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JP2006117536A - 内耳の有毛細胞を誘導するための医薬 - Google Patents

内耳の有毛細胞を誘導するための医薬 Download PDF

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JP2006117536A JP2004303731A JP2004303731A JP2006117536A JP 2006117536 A JP2006117536 A JP 2006117536A JP 2004303731 A JP2004303731 A JP 2004303731A JP 2004303731 A JP2004303731 A JP 2004303731A JP 2006117536 A JP2006117536 A JP 2006117536A
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Norio Yamamoto
典生 山本
Kenji Tanigaki
健二 谷垣
Tasuku Honjo
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Abstract

【課題】内耳において有毛細胞を誘導することのできる医薬を提供する。
【解決手段】γ−セクレターゼ活性阻害剤などのNotchシグナル阻害物質を医薬の有効成分として用いる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内耳の有毛細胞を誘導するための医薬に関する。より詳しくは、Notchシグナル阻害物質を含む、内耳の有毛細胞を誘導するための医薬に関する。本発明はまた、内耳疾患または内耳機能障害の治療のための内耳培養物の製造方法に関する。
内耳の有毛細胞は機械的な音のシグナルを聴覚神経の電気刺激に変換する感覚上皮細胞である。内耳のコルチ器における有毛細胞は通常、内側の一層と外側の三層を形成するように配置されており、各有毛細胞は支持細胞によって囲まれている。これらの有毛細胞と支持細胞は共通の祖先細胞に由来する細胞である。
感覚神経による聴覚障害のほとんどのケースは有毛細胞の損失によるものであるが、有毛細胞は胎生期に分裂を終え、生後は増殖や再生を行うことができないため、聴覚障害などの内耳疾患の治療は困難であった。
Notchは発生過程で重要な役割を果たす細胞表面に存在する受容体タンパク質である。
Notchを介したシグナルは、以下のようなメカニズムで伝達されると考えられている。すなわち、Notchとそのリガンドが相互作用することにより、Notchの細胞内ドメインがγ−セクレターゼによって切断される(非特許文献1、2)。切断された細胞内ドメインは核に移行して転写因子であるRBP-Jに結合し、RBP-J がhes1などの標的遺伝子の転写を活性化する(非特許文献3,4)。Notchは4種類知られており、そのいずれもがRBP-Jに結合し、転写を活性化する。
通常の手法で作製されたNotchノックアウトマウスは胎生致死である。一方で、コンディショナルなノックアウトを用いた研究により、Notchシグナルが成体における器官の維持に重要な役割を果たしていることがわかった(非特許文献5,6)。
Notchシグナルの欠損は胎生期において、蝸牛有毛細胞の数を増加させることが知られている(非特許文献7,8)ものの、胎生期とは異なり生後は有毛細胞が増殖しないため、生後におけるNotchの役割は不明であった。

Nature. 1995, vol. 377(6547):p355-8. Nature. 1999, vol. 398(6727):p518-22. Curr Biol. 1995, vol. 5(12):p1416-23 Genes Cells. 1996, vol. 1(1):p1-9. Nat Immunol. 2002, vol. 3(5):p443-50. Curr Biol. 2003, vol. 13(4):p333-8. Nat Genet. 1999, vol. 21(3):p289-92. Development. 2000, vol. 127(15):p3373-83.
本発明は、新規な作用機序を有する、内耳の有毛細胞を誘導するための医薬を提供することを課題とする。本発明はまた、内耳疾患または内耳機能障害の治療のための内耳培養物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、RBP-J遺伝子をコンディショナルにノックアウトすることあるいはγ−セクレターゼ活性阻害剤を用いることによってNotchシグナルを阻害することで、内耳の有毛細胞を生後においても誘導できることを見出
した。さらに、有毛細胞を再生させることによって内耳疾患、内耳機能障害を治療できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)Notchシグナル阻害物質を含む、内耳の有毛細胞を誘導するための医薬。
(2)内耳疾患または内耳機能障害の治療薬である、(1)の医薬。
(3)Notchシグナル阻害物質がγ−セクレターゼ活性阻害剤である、(1)または(2)の医薬。
(4)Notchシグナル阻害物質がペプチドである、(1)または(2)の医薬。
(5)前記ペプチドがTATタンパク質に融合されたペプチドである、(4)の医薬。
(6)Notchシグナル阻害物質が核酸である、(1)または(2)の医薬。
(7)前記核酸がNotch遺伝子の部分配列を有する核酸である、(6)の医薬。
(8)前記核酸がRBP-J遺伝子の部分配列を有する核酸である、(6)の医薬。
(9)前記核酸がDNAである、(6)〜(8)のいずれかの医薬。
(10)前記核酸がRNAである、(6)〜(8)のいずれかの医薬。
(11)RNAがRNA干渉作用を有する二本鎖RNAである、(10)の医薬。
(12)前記核酸がベクター上に保持された、(6)〜(11)のいずれかの医薬。
(13)ベクターがウイルスベクターである、(12)の医薬。
(14)ウイルスベクターがレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはアデノ随伴ウイルスベクターである、(13)の医薬。
(15)ベクターが非ウイルスベクターである、(12)の医薬。
(16)リポソームまたはリポプレックスを含有し、該リポソームまたはリポプレックス中に前記核酸を含有する、(6)〜(15)のいずれかの医薬。
(17)単離された内耳の培養物にNotchシグナル阻害物質を投与して有毛細胞を誘導する工程を含む、内耳疾患または内耳機能障害の治療のための内耳培養物の製造方法。
本発明の医薬は内耳の有毛細胞を誘導することができ、聴覚障害などの内耳疾患および内耳機能障害の治療に有用である。また、本発明の内耳培養物の製造方法は、内耳疾患または内耳機能障害の治療に有用である。
本発明の医薬は、Notchシグナル阻害物質を有効成分として含む、内耳の有毛細胞を誘導するための医薬である。好ましくは、内耳の有毛細胞を誘導することによって内耳疾患、または内耳機能障害を治療するための医薬である。
本明細書において、「内耳疾患、内耳機能障害」とは、内耳の蝸牛又は前庭における疾患や機能障害をいい、組織的には有毛細胞の脱落や変性、内リンパ液の循環異常による水腫などが認められ、聴力障害(聴力低下、難聴)、眩暈、耳鳴や耳閉塞感、平衡感覚喪失などの症状を呈する。本明細書において、「内耳疾患、内耳機能障害」は上記の組織学的所見、症状にあてはまる限りその発症原因について限定はされないが、特には音響暴露、聴器毒薬物、老化等によるものが挙げられる。
Notchは細胞表面受容体タンパク質であり、Delta、Serrateなど膜蛋白型リガンドの刺激を受け取る。リガンドの刺激を受け取ったNotchは細胞内ドメインがγ−セクレターゼによって切断される。切断された細胞内ドメインは核に移行して転写因子であるRBP-Jに結合し、hes1などの標的遺伝子の転写を活性化し、それによって細胞の分化などが誘導される(Genes Cells 1996, vol. 1: p1-9)。
本発明においてNotchシグナルとは、このようなリガンド→Notch→RBP-J→標的遺伝子という経路を意味する。Notchシグナルが阻害されたかどうかの評価は、例えば、hes1(
例えば、GenBank Accession No. NM_005524)などの標的遺伝子の転写活性化試験やmRNAの定量等によって評価することができる。
Notchは哺乳類では4種類のバリアントが知られており、例えば、ヒトの各Notchバリアントのアミノ酸配列及びそれらをコードする遺伝子の塩基配列は、Notch1(GenBank Accession No.NM_017617.2)、Notch2(GenBank Accession No.NM_024408.2)、Notch3(GenBank Accession No.NM_000435.1)、Notch4(GenBank Accession No.NM_004557.2)に開示されている。また、マウスの各Notchバリアントのアミノ酸配列及びそれらをコードする遺伝子の塩基配列は、Notch1(GenBank Accession No.NM_008714.2)、Notch2(GenBank Accession No.NM_010928.1)、Notch3(GenBank Accession No.NM_008716.1)、Notch4(GenBank Accession No.NM_010929.1)に開示されている。
本発明の医薬に含まれるNotchシグナル阻害物質はNotch1〜4のいずれかによるシグナルを阻害すればよいが、Notch1〜4によるシグナルを全て阻害する物質であることが好ましい。
Notchシグナル阻害物質としては、例えば、γ−セクレターゼ活性の阻害剤が挙げられる。γ−セクレターゼ活性阻害剤としては、γ−セクレターゼによるNotchの切断を阻害する物質である限り特に制限されないが、MDL28170(例えば、S igma-Aldrich Inc.から入手可)、DAPT(N-S-phenyl-glycine-t-butyl ester)、DFK167(ICN Pharmaceuticalsより入手可)などが挙げられ、その中ではMDL28170が特に好ましい。これらの化合物は市販のものを用いてもよいし、化学合成したものを用いてもよい。また、γ−セクレターゼ活性阻害剤は、化合物ライブラリーからγ−セクレターゼ活性を阻害する活性を指標としたスクリーニングによって得られる化合物であってもよい。なお、γ−セクレターゼ活性は、例えば、J Biol Chem. 2004, vol. 279(29):p30771-80に記載されている方法によって測定することができる。
以下、本発明の医薬の一例として、γ−セクレターゼ活性阻害剤を含む医薬について説明する。ただし、本発明の医薬はこれに限定されず、他のNotchシグナルを阻害する化合物を含む医薬も同様にして製造することができる。
上記γ−セクレターゼ活性阻害剤若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物をそのまま投与してもよいが、有効成分であるγ−セクレターゼ活性阻害剤と薬理学的及び製剤学的に許容される担体を含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。
薬理学的及び製剤学的に許容しうる担体としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。
例えば、賦形剤としてはブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン等;崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、デンプン等;結合剤としてはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等;滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、タルク等;コーティング剤としてはヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール等;基剤としてはワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン等を用いることができる。また、溶解剤としては、蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等;等張化剤としてはブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等;pH調節剤としては無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等を用いることができる。
本発明の医薬の形態は特に限定されず、当業者に利用可能な種々の形態をとることができる。例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、トローチ剤、注射剤
、点滴剤、吸入剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤などを調製することができる。
本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口的または非経口的に投与することができる。また、全身投与であってもよいが、副作用を減らして治療効果を高めるためには局所投与がより好ましい。
局所投与の場合、本発明の医薬を、内耳へ直接、または外耳道及び中耳を経由して投与することができる。また、内リンパ嚢/内リンパ管及び耳嚢を通して投与してもよい。局所投与は、注射またはカテーテルを介して行うことが好ましい。また、局所投与は米国特許第5,476,446号明細書や米国特許第5,350,580号明細書に記載されているような装置を用いて行ってもよい。
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、通常は、有効成分である式(I)で示される化合物の重量として一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜1000mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜50mg/kg体重、であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.1〜10mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減してもよい。投与対象は哺乳類が好ましく、ヒトがより好ましい。
本発明の医薬に含まれるNotchシグナル阻害物質はNotchシグナルを阻害するペプチドであってもよい。Notchシグナル阻害ペプチドは、Notchタンパク質やRBP-Jタンパク質の部分ペプチドであってもよい。このような部分ペプチドとしては、内因性Notchタンパク質やRBP-Jタンパク質の機能を阻害する限り特に制限されないが、ドミナントネガティブな作用をするもの、例えば、リガンド結合部位のみを有するNotchの部分ペプチドや転写活性化部位を欠いたRBP-Jの部分ペプチドなどが挙げられる。部分ペプチドの長さは特に制限されないが、アミノ酸100〜400個からなるペプチドが好ましい。
なお、RBP-Jはヒトでは4種類のバリアントが知られており、例えば、各バリアントのアミノ酸配列及びそれらをコードする遺伝子の塩基配列は、GenBank Accession No. NM_005349、NM_015874、NM_203283、NM_203284に開示されている。また、マウスのRBP-Jのアミノ酸配列及びそれらをコードする遺伝子の塩基配列は、GenBank Accession No. NM_009035に開示されている。RBP-Jの部分ペプチドはこれらのいずれの部分ペプチドであってもよい。
上記ペプチドは、目的ペプチドの細胞内への取り込みを促進させることが知られているHIVウイルスのTATタンパク質(Methods. 2001, vol. 24(3):p247-56)に結合した融合ペプチドであってもよい。HIVウイルスのTATタンパク質としては、配列番号2のアミノ酸配列を有するものが挙げられる。なお、TATタンパク質は、目的ペプチドの細胞内への取り込みを促進させることができる限り、配列番号2のアミノ酸配列を有するものの類似体であってもよい。類似体としては、配列番号2において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加された配列を有するタンパク質を挙げることができる。ここで、数個とは、例えば、2〜20個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個が挙げられる。
なお、上述したようなNotchシグナル阻害ペプチド又は融合ペプチドは、化学合成されたものでもよいし、通常の遺伝子組換え法によって生産されたものであってもよい。
Notchシグナル阻害ペプチドは単独又は医薬的に許容可能な担体と組み合わせた医薬組成物として投与される。剤型は特に制限されないが、上述したような溶解剤・希釈剤などを用いて調製される注射剤または点滴剤が好ましい。投与法は特に制限されないが、上述したような局所投与が好ましい。
Notchシグナル阻害物質はさらに、核酸であってもよい。Notchシグナルを阻害する核酸
としては、上記Notchシグナル阻害ペプチドをコードする核酸であってもよいし、Notchシグナルの構成因子のいずれかの発現を抑制する核酸であってもよい。ここでNotchシグナルの構成因子としては、Notch、RBJ-J、hes1などが挙げられる。
核酸はDNAであってもよいし、アンチセンスRNAであってもよいし、RNA干渉(RNA interference)作用を有する二本鎖RNAであってもよい。Notchシグナルの構成因子のいずれかの発現を抑制する核酸としては、例えば、これらの因子をコードする塩基配列の部分配列を有する核酸が挙げられ、翻訳や転写の開始点を含む配列を有する核酸がより好ましい。その長さは特に制限されないが、19〜23塩基がより好ましい。なお、核酸は修飾されたものであってもよい。
上記のような核酸はそのまま投与されるものであってもよいが、ベクター上に保持されたものであってもよい。
ベクターは、当業者に知られているような、通常のウイルス又は非ウイルスベクターを用いることができる。ウイルスベクターを使用する場合、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター又はアデノ随伴ウイルスベクターを使用し得る。非ウイルスベクターとしては、プラスミドベクターなどを用いることができる。
レトロウイルスは、感染後、宿主細胞の染色体中にその遺伝子を挿入することができるRNAウイルスである。ウイルスのタンパク質をコードする遺伝子を欠き、細胞に感染する能力を保持し、その遺伝子を標的細胞の染色体中に挿入するレトロウイルスベクターが開発されている(A.D.Miller,Hum.Gen.Ther.1:5〜14(1990))。
アデノウイルスベクターは、患者に直接投与することができる。レトロウイルスベクターとは異なり、アデノウイルスベクターは宿主細胞の染色体中には組み込まれない。その代わり、アデノウイルスベクターを用いて細胞中に導入された遺伝子は、限られた期間だけ存続する染色体外因子(エピソーム)として核の中に維持される(B.C.Trapnell,Adv Drug Del Rev.12:185〜199(1993))。
本発明の核酸を含む医薬は、核酸をリポソーム又はリポプレックス(lipoplexes)中に内包する形態のものが好ましい。ここで、「リポプレックス」とは、DNAとカチオン性脂質が複合体を形成したものをいう(Hum Gene Ther. 2001, vol. 12 (8): p861-70)。リポソーム又はリポプレックスは当業者によってよく知られているものを用いることができる。
上記核酸を含む医薬は内耳に局所的に投与することが好ましい。内耳に導入し、その中で核酸を機能させるためには、直接注入、電気穿孔、ウイルスによって介される遺伝子送達、アミノ酸によって介される遺伝子送達、遺伝子銃による遺伝子送達、リポフェクション及び熱ショックを含む本分野で知られている任意の遺伝子送達法を使用することができる。なお、核酸を含む医薬の投与量は核酸の発現効率や阻害効率に基づいて適宜調節される。
本発明はまた、内耳疾患または内耳機能障害の治療のための内耳培養物の製造方法に関する。当該方法では、単離された内耳の対外培養物にNotchシグナル阻害物質を投与して有毛細胞を誘導する。ここでは、医師によって単離された内耳を用いることができる。単離された内耳はその一部、例えば、蝸牛又はコルチ器であってもよい。
単離された内耳の培養は、好ましくは約37℃、約5%CO2、加湿の条件下で行うことができる。培養に用いる培地は特に制限されないが、例えば、DMEM培地、NeuralbasalTM培地(Gibco BRL)などを用いることができる。さらに、B27又
はN2などの培地サプリメントを追加してもよい。
内耳 をインビトロで培養するためには培養装置を用いてもよく、有用な装置の好ましい実施例は、例えば、米国特許第5,437,998号、米国特許第5,702,941号、及び米国特許第5,763,279号に開示されている。
本発明においては、培養された内耳をNotchシグナル阻害物質で処理をすることにより、有毛細胞を誘導する。Notchシグナル阻害物質としては、上述したようなγ−セクレターゼ活性阻害剤、ペプチド、核酸などが挙げられるが、γ−セクレターゼ活性阻害剤が特に好ましい。γ−セクレターゼ活性阻害剤を用いる場合、培養液中に1〜100μMの濃度で加え、1〜5日間維持することが好ましい。内耳細胞の誘導はミオシン7aなどの発現によって確認することができる。有毛細胞を誘導することによって製造される細胞は、内耳疾患または内耳機能障害を治療するための再生医療に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
動物は以下のものを用いた。
ICRマウスは日本SLC(浜松)から入手した。RBP-Jf/fマウスはNat Immunol. 2002, vol. 3(5):p443-50.、Curr Biol. 2003, vol. 13(4):p333-8.およびInt Immunol. 2002, vol. 14(6):p637-45.に記載されているものを用いた。ROSA26 Creレポーター(R26R)マウス(Nat Genet. 1999, vol. 21(1):p70-1.)はJackson Laboratories(Bar Harbor, ME, USA)から入手した。
野生型マウス(ICRマウス)のコルチ器における、Notchおよびそのリガンドの発現をRT-PCRによって調べた。RNeasyキット(Qiagen)を用いて、生後3日のICRマウスから切除したコルチ器からトータルRNAを抽出した。Superscript First-Strand Synthesis System for RT-PCR(Invitrogen)を用いて20μlの反応系でcDNAを合成した。cDNA産物の20分の1をRT-PCR(50μlの反応系)の鋳型として用いた。Notchおよびそのリガンド(Notch1-3, RBP-J, Delta like 1(Dll1), Delta like 3(Dll3), Delta like 4(Dll4), Jagged 1(J1)およびJagged2(J2))の転写物の増幅は、94℃、5分で熱変性を行った後に、94℃30秒、60℃30秒、72℃1分のサイクルを30サイクルという条件で、各種プライマーおよび組換えTaqポリメラ−ゼ(宝バイオ)を用いて行った。
Notch1の検出には配列番号3,4のプライマー、Notch2の検出には配列番号5,6のプライマー、Notch3の検出には配列番号7,8のプライマー、RBP-Jの検出には配列番号9,10のプライマー、Dll1の検出には配列番号11,12のプライマー、Dll3の検出には配列番号13,14のプライマー、Dll4の検出には配列番号15,16のプライマー、J1の検出には配列番号17,18のプライマー、J2の検出には配列番号19,20のプライマーをそれぞれ用いた。
結果を図1aに示す。それによると、Notch1,2,3、RBP-JおよびNotchリガンドであるJagged 1およびJagged2の発現が生後3日目のコルチ器において見られた。したがって、Notchは胎生期だけでなく、新生児の蝸牛でもその役割を果たしていることが考えられた。
次に、生後3日目のコルチ器全封入物(図1b−d)または組織切片(図1e−g)の免疫組織染色を行った。その結果、NotchリガンドであるJagged 1は、有毛細胞の側面に位置し、有毛細胞の供給源と考えられているHensen細胞を含む支持細胞に検出された。
次に、Creを発現するアデノウイルスベクター(AxCANCre:Nucleic Acids Res. 1995, vol. 23(19):p3816-21.)を、loxPに隣接したrbpsuhアレル(RBP-Jfアレル)を有す
るRBP-Jf/fマウス(生後3日目)から単離されたコルチ器の体外培養物に導入することによって、生後のコルチ器においてNotchシグナルを破壊した。NotchはRBP-Jを介してシグナルを伝達するため、この操作はNotchシグナルを完全に遮断する。
まず、以下のような手順でコルチ器を単離し、器官培養を行った。
新生児マウス(R26Rマウス、RBP-Jf/fマウスまたはRBP-Jf/+マウス;それぞれ生後3日目)を麻酔下、二酸化炭素を用いて屠殺した。立体顕微鏡のもと、ピンセットを用いてマウスの頭から蝸牛を切除した。コルチ器を周りの組織から分離してセルカルチャーインサート(直径10.5mm、ポアサイズ3μm、Becton Dickinson and Company)に入れた。培養は、それぞれD−グルコースを添加したDMEM(Sigma-Aldrich Inc.)中で、加湿した5%CO2雰囲気下、37℃で行った。
体外培養開始後すぐにアデノウイルスベクター(AxCANCre)を1X108PFU/mlの濃度で1時間感染させた。
なお、遺伝子破壊の効率はR26Rマウス内のROSA26 Creレポーター(LacZ)遺伝子によって調べた。AxCANCre ウイルスで処理したコルチ器および非処理のコルチ器をX-galで染色した結果を図2に示す。それによれば、Creの発現を示すLacZの発現はコルチ器のすべての箇所で見られ(図2B)、有毛細胞および支持細胞を含むすべての細胞で見られたことから(図2D)、効率よく破壊が行われていることが確かめられた。
RBP-Jが破壊されたコルチ器における有毛細胞の誘導を各種抗体を用いた組織染色により調べた。RBP-Jf/fマウスから単離したコルチ器をAxCANCreで処理した。当該処理の5日後、コルチ器は内耳の有毛細胞の特異的マーカーであるミオシン7a抗体で染色された(図3a、d)。ミオシン7aは、異所的、特に有毛細胞のそばに位置する通常はヘンセン細胞が存在する領域に陽性であった。これらの異所性の有毛細胞はLacZにも陽性であり(図3b、e)、RBP-Jの破壊の細胞自律的効果によってミオシン7a陽性になっていることが考えられた。
また、抗Math1抗体でRBP-J欠損マウスのコルチ器を染色した結果、異所性の有毛細胞が生じている領域ではMath1にも陽性であることがわかった(図3g,h)。
次に、別の手段を用いてNotchシグナルを阻害することを試みた。すなわち、4種類のNotchはγ−セクレターゼ依存的にシグナルを伝達することから、γ−セクレターゼ活性阻害剤を用いてNotchシグナルを阻害することを試みた。
γ−セクレターゼ活性阻害剤実験では、妊娠マウス(胎生16日)または野生型新生児マウス(生後3日目)から単離されたコルチ器を用いた。
DMSO(1μl/ml)またはMDL28170 (S igma-Aldrich Inc.)(DMSOに30μMの濃度で溶解したもの)を含むDMEM+6g/l D-グルコースでコルチ器を培養した。12時間おきにDMSO(Sigma-Aldrich Inc.)または薬剤を含む培地を交換しながら、3日間培養した。
DMSOまたはMDL28170で処理されたコルチ器をミオシン7a抗体又はファロイジンで染色した。結果を図4に示す。胎児のコルチ器をγ−セクレターゼ活性阻害剤であるMDL28170で処理した場合に有毛細胞の増加が見られた(図4b)。さらに、生後3日目のコルチ器の体外培養物をMDL28170で処理した結果、処理3日後には、RBP-J遺伝子破壊で見られたのと同じ位置に、遺伝子破壊で見られたよりも顕著な、異所性の有毛細胞の誘導が見られた(図4d)。一方、DMSO処理では有毛細胞の誘導は見られなかった(図4c)。以上より、γ−セクレターゼ活性阻害剤を用いてNotchシグナルを阻害することにより、生後のコルチ器においても有毛細胞の誘導ができることがわかった。
なお、組織染色は以下の手順で行った。
単離されたコルチ器の体外培養物を2時間、37℃でX-gal染色液(3mMフェリシアニドカリウム、3mMフェロシアニドカリウム、1mM塩化マグネシウム、0.1%トライトンX、0.5mg/ml5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを含有するPBS(pH7.4))を用いて染色した。
免疫組織染色では、蝸牛または培養コルチ器を直接、Tissue-Tek(MILES)で包埋し、液体窒素で凍結した。空気乾燥させた10μmのクリオスタット切片をシランでコートされたスライドガラス上に回収した。全封入物およびクリオスタット切片は4%パラホルムアルデヒドで固定した。抗原はTexas Redまたはビオチン結合2次抗体(抗ミオシン7a抗体;Jackson ImmunoResearch Laboratories、その他の抗体;Vector Laboratories)を用いて可視化した。蛍光像はライカTCS SP2システムで撮影した。免疫組織染色のための1次抗体は以下のものを用いた。ウサギ抗Jagged 1(1:20)抗体;Santa Cruz Biotechnology Inc.、ウサギ抗ミオシン7a抗体(1:300)(ポリクローナル);Tama Hasson博士より入手、ウサギ抗Math 1(1:150)抗体(ポリクローナル);Jane-Johnson博士より入手、マウス抗lacZ(1:1000)抗体(モノクローナル);Promega Corp.。
アクチンフィラメントはFITC結合ファロイジン(3μg/ml)(Sigma-Aldrich Inc.)を用いて可視化した。
野生型新生児マウス(生後3日目)のコルチ器におけるNotchまたはNotchリガンドの発現を示す図(写真)。a:RT-PCRによるNotch1(N1)、Notch2(N2)、Notch3(N3)、RBP-J、Delta like 1(Dll1)、 Delta like 3(Dll3)、Delta like 4(Dll4)、 Jagged 1(J1)およびJagged2(J2)の発現解析の結果を示す。−(マイナス)はネガティブコントロールを示す。b−g:全封入物(b−d)又は切片(e−g)の免疫組織染色による解析結果を示す。b、eは抗Jagged1抗体を用いた染色結果、c、fはphalloidinを用いたアクチンフィラメントの染色結果を示している。また、dは、bとcを重ね合わせた像を示し、gはeとfを重ね合わせた像を示している。括弧( [ )はヘンセン細胞を示し、矢印は外側有毛細胞を、△は内側有毛細胞を示している。縮尺バーは20μmを示す。 R26Rマウスの対外培養コルチ器における遺伝子破壊の効率を示す図(写真)。a,c:コントロール(処理なし)のコルチ器におけるX−gal染色の結果を示す。b、d:AxCANCreで処理されたコルチ器におけるX−gal染色の結果を示す。IHCは内側有毛細胞を示し、OHCは外側有毛細胞を示し、GERは内側隆起(greater epithelial ridge)を示す。縮尺バーはa,bでは200μmを示し、c、dでは50μmを示す。 RBP-Jが破壊されたコルチ器におけるミオシン7aの発現を示す図(写真)。a−cおよびg−iが全封入物、d−fが切片の染色結果を示す。a,d:抗ミオシン7a抗体染色を示し、矢印および*は陽性の部位を示す。b,e:LacZ染色を示し、矢印および*は陽性の部位を示す。c:aとbを重ね合わせた像を示す。f:dとeを重ね合わせた像を示す。g,h:抗Math1抗体染色を示す。i:hのDAPI染色を示す。縮尺バーはa,d,jでは200μmを示し、gでは50μmを示し、hでは10μmを示す。 γ−セクレターゼ活性阻害剤を用いてNotchシグナルを阻害したときの有毛細胞の誘導を示す図(写真)。a,bは胎生16日目のコルチ器の体外培養物であり、aがコントロールのDMSOで処理されたもの、bがMDL28170で処理されたものである。c,d,eは生後3日目のコルチ器の体外培養物であり、cがコントロールのDMSOで処理されたもの、d,eがMDL28170で処理されたものである。a−dが抗ミオシン7a抗体による染色結果を示し、eがファロイジンによる染色結果を示す。

Claims (17)

  1. Notchシグナル阻害物質を含む、内耳の有毛細胞を誘導するための医薬。
  2. 内耳疾患または内耳機能障害の治療薬である、請求項1に記載の医薬。
  3. Notchシグナル阻害物質がγ−セクレターゼ活性阻害剤である、請求項1または2に記載の医薬。
  4. Notchシグナル阻害物質がペプチドである、請求項1または2に記載の医薬。
  5. 前記ペプチドがTATタンパク質に融合されたペプチドである、請求項4に記載の医薬。
  6. Notchシグナル阻害物質が核酸である、請求項1または2に記載の医薬。
  7. 前記核酸がNotch遺伝子の部分配列を有する核酸である、請求項6に記載の医薬。
  8. 前記核酸がRBP-J遺伝子の部分配列を有する核酸である、請求項6に記載の医薬。
  9. 前記核酸がDNAである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の医薬。
  10. 前記核酸がRNAである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の医薬。
  11. RNAがRNA干渉作用を有する二本鎖RNAである、請求項10に記載の医薬。
  12. 前記核酸がベクター上に保持された核酸である、請求項6〜11のいずれか一項に記載の医薬。
  13. ベクターがウイルスベクターである、請求項12に記載の医薬。
  14. ウイルスベクターがレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはアデノ随伴ウイルスベクターである、請求項13に記載の医薬。
  15. ベクターが非ウイルスベクターである、請求項12に記載の医薬。
  16. リポソームまたはリポプレックスを含有し、該リポソームまたはリポプレックス中に前記核酸を含有する、請求項6〜15のいずれか一項に記載の医薬。
  17. 単離された内耳の培養物にNotchシグナル阻害物質を投与して有毛細胞を誘導する工程を含む、内耳疾患または内耳機能障害の治療のための内耳培養物の製造方法。
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