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JP2006160936A - 水性エマルジョン用硬化剤の製造方法 - Google Patents

水性エマルジョン用硬化剤の製造方法 Download PDF

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JP2006160936A
JP2006160936A JP2004356469A JP2004356469A JP2006160936A JP 2006160936 A JP2006160936 A JP 2006160936A JP 2004356469 A JP2004356469 A JP 2004356469A JP 2004356469 A JP2004356469 A JP 2004356469A JP 2006160936 A JP2006160936 A JP 2006160936A
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JP
Japan
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group
curing agent
reaction
acid
reactor
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JP2004356469A
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Inventor
Mitsunari Ikemoto
満成 池本
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】
汎用性のある塗料用ポリイソシアネートを用いて、分散安定性が良好で、塗膜物性が良好な水性エマルジョン用硬化剤を提供する。
【解決手段】
以下の工程を含む水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
第一工程:
有機ポリイソシアネート(a)と、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)とを反応させる工程。
第二工程:
第一工程後、少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)とを更にエステル交換反応させる工程。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性エマルジョン用硬化剤の製造方法に関する。更に詳細には、比較的低温で硬化する水性エマルジョン用硬化剤の製造方法に関する。
近年、地球環境、安全、衛生等の観点から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製品、例えば食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料に使用されるようになってきた。また、ポリイソシアネート系硬化剤を用いたウレタン系塗料から得られる塗膜は非常に優れた耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を有している上に、イソシアネート成分として脂肪族・脂環族ジイソシアネートを原料とする無黄変ポリイソシアネートを用いることにより更に耐候性が優れ、その需要は増加している。従って、ウレタン結合を形成し、架橋する水性ウレタン系塗料の開発が盛んに行われている。ライン用塗料等の一液性が必要とされる場合は、通常硬化剤であるポリイソシアネートはそのイソシアネート基がブロック剤で封鎖され、ブロックポリイソシアネートとして使用される。
ブロックポリイソシアネートの水性化技術として例えば、特許文献1ではブロックポリイソシアネートを水性化するために界面活性剤を使用している。特許文献2は炭素数7〜26の高級脂肪酸を含むポリエチレンオキサイドを使用し、かつポリイソシアネートのイソシアネート基を重亜硫酸ソーダで封鎖することによりブロックポリイソシアネートの水性化を可能にしている。ポリイソシアネートに親水性基である特定のポリオキシエチレンを反応させ親水成分の溶出を防ぎ、高速撹拌基等を用いて水性化する技術が特許文献3に開示されている。
耐熱性のあるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートのブロック体を水性化する技術が特許文献4、5に開示されている。特許文献6はポリイソシアネートの一部にポリオキシエチレン基を付加させ、更にポリエチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体等の水溶性高分子化合物を混合している。特許文献7はヒドロキシカルボン酸により親水性を付与している。
特開昭52−59657号公報 特開昭56−151753号公報 特開昭61−31422号公報 特開昭62−151419号公報 特開平2−3465号公報 特開昭62−151419号公報 特開平2−3465号公報
しかし、これらの水性ブロックポリイソシアネートは前駆体ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数が低く、更にイソシアネート基の一部を親水基導入のために使用しているため、ブロックイソシアネート基平均数がより低下する。従って、その架橋性は低く、架橋塗膜を形成する場合は高温焼き付けが必要であり、形成される塗膜の架橋密度も低く、自動車のライン塗装等の使用に制限があった。
その改良技術として、先にイソシアネート基平均数を高度に高めたポリイソシアネートをベースにした、ノニオン性親水基を有する水性ブロックポリイソシアネートが特許文献8〜10に提案されている。しかしながら、ノニオン性親水性基は水性化するために有効な手段であるが、親水性を高めるためにノニオン量を多くすると、これを含んだ塗料で形成される塗膜の耐水性、密着性等が劣る場合がある。
特開平10−231347号公報 特開平11−100425号公報 特開2001−139879号公報
アニオン性親水基は、ノニオン性親水基と比較すると少量で有機化合物に水分散能を付与することができる。特許文献11、12では、アニオン性親水基を導入したブロックイソシアネートが提案されている。
特開2003−155322号公報 特開平10−130354号公報
特許文献11では、ベースポリイソシアネートをモノヒドロキシモノカルボン酸によってカルボキシル基を導入している。この方法では、ベースポリイソシアネートの平均官能基数を低下させるため、今日広く流通していう塗料用の汎用ポリイソシアネートを用いた場合は、十分な平均官能基数が確保された水性ブロックイソシアネートが得られないことになる。また、特許文献12では、ベースポリイソシアネートにカルボン酸含有グリコールよってカルボキシル基を導入している。この方法では、親水性ポリイソシアネート製造時においてゲル化を防止するため、カルボン酸をポリイソシアネート骨格に導入する際、原料ポリイソシアネートに有機ジイソシアネートを併用しなければならない。
本発明によって、汎用性のある塗料用ポリイソシアネートを用いた、分散安定性が良好で、塗膜の硬度低下が小さい水性ブロックイソシアネートの提供が可能となった。
本発明は、汎用性のある塗料用ポリイソシアネートを用いて、分散安定性が良好で、塗膜物性が良好な水性エマルジョン用硬化剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物を硬化剤骨格に特異的に組み込むことにより上記課題を達成し、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)に示されるものである。
(1)以下の工程を含む水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
第一工程:
有機ポリイソシアネート(a)と、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)とを反応させる工程。
第二工程:
第一工程後、少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)とを更にエステル交換反応させる工程。
(2)有機ポリイソシアネート(a)が、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含有することを特徴とする、前記(1)の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
(3)エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)が、マロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルから選択されるものであることを特徴とする、前記(1)、(2)の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
(4)少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)が、カルボキシル基を含有するものであることを特徴とする、前記(1)〜(3)の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
本発明の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法に用いられる有機ポリイソシアネート(a)は、塗料用ポリイソシアネートとして用いられるものが使用できる。この塗料用ポリイソシアネートとしては、有機ジイソシアネートのウレタン変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体等が挙げられる。本発明では、特に脂肪族ジイソシアネートや脂環族ジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(ウレタン基が存在してもよい)が塗膜耐黄変性、耐候性等に優れるので好ましい。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては炭素数4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートとしては炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることが出来る。なかでも、耐候性、工業的入手の容易さから、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIという)、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIという)が好ましく、単独で使用しても、併用しても良い。
イソシアヌレート変性体を得るに際し、有機ジイソシアネートをそのままイソシアヌレート化してもよいし、有機ジイソシアネートの一部を低分子ポリオールや低分子モノオールと反応させてからイソシアヌレート化してもよい。
前記低分子ポリオールは、炭素数2〜20のものが好ましい。このような低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類等が挙げられる。低分子ポリオールを用いる場合は、得られるブロックイソシアネートの主剤への相溶性を考慮すると、側鎖アルキル基を有する低分子ジオールが好ましい。
前記低分子モノオールは、炭素数2〜20のものが好ましい。このような低分子ポリオールとしては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。
有機ジイソシアネートと、低分子ポリオールやモノオールとの反応は、イソシアネート基/水酸基(当量比)が50/1〜5/1範囲で行うことが好ましい。反応温度は50〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃である。その後、アロファネート化反応、イソシアヌレート化反応を行うことになる。イソシアヌレート化反応の実施は、塗膜に硬度や耐熱性を付与することになるので好ましい。
イソシアヌレート化反応の際、有機溶剤を用いて行うこともできる。この有機溶剤は、イソシアネート基に対して不活性なものを用いるべきである。反応温度は通常20〜160℃、好ましくは40〜130℃である。反応終点は、使用する低分子ポリオールにより異なるが、おおむね収率は20質量%以上、75質量%以下となる。反応が目的の収率に達したならば、例えば、前記塩基性化合物に対してはスルホン酸、リン酸、リン酸エステル等の酸性物質により触媒を中和し、前記アミノシリル基化合物に対しては水、アルコール等で触媒を失活させ、反応を停止する。反応終了後、未反応ジイソシアネート及び有機溶剤を薄膜蒸発器、抽出等により除去し、本発明に用いる有機ポリイソシアネート(a)を得ることができる。
有機ポリイソシアネート(a)中の未反応ジイソシアネート濃度は1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下が好ましい。未反応ジイソシアネート濃度が低いことは環境衛生的に好ましいばかりでなく、硬化性の点でも好ましい。有機ポリイソシアネート(a)の25℃における粘度は500〜10,000mPa・sであり、好ましくは800〜8,000mPa・sである。平均官能基数は2.1〜10、好ましくは2.5〜8であり、更に好ましくは2.8〜5である。数平均分子量は400〜5,000、好ましくは500〜3,000であり、イソシアネート基含量は10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%である。このようなスペックを有する有機ポリイソシアネートは、有機溶剤系ウレタン塗料におけるポリイソシアネート硬化剤として広く用いられるものである。このような有機ポリイソシアネートとしては、日本ポリウレタン工業製のコロネートHX、コロネートHX−LV、旭化成工業製のデュラネートTPA100、デグサ製のVESTANAT T−1890等が挙げられる。なお、コロネートは日本ポリウレタン工業の登録商標、デュラネートは旭化成工業の登録商標、VESTANATはデグサの登録商標である。
本発明に用いられるエステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)は、メチレン基が2つのカルボニル基の間に存在する構造を有し、かつエステル基も有する化合物である。このような化合物としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジエステル系化合物、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル等が挙げられる。
本発明に用いられる少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)には、ノニオン性親水基を含有するアルコール化合物、塩を含有するアルコール化合物、「親水基となりうる基」と中和剤とで塩を形成することにより水分散能を発揮するアルコール化合物等が挙げられる。
ノニオン性親水基を有するアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等の低分子モノアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子ポリオール類等を開始剤として、エチレンオキサイドを50質量%以上含有するアルキレンオキサイドを開環付加させて得られる水酸基含有ポリ(オキシエチレン)系のポリエーテルが挙げられる。
有機又は無機塩を含有するアルコール化合物としては、5−ソディウムスルホ−イソフタル酸を導入したポリエステルポリオール等が挙げられる。
「親水基となりうる基」と中和剤とで塩を形成することにより水分散能を発揮するアルコール化合物としては、カルボキシル基含有アルコール化合物、3級アミン含有アルコール化合物等である。
カルボキシル基含有アルコール化合物としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)、あるいはこれらを開始剤としたポリカプロラクトンジオールやポリエーテルポリオール等が挙げられる。
3級アミン含有アルコール化合物としては、アンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、モノアリールアミン、ジアリールアミンにアルキレンオキサイドを付加させたもの等が挙げられる。
中和剤としては、カルボン酸等の酸に対するものとしてアルカリ金属類、アルカリ土類金属類、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類が挙げられる。また、3級アミンに対するものとしては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、ハロゲン化アルキル等が挙げられる。
本発明では、塗膜の耐水性や硬化剤の経時安定性を考慮すると、少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)は、「親水基となりうる基」と中和剤とで塩を形成することにより水分散能を発揮するアルコール化合物が好ましく、更に主剤との相溶性等を考慮すると2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)が最も好ましい。
具体的な製造工程について説明する。
本発明は、以下の工程を含有する水性エマルジョン用硬化剤の製造方法である。
第一工程:
有機ポリイソシアネート(a)と、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)とを反応させて、エステル基含有中間体(A)を得る工程(マスキング工程)。
第二工程:
第一工程で得られたエステル基含有中間体(A)と、少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)とをエステル交換反応させる工程(エステル交換工程)。
第一工程は、有機ポリイソシアネート(a)と、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)とを反応させて、エステル基含有中間体(A)を得る工程である。このときの反応条件は、仕込みモル比がイソシアネート基≦活性メチレン基、温度を40〜150℃、好ましくは60〜120℃で反応させる。なお反応の際、公知のウレタン化触媒を用いることができる。反応の終点は、赤外線吸光度分析による、イソシアネート基の吸収ピークが確認されなくなった時点である。
この反応の際、公知のイソシアネートブロック剤を併用することができる。イソシアネートブロック剤としては、下記に示すものが挙げられる。
(1)アルコール系:メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等
(2)アルキルフェノール系:n−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類等
(3)フェノール系:フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等
(4)(b)以外の活性メチレン系:アセチルアセトン等
(5)メルカプタン系:ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等
(6)酸アミド系:アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等
(7)酸イミド系:コハク酸イミド、マレイン酸イミド等
(8)イミダゾール系:イミダゾール、2−メチルイミダゾール等
(9)尿素系:尿素、チオ尿素、エチレン尿素等
(10)オキシム系:ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等
(11)アミン系:ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等
(12)イミン系:エチレンイミン、ポリエチレンイミン等
(13)ピラゾール系:ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等
また、この際、親水基を有する活性水素基含有化合物を併用することができる。親水基を有する活性水素基含有化合物としては、アルコキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、−SO3 M(Mはアルカリ金属)のポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
更にこの反応の際、有機溶剤を用いると粘度が低下して、以後の反応工程や主剤との配合が行いやすくなるので好ましい。このときの有機溶剤としては、イソシアネート基に対して不活性であり、また、沸点が100℃以上、20℃の水に対する溶解度が10g/100ml以上であるものが好ましい。具体的には、N−メチルピロリドン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
第二工程は、第一工程で得られたエステル基含有中間体(A)と、少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)とをエステル交換反応させる工程である。エステル交換反応の際の温度は60〜120℃が好ましく、特に好ましくは80〜100℃である。このように比較的低温でエステル交換反応が進行するのは、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)の活性メチレン基がイソシアネート基と反応することにより、活性メチレン基に隣接するカルボニル基更にはその先にあるエステル基の電子密度が低くなり、エステル基に隣接するアルキル基が離脱しやすい状態にあるものと考えられる。また、このような低温ではエステル化反応はほとんど起きないので、(c)にDMPAやDMBAを用いた場合、カルボン酸の量を損なうことなく硬化剤骨格に導入できる。
なお、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)と少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)を先に反応させてから、当該反応物と有機ポリイソシアネート(a)とを反応させても、目的とする硬化剤が得られそうである。しかしながら、この場合は(b)の活性メチレン基への働きかけがないので、上述のようなエステル基の電子密度の変化がさほど大きくならず、エステル交換工程における反応温度は高くする(150℃以上)必要がある。またこのような温度では、(c)にノニオン性親水基含有アルコール化合物を用いる場合はエーテル基の熱分解のおそれがあり、また(c)にDMPAやDMBAを用いた場合はエステル化反応も起きるので、ゲル化のおそれがある。
(c)にカルボキシル基含有アルコール化合物や三級アミン含有アルコール化合物合は、エステル交換工程後、中和剤による中和を行うことになる。
塩導入量は、0.1〜1.0mmol/gが好ましく、特に0.2〜0.5mmol/gが好ましい。塩が少なすぎる場合は、硬化剤の水分散能が不十分となる。また多すぎる場合は、塗膜の耐加水分解性が低下する場合がある。
このようにして得られた硬化剤の固形分は50質量%以上が好ましく、特に60〜90質量%が好ましい。固形分が低すぎる場合は、有機溶剤の使用量が多いということであり、環境への負荷が大きくなる。また25℃の粘度は、20,000mPa・s以下が好ましく、特に10,000mPa・s以下が好ましい。粘度が高すぎる場合は、硬化剤の水分散が困難になりやすい。
本発明によって得られた硬化剤は、後述する主剤と配合して用いられる。主剤は、活性水素基を含有する水性樹脂であれば特に制限はない。また、最終的に少なくとも樹脂成分が水に分散していればよく、樹脂骨格内に親水基を有する自己乳化型樹脂であってもよいし、分散剤・乳化剤を用いた外部強制乳化型樹脂であってもよい。
水性樹脂としては、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、含フッ素ポリオール類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン樹脂類、メラミン樹脂類、フェノール樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリアミド樹脂類、ビニル樹脂類等が挙げられる。水性樹脂における活性水素基は、主剤の貯蔵安定性、硬化反応機構等を考慮すると水酸基が好ましい。活性水素基含有量は、水酸基価に換算すると10〜300mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価換算活性水素基含有量が10mgKOH/g未満の場合には架橋密度が減少するため、耐酸性、耐候性等が低下しやすい。水酸基価換算活性水素基含有量が300mgKOH/gを超えると、逆に架橋密度が増大し、塗膜の柔軟性等が低下する傾向がある。
ポリエステルポリオール類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた低分子ポリオールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類、及び、例えば、ε−カプロラクトンを多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、グリセリンやプロピレングリコール等の低分子ポリオールの単独または混合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、ポリテトラメチレングリコール類、更に、アルキレンオキサイドにエチレンジアミン、エタノールアミン類などの多官能化合物を反応させて得られるポリエーテルポリオール類、及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
ポリカーボネートポリオール類としては、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、等の低分子カーボネート化合物と前述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。
エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類、及び、これらエポキシ樹脂をアミノ化合物、ポリアミド化合物等で変性した樹脂類等が挙げられる。
アクリルポリオール類としては、一分子中に1個以上の活性水素を持つエチレン性不飽和結合含有重合性モノマーと、これに共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有重合性モノマーを共重合させることによって得られる。例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つアクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つメタクリル酸エステル類、または、グリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類、あるいはこれら(メタ)アクリル酸エステルの活性水素にε−カプロラクトンを開環重合させることにより得られるモノマー等の群から選ばれた単独または混合物と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のその他の重合性モノマー、また、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等の重合性紫外線安定性モノマーの群から選ばれた単独または混合物とを共重合することにより得られる。
含フッ素ポリオール類としては、フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等がある。
主剤と硬化剤の配合方法は、主剤に硬化剤をそのまま直接混合・分散させてもよいし、一旦硬化剤を水に分散させてから主剤と混合させてもよい。主剤と硬化剤の配合比は、固形分100質量%換算で、10/1〜1/10が好ましく、特に10/3〜3/10が好ましい。
本発明の硬化剤には、必要に応じて、酸化防止剤例えばヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料例えばアルミ等、レオロジーコントロール剤例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物等を添加してもよい。
本発明の水性熱硬化組成物の用途としては水性焼付塗料があり、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装などにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及びプラスチック、無機材料などの素材にプライマーまたは上中塗りとして、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装における水性トップクリアコート、水性ベースコート、水性中塗りなどに美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性などを付与するために有用である。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤などのウレタン原料としても有用である。
次に、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特に断りのない限り、実施例中の「%」はそれぞれ「質量%」を意味する。
〔イソシアヌレート変性ポリイソシアネートの製造〕
製造例1
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管の付いた容量:1Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート900g、1,3−ブタンジオール7.2gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間反応させた。このときの反応液のイソシアネート含有量を測定したところ、48.8%であった。次に触媒としてカプリン酸カリウム0.18g、助触媒としてフェノール0.9gを加え、60℃で4.5時間イソシアヌレート化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸を0.13g加え、反応温度で1時間攪拌した後、未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを130℃×0.04kPaの条件での薄膜蒸留により除去して、イソシアネート変性ポリイソシアネートNCO−1を得た。NCO−1は、淡黄色透明液体でイソシアネート含量=21.2%、遊離ヘキサメチレンジイソシアネート含有量=0.1%、平均官能基数=3.7、25℃の粘度=1,500mPa・sであった。また、FT−IR及び13C−NMRからイソシアネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の存在が確認されたが、ウレトジオン基は確認されなかった。
製造例2
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管の付いた容量:1Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート900gを仕込み、反応器内を窒素置換して、触媒としてカプリン酸カリウム0.18g、助触媒としてフェノール0.9gを加え、60℃で4.5時間イソシアヌレート化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸を0.13g加え、反応温度で1時間攪拌した後、未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを130℃×0.04kPaの条件での薄膜蒸留により除去して、イソシアネート変性ポリイソシアネートNCO−2を得た。NCO−2は淡黄色透明液体で、イソシアネート含量=23.2%、遊離ヘキサメチレンジイソシアネート含有量=0.2%、平均官能基数=3.8、25℃の粘度=1,200mPa・sであった。また、FT−IR及び13C−NMRからイソシアネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の存在が確認されたが、ウレトジオン基は確認されなかった。
〔硬化剤の製造〕
実施例1
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管、滴下漏斗の付いた容量:2Lの反応器に、T−1890を386.8g、PMAを259gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にDEMを261.8g、SMを4.6g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認した。その後、DMBAを52.0g仕込み、反応器内の温度を90℃にして2時間エステル交換反応させた。反応後、反応器内の温度を60℃に冷却した後、TEAを35.4g仕込んで中和し、硬化剤CA−1を得た。CA−1は、カルボン酸−アミン塩含有量が0.5mmol/g(固形分換算)、25℃の粘度が15,000mPa・s、固形分が70%であった。
実施例2〜5、8
表1に示す原料を用い、実施例3と同様な反応器及び製造手順で、硬化剤CA−2〜5、8を得た。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1と同様な反応器に、T−1890を425.8g、PMAを260gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にDEMを144.1g、MEKOを78.4g、SMを4.1g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認した。その後、DMBAを52.0g仕込み、反応器内の温度を90℃にして2時間エステル交換反応させた。反応後、反応器内の温度を60℃に冷却した後、TEAを35.4g仕込んで中和し、硬化剤CA−6を得た。CA−6は、カルボン酸−アミン塩含有量が0.5mmol/g(固形分換算)、25℃の粘度が13,000mPa・s、固形分が70%であった。
実施例7
実施例1と同様な反応器に、T−1890を391.3g、PMAを288gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にDEMを264.9g、SMを4.7g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認した。その後、DMBAを9.9g、MePEGを34.7g仕込み、反応器内の温度を90℃にして2時間エステル交換反応させた。反応後、反応器内の温度を60℃に冷却した後、TEAを6.7g仕込んで中和し、硬化剤CA−7を得た。CA−7は、カルボン酸−アミン塩含有量が0.1mmol/g(固形分換算)、MePEG含有量が5質量%(固形分換算)、25℃の粘度が7,200mPa・s、固形分が70%であった。
実施例9
実施例1と同様な反応器に、NCO−1を327.9g、PMAを295gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にDEMを270.4g、SMを2.1g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認した。その後、MePEGを105.0g仕込み、反応器内の温度を90℃にして2時間エステル交換反応させて、硬化剤CA−9を得た。CA−9は、MePEG含有量が15質量%(固形分換算)、25℃の粘度が500mPa・s、固形分が70%であった。
実施例10
表2に示す原料を用い、実施例9と同様な反応器及び製造手順で、硬化剤CA−10を得た。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1と同様な反応器に、T−1890を417.8g、PMAを294gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にDEMを282.8g、SMを5.0g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認して、硬化剤CA−11を得た。CA−12は、25℃の粘度が12,000mPa・s、固形分が70%であった。
比較例2
実施例1と同様な反応器に、T−1890を473.7g、PMAを261gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にMEKOを174.4g、SMを3.4g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認した。その後DMBAを52.0g、TEAを35.4g仕込んで硬化剤CA−12を得た。CA−12は、カルボン酸−アミン塩含有量が0.5mmol/g(固形分換算)、25℃の粘度が12,000mPa・s、固形分が70%であった。
比較例3
実施例1と同様な反応器に、T−1890を386.8g、PMAを295gを仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、2時間溶解させた。次に滴下漏斗にDEMを1261.8g、SMを4.6g仕込んで均一にして、反応器内の温度を80℃に保ったまま、滴下漏斗内の液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、更に4時間反応を継続させた。赤外線吸光度分析により、イソシアネート基の吸収ピークがないことを確認した。その後、DMBAを52.0g仕込み、反応器内の温度を90℃にして2時間エステル交換反応させた。反応後、反応器内の温度を60℃に冷却して、硬化剤CA−13を得た。CA−13は、カルボン酸含有量が0.5mmol/g(固形分換算)、カルボン酸−アミン塩含有量が0mmol/g(固形分換算)、25℃の粘度が14,000mPa・s、固形分が70%であった。
比較例4
表2に示す原料を用い、比較例3と同様な反応器及び製造手順で、硬化剤CA−14を得た。結果を表2に示す。
比較例5
表2に示す原料を用い、比較例2と同様な反応器及び製造手順で、硬化剤CA−15を得た。結果を表2に示す。
Figure 2006160936
Figure 2006160936
表1、2において
T−1890:VESTANAT T−1890(デグサ製)
IPDIのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート
イソシアネート含量=17.4%
IPDI :イソホロンジイソシアネート
PMA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DEM :マロン酸ジエチル
EAA :アセト酢酸エチル
MEKO :メチルエチルケトオキシム
SM :ナトリウムメチラート
DMBA :2,2−ジメチロールブタン酸
TEA :トリエチルアミン
MePEG :メトキシポリエチレングリコール
数平均分子量=400
※1)粘度は25℃における値
※2)固形分における揮発成分は以下の通り
・過剰のDEM、EAA、MEKO
・PAM
・TEA
全て実施例からは外観が良好な硬化剤溶液が得られた。一方、比較例1、3、4からは外観が良好な硬化剤溶液が得られたが、比較例2及び5では白濁を生じていたので、以後の評価は行わなかった。
〔硬化剤評価〕
応用実施例1〜10、応用比較例1〜3
主剤にニッポランWL−432(ニッポランは登録商標)を用い、表3、4に示す割合で主剤と硬化剤を配合して水性クリヤー塗料を得た。この水性クリヤー塗料の外観及び安定性を評価した。また、アルミ板にウェットで100μmになるようにクリヤー塗料を塗布し、硬化温度及び塗膜硬度を評価した。結果を表3、4に示す。
Figure 2006160936
Figure 2006160936
各種評価方法は以下の通りである。
・塗料外観
主剤と硬化剤を配合してから1時間経過後に塗料外観を評価する。
○:均一状態
△:多少の液分離が確認される
×:沈殿や分離が確認される
・塗料安定性
主剤と硬化剤を配合してから冷暗所に1週間保管後の塗料外観を評価する。
○:均一状態
△:多少の液分離が確認される
×:沈殿や分離が確認される
・硬化温度
配合したクリヤー塗料をアルミ板にウェットで100μmになるようにクリヤー塗料を塗布し、設定温度で30分間焼き付けた後、メチルエチルケトンをしみ込ませた脱脂綿を100回擦り付け、変化が見られなくなった温度をもって硬化温度とした。
・塗膜硬度
配合したクリヤー塗料をアルミ板にウェットで100μmになるようにクリヤー塗料を塗布し、上記最低硬化温度で30分間焼き付けて得られた塗膜をJIS K5400における鉛筆引っ掻き試験にて評価した。
比較例は、硬化剤が水に分散しなかったため、以後の評価は行わなかった。表3、4から本発明によって得られた水性エマルジョン用硬化剤は、低温硬化が可能であった。また更にカルボン酸−アミン塩導入タイプは、塗膜性能が特に良好であった。

Claims (4)

  1. 以下の工程を含む水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
    第一工程:
    有機ポリイソシアネート(a)と、エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)とを反応させる工程。
    第二工程:
    第一工程後、少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)とを更にエステル交換反応させる工程。
  2. 有機ポリイソシアネート(a)が、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含有することを特徴とする、請求項1記載の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
  3. エステル基及び活性メチレン基を含有する化合物(b)が、マロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルから選択されるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
  4. 少なくとも親水基となりうる基を含有するアルコール化合物(c)が、カルボキシル基を含有するものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の水性エマルジョン用硬化剤の製造方法。
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