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JP2006145230A - 被分析物担体およびその製造方法 - Google Patents

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JP2006145230A JP2004331860A JP2004331860A JP2006145230A JP 2006145230 A JP2006145230 A JP 2006145230A JP 2004331860 A JP2004331860 A JP 2004331860A JP 2004331860 A JP2004331860 A JP 2004331860A JP 2006145230 A JP2006145230 A JP 2006145230A
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Abstract

【課題】基板を限定されない高感度の被分析物担体を得る。
【解決手段】該被分析物担体は、基板と、該基板上に配置され、かつ、該基板に対してほぼ垂直に形成された複数の細孔を有する多孔質体薄膜と、該多孔質体薄膜の表面および細孔の表面を被覆した被覆金属とから構成され、前記多孔質体薄膜の酸素を除く主成分がシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンとゲルマニウムの混合物である。この被分析物担体は、基板上に、第1の成分を含み構成される柱状物質が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される部材中に分散している構造体薄膜を形成する工程と、前記柱状物質を除去し、多孔質体薄膜を形成する工程と、金属化合物を含む溶液を多孔質体薄膜の細孔中に導入する工程と及び、前記金属化合物を化学変化させて多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に金属を析出させる工程とで作製する。
【選択図】図1

Description

本発明はラマン分光分析に用いられる被分析物担体(ラマン分光分析に用いる被分析物を坦持するための担体)とその製造方法に関するもので、詳しくはラマン分光分析において微量分析を行うための被分析物担体およびその製造方法に関するものである。特に高比表面積の多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に金属薄膜を被覆することにより金属薄膜の比表面積を増加させ、ラマン分光分析の際に発生する表面増強作用を高める被分析物担体、及び被分析物担体の簡便な製造方法に関するものである。
近年、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface−enhanced Raman Scattering)を用いた単一分子分光が注目を集めている(非特許文献1参照)。これは金属電極、ゾル、結晶および蒸着膜、半導体等の表面上に吸着した物質のラマン散乱強度が、その物質が単独状態にあるときよりも著しく増強される現象を指し、通常のラマン散乱と比較して散乱強度が10〜10倍程度になる。SERSの特徴としては、1)局在プラズモンを発生しうる金属、例えば金、銀、銅、白金、ニッケルなどの金属において増強効果が現れ、特に金、銀においてその効果が顕著である、2)金属表面の粗さがSERSの発現に関与しており、比表面積の高い金属を用いることで効果が高くなる、等があり、金属表面の表面プラズモンの励起が重要な役割を果たしていると考えられている。
SERSによるセンシングの例として、陽極化成して作製したポーラスシリコン基板を用いたものがある(非特許文献2参照)。これは陽極化成ポーラスシリコンの高比表面積を利用して、その細孔の表面に銀を析出させることで高比表面積の金属薄膜を有する素子を作製し、SERSの信号増強効果をより高めて極微量の分子の検出を可能としたものである。この素子の作製方法について述べる。まず、シリコン基板を弗酸(HF)を用いた陽極化成によりポーラス化し、ポーラスシリコン基板を作製する。このポーラスシリコンに何の処理も加えずに硝酸銀水溶液を導入した場合、弗酸で陽極化成したポーラスシリコンの細孔表面は水素で終端しているために硝酸銀との反応性が高く、銀が自発的に析出してしまう。この反応を防ぐため、ポーラスシリコンの細孔をプラズマ酸化して二酸化シリコン(SiO)にし、活性を低くする処理を行う必要がある。この表面酸化処理を施したポーラスシリコンに硝酸銀水溶液を導入し、その後乾燥して硝酸銀をポーラスシリコンの細孔の表面に析出し、最後に加熱して硝酸銀を還元することで細孔表面に銀を析出させ、細孔を塞ぐことなくポーラスシリコン表面に銀を被覆した被分析物担体を得ている。このようにして作製した被分析物担体により微量分子の検出感度が著しく増大することが報告されている。またこの素子においてはポーラスシリコン作製の際の空孔率が大きくなるに従いラマン散乱測定の際の感度が向上している。
また、金属微粒子をスライドガラス等の基板上に反応性スパッタリング法を用いて析出して、SERSにより微量の分子を検出する例も報告されている(特許文献1参照)。これは酸化銀(AgO)をスパッタリングにより作製したのちに、電磁波の照射により還元して銀微粒子を作製し被分析物担体とするものである。金属微粒子の表面付近に発生する局在プラズモンによりラマン散乱光の強度が増し、ラマン分光分析の感度を向上させている。この形態の素子の場合、金属微粒子の粒径により感度が変化し、粒径が小さくなるほど感度が向上する。粒径は、反応性スパッタリングで作製する酸化銀の膜厚で制御しており、膜厚が小さいほど粒径が小さくなる。また、被分析物担体の基板裏面に全反射プリズムを配置し、分子担持膜側にラマン散乱光の検出素子を配置すると、分子担持膜側から励起光を入射して同じ側からラマン散乱光を検出する場合と比較して著しく高い感度が実現する(非特許文献3参照)。
現代化学 2003年9月 p20−27 Adv.Mater.,2003,15,No.19,p1595−1598 J.Appl.Phys.,Vol.88,No.11,2000,p6187−6191 特開2002−277397号公報
しかし非特許文献2の方法においては基板がシリコンに限定されてしまい、陽極化成の際に陽極化成装置と弗酸(HF)の使用が必要となる。またシリコン基板を弗酸(HF)で陽極化成したポーラスシリコンにおいては、細孔の表面のシリコンが水素終端しているために細孔の表面への銀の析出の際に用いる硝酸銀水溶液との反応性が高く、反応性を下げるためにプラズマ酸化を行い、細孔の表面を酸化シリコン(SiO)製にするプロセスが必要となる。
また特許文献1の方法においては酸化銀(AgO)微粒子の粒径を最適化するために膜厚が100nm程度となり、この場合のラマン散乱光の強度は数百倍から一千倍程度の向上であり、感度の更なる向上が求められている。
そこで本発明の目的は、基板を限定されない高感度の被分析物担体を提供することである。特に、任意の基板上に作製した酸化物ナノ多孔質体薄膜の細孔の表面に銀を被覆することで高比表面積の金属薄膜を作製し、ラマン散乱光の強度がより向上する被分析物担体を提供する。
また本発明の別の目的は、基板を限定されない高感度の被分析物担体の製造方法を提供することである。特に弗酸を用いる陽極酸化プロセスを用いず、また細孔の表面のプラズマ酸化による不活性化プロセスが不必要である、より簡便なプロセスを用いた被分析物担体の製造方法を提供する。
上記目的は本発明の被分析物担体によって解決される。
即ち、本発明は、ラマン分光分析に用いる被分析物を坦持するための担体であって、
基板と、該基板上に配置され、かつ、該基板に対してほぼ垂直に形成された複数の細孔を有する多孔質体薄膜と、該多孔質体薄膜の表面および細孔の表面を被覆した被覆金属とからなり、前記多孔質体薄膜の材料が酸素を除く成分としてシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンとゲルマニウムの混合物であることを特徴とするものである。
特に、前記多孔質体薄膜が酸化物であることが好ましい。
また、前記被覆金属がAu、Ag、Cu、Pt、Ni、WまたはTiのいずれかであることが好ましく、さらにはAgであることが望ましい。
また、本発明は、上記被分析物担体と前記担体上の被分析物に光を照射するための手段とを備えることを特徴とする分析装置である。
また、本発明は上記の構造を有する被分析物担体の製造方法を提供する。
即ち、本発明は、ラマン分光分析に用いる被分析物担体の製造方法であって、
基板上に、第1の成分を含み構成される柱状物質が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される部材中に分散している構造体薄膜を形成する工程と、
前記柱状物質を除去し、多孔質体薄膜を形成する工程と、
金属化合物を含む溶液を前記多孔質体薄膜の細孔中に導入する工程と及び、
前記金属化合物を化学変化させて前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属を析出させる工程と
を有することを特徴とするものである。
また、本発明は、ラマン分光分析に用いる被分析物担体の製造方法であって、
基板上に、第1の成分を含み構成される柱状物質が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される部材中に分散している構造体薄膜を形成する工程と、
前記柱状物質を除去し、多孔質体薄膜を形成する工程と、
前記多孔質体薄膜を酸化する工程と、
金属化合物を含む溶液を前記多孔質体薄膜の細孔中に導入する工程と及び、
前記金属化合物を化学変化させて前記多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に金属を析出させる工程と
を有することを特徴とするものである。
特に、金属化合物を化学変化させて前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属を析出させる工程が、前記金属化合物を含む溶液を乾燥して前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属化合物を析出させる工程と及び、前記細孔の表面に析出した金属化合物を還元して前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属を析出させる工程とを有することが好ましい。
また、前記多孔質体薄膜が、水溶液を用いた柱状物質を除去する工程により酸化されることが好ましい。
また、前記金属化合物がAgを含む化合物であることが好ましい。
ラマン分光分析により極微量の分子を検出可能な被分析物担体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る被分析物担体は、任意の基板上に作製した、細孔を複数有した酸化物多孔質薄膜の細孔の表面に細孔を塞ぐことなくラマン散乱光増強効果のある金属を被覆することで、金属薄膜の比表面積を増大させるものである。このことにより、多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に析出した金属表面に分子を吸着させ、表面増強ラマン散乱(SERS)を利用したラマン分光分析を行うことにより溶液中に存在する微量の分子を高感度に検出することが可能となる。
また、本実施形態に係る被分析物担体の製造方法は、任意の基板上に作製可能で、弗酸を用いた陽極酸化や酸素プラズマ処理等の工程が不要な、金属を被覆した酸化物多孔質体薄膜の作製が容易である製造方法である。このことにより陽極酸化装置や、弗酸等の危険な溶液を用いることなく簡便かつ低コストにて被分析物担体を作製することが可能となる。
次に、被分析物担体及びその製造方法に関する構成等を以下に説明する。
<被分析物担体の構成について>
まず、本発明の被分析物担体の構成について説明する。
図1は本発明の被分析物担体の構成例を示すものである。図1において11は基板、12は多孔質体薄膜、13は被覆金属、14は細孔である。
まず基板11について説明する。基板は、基板上面にスパッタリング法等の成膜法で薄膜が成膜可能な基板であれば基本的にはどのような材質の基板を用いてもよく、石英ガラス、スライドガラス等の絶縁性基板、シリコン基板、ガリウム砒素、あるいはインジウム燐などの半導体基板、アルミニウムなどの金属基板あるいは支持部材としての基板上に上記構造体が形成できるのであれば、フレキシブル基板(例えばポリイミド樹脂など)を用いることもできる。また基板表面は平滑である必要は無く、複雑な表面形状を有した基板を用いてもよい。
励起光を基板裏面から照射する被分析物担体を作製する場合には励起光が透過する基板を用いる必要がある。また、基板の裏面に全反射プリズムを配置してもよい。このような構成にすることにより、基板裏面から導入された励起光を、基板と全反射プリズムとの界面で全反射させ、励起光により発生したラマン散乱光のみを膜表面方向から検出することで測定の際のノイズを減少させ、より高感度の検出が可能となるからである。
次に多孔質体薄膜12について説明する。多孔質体薄膜12は、図2(a)に示す第1の成分を含み構成される柱状物質21が、第1の成分と共晶を形成し得る第2の成分を含み構成される母材物質24中に分散している構造体薄膜23から、柱状物質21を除去して形成されている。これを図2(b)に示す。図2(b)において、25は柱状物質21を除去して形成された多孔質体薄膜であり、26が柱状物質21を除去して形成された細孔である。
ここで、第1の成分を含み構成される柱状物質21は、例えば、アルミニウムを主成分とする材料から構成されている。また、第1の成分と共晶を形成し得る第2の成分を含み構成される母材物質24は、例えば、ゲルマニウム、シリコン、あるいはゲルマニウムとシリコンの混合物からなる。
この母材物質24は、シリコンあるいはゲルマニウムを主成分とすることが好ましい。また、シリコンとゲルマニウムの混合物を主成分とすることも可能である。また、母材物質24は、シリコンあるいはゲルマニウムを主成分とすることが望ましいが、数atomic%から数十atomic%程度のアルミニウム(Al)、酸素(O)、アルゴン(Ar)、窒素(N)、水素(H)などの各種の元素を含有してもよい。
母材物質24は酸化物であることが望ましい。しかし多孔質体薄膜表面および細孔の表面が酸化されていれば、母材物質の内部は酸化物ではない結晶質や非晶質のシリコンあるいはゲルマニウムあるいはシリコンとゲルマニウムの混合物であっても構わない。
また、細孔26の形状は、図4(a)に示すような円形でも、図4(b)に示すような楕円形でもよく、さらには機械的強度が保たれるのであれば、図4(c)に示すような不定形の細孔であっても構わない。このような細孔形状は、構造体薄膜23を作製する際の第1の成分と第2の成分の混合比により変えることが可能である。
多孔質体薄膜の膜厚は多孔質体薄膜が形成される膜厚であるならば特に制限は無いが、1nm以上50μm以下が好ましく、さらには100nm以上10μm以下が好ましい。
次に多孔質体薄膜表面に被覆される被覆金属13について説明する。被覆金属13は多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に、細孔を塞ぐことなく形成されている。被覆金属の材料は多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に作製でき、細孔を塞ぐものでなければどのような金属でもよく、微粒子形態であってもよい。被覆金属13は、表面プラズモンあるいは局在プラズモンを発生しうる金属、具体的にはAu、Ag、Cu、Pt、Ni、W、Ti等が好ましく、さらに好ましくはAu、Ag、さらに望ましくはAgである。
また、被覆金属13の厚さは細孔を塞がずに細孔の表面全体を被覆できる程度の膜厚が望ましく、具体的には薄膜の場合には10nm以下の膜厚が望ましい。また被覆金属が微粒子で構成される場合には微粒子径が10nm以下であることが望ましい。
上記の構成の被分析物担体を用いて行う分析方法の一例として、図3に示すような構成が挙げられる。図3においては多孔質体薄膜32の膜面よりレーザー発生器35から発生したレーザー光38を入射し、レーザー光により励起された被覆金属33と非検出分子34間に増強作用が発生し、増強されたラマン散乱光39を放出する。このラマン散乱光39を光検出器36で検出する。また基板31がレーザー光を透過する場合には被分析物担体の裏面に全反射プリズムを配置して基板面から入射したレーザー光により励起された被覆金属により非検出分子が励起されてラマン散乱光を放出し、それを光検出器で検出するような構成にしてもよい。このような構成にすることでより高感度の検出が可能となる。
<被分析物担体の製造方法の構成について>
次に被分析物担体の製造方法について詳細に説明する。
以下に被分析物担体の製造方法における一実施態様の各工程を示す。被分析物担体の製造方法は、下記の工程(a)〜工程(d)を有する。
工程(a):基板上に第1の成分を含み構成される柱状物質が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される部材中に分散している構造体薄膜を形成する工程
工程(b):前記柱状物質を除去し、多孔質体薄膜を形成する工程
工程(c):前記多孔質体薄膜の細孔中に金属化合物を含む溶液を導入する工程
工程(d):金属化合物を還元し、多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に金属を析出する工程
以下、図5を用いて各工程について説明する。図5(a)〜(d)は工程(a)〜(d)に対応し、各構成を説明する断面図である。
工程(a):図5(a)に示すように、基板51上に、第1の成分を含み構成される柱状物質52が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される母材物質53中に分散している構造体薄膜54を形成する。例えば、母材物質(第2の成分)内に柱状物質(第1の成分)を形成するアルミニウムとシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)を形成し、スパッタリング法、電子ビーム蒸着などの非平衡状態で物質を形成可能な方法により、基板上に構造体薄膜である混合膜(アルミニウムシリコン混合膜あるいはアルミニウムゲルマニウム混合膜あるいはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)を形成する。
このような方法でアルミニウムシリコン混合膜(あるいはアルミニウムゲルマニウム混合膜、あるいはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)を形成すると、アルミニウムとシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)が準安定状態の共晶型組織となり、アルミニウムからなる柱状物質がアモルファスシリコン(あるいはアモルファスゲルマニウム、あるいはアモルファス状態のシリコンとゲルマニウムの混合物)からなる母材物質内に数nmから数十nmレベルのナノ構造体(柱状構造体)を形成し、自己組織的に分離する。
なお、アルミニウムとアモルファスシリコン(あるいはアモルファスゲルマニウム、あるいはアモルファス状態のシリコンとゲルマニウムの混合物)の混合膜において、形成される膜中のシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)の量は、アルミニウムとシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)の全量に対して20〜70atomic%であり、好ましくは25〜65atomic%である。シリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)の量が斯かる範囲内であれば、アモルファスシリコン(あるいはアモルファスゲルマニウム、あるいはアモルファス状態のシリコンとゲルマニウムの混合物)母材物質内にアルミニウムの柱状物質が分散したアルミニウムシリコン混合膜(あるいはアルミニウムゲルマニウム混合膜、あるいはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)が得られる。柱状物質の形状は混合膜中のアルミニウムとシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)の割合により変化する。
上記のアルミニウムとシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)の割合を示すatomic%とは、シリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)とアルミニウムそれぞれの原子数の割合を示し、atom%あるいはat%とも記載され、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)でアルミニウムシリコン混合膜(あるいはアルミニウムゲルマニウム混合膜、あるいはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)中のシリコン(あるいはゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウム)とアルミニウムの量を定量分析したときの値である。
工程(b):次に、該柱状物質52を除去し、多孔質体薄膜55を形成する。
例えば、上記のアルミニウムシリコン混合膜(あるいはアルミニウムゲルマニウム混合膜あるいはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)中の柱状物質であるアルミニウムを溶液でエッチングし、マトリックス内(ここではシリコンあるいはゲルマニウムあるいはシリコンゲルマニウム)内に細孔56を形成する。これにより図5(b)のような多孔質体薄膜が形成される。多孔質体薄膜の細孔の形状はアルミニウムシリコン混合膜(あるいはアルミニウムゲルマニウム混合膜あるいはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)中のアルミニウムとシリコン(あるいはゲルマニウムあるいはシリコンとゲルマニウム)の割合によって変化し、図4に示すような形状である。アルミニウムの割合が増加するに従い細孔形状は円形から楕円形、不定形へと変化する。
エッチングに用いる溶液は、例えばアルミニウムを溶かすにもかかわらずシリコン(あるいはゲルマニウム)をほとんど溶解しない酸が好ましく、りん酸、硫酸、塩酸、クロム酸溶液等の酸が好ましい。しかしエッチングによる細孔形成に不都合がなければ、水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリを用いることができ、特に酸の種類やアルカリの種類に限定されるものではなく、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いてもかまわない。またエッチング条件は、例えば、溶液温度、濃度、時間などは、作製する多孔質薄膜に応じて、適宜設定することができる。
工程(c):次に、前記多孔質体薄膜55の細孔中に金属化合物を含む溶液57を導入する。
導入する溶液は、工程(d)における金属析出の際に多孔質体薄膜の細孔を塞ぐことなく被覆金属の形成が可能な金属化合物であれば、どの様な金属化合物の溶液を用いてもよい。例えば無電解メッキ法を用いて細孔を塞ぐことなく細孔の表面に金属を析出させてもよく、その際にはNi、Cu、Ag、Pt、Au等の金属化合物が電離して生成した金属イオンを含むメッキ浴を用いてもよい。この中で、硝酸銀(AgNO)水溶液を導入することが望ましい。硝酸銀溶液を用いることにより、後の工程(d)において多孔質体薄膜の細孔を塞ぐことなく、比較的容易にAg薄膜の形成が可能であるからである。硝酸銀水溶液の濃度および温度は、多孔質体薄膜の細孔を塞ぐことなくAg薄膜の形成が可能な濃度、温度であれば特に限定されるものでない。
図5(c)に溶液導入後の状態を示す。溶液導入後、多孔質体薄膜の上部に残った過剰な溶液を除去することが好ましい。除去方法はどのような方法を用いてもよいが、空気や窒素等のガスにより表面の過剰な溶液を吹き飛ばす方法(ブロー)が好ましい。
工程(d):次に、前記多孔質体薄膜の細孔の表面に金属を析出させ、被覆金属58を形成する。
図5(d)に示す様に、前記多孔質体薄膜の細孔の表面に金属を析出させ、多孔質体薄膜が金属薄膜で被覆された被分析物担体が形成される。金属化合物を含む溶液から金属を析出させる際には、析出した金属が多孔質薄膜の細孔を塞がなければどのような方法で金属を析出させてもよく、無電解メッキ等の方法で溶液中から直接細孔の表面に金属を析出させてもよい。
析出金属はAgが望ましい。Ag薄膜は硝酸銀を加熱して還元することで容易に得ることが出来るからである。その他の金属化合物を含む溶液から金属を析出させる際にも、析出した金属が多孔質薄膜の細孔を塞ぐのでなければ、どのような方法で金属を析出させてもよく、無電解メッキ等の方法で溶液中から直接細孔の表面に金属を析出させてもよい。
また、(b)工程の後に多孔質体薄膜55を酸化し、多孔質体薄膜を酸化物にすることが好ましく、(b)工程におけるエッチング後に多孔質薄膜の酸化処理、例えば酸素雰囲気中でのアニール処理等を行うことが好ましい。このような処理を行うことで多孔質薄膜の機械的強度が増加する。また多孔質薄膜が可視光に対して透明になり、それによりラマン分光分析の際に用いるレーザーの波長の選択性が高くなる等の効果がある。アニール処理温度および時間は、多孔質薄膜の細孔の構造が破壊されない温度、アニール時間であれば特に制限されるものではない。この酸化工程は(b)工程中に行ってもよい。またこの多孔質体薄膜の酸化は特に別工程を設けなくても(b)工程や(c)工程等で水溶液を用いた場合や、(d)工程における大気下での加熱工程中に発生しうる。例えば、(b)工程におけるエッチングにより作製した多孔質薄膜の細孔の表面は溶液中の水により酸化され酸化シリコン(あるいは酸化ゲルマニウム、あるいは酸化シリコンと酸化ゲルマニウムの混合物)となる。
以下、特に被覆金属がAgである場合について、図6を用いて説明する。
図6における(a’)工程、(b’)工程は前記(a)工程、(b)工程と同じ工程であり、被覆金属がAgの場合においても特に限定されない。
工程(b’)工程の後に多孔質体薄膜を酸化する工程を追加してもよい。
工程(c’)においては金属化合物を含む水溶液として硝酸銀水溶液を用い、多孔質体薄膜の細孔中に硝酸銀水溶液61を導入する。硝酸銀水溶液の濃度は特に限定されないが、0.01mol/l以上、10mol/l以下であることが好ましく、さらには0.1mol/l以上、5mol/l以下であることが好ましく、0.5mol/l以上、さらには2mol/l以下であることがより好ましい。
工程(d’)においては硝酸銀水溶液を乾燥させて固体の硝酸銀62を多孔質体薄膜の細孔の表面に析出させる。析出条件は硝酸銀が還元されない温度で乾燥、析出を行う必要がある。またこの際析出した固体の硝酸銀が細孔を塞いでいないことが好ましい。具体的には300℃以下での乾燥、析出が好ましく、さらには200℃以下での乾燥、析出が好ましい。また、乾燥、析出の時間は乾燥、析出温度に対応させて最適な時間を設定すればよい。
工程(e’)においては加熱処理を行い、次に示す反応により銀63を析出させる。
AgNO(固体) → Ag(固体)+NO(気体)+1/2O(気体)
細孔の表面に析出した硝酸銀を還元する際には、硝酸銀の還元が起こって銀が生成する温度以上で、かつ生成した銀が拡散、凝集して細孔を塞ぐ温度以下であればよく、具体的には300℃以上800℃以下の温度で加熱することが好ましく、400℃以上600℃以下の温度で加熱することがより好ましい。また、加熱時間は加熱温度に対応させて最適な時間を設定すればよい。
本実施例は、ガラス基板上に多孔質薄膜構造体を形成し、その表面および細孔の表面にAgを被覆して作製した被分析物担体について説明する。
ガラス基板上にマグネトロンスパッタ法を用いて、アルミニウムをアルミニウムとシリコンの全量に対して65atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約1μmの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムシリコン混合ターゲットを用いた。アルミニウムシリコン混合ターゲットはアルミニウムの粉末とシリコンの粉末を65atomic%:35atomic%の割合で焼結したものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:30sccm、放電圧力:0.15Pa、投入電力:100Wとした。また、基板温度は100℃とした。
なお、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図5(a)のように、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。アルミニウム柱状構造体部分の平均直径は12nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、それぞれのアルミニウム柱状構造体は互いに独立していた。
このように作製したアルミニウムシリコン混合膜を図5(b)のように5wt%りん酸溶液中にて24時間浸し、アルミニウム柱状構造部分のみを選択的にエッチングして細孔を形成した。この結果、酸素を除いた主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質膜が作製された。なお、多孔質薄膜中のシリコンは酸化されている。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、5wt%りん酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体薄膜)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図5(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の孔径は12nmであった。また、作製された多孔質薄膜はX線回折による回折ピーク形状より非晶質状態であり、顕微ラマン散乱測定におけるピーク形状より多孔質薄膜中のシリコンは酸化されていることが確認された。
次にガラス基板上に作製した酸化シリコンからなる多孔質薄膜を1mol/lの硝酸銀水溶液に20分浸漬し、その後溶液から取り出し、窒素ガスにより表面に付着した過剰な水溶液をブローして除去した。次にこの硝酸銀溶液を導入した多孔質薄膜を、空気中において100℃で20分加熱して乾燥し、細孔の表面に固体の硝酸銀を析出させた。次にこの多孔質体薄膜を空気中500℃で30分間加熱し、多孔質体薄膜の細孔の表面に銀を析出させて目的の被分析物担体を作製した。
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にてこの被分析物担体の表面形状を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は、銀に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の孔径は4nmであった。また、断面FE−SEMにて観察した所、細孔の表面が銀によって被覆され、細孔が塞がれることなく基板と多孔質体薄膜の界面近傍まで到達している様子が観察された。銀が細孔の底部まで到達していることを確認するために、XPS(光電子分光分析装置)を用いて、多孔質体薄膜をArイオンでエッチングしながら膜厚深さ方向の組成分布を調べた。その結果、分析深さが膜厚である1μm付近までは銀に由来するピークが検出され、その強度は大きく変化しなかった。しかし分析深さが1μm以上になると銀に由来するピークは急激に減少し、殆ど出現しなくなった。このことから銀は膜厚程度の深さまで存在し、細孔の底部にまで銀が被覆されていることが確認された。
この被分析物担体上に濃度100μmol/lのローダミン6G色素分子溶液を滴下し、図7(a)に示すように波長785nmのチタン−サファイアレーザーを被分析物担体の表面から照射して、同じく被分析物担体の表面側に設置された検出器でラマン散乱光を検出した。またこのとき比較のため図7(b)に示すように平坦なガラス基板上に銀薄膜を10nm程度成膜した膜においても同様の実験を行い、多孔質体薄膜82を用いた被分析物担体との比較を行った。その結果、多孔質体薄膜を用いた被分析物担体においては、平坦なガラス基板上に作製した素子と比較してローダミン6G色素分子に由来するラマンスペクトルのピーク強度が10倍程度強くなっていることが確認された。
上記のように多孔質体薄膜上に銀を被覆した被分析物担体を用いてラマン散乱測定を行うと、比表面積の高い銀薄膜により表面増強ラマン散乱(SERS)が発生し、その結果溶液中の分子の検出感度が著しく向上し、溶液中の微量な分子を検出することが可能となる。また、上記のような色素分子以外にもアデニン、グアニン等の生体分子やDNA等の微量検出も可能である。
本実施例は、ガラス基板上に多孔質体薄膜の構造体を形成し、その表面および細孔の表面にAgを被覆して作製した被分析物担体について説明する。
ガラス基板上にマグネトロンスパッタ法を用いて、アルミニウムをアルミニウムとシリコンの全量に対して75atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約1μmの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムシリコン混合ターゲットを用いた。アルミニウムシリコン混合ターゲットはアルミニウムの粉末とシリコンの粉末を75atomic%:25atomic%の割合で焼結したものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:20sccm、放電圧力:0.075Pa、投入電力:80Wとした。また、基板温度は100℃とした。
なお、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図5(a)のように、シリコン領域に囲まれた楕円形や、屈曲した楕円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。また、断面をFE−SEMにて観察した所、それぞれのアルミニウム柱状構造体は互いに独立していた。
このように作製したアルミニウムシリコン混合膜を図5(b)のように5wt%りん酸溶液中にて24時間浸し、アルミニウム柱状構造部分のみを選択的にエッチングして細孔を形成した。この結果、酸素を除いた主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体薄膜が作製された。なお、多孔質体薄膜中のシリコンは酸化されている。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、5wt%りん酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質膜)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図5(b)のように、シリコンの部材に囲まれた楕円形の細孔が二次元的に配列していた。また、作製された多孔質体薄膜はX線回折による回折ピーク形状より非晶質状態であり、顕微ラマン散乱測定におけるピーク形状より多孔質体薄膜中のシリコンは酸化されていることが確認された。
次にガラス基板上に作製した酸化シリコンからなる多孔質体薄膜を1mol/lの硝酸銀水溶液に20分浸漬し、その後溶液から取り出し、窒素ガスにより表面に付着した過剰な水溶液をブローして除去した。次にこの硝酸銀溶液を導入した多孔質体薄膜を、空気中において100℃で20分加熱して乾燥し、細孔の表面に固体の硝酸銀を析出させた。次にこの多孔質体薄膜を空気中500℃で30分加熱し、多孔質体薄膜の細孔の表面に銀を析出させて目的の被分析物担体を作製した。
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にてこの被分析物担体の表面形状を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は、銀に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。また、断面FE−SEMにて観察した所、細孔の表面が銀によって被覆され、細孔が塞がれることなく基板と多孔質体薄膜の界面近傍まで到達している様子が観察された。銀が細孔の底部まで到達していることを確認するために、XPS(光電子分光分析装置)を用いて、多孔質体薄膜をArイオンでエッチングしながら膜厚深さ方向の組成分布を調べた。その結果、分析深さが膜厚である1μm付近までは銀に由来するピークが検出され、その強度は大きく変化しなかった。しかし分析深さが1μm以上になると銀に由来するピークは急激に減少し、殆ど出現しなくなった。このことから銀は膜厚程度の深さまで存在し、細孔の底部にまで銀が被覆されていることが確認された。
この被分析物担体上に濃度100μmol/lのローダミン6G色素分子溶液を滴下し、図7(a)に示すように波長785nmのチタン:サファイアレーザーを被分析物担体の表面から照射して、同じく被分析物担体の表面側に設置された検出器でラマン散乱光を検出した。またこのとき比較のため図7(b)に示すように平坦なガラス基板上に銀薄膜を10nm程度成膜した膜においても同様の実験を行い、多孔質体薄膜を用いた被分析物担体との比較を行った。その結果、多孔質体薄膜を用いた被分析物担体においては、平坦なガラス基板上に作製した素子と比較してローダミン6G色素分子に由来するラマンスペクトルのピーク強度が1010倍程度強くなっていることが確認された。
上記のように多孔質体薄膜上に銀を被覆した被分析物担体を用いてラマン散乱測定を行うと、比表面積の高い銀薄膜により表面増強ラマン散乱(SERS)が発生し、その結果溶液中の分子の検出感度が著しく向上し、溶液中の微量な分子を検出することが可能となる。
本実施例は、ガラス基板上に多孔質体薄膜の構造体を形成し、その表面および細孔の表面にAgを被覆して作製した被分析物担体について説明する。
ガラス基板上にマグネトロンスパッタ法を用いて、アルミニウムをアルミニウムとゲルマニウムの全量に対して70atomic%含んだアルミニウムゲルマニウム混合膜を約1μmの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムゲルマニウム混合ターゲットを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:15sccm、放電圧力:0.06Pa、投入電力:60Wとした。また、基板温度は100℃とした。
なお、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムゲルマニウム混合膜を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図5(a)のように、ゲルマニウム領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。アルミニウム柱状構造体の平均直径は15nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、それぞれのアルミニウム柱状構造体は互いに独立していた。
このように作製したアルミニウムゲルマニウム混合膜を図5(b)のように5wt%りん酸溶液中にて10時間浸し、アルミニウム柱状構造部分のみを選択的にエッチングして細孔を形成した。この結果、酸素を除いた主成分をゲルマニウムとした部材で構成された多孔質体薄膜が作製された。なお、多孔質体薄膜中のゲルマニウムは酸化されている。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、5wt%りん酸でエッチングしたアルミニウムゲルマニウム混合膜(酸素を除く主成分をゲルマニウムとした部材で構成された多孔質体薄膜)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図5(b)のように、ゲルマニウムの部材に囲まれた円形の細孔が二次元的に配列していた。細孔の平均直径は15nmであった。また、作製された多孔質薄膜はX線回折による回折ピーク形状より非晶質状態であり、顕微ラマン散乱測定におけるピーク形状より多孔質体薄膜中のゲルマニウムは酸化されていることが確認された。
次にガラス基板上に作製した酸化ゲルマニウムからなる多孔質体薄膜を1mol/lの硝酸銀水溶液に20分浸漬し、その後溶液から取り出し、窒素ガスにより表面に付着した過剰な水溶液をブローして除去した。次にこの硝酸銀溶液を導入した多孔質体薄膜を、空気中において100℃で20分加熱して乾燥し、細孔の表面に固体の硝酸銀を析出させた。次にこの多孔質体薄膜を空気中500℃で30分加熱し、多孔質体薄膜の細孔の表面に銀を析出させて目的の被分析物担体を作製した。
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にてこの被分析物担体の表面形状を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は、銀に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。また、断面FE−SEMにて観察した所、細孔の表面が銀によって被覆され、細孔が塞がれることなく基板と多孔質体薄膜の界面近傍まで到達している様子が観察された。銀が細孔の底部まで到達していることを確認するために、XPS(光電子分光分析装置)を用いて、多孔質体薄膜をArイオンでエッチングしながら膜厚深さ方向の組成分布を調べた。その結果、分析深さが膜厚である1μm付近までは銀に由来するピークが検出され、その強度は大きく変化しなかった。しかし分析深さが1μm以上になると銀に由来するピークは急激に減少し、殆ど出現しなくなった。このことから銀は膜厚程度の深さまで存在し、細孔の底部にまで銀が被覆されていることが確認された。
この被分析物担体上に濃度100μmol/lのローダミン6G色素分子溶液を滴下し、図7(a)に示すように波長785nmのチタン:サファイアレーザーを被分析物担体の表面から照射して、同じく被分析物担体の表面側に設置された検出器でラマン散乱光を検出した。またこのとき比較のため図7(b)に示すように平坦なガラス基板上に銀薄膜を10nm程度成膜した膜においても同様の実験を行い、多孔質体薄膜を用いた被分析物担体との比較を行った。その結果、多孔質体薄膜を用いた被分析物担体においては、平坦なガラス基板上に作製した素子と比較してローダミン6G色素分子に由来するラマンスペクトルのピーク強度が10倍程度強くなっていることが確認された。
本実施例においては多孔質体薄膜の作製の際にアルミニウムとゲルマニウムの混合ターゲットを用いてアルミニウムゲルマニウム混合膜を作製、その後アルミニウムを除去して酸化ゲルマニウムの多孔質体薄膜を用いたが、組成比が最適化されたアルミニウムとシリコンとゲルマニウムの混合ターゲットを用いても同様の被分析物担体を作製できる。
本発明の被分析物担体およびその製造方法は、極微量分子の検出のための分析装置に利用可能である。
本発明の被分析物担体の構成を示す概略図である。 本発明の被分析物担体に用いる多孔質体薄膜を構成する、柱状物質と母材物質から構成される構造体薄膜及び前記構造体薄膜から柱状物質を除去して形成される多孔質薄膜の概略図である。 本発明の被分析物担体を用いた分析方法の一例である。 本発明の被分析物担体に用いる多孔質体薄膜の細孔形状の一例である。 本発明の被分析物担体の製造方法の構成例である。 本発明の被分析物担体の製造方法の構成例である。 本発明の被分析物担体を用いた分析方法とその比較のために用いた分析方法である。
符号の説明
11、22、31、51、71、81 基板
12、25、32、41、43、46、55、72、82 多孔質体薄膜
13、33、58、73、83 被覆金属
14、26、56 細孔
21、52 柱状物質
23、54 構造体薄膜
24、53 母材物質
34、74、84 被検出分子
35、75、85 レーザー発生器
36、76、86 光検出器
38 レーザー光
39 ラマン散乱光
42 円形細孔
43 楕円形細孔
45 不定形細孔
57 金属化合物を含む溶液
61 硝酸銀水溶液
62 硝酸銀
63 析出した銀
77、87 金属薄膜

Claims (10)

  1. ラマン分光分析に用いる被分析物を坦持するための担体であって、
    基板と、該基板上に配置され、かつ、該基板に対してほぼ垂直に形成された複数の細孔を有する多孔質体薄膜と、該多孔質体薄膜の表面および細孔の表面を被覆した被覆金属とからなり、前記多孔質体薄膜の材料が酸素を除く成分としてシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンとゲルマニウムの混合物であることを特徴とする被分析物担体。
  2. 前記多孔質体薄膜が酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の被分析物担体。
  3. 前記被覆金属がAu、Ag、Cu、Pt、Ni、WまたはTiのいずれかであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の被分析物担体。
  4. 前記被覆金属がAgであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被分析物担体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の担体と前記担体上の被分析物に光を照射するための手段とを備えることを特徴とする分析装置。
  6. ラマン分光分析に用いる被分析物担体の製造方法であって、
    基板上に、第1の成分を含み構成される柱状物質が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される部材中に分散している構造体薄膜を形成する工程と、
    前記柱状物質を除去し、多孔質体薄膜を形成する工程と、
    金属化合物を含む溶液を前記多孔質体薄膜の細孔中に導入する工程と及び、
    前記金属化合物を化学変化させて前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属を析出させる工程と
    を有することを特徴とする被分析物担体の製造方法。
  7. ラマン分光分析に用いる被分析物担体の製造方法であって、
    基板上に、第1の成分を含み構成される柱状物質が、前記第1の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第2の成分を含み構成される部材中に分散している構造体薄膜を形成する工程と、
    前記柱状物質を除去し、多孔質体薄膜を形成する工程と、
    前記多孔質体薄膜を酸化する工程と、
    金属化合物を含む溶液を前記多孔質体薄膜の細孔中に導入する工程と及び、
    前記金属化合物を化学変化させて前記多孔質体薄膜の表面および細孔の表面に金属を析出させる工程と
    を有することを特徴とする被分析物担体の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の金属化合物を化学変化させて前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属を析出させる工程が、
    前記金属化合物を含む溶液を乾燥して前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属化合物を析出させる工程と及び、
    前記細孔の表面に析出した金属化合物を還元して前記多孔質体薄膜の表面および前記細孔の表面に金属を析出させる工程と
    を有することを特徴とする被分析物担体の製造方法。
  9. 前記多孔質体薄膜が、水溶液を用いた柱状物質を除去する工程により酸化されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の被分析物担体の製造方法。
  10. 前記金属化合物がAgを含む化合物であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか記載の被分析物担体の製造方法。
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