JP2006107642A - 磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低い環境温度においても高い信頼性の記録が可能でありかつ磁気ディスクドライブ装置の小型化を図ることができ、また、製造が容易であると共に制御が容易な磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】 磁気ディスクドライブ装置用の磁気ディスクにおいて、第1の保磁力を有しており回転中心と同心の第1の環状領域と、第1の保磁力とは異なる第2の保磁力を有しており回転中心と同心の第2の環状領域とが同一面に形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】 磁気ディスクドライブ装置用の磁気ディスクにおいて、第1の保磁力を有しており回転中心と同心の第1の環状領域と、第1の保磁力とは異なる第2の保磁力を有しており回転中心と同心の第2の環状領域とが同一面に形成されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、磁気ディスク及びこの磁気ディスクを備えた磁気ディスクドライブ装置に関する。
近年、磁気ディスクドライブ装置は、環境温度の厳しい状況下で動作させられることが多くなってきている。特に、温度管理された部屋外に載置されているコンピュータ用の磁気ディスクドライブ装置や車載等の磁気ディスクドライブ装置では、かなり低い環境温度での動作を強いられることがある。
低温環境下では、磁気ディスクの保磁力が高くなるので、書き込み能力が不足し、これを補うために書き込み電流を増大させると、周囲、例えば隣接トラック等に磁気的な悪影響を与える恐れが生じる。逆に、低温環境下で満足する書き込みができるように磁気ディスクの保磁力を低くしておくと、高温の環境下で記録情報が消失してしまう可能性がある。このように、低温における記録能力と高温における記録保持能力との両立を図ることは難しかった。
そこで、磁気ディスクドライブ装置内に低保磁力の磁気ディスクと高保磁力の磁気ディスクとを設け、周囲温度が低温の場合は低保磁力の磁気ディスクに書き込みを行ない、周囲温度が高温の場合は高保磁力の磁気ディスクに書き込みを行なうことが提案されている(例えば、特許文献1)。
環境温度への対策ではないが、表裏両面の記録を行なう場合に一方の面への記録が他方の面に悪影響を及ぼすことを防ぐために、磁気テープやフレクシブルディスクの一方の面を高保持力の磁性体で、他方の面を低保磁力の磁性体で構成することが提案されている(例えば、特許文献2)。
また、一軸異方性を有する磁性層が形成された磁気ディスクを円周方向に分割して複数の領域に分け、各領域における記録再生方向と磁化容易軸との角度が異なることからその保磁力が異なることを利用して、全体の記録容量を増大させることが提案されている(例えば、特許文献3)。
特許文献1に記載された磁気ディスクドライブ装置によると2枚以上の磁気ディスクを設ける必要があるため、磁気ディスクドライブ装置自体の小型化を図ることが非常に難しい。
特許文献2に記載された磁気ディスクドライブ装置は、過酷な環境温度で使用するためのものではない。また、磁気媒体の基体が非常に薄い磁気テープやフレクシブルディスクを対象とするものであり、厚い基板を用いる磁気ディスクに適用するものではない。さらに、1枚の磁気ディスクの両面を必ず使用しなければならないため、磁気ディスクドライブ装置自体の小型化を図ることが非常に難しい。
特許文献3に記載された磁気ディスクドライブ装置も過酷な環境温度で使用するためのものではない。また、円周方向に保磁力の異なる領域が設けられているので同一トラックにおいても保持力が変化してしまい、各領域を頻繁に切り替える必要があることから制御が難しい。さらに、記録再生方向と磁化容易軸との角度で保磁力の値を異ならせる構成であるため、保磁力を低温用及び高温用の所望値に調整することが非常に難しい。
従って本発明の目的は、低い環境温度においても高い信頼性の記録が可能でありかつ磁気ディスクドライブ装置の小型化を図ることができる磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、低い環境温度においても高い信頼性の記録が可能でありかつ製造が容易であると共に制御が容易な磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置を提供することにある。
本発明によれば、第1の保磁力を有しており回転中心と同心の第1の環状領域と、第1の保磁力とは異なる第2の保磁力を有しており回転中心と同心の第2の環状領域とが同一面に形成されていることを特徴とする磁気ディスクが提供される。
互いに異なる保持力を有する同心の第1及び第2の環状領域が形成されているので、低温環境においては低い保持力を有する環状領域を使用し、高温及び定常温度環境においては高い保持力を有する環状領域を使用して読み書きを行うことができる。従って、高温及び定常温度環境における記録消失を招くことなく低温環境において高い信頼性の記録を行うことが可能となる。しかも、磁気ディスクの円周方向には保持力が一定となるため、高速回転する磁気ディスクの同一トラックに対しては領域切り替えが不要となり制御が容易となると共に、円周方向には磁気ディスク表面に段差が全く生じないので、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合にも衝突は発生しない。さらに、これら第1及び第2の環状領域が磁気ディスクの同一面に形成されているため、磁気ディスクドライブ装置の小型化を容易に図ることが可能となる。
第1の環状領域と第2の環状領域との間に、円周方向には同一の保磁力を有しており半径方向に沿って保磁力が連続的に変化する第3の環状領域が形成されていることが非常に好ましい。両環状領域間に保持力が連続的に変化するように構成されているので、この部分に段差は生じず、斜めに傾斜した表面となる。このため、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合に、シーク動作を行っても衝突は発生しない。
この第3の環状領域は、第1の保磁力から第2の保磁力まで保磁力が連続的に変化する領域であることがより好ましい。
本発明によれば、さらに、円周方向には同一の保磁力を有しており半径方向に沿って保磁力が連続的に変化する領域のみで形成されている磁気ディスクが提供される。
半径方向に沿って保磁力が連続的に変化しているので、低温環境においては低い保持力を有する部分を使用し、高温及び定常温度環境においては高い保持力を有する部分を使用して読み書きを行うことができる。従って、高温及び定常温度環境における記録消失を招くことなく低温環境において高い信頼性の記録を行うことが可能となる。しかも、磁気ディスクの円周方向には保持力が一定となるため、高速回転する磁気ディスクの同一トラックに対しては領域切り替えが不要となり制御が容易となると共に、円周方向には磁気ディスク表面に段差が全く生じないので、磁気ヘッドの浮上量が小さくても衝突は発生しない。さらに、これら保持力の異なる部分が磁気ディスクの同一面に形成されているため、磁気ディスクドライブ装置の小型化を容易に図ることが可能となる。さらにまた、半径方向に沿って保持力が連続的に変化するように構成されているので、この方向に段差は生じず、斜めに傾斜した表面となる。このため、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合に、シーク動作を行っても衝突は発生しない。
基板と、磁性層を含んでおり基板上に積層されている多層膜とを備えており、保磁力が多層膜の厚さに対応していることが好ましい。
この多層膜が、基板上に積層された非磁性層と、少なくとも非磁性層上に積層された磁性層とを含んでおり、非磁性層の厚さが保磁力に対応しているか、又は多層膜が、磁性層を含んでおり、この磁性層の厚さが保磁力に対応していることも好ましい。
本発明によれば、さらにまた、上述した磁気ディスクと、磁気ディスクに対して磁気情報の読み書きを行なう磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気ディスクの所望のトラック上に位置決めする手段とを備えた磁気ディスクドライブ装置が提供される。
磁気ディスクが、互いに異なる保持力を有する同心の第1及び第2の環状領域が形成されているか又は半径方向に沿って保磁力が連続的に変化しているので、低温環境においては低い保持力を有する部分を使用し、高温及び定常温度環境においては高い保持力を有する部分を使用して読み書きを行うことができる。従って、高温及び定常温度環境における記録消失を招くことなく低温環境において高い信頼性の記録を行うことが可能となる。しかも、磁気ディスクの円周方向には保持力が一定となるため、高速回転する磁気ディスクの同一トラックに対しては領域切り替えが不要となり制御が容易となると共に、円周方向には磁気ディスク表面に段差が全く生じないので、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合にも衝突は発生しない。さらに、第1及び第2の環状領域又は保持力の異なる部分が磁気ディスクの同一面に形成されているため、磁気ディスクドライブ装置の小型化を容易に図ることが可能となる。
磁気ディスクドライブ装置の温度を検出する温度センサと、温度センサによって検出された温度が所定値未満の場合は、磁気ディスクの保磁力の低い領域を読み書きに使用するべく位置決めする手段を制御する制御手段とを備えたことが好ましい。
制御手段が、温度センサによって検出された温度が所定値以上の場合は、磁気ディスクの保磁力の高い領域を読み書きに使用するべく位置決めする手段を制御する手段であることも好ましい。
制御手段が、温度センサによって検出された温度が所定値未満の場合であって磁気ディスクの保磁力の高い領域に書き込まれている情報を書き換える必要のある場合は、保磁力の高い領域に書き込まれている情報を前記保磁力の低い領域に移動し、保磁力の低い領域に移動した情報を書き換える手段であることも好ましい。
制御手段が、温度センサによって検出された温度が所定値以上の場合は、保磁力の低い領域に書き込まれている情報を保磁力の高い領域に移動する手段であることも好ましい。
本発明によれば、低温環境においては低い保持力を有する環状領域を使用し、高温及び定常温度環境においては高い保持力を有する環状領域を使用して読み書きを行うことができる。従って、高温及び定常温度環境における記録消失を招くことなく低温環境において高い信頼性の記録を行うことが可能となる。しかも、磁気ディスクの円周方向には保持力が一定となるため、高速回転する磁気ディスクの同一トラックに対しては領域切り替えが不要となり制御が容易となると共に、円周方向には磁気ディスク表面に段差が全く生じないので、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合にも衝突は発生しない。さらに、これら第1及び第2の環状領域が磁気ディスクの同一面に形成されているため、磁気ディスクドライブ装置の小型化を容易に図ることが可能となる。
さらに、本発明によれば、半径方向に沿って保持力が連続的に変化するように構成されているので、この方向に段差は生じず、斜めに傾斜した表面となる。このため、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合に、シーク動作を行っても衝突は発生しない。
図1は本発明の一実施形態として、ハードディスクドライブ(HDD)装置の全体構成を概略的に示す平面図である。
同図において、10はハウジング、11はスピンドルモータにより軸12を中心にして回転駆動される磁気ディスク、13は先端部に磁気ヘッド14が装着されていると共に後端部にボイスコイルモータ(VCM)のコイル部が装着されており、水平回動軸15を中心にして磁気ディスク11の表面と平行に回動可能なヘッドアームアセンブリ(HAA)、16はVCMのマグネット部、17はこのHDDの温度を検出する温度センサをそれぞれ示している。磁気ヘッド14は、本実施形態では、インダクティブ書込みヘッド素子と、巨大磁気抵抗効果(GMR)又はトンネル磁気抵抗効果(TMR)等を利用した磁気抵抗効果(MR)読出しヘッド素子とを備えた複合型ヘッドである。
図2は本実施形態におけるHDDの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
同図において、20は磁気ディスク11を回転駆動するスピンドルモータ、21はこのスピンドルモータ20のドライバ、22はVCM23のドライバ、24は磁気ヘッド14のヘッドアンプ、25はコンピュータ26の制御に従ってモータドライバ21を、VCMドライバ22を、さらに、リードライトチャネル27を介してヘッドアンプ24を制御するハードディスクコントローラ(HDC)をそれぞれ示している。温度センサ17からのHDDの温度信号は、コンピュータ26に入力されてデジタル信号に変換され、VCMドライバ22を制御するために用いられる。
図3は本実施形態及びその変更態様における磁気ディスク11の領域構成を示す図である。
本実施形態では、図3(A)に示すように、内周側の低保磁力の環状領域30a、外周側に高保磁力の環状領域30bがそれぞれ形成されており、両環状領域30a及び30bの間に、円周方向には同一の保磁力を有しており半径方向に沿って保磁力が連続的に変化して低保磁力及び高保磁力間を連続させる緩衝領域30cが形成されている。
図4は本実施形態の磁気ディスク11の製造工程を説明するための断面図である。ただし、理解を容易にするため、断面部分のみが表示されている。
まず、図4(A)に示すように、基板40を用意する。この基板40は、例えば、石英ガラス基板、Si基板、SiC基板、C基板、Ti基板、Al基板、Al−Mg合金基板、その他のガラス基板、又はセラミック基板等を用いる。また、この基板の表面にNi−P層、Ni−W−P層等の下地層を積層しても良い。
次いで、図4(B)に示すように、低保磁力とする内周側の環状領域に対応した形状のマスク41を基板40の表面から所定量のギャップだけ離して設置し、非磁性材料による下地膜42をスパッタリング法等により成膜する。成膜後の状態が図4(C)に示されている。非磁性材料としては、例えばCr、Ti、Mo若しくはW又はこれらの合金が用いられる。膜厚は例えば1〜100nmである。
このように、マスク41と基板40との間に所定量のギャップを設けてスパッタリングすることによって、下地膜42の成膜領域端縁部の膜厚にテーパが付けられる。
次いで、図4(D)に示すように、その上にマスク無しで非磁性材料による下地膜43をスパッタリング法等により成膜する。成膜後の状態が図4(E)に示されている。これにより、内周側の環状領域における非磁性材料下地膜の膜厚が薄くなる。非磁性材料としては、例えばCr、Ti、Mo若しくはW又はこれらの合金が用いられるが、下地膜42と同一材料であることが望ましい。膜厚は例えば1〜100nmである。なお、図4(B)の成膜と図4(D)の成膜との間に大気開放のないことが望ましい。
次いで、図4(F)に示すように、その上に磁性材料による磁性膜44をスパッタリング法等により成膜する。成膜後の状態が図4(G)に示されている。磁性材料としては、例えばCo−Sm、Co−Ni−Cr、Co−Ni−Pt、Co−Ni−P、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−Cr−W、Co−Cr−Si若しくはCo−Cr−Ta−Pt等のCo合金系が用いられる。膜厚は例えば1〜100nmである。なお、図4(D)の成膜と図4(F)の成膜との間に大気開放のないことが望ましい。
次いで、図4(H)に示すように、その上に非磁性材料による保護膜45をスパッタリング法等により成膜する。非磁性材料としては、例えばC、B、SiO2若しくはZrO2等が用いられる。膜厚は例えば1〜10nmである。
その後、図4(I)に示すように、潤滑層46スピンコート法等により形成する。潤滑層材料としては、例えばパーフルオロポリエーテル等のフッ化有機物等が用いられる。膜厚は例えば1〜10nmである。
このように、本実施形態では、低保磁力とすべき領域の磁性膜の下側に積層される非磁性下地膜の膜厚を薄くし、高保持力とすべき領域の膜厚を厚くして保磁力を異ならせている。非磁性下地膜の膜厚を変えることにより、保磁力がどのように変化するかを実際に測定した。まず、直流マグネトロンスパッタリング法(Arガス圧:5mTorr、投入電力:5kW)により、種々の膜厚のCr−15at%Tiの非磁性下地膜を成膜し、その上に直流マグネトロンスパッタリング法(Arガス圧:5mTorr、投入電力:1kW)により、Co−20at%Cr−8at%Ptによる膜厚30nmの磁性膜を成膜した。このようにして形成した各サンプルについて、情報を記録・再生する磁気ヘッドの相対的な走行方向に磁界を印加して保磁力を測定した。その結果が表1に示されている。
このように、磁性膜の下側の非磁性下地膜の膜厚を変えることによって、磁性膜の結晶性が変化し、その保磁力を変化させることができる。保磁力を変化させる方法として、この他に、磁性膜自体の膜厚を変えても良い。
実施例として、基板40として、外径が95mm、内径が25mm、厚さが0.8mmの石英ガラス基板を用い、その上に、マスク41として、直径40mm、厚さ0.5mmのCu製の金属マスクを、基板40とマスク41とが同心となり、両者間のギャップが0.5mmとなるように配置した。この状態で、直流マグネトロンスパッタリング法(Arガス圧:5mTorr、投入電力:5kW)により、Cr−15at%Tiによる膜厚23nmの非磁性下地膜42を成膜した。
次いで、大気開放することなく、マスクを外し、直流マグネトロンスパッタリング法(Arガス圧:5mTorr、投入電力:5kW)により、Cr−15at%Tiによる膜厚60nmの非磁性下地膜43を成膜した。
次いで、大気開放することなく、直流マグネトロンスパッタリング法(Arガス圧:5mTorr、投入電力:1kW)により、Co−20at%Cr−8at%Ptによる膜厚30nmの磁性膜44を成膜した。
次いで、大気開放することなく、直流マグネトロンスパッタリング法(Arガス圧:3mTorr、投入電力:1kW)により、Cによる膜厚2nmの保護膜45を成膜した。
その後、スピンコート法により、パーフルオロポリエーテルによる膜厚1nmの潤滑層を形成した。
以上の工程を経て、40mm径より内周側に保磁力3000Oeの低保磁力環状領域、40〜41mm径の領域に3000〜4000Oeの連続的に保磁力が変化する緩衝領域、41mm径より外周側に保磁力4000Oeの高保磁力環状領域をそれぞれ有する磁気ディスクが得られた。
なお、本発明の磁気ディスクの領域構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更態様が適用可能である。例えば、図3(B)に示すように、内周側に高保磁力の環状領域31a、外周側に低保磁力の環状領域31b、両環状領域31a及び31bの間に緩衝領域31cをそれぞれ設けても良い。また、図3(C)に示すように、内周側に低保磁力の環状領域32a、中間に高保磁力の環状領域32b、外周側に低保磁力の環状領域32c、環状領域32a及び32bの間に第1の緩衝領域32d、環状領域32b及び32cの間に第2の緩衝領域32eをそれぞれ設けても良い。さらに、図3(D)に示すように、内周側に高保磁力の環状領域33a、中間に低保磁力の環状領域33b、外周側に高保磁力の環状領域33c、環状領域33a及び33bの間に第1の緩衝領域33d、環状領域33b及び33cの間に第2の緩衝領域33eをそれぞれ設けても良い。さらにまた、これら低保磁力の環状領域、高保磁力の環状領域及び緩衝領域の大きさ及び数は問わない。また、図3(E)に示すように、円周方向には同一の保磁力を有しており内周側から外周側に向かって半径方向に沿って保磁力が連続的に上昇する領域34のみで構成しても良いし、図3(F)に示すように、円周方向には同一の保磁力を有しており内周側から外周側に向かって半径方向に沿って保磁力が連続的に低下する領域35のみで構成しても良い。領域34又は35は、前述したスパッタリングにおけるマスクの大きさ及びマスクと基板とのギャップを適宜調整して作成することが可能である。
次に、HDDの温度に基づいて磁気ディスクの領域をどのように切り替えるか等のHDDの動作を説明する。
図5は本実施形態における領域切り替え動作の一例を示すフローチャートである。
コンピュータ26は、温度センサ17によって検出されたHDDの温度信号をA/D変換して定期的に取り込み(ステップS1)、その検出温度が所定温度未満であるかどうかを所定周期で判別する(ステップS2)。
検出温度が所定温度未満である場合は、磁気ディスクの低保磁力領域を使用して書き込み及び読み出し動作を行なう(ステップS3)。一方、検出温度が所定温度以上である場合は、磁気ディスクの高保磁力領域を使用して書き込み及び読み出し動作を行なう(ステップS4)。
このようにHDDがその環境温度に応じて磁気ディスクの使用領域を自動的に切り替えているため、低い環境温度においても高い信頼性の書き込みが可能となる。
図6は本実施形態における領域切り替え動作及び書き換え動作の他の例を示すフローチャートである。
コンピュータ26は、温度センサ17によって検出されたHDDの温度信号をA/D変換して定期的に取り込み(ステップS11)、その検出温度が所定温度未満であるかどうかを所定周期で判別する(ステップS12)。
検出温度が所定温度未満である場合は、磁気ディスクの高保磁力領域に書き込みされている情報について、書き換え(オーバーライト)動作を行なうかどうか判別する(ステップS13)。
書き換え動作有りであり、HDDが現在読み出し及び書き込み動作を行なっていない場合は、高保磁力領域に書き込まれている情報を全て読み出し、低保磁力領域に書き込みする、即ち情報を移動する(ステップS14)。ここで、高保磁力領域に書き込まれている情報は無効にする。次いで、磁気ディスクの低保磁力領域にみを使用して書き込み及び読み出し動作を行なう(ステップS15)。
検出温度が所定温度以上であり、HDDが動作中であってかつ現在読み出し及び書き込み動作を行なっていない場合は、磁気ディスクの低保磁力領域に書き込まれている情報を全て読み出し、高保磁力領域に書き込みする、即ち情報を移動する(ステップS16)。ここで、低保磁力領域に書き込まれている情報は無効にする。
以降は、磁気ディスクの高保磁力領域にみを使用して書き込み及び読み出し動作を行なう(ステップS17)。
このようにHDDがその環境温度に応じて磁気ディスクの読み書き領域を自動的に切り替え、かつ書き換え時もその領域に情報を移動するようにしているため、低い環境温度においても高い信頼性の書き込み及び書き換えが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、HDDが低温環境にある場合は磁気ディスクの低保持力領域を使用し、高温及び定常温度環境にある場合は磁気ディスクの高保持力領域を使用して読み書きを行っているので、高温及び定常温度環境における記録消失を招くことなく低温環境において高い信頼性の読み書きを行うことが可能となる。しかも、磁気ディスクの円周方向には保持力が一定となるため、高速回転する磁気ディスクの同一トラックに対しては領域切り替えが不要となり制御が容易となると共に、円周方向には磁気ディスク表面に段差が全く生じないので、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合にも衝突は発生しない。さらに、これら領域が磁気ディスクの同一面に形成されているため、磁気ディスクドライブ装置の小型化を容易に図ることが可能となる。
さらに、両領域間に保持力が連続的に変化する緩衝領域が形成されているので、この部分に段差は生じず、斜めに傾斜した表面となる。このため、磁気ヘッドの浮上量が小さい場合にシーク動作を行っても衝突は発生しない。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 ハウジング
11 磁気ディスク
12 軸
13 HAA
14 磁気ヘッド
15 水平回動軸
16 VCMのマグネット部
17 温度センサ
20 スピンドルモータ
21 スピンドルモータのドライバ
22 VCMドライバ
23 VCM
24 磁気ヘッドのヘッドアンプ
25 HDC
26 コンピュータ
30a、31b、32a、32c、33b 低保磁力の環状領域
30b、31a、32b、33a、33c 高保磁力の環状領域
30c、31c、32d、32e、33d、33e 緩衝領域
34、35 領域
40 基板
41 マスク
42、43 非磁性下地膜
44 磁性膜
45 保護膜
46 潤滑層
11 磁気ディスク
12 軸
13 HAA
14 磁気ヘッド
15 水平回動軸
16 VCMのマグネット部
17 温度センサ
20 スピンドルモータ
21 スピンドルモータのドライバ
22 VCMドライバ
23 VCM
24 磁気ヘッドのヘッドアンプ
25 HDC
26 コンピュータ
30a、31b、32a、32c、33b 低保磁力の環状領域
30b、31a、32b、33a、33c 高保磁力の環状領域
30c、31c、32d、32e、33d、33e 緩衝領域
34、35 領域
40 基板
41 マスク
42、43 非磁性下地膜
44 磁性膜
45 保護膜
46 潤滑層
Claims (12)
- 第1の保磁力を有しており回転中心と同心の第1の環状領域と、該第1の保磁力とは異なる第2の保磁力を有しており前記回転中心と同心の第2の環状領域とが同一面に形成されていることを特徴とする磁気ディスク。
- 前記第1の環状領域と前記第2の環状領域との間に、円周方向には同一の保磁力を有しており半径方向に沿って保磁力が連続的に変化する第3の環状領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク。
- 前記第3の環状領域は、前記第1の保磁力から前記第2の保磁力まで保磁力が連続的に変化する領域であることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク。
- 円周方向には同一の保磁力を有しており半径方向に沿って保磁力が連続的に変化する領域のみで形成されていることを特徴とする磁気ディスク。
- 基板と、磁性層を含んでおり前記基板上に積層されている多層膜とを備えており、前記保磁力が前記多層膜の厚さに対応していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気ディスク。
- 前記多層膜が、前記基板上に積層された非磁性層と、少なくとも該非磁性層上に積層された磁性層とを含んでおり、前記非磁性層の厚さが前記保磁力に対応していることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスク。
- 前記多層膜が、磁性層を含んでおり、該磁性層の厚さが前記保磁力に対応していることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスク。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の磁気ディスクと、該磁気ディスクに対して磁気情報の読み書きを行なう磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを前記磁気ディスクの所望のトラック上に位置決めする手段とを備えたことを特徴とする磁気ディスクドライブ装置。
- 当該磁気ディスクドライブ装置の温度を検出する温度センサと、該温度センサによって検出された温度が所定値未満の場合は、前記磁気ディスクの保磁力の低い領域を読み書きに使用するべく前記位置決めする手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の磁気ディスクドライブ装置。
- 前記制御手段が、前記温度センサによって検出された温度が前記所定値以上の場合は、前記磁気ディスクの保磁力の高い領域を読み書きに使用するべく前記位置決めする手段を制御する手段であることを特徴とする請求項9に記載の磁気ディスクドライブ装置。
- 前記制御手段が、前記温度センサによって検出された温度が前記所定値未満の場合であって前記磁気ディスクの保磁力の高い領域に書き込まれている情報を書き換える必要のある場合は、前記保磁力の高い領域に書き込まれている情報を前記保磁力の低い領域に移動し、該保磁力の低い領域に移動した情報を書き換える手段であることを特徴とする請求項9又は10に記載の磁気ディスクドライブ装置。
- 前記制御手段が、前記温度センサによって検出された温度が前記所定値以上の場合は、前記保磁力の低い領域に書き込まれている情報を前記保磁力の高い領域に移動する手段であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の磁気ディスクドライブ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004293759A JP2006107642A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | 磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004293759A JP2006107642A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | 磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006107642A true JP2006107642A (ja) | 2006-04-20 |
Family
ID=36377145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004293759A Withdrawn JP2006107642A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | 磁気ディスク及び磁気ディスクドライブ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006107642A (ja) |
-
2004
- 2004-10-06 JP JP2004293759A patent/JP2006107642A/ja not_active Withdrawn
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