JP2006138974A - 遮光羽根材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速動作に耐え得る剛性、耐久性、軽量性、低発塵性及び高潤滑性などの諸要求特性を満たす遮光羽根材料を安価で提供する。
【解決手段】 遮光羽根材料0は、フィルム状の基材1と、その片面又は両面に形成された遮光性を有する遮光膜2と、その上に形成された保護膜3とを含む。基材1は少なくとも150℃の処理温度に耐える樹脂材料からなる。遮光膜2は150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された金属を含む薄膜からなる。保護膜3は導電性、潤滑性及び耐擦傷性のうち一つ以上の特性を満たした薄膜からなる。
【選択図】図1
【解決手段】 遮光羽根材料0は、フィルム状の基材1と、その片面又は両面に形成された遮光性を有する遮光膜2と、その上に形成された保護膜3とを含む。基材1は少なくとも150℃の処理温度に耐える樹脂材料からなる。遮光膜2は150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された金属を含む薄膜からなる。保護膜3は導電性、潤滑性及び耐擦傷性のうち一つ以上の特性を満たした薄膜からなる。
【選択図】図1
Description
本発明は光学機器用の遮光羽根材料に関する。より詳しくは、カメラのシャッタ羽根などに用いられる軽量で且つ高剛性の遮光羽根材料に関する。
近年、カメラの撮像系等においては、高速動作に耐え得る剛性を維持しながら、耐久性、軽量性、低発塵性、高潤滑性などの特性を併せ持つシャッタ羽根が望まれている。従来のシャッタ羽根の基本構成は、軽量化の観点からプラスチックフィルムを基材に用いる材料が主流となっている。さらにフィルム基材に剛性を付与するため、炭素繊維などの連続繊維で強化された熱硬化性樹脂シート(プリプレグシート)を積層した複合材料が使われる。遮光性を付与するため、フィルム基材あるいはプリプレグシートにカーボンブラックなどを混入する。加えて羽根材料の表面に多様な機能を持つ塗膜が形成されたものがある。この様な遮光羽根材料は、例えば以下の特許文献1ないし5に記載されている。
特開平04−218033号公報
特開平10−301158号公報
特開平11−194393号公報
特開2002−214672公報
特開平02−116837号公報
特許文献1ないし3に記載された遮光羽根材料は、基材フィルムを少なくとも2枚のプリプレグシートで上下から挟んだ積層構成である。2枚のプリプレグシートに含まれる強化繊維は、整列方向が互いに直交している。材料に遮光性を付与するため、プリプレグシートには予めカーボンブラックなどが混練されている。さらに遮光性を高めるため、積層材料の層間あるいは最外層に黒色系顔料を添加した塗布膜が形成されている。しかしながら、カーボンブラックを混錬したブラックプリプレグシートの積層構造と黒色系顔料を添加した塗布膜との組み合わせからなる遮光羽根材料は、ブラックプリプレグシートが遮光羽根特有の仕様にあわせた特注となるため、価格が高くなってしまいコスト的に難点がある。高価なブラックプリプレグシートの使用を避けるため、特許文献4に記載された遮光羽根材料は、プラスチックフィルムの表面にメッキなどで金属膜を形成し、これを遮光中間層として用いている。しかしながら、金属膜が形成された基材フィルムに通常のプリプレグシートを積層する場合、金属膜の付着強度によっては剥離が発生する可能性があり、耐久性に難点がある。特許文献5は、アルミニウム合金などの金属製羽根材料の表面にビッカース硬度Hv2000以上の硬質炭素膜を形成する内容が開示されている。しかしながら、処理温度が150℃以下の低温プロセスにてHv2000以上の高度を示す膜は実現不可能である。したがって、特許文献5に記載された技術は金属製の基材に適用されるものであり、耐熱性が150℃程度のプラスチックフィルムを基材に用いた樹脂製遮光羽根材料には実質上適用できない。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は高速動作に耐え得る剛性、耐久性、軽量性、低発塵性及び高潤滑性などの諸要求特性を満たす遮光羽根材料を安価で提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明にかかる遮光羽根材料は、フィルム状の基材と、その片面又は両面に形成された遮光性を有する遮光膜と、その上に形成された保護膜とを含み、前記基材は少なくとも150℃の処理温度に耐える樹脂材料からなり、前記遮光膜は150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された金属を含む薄膜からなり、前記保護膜は導電性、潤滑性及び耐擦傷性のうち一つ以上の特性を満たした薄膜からなることを特徴とする。
好ましくは、前記遮光膜は、Al,Cr,Ni,Ti及びNbから選択された金属の単体、混合物又は化合物を成膜した薄膜からなる。又前記保護膜は、150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された薄膜からなる。又前記保護膜は、C,Al,Si,Ti,Mo,W,Pt,Au,In及びSnから選択された元素の単体又は化合物あるいはこれらの混合物を成膜した薄膜からなる。又前記基材は、連続的に供給可能な長尺材からなり、前記遮光膜及び保護膜は走行する基材に対して連続的に成膜された薄膜からなる。又前記基材は、透明又はカーボンブラックが混入された樹脂製のフィルムに、略一方向にそろった繊維で強化された熱硬化性樹脂のシートを単層又は複層重ねて硬化したものである。
本発明によれば、単層又は複層からなるフィルム状基材の片面又は両面に対し、150℃以下のプロセス温度が実現可能なPVD法あるいはCVD法などにて、遮光性を有する薄膜(遮光膜)を形成した後、最外層に導電性、潤滑性及び耐擦傷性のうち1つ以上の特性を満足する保護膜を同じくPVDやCVDなどの薄膜プロセスにて形成する。ここでPVDは通常の真空蒸着やスパッタなどの物理気相成膜であり、CVDは化学気相成膜を意味する。この様に本発明は、PVDやCVDなどの薄膜プロセスにて基材上に遮光膜及び保護膜を形成している。薄膜プロセスは塗膜プロセスと比較して有機系溶剤を使用しない事から、クリーンプロセスである。また、遮光膜及び保護膜を全てドライプロセスで作成する事で、塗布膜と比較して硬い表面状態を実現可能である。さらに、カーボンブラックを混入したプリプレグシートを使用しなくてもよいため、低価格化が可能である。以上の構成により、高速動作に耐え得る剛性、耐久性、軽量性、低発塵性、高潤滑性などの諸要求特性を満足する遮光羽根材料を実現することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる遮光羽根材料の構成を示す模式的な断面図である。図示するように、本遮光羽根材料0は、フィルム状の基材1と、その片面又は両面に形成された遮光性を有する遮光膜2と、その上に形成された保護膜3とを含んでいる。基材1は少なくとも150℃の処理温度に耐える樹脂材料からなる。遮光膜2は150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された金属を含む薄膜からなる。保護膜3は、導電性、潤滑性及び耐擦傷性のうち1つ以上の特性を満たした薄膜からなる。
本実施形態では、基材1は樹脂製のフィルム1aの単層からなる。樹脂フィルム1aは、膜の付着強度、価格、入手し易さなどの点から、PETフィルムが好ましい。但し、本発明はこれに限られるものではなく、PETにかえてPC、PEN、ポリオレフィン系、その他のフィルム材料を使用してもよい。また、基材に対する膜付着性や表面平滑性を改善するため、フィルム基材表面に樹脂のアンダーコートを実施してもよい。一般に、熱可塑性樹脂フィルム1aのガラス転移点(熱変形温度)は100℃〜200℃の範囲にある。本発明では熱変形温度が150℃以上の樹脂材料を選定している。したがって、遮光羽根材料0の基材1は、少なくとも150℃の処理温度に耐えるようになっている。換言すると、基材1に対する成膜プロセスは、150℃以下の低温プロセスで行う必要がある。
遮光膜2は、Al、Cr、Ni、Ti及びNbから選択された金属の単体、混合物又は化合物を成膜した薄膜からなる。基材1の遮光特性及び選択した金属材料の性質などにより、最適な成膜方法や膜厚が設定される。重要な点は、上述したように150℃以下の処理温度を維持できる物理気相成長法(PVD)あるいは化学気相成長法(CVD)を用いて、遮光膜を成膜することである。成膜プロセスを150℃以下に制御する事で、熱応力や膜応力による基材変形あるいは膜割れを防ぐことができる。仮にプロセス温度が150を超えると、フィルムの収縮量が大きくなり、フィルムの反りが大きくなるという問題が生じる。さらにプロセス温度が高くなると、フィルムの熱分解が生じる恐れもある。150℃以下の低温プロセスで金属薄膜を成膜する手段として、真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法が挙げられる。例えばデュアルマグネトロンスパッタを用いることで遮光性に優れた高品質の金属薄膜を高速に形成することができる。
保護膜3も同様に、150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された薄膜からなる。保護膜3は、C、Al、Si、Ti、Mo、W、Pt、Au、In及びSnから選択された元素の単体又は化合物あるいはこれらの混合物をPVD又はCVDで成膜した薄膜である。最外層に配され且つ導電性、潤滑性及び耐擦傷性の1つ以上の特性を満たす保護膜3は、具体的に要求される項目に合わせて材料が選定される。なお、導電性はシャッタ羽根の帯電防止のために要求される特性である。シャッタ羽根が帯電すると埃や塵の付着の原因となったり、動作不良の原因にもなりうる。潤滑性はシャッタ羽根の高速走行を保障するために必要な特性である。この為、遮光羽根材料の表面は低摩擦係数を有する事が望まれる。耐擦傷性はシャッタ羽根表面の傷を防ぐために必要な特性である。仮にシャッタ羽根に傷が付くと光漏れなどの原因になる。例えば耐摩耗性、低摩擦係数及び帯電防止性を重視する場合、最外層の保護膜3として炭素膜を選定する事ができる。炭素膜を成膜する場合、例えば高周波電力のオン/オフを繰り返す方式のプラズマCVD法にて、150℃以下の低温プロセスが実現できる。この場合、遮光膜2に対する炭素膜の付着力を改善するため、Si合金やTi合金などのアンダーコートを採用してもよい。また他の例として帯電防止性及び耐摩擦性を考慮した場合、ITOなどの透明導電膜を保護膜3として形成してもよい。ITOは、InとSnの複合酸化物からなり、例えばデュアルマグネトロンスパッタにより低温成膜可能である。
図2は、本発明にかかる遮光羽根材料の他の実施形態を示す模式的な断面図である。理解を容易にするため、図1に示した遮光羽根材料と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、基材1が単層構造でなく複層構造となっている事である。基材1は、透明又はカーボンブラックが混入された樹脂製のフィルム1aに、略一方向に揃った繊維で強化された熱硬化性樹脂のシート1bを単層又は複層重ねて硬化したものである。図示の例では、透明な樹脂フィルム1aを挟む様に、2枚の繊維強化プリプレグシート1bが積層されている。プリプレグシート1bは強化繊維として例えば炭素繊維を用いる。この炭素繊維は連続しており略一方向に揃っている。プリプレグシート1bはマトリクス樹脂として例えば熱硬化性のエポキシを用いる。炭素繊維はこのエポキシ樹脂に埋め込まれる。本実施形態では、上下一対の炭素繊維強化シート1bは繊維の整列方向が互いに平行である。但し本発明はこれに限られるものではなく、上下の繊維強化シートで繊維の整列方向が互いに直交する様にしてもよい。いずれにしても、本発明の遮光羽根材料0は基材1とは別に遮光膜2を備えているので、プリプレグシート1bに遮光性を付与する必要はない。したがって、従来のようにカーボングラックを混入したプリプレグシート(ブラックプリプレグシート)を使う必要がない。
図3は、遮光膜や保護膜の低温成膜に好適なデュアルマグネトロンスパッタ装置の一例を示す模式図である。この装置は基本的に成膜用のチャンバ25とスパッタエネルギー供給用の周波数発生器23とで構成されている。チャンバ25では2つのカソード11、12が中位周波発生器23から40kHzの正弦波状交流電流が給電される。この給電は2つのカソードがスパッタリング放電のマイナス極とプラス極に交互になるように行われる。
チャンバ25には2つのマグネトロンカソード11、12が、この2つのカソード間でプラズマが点弧され得るように隣接して配置されている。その際カソードは、カソード上に配置されたターゲット13、14の表面が1つの平面内にあり、基材1の平面に平行に存在し、相互にそして基材平面に対して角度をもって配置されている。
ターゲット11、12と基材面との間では距離Aが保持されている。この内には電極15、16が配置されている。電極は電気結合回路網18と19を介してカソード11ないし12と接続点30ないし31で接続されている。
接続点20ないし21では供給線路30、31が、カソード11ないし12、さらに変成器22の二次巻線の端子22a、22bとそれぞれ接続されている。この変成器22はそのエネルギを中位周波発生器23から受け取る。この中位周波発生器23の出力端子36はチョークコイル24の端子と接続されている。中位周波発生器23の他方の端子33は変成器22の一次巻線の端子22cと接続されており、変成器22の一次巻線の他方の端子22dはチョークコイル24の第2の端子と接続されている。
接続点20ないし21はさらに結合回路網26ないし27と接続されている。結合回路網26、27のそれぞれの第2端子34、35はチャンバ25と接続されている。接続点20にはコイル29の第1の端子が接続されている。コイルの第2の端子はコンデンサ28の端子と接続されている。コンデンサの第2の端子は接続点21と接続されている。
結合回路網18、19、と26、27は、ダイオード、抵抗およびコンデンサからなる直列回路からなり、全体でアースに対して直流電圧電位を形成している。
この装置では、中位周波発生器23が正弦波状の交流電圧を形成する。この交流電圧は変成器22により電圧領域がマグネトロンカソード11、12の動作電圧に適合するように昇圧される。カソード11、変成器22、カソード12を含む前記の回路によって、2つのカソード間での導電接続路が形成される。この導電接続路により変成器22を介して交流電圧が誘起される。この手段により、ある時点ではカソード11がマイナス極、すなわち放電のスパッタ部を形成し、カソード12が放電のプラス極を形成するようになる。また別の時点ではカソード11が放電のプラス極を形成し、カソード12がマイナス極となり、それによりスパッタされる。
中位周波電圧の周波数は、プラズマ放電が交流電圧の零点通過の際に消失するように低く選定される。プラズマ放電は交流電圧の各半波の際に、電圧が変成器22にて十分に上昇すると直ちに新たに点弧する。
この交互の作用により、放電は常にスパッタリングにより輝く表面をプラス極として見るようになる。一方のカソードがプラス極として用いられれば、このカソードはこの時点でスパッタしている他方のカソードにより基材1が被覆される。交流周波数は、被覆がプロセスに対して影響を及ぼさないように高く選定されなければならない。
上述したデュアルマグネトロンスパッタリング装置では、接地電位から電気的に絶縁された一対のターゲットに接地電位からプラスとマイナス交互に交流電圧を印加することにより、一方のターゲットがカソード(マイナス極)となり他方ターゲットがアノード(プラス極)となる様にしてマグネトロンスパッタリングが行われる。すなわち、一対のスパッタリングターゲットを用いてそれぞれをカソード及びアノードとして利用し、交番電界により両ターゲットをアノードとカソードとして交互にスパッタリングを行うことによりターゲットがアノード時に付着した導電性の低い不完全金属をターゲットがカソード状態になったときにスパッタリングする事により除去でき、アノード時に安定したアノード電位状態が常に得られ、プラズマ電位(通常はアノード電位とほぼ等しい)の変化を防止し、安定して金属薄膜からなる遮光膜の形成を行うことができる。また、金属あるいは金属の不完全化合物からなる金属薄膜を、反応ガスとの反応により金属化合物に変換せしめ、所望の保護膜を形成することも可能である。この原理により例えばITO等の透明導電膜を保護膜として形成することが可能である。
図4は、遮光膜や保護膜の低温成膜プロセスに好適なプラズマCVD装置を示す模式図である。このプラズマCVD装置は例えば遮光羽根材料の保護膜となる炭素膜の成膜に用いる事ができる。図示するように、本プラズマCVD装置は、チャンバ51とマスフローコントローラ(MFC)52a,52bと第一の電極53とRF電源54と第二の電源55と直流バイアス電源56とで構成されている。一対の電極53,55は互いに対向配置されており、いわゆる平行平板型プラズマCVD装置である。
引き続き図4を参照して炭素膜の成膜方法を説明する。予め、電極53の表面に基材1をセットしておく。なおこの基材1の表面には予め遮光膜が成膜されている。この状態で、チャンバ51内に原料ガスとしてCH4を例えば100sccmの流量で供給し、さらに補助放電ガスとしてHeなどの希ガスを100sccmの流量で供給し、チャンバ51内の圧力を5Paに維持する。CH4ガス及び希ガスの流量はそれぞれマスフローコントローラ52a,52bにより調整する。
そして、処理対象となるフィルム状基材1が取り付けられた第一の電極53に、基材バイアス電圧として直流バイアス電源56から出力される−300Vの電圧を印加する。また、RF電源54から第二の電極55に周波数が例えば13.56MHzの高周波電力を供給して、プラズマを発生させる。これにより、第二の電極55の近傍にプラズマが発生し、プラズマ中のC(カーボン)イオンが基材1側に移動して、その表面に硬質のDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜が形成される。なお、補助放電ガスはHeに限定されるものではなく、希ガスであればよい。例えばNeや、HeとNeとの混合ガスを使用する事ができる。また、Arガスにこれよりも質量数が低い元素のガスを混合して、この混合ガスを補助放電ガスとして使用してもよい。
一般に炭素膜は、ダイヤモンド構造、DLC構造、あるいはグラファイト構造を持つものが知られている。本発明は、どの構造の炭素膜であっても遮光羽根材料の保護膜として適用可能である。保護膜としての機能を奏するためには、例えば20nm程度まで厚く形成する必要がある。耐擦傷性の面からは付着力が高く硬度があり摩擦係数の小さい膜構造が好ましい。以上の観点から、炭素膜は上述したプラズマCVDで作成したDLC膜が好適である。特に、プラズマCVDは150℃以下100℃程度のプロセス温度でDLC膜を成膜できるため、フィルム基材1の耐熱性を損なうことがない。場合によってはフィルム基材1に対するDLC膜の付着力を高めるためSiCその他の下地膜(アンダーコート)を形成してもよい。アンダーコートもスパッタリングあるいはCVDを利用した低温プロセスで成膜できる。本明細書では、150℃以下の成膜温度を特に低温プロセスと呼んでいる。この様に、遮光羽根材料の最外層に炭素膜を形成することで、耐擦傷性が向上すると共に、摩擦係数が小さくなることで動作不良の発生要因が減少し、さらに表面抵抗値が低下することでゴミの付着などが抑えられる。
図5は、本発明にかかる遮光羽根材料の量産に好適なロールコーティング方式の成膜装置を示す模式図である。フィルム基材は連続的に供給可能な長尺材を用い、遮光膜及び保護膜を走行する基材に対して連続的に成膜する事ができる。図示するように、この成膜装置は、一方のロールから他方のロールにフィルム基材を送る間にそのフィルム基材に加工を施すいわゆるロールコーティング法により、フィルム基材1の表面に成膜を行うものである。
本成膜装置はチャンバ60で構成されており、内部を外気から遮断可能とている。チャンバ60は、真空ポンプなどからなる排気系66と、雰囲気ガスあるいは反応ガスを導入するためのガス導入バルブ(図示せず)が設けられている。チャンバ60の内部には、フィルム基材1を連続して送り出すための送りロール62、ガイドロール61、及び送り出されたフィルム基材1を巻き取るための巻取りロール63が設けられている。さらに、これらのロール62,61,63間におけるフィルム基材1の走行経路を形成する為いくつかのキャンロール68が適宜に配置されている。さらに、フィルム基材1の一面側に対して、その表面上に薄膜を形成するためのスパッタ源64、64´が備えられている。なお本実施形態では、一方のスパッタ源64は遮光膜を形成するようになっており、他方のスパッタ源64´は保護膜を形成するようになっている。なお、送りロール62、巻取りロール63、キャンロール68などで構成されるフィルム給送系は、隔壁69によりスパッタ源64,64´から隔てられている。また、成膜プロセスをインラインで制御するため、プラズマモニター65や偏光膜厚モニター67がチャンバ60に装着されている。
引き続き図5を参照して、遮光羽根材料の製造方法を説明する。図示の成膜装置では、送りロール62が回転して、これに巻回されているフィルム基材1が送り出されると、巻取りロール63が回転し、図示のような経路をたどってフィルム基材1を巻き取るようになっている。その際、送りロール62と巻取りロール63の回転速度を調節することで、両者間におけるフィルム基材1の走行速度を制御する事ができる。また、一旦送りロール62から送り出されたフィルム基材1はキャンロール68やガイドロール61を介して巻取りロール63に巻き取られる。この走行経路において、フィルム基材1はその一面側に順次以下の処理が施される。まず洗浄用のプラズマ電極(図示せず)が発生するプラズマ放電によって、フィルム1の表面洗浄が行われる。次いで、フィルム基材1がガイドロール61のスパッタ源64と対向する位置に達すると、ここでスパッタ源64によるスパッタリングによって遮光膜が形成される。さらに、ガイドロール61のスパッタ源64´と対向する位置に達すると、ここでスパッタ源64´のスパッタリングによって保護膜が形成される。こうしてフィルム基材1の上には遮光膜と保護膜が順に形成されるが、それと共に送りロール62と巻取りロール63を回転させながら成膜することによって、これらの層をフィルム基材1の上に連続的に形成する事ができる。なお、成膜された遮光膜や保護膜の膜厚は、偏光膜厚モニター67によって逐次監視される。また、スパッタ源64,64´のスパッタリング時に発生するプラズマは逐次プラズマモニター65によって監視されており、膜質制御にフィードバックされる。
図6は、図1又は図2に示した遮光羽根材料をプレス抜き加工して得られたフォーカルプレンシャッタ羽根の一例を示す。シャッタ羽根10は長手形状を有し、その一端部には固定用の一対の連結穴70が形成されている。
図7は、図6に示したフォーカルプレンシャッタ羽根をフォーカルプレンシャッタに組み込んだ例を示す。シャッタ基板71の中央部には長方形の開口72(一点鎖線で示す)が設けられている。休止状態において4枚の先羽根10が互いに部分的に重なり合ってシャッタ開口72を遮蔽している。図示しないが先羽根群の下方には後羽根群が重なって配置されている。各シャッタ羽根の先端部は羽根押さえ74によって不要な動きを規制されている。基板71の左端部には一組のアーム75及び76が互いに平行関係を保って回動自在に軸支されている。各先羽根10はその先端部において一組のアーム75及び76に係止されている。後羽根群も同様に図示しない一対のアームによって係止されている。主アーム75には長穴77が設けられており、主アーム75の回動に伴う長穴77の移動軌跡にそって長溝78が基板71に設けられている。なお図示しないが長穴77には、長溝78を介して基板71を貫通する駆動ピンが係合している。図示しないシャッタレリースボタンを押すと、駆動ピンは基板71に設けられた長溝78に沿って与えられた付勢力により上方に移動する。これに伴って長穴77において駆動ピンと係合している主アーム75及びこれと連動する従アーム76は上方に回動する。この回動により先羽根10は上方に縦走り走行し開口72を開口する。続いて図示しない後羽根群が縦走り走行し開口72を遮蔽し露光が終了する。かかる構成を有するフォーカルプレンシャッタは、シャッタ羽根が例えば1/8000秒で高速作動する。本発明によれば、この様な高速作動に耐えうる剛性、耐久性、軽量性、低発塵性及び高潤滑性などの諸要求特性を満たす遮光羽根材料を提供する事が可能である。
0・・・遮光羽根材料、1・・・基材、1a・・・フィルム、1b・・・繊維強化シート、2・・・遮光膜、3・・・保護膜
Claims (6)
- フィルム状の基材と、その片面又は両面に形成された遮光性を有する遮光膜と、その上に形成された保護膜とを含み、
前記基材は少なくとも150℃の処理温度に耐える樹脂材料からなり、
前記遮光膜は150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された金属を含む薄膜からなり、
前記保護膜は導電性、潤滑性及び耐擦傷性のうち一つ以上の特性を満たした薄膜からなることを特徴とする遮光羽根材料。 - 前記遮光膜は、Al,Cr,Ni,Ti及びNbから選択された金属の単体、混合物又は化合物を成膜した薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の遮光羽根材料。
- 前記保護膜は、150℃以下の処理温度を維持できる真空蒸着法、スパッタ法又はプラズマCVD法にて成膜された薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の遮光羽根材料。
- 前記保護膜は、C,Al,Si,Ti,Mo,W,Pt,Au,In及びSnから選択された元素の単体又は化合物あるいはこれらの混合物を成膜した薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の遮光羽根材料。
- 前記基材は、連続的に供給可能な長尺材からなり、前記遮光膜及び保護膜は走行する基材に対して連続的に成膜された薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の遮光羽根材料。
- 前記基材は、透明又はカーボンブラックが混入された樹脂製のフィルムに、略一方向にそろった繊維で強化された熱硬化性樹脂のシートを単層又は複層重ねて硬化したものであることを特徴とする請求項1記載の遮光羽根材料。
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