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JP2006100081A - 導電性ペースト - Google Patents

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JP2006100081A
JP2006100081A JP2004283831A JP2004283831A JP2006100081A JP 2006100081 A JP2006100081 A JP 2006100081A JP 2004283831 A JP2004283831 A JP 2004283831A JP 2004283831 A JP2004283831 A JP 2004283831A JP 2006100081 A JP2006100081 A JP 2006100081A
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JP
Japan
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acid
resistance
polyester resin
conductive paste
mol
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Withdrawn
Application number
JP2004283831A
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English (en)
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Hiroshi Tachika
弘 田近
Yasunobu Sugyo
泰伸 須堯
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】 優れた低温速硬化性を有し、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性及び耐屈曲性を示し、有機フィルムや金属基板、ガラス基板等に優れた接着性を示す導電ペーストを使用した回路材料を提供する。
【解決手段】 導電粉(A)、ポリエステル樹脂の酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたとき、酸成分及び/またはグリコール成分の0.5〜50モル%に二重結合を有するモノマーを共重合しているポリエステル樹脂(B)およびイソシアネート化合物(C)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
【選択図】 なし

Description

本発明は導電性ペーストに関するものであり、さらに詳しくは導電性ペーストをポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル、ナイロンなどのフィルムや金属基板、ガラス基板上に塗布または印刷、硬化することにより導電性を与え、回路を形成したり、電子部品の端子やリード線の接着を行ったり、電子装置を電磁波障害(EMI)から保護することに利用する導電性ペーストに関わるものであり、特に比較的耐熱性の低い基材である、PETフィルムやITO(インジウムチンオキシド)透明導電性フィルムなどに適した、低温硬化性に優れ、耐屈曲性と密着性に優れた導電性ペーストに関する。さらには、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性に優れた、家電を初め、自動車、OA機器などの部品の回路形成や接着剤に適した導電ペーストに関する。
PETフィルムなどに導電性ペーストを印刷したメンブレン回路は軽量であり、キーボードやスイッチなどに広く使用されている。しかしながら、年々要求特性は厳しくなってきており、従来より要求の高かった耐屈曲性、密着性に加え、生産コストと基材の寸法安定性の面より、更なる低温短時間硬化性が要望されている。さらには、パターンのファイン化と共に、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性に優れた導電性ペーストの開発が要望されている。
公知の導電性ペーストとしては、特許文献1がある。このものは、ポリブタジエン系樹脂とイソシアネート基をオキシム系化合物やカプロラクタムでブロック化したブロック化イソシアネート化合物を結合剤に使用したメンブレン回路用の銀ペーストであるが、比較的良好な耐屈曲性を有しているものの、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性での耐久性が不良である。
また、特許文献2ではフレーク状(りん片状)銀粉と共重合ポリエステル樹脂とブロック化イソシアネート化合物を結合剤に使用した耐屈曲性に優れた銀ペーストが知られているが、硬化条件としては、150℃で30分程度必要であり、耐熱性の低いITO導電性フィルムなどには硬化温度が高すぎる問題がある。また、近年のファインパターン化にともなって、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性も劣っている。
速硬化型の公知の導電性ペーストとしては、特許文献3がある。イミダゾールでブロックしたブロック化イソシアネートを硬化剤に用いている導電ペーストであるが、ポットライフに欠点があり、さらには耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性での耐久性が不良である。
ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ナイロンなどのフィルムや金属などに良好な接着性を示す樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などがある。特許文献4、5は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂からなる耐湿性に優れた導電性ペーストであり、特許文献6では、エポキシ樹脂とスルホニウム塩からなる耐熱性、耐湿性に優れた導電性ペーストである。これらの導電ペーストは、折り曲げ部分のRが0mmの360°のような厳しい屈曲性では不良である。また、金属箔、フィルムに対しては良好な密着性が得られない。
特許文献7は、アクリル樹脂からなる耐熱性に優れた導電性ペーストであるが、高温高湿度下での信頼性に劣るという欠点がある。
特許文献8は、ポリアミドイミドシリコン重合体からなる耐熱性、耐湿性に優れた導電性ペーストであり、特許文献9は、ポリアミドイミドシリコン重合体とエポキシ樹脂からなる耐熱性、耐湿性に優れた導電性ペーストである。これらの導電ペーストも、折り曲げ部分のRが0mmの360°のような厳しい屈曲性では不良である。
特許文献10は、レゾール型フェノール樹脂とエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類以上の樹脂からなる耐湿性、耐温度サイクル性に優れた導電性ペーストであるが、折り曲げ部分のRが0mmの360°のような厳しい屈曲性では不良である。
特開昭59−206459号公報 特開平1−159906公報 特開昭60−223871号公報 特開平8−245764号公報 特開平7−278274号公報 特開平9−259636号公報 特開昭55−149356号公報 特開平6−116517号公報 特開平6−136300号公報 特開平7−41706号公報
導電ペーストに使用するバインダ樹脂組成物において良好な接着性、屈曲性を得ようとすると、通常ガラス転移点温度を10℃以下のポリエステルを主体とした主剤と硬化剤としてブロックイソシアネート化合物を配合して使用するが、バッチ式オーブンの場合130〜170℃で30分程度の加熱が必要となる。IR(遠赤外線)のコンベアオーブンの場合でも基材表面温度150℃で3分以上かかる。このように高温で硬化すると、基材にダメージを与える問題があり、使用できる基材が限定される。また、充分な硬化をしても主剤となるポリエステル樹脂に柔軟なものを用いているため、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性に劣る問題がある。
これらの導電性ペーストを低温短時間硬化で使用すると、充分な硬化が得られず、密着性や硬度の低下が認められ、さらには、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が著しく不良となる。
また、近年ではITO蒸着透明導電性フィルムを基材とした場合、カールや寸法安定性の問題がある。また、PETフィルムを基材に用いる場合においても、フィルムからのオリゴマー発生抑制や生産性向上のため、低温短時間硬化が強く求められている。
一方、硬化剤を配合しない乾燥タイプの導電性ペーストも使用されているが、低温速硬化性は良好であるが、ITO蒸着透明導電性フィルムに対する密着性に劣り、PETフィルムに使用した場合においては、耐屈曲性、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性などが劣り、用途が限定される問題がある。
本発明者等はこうした問題を解決するために、優れた接着性と屈曲性を有し、かつ、低温速硬化性と耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性等の耐久性を合わせ持ち、さらには耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性にも優れた導電ペーストに好適な樹脂組成物を鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂の酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたとき、酸成分及び/またはグリコール成分の0.5〜50モル%に二重結合を有するモノマーを含むポリエステル樹脂は、優れた接着性と屈曲性を有し、かつ、イソシアネート化合物との反応性に優れ、低温硬化が可能となり、さらには、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性にも優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、導電粉(A)、ポリエステル樹脂の酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたときに、酸成分及び/またはグリコール成分の0.5〜50モル%に二重結合を有するモノマーを共重合しているポリエステル樹脂(B)およびイソシアネート化合物(C)を含むことを特徴とする導電性ペーストに関する。
本発明の導電性ペーストは、ポリエチレンテレフタレート、ITO蒸着PETフィルム、塩化ビニル、ナイロンなどのフィルムや金属基板、ガラス基板等に優れた接着性と屈曲性を有し、さらに、従来技術では得られなかった優れた低温速硬化性を有し、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性などの耐久性を合わせ持つ。さらには、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性に優れる。このことにより、電気製品、電子部品、自動車間連用途等の非常に過酷な分野において、高度な要求品質に応えることができる。
本発明に使用する導電粉(A)は、銀粉単独または銀粉を主体とするものが好ましい。銀粉の形状としては、公知のフレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)、球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状などがあるが、この内フレーク状銀粉、球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状の銀粉が特に好ましい。
フレーク状銀粉としては光散乱法により測定した平均粒子径(50%D)が1〜15μmのものが好ましく、より好ましくは2〜8μm、さらに好ましくは2〜5μmである。
導電粉としては、銀粉の他にカーボンブラック、グラファイト粉などの炭素系のフィラー、金粉、白金粉、パラジウム粉などの貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉などの卑金属粉、銀などの貴金属でめっき、合金化した卑金属粉、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどの無機フィラー、などを銀粉に混合して使用できるが、導電性、耐湿性などの環境特性、コスト面より、カーボンブラックおよび/またはグラファイト粉を銀粉主体の全導電粉中に20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下で配合することが好ましい。もちろんカーボンブラックおよび/またはグラファイトを主体としたものも銀系と比較して抵抗値はかなり高いが、安価で化学的に安定であるので用途によっては使用できる。
本発明に使用する導電粉(A)と結合剤の配合比は、導電粉の種類によって異なるが、(A)が銀粉主体の場合は(A)/結合剤比が60/40〜95/5(重量比)が好ましく、より好ましくは80/20〜90/10である。(A)が(A)/結合剤比において60未満では良好な導電性、耐屈曲性、耐熱性や耐湿性や耐熱衝撃性等の耐久性が得られないことがあり、95を越えると耐屈曲性、密着性が低下することがある。
導電粉(A)がカーボンブラックおよび/またはグラファイト主体の場合は、(A)/結合剤比が40/60〜70/30(重量比)が好ましく、より好ましくは45/55〜65/35である。(A)が(A)/結合剤比において60未満では良好な導電性、耐屈曲性、耐熱性や耐湿性や耐熱衝撃性等の耐久性が得られないことがあり、70を越えると耐屈曲性、密着性が低下することがある。
本発明に使用する結合剤は、ポリエステル樹脂の酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたとき、酸成分及び/またはグリコール成分の0.5〜50モル%に二重結合を有するモノマーを共重合しているポリエステル樹脂(B)およびイソシアネート化合物(C)を含むことを特徴とする。
このポリエステル樹脂系を結合剤に使用することにより、良好な密着性、耐屈曲性の他に、驚くべきことにこれまで得られなかった優れた低温硬化性とさらには、優れた耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が得られる。
本発明に使用するポリエステル樹脂(B)は、酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたとき、酸成分および/またはグリコール成分の0.5〜50モル%に二重結合を有するモノマーを共重合していることが必要である。メカニズムは不明であるが、この不飽和基を含有するポリエステル樹脂(B)と硬化剤としてのイソシアネート化合物(C)を配合することにより、好ましくは錫系化合物(E)などの触媒を併用することにより、従来のポリエステル樹脂と比較して著しく硬化速度が速くなり、また、硬化温度も低減できる。
本発明に用いるポリエステル樹脂(B)は酸成分及び/またはグリコール成分の一部に二重結合を有するモノマーを共重合しており、ポリエステル樹脂の酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたとき、その共重合量が酸成分及び/またはグリコール成分の0.5〜50モル%含有する。好ましくは2〜30モル%であり、更に好ましくは5〜20モル%である。二重結合を含有するモノマーが0.5モル%未満の場合、ポリエステル樹脂(B)とポリイソシアネート化合物(C)との硬化性に効果が薄くなる場合があり、また50モル%を越えると二重結合開裂によるゲル化の可能性が高くなり高分子量のポリエステルの製造が困難になることがある。
また本発明に用いるポリエステル樹脂(B)の二重結合濃度はポリエステル樹脂(A)中に10〜2500当量/106gであることが好ましく、より好ましくは50〜1500当量/106gであり、更に好ましくは150〜1000当量/106gである。二重結合濃度は上記二重結合を有するモノマーの共重合量を調節することで調節する。10当量/106g未満では硬化性に効果が薄くなる場合があり、2500当量/106gを超えると高分子量のポリエステルの製造が困難になることがある。二重結合濃度はポリエステル樹脂の1H−NMR測定により二重結合に結合したプロトン比をもとに決定する値であり、単位は当量/106gで表し、樹脂1トン中に含まれる二重結合の当量数を示すものである。
本発明に用いるポリエステル樹脂(B)に二重結合を有するモノマーを共重合するには例えば不飽和二重結合を含有するジカルボン酸使用する。不飽和二重結合を含有するジカルボン酸としては、α、β−不飽和ジカルボン酸類としてフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、不飽和二重結合を含有する脂環族ジカルボン酸として2,5−ノルボルナンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸等を挙げることができる。この内短時間硬化を可能とする点で好ましいものはフマル酸、マレイン酸および2,5−ノルボルネンジカルボン酸(エンド−ビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸)であり、特に好ましいものはフマル酸である。
ポリエステル樹脂(B)に共重合するその他の酸成分は、全酸成分のうち芳香族ジカルボン酸が60モル%以上が好ましく、より好ましくは70モル%以上である。芳香族ジカルボン酸が60モル%未満では塗膜の強度が低下し、低温の耐屈曲性、耐熱性や耐湿性や耐熱衝撃性等の耐久性などが低下する場合がある。また、高度の耐湿性が要求される場合は、芳香族ジカルボン酸が80モル%以上が好ましく、耐屈曲性の面より、後述する主鎖の炭素数が5以上の脂肪族グリコールと組み合わせて共重合することが特に好ましい。
ポリエステル樹脂(B)に共重合するその他のジカルボン酸の内、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。この内、物性面と溶剤溶解性からテレフタル酸とイソフタル酸を併用することが好ましい。さらに、その他のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、炭素数12〜28の二塩基酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸挙げられる。
本発明に使用するポリエステル樹脂(B)に共重合するグリコール成分は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコールを挙げることができる。さらに、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類やp−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸もポリエステル樹脂の原料として挙げられる。
これらのうち、溶剤溶解性を付与するために、側鎖としてアルキル基を有するグリコールを30モル%以上共重合することが好ましい。より好ましくは40モル%以上共重合することが好ましい。側鎖にアルキル基を有するグリコールとは例えば1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのうち、溶剤溶解性と硬化性の面より、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
さらに、耐屈曲性と耐湿性などの耐久性の面より、主鎖の炭素数が5以上の脂肪族グリコールを共重合することが好ましい。具体例としては、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられ、単独または2種類以上を組み合わせて使用する。これらの長鎖のグリコールを使用することにより、良好な接着性と屈曲性と耐熱性が得られ、さらに驚くべきことに著しく耐湿性が向上する。特に、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが好ましく、これらを70モル%以上で使用することが好ましい。
さらに、脂環族グリコールを共重合しても良い。脂環族グリコールはガラス転移点温度を下げずに、耐屈曲性、耐衝撃性を向上する効果がある。また、耐湿性などの耐久性も良好である。脂環族グリコールとしては1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカングリコール、ダイマージオールなどが挙げられる。このうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールが溶解性、耐湿性の面から好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の好ましいガラス転移点温度は25℃以下、より好ましくは−20〜15℃である。
また、発明の内容を損なわない範囲でビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物やトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリンなどの多価ポリオールを併用してもよい。
また、イソシアネート化合物との反応性を向上する目的で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価のカルボン酸を全酸成分の5モル%以下で共重合することが特に好ましい。さらに、ポリエステル樹脂を重合後にε−カプロラクトンを末端に付加することが好ましい。末端をラクトン変性することにより、イソシアネート化合物との反応性がさらに向上する。また、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩などのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を併用してもよい。また、ポリエステル樹脂を重合後、無水トリメリット酸、無水フタル酸などの酸無水物を後付加して酸価を付与してもよい。
本発明の導電性ペーストにはラジカル重合禁止剤(D)を添加することが好ましい。主にはポリエステル樹脂(B)を重合する際に二重結合開裂によるゲル化防止のために用いられるものであるが、ポリエステル樹脂の貯蔵安定性を高めるために重合後に添加しても良い。ラジカル重合禁止剤(D)としてはフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、無機化合物系酸化防止剤など公知のものが例示できる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4,4’−ブチルデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス−メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレートなど、またはそれらの誘導体等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシルホスファイト)、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイトなど、またはそれらの誘導体等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、フェニル−β−ナフチルアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、アルドール−α−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンポリマーなど、またはそれらの誘導体等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン、2−メルカプトベンチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルイソプロピルキサンテートなど、又はそれらの誘導体が挙げられる。
ニトロ化合物系酸化防止剤としては、1,3,5−トリニトロベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、p−ニトロソジメチルアニリン、1−クロロ−3− ニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、ニトロベンゼン、2−ニトロ−5−シアノチオフェンなど、又はそれらの誘導体が挙げられる。
無機化合物系酸化防止剤としては、FeCl3、Fe(CN)3、CuCl2、CoCl3、Co(ClO43、Co(NO33、Co2(SO43等が挙げられる。
本発明に用いるラジカル重合禁止剤(D)としては、上記の酸化防止剤の中で、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が熱安定性の点で好ましく、融点が120℃以上で分子量が200以上のものがより好ましく、融点が170℃以上のものがさらに好ましい。具体的には、フェノチアジン、4,4’−ブチルデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などである。
またラジカル重合禁止剤(D)の添加量は、ポリエステル樹脂(B)100重量部に対し0.001〜0.5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.01〜0.1重量部である。0.001重量部未満ではポリエステル重合時の熱安定性が低く二重結合開裂によるゲル化の恐れがあり高分子量のポリエステルを製造するのが困難になる場合があり、0.5重量部を越えると硬化塗膜の物性等に悪影響を与える可能性がある。
本発明に使用するポリエステル樹脂(B)の数平均分子量は3,000以上、好ましくは8,000以上、さらに好ましくは15,000以上である。数平均分子量が3,000未満であると耐屈曲性が低下する。また、ペースト粘度が低下してしまうことがある。ポリエステル樹脂(B)の還元粘度としては0.2dl/g以上が好ましく、より好ましくは0.4dl/g以上、さらに好ましくは0.5dl/g以上である。
本発明のポリエステル樹脂(B)は、接着性、屈曲性、及び溶剤溶解性などから融点を有しない(非結晶)ことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂(B)は、発明の内容を損なわない範囲で本発明のポリエステル樹脂(B)以外のポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、水素添加ポリブタジエン系樹脂、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)などの変性セルロース類、ポリアミドイミド樹脂を特性を落とさない範囲で配合してもよい。
ポリエステル樹脂(B)はエステル交換法、直接重合法などの公知の方法により重合される。
本発明の導電性ペーストは、ポリエステル樹脂(B)と反応し得る硬化剤としてイソシアネート化合物(C)を配合する必要がある。イソシアネート化合物(C)の好ましい配合量は、ポリエステル樹脂(B)100重量部に対して1〜40重量部、より好ましくは5〜40重量部である。さらには、貯蔵安定性の面より、ブロック化して使用することが好ましい。イソシアネート化合物(C)が1重量部未満では十分硬化しない。また、40重量部を超えると脆くなったり、十分反応しなくなる可能性場合がある。
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
ブロックイソシアネート化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類,エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第三級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類がとくに好ましい。
さらには、硬化触媒を配合することが好ましい。イソシアネートの硬化触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の錫系、ジンクネオデカノエート等の亜鉛系、ビスマスネオデノカネート、ビスマス2−エチルヘキサノエート等のビスマス系、K−KAT XC−4205、XC−6121(楠本化成(株)製)等のジルコニウム系、K−KAT XC−5218(楠本化成(株)製)等のアルミニウム系、オクチル酸カリウム、酢酸カリウム等のカリウム系、テトラエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジンなど東ソー(株)のカタログに記載のアミン系触媒、1,8−ジアサビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5、U−CAT SAシリーズ、U−CATシリーズ、POLYCAT8(サンアプロ(株)製)、カオライザーシリーズ(花王(株)製)等のアミン系が挙げられるが、この内、特に錫化合物(E)が特に好ましい。
硬化触媒の配合量は、ポリエステル樹脂(B)100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.3重量部である。
本発明の導電性ペーストにおいては、イソシアネート化合物以外の硬化剤を併用しても良い。イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂などのアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの公知の化合物が挙げられる。
これらのその他の硬化剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。
本発明には溶剤を併用して良い。その種類に制限はなく、エステル系、ケトン系、エーテルエステル系、塩素系、アルコール系、エーテル系、炭化水素系などが挙げられる。このうち、スクリーン印刷する場合はエチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、イソホロン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどの高沸点溶剤が好ましい。
本発明の導電ペーストには、公知の消泡剤、レベリング剤、分散剤等の添加剤を添加してもよい。
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、単に部とあるものは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
1.還元粘度、ηsp/c(dl/g)
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25ccに溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
2.分子量
GPCによりポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
3.ガラス転移点温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプした。
4.酸価(mgKOH/g)
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。
5.テストピースの作成
導電性ペーストを厚み75μmのアニール処理PETフィルムに乾燥後の膜厚が8〜10μmになるように線幅0.5mmで長さ75mmのパターン(耐屈曲試験用)と25mm幅で長さ50mmのパターン(比抵抗測定用、耐熱性測定用、耐湿性測定用、耐熱衝撃性用、耐コネクター挿抜性用、耐コネクターブロッキング性用)をスクリーン印刷した。これを、コンベア式の遠赤外線オーブンを用い、基材フィルムの表面温度が120℃で3分の条件で乾燥したものをテストピースとした。密着性と硬度については、ITO蒸着PETフィルムについてもPETフィルムと同様に評価した。尚、ITO蒸着PETフィルムは厚み188μmのRNA500(東洋紡績(株)製)をそのまま用いた。
6.比抵抗
5.で作成したテストピースを用い、膜厚と4深針抵抗測定器を用いてシート抵抗膜厚を測定し、これらより比抵抗を算出した。
7.密着性
5.で作成したテストピースをセロハンテープ剥離試験により評価した。
8.鉛筆硬度
5.で作成したテストピースを厚さ2mmのSUS304板上に置き、JIS S−6006に規定された高級鉛筆を用い、JIS K−5400に従って測定し、傷の有無で判断した。
9.耐屈曲性
5.で作成したテストピースを25℃、荷重50g/cm2、R=0の条件で同一箇所で360度屈曲を5回繰り返し導体の抵抗変化率で評価した。
抵抗変化率(%)={(R−R○)/R○}×100
ただし、R○=初期回路抵抗 R=屈曲試験後の抵抗値
○:抵抗変化率が200%以下
△:抵抗変化率が200%超、1000%以下
×:抵抗変化率が1000%超
××:屈曲5回以内に断線
10.耐湿性
5.で作成したテストピースを85℃、相対湿度85%RHで500時間恒温恒湿器中で熱処理した後、導体の密着性、鉛筆硬度、耐屈曲性を評価した。基材は75μmのPETフィルムを用いた。
11.耐コネクター挿抜性
5.で作成したテストピースの裏面に125μmの補強フィルムを粘着したものをファインピッチのコネクターを用いて10回挿抜を繰り返し、導電ペースト塗膜の剥がれの程度で評価した。
○:剥がれなし
△:わずかに剥離する
×:剥離する
12.耐コネクターブロッキング性
5.で作成したテストピースの裏面に125μmの補強フィルムを粘着したものにファインピッチのコネクターを装着し、60℃、95%RHの条件下で500時間放置し、コネクターから抜き取り導電ペースト塗膜の穴あきの程度で評価した。
○:穴あきなし
△:わずかに穴あきあり
×:穴あきあり
合成例.1(ポリエステル樹脂a)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸19部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.102部、ラジカル重合禁止剤としてのフェノチアジン0.043部を仕込み、180℃で3時間エステル交換を行った。ついで、セバシン酸61部、フマル酸12部を仕込み、エステル化を行った。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、2時間重合した。得られたポリエステル樹脂の組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸/フマル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/10/30/10//55/45(モル比)で還元粘度0.70dl/g、数平均分子量22,000、酸価1.1mgKOH/g、ガラス転移点温度6℃であった。結果を表1に示す。
合成例.2(ポリエステル樹脂b)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸85部、無水トリメリット酸1.9部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール236部、テトラブチルチタネート0.102部を仕込み、ラジカル重合禁止剤としてのフェノチアジン0.048部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。ついで、フマル酸6部を仕込み、エステル化を行った。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、2時間重合した。得られたポリエステル樹脂の組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/フマル酸/トリメリット酸//3−メチル−1,5−ペンタンジオール=50/44/5/1//100(モル比)、還元粘度0.45dl/g、数平均分子量12,000、酸価0.7mgKOH/g、ガラス転移点温度0℃であった。結果を表1に示す。
合成例.3(ポリエステル樹脂c)
合成例.1と同様にしてポリエステル樹脂cを合成した。フェノチアジンは合成例.1と同様、得られたポリエステル樹脂に対し200ppmになるように添加した。得られたポリエステル樹脂の組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/フマル酸//2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=30/55/15//50/50(モル比)、還元粘度0.55dl/g、酸価0.5mgKOH/g、ガラス転移点温度25℃であった。結果を表1に示す。
合成例.4(ポリエステル樹脂d)
合成例.1と同様にしてポリエステル樹脂dを合成した。得られたポリエステル樹脂の組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/フマル酸/トリメリット酸//3−メチル−1,5−ペンタンジオールジオール/1,4−シクロヘキサンジメタノール=50/39/10/1//80/20(モル比)、還元粘度0.65dl/g、数平均分子量21,000、酸価0.9mgKOH/g、ガラス転移点温度3℃であった。結果を表1に示す。
比較合成例.5(比較ポリエステル樹脂e)
合成例.1と同様に、比較ポリエステル樹脂dを合成した。ただし、二重結合を含むモノマーを使用しなかったので、フェノチアジンは配合しなかった。得られたポリエステル樹脂の組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/20/30//55/45(モル比)であった。還元粘度0.75dl/g、数平均分子量23,000、酸価1.5mgKOH/g、ガラス転移点温度7℃であった。結果を表2に示す。
比較合成例.6〜8
合成例.1と同様に、比較ポリエステル樹脂f〜hを合成した。比較ポリエステル樹脂fは二重結合を含むモノマーを使用しなかったが、合成例と条件を合わせるために、フェノチアジンを得られたポリエステル樹脂に対し、200ppm添加した例である。結果を表2に示す。
銀粉A−1の調整
市販のフレーク状銀粉をそのまま用いた。光散乱法による平均粒子径(50%D)は4.5μm、比表面積0.7m2/gであった。
実施例1
銀粉A−1 89部、ポリエステル樹脂aのブチルセロソルブアセテート溶解品9.6固形部、ブロックイソシアネート化合物としてコロネート2507を1.4固形部、レベリング剤としてのポリフローSを0.5部を配合し、硬化触媒としてのジブチルチンジラウレート0.02部を充分プレミックスした後、チルド3本ロール混練り機で、3回通して分散した。得られた銀ペーストを5.に記述した方法で印刷、乾燥し評価した。比抵抗は5.5×10-5Ω・cmで良好であった。耐屈曲性は、25℃、R=0、360度屈曲5回後の抵抗変化率が+35%であり、断線は認められず、非常に良好であった。また、耐湿性はやや物性の低下が認められたが、実用範囲内であった。さらに、低温短時間で硬化したにもかかわらず、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性も非常に良好であった。また、低温短時間硬化にもかかわらず、ITO蒸着PETフィルムへの良好な密着性、硬度が得られた。結果を表3に示す。
実施例1と同様に実施例2〜4の導電性ペーストを作成、評価した。結果を表2に示す。いずれの実施例も低温短時間の硬化条件で良好な反応性を示し、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性も含めて諸物性は良好である。
実施例2はポリエステル樹脂bを用いた例であるが、このように主鎖の炭素数が5以上のグリコールを用いるとさらに、85℃、85%RHのような厳しい耐湿性にも物性変化はなく良好であった。実施例3、4はポリエステル樹脂c、dを用いた例であるが、主鎖の炭素数が5未満であっても側鎖含有グリコールあるいは脂環族グリコールを使用することにより、良好な耐湿性が得られている。
実施例1と同様に比較例1〜4の導電性ペーストを作成、評価した。結果を表4に示す。
比較例1〜3は2重結合を有しないポリエステル樹脂の例であるが、低温短時間の硬化条件では、硬化性に劣り、密着性、硬度、耐屈曲性などの基本物性に劣り、さらには、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性は全く不良であった。
比較例4は、本発明のポリエステル樹脂aを用いた場合であるが、硬化剤としてのイソシアネート化合物のない場合である。ポリエステル樹脂aは低Tgのポリエステル樹脂であるので、硬化剤がなければ著しく性能に劣る。
比較例5は、高Tgの比較ポリエステル樹脂hを用いて、硬化剤を配合せず蒸発乾燥型にした例であるが、硬度、密着性は良好であるが、耐屈曲性に劣り、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性は全く不良であった。
Figure 2006100081
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Figure 2006100081
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本発明の導電性ペーストは、ポリエチレンテレフタレート、ITO蒸着PETフィルム、塩化ビニル、ナイロンなどのフィルムや金属基板、ガラス基板等に優れた接着性と屈曲性を有し、さらに、従来技術では得られなかった優れた低温速硬化性を有し、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性などの耐久性を合わせ持つ。さらには、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性に優れる。このことにより、電気製品、電子部品、自動車間連用途等の非常に過酷な分野において、高度な要求品質に応えることができる。

Claims (6)

  1. 導電粉(A)、ポリエステル樹脂の酸成分、グリコール成分それぞれの合計を100モル%としたときに、酸成分及び/またはグリコール成分の0.5〜50モル%に二重結合を有するモノマーを共重合しているポリエステル樹脂(B)およびイソシアネート化合物(C)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
  2. 二重結合を有するモノマーがフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸無水物及びテトラヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. さらにラジカル重合禁止剤(D)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. ポリエステル樹脂(B)、イソシアネート化合物(C)、及びラジカル重合禁止剤(D)の配合比が、(B)/(C)/(D)=100/1〜40/0.001〜0.5(重量比)であることを特徴とする請求項3に記載の導電性ペースト。
  5. 硬化触媒として錫化合物(E)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. イソシアネート化合物(C)がブロック化されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008231151A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Dic Corp 湿気硬化型ホットメルト接着剤ならびにこれを用いた造作部材およびフラッシュパネル
KR20140003370A (ko) 2010-07-23 2014-01-09 다이요 홀딩스 가부시키가이샤 도전성 수지 조성물
JP5568679B1 (ja) * 2013-01-30 2014-08-06 太陽インキ製造株式会社 導電性樹脂組成物及び導電回路
WO2015152208A1 (ja) * 2014-04-02 2015-10-08 東洋紡株式会社 感光性導電ペースト、導電性薄膜、電気回路、及びタッチパネル

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