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JP2006164800A - 導電膜の形成方法及び導電膜 - Google Patents

導電膜の形成方法及び導電膜 Download PDF

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JP2006164800A JP2004355835A JP2004355835A JP2006164800A JP 2006164800 A JP2006164800 A JP 2006164800A JP 2004355835 A JP2004355835 A JP 2004355835A JP 2004355835 A JP2004355835 A JP 2004355835A JP 2006164800 A JP2006164800 A JP 2006164800A
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Masatsugu Nakano
雅継 中野
Atsumi Wakabayashi
淳美 若林
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

【課題】 低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を廉価に再現性良く形成することが可能な導電膜の形成方法及び導電膜を提供する。
【解決手段】 本発明の導電膜の形成方法は、金属酸化物粒子を含有する塗布液を基材上に塗布して塗布膜とし、この塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射することにより、この塗布膜を導電膜とすることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電膜の形成方法及び導電膜に関し、更に詳しくは、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(EL)等の画像表示装置に好適に用いられ、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた透明導電膜を廉価に再現性良く形成することが可能な導電膜の形成方法及び導電膜に関するものである。
従来、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(EL)等の画像表示装置の画像表示部では、ガラス基板、有機高分子フィルム等の透明基材上に透明導電膜が形成されたフラットパネルが用いられている。
透明基材上に透明導電膜を形成する方法としては、従来より、乾式法や湿式法が知られている。
乾式法は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等により金属または金属酸化物からなる透明導電膜を透明基材上に成膜する方法である(例えば、非特許文献1参照)。
この乾式法では、高品位な膜を成膜することが可能であるが、比較的高い真空度を必要とするために製造装置が高価なものとなり、その結果、成膜のコストが高くなり、得られた導電膜が非常に高価なものとなってしまうという不都合があある。
一方、湿式法は、塗工法により透明導電膜を形成する方法であり、金属アルコキシドの加水分解と縮重合反応を利用するゾルゲル法により透明基材上に金属酸化物薄膜を形成する方法、金属微粒子または金属酸化物微粒子を各種溶媒に分散させた塗布液を透明基材上に塗布する方法等が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
この湿式法では、塗工装置が比較的安価であることから、安価な透明導電膜が提供可能であるという優れた点があるものの、所望の透明導電性を得るためには熱処理する必要があり、したがって、耐熱性が充分でない有機高分子フィルム等の基材には適用できないという不都合があった。
例えば、ゾルゲル法の場合、所望の導電性を得るためには300〜400℃、あるいはそれ以上の温度にて熱処理するのが一般的であるが、このような温度に耐え得る有機高分子フィルムはいまだに得られていない。
また、金属微粒子や金属酸化物微粒子を用いた場合、乾式法で得られた透明導電膜と比べて粒子同士の接合が緻密ではないために、例えば200℃以上に加熱し、微粒子同士を融着させることが必要であるが、有機高分子フィルムは200℃以上の加熱に耐えることができない。
したがって、透明基材に有機高分子フィルムを用いたプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(EL)等の分野においては、耐熱性の点で適用できないという不都合があった。
そこで、最近、上記の様々な不都合を解消するために、熱処理を伴わない導電膜の形成方法として、光エネルギーを利用した導電膜の形成方法が注目されている(例えば、特許文献3参照)。
この方法は、有機高分子フィルムの表面に、金属アルコキシドまたは金属塩を主原料として得られた多量の金属水酸化物等を含むゾルからなる薄膜を形成し、その後、この薄膜に波長が360nm以下の紫外光を照射することにより、金属酸化物薄膜を得る方法である。
より具体的には、酸化インジウム(In)前駆体や錫添加酸化インジウム(ITO)前駆体を含むゾル膜に、紫外線ランプやエキシマレーザを用いて、172nm、193nm、222nm、253nm、308nmのいずれかの波長の紫外光を照射することにより、金属酸化物薄膜を得ている。
酒見俊之、牛神善博、栗井清、「イオンプレーティングによるITO成膜技術」、表面技術、社団法人表面技術協会、1999年9月、第50巻、第9号、p.782−785 特開昭60−220507号公報 特開平11−31417号公報 特開平9−157855号公報
ところで、従来の光エネルギーを利用した導電膜の形成方法では、次のような様々な問題点があった。
(1)未だ多量の金属水酸化物等を含むゾル状態の塗布液の反応性が高く、しかも不安定であるために、この塗布液を用いて形成された導電膜の膜質の面内均一性が必ずしも充分なものではなく、したがって、同一特性の導電膜を再現性よく形成することが困難である。
(2)塗布液としてゾル状態の塗布液を用いる場合、一度の塗布では充分な膜厚を有する塗布膜を形成することができないため、実用的な導電性を備えた導電膜を形成するためには、数度の塗布を繰り返して塗布膜を形成する必要があり、また、厚膜を得ようとするとヘイズが増大することとなる。したがって、得られる導電膜の透明性が必ずしも充分でない。
また、塗布工程数が増加するために、導電膜の生産コストが増大する。
(3)熱処理を伴わないことから耐熱性が充分でない基材にも適用可能であるが、紫外光源として紫外線ランプを用いると、長時間に亘って照射が必要となるために実用的でない。一方、エキシマレーザは高エネルギー領域のレーザとして有用なレーザであるものの、維持に手間がかかり、しかもランニングコストが高い。その結果、いずれの紫外光源を用いた場合であっても、製造コストが嵩み、得られる導電膜が高価なものとなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を廉価に再現性良く形成することが可能な導電膜の形成方法及び導電膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、金属酸化物粒子を含有する塗布膜に、320nm以上かつ400nm以下の波長帯域のレーザ光を照射すれば、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を再現性よく形成することができ、しかも、生産性がよく、低コストであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電膜の形成方法は、金属酸化物粒子を含有する塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射することにより、前記塗布膜を導電膜とすることを特徴とする。
この導電膜の形成方法では、導電性の原料成分として、安定性が充分でないゾルを使用せず、安定性に優れた金属酸化物粒子を使用したことにより、膜質の面内均一性に優れた導電膜が再現性よく形成される。
また、導電性の原料成分として金属酸化物粒子を使用することにより、320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を使用することが可能になる。
また、このような波長のレーザ光を照射することが可能なレーザ照射装置、例えばYAGレーザ照射装置は、エキシマレーザ装置等のレーザ照射装置よりも廉価であることから、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を、廉価に形成することが可能である。
また、導電性の原料成分として金属酸化物粒子を使用しているので、塗布膜形成の工程数が増加し生産コストが増大する虞がなくなる。
前記金属酸化物粒子の平均粒子径は、200nm以下であることが好ましい。
前記金属酸化物粒子の平均粒子径を200nm以下、より好ましくは1nm以上かつ100nm以下とすることにより、導電性かつ透明性に優れ、基材との密着性にも優れた導電膜を形成することが可能になる。
前記金属酸化物は、酸化インジウム、または酸化インジウムに元素を添加した元素添加酸化インジウムであることが好ましい。
前記酸化インジウムに添加される元素は、スズ、ゲルマニウム、モリブデン、フッ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、タングステン、テルルの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記金属酸化物をこのような組成とすることにより、透明性がより優れた透明導電膜を形成することが可能になる。
前記金属酸化物は、酸化亜鉛、または酸化亜鉛に元素を添加した元素添加酸化亜鉛であることが好ましい。
前記酸化亜鉛に添加される元素は、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、インジウム、イットリウム、スカンジウム、フッ素、バナジウム、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記金属酸化物をこのような組成とすることにより、透明性がより優れた透明導電膜を形成することが可能になる。
本発明の導電膜は、本発明の導電膜の形成方法により形成されたことを特徴とする。
本発明の導電膜の形成方法によれば、金属酸化物粒子を含有する塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射するので、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を、廉価に再現性良く形成することができる。
また、320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射する装置は、他のレーザ照射装置よりも廉価であるので、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を、生産性よく、廉価に製造することができる。
また、導電性の原料成分として金属酸化物粒子を使用しているので、塗布膜形成の工程数が増加する虞が無く、したがって、生産コストが増大する虞もない。
また、前記金属酸化物粒子の平均粒子径を200nm以下とすれば、膜厚が薄いにもかかわらず、膜の面内均一性を向上させることができ、表面抵抗の低抵抗化を図ることができる。
本発明の導電膜によれば、本発明の導電膜の形成方法により形成したので、導電膜の低抵抗化及び膜質の面内均一化を図ることができる。
本発明の導電膜の形成方法及び導電膜を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の導電膜の形成方法は、金属酸化物粒子を含有する塗布液を基材上に塗布して塗布膜とし、この塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射することにより、前記塗布膜を導電膜とする方法である。
ここで、照射するレーザ光の波長帯域を320nm以上かつ400nm以下と限定した理由は、照射するレーザ光の波長が320nm未満では、導電膜を形成することはできるものの膜の面内均一性が低下し、したがって、得られた導電膜の導電性が低下するからであり、また、レーザ照射装置として高価なエキシマレーザ装置を使用せざるを得ず、導電膜の生産コストが上昇するからである。一方、照射するレーザ光の波長が400nmを越えると、導電膜を形成することができず、照射するレーザ光として不適当である。
このレーザ光の最適な波長は、導電膜の導電性の向上、及びレーザ照射装置の価格の点で、355nmが最適である。
ここで、本実施形態の塗布液、塗布膜及びレーザ光照射それぞれについて、詳細に説明する。
「塗布液」
この塗布液は、金属酸化物粒子を水および/または有機溶媒からなる溶媒中に分散させた塗布液である。この金属酸化物粒子としては、導電性に優れた金属酸化物粒子であれば特に制限されず、その平均粒子径は200nm以下、好ましくは1nm以上かつ100nm以下のものが導電性かつ透明性に優れ、しかも基材との密着性にも優れた導電膜が得られるので好適である。
ここで、金属酸化物粒子の平均粒子径が200nmを越えると、得られる導電膜の可視光透過率が低下し、したがって、透明性が低下するので好ましくない。
金属酸化物としては、酸化インジウム(In)、または酸化インジウム(In)に元素(M)を添加した元素(M)添加酸化インジウム(In)が、透明性が優れた導電膜を形成することができる点で好ましい。
酸化インジウム(In)に添加される元素(M)は、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、フッ素(F)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、テルル(Te)の群から選択される1種または2種以上であることが好ましく、なかでも酸化インジウム(In)にスズ(Sn)を添加したスズ添加酸化インジウム(ITO)は、透明性がより優れた導電膜を形成することができるので好ましい。
また、上記の金属酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、または酸化亜鉛(ZnO)に元素(M)を添加した元素(M)添加酸化亜鉛(ZnO)が、透明性が優れた導電膜を形成することができる点で好ましい。
酸化亜鉛(ZnO)に添加される元素(M)は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、インジウム(In)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、フッ素(F)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)の群から選択される1種または2種以上であることが好ましく、なかでも酸化亜鉛(ZnO)にアルミニウム(Al)を添加したアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)は、透明性がより優れた導電膜を形成することができるので好ましい。
上記の有機溶媒としては、使用する金属酸化物粒子により適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等の一価アルコール類、エチレングリコール等の二価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。
この塗布液には、バインダを含有していても、含有していなくてもよいが、バインダーを過剰に添加すると、得られる導電膜の透明性や導電性が低下するので好ましくない。即ち、このバインダが無機系バインダを含有している場合には、無機系バインダがそのまま導電膜中に残留して該導電膜中の粒子間の抵抗値を上昇させることにより、この導電膜の導電性を低下させる。一方、このバインダが有機系バインダを含有している場合には、レーザ光によって分解された残留物が導電膜の透明性、導電性を低下させる。
したがって、バインダの添加量は必要最小限とするのが好ましい。特に、バインダの添加がなくとも得られる導電膜の基材への密着性が充分に確保される場合には、バインダを含まないことが好ましい。
また、この塗布液には、pH調整剤、防腐剤等が含まれていてもよい。
この塗布液中の金属酸化物粒子の含有量は、使用する金属酸化物粒子に応じて、塗布し易く、かつ所望の膜厚を得ることができるように適宜調整すればよい。
例えば、ITO、AZOの場合、塗布液中の金属酸化物粒子の添加量は1重量%以上かつ15重量%以下である。
「塗布膜」
上記の塗布液を基材上に塗布して塗布膜とする。
基材としては、特に限定されるものではないが、ガラス基材、プラスチック基材(有機高分子基材)を挙げることができる。また、その形状としては、平板、フィルム状、シート状等が挙げられる。また、上記のプラスチック基材としては、プラスチックシート、プラスチックフィルム等が好適である。
プラスチック基材の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、セルロースアセテート、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテル、ポリイミド、エポキシ、フェノキシ、ポリカーボネート(PC)、ポリフッ化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクレリート等から適宜選択することができる。
また、このプラスチック基材の厚みについても、特段限定されることはなく、フィルム状であれば50μm以上かつ250μm以下、シート状であれば10mm程度のものまでが使用可能である。
これらの基材は、単独で用いてもよく、複数の基材を貼り合わせて一体化した積層構造の基材として用いてもよい。この基材は、塗布液を塗布する前に純水や有機溶剤等の洗浄液を用いて洗浄することが好ましく、この洗浄の際に洗浄液に超音波を印加すれば、洗浄液の洗浄能力が大幅に向上するので好ましい。
塗布方法としては、塗布膜を形成する際に通常用いられている方法、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ディップ法、ロールコート法、スクリーン印刷法等が好適に用いられる。
基材上に塗布された塗布液は溶媒を含んでいるので、その後の乾燥工程により溶媒を塗布液から除去する。
例えば、塗布液が塗布された基材を、大気中、室温(25℃)に放置するか、あるいは所定の温度、例えば、大気中、50℃〜80℃の温度にて加熱することにより、塗布液に含まれる溶媒を散逸させ、塗布膜とする。
なお、塗布膜中の溶媒の含有量が少なく、レーザ光を照射しても膜質が変化する虞がなければ、乾燥工程を省略することができる。
「レーザ光の照射」
上記の塗布膜に、室温(25℃)下にて320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光、好ましくは355nmの波長のレーザ光を照射し、金属酸化物粒子を含む導電膜を形成する。
レーザ光を照射する際の雰囲気は、特に制限されないが、塗布膜に含まれる金属酸化物粒子が還元される虞がない雰囲気、例えば、大気等の非還元性雰囲気が好ましい。特に問題が生じない限り、通常は大気中にて照射する。
レーザ光を照射するレーザ照射装置としては、最大瞬間エネルギーの大きいレーザ光を照射する装置が好ましく、このレーザ光の照射エネルギーは1mJ/cm以上かつ10mJ/cm以下の範囲が好ましい。
その理由は、照射エネルギーが1mJ/cm未満では、導電性の向上が認められない虞があるからであり、また、10mJ/cmを超えると、導電膜自体が破壊されてしまい、所望の特性が得られなくなるからである。
上記のレーザ照射装置としては、例えば、355nmのレーザ光を照射するYAGレーザ装置が好ましい。
以上説明した様に、この導電膜の形成方法によれば、金属酸化物粒子を含有する塗布液を基材上に塗布して塗布膜とし、この塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射するので、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を、廉価に再現性良く形成することができる。
また、YAGレーザ装置等の320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射する装置は、エキシマレーザ等のレーザ照射装置よりも廉価であるので、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を、生産性よく、廉価に製造することができる。
以下、実施例1、2、比較例1、2及び参考例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
スズ(Sn)を酸化物換算で10重量%含むスズ添加酸化インジウム(ITO)微粒子(平均粒子径:80nm)を、濃度が8重量%となるように2−プロパノールに分散して塗布液を調製した。
この塗布液をスピンコート法によりガラス基板上に1回塗布し、塗布膜を形成した。得られた塗布膜に、YAGレーザ照射装置(パルスUVレーザー AVIA355:コヒレント社製)を用いて波長355nm、エネルギー密度2mJ/cmのレーザ光を照射し、ガラス基板上に膜厚が400nmの透明導電膜を形成した。
得られた透明導電膜に対して、表面抵抗(シート抵抗:Ω/□)及び可視光領域の全光線透過率(%)を測定した。これらの測定方法は以下の通りである。
表面抵抗(シート抵抗:Ω/□):ロレスタ(三菱化学社製)にて測定
全光線透過率:Automatic Haze Meter HIIIDP(東京電色製)にて測定
これらの測定結果を表1に示す。
また、この透明導電膜のレーザ照射前とレーザ照射後の可視光〜赤外光領域の透過スペクトルを測定した。この測定方法は以下の通りである。
透過スペクトル:自記分光光度計 U−3500(日立製作所製)にて測定
測定結果を図1に示す。
また、この透明導電膜の複数箇所にて、表面抵抗(シート抵抗)及び可視光領域の全光線透過率をそれぞれ測定したところ、いずれの測定箇所においてもほぼ同一の測定結果が得られ、この透明導電膜の膜質の面内均一性が良好であることが確認された。
さらに、この透明導電膜を個別に計3枚成膜したところ、ほぼ同一の特性を有する透明導電膜が得られた。これにより、この実施例1の導電膜の形成方法によれば、透明導電膜を再現性よく成膜し得ることが確認された。
[比較例1]
レーザ照射装置として波長が532nmのグリーンレーザ照射装置(グリーンレーザ Compass Verdi:コヒレント社製)を用いた他は、実施例1に準じて透明導電膜を形成し、この透明導電膜の表面抵抗(シート抵抗)及び可視光領域の全光線透過率を実施例1に準じて測定した。その結果を表1に示す。
[参考例1]
硝酸インジウム(In(NO)と塩化錫(III)(SnCl)とを、レーザ光照射後のITO中のスズ(Sn)の含有量が酸化物換算で10重量%となるように混合し、この混合物をアセチルアセトンに溶解してゾル液を調整した。
次いで、このゾル液を用い、塗布回数を2回とした他は、実施例1に準じて膜厚が150nmの透明導電膜を形成し、この透明導電膜の表面抵抗(シート抵抗)及び可視光領域の全光線透過率を実施例1に準じて測定した。その結果を表1に示す。
[参考例2]
参考例1のゾル液を用い、塗布回数を3回として膜厚が参考例1の場合よりも厚い透明導電膜の形成を試みたところ、透明性が充分でなく、実用的な透明性を有する透明導電膜が得られなかった。
[実施例2]
アルミニウム(Al)を1重量%含むAZO微粒子(平均粒子径:80nm)を濃度が5重量%となるように2−プロパノールに分散して塗布液を調製した。
この塗布液を用いた他は実施例1に準じて透明導電膜を形成し、この透明導電膜の表面抵抗(シート抵抗)及び可視光領域の全光線透過率を実施例1に準じて測定した。
また、この透明導電膜の複数箇所にて、表面抵抗(シート抵抗)及び可視光領域の全光線透過率をそれぞれ測定したところ、いずれの測定箇所においてもほぼ同一の測定結果が得られ、この透明導電膜の膜質の面内均一性が良好であることが確認された。
さらに、この透明導電膜を個別に計3枚成膜したところ、ほぼ同一の特性を有する透明導電膜が得られた。これにより、この実施例2の導電膜の形成方法によれば、透明導電膜を再現性よく成膜し得ることが確認された。
[比較例2]
レーザ照射装置として波長が532nmのグリーンレーザ照射装置(グリーンレーザ Compass Verdi:コヒレント社製)を用いた他は、実施例2に準じて透明導電膜を形成し、この透明導電膜の表面抵抗(シート抵抗)及び可視光領域の全光線透過率を実施例1に準じて測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2006164800
以上の測定結果によれば、実施例1、2の透明導電膜は、比較例1、2の透明導電膜と比較して表面抵抗(シート抵抗)が小さく、導電性に優れていることが分かった。
また、実施例1、2の透明導電膜は、比較例1、2の透明導電膜と同等の透明性を有しており、実用上十分な透明性を備えていることが分かった。
また、図1によれば、赤外領域の透過率は、レーザ照射によりレーザ照射前よりも低下していることから、透明導電膜を構成する金属酸化物粒子自体の導電性が向上していることが分かった。
なお、赤外領域の透過率の低下が、透明導電膜を構成する粒子の導電性の向上を示していることは、既に理論的に明らかになっている(例えば、日本学術振興会編、「透明導電膜の技術」、オーム社、1999年3月、p.47−58)。
さらに、実施例1、2の透明導電膜の膜質の面内均一性が良好であることも確認された。
本発明の導電膜の形成方法は、金属酸化物粒子を含有する塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射することにより、低抵抗かつ膜質の面内均一性に優れた導電膜を、廉価に再現性良く形成することができ、しかも、用いる基材に耐熱性が要求されないものであるから、有機高分子フィルム上にも成膜することができ、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(EL)、陰極線管(CRT)等の各種表示装置に適用可能であることはもちろんのこと、自動車、建築物等の窓材等、様々な工業分野においても、その効果は大である。
本発明の実施例1の透明導電膜のレーザ照射前とレーザ照射後の可視光〜赤外光領域の透過スペクトルを示す図である。

Claims (7)

  1. 金属酸化物粒子を含有する塗布膜に320nm以上かつ400nm以下の波長のレーザ光を照射することにより、前記塗布膜を導電膜とすることを特徴とする導電膜の形成方法。
  2. 前記金属酸化物粒子の平均粒子径は、200nm以下であることを特徴とする請求項1記載の導電膜の形成方法。
  3. 前記金属酸化物は、酸化インジウム、または酸化インジウムに元素を添加した元素添加酸化インジウムであることを特徴とする請求項1または2記載の導電膜の形成方法。
  4. 前記酸化インジウムに添加される元素は、スズ、ゲルマニウム、モリブデン、フッ素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、タングステン、テルルの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項3記載の導電膜の形成方法。
  5. 前記金属酸化物は、酸化亜鉛、または酸化亜鉛に元素を添加した元素添加酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1または2記載の導電膜の形成方法。
  6. 前記酸化亜鉛に添加される元素は、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、インジウム、イットリウム、スカンジウム、フッ素、バナジウム、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項5記載の導電膜の形成方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の導電膜の形成方法により形成されたことを特徴とする導電膜。
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JP2011504639A (ja) * 2007-11-22 2011-02-10 サン−ゴバン グラス フランス 電極を支持している基材、該基材を含む有機エレクトロルミネセントデバイス及びその製造
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