JP2006166628A - 電力変換装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の電源電力を利用・配分し、全体の体積・損失を低減可能であり、デッドタイムによる電流応答への影響を補償する制御方法を提供する。
【解決手段】複数の直流電源に接続され、これら直流電源10a,10bのそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置30の制御方法であって、交流モータ20の駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分するステップと、デッドタイムによって生じる歪相当電圧を求める歪相当電圧算出ステップと、前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求めるステップと、前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とするステップとを含むことを特徴とする。本構成によれば、デッドタイムによる歪電圧を補償する電圧を加えることで、高調波電流を低減する。
【選択図】図2
【解決手段】複数の直流電源に接続され、これら直流電源10a,10bのそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置30の制御方法であって、交流モータ20の駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分するステップと、デッドタイムによって生じる歪相当電圧を求める歪相当電圧算出ステップと、前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求めるステップと、前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とするステップとを含むことを特徴とする。本構成によれば、デッドタイムによる歪電圧を補償する電圧を加えることで、高調波電流を低減する。
【選択図】図2
Description
本発明は、交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法である。
従来技術として燃料電池を主電源として高効率にモータを駆動する構成が、特開2002−118981号公報(特許文献1を参照されたい。)に示されている。この例では、図1に示すようにバッテリーがDCDCコンバータを介して燃料電池と並列に接続されており、DCDCコンバータの出力電圧を制御することで、電源の出力効率を改善することを狙っている。また、DCDCコンバータを不要にした技術として、本願発明者らは先願(出願番号2004-200545号)において、DCDCコンバータを介さずに、燃料電池とバッテリーの組み合わせに限らず、複数の電源電力を利用・配分し、全体の体積・損失を低減可能な電力変換器の制御方法を開発している。
特開2002−118981号公報(段落0004-0005、図1)
しかしながら、前述の構成においては、DCDCコンバータを使っているため、電源と電力変換装置、モータを全て含めたシステム全体の体積が大きくなるとともに、バッテリーを充放電するためにはDCDCコンバータを通過するために損失が発生する。そこで本発明は、DCDCコンバータを介さずに、燃料電池とバッテリーの組み合わせに限らず、複数の電源電力を利用・配分し、全体の体積・損失を低減可能な電力変換器の制御方法を提供することを目的とする。
また、先に挙げた先願(出願番号2004-200545)において、電力変換装置のスイッチをオン・オフさせる場合にデッドタイムを設けた場合に、高調波電流が発生する等の影響を補償する方法についてまでは考慮されていなかった。そこで、本発明は、極間短絡を防止するデッドタイムによる電流応答への影響を補償する制御方法を提供し、電流・電力の応答性向上と、高調波電流の低減による効率を向上させることも目的とする。
また、先に挙げた先願(出願番号2004-200545)において、電力変換装置のスイッチをオン・オフさせる場合にデッドタイムを設けた場合に、高調波電流が発生する等の影響を補償する方法についてまでは考慮されていなかった。そこで、本発明は、極間短絡を防止するデッドタイムによる電流応答への影響を補償する制御方法を提供し、電流・電力の応答性向上と、高調波電流の低減による効率を向上させることも目的とする。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による電力変換装置の制御方法は、
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分するステップと、
デッドタイム(短絡防止のために各スイッチを同時にオフする時間)によって生じる歪電圧に相当する歪相当電圧を求める歪相当電圧算出ステップと、
前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求めるステップと、
前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とするステップと、
を含むことを特徴とする。
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分するステップと、
デッドタイム(短絡防止のために各スイッチを同時にオフする時間)によって生じる歪電圧に相当する歪相当電圧を求める歪相当電圧算出ステップと、
前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求めるステップと、
前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とするステップと、
を含むことを特徴とする。
また、第2の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記歪相当電圧算出ステップが、
電流指令値とキャリア周波数とデッドタイムと電源電圧値から前記歪相当電圧を演算する、
ことを特徴とする。
前記歪相当電圧算出ステップが、
電流指令値とキャリア周波数とデッドタイムと電源電圧値から前記歪相当電圧を演算する、
ことを特徴とする。
さらにまた、第3の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記歪相当電圧算出ステップが、
電流指令値に基づき予め成された電圧値マップを参照して、前記歪相当電圧を演算する、
ことを特徴とする。
前記歪相当電圧算出ステップが、
電流指令値に基づき予め成された電圧値マップを参照して、前記歪相当電圧を演算する、
ことを特徴とする。
さらにまた、第4の発明による電力変換装置の制御方法は、
さらに、前記各補償電圧を制限する補償電圧制限ステップを、
含むことを特徴とする。
さらに、前記各補償電圧を制限する補償電圧制限ステップを、
含むことを特徴とする。
さらにまた、第5の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償電圧制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した電圧指令値に配分するための配分比を入力とし、この配分比を0と判別された際に、加算する前記各補償電圧を0とする、
ことを特徴とする。
前記補償電圧制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した電圧指令値に配分するための配分比を入力とし、この配分比を0と判別された際に、加算する前記各補償電圧を0とする、
ことを特徴とする。
さらにまた、第6の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償電圧制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した電圧指令値に配分するための配分比が所定の閾値以下の場合、前記各補償電圧を制限する(即ち、配分比をゼロであると見なす不感帯を設ける)、
ことを特徴とする。
前記補償電圧制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した電圧指令値に配分するための配分比が所定の閾値以下の場合、前記各補償電圧を制限する(即ち、配分比をゼロであると見なす不感帯を設ける)、
ことを特徴とする。
さらにまた、第7の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償電圧制限ステップが、
前記配分比に応じて前記各補償電圧の値を変化させる、
ことを特徴とする。
前記補償電圧制限ステップが、
前記配分比に応じて前記各補償電圧の値を変化させる、
ことを特徴とする。
さらにまた、第8の発明による電力変換装置の制御方法は、
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するステップと、
前記各電圧指令値を直流電源電圧により各変調率指令値に規格化するステップと、
デッドタイムによって生じる歪電圧に相当する補償変調率を求める補償変調率算出ステップと、
前記各変調率指令値に、前記補償変調率を加算して各変調率指令値とするステップと、
を含むことを特徴とする。
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するステップと、
前記各電圧指令値を直流電源電圧により各変調率指令値に規格化するステップと、
デッドタイムによって生じる歪電圧に相当する補償変調率を求める補償変調率算出ステップと、
前記各変調率指令値に、前記補償変調率を加算して各変調率指令値とするステップと、
を含むことを特徴とする。
さらにまた、第9の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償変調率算出ステップが、
電流指令値とキャリア周波数と前記デッドタイムから、前記補償変調率を演算する、
ことを特徴とする。
前記補償変調率算出ステップが、
電流指令値とキャリア周波数と前記デッドタイムから、前記補償変調率を演算する、
ことを特徴とする。
さらにまた、第10の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償変調率算出ステップが、
電流指令値に基づき予め作成された補償変調率マップを参照して、前記補償変調率を演算する、
ことを特徴とする。
前記補償変調率算出ステップが、
電流指令値に基づき予め作成された補償変調率マップを参照して、前記補償変調率を演算する、
ことを特徴とする。
さらにまた、第11の発明による電力変換装置の制御方法は、
さらに、前記補償変調率を制限する補償変調率制限ステップ、
を含むことを特徴とする。
さらに、前記補償変調率を制限する補償変調率制限ステップ、
を含むことを特徴とする。
さらにまた、第12の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比を入力とし、配分比を0と判別された際に、加算する前記補償変調率を0とする、
ことを特徴とする。
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比を入力とし、配分比を0と判別された際に、加算する前記補償変調率を0とする、
ことを特徴とする。
さらにまた、第13の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比が所定の閾値以下の場合、前記補償変調率を制限する(即ち、配分比をゼロであると見なす不感帯を設ける)、
ことを特徴とする。
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比が所定の閾値以下の場合、前記補償変調率を制限する(即ち、配分比をゼロであると見なす不感帯を設ける)、
ことを特徴とする。
さらにまた、第14の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比に応じて、前記補償変調率の値を変化させる、
ことを特徴とする。
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比に応じて、前記補償変調率の値を変化させる、
ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を方法として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する装置、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現され得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、第1の発明を装置として実現させると、電力変換装置の制御装置は、
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御装置であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分する配分手段(回路)と
デッドタイム(短絡防止のために各スイッチを同時にオフする時間)によって生じる歪電圧に相当する歪相当電圧を求める歪相当電圧算出手段(回路)と、
前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求める手段(回路)と、
前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とする手段(回路)と、
をそなえることを特徴とする。
例えば、第1の発明を装置として実現させると、電力変換装置の制御装置は、
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御装置であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分する配分手段(回路)と
デッドタイム(短絡防止のために各スイッチを同時にオフする時間)によって生じる歪電圧に相当する歪相当電圧を求める歪相当電圧算出手段(回路)と、
前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求める手段(回路)と、
前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とする手段(回路)と、
をそなえることを特徴とする。
第1の発明によれば、デッドタイムによる歪電圧を補償する電圧を加えることで、高調波電流を低減することが可能になるとともに、電流制御・電力制御の応答性も改善できる。また、第2の発明によれば、デッドタイムによる歪電圧を、電流指令値、キャリア周波数、デッドタイム、電源電圧値から演算して求めるため、これらの値が変化し、歪電圧の大きさも変化するような場合にも、補償電圧の大きさを、それらに応じて変化させる事で、高調波電流を低減することが可能になる。また、第3の発明によれば、デッドタイムと、実際のスイッチングのオン・オフタイミングに誤差を有する場合などは、実験的に補償電圧値を変えて、高調波電流の大きさが最小となるように、この補償電圧マップを作成し、参照することで、補償による電流制御の効果をより高めることが可能である。
また、第4の発明によれば、補償電圧を制限することで、スイッチの動作を制限し、スイッチの駆動損失を増加させずに、高調波電流を低減することが可能になる。また、第5の発明によれば、配分比が0である場合に、補償電圧を制限する手段によって、補償電圧を0とすることで、不要なスイッチング動作をすることなく、駆動損失を増加させずに、高調波電流を低減することが可能になる。また、第6の発明によれば、不感帯を設ける事で、配分比の値に含まれるノイズなどの影響を受けずに、配分比0の判定が可能になる。また、第7の発明によれば、配分比に応じて、補償電圧の値を変化させ、不要なスイッチング動作をすることなく、駆動損失を増加させずに、高調波電流を低減することが可能になる。第8の発明によれば、デッドタイムによる歪電圧を補償する補償変調率を加えることで、高調波電流を低減することが可能になるとともに、電流制御・電力制御の応答性も改善できる。また、第9の発明によれば、デッドタイムによる歪電圧に相当する補償変調率を、電流指令値、キャリア周波数、デッドタイムから演算して求めるため、これらの値が変化し、歪電圧の大きさも変化するような場合にも、補償変調率の大きさを、それらに応じて変化させる事で、高調波電流を低減することが可能になる。
また、第10の発明によれば、デッドタイムと、実際のスイッチングのオン・オフタイミングに誤差を有する場合などは、実験的に補償変調率を変えて、高調波電流の大きさが最小となるように、この補償変調率マップを作成し、参照することで、補償による電流制御の効果をより高めることが可能である。また、第11の発明によれば、補償変調率を制限することで、スイッチの動作を制限し、スイッチの駆動損失を増加させずに、高調波電流を低減することが可能になる。また、第12の発明によれば、配分比が0である場合に、補償変調率を制限する手段によって、補償変調率を0とすることで、不要なスイッチング動作をすることなく、駆動損失を増加させずに、高調波電流を低減することが可能になる。また、第13の発明によれば、不感帯を設ける事で、配分比の値に含まれるノイズなどの影響を受けずに、配分比0の判定が可能になる。第14の発明によれば、配分比に応じて、補償変調率の値を変化させ、不要なスイッチング動作をすることなく、駆動損失を増加させずに、高調波電流を低減することが可能になる。
以降、諸図面を参照しつつ、本発明の実施態様を詳細に説明する。図3は、本発明による電力変換装置の制御方法の使用に適した電力変換装置の回路図を示している。電源10aの負極と、電源10bの負極が共通負極母線15に接続されている。共通負極母線15とモータ20の各相端子間には、一般的に知られているインバータの下アームと同様に、半導体スイッチ107a,108a,109aとダイオード107b,108b,109bの組が接続される。電源10aの正極母線14とモータ20の各相端子間とは、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ101a/101b,102a/102b,103a/103bでそれぞれ接続する。また、電源10bの正極母線16とモータ20の各相端子間にも、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ104a/104b,105a/105b,106a/106bをそれぞれ接続する。電源10aの正極母線14と共通負極母線15の間には平滑コンデンサ12を設け、電源10bの正極母線16と共通負極母線15の間にも平滑コンデンサ13を設ける。
電力変換器30は、共通負極母線と電源10aの正極母線と電源10bの正極母線、以上の3つの電位の電圧をもとに、モータに印加する電圧を生成する直流-交流電力変換器である。U相(30U)、V相(30V)、W相(30W)の各相に設けられた半導体スイッチが、交流モータの各相に出力する電圧を生成するスイッチ手段であり、これらの電位のなかから択一的に接続し、その接続する時間の割合を変化させることで、モータに必要な電圧を供給する。
図2を用いて、制御装置40の構成を説明する。41は、外部より与えられるトルク指令とモータの回転速度とから交流モータのd軸電流の指令値id*とq軸電流の指令値iq*とを演算するトルク制御手段である。42は、dq軸電流指令値id*、iq*とdq軸電流値id、iqとから、これらを一致させるための電圧指令値vd*、vq*を演算する電流制御手段である。id、iqは3相/dq変換手段4-8により3相電流iu、ivから求められる。4-3は、dq軸電圧指令値vd*、vq*を3相電圧指令vu*、vq*、vw*に変換するdq/3相電圧変換手段である。44は、3相電圧指令を、電源10aから供給する電力Paと、電源10bから供給する電力Pbの分配目標値(rto_pa、rto_pb)に応じて、それぞれの電源の電圧から生成するU相電圧指令vu_a*、vu_b*、V相電圧指令vv_a*、vv_b*、W相電圧指令vw_a*、vw_b*を生成する電圧分配手段である(以下、電源10aから生成する電圧の指令を電源10a分電圧指令、電源10bから生成する電圧の指令を電源10b分電圧指令と記す)。45は、電源10aの電圧Vdc_a、電源10bの電圧Vdc_bを入力し、vu_a*、vu_b*、vv_a*、vv_b*、vw_a*、vw_b*正規格化した電圧指令である瞬時変調率指令mu_a*、mu_b*、mv_a*、mv_b*、mw_a*、mw_b*を生成する変調率演算手段である。46は、瞬時変調率指令にPWMを行う前の処理を行い最終的な瞬時変調率指令mu_a_c*、mu_b_c *、mv_a_c *、mv_b_c *、mw_a_c *、mw_b_c *を生成する変調率補正手段である。47は、最終的な瞬時変調率指令に基づいて電力変換器30の各スイッチをオン/オフするPWMパルスを生成するPWMパルス生成手段である。図2において、電圧分配手段44、規格化電圧指令生成手段45で電力の分配を所望の値にするための電圧指令値を生成する。
電圧分配手段44には、電圧指令vu*、vv*、vw*と分配電力指令値rto_pa(=1-rto_pb)が入力される。これらから、以下の計算により電源10a分電圧指令、電源10b分電圧指令を求める。
vu_a*=rto_pa・vu*
vu_b*=rto_pb・vu*
vv_a*=rto_pa・vv*
vv_b*=rto_pb・vv*
vw_a*=rto_pa・vw*
vw_b*=rto_pb・vu*
vu_a*=rto_pa・vu*
vu_b*=rto_pb・vu*
vv_a*=rto_pa・vv*
vv_b*=rto_pb・vv*
vw_a*=rto_pa・vw*
vw_b*=rto_pb・vu*
以下、変調率演算手段45、変調率補正手段46、PWMパルス生成手段47を図4、5、6を用いて詳細に説明する。図5は、図4の各手段で行う演算をフローチャートで示したものである。図6は、PWMパルスの生成方法を示したものである。以下の説明は、U相についてのみ行うが、V相、W相についても全く同様の操作を行う。
変調率演算手段45
変調率演算手段45は図5に示す演算2を行う。U相の電源10a分電圧指令vu_a*、電源10b分電圧指令vu_b*をそれぞれの直流電圧の半分の値で正規化することで電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*を求める。
mu_a*=vu_a*/(Vdc_a/2)
mu_b*=vu_b*/(Vdc_b/2)
変調率演算手段45は図5に示す演算2を行う。U相の電源10a分電圧指令vu_a*、電源10b分電圧指令vu_b*をそれぞれの直流電圧の半分の値で正規化することで電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*を求める。
mu_a*=vu_a*/(Vdc_a/2)
mu_b*=vu_b*/(Vdc_b/2)
変調率補正手段46
変調率補正手段46は図5に示す演算3を行う。この演算では、電源電圧Vdc_a、Vdc_bと分配電力目標値rto_paとrto_pbを用いて、次の式に基づいて電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu*_bの補正を行う。
このように、電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu*_bに分配電力目標値の大きさに応じた値を乗じるとともにオフセット値を減算することで、分配電力目標値の大きさが大きい電源から生成する電圧を大きくできるようにしている。
変調率補正手段46は図5に示す演算3を行う。この演算では、電源電圧Vdc_a、Vdc_bと分配電力目標値rto_paとrto_pbを用いて、次の式に基づいて電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu*_bの補正を行う。
このように、電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu*_bに分配電力目標値の大きさに応じた値を乗じるとともにオフセット値を減算することで、分配電力目標値の大きさが大きい電源から生成する電圧を大きくできるようにしている。
PWMパルス生成手段47
図6において、電源10a用キャリアは、電源10aの電圧Vdc_aから電圧パルスを出力するために、各スイッチを駆動するPWMパルスを生成するための三角波キャリアであり、同様に、電源10b用キャリアとして三角波を設ける。これら二つの三角波キャリアは、上限+1、下限―1の値をとり、180度の位相差を持つ。
ここでは、U相の各スイッチを駆動する信号を、図7をもとに次のようにおく。
A:電源10aから出力端子の方向へ導通するスイッチの駆動信号
B:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチの駆動信号
C:出力端子から電源10aの方向へ導通するスイッチの駆動信号
D:電源10bから出力端子の方向へ導通するスイッチの駆動信号
E:出力端子から電源10bの方向へ導通するスイッチの駆動信号
図6において、電源10a用キャリアは、電源10aの電圧Vdc_aから電圧パルスを出力するために、各スイッチを駆動するPWMパルスを生成するための三角波キャリアであり、同様に、電源10b用キャリアとして三角波を設ける。これら二つの三角波キャリアは、上限+1、下限―1の値をとり、180度の位相差を持つ。
ここでは、U相の各スイッチを駆動する信号を、図7をもとに次のようにおく。
A:電源10aから出力端子の方向へ導通するスイッチの駆動信号
B:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチの駆動信号
C:出力端子から電源10aの方向へ導通するスイッチの駆動信号
D:電源10bから出力端子の方向へ導通するスイッチの駆動信号
E:出力端子から電源10bの方向へ導通するスイッチの駆動信号
まず、電源10aから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法について述べる。電源10aからPWMパルスを出力する際に、Aをオンする必要がある。正極と正極の間に電位差があり、Vdc_a>Vdc_bであるとすると、AとEがともにオンする際に、正極間を短絡する電流が流れることになる。また、スイッチが半導体スイッチで構成された場合、オフからオンの状態の切り換えに時間遅れが生じる。例えば、同時にAをオンからオフへ、Eをオフからオンへ信号を切り換えた場合に、Aが完全にオフするまでに時間を要するため、Eのオン時と重なり、ともにオンする時間が生じる。この際に、短絡電流が流れ、この経路に設置された半導体スイッチの発熱量が増加する。このような発熱の増加を予防するために、駆動信号AとEがともにオフする時間を経過した後に、A、Eをオフからオンへ切り換えるようにする。このように駆動信号に短絡防止時間(デッドタイム)付加したパルス生成を行う。このAとEの駆動信号にデッドタイムを付加するのと同様に、正極間の短絡を防止するためにEとCにデッドタイムを付加し、さらに、正極と負極の短絡防止のためには、AとB、EとBにデッドタイムを付加することになる。
図8を用いて、AとEの駆動信号にデッドタイムを付加する方法を以下に説明する。デッドタイムを付加した駆動信号生成を行うため、mu_a_c*からデッドタイム分オフセットしたmu_a_c_up*,mu_a_c_down*を次のように求める。
mu_a_c_up* = mu_a_c* + Hd
mu_a_c_down* = mu_a_c* − Hd
ここで、Hdは三角波の振幅(底辺から頂点まで)Htrと周期Ttr、デッドタイムTdから次のように求める。
Hd = 2Td・Htr/Ttr
キャリアとmu_a_c*,mu_a_c_up*,mu_a_c_down*の比較を行って、AとEのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_a_c_down* ≧ 電源10a用キャリア ならば A = ON
mu_a_c* ≦ 電源10a用キャリア ならば A = OFF
mu_a_c* ≧ 電源10a用キャリア ならば E = OFF
mu_a_c_up* ≦ 電源10a用キャリア ならば E = ON
このように、駆動信号を生成することで、AとEの間にはTdのデッドタイム(双方のスイッチがオフとなる時間)を設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
mu_a_c_up* = mu_a_c* + Hd
mu_a_c_down* = mu_a_c* − Hd
ここで、Hdは三角波の振幅(底辺から頂点まで)Htrと周期Ttr、デッドタイムTdから次のように求める。
Hd = 2Td・Htr/Ttr
キャリアとmu_a_c*,mu_a_c_up*,mu_a_c_down*の比較を行って、AとEのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_a_c_down* ≧ 電源10a用キャリア ならば A = ON
mu_a_c* ≦ 電源10a用キャリア ならば A = OFF
mu_a_c* ≧ 電源10a用キャリア ならば E = OFF
mu_a_c_up* ≦ 電源10a用キャリア ならば E = ON
このように、駆動信号を生成することで、AとEの間にはTdのデッドタイム(双方のスイッチがオフとなる時間)を設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
また、電源10bから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法は、電源10aの場合と同様であり、次のmu_b_c_up*,mu_b_c_down*を求め、電源10b用キャリアとの比較を行う(図9)。
mu_b_c_up* = mu_b_c* + Hd
mu_b_c_down* = mu_b_c* − Hd
DとCのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_b_c_down* ≧ 電源10b用キャリア ならば D = ON
mu_b_c* ≦ 電源10b用キャリア ならば D = OFF
mu_b_c* ≧ 電源10b用キャリア ならば C = OFF
mu_b_c_up* ≦電源10b用キャリア ならば C = ON
このようにして、DとCの間にもTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。駆動信号Bは、AND回路などを使って生成された駆動信号EとCの論理積から生成する。
B=E・C
EはAとの間にデッドタイムが付加した駆動信号であり、CはDとの間にデッドタイムが付加した駆動信号である。このため、AND回路などを使ってBをEとCの論理積から生成することで、BとA、BとEにもデッドタイムを生成することができる。デッドタイムが付加されたパルス生成の例を図10に示す。
mu_b_c_up* = mu_b_c* + Hd
mu_b_c_down* = mu_b_c* − Hd
DとCのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_b_c_down* ≧ 電源10b用キャリア ならば D = ON
mu_b_c* ≦ 電源10b用キャリア ならば D = OFF
mu_b_c* ≧ 電源10b用キャリア ならば C = OFF
mu_b_c_up* ≦電源10b用キャリア ならば C = ON
このようにして、DとCの間にもTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。駆動信号Bは、AND回路などを使って生成された駆動信号EとCの論理積から生成する。
B=E・C
EはAとの間にデッドタイムが付加した駆動信号であり、CはDとの間にデッドタイムが付加した駆動信号である。このため、AND回路などを使ってBをEとCの論理積から生成することで、BとA、BとEにもデッドタイムを生成することができる。デッドタイムが付加されたパルス生成の例を図10に示す。
このようにデッドタイムを付加し、スイッチA・D・Bがともにオフの期間中は、出力電圧は出力電流の方向に依存することになる(図11)。スイッチのオン・オフに時間遅れがないものとすると、デッドタイムによる電圧は次のような大きさになり、その位相は電流位相に依存する。
電源10a分電圧指令に対して
Vtd_a = Vdc_a・Td・Fc
電源10b分電圧指令に対して
Vtd_b = Vdc_b・Td・Fc
ここでFcは三角波のキャリア周波数である。
電源10a分電圧指令に対して
Vtd_a = Vdc_a・Td・Fc
電源10b分電圧指令に対して
Vtd_b = Vdc_b・Td・Fc
ここでFcは三角波のキャリア周波数である。
このデッドタイムによる電圧は、電流制御の外乱となり、モータに高調波電流を生じさせる。この外乱となる電圧を補償するための補償電圧を、図16の制御演算にて行う。電源10a用によるU相電圧指令値vu_a*に対する補償電圧vu_a_dtと、電源10b用によるU相電圧指令値vu_b*に対する補償電圧vu_b_dtを、U相の電流指令値とVdc_a、Vdc_b、 Td、Fcを入力として演算する。補償電圧の振幅は、前述のVtd_a、Vtd_bであり、電流指令値の符号によって、次のように出力される。
Iu*≧ 0 ならば vu_a_dt =Vtd_a
Iu* < 0 ならば vu_a_dt = -Vtd_a
Iu*≧ 0 ならば vu_b_dt =Vtd_b
Iu* < 0 ならば vu_b_dt = -Vtd_b
Iu*≧ 0 ならば vu_a_dt =Vtd_a
Iu* < 0 ならば vu_a_dt = -Vtd_a
Iu*≧ 0 ならば vu_b_dt =Vtd_b
Iu* < 0 ならば vu_b_dt = -Vtd_b
演算された補償電圧は、次に、補償電圧制限器に入力される。補償電圧制限器では、まず、配分比rto_pa、rto_pbが0かを判別する。この判別を図18のフローチャートを用いて説明する。まず、電源10aの補償電圧vu_a_dtを取得する。次に、配分比rto_paを予め設定された閾値rto_pa_thとの比較を行う。閾値よりも小さい時には、配分比を0とみなし、補償電圧vu_a_dtを0に置き換えて出力する。また、閾値以上の場合には、補償電圧をそのまま出力する。これと同様な演算を電源10bについても行う。このような閾値による不感帯を設ける事で、配分比の値に含まれるノイズなどの影響を受けずに、配分比0の判定が可能になる(第6の発明に相当)。
演算された補償電圧vu_a_dtは、図13のブロック図で示したように、電圧配分後のvu_a*に加算し、この電圧指令値を、前述の変調率演算手段45の入力とする。その後の処理は、変調率補正手段46・PWMパルス生成手段47を行い、前述のパルス・デッドタイム生成によって実現する。同様に、補償電圧vu_b_dtに関しても、vu_b*に加算し、処理を行う。
図19は補償電圧を加えない場合のU相電流波形であり、図20は補償電圧を加えた場合のU相電流である。このように、補償電圧を加えることで、電流の高調波電流を低減することが可能になるとともに、電流制御・電力制御の応答性も改善できる(第1、2の発明に相当)。
さらに、配分比rto_paが0である場合に、補償電圧を加算すると、図22に示したように、Eがスイッチングする。rto_paが0の意味するところは、電源10bのみを使用してモータを駆動することであり、回路としては、A・Cのスイッチが常にオフ、Eがオンの電源10bによるインバータと同じ回路を形成することである。ところが、図22では、補償電圧が加わる事で、スイッチEをオン・オフさせている。
図21は、配分比rto_paが0である場合、かつ、補償電圧制限器を通した場合であり、補償電圧が0となるため、スイッチEもスイッチング動作はせずに、駆動損失を増加させずに高調波電流を低減することが可能である(第4・5・6の発明に相当)。
さらに、配分比rto_paが0である場合に、補償電圧を加算すると、図22に示したように、Eがスイッチングする。rto_paが0の意味するところは、電源10bのみを使用してモータを駆動することであり、回路としては、A・Cのスイッチが常にオフ、Eがオンの電源10bによるインバータと同じ回路を形成することである。ところが、図22では、補償電圧が加わる事で、スイッチEをオン・オフさせている。
図21は、配分比rto_paが0である場合、かつ、補償電圧制限器を通した場合であり、補償電圧が0となるため、スイッチEもスイッチング動作はせずに、駆動損失を増加させずに高調波電流を低減することが可能である(第4・5・6の発明に相当)。
第二の実施例では、第一の実施例との差異のみを図14を用いて説明する。図14の補正電圧演算器は、電流指令値の符号を入力とし、予め作成した補償電圧マップを参照して、補償電圧を出力する。パルス生成時に設定したデッドタイムと、実際のスイッチングのオン・オフタイミングに誤差を有する場合などは、実験的に補償電圧値を変えて、高調波電流の大きさが最小となるように、この補償電圧マップを作成し、参照することで、補償による電流制御の効果をより高めることが可能である。
第三の実施例では、第一の実施例との差異のみを図23を用いて説明する。図23は、図16の制御演算における、補償電圧制限器の動作を示すフローチャートである。補償電圧vu_a_dtを入力として取得し、配分比rto_paと閾値rto_pa_thの比較を行う。配分比が閾値よりも小さい場合には、補償電圧vu_a_dtに配分比とゲインαを乗じて、新たな配分比vu_a_dtに置き換える。他、電源10b用の補償電圧や各相の演算も同様にして行う。このように、配分比の減少とともに補償電圧値も減少していくため、配分比0の際に、補償電圧も0となる。この結果、図21のように、スイッチEのスイッチング動作をさせず、スイッチの駆動損失を増加させること無く、高調波電流を低減することが可能である。
第四の実施例では、第一の実施例との差異のみを以下に説明する。外乱となる電圧を補償するため、補償変調率を図17の制御演算にて行う。電源10a用によるU相変調率指令値mu_a_c*に対する補償変調率mu_a_dtと、電源10b用によるU相変調率指令値mu_b_c*に対する補償変調率mu_b_dtを、U相の電流指令値、Td、Fcを入力として演算する。補償変調率の振幅は、Mtdとして演算し、電流指令値の符号によって、次のように出力される。
Mtd = Td・Fc
Iu*≧ 0 ならば mu_a_dt =Mtd
Iu* < 0 ならば mu_a_dt = -Mtd
Iu*≧ 0 ならば mu_b_dt =Mtd
Iu* < 0 ならば mu_b_dt = -Mtd
補償変調率の振幅は、電源10aと電源10bでキャリア周波数とデッドタイムが異なる場合には、それぞれ別に補償偏重率を演算してもよい。次に、演算された補償変調率は、補償変調率制限器に入力される。補償変調率制限器は、補償変調率を配分比に応じて出力する。この判別を図24のフローチャートを用いて説明する。まず、電源10aの補償変調率mu_a_dtを取得する。次に、配分比rto_paを予め設定された閾値rto_pa_thとの比較を行う。閾値よりも小さい時には、配分比を0とみなし、補償変調率mu_a_dtを0におきかえて出力する。また、閾値以上の場合には、補償変調率をそのまま出力する。これと同様な演算を電源10bについても行う。このような閾値による不感帯を設ける事で、配分比の値に含まれるノイズなどの影響を受けずに、配分比0の判定が可能になる(第13の発明に相当)。
Mtd = Td・Fc
Iu*≧ 0 ならば mu_a_dt =Mtd
Iu* < 0 ならば mu_a_dt = -Mtd
Iu*≧ 0 ならば mu_b_dt =Mtd
Iu* < 0 ならば mu_b_dt = -Mtd
補償変調率の振幅は、電源10aと電源10bでキャリア周波数とデッドタイムが異なる場合には、それぞれ別に補償偏重率を演算してもよい。次に、演算された補償変調率は、補償変調率制限器に入力される。補償変調率制限器は、補償変調率を配分比に応じて出力する。この判別を図24のフローチャートを用いて説明する。まず、電源10aの補償変調率mu_a_dtを取得する。次に、配分比rto_paを予め設定された閾値rto_pa_thとの比較を行う。閾値よりも小さい時には、配分比を0とみなし、補償変調率mu_a_dtを0におきかえて出力する。また、閾値以上の場合には、補償変調率をそのまま出力する。これと同様な演算を電源10bについても行う。このような閾値による不感帯を設ける事で、配分比の値に含まれるノイズなどの影響を受けずに、配分比0の判定が可能になる(第13の発明に相当)。
演算された補償変調率mu_a_dtは、図12のブロック図で示したように、変調率演算手段45にて瞬時変調率指令mu_a_c*に加算し、PWMパルス生成手段47への入力とする。これはU相についての処理であるが、他の相についても同じ操作を行う。同様に、mu_b_dtに関しても、mu_b_c*に加算し、処理を行う。図19と図20に示したU相電流波形の効果と同様に、このように補償変調率を加える事で、電流の高調波電流を低減することが可能になるとともに、電流制御・電力制御の応答性も改善できる(第8・9の発明に相当)。また、補償変調率制限器を設けることにより、第一の実施例で示した補償電圧制限器と同様な効果が得られる(第11・12の発明に相当)。
第五の実施例では、第四の実施例との差異のみを図15を用いて説明する。図15の補正変調率演算器は、電流指令値の符号を入力とし、予め作成した補償変調率マップを参照して、補償変調率を出力する。パルス生成時に設定したデッドタイムと、実際のスイッチングのオン・オフタイミングに誤差を有する場合などは、実験的に補償変調率を変えて、高調波電流の大きさが最小となるように、この補償変調率マップを作成し、参照することで、補償による電流制御の効果をより高めることが可能である。
第六の実施例では、第四の実施例との差異のみを図25を用いて説明する。図25は、図17の制御演算における、補償変調率制限器の動作を示すフローチャートである。補償変調率mu_a_dtを入力として取得し、配分比rto_paと閾値rto_pa_thの比較を行う。配分比が閾値よりも小さい場合には、補償変調率mu_a_dtに配分比とゲインαを乗じて、新たな配分比mu_a_dtに置き換える。他、電源10b用の補償変調率や各相の演算も同様にして行う。このように、配分比の減少とともに補償変調率も減少していくため、配分比0の際に、補償変調率も0となる。この結果、図21のように、スイッチEのスイッチング動作をさせずに、スイッチの駆動損失を低減することが可能である。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
10a,10b 電源
12,13 平滑コンデンサ
14 電源10aの正極母線
15 共通負極母線
16 電源10bの正極母線
20 モータ
101a/101b,102a/102b,103a/103b 半導体スイッチ
104a/104b,105a/105b,106a/106b 半導体スイッチ
107a,108a,109a 半導体スイッチ
107b,108b,109b ダイオード
30 電力変換器
30U U相のスイッチ群
30V V相のスイッチ群
30W W相のスイッチ群
40 制御装置
41 トルク制御手段
42 電流制御手段
43 dq/3相電圧変換手段
44 電圧分配手段
45 変調率演算手段
46 変調率補正手段
47 PWMパルス生成手段
48 3相/dq電圧変換手段
12,13 平滑コンデンサ
14 電源10aの正極母線
15 共通負極母線
16 電源10bの正極母線
20 モータ
101a/101b,102a/102b,103a/103b 半導体スイッチ
104a/104b,105a/105b,106a/106b 半導体スイッチ
107a,108a,109a 半導体スイッチ
107b,108b,109b ダイオード
30 電力変換器
30U U相のスイッチ群
30V V相のスイッチ群
30W W相のスイッチ群
40 制御装置
41 トルク制御手段
42 電流制御手段
43 dq/3相電圧変換手段
44 電圧分配手段
45 変調率演算手段
46 変調率補正手段
47 PWMパルス生成手段
48 3相/dq電圧変換手段
Claims (14)
- 複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各モータ電圧指令値に配分するステップと、
デッドタイムによって生じる歪電圧に相当する歪相当電圧を求める歪相当電圧算出ステップと、
前記歪相当電圧と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、各補償電圧をそれぞれ求めるステップと、
前記各モータ電圧指令値に前記各補償電圧を加算したものを前記各モータ電圧指令値とするステップと、
を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記歪相当電圧算出ステップが、
電流指令値とキャリア周波数とデッドタイムと電源電圧値から前記歪相当電圧を演算する、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記歪相当電圧算出ステップが、
電流指令値に基づき予め成された電圧値マップを参照して、前記歪相当電圧を演算する、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置の制御方法において、
さらに、前記各補償電圧を制限する補償電圧制限ステップを、
含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項4に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償電圧制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した電圧指令値に配分するための配分比を入力とし、この配分比を0と判別された際に、加算する前記各補償電圧を0とする、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項4に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償電圧制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した電圧指令値に配分するための配分比が所定の閾値以下の場合、前記各補償電圧を制限する、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項4に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償電圧制限ステップが、
前記配分比に応じて前記各補償電圧の値を変化させる、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するステップと、
前記各電圧指令値を直流電源電圧により各変調率指令値に規格化するステップと、
デッドタイムによって生じる歪電圧に相当する補償変調率を求める補償変調率算出ステップと、
前記各変調率指令値に、前記補償変調率を加算して各変調率指令値とするステップと、
を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項8に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償変調率算出ステップが、
電流指令値とキャリア周波数と前記デッドタイムから、前記補償変調率を演算する、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項8に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償変調率算出ステップが、
電流指令値に基づき予め作成された補償変調率マップを参照して、前記補償変調率を演算する、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項8〜10のいずれか1項に記載の電力変換装置の制御方法において、
さらに、前記補償変調率を制限する補償変調率制限ステップ、
を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項11に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比を入力とし、配分比を0と判別された際に、加算する前記補償変調率を0とする、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項11に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比が所定の閾値以下の場合、前記補償変調率を制限する、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。 - 請求項11に記載の電力変換装置の制御方法において、
前記補償変調率制限ステップが、
前記交流モータの駆動電圧を前記複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分するための配分比に応じて、前記補償変調率の値を変化させる、
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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