JP2006160723A - 抗腫瘍活性を有する化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
についても開示しているが、分離・精製あるいは製造されたものではなく、その存在や活性も明らかではないことから単なる類比推理による拡張構造である。また、特許文献2には化学合成法による上記拡張構造を有する化合物の製造法が述べられているが、実施例が記載されているわけでもなく、論文等の引用にのみ依った推論である。現実にはチアゾール、オキサゾールを有する化学物質の合成化学的手法による製造は困難で、たとえば、Streptomyces anulatusから単離された最も強力なテロメアーゼ阻害剤として知られるTelomestatin:
(1)式(I):
X1、X2は、互いに独立に、O又はSであり、
R1は水素、メチル又はフェニルであり、
R2、R3は、互いに独立に、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル又はsec−ブチルであり、
R4、R5は、互いに独立に、水素又はメチルである]
で表される化合物又はその塩。
(3)式(I)においてX1及びX2が共にSであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がメチルであり、R4が水素であり、R5がメチルである(1)記載の化合物又はその塩。
(9)(1)〜(3)の何れかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(10)抗腫瘍剤である(9)記載の医薬。
式(I)で表される化合物又はその塩は溶媒和物としても提供され得る。
上記式(I)により表される化合物は抗腫瘍活性を有する。従って、本発明の化合物は医薬、特に抗腫瘍剤としての用途を有する。上記式(I)により表される化合物の中でも、
X2がOであり、R4及びR5が共に水素である式(I.1):
で表される化合物、及び、
X1及びX2が共にSであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がメチルであり、R4が水素であり、R5がメチルである式(I.2):
1.式(I.1.1)で表される化合物の性質
上記式(I.1.1)で表される化合物の構造式及び理化学的性質は以下のとおりである:
(1)物質の色 :無色
(2)分子量 :708
(3)分子式 :C35H32N8O7S
(4)質量分析 :高分解能FABMS(高速中性粒子衝突イオン化質量分析),実測値:709.2104(M+H)+,計算値:709.2193(C35H33N8O7S)
(5)紫外線吸収スペクトル(メタノール中)λmax(logε) 260nm(4.73)
(6)[α]D110°(c=0.038、DMSO)
(7)1H NMR(重ジメチルスルホキシド中で測定、750MHz)
δppm:0.89(d, 3H, J=6.8Hz), 0.93(t, 3H, J=7.5Hz), 0.95(d, 3H, J=6.8Hz), 1.00(d, 3H, J=6.8Hz), 1.13(m, 1H), 1.64(m, 1H), 2.06(m, 2H), 4.65(dd, 1H, J=6.6, 3.9Hz), 4.78(t, 1H, J=8.6Hz), 5.79(s, 1H), 5.92(s, 1H), 7.50(t, 1H, J=7.5Hz), 7.55(t, 2H, J=7.5Hz), 8.31(t, 2H, J=7.5Hz), 8.49(d, 1H, J=6.9Hz), 8.50(s, 1H), 8.77(d, 1H, J=9.0Hz), 8.95(s, 1H), 9.06(s, 1H), 9.09(s, 1H), 9.95(s, 1H)
(8)13C NMR(重ジメチルスルホキシド中で測定、125MHz)
δppm:12.01(q), 14.35(q), 18.55(q), 19.13(q), 26.07(t), 32.05(d), 38.66(d), 56.92(d), 58.14(d), 109.31(t), 121.37(d), 126.41(s), 127.15(d), 128.48(d), 128.54(s), 129.53(s), 129.57(s), 129.90(d), 130.59(s), 135.50(s), 139.32(d), 140.22(d), 140.27(d), 141.31(s), 150.35(s), 152.00(s), 154.63(s), 157.14(s), 157.35(s), 158.78(s), 159.90(s), 170.08(s), 170.71(s)
(9)溶解性:クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶。メタノールに難溶。
(10)ヒト肺癌由来細胞株A549細胞を本発明の式(I.1.1)の化合物40nMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞の細胞増殖を50%阻害し、200nMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞を完全に死滅させた。
式(I.1)で表される他の化合物もまた式(I.1.1)の化合物と同様に抗腫瘍活性を有することが確認された。
上記式(I)で表される化合物の構造式及び理化学的性質は以下のとおりである:
(1)物質の色 :無色
(2)分子量 :710
(3)分子式 :C34H30N8O6S2
(4)質量分析 :FABMS(高速中性粒子衝突イオン化質量分析),実測値 711(M+H)+(C34H31N8O6S2),733(M+Na)+(C34H30N8O6S2Na)
(5)紫外線吸収スペクトル(メタノール中) λmax(logε) 267nm(4.35),291nm(4.52)
(6)赤外線吸収スペクトル(KBr)3393,2921,2851,1654,1507,1459cm-1
(7)[α]D 22=+38°(c=0.5、CHCl3)
(8)1H NMR(重ジメチルスルホキシド中で測定、750MHz)
δppm 0.85 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.86 (3H, t, J=7.5 Hz), 1.09 (1H, m), 1.46 (1H, m), 1.50 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.82 (3H, d, J=7.5 Hz), 2.06 (1H, m), 4.52 (1H, dd, J=8.3, 9.0 Hz), 4.75 (1H, dq, J=6.8, 7.5 Hz), 6.62 (1H, q, J=7.5 Hz), 7.51 (1H, dd, J=6.8, 6.8 Hz), 7.55 (2H, dd, J=6.8, 7.5 Hz), 8.34 (2H, d, J=7.5 Hz), 8.59 (1H, s), 8.69 (1H, s), 8.75 (1H, br d, J=7.5 Hz), 8.88 (1H, s), 9.00 (1H, br), 9.07 (1H, s), 9.49 (1H, br s)
(9)13C NMR(重ジメチルスルホキシド中で測定、125MHz)
δppm 11.09 (q), 13.38 (q), 15.09 (q), 19.80 (q), 25.24 (t), 36.92 (d), 48.13 (d), 58.45 (d), 121.06 (d), 123.05 (d), 123.70 (s), 126.64 (s), 127.78 (d), 127.78 (d), 128.30 (d), 128.30 (d), 128.78 (d), 129.56 (s), 129.84 (d), 130.52 (s), 135.50 (s), 139.43 (d), 140.12 (d), 141.93 (s), 147.79 (s), 151.00 (s), 154.02 (s), 155.11 (s), 157.26 (s), 159.65 (s), 159.95 (s), 161.08 (s), 169.45 (s), 170.30 (s)
(10)溶解性 :クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶。メタノールに微溶。
(11)ヒト肺癌由来細胞株A549細胞を本発明の式(I)の化合物12nMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞の細胞増殖を50%阻害し、100nMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞を完全に死滅させた。また、ヒト白血病性T細胞株であるJurket細胞を本発明の式(I)の化合物5.6nMの濃度で48時間培養したところ、Jurket細胞の細胞増殖を50%阻害し、50nMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞を完全に死滅させた。
式(I)で表される化合物は、微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することにより製造することができる。本発明に用いることのできる微生物としては、サーモアクチノマイセス(Thermoactinomyces)属に属し、かつ上記式(I)で表される化合物を生産する能力を有する微生物であれば特に限定されない。式(I)で表される化合物はまた化学合成により製造することもできる。
本発明の式(I.1.1)の化合物は、微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することにより製造することができる。
(1)微生物
式(I.1.1)の化合物の製造において用いることのできる微生物としては、サーモアクチノマイセス(Thermoactinomyces)属に属し、かつ上記式(I.1.1)で表される化合物を生産する能力を有する微生物であれば特に限定されない。
a. 形態的および培養的性質
1) 細胞の形および大きさ :菌糸を形成する。
2) 胞子の有無 :有り。
3) マリンアガー平板培養 :良好に生育,コロニーは円形,台状,菌糸状,乳白色。
4) マリンブロス培養 :良好に生育。
5) リトマスミルク :変化なし。
b. 生理学的性質
1) 硝酸塩の還元 :還元しない。
2) インドールの生成 :生成しない。
3) 硫化水素の生成 :生成しない。
4) デンプンの加水分解 :分解しない。
5) カゼインの分解 :分解する。
6) エスクリンの分解 :分解しない。
7) DNAの分解 :分解しない。
8) キチンの分解 :分解しない。
9) チロシンの分解 :分解しない。
10) クエン酸の利用 :Simmons 培地:利用しない。
11) 色素の生成 :なし。
12) ウレアーゼ活性 :陰性
13) オキシダーゼ活性 :陽性
14) カタラーゼ活性 :陽性
15) アルカリホスファターゼ活性 :陽性
16) エステラーゼ(C4)活性 :陽性
17) エステラーゼリパーゼ(C8)活性 :陽性
18) エステラーゼ(C4)活性 :陰性
19) ロイシン アリルアミダーゼ活性:陰性
20) バリン アリルアミダーゼ活性 :陰性
21) シスチン アリルアミダーゼ活性:陰性
22) トリプシン活性 :陽性
23) キモトリプシン活性 :陰性
24) 酸性フォスファターゼ活性 :陽性
25) ナフトール−AS−BI−ホスホハイドロラーゼ活性:陽性
26) α−ガラクトシダーゼ活性 :陰性
27) β−ガラクトシダーゼ活性 :陰性
28) β−グルクロニダーゼ活性 :陰性
29) α−グルコシダーゼ活性 :陰性
30) β−グルコシダーゼ活性 :陰性
31) α−マンノシダーゼ活性 :陰性
32) α−フコシダーゼ活性 :陰性
33) 生育の範囲(pH) :pH6〜9
34) 耐塩性 :有り (生育塩濃度範囲:0〜7%)
35) Mg2+の要求性 :有り
36) 炭素源の資化性(BiOLOG社 GP2マイクロプレート使用)
L−アラビノース −
D−キシロース −
D−グルコース −
D−マンノース −
D−フラクトース −
D−ガラクトース −
マルトース −
シュクロース −
ラクトース −
トレハロース +
D−ソルビトール −
D−マンニトール +
イノシトール −
グリセロール −
グリコーゲン +
イヌリン −
メロビオース +
ラフィノース +
酢酸 +
ピルビン酸 +
37) GC含量 :47(モル%)
38) イソプレノイドキノン :MK−9(73%),MK−8(21.7%),MK−10(2.9%),MK−7(2.5%)
本発明における微生物の培養は、通常の微生物の培養方法が用いられる。培地としては、資化可能な炭素源、窒素源、無機物及び必要な生育・生産促進物質を適宜含有する培地であれば、合成培地又は天然培地のいずれでも使用可能である。炭素源としては、グルコース、澱粉、デキストリン、マンノース、フラクトース、シュクロース、ラクトース、キシロース、アラビノース、マンニトール、糖蜜などを単独又は組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて炭化水素、アルコール類、有機酸、アミノ酸(トリプトファン等)なども用いることができる。窒素源としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実かす、カザミノ酸などを単独又は組み合わせて用いることができる。そのほか、必要に応じて食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛などの無機塩類を加えることができる。さらに使用する微生物の生育や本発明の化合物の生産を促進する微量成分を適当に添加することができ、当業者であればそのような成分として適当なものを選択することができる。
培養物からの本発明の化合物の単離・精製は、微生物代謝生産物を培養物から単離・精製するために常用される方法に従って行われ得る。ここで、「培養物」とは、培養上清、培養菌体、又は菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。例えば培養物を濾過や遠心分離により培養瀘液と菌体に分け、菌体をクロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒などで抽出する。また培養濾液は酢酸エチル、クロロホルムなどで抽出することができる。ついで、菌体抽出液、培養瀘液若しくは培養瀘液の抽出物をそれぞれ単独で又はそれらの2種以上を合わせて濃縮し、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどにより精製を行い、本発明の化合物を得ることができる。得られた化合物は、NMR解析などの通常の化学的手法により、上記「1.式(I.1.1)で表される化合物の性質」に記載した性質を示すか否かを調べることにより、本発明の化合物であることを確認することができる。
式(I.1)で表される化合物としては、具体的には表1で示される置換基の組み合わせを有する化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の式(I.2)の化合物は、微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することにより製造することができる。
(1)微生物
式(I.2)の化合物の製造において用いることのできる微生物としては、サーモアクチノマイセス(Thermoactinomyces)属に属し、かつ上記式(I.2)で表される化合物を生産する能力を有する微生物であれば特に限定されない。
a. 形態的および培養的性質
1) 胞子の有無 :有り。
2) マリンアガー平板培養 :良好に生育,コロニーは円形,台状,菌糸状,乳白色。
3) マリンブロス培養 :良好に生育。
4) リトマスミルク :変化なし。
1) 硝酸塩の還元 :還元しない。
2) インドールの生成 :生成しない。
3) 硫化水素の生成 :生成しない。
4) デンプンの加水分解 :分解しない。
5) カゼインの分解 :分解する。
6) エスクリンの分解 :分解しない。
7) DNAの分解 :分解しない。
8) キチンの分解 :分解しない。
9) チロシンの分解 :分解しない。
10) クエン酸の利用 :Simmons 培地:利用しない。
11) 色素の生成 :なし。
12) ウレアーゼ活性 :陰性
13) オキシダーゼ活性 :陽性
14) カタラーゼ活性 :陽性
15) アルカリホスファターゼ活性 :陽性
16) エステラーゼ(C4)活性 :陽性
17) エステラーゼリパーゼ(C8)活性:陽性
18) リパーゼ(C4)活性 :陰性
19) ロイシン アリルアミダーゼ活性 :陰性
20) バリン アリルアミダーゼ活性 :陰性
21) シスチン アリルアミダーゼ活性 :陰性
22) トリプシン活性 :陰性
23) キモトリプシン活性 :陰性
24) 酸性フォスファターゼ活性 :陽性
25) ナフトール−AS−BI−ホスホハイドロラーゼ活性:陽性
26) α−ガラクトシダーゼ活性 :陰性
27) β−ガラクトシターゼ活性 :陰性
28) β−グルクロニダーゼ活性 :陰性
29) α−グルコシダーゼ活性 :陰性
30) β−グルコシダーゼ活性 :陰性
31) α−マンノシダーゼ活性 :陰性
32) α−フコシダーゼ活性 :陰性
33) 生育の範囲(pH) :pH6〜9
34) 耐塩性 :有り(生育塩濃度範囲:0〜7%)
35) Mg2+の要求性 :有り
36) 炭素源からの酸の生成(API50CH使用)
L−アラビノース −
D−キシロース −
D−グルコース −
D−マンノース −
D−フラクトース −
D−ガラクトース −
マルトース −
シュークロース −
ラクトース −
トレハロース −
D−ソルビトール −
D−マンニトール −
イノシトール −
デンプン −
5−ケトグルコン酸 +
37) GC含量 :45(モル%)
38) イソプレノイドキノン :MK−9,MK−8
(2)微生物の培養
上記「2.1.式(I.1.1)の化合物の製造」の(2)の説明を参照されたい。
(3)化合物の単離・精製
上記「2.1.式(I.1.1)の化合物の製造」の(3)の説明を参照されたい。ただし、菌体の抽出溶媒としてはクロロホルム/メタノール(1:1)混合溶媒が好ましい。
(1)抗腫瘍剤
本発明の式(I)で表される化合物は、優れた抗腫瘍活性を有するため抗腫瘍剤として有用であり、人体及び動物用医薬品、医薬品原料等として使用することができる。
本発明の抗腫瘍剤は、医薬的に許容される担体又は添加物を共に含む医薬製剤として哺乳動物に投与され得る。このような担体及び添加物の例としては、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤などの他、リポゾームなどの人工細胞構造物などが挙げられる。使用される添加物は、医薬組成物の剤形に応じて上記の中から適宜又は組み合わせて選択される。
本発明の抗腫瘍剤は、経口経路又は非経口経路のいずれでも投与することができる。
式(I.1.1)の化合物の生産菌としてサーモアクチノマイセス・スピーシーズYM3−251株を用いた。該菌株を、500mLのマリンブロス培地(Difco)を入れた1Lバッフル付き三角フラスコ中で、30℃にて5日間回転振盪(100rpm)培養し、次に行う大量培養の種菌とした。この種菌培養物を500mLのマリンブロス培地の入った1Lバッフル付きフラスコ80本(計40L)に5mLずつ植菌し、30℃、5日間、回転震盪(100rpm)培養した。培養中、培地のpHは特に制御しなかった。
式(I.2)の化合物の生産菌としてサーモアクチノマイセス・スピーシーズYM11−542株を用いた。該菌株を、500mLのマリンブロス培地(Difco)を入れた1Lバッフル付き三角フラスコ中で、30℃にて5日間回転振盪(100rpm)培養し、次に行う大量培養の種菌とした。この種菌培養物を500mLの0.1%スクロース添加マリンブロスの入った1Lバッフル付きフラスコ50本(計25L)に5mLずつ植菌し、30℃、7日間、回転震盪(100rpm)培養した。培養中、培地のpHは特に制御しなかった。
最終的に培養物計25Lから本発明の式(I.2)の化合物を6mg得た。
本発明の化合物の抗腫瘍活性を以下の様に評価した。ヒト肺癌由来細胞A549細胞を96穴マイクロプレートに4×103個/200μL/wellの濃度で播種し、14時間、CO2インキュベーター(5%二酸化炭素、37℃)にて前培養した。ここに、希釈系列を作成した式(I.1.1)の化合物を添加し、48時間培養した。48時間後にアラマーブルー(和光純薬より購入)を用いて生存細胞数を測定した。その結果、式(I.1.1)の化合物は、43nMの濃度でA549細胞の細胞増殖を約50%阻害し(すなわちIC50値は約43nM)、200nMの濃度でA549細胞を完全に死滅させた。
本発明の化合物の抗腫瘍活性を以下の様に評価した。ヒト肺癌由来細胞A549細胞を96穴マイクロプレートに4×103個/200μL/wellの濃度で播種し、14時間、CO2インキュベーター(5%二酸化炭素、37℃)にて前培養した。ここに、希釈系列を作成した式(I.2)の化合物を添加し、48時間培養した。48時間後にアラマーブルー(和光純薬より購入)を用いて生存細胞数を測定した。その結果、式(I.2)の化合物は、12nMの濃度でA549細胞の細胞増殖を50%阻害し、100nMの濃度でA549細胞を完全に死滅させた。また、ヒト白血病性T細胞株であるJurket細胞を96穴マイクロプレートに4×103個/200μL/wellの濃度で播種し、14時間、CO2インキュベーター(5%二酸化炭素、37℃)にて前培養した。ここに、希釈系列を作成した式(I.2)の化合物を添加し、48時間培養した。48時間後にアラマーブルー(和光純薬より購入)を用いて生存細胞数を測定した。その結果、式(I.2)の化合物は、5.6nMの濃度でJurket細胞の細胞増殖を50%阻害し、50nMの濃度でA549細胞を完全に死滅させた。
Claims (10)
- 式(I)においてX2がOであり、R4及びR5が共に水素である請求項1記載の化合物又はその塩。
- 式(I)においてX1及びX2が共にSであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がメチルであり、R4が水素であり、R5がメチルである請求項1記載の化合物又はその塩。
- 請求項1記載の化合物を生産する能力を有するサーモアクチノマイセス属に属する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該化合物を採取することを特徴とする、請求項1記載の化合物の製造法。
- 請求項1記載の化合物がX1がSであり、X2がOであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がイソプロピルであり、R4及びR5が共に水素である化合物である請求項4記載の製造法。
- 請求項1記載の化合物がX1及びX2が共にSであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がメチルであり、R4が水素であり、R5がメチルである化合物である請求項4記載の製造法。
- 式(I)においてX1がSであり、X2がOであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がイソプロピルであり、R4及びR5が共に水素である請求項1記載の化合物を生産する能力を有するサーモアクチノマイセス属に属する微生物。
- 式(I)においてX1及びX2が共にSであり、R1がフェニルであり、R2がsec−ブチルであり、R3がメチルであり、R4が水素であり、R5がメチルである請求項1記載の化合物を生産する能力を有するサーモアクチノマイセス属に属する微生物。
- 請求項1〜3の何れかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
- 抗腫瘍剤である請求項9記載の医薬。
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JP2010535204A (ja) * | 2007-08-02 | 2010-11-18 | ラトガーズ, ザ ステイト ユニバーシティ オブ ニュー ジャージー | 治療用化合物 |
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JPH11180997A (ja) * | 1997-12-24 | 1999-07-06 | Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd | 新規抗腫瘍化合物 |
WO2000024747A1 (fr) * | 1998-10-23 | 2000-05-04 | Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. | Substance gm-95, procedes de fabrication et d'utilisation correspondants |
WO2005000880A2 (en) * | 2003-06-24 | 2005-01-06 | Instituto Biomar S.A. | Cytotoxic depsipeptides |
-
2005
- 2005-03-22 JP JP2005082505A patent/JP2006160723A/ja active Pending
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