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JP2006152214A - タイヤ用トレッドゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用トレッドゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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JP2006152214A
JP2006152214A JP2004348784A JP2004348784A JP2006152214A JP 2006152214 A JP2006152214 A JP 2006152214A JP 2004348784 A JP2004348784 A JP 2004348784A JP 2004348784 A JP2004348784 A JP 2004348784A JP 2006152214 A JP2006152214 A JP 2006152214A
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tire
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JP2004348784A
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Yohei Mimasu
洋平 三舛
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

【課題】耐破壊性など損なうことなく、空気入りタイヤの低燃費性、WETグリップ性能を改善し得るタイヤ用トレッドゴム組成物と、このタイヤ用トレッドゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと変性スチレン−ブタジエンゴムとを含むタイヤ用トレッドゴム組成物。このタイヤ用トレッドゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤ。

Description

本発明は、タイヤ用トレッドゴム組成物及び空気入りタイヤに係り、詳しくは、耐破壊性など損なうことなく、空気入りタイヤの低燃費性、WETグリップ性能を改善し得るタイヤ用トレッドゴム組成物と、このタイヤ用トレッドゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤに関する。
近年、各種産業分野では、社会の要求として省資源化・排出ガス規制などが問われており、タイヤ用トレッドゴム組成物としても低燃費化が必要とされている。また、安全性の面からはWETグリップ性能が必要となっており、これらのニーズに応える開発が進められている。
従来、タイヤ用トレッドゴム組成物のトレッドゴムには、天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとをブレンドしてなるゴム成分にカーボンブラックを配合してなるゴム組成物が用いられている。このようなゴム組成物においてスチレン−ブタジエンゴムとして末端変性スチレン−ブタジエンゴムを用いることにより、低ロス・高WETスキッド性の向上を図ることも可能であるが、耐破壊性が不十分であるために、天然ゴム併用系において、WETスキッド性などのバランスが崩れ、これらの要求性能の全てを満足させることが困難であった。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、耐破壊性など損なうことなく、空気入りタイヤの低燃費性、WETグリップ性能を改善し得るタイヤ用トレッドゴム組成物と、このタイヤ用トレッドゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のタイヤ用トレッドゴム組成物は、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと変性スチレン−ブタジエンゴムとを含むことを特徴とする。
請求項2のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項3のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1又は2において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする。
請求項4のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1ないし3のいずれか1項において、カーボンブラックを含むことを特徴とする。
請求項5のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項4において、シリカを含むことを特徴とする。
請求項6のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1ないし5のいずれか1項において、シランカップリング剤を含むことを特徴とする。
請求項7のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記変性スチレン−ブタジエンゴムがスズ変性スチレン−ブタジエンゴムであることを特徴とする。
請求項8のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項4ないし7のいずれか1項において、前記カーボンブラックが、HAF、ISAF、及びSAFよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項9のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項5ないし8のいずれか1項において、前記シリカが表面改質シリカであることを特徴とする。
請求項10のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1ないし9のいずれか1項において、ゴム成分100重量部中の前記変性天然ゴムの割合が10〜90重量部であることを特徴とする。
請求項11のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項1ないし10のいずれか1項において、ゴム成分100重量部中の前記変性スチレン−ブタジエンゴムの割合が10〜90重量部であることを特徴とする。
請求項12のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項4ないし11のいずれか1項において、前記カーボンブラックの含有量がゴム成分100重量部に対して20〜100重量部であることを特徴とする。
請求項13のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項5ないし12のいずれか1項において、前記シリカの含有量がゴム成分100重量部に対して20〜60重量部であることを特徴とする。
請求項14のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項6ないし13のいずれか1項において、前記シランカップリング剤の含有量が前記シリカの重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする。
請求項15のタイヤ用トレッドゴム組成物は、請求項5ないし14のいずれか1項において、前記カーボンブラックとシリカの合計の含有量がゴム成分100重量部に対して30〜120重量部であり、カーボンブラックとシリカとの合計に占めるカーボンブラックの割合が20重量%以上であることを特徴とする。
本発明(請求項16)の空気入りタイヤは、このような本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物をトレッドゴムに使用したことを特徴とする。
本発明によれば、ゴム成分として、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと変性スチレン−ブタジエンゴムとを併用することにより、カーボンブラックやシリカ等のフィラーの分散性を改良し、補強性を向上させることで耐破壊性を改良することができ、かつ、フィラーの分散性改良により低RR(転がり抵抗)・高WET性を改良することができる。更に、フィラーの分散性改良ができる同ポリマーが適用できることにより配合設計自由度が高くなる。
本発明によれば、フィラーがカーボンブラックであってもシリカであっても同様の効果が発揮され、これによっても配合設計自由度が高くなる。
以下に本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物及び空気入りタイヤの実施の形態を詳細に説明する。
[変性天然ゴム]
まず、本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物に含まれる変性天然ゴムについて説明する。
本発明に係る変性天然ゴムは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなるものである。
本発明に用いる天然ゴムラテックスは通常のものであって、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱蛋白ラテックス及びこれらを組合せたもの等を挙げることができる。
本発明に用いる極性基含有単量体としては、分子内に少なくとも一つの極性基を有する単量体であれば特に制限されない。この極性基含有単量体が有する極性基の具体例としては、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基及び含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基等を挙げることができる。これらの極性基を含有する単量体は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。極性基含有単量体は、これらの極性基の1種のみを含有していても良く、2種以上を含有していても良い。
以下に、極性基含有単量体の具体例を挙げる。
アミノ基含有単量体としては、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を有する重合性単量体がある。その中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のような第3級アミノ基含有単量体が特に好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
第1級アミノ基含有単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、4−ビニルアニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第2級アミノ基含有単量体としては、例えば、
(1)アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等のようなアニリノスチレン類
(2)アニリノフェニルブタジエン、1−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等のアニリノフェニルブタジエン類
(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等のN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類
等が挙げられる。
第3級アミノ基含有単量体としては、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリレート、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、ピリジル基を有するビニル化合物等が挙げられる。
上記のN,N−ジ置換アミノアルキルアクリレートとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
また、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミドとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物又はメタクリルアミド化合物等が挙げられる。これらのうち、特に、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
また、アミノ基の代わりに含窒素複素環基を有するものであっても良く、含窒素複素環としては、例えばピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいても良い。
また、ピリジル基を有するビニル化合物としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらのうち特に、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が好ましい。
ニトリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有単量体としては、1分子中に少なくとも1つの第1級、第2級及び第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられる。かかる単量体としては、例えばヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルケトン系単量体等がある。このようなヒドロキシル基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のようなポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数が、例えば2〜23である。)のモノ(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類;(メタ)アクリレート類がある。これらの中で、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましく、特にヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が好ましい。ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル、アミド、無水物等の誘導体であり、特にアクリル酸、メタクリル酸等のエステル化合物が好ましい。
カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類;又はフタル酸、琥珀酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルのような遊離カルボキシル基含有エステル類及びその塩等が挙げられる。これらの中で、不飽和カルボン酸類が特に好ましい。
エポキシ基含有単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベンジロキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン等を挙げることができる。
本発明に用いるスズ含有単量体としては、アリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリメチルスズ、アリルトリフェニルスズ、アリルトリ−n−オクチルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−ブチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリメチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリフェニルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−オクチルスズ、ビニルトリ−n−ブチルスズ、ビニルトリメチルスズ、ビニルトリフェニルスズ、ビニルトリ−n−オクチルスズ等を挙げることができる。
本発明に係る変性天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、さらにグラフト重合用の開始剤を加えた後、乳化重合を行い、次いで生成重合物を凝固、乾燥することにより得ることができる。
グラフト重合用の開始剤としては、特に限定はなく種々の開始剤、例えば乳化重合用の開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に限定はない。一般に用いられる開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。なお、重合温度を低減させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いるのが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤に用いる過酸化物と組合せる還元剤としては、例えばテトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。特に、tert−ブチルヒドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組合せがレドックス系重合開始剤として好ましい。
本発明で行うグラフト重合は、前述の極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中に添加し、所定の温度で撹拌しながら重合する一般的な乳化重合で良い。ここで、予め極性基含有単量体に水と乳化剤を加え、十分に乳化させたものを天然ゴムラテックス中に添加しても良いし、極性基含有単量体を直接天然ゴムラテックス中に添加し、必要に応じて単量体の添加前又は添加後に乳化剤を添加しても良い。
乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のようなノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
ゴム組成物にカーボンブラックやシリカと配合した際の加工性を低下させることなく、本発明の効果を有効に発揮させることを考慮すると、天然ゴムの分子に対し万遍なく少量の極性基を導入することが重要であり、このために重合開始剤の添加量は極性基含有単量体100モルに対し1〜100モル%が好ましく、10〜100モル%がより好ましい。
本発明に係る変性天然ゴムは、上述した各成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜7時間反応させてグラフト重合を行うことにより、変性天然ゴムラテックスを得、この変性天然ゴムラテックスを凝固し、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することにより得ることができる。
本発明に係る変性天然ゴムにおいて、極性基含有単量体のグラフト量は天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%が好ましく、0.1〜3.0重量%がより好ましく、0.2〜1.0重量%が特に好ましい。極性基含有単量体のグラフト量が0.01重量%未満の場合、この変性天然ゴムを用いることによる本発明の効果を十分に得ることができず、5.0重量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の優れた特性が損なわれると共に、加工性が低下するおそれがある。
[変性スチレン−ブタジエンゴム]
次に本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物に含まれる変性スチレン−ブタジエンゴムについて説明する。
本発明に係る変性スチレン−ブタジエンゴムはスズ変性スチレン−ブタジエンゴムであることが好ましい。
スズ変性スチレン−ブタジエンゴムは、Snを有すると共にスチレン成分を20〜45重量%の範囲で含み且つビニル量を30重量%以下のものが好ましく、このようなスズ変性スチレン−ブタジエンゴムを用いることにより、低発熱性及びヒステリシスロスの向上を図ることができる。
スズ変性スチレン−ブタジエンゴムは、溶液重合によって得られるスチレン−ブタジエン共重合体であって、スチレン成分が20〜45重量%の範囲で含まれ且つビニル量が30重量%以下にあり、スズは重合鎖中、スチレンの重合開始末端、重合活性末端の何れかに有していても良く、特に、スチレンの重合開始末端、又は重合活性末端の少なくとも一方の末端にSnを有する末端スズ変性スチレン−ブタジエンゴムであることが好ましい。スズ変性スチレン−ブタジエンゴムは、例えば以下に示す重合開始剤を用いて製造することができる。
基本的には原料として1,3−ブタジエン及びスチレンを用いる。また、アルカリ金属化合物、好ましくはリチウム化合物を重合開始剤とし、溶液重合(アニオン重合)させることにより得る。そして、このような重合により、末端が重合活性末端であるスチレン−ブタジエン共重合体からなるベースポリマー(反応停止前の活性末端を有する共重合体)を得る。ベースポリマーの末端をスズ化合物で変性することにより、所望のスズ変性スチレン−ブタジエンゴムを得る。
また、重合開始剤としては、スズ原子を有するアルカリ金属化合物、好ましくはスズ原子を有するリチウム化合物を重合開始剤とすることができる。この場合、重合開始末端にもスズ原子が導入される。また、ポリマー鎖中にスズ原子を導入するものとしては、原料として1,3−ブタジエン及びスチレンに加えてスズ原子含有化合物(モノマー)を使用することができる。
ベースポリマーに使用する重合開始剤は、アルカリ金属化合物であるが、リチウム系化合物が良い。リチウム系化合物としては、通常のリチウム化合物だけでなく、上述したようにスズ原子を有するリチウム化合物、スズ原子及び窒素原子を有するリチウム化合物を使用しても良い。
リチウム化合物としては、例えばヒドロカルビルリチウム、リチウムアミド化合物などが用いられる。ヒドロカルビルリチウムでは、重合開始末端がヒドロカルビル基であるスチレン−ブタジエン共重合体のベースポリマーが得られる。また、リチウムアミド化合物では、重合開始末端に窒素含有基を有するベースポリマーが得られる。
ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが良く、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられる。
リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムビス−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド, リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド,リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。
その他のスズ原子を有するリチウム化合物としては、トリブチルスズリチウム,トリオクチルスズリチウムなどのトリオルガノスズリチウム化合物が挙げられる。スズ原子及び窒素原子を有するリチウム化合物としては、代表的なものとしてトリオルガノアミドスズリチウム(式が[R(R)N]SnLiで、Rが水素、Rは炭素水素基。)とトリオルガノイミドスズリチウム(式が[R(R)N]SnLiで、R及び、Rは炭素水素基であって、RとRの末端は互いに結合していて良い。)とを挙げることができる。具体的には、トリピロリジドスズリチウム、トリヘキサメチレンイミドスズリチウム、トリジエチルアミドスズリチウム、及びトリ(ジプロピルアミド)スズリチウムなどがある。
また、原料として1,3−ブタジエン及びスチレンに加えてスズ原子含有化合物(モノマー)等を用いても良く、スズ原子含有化合物としては、2−トリブチルスタニル−1,3−ブタジエン、2−トリオクチルスタニル−1,3−ブタジエン、2−トリシクロヘキシルスタニル−1,3−ブタジエン、2−トリフェニルスタニル−1,3−ブタジエン、2−ジブチルフェニルスタニル−1,3−ブタジエン、2−ジフェニルオクチルスタニル−1,3−ブタジエン、m−ビニルベンジルトリブチルスズ、m−ビニルベンジルトリオクチルスズ、m−ビニルベンジルトリフェニルスズ、m−(1−フェニルビニル)ベンヂルトリブチルスズ、及びこれらのp体,m体/p体混合物などがある。
スズ変性スチレン−ブタジエンゴムは、上記のリチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によるスチレン−ブタジエン共重合体の製造方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族,脂環族,芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、有機リチウム化合物を重合開始剤として、スチレンと1,3−ブタジエンをアニオン重合させることにより、目的のスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。この重合反応における温度は、通常−80〜150℃、好ましくは−20〜100℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つ十分な圧力で操作することが望ましい。またより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。得られたベースポリマーにおける重合開始末端にヒドロカルビル基又は窒素含有基を有し、かつ他方の末端が重合活性である変性前のスチレン−ブタジエン共重合体の重合活性末端に、スズ化合物を反応させることにより、スズ変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが得られる。
上記スズ化合物としては、例えば四塩化スズ,トリブチルスズクロリド,トリオクチルスズクロリド,ジオクチルスズジクロリド,ジブチルスズジクロリド,塩化トリフェニルスズなどが挙げられる。
スズ変性スチレン−ブタジエンゴムは、スチレン成分が20〜45重量%の範囲で含まれ且つビニル量が30重量%以下にあり、好ましくはスチレン成分が25〜35重量%の範囲であることが好ましい。
スズ変性スチレン−ブタジエンゴムのスチレン成分が20重量%未満では、トレッドゴムにおける耐偏摩耗性及び低発熱性の両効果が十分でない。またスチレン成分が45重量%を超えると、トレッドゴムにおける発熱性を悪化させる。
また、スズ変性スチレン−ブタジエンゴムに含まれるビニル量が30重量%を超えると、耐摩耗性が低下する。
[ゴム成分]
本発明に係るゴム組成物のゴム成分は、その100重量部中に前記変性天然ゴムを10〜90重量部、変性スチレン−ブタジエンゴムを90〜10重量部、特に変性天然ゴムを35〜65重量部、変性スチレン−ブタジエンゴムを65〜35重量部含むことが好ましい。この配合よりも変性天然ゴムの含有量多く、変性スチレン−ブタジエンゴムが少ないと、この変性天然ゴムを配合したことによるカーボンブラックの分散性改良効果を十分に得ることができず、変性天然ゴムが少なく、変性スチレン−ブタジエンゴムが多いと耐破壊性が悪くなる。
本発明に係るゴム成分は、前記変性天然ゴム及び変性スチレン−ブタジエンゴムの他、更に、この変性天然ゴム及び変性スチレン−ブタジエンゴム以外の他のゴム成分を含有していても良い。この場合、他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの他のゴム成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。ただし、これらの他のゴム成分は、全ゴム成分100重量部中○○重量部以下であることが好ましい。
[フィラー]
次に本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物に配合されるフィラーについて説明する。
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラック或いはカーボンブラック及びシリカを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでもSAF,ISAF,HAF,FEF,GPFグレードのカーボンブラック、特にHAF,ISAF,SAFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。カーボンブラックは、特にDBP吸収量が110×10−5/kg以上で、窒素吸着比表面積が140×10/kg以上のものが好ましい。
シリカとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましい。シリカのBET比表面積としては150m/g以上のものが好ましく、より好ましくは170m/g以上、特に好ましくは190m/g以上である。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」などの市販品を用いることができる。
シリカは特に、表面改質シリカを用いるのが好ましい。
カーボンブラックについても、シリカについてもいずれも1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物のカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して20〜100重量部、特に40〜70重量部であり、シリカを併用する場合、シリカはゴム成分100重量部に対して20〜60重量部、特に25〜45重量部であり、カーボンブラックとシリカとの合計でゴム成分100重量部に対して30〜120重量部、特に40〜70重量部、カーボンブラックとシリカとの合計に占めるカーボンブラックの割合は20重量%以上、特に20〜50重量%であることが好ましい。カーボンブラックの配合量がこの範囲よりも少ないと、低発熱性が向上するものの、耐摩耗性が低下する。一方、カーボンブラックの配合量がこの範囲よりも多いと耐摩耗性が十分となるものの、低発熱性、その他の物性が低下することがある。
また、シリカの配合量がこの範囲よりも少ないと、転がり抵抗の向上が十分でなく、多いと、対摩耗性が低下する。
[シランカップリング剤]
本発明においては、ゴム組成物中に更にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、タイヤ用トレッドゴム組成物に配合される通常のもの、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド等の1種又は2種以上を好適に用いることができる。
シランカップリング剤の配合量は、ゴム組成物中のシリカの重量に対して1〜20重量%、特に6〜16重量%であることが好ましい。シランカップリング剤の配合量がこの範囲よりも少ないと、十分な配合効果を得ることができず、この範囲よりも多いと未反応カップリング剤が増えて反応効率が著しく落ちる。
[その他の成分]
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物には、上述のゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤の他、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、カーボンブラック及びシリカ等と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述の本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。ここで、トレッドが所謂キャップ/ベース構造の場合、キャップゴム及びベースゴムのいずれに上記ゴム組成物を用いてもよい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッドゴムが本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物で構成されること以外は従来の空気入りタイヤと同様の構成とすることができ、その製造方法にも特に制限はなく常法に従って製造される。
このような本発明の空気入りタイヤは、バス、トラック、飛行機といった重荷重用空気入りタイヤから、乗用車、モータースポーツ(MS)等のレース用車空気入りタイヤ等、各種の空気入りタイヤに有効に適用される。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:変性天然ゴムの製造方法
(1)天然ゴムラテックスの変性反応工程
フィールドラテックスをラテックスセパレーター(斎藤遠心工業製)を用いて回転数7500rpmで遠心分離して乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機、温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mlの水と90mgの乳化剤(エマルゲン1108,花王株式会社製)を4−ビニルピリジン3.0gに加えて乳化したものを990mlの水とともに添加し、これらを窒素置換しながら30分間撹拌した。次いで、重合開始剤としてtert−ブチルヒドロパーオキサイド1.2gとテトラエチレンペンタミン1.2gとを添加し、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(2)凝固、乾燥工程
次いで、ギ酸を添加してpHを4.7に調整することにより、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得た固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得た変性天然ゴムAの重量から極性基含有単量体としての4−ビニルピリジンの転化率は100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムを石油エーテルで抽出し、さらにアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を行ったところ、抽出物の分析からホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることを確認した。
製造例2:スズ変性スチレン−ブタジエンゴムの製造方法
乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン単量体37.5g、スチレン単量体12.5g、カリウム−t−アミレート0.03mmol、THF2mmolを注入し、さらに二級アミンとしてヘキサメチレンイミン0.41mmolを加えた。これにn−ブチルリチウム(BuLi)0.45mmolを加えた後、50℃で2.5時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で透明であった。重合転化率はほぼ100%であった。
重合溶液の一部をサンプリングし、イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重合体を得た。この共重合体についてミクロ構造、分子量、及び分子量分布を測定した。この重合系にさらいに変性剤としてTTC(四塩化錫)の1Mシクロヘキサン溶液0.09mmolを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさらに2,6−ジ−ターシャリブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロピルアルコール5%溶液0.5mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することによりポリマー(II)を得た。スチレン成分が25重量%、ビニル量が28重量%であった。
実施例1,2、比較例1〜6
表1に示す配合のゴム組成物について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
なお、表1において用いた各材料は次の通りである。
また、評価結果はいずれも比較例1の場合を100として相対値で示した。
[使用材料]
天然ゴム:RSS3
変性天然ゴム:製造例1で製造した4−ビニルピリジン0.5%変性天然ゴム
スチレン−ブタジエンゴム:JSR1500
変性スチレン−ブタジエンゴム:製造例2で製造したスズ変性スチレン−ブタジエンゴム
カーボンブラック:N234東海カーボン社製「シースト7HM」
シリカ:東ソーシリカ社製「ニプシルAQ」
シランカップリング剤:信越化学社製「ABC856」
老化防止剤:住友化学社製「アンチゲン6C」
加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン
加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド
加硫促進剤DM:ジベンゾチアジルスルフィド
[評価]
(1)RR(転がり抵抗)及びWET(WETグリップ性能)
上島製作所 スペクトロメーター
測定 Tanδ
温度 60℃(RR) 0℃(WET)
歪み 1%
周波数 52Hz
値はINDEX 大が良
(2)耐破壊性
切断時の強力(Tb)をJIS K6301−1995に従って測定した。
Figure 2006152214
表1より、本発明によれば、耐破壊性に優れ、低燃費性でWETグリップ性能に優れる空気入りタイヤが提供されることが分かる。

Claims (16)

  1. 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと変性スチレン−ブタジエンゴムとを含むことを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  2. 請求項1において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  3. 請求項1又は2において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、カーボンブラックを含むことを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  5. 請求項4において、シリカを含むことを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、シランカップリング剤を含むことを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記変性スチレン−ブタジエンゴムがスズ変性スチレン−ブタジエンゴムであることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  8. 請求項4ないし7のいずれか1項において、前記カーボンブラックが、HAF、ISAF、及びSAFよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  9. 請求項5ないし8のいずれか1項において、前記シリカが表面改質シリカであることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項において、ゴム成分100重量部中の前記変性天然ゴムの割合が10〜90重量部であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項において、ゴム成分100重量部中の前記変性スチレン−ブタジエンゴムの割合が10〜90重量部であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  12. 請求項4ないし11のいずれか1項において、前記カーボンブラックの含有量がゴム成分100重量部に対して20〜100重量部であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  13. 請求項5ないし12のいずれか1項において、前記シリカの含有量がゴム成分100重量部に対して20〜60重量部であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  14. 請求項6ないし13のいずれか1項において、前記シランカップリング剤の含有量が前記シリカの重量に対して1〜20重量%であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  15. 請求項5ないし14のいずれか1項において、前記カーボンブラックとシリカの合計の含有量がゴム成分100重量部に対して30〜120重量部であり、カーボンブラックとシリカとの合計に占めるカーボンブラックの割合が20重量%以上であることを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物。
  16. 請求項1ないし15のいずれか1項に記載のタイヤ用トレッドゴム組成物をトレッドゴムに使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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