に応じて、発振するレーザの偏光方向を制御してもよい。
面発光レーザの発振波長は、下部の半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部の半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間のキャビティの光学距離によって決定される。すなわち、キャビティ長を変化させることで、所望の発振波長で動作する面発光レーザを作製することができる。
例えば、キャビティ長を1.3ミクロン÷材料の屈折率の整数倍とすると、波長1.3ミクロンで発振する面発光レーザを作製できる。
図11は、キャビティ長λ0に合わせて、透過スペクトルに共鳴ディップが現れ、その共鳴波長でレーザ発振が起こることを示している。
このような光通信波長用面発光レーザ素子を複数並列されて、素子構造体を形成してもよい。
その場合、素子のキャビティ長が異なれば、その複数のキャビティ長に応じて異なる波長で発振する多波長発振素子を形成できる。
例えば、InGaSb量子ドットの場合には、発光スペクトルが、図1に示したように非常にブロードである。InGaSb量子ドットをキャビティ内に組み込んだ活性層を用いることで、さまざまな発振波長を同時に出力する面発光レーザを作製することができる。
図12は、異なるキャビティ長(λ0,λ1,λ2)のそれぞれに応じて、異なる波長のレーザ発振が起こる様子を示す説明図である。
また、複数の素子を2次元的に配置し、信号変調して出力するようにし、素子によって出力周波数を変えてもよい。
すると、その変調信号を2次元画像情報として生成する画像生成装置や、変調信号を2次元画像情報として情報を中継する情報中継装置を形成できる。例えば、ディスプレイの一部に、その2次元画像情報を窓表示して提示し、それを別のCCDカメラ等の画像入力装置で撮像するような構成にすることで、2次元画像情報が中継される。このとき中継される経路は光ファイバ中でも良いし、空間中でもよい。このように、本発明は、単なるレーザ発振装置以外にも、多様な用途に利用可能である。
複数の素子は、その間隔を近接させるほど高集積化できるが、近すぎると光の染み出しが影響する危惧があるので、互いの素子が干渉しない程度の発振波長の約1/4〜1/2の間隔に設計することが好ましい。
図13及び14は、活性層を、量子ドット1個を含むピラー構造とした場合の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図であり、図13は、電流注入式、図14は、光励起式のものを示す。
これによると、電流もしくは光励起によって、量子ドット内に電子と正孔の対、つまり励起子を1つ形成することができる。この励起子が量子ドット内で再結合すると、1個の光子が放出される。
また、上下を反射鏡ではさまれた面発光レーザと同構造とすることで、面内への光の取り出し効率を向上させることができる。ゆえに、アンチモン材料と量子ドットを組み合わせた活性層、さらに面発光レーザと同様の素子構造により、通信波長用の単一光子源が得られる。
本発明による面発光レーザ素子は、容易かつ安価に製造できながら、通信波長帯の面発光レーザとしては現在最も長波長な波長帯を有し、半導体レーザの従来性能を凌駕する産業上利用価値の高い発明である。更に、レーザ発振装置以外にも、2次元画像情報を生成して表示するディスプレイや、2次元画像情報を中継する通信装置など多様な用途に利用可能である。
Si照射有無の各場合について、GaAs中に埋め込まれたInGaSb量子ドットのPL発光スペクトルと、InGaSb量子ドットの表面原子間力顕微鏡像を示す図 InGaSb量子ドットを活性層に含み、半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡で構成された面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図 同レーザによる発光スペクトル図 InAs量子ドットの周りがアンチモン系化合物(AlGaSb)で覆われた構成の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図 同レーザによる発光スペクトル図 光励起式の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図と、その光学配置を示す説明図 同レーザによる発光強度と発光半値幅の励起光強度依存性を示すグラフと、閾値励起光強度前後での発光スペクトル図 別実施例の面発光レーザ素子の基本構造を示す断面説明図 同レーザによる発光スペクトル図 同量子ドットの大きさとSiの照射との関係を示すグラフ 単一のキャビティ長を示す面レーザ発光素子の断面説明図と、それによるレーザ発振を示すグラフ 複数のキャビティ長を示す面レーザ発光素子の断面説明図と、それによるレーザ発振を示す説明図 電力注入式の場合の単一光子源の面レーザ発光素子の断面説明図 光励起式の場合の単一光子源の面レーザ発光素子の断面説明図

Claims (20)

  1. 下部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡と、上部半導体多層膜から成る分布ブラッグ反射鏡との一対で構成される共振器と、その下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間に配置された活性層とを備え、光通信波長を発振する面発光レーザ素子において、
    活性層を、アンチモン系半導体を用いた量子ドットで構成する
    ことを特徴とするアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  2. 活性層のアンチモン系半導体が、GaAs中に埋め込まれたInGaSbの量子ドットである
    請求項1に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  3. 活性層のアンチモン系半導体が、Sb系III-V族半導体材料中に埋め込まれ、格子歪の緩和を受けたInAs量子ドットである
    請求項1に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  4. 活性層の積層面における量子ドットの形状が非等方形状であり、その非等方的な方位に応じて、発振されるレーザの偏光方向が制御される
    請求項1ないし3に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  5. 活性層の積層面におけるアンチモン系量子ドットの形状が[1−10]方向に長い略楕円形状であり、その方位に偏向された直線偏光を発振する
    請求項4に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  6. 電極の接続されたGaAs半導体基板に、下部GaAs半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡を積層した
    請求項1ないし5に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  7. 上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡が、電極の接続されたAlAsである
    請求項1ないし6に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  8. 上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡が、電極の接続されたAlGaAsである
    請求項1ないし6に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  9. 下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡の一方または両方が、誘電体多層膜であり、
    多層膜分布ブラッグ反射鏡に、活性層を励起する外部光の照射手段が備わる
    請求項1に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  10. 誘電体多層膜が、屈折率の異なる誘電体材料の組みで構成される
    請求項9に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  11. 活性層が、量子ドットを1個から数個だけ含むピラー構造であり、
    電流または光励起によって量子ドット内に生成する電子と正孔の対が、量子ドット内で再結合する際に生じる発光を、単一光子源として供する
    請求項1ないし10に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  12. 下部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡と上部半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡との間のキャビティの光学距離を、所望発振波長÷材料の屈折率の整数倍として、その所望波長で発振する
    請求項1ないし11に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  13. 請求項1ないし12の光通信波長用面発光レーザ素子が、複数並列されて、素子構造体を形成する光通信波長用面発光レーザ素子。
  14. キャビティの光学距離が異なる素子を有して、多波長発振する
    請求項13に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  15. 素子の間隔が、互いに干渉しない間隔(発振波長の約1/4〜1/2程度)で密に配置された
    請求項13または14に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  16. 素子が2次元的に配置され、各素子を信号変調して出力する
    請求項13ないし15に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  17. レーザ素子から出力される信号経路が光ファイバ内である
    請求項1ないし16に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  18. レーザ素子から出力される信号経路が自由空間内である
    請求項1ないし16に記載のアンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子。
  19. 変調信号を2次元画像情報として生成する
    請求項16ないし18に記載の光通信波長用面発光レーザ素子による画像生成装置。
  20. 変調信号を2次元画像情報として情報を中継する
    請求項16ないし18に記載の光通信波長用面発光レーザ素子による情報中継装置。

JP2005186350A 2004-11-22 2005-06-27 アンチモン系材料を用いた光通信波長用面発光レーザ素子及びその画像生成装置並びに情報中継装置 Pending JP2006173562A (ja)

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