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JP2006101893A - 生体組織補填材とその製造方法 - Google Patents

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Makoto Oishi
誠 大石
Akira Inoue
晃 井上
Naoyuki Matsuoka
直之 松岡
Koichi Kuroda
宏一 黒田
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Abstract

【課題】 機械的強度を向上して生体外における取り扱い性、埋植時の取り扱い性および埋植直後の強度を確保することができるとともに、マクロ気孔内に浸透した細胞の増殖を促進し、かつ、細胞の成長がある程度進行した後においてもその成長速度を低下させることなく、生体組織欠損部への補填後、迅速に生体組織欠損部を修復する。
【解決手段】 気孔径5μm未満のミクロ気孔3を有する生体適合性材料からなる複数の骨格部分4の間に、気孔径5μm以上のマクロ気孔2を有する多孔性の生体組織補填材1であって、マクロ気孔2の内面に配される骨格部分4の表面におけるミクロ気孔3の気孔率が、骨格部分4の内部における気孔率よりも小さい生体組織補填材1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体組織補填材とその製造方法に関するものである。
生体組織補填材としてリン酸カルシウムを主成分とするセラミックス人工骨が知られている。セラミックス人工骨は細胞との親和性に優れ、特に、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)からなるセラミックス人工骨は、生体吸収性に優れているので、骨欠損部に補填されると、付着した細胞が骨組織を新生する間に経時的に吸収され、体内に異物を残すことなく良好な骨形成を図ることができる。
このようなリン酸カルシウム多孔体からなる生体組織補填材を製造するには、一般に、湿式発泡法が用いられる。湿式発泡法は、原料粉末(リン酸カルシウム系粉末)に解こう剤と純水を加えて構成したスラリーに発泡剤を加えて成形し、得られた成形体を乾燥させた後に1100℃程度の温度で焼成するものである。このような湿式発泡法によれば、5μm未満の気孔径を有する多数のミクロ気孔を有する骨格部分と、その間に形成される5μm以上の気孔径を有する多数のマクロ気孔とからなるリン酸カルシウム多孔体が製造される。この場合に、骨格部分におけるミクロ気孔は、骨格部分の内部から表面にわたって均一に存在している。
一方、断熱レンガ等に用いられる軽量セラミックス成形体の耐熱衝撃性を高めるために、表面が緻密に、内部がそれよりも高い気孔率となるように気孔率を傾斜させた軽量セラミックス成形体の製造方法については、例えば、特許文献1に開示されている。
特開平6−247778号公報
しかしながら、生体吸収性および細胞の浸透性を向上するためには、気孔率を大きくする必要があるが、従来のように骨格部分の内部から表面にわたって均一にミクロ気孔が存在している生体組織補填材では、気孔率を増大させると機械的強度が著しく低下する不都合がある。気孔率を大きくして機械的強度が下がると、生体外における取扱いの際に崩れてしまったり、生体内への埋植時に押圧力をかけると潰れてしまったりするなど、取り扱い性が悪いとともに、埋植後に生体内において座屈してしまう不都合がある。このため、気孔率をある程度以上に大きくすることは困難であった。
一方、埋植後、細胞の成長により、生体組織がある程度形成された後には、形成された生体組織によって強度が受け持たれるため、生体組織補填材としては吸収性の高いものが必要とされる。したがって、生体組織補填材の取り扱い性および埋植直後の機械的強度確保のために気孔率を低下させてしまうと、細胞の成長がある程度進行した後の吸収性が悪く、生体組織欠損部の修復速度が低下してしまう不都合がある。
また、細胞は、生体組織補填材のマクロ気孔内に侵入して生体組織補填材の中央部まで浸透していく。この場合に、マクロ気孔の内表面に存在するミクロ気孔は、細胞が接着するための足がかりとなる点では効果的であるが、あまりに多すぎると、接着後の細胞が増殖するために必要な平坦面がなくなり、増殖が阻害される不都合がある。したがって、従来のように骨格部分の内部から表面にわたって均一にミクロ気孔が存在している生体組織補填材では、気孔率を増大させると、マクロ気孔の内表面におけるミクロ気孔の数が増大して細胞の増殖効率が低下してしまう不都合がある。
一方、特許文献1の方法は、例えば、ブロック状のセラミックス成形体の表面の気孔率と内部の気孔率とを異ならせるものであるが、生体組織補填材としての用途を想定しているものではない。そのため、この方法によれば、さらにマクロ的な気孔を有するセラミックス成形体において、該セラミックス成形体自体の表面の気孔率を小さくして外部からの熱に対する耐熱衝撃性を向上することはできるが、これをそのまま生体組織補填材の製造方法に適用したのでは、内部まで細胞を浸透させることができる生体組織補填材を製造することはできない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、機械的強度を向上して生体外における取り扱い性、埋植時の取り扱い性および埋植直後の強度を確保することができるとともに、マクロ気孔内に浸透した細胞の増殖を促進し、かつ、細胞の成長がある程度進行した後においてもその成長速度を低下させることなく、生体組織欠損部への補填後、迅速に生体組織欠損部を修復することができる生体組織補填材とその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、気孔径5μm未満のミクロ気孔を有する生体適合性材料からなる複数の骨格部分の間に、気孔径5μm以上のマクロ気孔を有する多孔性の生体組織補填材であって、マクロ気孔の内面に配される骨格部分の表面におけるミクロ気孔の気孔率が、骨格部分の内部における気孔率よりも小さい生体組織補填材を提供する。
本発明によれば、マクロ気孔の内面に配される骨格部分の表面におけるミクロ気孔の気孔率が、骨格部分の内部における気孔率よりも小さいので、マクロ気孔の内面はミクロ気孔が少なく比較的平坦な表面形態となる。このため、骨格部分の気孔率が、内部および表面において均一な気孔率を有する場合と比較して、骨格部分の表面における細胞の増殖効果を向上し、かつ、生体組織補填材自体の初期の強度を高めることができる。
すなわち、細胞が効率よく増殖するためには比較的平坦な表面が必要であるところ、骨格部分の表面における気孔率を小さくすることによって、比較的平坦な表面形態を実現し、付着した細胞が効率よく増殖することができる。また、生体組織補填材の強度を向上するためには、気孔率を小さくして緻密な構造にすることが必要であるところ、骨格部分の表面における気孔率を小さくすることによって、表面部分において緻密構造を達成し、強度を向上することができる。
マクロ気孔の内部に浸透した細胞は、骨格部分の表面に付着すると、骨格部分を吸収しながら表面に沿って増殖する。この場合に、表面が比較的平坦であるために効率よく増殖できる。そして、ある程度増殖すると、骨格部分の表面が吸収されるため、比較的気孔率の高い骨格部分の内部が細胞に接触する。この状態においては、細胞は生体組織を形成しており、その新生された生体組織が強度部材となってある程度の強度を達成する。したがって、その後は、比較的気孔率の高い骨格部分の内部を細胞が吸収することにより、効率的な吸収と生体組織の迅速な形成が行われ、この生体組織補填材が埋植された患部を早期に治療することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、生体外に配置されているときおよび患部に埋植された直後における強度を高くして、その取り扱い性を向上し、マクロ気孔内面に接着した細胞の増殖を促進し、さらに、細胞による生体組織の形成開始後には、細胞に迅速に吸収されて、患部を早期に治療可能な生体組織補填材を提供することができる。
また、本発明は、炭酸カルシウム粉末とリン酸水素カルシウム2水和物とに純水を加えて構成されたスラリーを乾燥した後に、750℃〜1000℃の温度で1時間〜30時間仮焼して仮焼粉末を作成し、得られた仮焼粉末に解こう剤、純水および界面活性剤を添加して構成されたスラリーを乾燥させた後に、900℃〜1200℃の温度で1時間〜4時間焼成することにより製造された生体組織補填材を提供する。
本発明に係る生体組織補填材は、マクロ気孔の内面を構成する骨格部分の表面に比較的平坦かつ気孔率の小さい領域を有し、骨格部分の内部には、表面よりも気孔率の高い領域を有し、上記作用を奏することができる。
また、本発明は、炭酸カルシウム粉末とリン酸水素カルシウム2水和物とに純水を加えて構成されたスラリーを乾燥した後に、750℃〜1000℃の温度で1時間〜30時間仮焼して仮焼粉末を作成し、得られた仮焼粉末に解こう剤、純水および界面活性剤を添加して構成されたスラリーを乾燥させた後に、900℃〜1200℃の温度で1時間〜4時間焼成する生体組織補填材の製造方法を提供する。
本発明によれば、マクロ気孔の内面を構成する骨格部分の表面に比較的平坦かつ気孔率の小さい領域を有し、骨格部分の内部には、表面よりも気孔率の高い領域を有し、上記作用を奏する生体組織補填材を容易に製造することができる。
上記発明においては、前記解こう剤が、アクリル酸アンモニウム系の材料からなることが好ましい。また、前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系の材料からなることが好ましい。
本発明に係る生体組織補填材によれば、十分な初期強度を有して、生体外や生体への埋植時における取り扱い性を向上し、埋植直後における強度を十分に保持することができる。また、細胞が浸透するマクロ気孔の内面を構成する骨格部分の表面が、緻密構造となって比較的平坦に構成されているので、付着した細胞の増殖性を促進することができる。さらに、細胞が骨格部分の表面を吸収した後には、細胞が形成した生体組織によって強度が受け持たれた状態において、比較的気孔率の高い骨格部分の内部が細胞によって早期に吸収される。したがって、早期に患部を修復することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る生体組織補填材の製造方法によれば、上記効果を奏する生体組織補填材を簡易に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る生体組織補填材1について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材1は、図1に模式的に示されるように、全体的に生体吸収性の多孔性材料、例えば、βリン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体からなり、気孔径5μm以上の複数のマクロ気孔2と、気孔径5μm未満の複数のミクロ気孔3とを有している。複数のマクロ気孔2の間には、β−TCPからなる骨格部分4が配置され、該骨格部分4の内部には複数のミクロ気孔3が配置されている。
本実施形態に係る生体組織補填材1は、マクロ気孔2の内面を構成する骨格部分4の表面近傍における気孔率が、それよりも深い位置、すなわち、骨格部分4の内部における気孔率よりも十分に低くなっている。骨格部分4の内部においては、骨格部分4の表面よりも多くの細かい気孔がほぼ均一に分布している。
本実施形態に係る生体組織補填材1は、以下のようにして製造する。
まず、設計したCa/Pモル比(1.50〜1.67)になるように、炭酸カルシウム粉末とリン酸水素カルシウム2水和物とを量り取り、ボールミルポットに移す。次いで、純水を加えて24時間攪拌する。これにより得られたスラリーを乾燥させた後に、750℃〜1000℃の仮焼温度で10時間仮焼し、仮焼粉末を得る。
得られた仮焼粉末に、アクリル酸アンモニウム系の解こう剤、純水およびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系の界面活性剤を添加しスラリーとする。得られたスラリーを乾燥させた後に、1050℃〜1150℃の焼成温度によって1時間〜4時間本焼成する。これにより本実施形態に係る生体組織補填材1が得られる。
仮焼温度が低い粉末ほど活性が高く、得られた生体組織補填材1のマクロ気孔2内面における気孔率が骨格部分4内部における気孔率よりも小さくなることがわかった。また、本焼成の焼成温度が高いほど、あるいは焼成時間が長いほど、得られる生体組織補填材1のマクロ気孔2内面における気孔率が骨格部分4内部における気孔率よりも小さくなることがわかった。したがって、仮焼温度と焼成温度とを組み合わせることにより、上述した生体組織補填材1を容易に製造することができることになる。
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填材1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材1によれば、マクロ気孔2間に存在する骨格部分4のミクロ気孔3が、表面において少なく、内部において多く分布しているので、ミクロ気孔3が均一に多く分布している生体組織補填材と比較すると、骨格部分4の表面近傍のミクロ気孔3の少ない部分が高い強度を有し、骨格部分4が、引っ張りおよび圧縮に対する強度部材として機能する。したがって、生体外において生体組織補填材1を取り扱う際に、容易に崩れてしまったり、患者の患部に形成された生体組織欠損部に補填する際に、押圧力を加えると潰れてしまったりする不都合を防止して取り扱い性を向上することができる。
また、骨格部分4の強度を高めることにより、患者の患部に形成された生体組織欠損部内に埋植した後においても、骨格部分4の表面に形成された気孔率の小さい領域が吸収されて失われるまで、すなわち、埋植直後の初期段階において、骨格部分4が強度部材としての機能を保ち、周囲の生体組織から受ける押圧力に対して、十分な耐圧強度を発揮することができる。
また、本実施形態に係る生体組織補填材1によれば、マクロ気孔2間に存在する骨格部分4のミクロ気孔3が、表面において少なく、内部において多く分布しているので、ミクロ気孔3が骨格部分4の表面にも多く分布している生体組織補填材と比較すると、マクロ気孔2の内面を、気孔の少ない比較的平坦な表面に構成することができる。
例えば、間葉系幹細胞のような接着性の細胞を生体組織補填材1に播種すると、細胞が、マクロ気孔2内部に浸透しマクロ気孔2の内面に形成されているミクロ気孔3を足がかりとして接着する。
この場合において、接着性の細胞が増殖を開始するには、比較的平坦な表面が必要である。したがって、本実施形態に係る生体組織補填材1によれば、マクロ気孔3の内面を構成する骨格部分4の表面が比較的平坦な表面形態を有しているため、接着した細胞が容易に増殖を開始し、かつ、効率よく増殖することができる。
そして、骨格部分4の表面に接着して増殖する細胞は、増殖する間に骨格部分4を構成する生体組織補填材1を骨格部分4の表面から吸収しながら、生体組織を新生していく。例えば、治療しようとする生体組織欠損部が骨欠損部である場合には、間葉系幹細胞が骨芽細胞に分化し、周囲に存在する破骨細胞が生体組織補填材1を吸収し、骨芽細胞が骨基質を形成していくことにより、骨欠損部内において骨組織が再生されていくことになる。
この場合に、生体組織補填材1がマクロ気孔2の内面から吸収されることによって、気孔率の小さい骨格部分4の表面領域が失われるが、その代わりに新生された生体組織によって強度が受け持たれることになるため、その後の強度上の問題は少ない。その一方で、気孔率の小さい骨格部分4の表面領域が失われた後には、細胞は、気孔率の大きい骨格部分4の内部の領域に接触することになる。この時点で、細胞は十分な増殖能力を備えており、平坦な表面がなくても増殖し続けるようになっている。したがって、気孔率の大きな比較的軟質の生体組織補填材1に接触するとこれを迅速に吸収して生体組織を再生することができる。
これにより、生体組織補填材1が埋植された患部を早期に治療することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、均一で大きな気孔率を有する生体組織補填材と比較して、生体外に配置されているときおよび患部に埋植された直後における強度を高くして、その取り扱い性を向上し、マクロ気孔2内面に接着した細胞の増殖を促進することができるという効果がある。一方、均一で小さな気孔率を有する生体組織補填材と比較して、細胞が骨格部分4内部に接触することによる生体組織の形成開始後には、細胞に迅速に吸収されて、患部を早期に治療することができるという効果がある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本願の各請求項の範囲において任意に変更可能である。
本実施例に係る生体組織補填材1を以下のとおりに製造した。
まず、所定のCa/Pモル比となるように炭酸カルシウム粉末とリン酸水素カルシウム2水和物とを量り取り、ボールミルポットに移した。
次いで、純粋を加えて24時間攪拌してスラリーを作成し、これを乾燥した後、仮焼した。仮焼温度は750℃、900℃、1000℃とし、仮焼時間は10時間とした。
このようにして得られた仮焼粉末にアクリル酸アンモニウム系の解こう剤、純水およびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系の界面活性剤を添加してスラリーを作成した。
得られたスラリーを乾燥させた後、本焼成することにより生体組織補填材1を製造した。
焼成温度は、1100℃および1150℃の2通りとし、焼成時間はそれぞれ1時間または4時間とした。
図2は、本実施例に係る生体組織補填材1の縦断面を示す顕微鏡写真である。5μm以上の気孔径を有するマクロ気孔2が複数存在していることがわかる。また、マクロ気孔2の間には、複数の骨格部分4が構成されている。
図3および図4は、それぞれ、仮焼温度を750℃と1000℃とに設定し、焼成温度1150℃、焼成時間1時間とした場合の生体組織補填材1の骨格部分4の表面の状態を示す顕微鏡写真である。これによれば、焼成温度が低いほど粉末の活性が高く、得られる多孔体骨格の表面における気孔が少なくなることがわかる。
また、図5および図6は、仮焼温度750℃、焼成温度1150℃で1時間焼成して構成された本実施形態に係る生体組織補填材1の骨格部分4の表面および内部の状態を示す顕微鏡写真である。図6によれば、骨格部分4の内部には、5μm以下の気孔径を有するミクロ気孔3が比較的均一に分布していることがわかる。これに対して、図5によれば、骨格部分4の表面、すなわち、マクロ気孔2の内面におけるミクロ気孔3は潰れ、内部よりも少ないミクロ気孔3と、比較的平坦な表面とが形成されていることがわかる。
図7および図8は、仮焼温度750℃、焼成温度1100℃で1時間焼成して構成された本実施形態に係る生体組織補填材1の骨格部分4の表面および内部の状態を示す顕微鏡写真である。図8によれば、骨格部分4の内部には、5μm以下の気孔径を有するミクロ気孔3が比較的均一に分布していることがわかる。これに対して、図7によれば、骨格部分4の表面、すなわち、マクロ気孔2の内面におけるミクロ気孔3は潰れ、内部よりも少ないミクロ気孔3と、比較的平坦な表面とが形成されていることがわかる。
また、図5と図7とを比較すると、焼成温度の高い図5の方が、骨格部材4の表面における気孔率が小さくなっていることがわかる。
実施例の実施結果を表1に示す。
Figure 2006101893
本発明の一実施形態に係る生体組織補填材を示す拡大縦断面図である。 図1の生体組織補填材の実施例における断面を示す顕微鏡写真である。 図2の顕微鏡写真の骨格部分表面を拡大して示す顕微鏡写真であって、仮焼温度を750℃に設定したときの骨格部分の表面状態を示す顕微鏡写真である。 図3と同様の顕微鏡写真であって、仮焼温度を1000℃に設定したときの骨格部分の表面状態を示す図である。 図2の顕微鏡写真の骨格部分表面を拡大して示す顕微鏡写真であって、焼成温度を1150℃に設定したときの骨格部分の表面状態を示す顕微鏡写真である。 図5の骨格部分の内部を拡大して示す顕微鏡写真である。 図2の顕微鏡写真の骨格部分表面を拡大して示す顕微鏡写真であって、焼成温度を1100℃に設定したときの骨格部分の表面状態を示す顕微鏡写真である。 図7の骨格部分の内部を拡大して示す顕微鏡写真である。
符号の説明
1 生体組織補填材
2 マクロ気孔
3 ミクロ気孔
4 骨格部分

Claims (5)

  1. 気孔径5μm未満のミクロ気孔を有する生体適合性材料からなる複数の骨格部分の間に、気孔径5μm以上のマクロ気孔を有する多孔性の生体組織補填材であって、
    マクロ気孔の内面に配される骨格部分の表面におけるミクロ気孔の気孔率が、骨格部分の内部における気孔率よりも小さい生体組織補填材。
  2. 炭酸カルシウム粉末とリン酸水素カルシウム2水和物とに純水を加えて構成されたスラリーを乾燥した後に、750℃〜1000℃の温度で1時間〜30時間仮焼して仮焼粉末を作成し、
    得られた仮焼粉末に解こう剤、純水および界面活性剤を添加して構成されたスラリーを乾燥させた後に、900℃〜1200℃の温度で1時間〜4時間焼成することにより製造された生体組織補填材。
  3. 炭酸カルシウム粉末とリン酸水素カルシウム2水和物とに純水を加えて構成されたスラリーを乾燥した後に、750℃〜1000℃の温度で1時間〜30時間仮焼して仮焼粉末を作成し、
    得られた仮焼粉末に解こう剤、純水および界面活性剤を添加して構成されたスラリーを乾燥させた後に、900℃〜1200℃の温度で1時間〜4時間焼成する生体組織補填材の製造方法。
  4. 前記解こう剤が、アクリル酸アンモニウム系の材料からなる請求項2に記載の生体組織補填材の製造方法。
  5. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系の材料からなる請求項2または請求項3に記載の生体組織補填材の製造方法。
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