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JP2006104567A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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JP2006104567A JP2004296815A JP2004296815A JP2006104567A JP 2006104567 A JP2006104567 A JP 2006104567A JP 2004296815 A JP2004296815 A JP 2004296815A JP 2004296815 A JP2004296815 A JP 2004296815A JP 2006104567 A JP2006104567 A JP 2006104567A
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Takazo Kawaguchi
尊三 川口
Shinji Kamishiro
親司 上城
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

【課題】簡易な設備で、燃焼前線降下速度を高め、焼結生産率を向上させることが可能な焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】焼結原料中に赤熱した状態の固体炭材(赤熱炭材26)を0.01〜2.0mass%の比率で添加し、層厚300〜900mmの焼結原料層を形成した後、該原料層表面から原料層底部へ酸素含有ガスを下方吸引しつつ原料層の表面に点火し、下方吸引を継続して前記原料を焼結する。赤熱炭材の焼結原料中への添加を、前記原料を焼結機パレット内に装入する装置または装入する部位(焼結原料層堆積斜面10)に供給することにより行えば、赤熱炭材の表面温度の低下を最小限に抑えることができる。また、固体炭材をマイクロ波加熱により赤熱した状態にするのが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドワイトロイド(DL)式焼結機による焼結鉱の製造方法に関し、特に燃焼前線降下速度を高めて焼結生産率を向上させることができる焼結鉱の製造方法に関する。
一般に、ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱の製造においては、焼結パレットのグレート上に粒径10〜15mm程度の焼結鉱を層厚10〜80mm程度の床敷層として敷き、その上に鉄鉱石、雑原料、返鉱、副原料および燃料炭材(通常、粉コークス等の固体炭材が使用されるので、以下、固体炭材という)を混合造粒した焼結配合原料(以下、焼結原料、または単に原料という)を300mm〜900mmの層厚で敷設し、層表面を平らにならす。
続いて、グレート下部に設置した風箱を通して吸引し、焼結原料充填層(以下、焼結原料層、または単に原料層という)の表面から底部へ向けて通気させながら点火バーナーで原料層表面を1分間程度加熱し、表面層の炭材に着火させ、着火後も数十分程度の間吸引を続けて焼結ケーキを製造している。
このとき、点火バーナーで着火された原料表面層は概ね1250℃に達しており、原料は溶融焼結化反応を起こす。同時に、原料層表面から下方に吸引されることによって、表面層を通過する空気(酸素含有ガス)は加熱され、下方部の原料を加熱昇温させ、原料中に配合されている炭材を着火させて逐次焼結化反応を起こさせ、焼結ケーキを形成してゆく。
すなわち、焼結鉱の製造においては、原料層内の炭材を下方吸引により供給される空気によって逐次燃焼させて燃焼帯を形成させ、この燃焼帯を原料層の表面から底部へ向けて移動させ、原料層を焼結ケーキ層へと逐次変化させてゆくプロセスが採用されている。あたかも、燃焼帯が焼結原料層の上方から下方に向かって移動するように見える。この燃焼帯と原料帯(未だ着火していない原料層)との境界を「燃焼前線」と呼んでいる。
一方、この焼結プロセスの進行の過程を原料層内の特定の部位についてみると、造粒され、グレート上に敷設された焼結原料には、最初約7mass%程度の水分が含まれており、原料層の上部から下部へと通過するガスの顕熱によってこの水分が蒸発し、原料は乾燥される。乾燥が終了した後、原料温度が上昇しはじめ、400℃程度になると配合された炭材が着火燃焼し、1300℃程度まで加熱される。炭材が燃焼し尽くすと、吸引により上部から下部へ向かう温度の低いガスによって冷却され、焼結ケーキとなる。
炭材が着火し、燃え尽くすまでが燃焼部であり、この燃焼部を形成している領域が前述の燃焼帯で、原料帯と焼結帯(焼結ケーキとして存在する領域)の間に位置する。
この燃焼帯の焼結原料層内における時間的推移をみると、燃焼帯は炭材が点火される表面層から出発し、時間の経過とともに下方に移動して底部の床敷層に達する。この燃焼帯の移動速度は「燃焼前線降下速度」と呼ばれ、焼結生産率を決定する重要な因子となっている。そして、焼結生産率を向上させるために、この燃焼前線降下速度を上昇させることが重要な技術課題となっており、以下に示すように、焼結原料層の乾燥を効果的に行うための種々の焼結技術が開発されている。
すなわち、生産率を支配する燃焼前線降下速度を上昇させるには、原料帯の固体炭材の温度を迅速に着火温度に到達させることが重要であり、そのために、事前に原料層内の水分を除去したり、パレットへの装入前に原料を予熱したりすることを目的とした種々の手段が講じられてきた。
原料帯の焼結原料に含まれる固体炭材の温度を上昇させるためには、原料中に存在する水分を完全に蒸発させることが必要である。水分が存在する限り原料温度は100℃以下を保ちつづけ、炭材を着火に至らしめることができない。すなわち、燃焼前線降下速度は原料の乾燥速度に支配されるわけで、例えば特許文献1には、ドワイトロイド式焼結機において、パレットへ原料を供給する給鉱機と点火炉との間に熱風供給装置を設置し、この熱風供給装置から原料上面へ熱風を吹き付け、上層部のみを高温となし、この高温となった原料上層部に順次点火することにより点火時の熱衝撃を緩和させながら焼結する焼結鉱製造方法が開示されている。点火前に原料上層部を加熱し、乾燥させることにより、焼結時間が短縮するという効果が得られている。
また、特許文献1に記載される技術を発展させた方法で、熱風供給装置を設置する代わりに焼結機排ガスを循環させて点火前の原料層の乾燥、予熱を行う焼結鉱製造方法が知られている。さらに、類似技術として、水分を添加して造粒した後の原料に高温ガスを接触させることにより事前乾燥した焼結原料をパレット内に供給して原料層を形成させ、焼結過程での水分(結晶水を含む)の蒸発を軽減する技術なども公知である。
しかしながら、これら一連の、焼結原料層表面への点火操作前における原料の乾燥(水分除去)処理や、パレット内への装入前に原料を乾燥する予熱処理は、燃焼前線降下速度の向上や焼結化反応の促進による成品歩留向上などの効果には優れるものの、原料層全体の乾燥、予熱のための大掛かりな高温ガス発生装置、輸送配管装置、ガス排出処理装置等が必要であるという新たな問題点が生じる。
この難点を解消する技術として、特許文献2には、焼結パレットへの原料装入時に原料層の表面から50mm以内の層にFe34を0.3%以上含む鉄鉱石粉を5〜50質量%添加し、原料装入位置と点火位置との間で、まず原料層表面へ熱風を吹き付けながら下方に吸引して表層部を乾燥予熱し、次いでマイクロ波により表層部を加熱昇温したのち点火炉で点火して焼結する焼結鉱製造方法が開示されている。
また、パレット内壁部近傍のみで、原料層の表面から5〜50質量%の領域を事前に高温熱風またはマイクロ波で乾燥・加熱・昇温したのち点火炉で点火し、その後焼結反応を行わせる焼結鉱製造方法も知られている。
これらの技術は、従来の高温ガスだけを点火前の焼結原料層に通気させることにより乾燥、昇温を達成するのではなく、Fe34の酸化発熱やマイクロ波加熱を併用する技術である。しかし、これらの技術を適用しても、焼結原料層自体を熱風の吹き付けやマイクロ波で加熱する必要があるため、多大な加熱エネルギーの消費を避けることはできない。
特許文献3および特許文献4には、本出願人が開発した、焼結原料層の上層部に補助原料である粉体をパレット幅方向に均一に散布し、焼結原料層の高さ方向における焼結反応を制御して成品歩留や成品品質を向上させる技術が開示されている。補助原料としては、粉コークスなどの炭材や、石灰粉、蛇紋粉などの焼結溶剤が記載されている。また、装入方法および装置として、パレットへの原料供給装置前に別ラインで添加する方法や、点火炉の直前、点火炉の直後等において原料表層部に散布する方法、そのための装置が記載されている。
しかし、これらの技術はいずれも常温の補助燃料を含む原料を原料層に添加し、パレット高さ方向のカーボン濃度や成分組成を制御することにより溶融焼結化反応を制御して成品歩留や成品品質を向上させる技術であって、燃焼前線降下速度を上昇させようとするものではない。
特公昭54−24682号公報 特開平7−34141号公報 特開2000−96156号公報 特開2000−96157号公報
前述のように、焼結生産率を向上させるため、焼結パレットに装入された原料層の乾燥、予熱を効果的に行う多くの技術開発がなされてきた。しかし、その一方で、大掛かりな高温ガス発生装置やガス排出処理装置等が必要とされ、また多大な加熱エネルギーを要するという問題が生じている。
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、簡易な設備で、燃焼前線降下速度を高め、焼結生産率を向上させることが可能な焼結鉱の製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討を続ける過程で、焼結原料層内において、燃焼前線がある特定位置に到達する前にその位置にある焼結原料を乾燥、予熱するという着想を得た。これが実現できれば、燃焼前線の進行方向にある焼結原料が乾燥、予熱されているので、燃焼前線降下速度を大幅に上昇させることが可能と考えられる。
この着想を具体化する方法として、赤熱した状態の固体炭材をパレット内の焼結原料中にあらかじめ分散させておく方法が考えられる。そこで、焼結パレットのグレート下部に設置した風箱を通して吸引する通常の操業において、この方法について検討を重ねた結果、燃焼前線が前記赤熱状態の固体炭材の添加位置に到達する前に、吸引する空気でその赤熱状態の固体炭材を燃焼させ、その周囲の焼結原料を乾燥、予熱して、燃焼前線降下速度を上昇させることが可能であるという新たな知見が得られた。
本発明はこのような着想および知見に基づいてなされたもので、その要旨は、下記の焼結鉱の製造方法にある。
すなわち、焼結原料中に赤熱した状態の固体炭材を0.01〜2.0mass%の比率で添加し、この原料を用いて層厚300〜900mmの原料層を形成した後、該原料層表面から原料層底部へ酸素含有ガスを下方吸引しつつ原料層の表面に点火し、下方吸引を継続して前記原料を焼結する焼結鉱の製造方法である。
この焼結鉱の製造方法において、前記赤熱した状態の固体炭材の焼結配合原料中への添加を、前記原料を焼結機パレット内に装入する装置または装入する部位に供給することによって行うこととすれば、赤熱炭材の表面温度の低下を最小限に抑えることができ、望ましい。
また、前記赤熱した状態の固体炭材をマイクロ波加熱によって得ることとすれば、加熱装置を小型化することが可能である。
ここでいう「赤熱した状態の固体炭材」とは、あらかじめ表面温度が600℃以上の赤熱した状態に加熱された、例えば、粉状コークス、粉状石炭(無煙炭)、含カーボンダスト等の炭素を主成分、または多量に含有する固体物質である。以下、赤熱炭材ともいう。
また、赤熱炭材の添加の比率は、2次ドラムミキサーで造粒され、焼結配合原料供給装置に送られる焼結原料に対する赤熱炭材の質量比率である。以下、添加率ともいう。
本発明の焼結鉱の製造方法によれば、大掛かりな高温ガス発生装置や輸送配管装置、ガス排出処理装置等を必要とせず、また多大な加熱エネルギーを消費することなく、簡易な設備で、燃焼前線降下速度を高め、焼結生産率を向上させることができる。
以下に、本発明の焼結鉱の製造方法を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の焼結鉱の製造方法を実施することができる装置の概略構成例を示す図である。焼結原料の主要なものとして、鉄源である鉄鉱石1、焼結鉱製品の回収篩下産物である返鉱2、溶剤である石灰石3、および燃料となる固体炭材4がそれぞれホッパーに貯蔵されている。固体炭材としては、粉状コークス、粉状石炭(無煙炭)、含カーボンダスト等が使用される。これらの焼結原料は1次ドラムミキサー5で混合された後、水分添加され、2次ドラムミキサー6において擬似粒子状に造粒され、焼結原料として焼結配合原料供給装置7に送られる。
固体炭材は、ドラムミキサー6内で、常温でフリーカーボン濃度が2.1〜5.0mass%の範囲に入るように配合される。一方、ドラムミキサー6内で配合される固体炭材とは別に、表面温度が600℃以上の赤熱状態の固体炭材(赤熱炭材)8が準備され、前記擬似粒子状に造粒された焼結原料に添加される。
赤熱炭材の添加場所はドラムミキサー6の出口以降ならどこでもよく、焼結配合原料供給装置7のサージホッパーの入り口9、焼結原料層堆積斜面10などがあげられる。赤熱炭材と配合原料とが接触することによって赤熱炭材の表面温度が低下するので、添加場所は焼結原料層にできる限り近い方が望ましく、焼結機パレット14内での焼結原料層形成の直前に、具体的には、(a)原料をパレット14内に装入する装置(装入ガイドシュート12、13)、または、(b)原料をパレット14内に装入する部位(つまり前記の焼結原料層堆積斜面10)で添加するのが特に望ましい。
焼結原料は、焼結配合原料供給装置7のロールフィーダー11から切り出され、装入ガイドシュート12および13を経由して、図1中に白抜き矢印で示した方向に水平に移動するパレット14内に装入される。この装入の過程で、添加された赤熱炭材26は2次ドラムミキサー6で造粒された焼結原料と混合され、パレット内に装入された焼結原料層内に分散する。図中に符号Aで示したルートはサージホッパー入り口9で赤熱炭材を添加する場合(ルートA)であり、同じくBは原料堆積斜面10で赤熱炭材を添加する場合(ルートB)である。
添加された赤熱炭材26は常温の焼結原料と接触するだけでは、原料の温度を若干上昇させることはできるが、空気との接触が悪くなるため燃焼が進行することはない。パレット14に装入され原料層中に分散した赤熱炭材26は、風箱群15(この例では、パレットの進行方向に向けて順にNo.1〜No.15の15の風箱を有する。なお、図1および後述する図2ではNo.1、No.2等に対応する数字を○で囲み表示した)を通して酸素含有ガスを下方吸引することによって、初めて燃焼が始まる。
酸素含有ガスとしては、通常、空気が利用される。
赤熱炭材は燃焼することによって炭材自身の温度を上昇させるとともに、高温の燃焼ガスを生成する。これによって、原料層表面での着火や燃焼前線とは関係なく、赤熱炭材の周囲に存在する焼結原料の水分が蒸発し、原料温度が上昇する。すなわち、赤熱炭材の燃焼熱により、燃焼前線が到達する前に赤熱炭材が存在する部位の周囲にある原料の水分が蒸発し、焼結原料層内における乾燥、予熱が達成される。
この時、赤熱炭材が燃焼するためには層内を通過するガス中に酸素が含まれている必要がある。原料層表面から吸引されるガスが空気の場合、層表面近傍のO2濃度は21vol%で、燃焼帯において酸素を消費したとしても、その下部にある原料帯での吸引ガスのO2濃度は6〜10vol%が確保されており、赤熱炭材の添加率が2.0mass%以下であれば、原料帯に存在する赤熱炭材を十分に燃焼させることができる。
しかし、赤熱炭材の添加率が2.0mass%を超えると、ガスの酸素濃度が6〜10vol%の原料帯では酸素が欠乏して全量を燃焼できなくなり、その発熱効果が発揮されなくなる。従って、赤熱炭材の添加率の上限は2.0mass%とする。一方、赤熱炭材の添加率が0.01mass%に満たないと改善効果が小さいので、添加率の下限は0.01mass%とする。
なお、原料層が点火炉27を通過中は、その下部にある赤熱炭材に供給されるガスの酸素濃度は1〜4vol%O2に低下し、赤熱炭材の燃焼は抑制されるが、赤熱炭材の赤熱部は消火することはなく、点火炉27を通過した後に赤熱炭材は燃焼する。
このように、添加され原料層全体に分散した赤熱炭材は、それが存在する部位が点火炉27の設置場所の下方まで移動する前の状態においては、原料層表面から吸引された酸素含有ガスにより燃焼して燃焼前線より下部に位置する原料帯を乾燥、予熱する効果を発揮するだけでなく、赤熱炭材が存在する部分が点火炉27設置場所を通過した後においても、赤熱炭材が燃焼して燃焼前線より下部に位置する原料帯を乾燥、予熱する効果が継続し、効率のよい乾燥、予熱ができる。
換言すれば、前掲の特許文献1、2に開示された技術をはじめとする従来の乾燥、予熱処理方法では、点火する前に、原料の焼成のための吸引とは別に原料層表面への熱風の吹き付け等により乾燥、予熱するのに対し、本発明の製造方法による操業では、燃焼帯を通過した後のガスに含まれる酸素によって赤熱炭材を燃焼させることができ、通常の吸引による焼成と、燃焼前線より下部に位置する原料帯の乾燥、予熱とを同時に行わせることができる。
その結果、焼結原料を乾燥、予熱するための高温ガス発生装置やガス排出処理装置等を用いず、また多大な加熱エネルギーを消費することなく、燃焼前線降下速度を向上させ、焼結生産率を改善することができる。
本発明の製造方法において、原料層の層厚を300〜900mmとするのは、ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱製造の際の原料層厚を考慮したもので、原料層厚が極端に薄いか、または厚い場合を除く300〜900mmの範囲内であれば、原料層中に赤熱炭材を混合、分散させる本発明の製造方法を適用することが可能である。
赤熱炭材の粒径は、1mmを超え15mm以下の範囲内とするのが望ましい。赤熱炭材の燃焼は燃焼前線が赤熱炭材の存在部位に到達する前に完了しているのが理想的で、赤熱炭材の粒径が15mmを超えると燃焼が遅く、燃焼前線が赤熱炭材の存在部位まで到達してしまう。一方、赤熱炭材の粒径が1mm以下であると、添加直後における焼結原料との接触により表面温度が低下し、赤熱炭材の燃焼性が極端に悪くなるからである。
次に、赤熱炭材を準備する方法(固体炭材の運搬、加熱)、および配合原料への添加方法について述べる。
図3は、固体炭材の加熱、および2次ドラムミキサーで造粒された焼結原料への添加方法を例示する説明図である。固体炭材である例えば粉コークス(粒径は、前記1〜15mmが望ましい)はトラック16で輸送され、貯鉱槽17に打ち込まれる。打ち込まれた粉コークスは気流輸送システム18により、焼結配合原料供給装置7の近傍に配置された貯鉱槽19に貯留される。貯鉱槽19から切り出された粉コークスは加熱装置20で加熱されて赤熱状態となる。この場合、加熱装置20内に空気を所定量流通させることによって、粉コークスの一部を燃焼させ、その燃焼熱によって継続的に赤熱コークス(赤熱炭材)を得ることが可能である。加熱装置20からの排ガスは焼結機点火炉に供給し、有効に利用することができる。
前記の空気を流通させる加熱装置を使用する場合は、空気の導入や排ガスの点火炉への供給等のための付帯装置が必要となるが、加熱源をマイクロ波とすることにより加熱装置を小型化することができる。コークスはマイクロ波受光率が高く、小規模なマイクロ波発生装置であっても効率的な加熱制御が可能である。
マイクロ波については、工業的用途に指定されているISM周波数帯で定められている2450MHz±50MHz、5.8GHz±75MHz、24.125GHz±125MHzのマイクロ波が使用でき、また、電波法上で定められた漏洩許容限度を超えなければ、915MHz±25MHzも使用可能である。これらのうち、広く普及している2450MHz±50MHzのマイクロ波の使用が最も望ましい。
加熱装置20から排出された固体燃料は、前述したように、例えば焼結配合原料供給装置7のサージホッパー入り口で焼結原料に添加してもよいし(ルートA)、焼結機パレット幅方向に設置されたスクリューフィーダー(図示せず)により焼結原料層堆積斜面10(図1参照)に切り出し、添加してもよい(ルートB)。
このように、本発明の製造方法では、焼結原料層全体または表層部を乾燥、予熱するのではなく、酸素含有ガスを吸引して焼結原料の0.01〜2.0mass%に相当する少量の固体炭材だけを赤熱状態にすることにより、焼成時に焼結原料層全体を乾燥、予熱処理することができる。
前記のルートBにより、赤熱炭材を焼結機パレットの幅方向に広く分散させて添加するには、適切な切り出し装置を用いるのが望ましい。
図4は、切り出し装置の概略構成例を示す図である。この装置は、前掲の特許文献3、4で本出願人が提案した粉体切り出し装置と同等の機能を備えた装置で、図示するように、底付きの筒体21(図中に符号Mを付した部分が底部)と該筒体21に供給される赤熱炭材を筒体21の長手方向に押し出す固体炭材輸送機構22とを備え、更に押し出された固体炭材を前記筒体21の外部に切り出す複数個の固体炭材切り出し孔24が、前記筒体21の長手方向に所定間隔で設けてある。切り出し孔24には固体炭材切り出し量を調整するための開度調整ゲート23が設けられている。また、筒体21に供給する赤熱炭材を一時貯留するための垂直筒体21aが筒体21の両端部に設けられている。
固体炭材輸送機構22は、この例では、回転軸22aの周囲に螺旋状フィン22bを装着したスクリューフィーダーであるが、固体炭材を筒体21の長手方向に連続的に搬送できれば他の手段であってもよい。
切り出し孔24は、垂直筒体21aに近いほど高い位置になるように設けることが望ましい。こうすることにより、切り出し孔24の開度をほぼ一定としたとき、切り出し孔24から切り出される固体炭材の切り出し量を筒体21の長手方向でほぼ均一にすることができる。なお、この例では、筒体21の長手方向中央部(つまり、筒体21の底部M)の下部に、垂直筒体21aから筒体21へ過剰に供給された炭材を排出するための炭材詰まり防止用切り出し孔25が設けられている。
このような赤熱炭材の添加用の装置を用いることによって、赤熱炭材を焼結配合原料供給装置から切り出された焼結原料中に広く分散混合した状態で添加し、焼結原料層を形成することができる。なお、前記垂直筒体21aまたは/および筒体21に加熱機構を併設することによって、加熱装置20を含めた赤熱炭材の添加用の装置全体をコンパクトにすることが可能である。
図1または図2に示す構成を有し、表1に示す仕様のDL型焼結試験装置により焼結鉱の製造試験を行った。なお、図2は、点火炉27を風箱2つ分だけ排鉱側のNo.3風箱の上部に移動させ、高温ガスを供給できるフード28を設けた点を除き、図1に示した装置と同じ構成を有する装置である。
Figure 2006104567
用いた焼結原料(2次ドラムミキサー6で造粒された焼結原料で、この実施例では「配合原料」と記す)は各試験において同一で、原料水分を7.0mass%、8.5mass%または10.0mass%とし、燃料である固体炭材の配合量を3.0%、4.0%または5.0%に変更した。
試験においては、各風箱の排ガス温度を測定し、No.14風箱で最高排ガス温度となるようにパレット速度を調整した。また、風箱の排ガス温度が100℃となる時刻から点火開始時刻を差し引いて燃焼前線到達時刻(FFP)とした。この燃焼前線到達時刻を測定し、焼結ケーキを破砕処理して成品歩留を求め、焼結鉱の成品生産量(単位時間あたりの製造成品量)を求めるとともに、燃焼前線降下速度〔原料層厚470mm/燃焼前線到達時刻(FFP)〕と焼結生産率〔成品生産量/(有効ストランド面積×焼結時間)〕を算出した。なお、前記の焼結時間とは、点火開始から焼結ケーキが吸引ストランドを外れるまでの時間である。
表2に配合原料における鉄鉱石や副原料、固体炭材等の配合率を、表3に試験で実施した操業条件をまとめて示す。赤熱炭材にはコークスを用いた。また、表4に試験結果を示す。
Figure 2006104567
Figure 2006104567
Figure 2006104567
ケース1(試験操業番号1〜5)は単純な従来法で、サージホッパーに貯鉱された配合原料をロールフィーダーで切り出してパッレットに装入し、点火炉で着火させ、風箱を通し空気を吸引して焼結させた場合である。ケース1では吸引風箱の端は点火炉端にあり、点火前に吸引することはない。なお、試験操業番号1〜3では配合原料中の炭材比率を変更し、また、試験操業番号2、4、5では原料水分を変更した。
ケース2(試験操業番号6〜8)はいわゆる予熱ガス焼結法である。図2に示すように、点火炉27をNo.3風箱の上部に移動させ、No.1およびNo.2の風箱の上部には高温ガスを供給できるフード28を設け、400℃の燃焼排ガス(酸素濃度19vol%)を供給するとともに、No.1およびNo.2の風箱を9.8×103Pa(1000mmH2O)の負圧とし、原料層表面から常温の空気を吸引した。試験操業番号6〜8では、配合原料の炭材の配合率および原料水分を変更した。
ケース3(試験操業番号9)は、ケース2で400℃の燃焼排ガスを供給する代わりに、No.1およびNo.2の風箱位置の上部の原料層表面にマイクロ波加熱装置を設置し、層表面を予熱して焼成を行った。この場合、ケース2の場合と同様に、No.1およびNo.2の風箱を通して吸引した。
ケース4−1〜4−3(試験操業番号10〜23、但し試験操業番号19を除く)とケース5(試験操業番号24および25)は本発明例で、ケース4−1〜4−3では点火炉の設置場所をケース1と同じとした。ケース5では点火炉の設置場所をケース2と同じとし、但し、400℃の燃焼排ガスの供給は行わず、原料層表面からNo.1およびNo.2の風箱を通して常温の空気を吸引した。原料層には赤熱コークスが添加されており、空気の供給により燃焼する。
ケース4−1、ケース5はサージホッパー投入口に配合原料と赤熱コークスを別々に投入した場合(図1に示したルートAによる投入)であり、ケース4−2、4−3はパレット装入時の原料堆積斜面上に赤熱コークスを供給した場合(図1に示したルートBによる投入)である。ケース4−2はガス加熱によりコークスを赤熱状態とした場合、ケース4−3はマイクロ波加熱により赤熱状態とした場合である。
表4において、焼結生産率[t/(h・m2)]は予熱のために吸引した風箱の面積を含まない有効ストランド面積あたり、単位焼結時間あたりの成品生産量である。予熱ストランドも含めた生産性は、成品生産量(t/h)で評価できる。
排ガス温度が最高となる風箱場所と排ガス立ち上がり風箱場所には概ね一定の関係があり、燃焼前線降下速度が大きい、すなわち燃焼前線到達時刻が早い方が焼結生産率は高くなる。なお、風箱面積(予熱用、点火炉用および焼成用の各風箱の面積を合わせた全風箱の合計面積)が同一である本試験の場合、予熱用風箱が存在するケース2、ケース3、ケース5では予熱用風箱面積分だけ焼成用風箱面積が狭くなっており、生産率が同一であっても、予熱ストランドを含めた成品生産量はその狭くなった分低く評価されることになる。
表4に示した結果において、まず、燃焼前線降下時刻(FFP)についてみると、本発明例の試験操業番号10〜25(試験操業番号19を除く)では、予熱用風箱が存在する場合、存在しない場合のいずれについても、燃焼前線降下時刻(FFP)が試験操業番号1〜9の場合よりも短くなっている。すなわち、燃焼前線降下時刻(FFP)から求められる燃焼前線降下速度が向上するわけで、本発明の製造方法が焼結生産性(焼結生産率)を改善し得る優れた方法であることがわかる。
また、試験操業番号12〜19および試験操業番号23〜25では、赤熱コークスの添加率を変更したが、赤熱コークスの添加率が0.01〜2.0mass%の範囲において、焼結生産率の改善効果が認められ、添加率が2.5mass%(試験操業番号19)になると、焼成を安定的に行えず、生産率は低下した。
試験操業番号10、11および試験操業番号20〜22では、赤熱コークスの添加率を一定とし、粒径を変更したが、粒径1mmを超え15mm以下が良好で、粒径が1mm以下(試験操業番号10)では改善効果がやや低減した。また、粒径が15mmを超える場合も改善効果が低減した。
加熱方法としてはマイクロ波加熱(ケース4−3、試験操業番号20〜23、但し粒径15mm超の試験操業番号22を除く)の方がガス加熱(ケース4−2、試験操業番号15)よりも焼結生産率の改善効果が大きく、添加場所についてはサージホッパーで添加する(ケース4−1、試験操業番号11)よりも原料層堆積斜面上に添加した(ケース4−3、試験操業番号20〜23、但し粒径15mm超の試験操業番号22を除く)方が改善効果が大きかった。
本発明の焼結鉱の製造方法によれば、簡易な設備で、燃焼前線降下速度を高め、焼結生産率を向上させることができる。大掛かりな高温ガス発生装置や輸送配管装置、ガス排出処理装置等を必要とせず、また多大な加熱エネルギーを消費することもないので、焼結鉱の製造に容易に、かつ有効に利用することができる。
本発明の焼結鉱の製造方法を実施することができる装置の概略構成例を示す図である。 本発明の焼結鉱の製造方法を実施することができる装置の他の概略構成例を示す図である。 固体炭材の加熱および2次ドラムミキサーで造粒された焼結原料(配合原料)への添加方法を例示する説明図である。 切り出し装置の概略構成例を示す図である。
符号の説明
1:鉄鉱石
2:返鉱
3:石灰石
4:固体炭材
5:1次ドラムミキサー
6:2次ドラムミキサー
7:焼結配合原料供給装置
8:赤熱状態の固体炭材(赤熱炭材)
9:サージホッパー入り口
10:焼結原料層堆積斜面
11:ロールフィーダー
12、13:装入ガイドシュート
14:焼結機パレット
15:風箱群
16:トラック
17:貯鉱槽
18:気流輸送システム
19:貯鉱槽
20:加熱装置
21:筒体
21a:垂直筒体
22:固体炭材輸送機構
22a:回転軸
22b:螺旋状フィン
23:開度調整ゲート
24:切り出し孔
25:炭材つまり防止用切り出し孔
26:赤熱炭材
27:点火炉
28:フード

Claims (3)

  1. 焼結原料中に赤熱した状態の固体炭材を0.01〜2.0mass%の比率で添加し、この原料を用いて層厚300〜900mmの原料層を形成した後、該原料層表面から原料層底部へ酸素含有ガスを下方吸引しつつ原料層の表面に点火し、下方吸引を継続して前記原料を焼結することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記赤熱した状態の固体炭材の焼結原料中への添加を、前記原料を焼結機パレット内に装入する装置または装入する部位に供給することによって行うことを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記赤熱した状態の固体炭材をマイクロ波加熱によって得ることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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