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JP2006099924A - レンズユニット、及び光ピックアップ装置 - Google Patents

レンズユニット、及び光ピックアップ装置 Download PDF

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JP2006099924A JP2004316767A JP2004316767A JP2006099924A JP 2006099924 A JP2006099924 A JP 2006099924A JP 2004316767 A JP2004316767 A JP 2004316767A JP 2004316767 A JP2004316767 A JP 2004316767A JP 2006099924 A JP2006099924 A JP 2006099924A
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徹 木村
Takemi Miyazaki
岳美 宮崎
Yuichi Shin
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Konica Minolta Opto Inc
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Abstract

【課題】 組立工程を複雑化することなく、BDに対応した互換タイプの対物レンズの結像特性を簡易に向上させることができるレンズユニットを提供すること。
【解決手段】 マーカM1,M2を利用して、対物レンズ本体1の光軸OA1方向の延びる光路に関して対物レンズ本体1の中心と回折レンズ2の中心とを一致させる。この場合、第1及び第2面2a,2bの傾斜角は3゜となって、第1面2aの移動量は11μmとなる。この状態において、第1面2aのシフトに起因するDVD用の波長655nmに関するコマ収差は+71mλとなり、第1面2aの傾斜に起因するコマ収差は+35mλとなり、第2面2bの傾斜に起因するコマ収差は−105mλとなるので、対物レンズユニット50全体としてのコマ収差は0mλとなる。よって、回折レンズ2の傾斜角θの値に関わらず、対物レンズユニット50として発生するコマ収差を略ゼロとすることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光ピックアップ用の光ヘッドに組み込まれる対物レンズ等として好適なレンズユニットに関し、さらに、かかるレンズユニットからなる光ピックアップ装置に関する。
これまで、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(デジタル・ビデオ・ディスク)等の光情報記録媒体に対して情報の再生・記録を行うための各種光ピックアップ装置が開発・製造され、一般に普及している。かかる光ピックアップ装置に組み込まれる光ヘッド装置として、CD及びDVDの双方を安定して記録・再生すべく、対物レンズ本体を位相制御素子とともにホルダに固定して一体化したものが存在する。この際、対物レンズ本体及び位相制御素子に中心軸合わせ用の位置決めマークをそれぞれ設けて偏心を防止し、波面収差の低減を達成している(特許文献1参照)。
特開2001−6203号公報
しかし、上記のような光ヘッド装置において、対物レンズ本体と位相制御素子とのアライメントは、両者が極めて近接して配置されることが前提であり、両者が離れるほどアライメント精度が下がってしまう。
さらに、最近では、より高密度化したBD(Blu-ray)或いはHD(HD DVD)系の光ピックアップ装置が開発されており、DVD及びBD、或いはDVD及びHDに対応した互換タイプの対物レンズに対するニーズがある。この種の対物レンズでは、一般的に、BD、或いはHDに対して収差補正された対物レンズ本体に、位相制御素子によりDVDに対する互換性を与える構成を有するため、位相制御素子の対物レンズ本体に対する位置や傾き、特に、位相制御素子に形成させる位相構造の対物レンズ本体に対するシフト偏心が長波長側のDVD系の結像特性に重大な影響を与えることになるので、位相制御素子のアライメントに数ミクロンの精度が要求される。
そこで、本発明は、対物レンズ本体と位相制御素子との距離に拘わらず、両者のアライメント精度を簡易に向上させることができるレンズユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、組立工程を複雑化することなく、BD或いはHDに対応した互換タイプの対物レンズの結像特性を簡易に向上させることができるレンズユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、上述のようなレンズユニットを組み込んだ高精度の光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るレンズユニットは、(a)光情報記録媒体側に配置され固有の第1光軸を有する対物レンズ本体と、(b)光源側に配置され固有の第2光軸を有する位相制御素子と、(c)対物レンズ本体に対して、第2光軸が第1光軸に対して所定量だけ傾斜した状態で位相制御素子を固定するとともに、第2光軸が通過する位相制御素子の対向表面上の2つの中心点の少なくとも一方を、第1光軸を通って延びる中心延長光路上にアライメントした状態に保持する支持部材とを備える。ここで、「位相制御素子」とは、位相構造を有する光学素子を意味し、「位相構造」とは、第2光軸方向の段差を複数有し、入射光束に対して光路差(位相差)を付加する構造の総称である。この段差により入射光束に付加される光路差は、入射光束の波長の整数倍であっても良いし、入射光束の波長の非整数倍であっても良い。このような位相構造の具体的な例としては、上記の段差が光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置された回折構造や、上記の段差が光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置された光路差付与構造(位相差付与構造ともいう)である。
上記レンズユニットでは、支持部材が、位相制御素子の対向表面上の2つの中心点の少なくとも一方を、第1光軸を通って延びる中心延長光路上にアライメントした状態に保持するので、位相制御素子の傾斜量に関わらず、レンズユニットとしてのコマ収差を低減することができる。すなわち、対物レンズ本体と位相制御素子との双方を利用した結像では、対物レンズ本体に対して位相制御素子が傾斜しても、位相制御素子の中心点の一方を対物レンズ本体の第1光軸を通って延びる中心延長光路上にアライメントして配置することで、コマ収差の発生を抑えることができる。よって、対物レンズ本体と位相制御素子との距離や相互間の相対的傾斜に拘わらず、レンズユニットの光学性能を簡易に向上させることができる。
また、本発明の具体的観点又は態様では、上記レンズユニットにおいて、位相制御素子が、少なくとも2つの異なる波長の使用光に対する互換性を対物レンズ本体に与え、少なくとも2つの使用光のうち波長が長い方を使用する際に、開口数が0.6以上の状態となっている。この場合、高NAのレンズユニットによって高密度の記録が可能となり、位相制御素子のアライメントに例えばサブミクロン以下の精度が要求されるが、上述のようにコマ収差の発生を抑えることができ、レンズユニットに要求される光学性能を簡易に達成することができる。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子が、少なくとも2つの異なる波長の使用光に対する互換性を対物レンズ本体に与え、少なくとも2つの使用光のうち波長が長い方を使用する際に、第2光軸が第1光軸に対して3μmだけ平行にシフトさせた場合に、波長をλとして5mλRMS以上のコマ収差を生じさせる。ただし、RMSは、「Root Meam Square」を表す。この場合、位相制御素子のアライメントに数ミクロン以下の精度が要求されるが、上述のようにコマ収差の発生を抑えることができ、レンズユニットに要求される光学性能を簡易に達成することができる。
また、本発明の別の具体的態様では、支持部材が、位相制御素子の対向表面上のうち位相構造が形成される表面上の中心点を、第1光軸を通って延びる中心延長光路上にアライメントした状態に保持する。この場合、コマ収差の発生を位相構造の形成面に合わせて確実に抑えることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子が、対向表面を有する平板状の部材であり、対向表面のうち少なくとも一方のうち第2光軸の周囲の中央領域に位相構造を有し、第2光軸の周囲の周辺領域に平坦面を有する。この場合、位相制御素子の中央領域への入射光を利用した集光と、位相制御素子全面への入射光を利用した比較的高NAの集光とを行うことができる。
また、本発明の別の具体的態様では、少なくとも2つの使用光うち波長が長い方を使用する際に、位相制御素子の中央領域に当該波長の長い使用光を入射させる。この場合、一般に記録密度の低い長波長の使用光で、位相制御素子の中央領域の位相構造を利用した集光が行われ、一般に記録密度のより高い短波長の使用光で、位相制御素子全面を利用したより高NAの集光が行われる。なお、短波長の使用光の集光に際しては、例えば位相構造が集光に関して作用しないようにする。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子の2つの中心点の少なくとも一方と、第1光軸が通過する対物レンズ本体の対向表面上の2つの中心点の少なくとも一方とに、位置決めマークが形成されている。この場合、位相制御素子と対物レンズ本体との双方に設けた位置決めマークを利用した簡易なアライメントが可能になる。
また、本発明の別の具体的態様では、対物レンズ本体が、位相制御素子側の中心点に位置決めマークを有する。この場合、位相制御素子側から対物レンズ本体を観察しやすくなる。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子が、位相制御素子の対向表面上のうち位相構造が形成される表面上の中心点に位置決めマークを有する。この場合、位相制御素子の位相構造を基準として位相制御素子のアライメントを行うことができる。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子が、位相構造として、回折構造及び光路差付与構造のうち少なくとも1つを有する。
また、本発明の別の具体的態様では、位相構造が、少なくとも2つの使用光うち波長が短い方に対しては位相差を付加せず、波長の長い方に対しては位相差を付加する。この場合、波長の短い使用光で対物レンズ本体を用いた集光が可能になり、波長の長い使用光で対物レンズ本体と位相制御素子とを用いた集光が可能になる。
また、本発明の別の具体的態様では、少なくとも2つの異なる波長の使用光に用いられるレンズユニットであって、位相制御素子の対向表面の一方が、少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの1つである第1波長の光に対して作用する第1位相構造を有し、対向表面の他方が、少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの他の1つである第2波長の光に対して作用する第2位相構造を有する。この場合、レンズユニットを2波長或いは3波長に対応した集光特性を有するものとでき、レンズユニットとしてコマ収差の発生を低減して、レンズユニットの光学性能を向上させることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子が、第1及び第2位相構造のうち偏心によって発生するコマ収差の影響が多い方を基準として、対物レンズ本体に対して位置合わせされた状態で支持部材に保持されている。この場合、コマ収差に対する影響の大きな位相構造側を精密にアライメントすることで、レンズユニットの光学性能を全体として向上させることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、対物レンズ本体が、位相制御素子側の中心点に位置決めマークを有し、位相制御素子が、第1及び第2位相構造のうち偏心によって発生するコマ収差の影響が多い方が形成される表面上の中心点に位置決めマークを有する。
また、本発明の別の具体的態様では、少なくとも2つの異なる波長の使用光に用いられるレンズユニットであって、対向表面の一方が、少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの1つである第1波長の光に対して作用する第1位相構造を有し、対向表面の他方は、少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの他の1つである第2波長の光に対して作用する第2位相構造を有し、支持部材が、位相制御素子の対向表面上の2つの中心点を、中心延長光路から当該中心延長光路に垂直な反対方向にずれた状態に保持する。この場合、レンズユニットを2波長或いは3波長に対応した集光特性を有するものとでき、第1及び第2位相構造によって生じる各波長のコマ収差を適宜調整させつつ、レンズユニットとしてのコマ収差の発生を低減することができる。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子が、第1及び第2位相構造の偏心によってそれぞれ発生するコマ収差の影響が略均衡するように、対物レンズ本体に対して位置合わせされた状態で支持部材に保持されている。この場合、第1及び第2位相構造によって生じる各波長のコマ収差をバランスさせることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、対物レンズ本体は、位相制御素子側の中心点に位置決めマークを有し、位相制御素子は、対向表面上の各中心点に位置決めマークを有する。
また、本発明の別の具体的態様では、位相制御素子、対物レンズ本体、及び支持部材の少なくとも1つは、第2光軸の第1光軸に対する傾斜方向を示す傾斜マークを有する。この場合、位相制御素子の傾斜を配慮して光ピックアップ装置を組み立てることができる。
また、本発明に係る第1の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の記録面上にスポットを形成するための上述のレンズユニットを備え、光情報記録媒体の情報を読み取り、若しくは光情報記録媒体に情報を書き込むことができる。
上記光ピックアップ装置では、レンズユニットの光学性能を組立工程の複雑化を伴うことなく簡易に向上させることができるので、高精度で光情報の記録及び/又は再生が可能になる。
本発明に係る第2の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の記録面上にスポットを形成するための上述のレンズユニットと、第1波長の光を発生可能であり、レンズユニットの中心延長光路上にアライメントして配置される第1光源と、第2波長の光を発生可能であり、第2波長に関して発生するレンズユニットのコマ収差を減少させるようにレンズユニットの中心延長光路上からはずれて配置される第2光源とを備え、光情報記録媒体の情報を読み取り、若しくは光情報記録媒体に情報を書き込むことができる。
上記光ピックアップ装置では、レンズユニットの光学性能を組立工程の複雑化を伴うことなく簡易に向上させることができるので、高精度で光情報の記録及び/又は再生が可能になる。この場合、第1及び第2位相構造によって生じる各波長のコマ収差を、第1位相構造のアライメントと第2光源の位置ずらしとによって達成することができ、レンズユニットとしてのコマ収差の発生を極めて低減することができる。
上記光ピックアップ装置の具体的態様では、第1位相構造が、第2位相構造に比較して、偏心によって発生するコマ収差の影響が多い。この場合、第2光源の位置ずらしによってコマ収差のキャンセルを低減でき、設計や製造上の負担を低減できる。
また、上記光ピックアップ装置の別の具体的態様では、対物レンズ本体が、位相制御素子側の中心点に位置決めマークを有し、位相制御素子が、第1及び第2位相構造のうち偏心によって発生するコマ収差の影響が多い方が形成される表面上の中心点に位置決めマークを有する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ピックアップ用の対物レンズユニット50の側断面図であり、この対物レンズユニット50は、規格(記録密度等)が互いに異なる2種類の光ディスク(例えばDVD及びBD)に対して互換性を有し、これらの光ディスクに情報を記録/再生することが可能に構成されている。また、この対物レンズユニット50は、不図示の光源からのレーザ光(使用光)を集光して不図示の光ディスク上に集光スポットを形成する対物レンズ本体1と、回折光を形成するための位相制御素子である回折レンズ2と、対物レンズ本体1と回折レンズ2とを一体化して固定するための支持部材である筒形状の鏡枠3とを有する。ここで、対物レンズ本体1は、例えばガラス等の材料から形成されており、回折レンズ2と鏡枠3は、例えばプラスチック若しくはプラスチックに数十パーセントのガラス微粒子を加えた材料から成形されている。
対物レンズ本体1は、回折レンズ2側の第1面1aが大きく突起し光ディスク側(図面右側)の第2面1bが比較的平坦に形成された非球面の両凸レンズであり、回折レンズ2からの一対の異なる波長に対応した回折光又は非回折光を各光ディスクの所定箇所に集光する。
回折レンズ2は、対物レンズ本体1に対して反対側の第1面2aに位相構造を有することにより、回折光を形成することができる。なお、対物レンズ本体1側の第2面2bは、この場合平坦面となっており、結像に影響しないようになっている。
図2に示すように、回折レンズ2の第1面2aは、光軸OA2を中心とした円形の中央領域CAと、中央領域CAの周囲の周辺領域PAとに分かれている。中央領域CAは、位相構造を有しており、周辺領域PAは、平坦面となっている。中央領域CAは、DVD用の波長655nmのレーザ光に対しては回折性を有しているが、BD用の波長405nmのレーザ光に対しては回折性を有していない。つまり、中央領域CAにDVD用の波長655nmのレーザ光が入射した場合、回折効果によってレーザ光は所定のパワーで発散され、中央領域CA及び周辺領域PAにBD用の波長405nmのレーザ光が入射した場合、回折効果が生じることなくレーザ光はそのまま通過する。つまり、本実施形態の場合、対物レンズ本体1と回折レンズ2との組み合せによって、DVD用及びBD用の両レーザ光について所望の精度で互換可能な結像が可能となり、各レーザ光を各光ディスクの情報読取光又は情報記録光として用いることができる。
なお、対物レンズ本体1と回折レンズ2には、それぞれの光軸OA1,OA2が通過する中心位置を互いに位置決めするための基準となる位置決めマークとして、円形の突起状のマーカM1,M2がそれぞれ形成されている。
図3(a)〜(f)は、回折レンズ2の第1面2aに設けた中央領域CAに形成される位相構造としてのマルチレベル型回折構造の具体例を説明する断面図である。このマルチレベル型回折構造は、光軸OA2を含む断面形状が階段状とされたパターンを同心円状に配列し、所定のレベル面数(図3(a)〜(f)では5レベル面)の個数毎に、そのレベル面数に対応した段数分(図3(a)〜(f)では4段)の高さだけ段をシフトさせた構造を有し、DVD用の波長655nmのレーザ光が入射した場合には回折光を発生させ、波長405nmのレーザ光が入射した場合には回折効果を生じることなくそのまま透過させる特性を有する。かかるマルチレベル型回折構造については、ISOM'03(INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON OPTICAL MEMORY 2003)のテクニカルダイジェスト230頁〜231頁に記載されているのでここでは詳細な説明は割愛する。図3(a)、(b)は、各パターンの傾斜が光軸OA2を基準として同じ方向になっているマルチレベル型回折構造の例を示し、図3(c)、(d)は、外周に位相反転部を設けたマルチレベル型回折構造の例を示し、図3(e)、(f)は、各パターンの傾斜が位相反転部から外側で逆になっているマルチレベル型回折構造の例を示す。
なお、位相構造として、図3(g)、(h)、及び図4(a)〜(d)に示すような、光軸光軸OA2を含む断面形状が鋸歯形状である鋸歯状回折構造や、図4(e)、(f)に示すような、全ての段差が光軸OA2を基準として同じ方向になっている階段状回折構造や、図4(g)、(h)に示すような、段差の向きが途中から入れ替わる光路差付与構造を、回折レンズ2の第1面2aに設けた中央領域CAに形成しても良い。図3(g)、(h)は、各鋸歯の傾斜が光軸OA2を基準として同じ方向になっている鋸歯状回折構造の例を示し、図4(a)、(b)は、外周に位相反転部を設けた鋸歯状回折構造の例を示し、図4(c)、(d)は、各鋸歯の傾斜が位相反転部から外側で逆になっている鋸歯状回折構造の例を示す。
図1に戻って、鏡枠3は、円筒状で両端に段差状の第1及び第2嵌合部4,5と、環状の第1及び第2基準面6,7と、環状の絞り10と、環状の第3基準面11と、第3嵌合部12とを備える。第1及び第2嵌合部4,5は、それぞれ段差を有する円筒内面であり、対物レンズ本体1及び回折レンズ2のフランジ1f,2fをそれぞれ光軸垂直方向に関して固定する。第1及び第2基準面6,7は、それぞれ第1及び第2嵌合部4,5に連接して形成されており、対物レンズ本体1及び回折レンズ2の取り付けに際して、フランジ1f,2fを光軸OA1,OA2方向に関してアライメントするための基準となる。第2嵌合部5には、遊び8を設けている。この遊び8は、回折レンズ2のアライメント時に対物レンズ本体1に対して中心位置を合わせる微調整を可能にするものである。第1及び第2嵌合部4、5の端部には、面取状の接着剤溜り部9が形成されている。この接着剤溜り部9と、対物レンズ本体1及び回折レンズ2のフランジ部1f,2f外周とが協働することによりV溝が形成されており、両レンズ1,2の接着後或いは接着中に、接着剤が周囲にはみ出すことを防止する。第1嵌合部4と第2嵌合部5との間であって鏡枠3内壁に配置された絞り10は、対物レンズユニット50の使用時における不要光のカットや光量の調整を行う。第3基準面11は、光ピックアップ装置の部品であるホルダ等への取り付けに際し、光軸OA1方向や傾斜に関する取り付けの基準となり、第3嵌合部12は、光軸垂直方向に関する基準となる。
なお、回折レンズ2の第1面2aは、対物レンズ本体1に対して僅かに傾斜している。つまり、回折レンズ2の光軸OA2は、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して0でない微小な傾きを有している。このような傾きは、鏡枠3の製造時の形状誤差やバリの残存等に起因して発生したものであり、図1では誇張して表現しているが、通常はもっと小さい。以上のように回折レンズ2の第1面2aが傾斜すると、これに伴って中央領域CAが光軸OA1に対して傾斜するとともに光軸OA1に垂直な方向にシフトする。このような傾斜やシフトは、中央領域CAに形成されるマルチレベル型回折構造により回折作用を受けないBD用の波長405nmのレーザ光に関する集光特性に特に影響を与えないが、マルチレベル型回折構造により回折作用を受けるDVD用の波長655nmのレーザ光に関する集光特性に影響を与え、集光に際して収差が生じる可能性がある。本実施形態の対物レンズユニット50では、詳細は後述するが、対物レンズ本体1と回折レンズ2との調芯に工夫を施すことによって、回折レンズ2が対物レンズ本体1の光軸OA対して傾斜している場合にも、一定以上の結像精度が達成されるようにしている。
なお、対物レンズ本体1の製造誤差等で光軸OA1が傾斜する場合がある。この場合も、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して回折レンズ2の光軸OA2が相対的に傾斜することになるので、結果的に、回折レンズ2の第1面2aの相対的な傾斜として取り扱えばよい。
以下、本実施形態における対物レンズユニット50の製造工程について述べる。まず、鏡枠3に、対物レンズ本体1を取り付ける。第1基準面6に対物レンズ本体1のフランジ面を当接させ、接着剤溜り部9に接着剤を注入する。これにより、対物レンズ本体1が所定位置に固定される。この際、接着剤溜り部9に余剰の接着剤がとどまるので、接着中又は接着後に、接着剤が周囲にはみ出すことを防止できる。
次に、鏡枠3に取り付けられた対物レンズ本体1に対向する側に回折レンズ2を取り付ける。第2基準面7に回折レンズ2のフランジ面を当接させ、対物レンズ本体1との位置決めを行う。この際、第2嵌合部5は、内径が回折レンズ2の外形よりもわずかに大きく設計されており、その差が遊び8となっている。これにより、回折レンズ2は、光軸方向に対して垂直な方向に関して可動であり、対向している対物レンズ本体1を観察しながら光軸垂直方向に関して相対的な位置決めを行うことができる。
回折レンズ2の位置決めを行った後、接着剤溜り部9に接着剤を注入する。これにより、回折レンズ2がアライメントされた状態で固定される。この際、接着剤溜り部9に余剰の接着剤がとどまるので、接着中又は接着後に、接着剤が周囲にはみ出すことを防止できる。また、絞り10は、接着剤が鏡枠3内部に入った際のたれ防止として働く。
以上により、対物レンズユニット50が製造される。上述のように、対物レンズユニット50は、対物レンズ本体1と、回折レンズ2に加え、鏡枠3をさらに用いた3部品構成である。これにより、対物レンズ本体1と回折レンズ2との光軸垂直方向に関する相対的な位置決めを予め高精度で行うことができる。
なお、本説明において、取り付けの順序に関して、対物レンズ本体1を先、回折レンズ2を後とした。これは、位置決めの際に屈折力の小さい回折レンズ2の側からの方が観察しやすいという設計の便宜上のためである。ただし、例えば対物レンズ本体1を背後にして位置決めを行う場合は、取り付けの順序を変えても構わない。取り付けの順序を変える場合、第1嵌合部4側に遊びを設ける。また、この他の固定手段として、例えば、レーザ溶着によっても、両レンズ1、2を鏡枠3に対して固定可能である。また、回折レンズ2側だけでなく、回折レンズ2及び対物レンズ本体1の双方に遊びがあってもよい。
図5及び図6は、対物レンズ本体1に対する回折レンズ2のアライメント前後の状態を概念的に説明する拡大図である。図5に示すように、アライメント前の状態では、回折レンズ2の傾斜が許容され、回折レンズ2の光軸OA2は、第2面2bと光軸OA2との交点である内側中心ICを支点として、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して角θだけ傾斜しているものとする。このように、回折レンズ2が傾斜していても対物レンズユニット50の結像特性を劣化させないためには、図6に示すように、例えば光源側から対物レンズ本体1の光軸OA1に平行に入射するレーザ光LLが回折レンズ2の中心であるマーカM2を通過し、さらに、対物レンズ本体1の中心であるマーカM1を通過し、光軸OA1に沿って進行するようにアライメントを行うことが望ましい。このように、マーカM1,M2を利用して光軸OA1方向に関して対物レンズ本体1と回折レンズ2の中心を一致させることにより、回折レンズ2の傾斜角θの値に関わらず、少なくとも対物レンズユニット50として発生するコマ収差を低減することができる。図5に示すように、アライメント前の状態では、両マーカM1,M2の位置は、光軸垂直方向に関して距離Xだけシフトしている。この距離Xは、回折レンズ2の厚みdと、傾斜角θと、回折レンズ2の屈折率をnとから次式
X=d・(sinθ−sin(θ/n))
で与えられる。アライメント前では、このシフト量Xに起因してDVD用の波長655nmに関するコマ収差が発生するため、アライメントにより対物レンズ本体1のマーカM1を回折レンズ2のマーカM2に対して光軸垂直方向に距離Xだけシフトさせることにより、コマ収差の発生を実質的に抑える必要がある。このようなアライメントは、比較的簡単に達成することができ、具体的には、鏡枠3に取り付けられた対物レンズ本体1を光軸OA1上で図面左側から観察しつつ、対物レンズ本体1の手前側に回折レンズ2を配置し、両マーカM1,M2が一致するように回折レンズ2を鏡枠3の第2嵌合部5内で移動させる。これにより、図6に示すような状態が達成され、対物レンズユニット50の結像特性を確保することができる。なお、対物レンズ本体1の光軸OA1方向は、各種計測装置によって比較的簡単に決定することができるので、このようにして決定した光軸OA1方向から対物レンズ本体1と回折レンズ2とを顕微鏡等によって観察する。観察に際しては、両マーカM1,M2が画面中で一致するようにアライメントを行えばよい。
以下、図5及び図6を参照して、具体的な収差の発生やその補正について説明する。なお、回折レンズ2は、説明の便宜のため、第2面2bと光軸OA2との交点である内側中心ICを支点として対物レンズ本体1に対してθ=3゜傾斜するものとする。この状態で発生する偏心誤差は、第1面2aの傾斜、第1面2aのシフト、第2面2bの傾斜の3つである。第1面2aの傾斜角、及び第2面2bの傾斜角はともに3゜であって、これにより発生するDVD用の波長655nmに関するコマ収差は、それぞれ+105mλRMS、−105λmλRMSであり互いにキャンセルされる。しかし、第1面2aのシフトに起因するDVD用の波長655nmに関するコマ収差は−71mλRMSとなるので、対物レンズユニット50全体としてのコマ収差は−71mλRMSとなる。なお、回折レンズ2の厚みdを0.92mmとし、DVD用の波長655nmに対する回折レンズ2の屈折率nを1.505するならば、第1面2aのシフト量Xは16μmとなる。
このままでは、DVD用の対物レンズユニット50としての収差がマレシャル限界を越えてしまい、実用的な許容範囲を超えてしまう。以下では、対物レンズユニット50のコマ収差を略ゼロにするアライメントについて説明する。図6に示すように、マーカM1,M2を利用して、対物レンズ本体1の光軸OA1方向に延びる光路に関して対物レンズ本体1の中心と回折レンズ2の中心とを一致させる。これにより、対物レンズユニット50全体としてのコマ収差は0mλとなる。よって、回折レンズ2の傾斜角θ、回折レンズ2の厚みd、及び回折レンズ2の屈折率nの値に関わらず、対物レンズユニット50として発生するコマ収差を略ゼロとすることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の対物レンズユニットについて説明する。第2実施形態の対物レンズユニットは、図1に示す第1実施形態の対物レンズユニット50を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と共通のものとなっている。
図7は、第2実施形態の対物レンズユニットを説明するための拡大図である。本実施形態の対物レンズユニット150の場合、回折レンズ102のうち対物レンズ本体1側の第2面102bは位相構造を有しており、反対側の第1面102aは平坦面となっている。
第1実施形態の場合と同様に、回折レンズ102の光軸OA2は、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して角θだけ傾斜しているものとする。このように回折レンズ102が傾斜していても対物レンズユニット150の結像特性を劣化させないためには、例えば光源側から対物レンズ本体1の光軸OA1に平行に入射するレーザ光LLが回折レンズ102の中心であるマーカM2を通過し、さらに、対物レンズ本体1の中心であるマーカM1を通過し、光軸OA1に沿って進行することが望ましい。このように、マーカM1,M2を利用して光軸OA1方向に関して対物レンズ本体1と回折レンズ102の中心を一致させることにより、回折レンズ102の傾斜角θの値に関わらず、少なくとも対物レンズユニット150として発生するコマ収差を低減することができる。
回折レンズ102のマーカM2を対物レンズ本体1の光軸OA1上に配置する手法としては、不図示の鏡枠に取り付けられた対物レンズ本体1を光軸OA1上で図面左側から観察しつつ、対物レンズ本体1の手前側に回折レンズ102を配置し、両マーカM1,M2が一致するように回折レンズ102を鏡枠内で移動させる。これにより、図7に示すような状態が達成され、対物レンズユニット150の結像特性を確保することができる。
以下では、対物レンズユニット150のコマ収差を略ゼロにするアライメントの具体例について説明する。図7に示すように、マーカM1,M2を利用して、対物レンズ本体1の光軸OA1の延長上に回折レンズ2の中心を一致させる。この場合も、第1及び第2面102a,102bの傾斜角は3゜となっているものとする。この状態において、第1面102aのシフトに起因するDVD用の波長655nmに関するコマ収差は0mλとなり、第1面102aの傾斜に起因するコマ収差は+105mλとなり、第2面2bの傾斜に起因するコマ収差は−105mλとなるので、対物レンズユニット150全体としてのコマ収差は0mλとなる。よって、回折レンズ102の傾斜角θの値に関わらず、対物レンズユニット150として発生するコマ収差を略ゼロとすることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の対物レンズユニットについて説明する。第3実施形態の対物レンズユニットは、図1に示す第1実施形態の対物レンズユニット50等を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態や第2実施形態と共通のものとなっている。
図8は、第3実施形態に係る対物レンズユニット250の側断面図である。この対物レンズユニット250の場合も、回折レンズ202の光軸OA2は、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して0でない微小な傾きを有している。ただし、このような傾きは、鏡枠203の製造誤差等に起因して生じたものではなく、回折レンズ202自体の製造誤差等に起因して生じたものである。こうして、回折レンズ202の第1面202a及び第2面202bが傾斜すると、BD用の波長405nmのレーザ光に関する集光に対して特に影響を与えないが、DVD用の波長655nmのレーザ光に関する集光に対して影響を与え、集光に際して収差が生じる。このような収差は、図6に示す第2実施形態等の場合と同様に、マーカM1,M2を利用した調芯によってキャンセルされ、回折レンズ202が対物レンズ本体1の光軸OA1に対して傾斜している場合にも一定以上の結像精度が達成される。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態の対物レンズユニットについて説明する。第4実施形態の対物レンズユニットは、図1に示す第1実施形態の対物レンズユニット50を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と共通のものとなっている。
図9は、第4実施形態に係る対物レンズユニット350の側断面図である。この対物レンズユニット350の場合、鏡枠3に、回折レンズ2の光軸OA2が傾斜している方向を示すための傾斜マークである切欠303dを形成している。この切欠303dを利用することにより、回折レンズ2の傾斜方向を制御することができ、回折レンズ2の光学特性その他の透過光や反射光に対する傾斜の影響を制御することができる。なお、鏡枠3の形状的な非対称性は、第1実施形態の場合を含め、製造誤差等の意図しないものに限らず、意図的に設けたものを含む。鏡枠3の形状の非対称性が意図しないものである場合、製造後の計測等によって光軸OA2の傾斜方向を特定して切欠303dを形成し、一方、鏡枠3の形状の非対称性が意図したものである場合、その設計に従って光軸OA2の傾斜方向を特定して切欠303dを形成する。
なお、光軸OA2の傾斜方向を表示するものは、切欠303dに限らず立体的形状、着色等を含む各種マークとすることができる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態の対物レンズユニットについて説明する。第5実施形態の対物レンズユニットは、図8に示す第3実施形態の対物レンズユニット250を変形したものであり、特に説明しない部分については、第3実施形態と共通のものとなっている。
図10は、第5実施形態に係る対物レンズユニットのうち回折レンズの正面図である。この対物レンズユニットの場合、回折レンズ2自体に、光軸OA2が傾斜している方向を示すための傾斜マークである切欠402dを形成している。この切欠402dを利用することにより、回折レンズ2の第1面2a等の傾斜方向を制御することができ、回折レンズ2の光学特性その他の透過光や反射光に対する傾斜の影響を制御することができる。なお、回折レンズ2の形状的な非対称性は、第3実施形態の場合を含め、製造誤差等の意図しないものに限らず、意図的に設けたものを含む。回折レンズ2の形状の非対称性が意図しないものである場合、製造後の計測等によって光軸OA2の傾斜方向を特定して切欠402dを形成し、一方、回折レンズ2の形状の非対称性が意図したものである場合、その設計に従って光軸OA2の傾斜方向を特定して切欠402dを形成する。
なお、光軸OA2の傾斜方向を表示するものは、切欠402dに限らず立体的形状、着色等を含む各種マークとすることができる。
〔第6実施形態〕
図11は、上記第1〜第5実施形態に係る対物レンズユニット50,150,250,350を組み込んだ光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。
この光ピックアップ装置は、第1光ディスクD1の情報再生用のレーザ光(例えばDVD用で波長655nm、NA0.60)と、第2光ディスクD2の情報再生用のレーザ光(例えばBD用で波長405nm、NA0.85)と発生する2波長半導体レーザ61を有しており、すなわち、互いに波長の異なるレーザ光を射出することができる。半導体レーザ61からのレーザ光は、対物レンズユニット50,150,250,350を利用して光情報記録媒体である光ディスクD1,D2に照射され、光ディスクD1,D2からの反射光は、対物レンズユニット50〜350を利用して集光される。
まず第1光ディスクD1を再生する場合、半導体レーザ61から波長655nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、コリメータ62、偏光ビームスプリッタ63、1/4波長板64を透過して円偏光の平行光束となる。この光束は、対物レンズユニット50〜350により第1光ディスクD1の情報記録面MS1に集光される。
情報記録面MS1で情報ビットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズユニット50〜350、1/4波長板64を透過して、偏光ビームスプリッタ63に入射し、ここで反射されてシリンドリカルレンズ65により非点収差が与えられ、光検出器67上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第1光ディスクD1に記録された情報の読み取り信号が得られる。
また、光検出器67上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦(フォーカス)検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて、対物レンズユニット50〜350を保持するホルダ71に組み込んだ2次元アクチュエータ72が、半導体レーザ61からの光束を第1光ディスクD1の情報記録面MS1上に結像させるように対物レンズユニット50〜350を光軸方向に移動させるとともに、この半導体レーザ61からの光束を所定のトラックに結像するように対物レンズユニット50〜350を光軸に垂直な方向に移動させる。
一方、第2の光ディスクD2を再生する場合、半導体レーザ61から波長405nmのレーザ光束が出射され、出射された光束は、コリメータ62、偏光ビームスプリッタ63、1/4波長板64を透過して円偏光の平行光束となる。この光束は、対物レンズユニット50〜350により第2の光ディスクD2の情報記録面MS2に集光される。
情報記録面MS2で情報ビットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズユニット50〜350、1/4波長板64を透過して、偏光ビームスプリッタ63に入射し、ここで反射されてシリンドリカルレンズ65により非点収差が与えられ、光検出器67上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第2光ディスクD2に記録された情報の読み取り信号が得られる。
また、第1光ディスクD1の場合と同様、光検出器67上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、対物レンズユニット50〜350を保持するホルダに組み込んだ2次元アクチュエータ72により、フォーカシング及びトラッキングのために対物レンズユニット50〜350を移動させる。
以上の第6実施形態において、半導体レーザ61と光検出器67とを一体化した集積素子を用いることができ、この場合、偏光ビームスプリッタ63等は不要となる。逆に、半導体レーザ61を、波長655nmのレーザ光源と、波長405nmのレーザ光源とに分けて、両レーザ光源からのレーザ光束を追加の偏光ビームスプリッタで合成することもできる。
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態の対物レンズユニットについて説明する。第7実施形態の対物レンズユニットは、図1に示す第1実施形態の対物レンズユニット50を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と共通のものとなっている。
図12は、第7実施形態に係る対物レンズユニット550の側断面図である。この対物レンズユニット550の場合、回折レンズ502は、対物レンズ本体1に対して裏側の第1面502aに位相構造を有するだけでなく、対物レンズ本体1に対して表側の第2面502bにも位相構造を有する。
回折レンズ502の第1面502aは、DVD用の波長655nmのレーザ光に対しては回折性を有しているが、BD用の波長405nmのレーザ光や、CD用の波長780nmのレーザ光に対しては回折性を有していない。一方、第2面502bは、CD用の波長780nmのレーザ光に対しては回折性を有しているが、BD用の波長405nmのレーザ光や、DVD用の波長655nmのレーザ光に対しては回折性を有していない。なお、対物レンズ本体1は、BD用の波長405nmのレーザ光を対象として設計されたものであり、非球面のガラスレンズ又はプラスチックレンズである。
このレンズユニット550に、DVD用の波長655nmのレーザ光が光源側(図面左側)から入射した場合、レーザ光は、回折レンズ502の第1面502aで回折効果によって所定のパワーで適宜集光又は発散され、対物レンズ本体1を経て図面右側のDVD用情報記録面(不図示)に集光される。また、このレンズユニット550に、CD用の波長780nmのレーザ光が光源側から入射した場合、レーザ光は、回折レンズ502の第2面502bで回折効果によって所定のパワーで適宜集光又は発散され、対物レンズ本体1を経て図面右側のCD用情報記録面(不図示)に集光される。なお、このレンズユニット550に、BD用の波長405nmのレーザ光が光源側から入射した場合、レーザ光は、回折レンズ502で回折作用を受けることなくそのまま通過し、対物レンズ本体1を経て図面右側のBD用情報記録面(不図示)に集光される。つまり、本実施形態の場合、対物レンズ本体1と回折レンズ502との組み合せによって、DVD用、CD用、及びBD用の各レーザ光について所望の精度で互換可能な結像が可能となり、各レーザ光を各光ディスクの情報読取光又は情報記録光として用いることができる。
図13は、対物レンズ本体1に対する回折レンズ502のアライメントを概念的に説明する拡大図である。図からも明らかなように、回折レンズ502の傾斜が許容され、回折レンズ502の光軸OA2は、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して角θだけ傾斜している。このように、回折レンズ502が傾斜していると、第1面502aの中心であるマーカM2と、第2面502bの内側中心ICとの少なくとも一方が、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して必ず位置ずれすることになる。つまり、第1面502aを光軸OA1に対してアライメントした場合、第2面502bの中心は、光軸OA1から図5でも説明した距離X
X=d・(sinθ−sin(θ/n))
だけ位置ずれし、逆に、第2面502bを光軸OA1に対してアライメントした場合(図13中の光線LL’参照)、第1面502aの中心は、光軸OA1から図5で説明した距離Xだけ反対方向に位置ずれする。
一般に、第1面502aや第2面502bの中心が光軸OA1を延長した光線LL上からずれることによって生じるコマ収差は、対物レンズユニット550のNA値の3乗と、光ディスクの基板厚と、レーザ光の波長の逆数とに比例する。ここで、第1面502aは、例えばDVD用のもので、NA0.60、基板厚0.6mm、波長655nmであり、第2面502bは、例えばCD用のもので、NA0.45、基板厚1.2mm、波長780nmである。よって、CD用の第2面502bの位置ずれによって生じるコマ収差が1であるとしたとき、DVD用の第1面502aの位置ずれによって生じるコマ収差は約2〜6倍となる。このことは、第1面502aの偏心量と第2面502bの偏心量とが等しい場合、第1面502aの偏心のコマ収差への寄与度が第2面502bの偏心のコマ収差への寄与度の約2〜6倍になることを意味し、第1面502aの偏心量を減らすことが第2面502bの偏心量を減らすことよりも全体の性能向上を図る上で意味があることが分かる。
一方、回折レンズ502が傾斜した場合、第1面502aの偏心か第2面502bの偏心のいずれか一方を避けることができない。つまり、第1面502aの中心を光軸OA1に沿って進む光線LL(すなわち中心延長光路)上に配置した場合、第2面502bの中心を光線LL上に配置することはできない。逆に、第2面502bの中心を光線LL上に配置した場合、第1面502aの中心を光線LL上に配置することはできない。このため、本実施形態では、第1面502aの中心にマーカM2を形成しこのマーカM2を光線LL上に配置することによって、DVD用の第1面502aによって生じるコマ収差を最小限とするとともに、CD用の第2面502bよって生じるコマ収差を許容する。つまり、図13に示すように、マーカM1,M2を利用して、対物レンズ本体1の光軸OA1方向に延びる光路に関して対物レンズ本体1の中心と回折レンズ502の中心とを一致させることで、全体としての収差の低減を図っている。
図14は、図13に示す対物レンズユニット550を組み込んだ光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。
この光ピックアップ装置において、各半導体レーザ61B,61D,61Cからのレーザ光は、対物レンズユニット550を利用して光情報記録媒体である光ディスクDB,DD,DCに照射され、各光ディスクDB,DD,DCからの反射光は、共通の対物レンズユニット550を利用して集められ、最終的に各光検出器67B,67D,67Cに導かれる。
ここで、第1半導体レーザ61Bは、第1光ディスクDBの情報再生用のレーザ光(例えばBD用で波長405nm、NA0.85)を発生し、第2半導体レーザ61Dは、第2光ディスクDDの情報再生用のレーザ光(例えばDVD用で波長655nm、NA0.60)を発生し、第3半導体レーザ61Cは、第3光ディスクDCの情報再生用のレーザ光(例えばCD用で波長780nm、NA0.54)を発生する。また、第1光検出器67Bは、第1光ディスクDBに記録された情報を光信号(例えばBD用で波長405nm)として検出し、第2光検出器67Dは、第2光ディスクDDに記録された情報を光信号(例えばDVD用で波長655nm)として検出し、第3光検出器67Cは、第3光ディスクDCに記録された情報を光信号(例えばCD用で波長780nm)として検出する。
まず第1光ディスクDBを再生する場合、第1半導体レーザ61Bから例えば波長405nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、コリメータ62B、偏光ビームスプリッタ63Bを透過して平行光束となる。この光束は、他の偏光ビームスプリッタ64D,64Cを透過した後、対物レンズユニット550により第1光ディスクDBの情報記録面MBに集光される。
情報記録面MBで情報ビットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズユニット550等を透過して、偏光ビームスプリッタ63Bに入射し、ここで反射されてシリンドリカルレンズ65Bにより非点収差が与えられ、第1光検出器67B上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第1光ディスクDBに記録された情報の読み取り信号が得られる。
また、第1光検出器67B上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦(フォーカス)検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて、対物レンズユニット550を保持するホルダ71に組み込んだ2次元アクチュエータ72が、第1半導体レーザ61Bからの光束を第1光ディスクDBの情報記録面MB上に結像させるように対物レンズユニット550を光軸方向に移動させるとともに、この第1半導体レーザ61Bからの光束を所定のトラックに結像するように対物レンズユニット550を光軸に垂直な方向に移動させる。
次に、第2光ディスクDDを再生する場合、第2半導体レーザ61Dから例えば波長655nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、コリメータ62D、偏光ビームスプリッタ63Dを透過して平行光束となる。この光束は、他の偏光ビームスプリッタ64D,64Cを透過した後、対物レンズユニット550により第1光ディスクDDの情報記録面MDに集光される。
情報記録面MDで情報ビットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズユニット550等を透過して、偏光ビームスプリッタ64Dで反射され偏光ビームスプリッタ63Dに入射し、ここで反射されてシリンドリカルレンズ65Dにより非点収差が与えられ、第2光検出器67D上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第2光ディスクDDに記録された情報の読み取り信号が得られる。
また、第1光ディスクDBの場合と同様、第2光検出器67D上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、対物レンズユニット550を保持するホルダに組み込んだ2次元アクチュエータ72により、フォーカシング及びトラッキングのために対物レンズユニット550を移動させる。
次に、第3光ディスクDCを再生する場合、第3半導体レーザ61Cから例えば波長780nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、コリメータ62C、偏光ビームスプリッタ63Cを透過し偏光ビームスプリッタ64Cで反射されて平行光束となる。この光束は、対物レンズユニット550により第1光ディスクDCの情報記録面MCに集光される。
情報記録面MCで情報ビットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズユニット550等を透過して、偏光ビームスプリッタ64Cで反射されて偏光ビームスプリッタ63Cに入射し、ここで反射されてシリンドリカルレンズ65Cにより非点収差が与えられ、第3光検出器67C上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第3光ディスクDCに記録された情報の読み取り信号が得られる。
また、第1及び第2光ディスクDB,DDの場合と同様、第3光検出器67C上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、対物レンズユニット550を保持するホルダに組み込んだ2次元アクチュエータ72により、フォーカシング及びトラッキングのために対物レンズユニット550を移動させる。
なお、以上の実施形態では、回折レンズ502の第1面502aがDVD用で第2面502bがCD用としたが、第1面502aをCD用で第1面502aがDVD用とすることもできる。この場合、第2面502bの中心を光軸OA1に沿って進む光線LL上に配置することになる。
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態の対物レンズユニットについて説明する。第8実施形態の対物レンズユニットは、図12に示す第7実施形態の対物レンズユニット550を変形したものであり、特に説明しない部分については、第7実施形態と共通のものとなっている。
図15は、第8実施形態に係る対物レンズユニット650の側断面図である。この対物レンズユニット650の場合、回折レンズ602において、第1面502aの中心にマーカM2’を形成するだけでなく、第2面502bの中心にもマーカM2"を形成する。
図16は、対物レンズ本体1に対する回折レンズ602のアライメントを概念的に説明する拡大図である。図からも明らかなように、回折レンズ502の傾斜が許容され、回折レンズ602の光軸OA2は、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して角θだけ傾斜している。このように、回折レンズ602が傾斜していると、第1面502aの中心であるマーカM2’と、第2面502bの中心であるマーカM2"との少なくとも一方が、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して必ず位置ずれすることになる。
第7実施形態でも説明したように、一般に第1面502aの中心であるマーカM2’や第2面502bの中心であるマーカM2"が光軸OA1を延長した光線LL上からずれることによって生じるコマ収差は、対物レンズユニット650のNA値の3乗と、光ディスクの基板厚と、レーザ光の波長の逆数とに比例する。このことは、第1面502aの偏心量と第2面502bの偏心量とを適宜調整すれば、第1面502aの偏心に起因するコマ収差と第2面502bの偏心に起因するコマ収差とをほぼ均等にバランスさせることができ、或いは、第1面502aの偏心に起因するコマ収差と第2面502bの偏心に起因するコマ収差とを所望の比率に設定することができる。
図17は、図15に示すレンズユニット650を光源側から観察した顕微視野MFを示す。レンズユニット650の鏡枠3に取り付けられた対物レンズ本体1を光軸OA1上で図面左側から観察しつつ、対物レンズ本体1の手前側に回折レンズ602を配置し、両マーカM2’,M2"の間にマーカM1が位置するように回折レンズ602を鏡枠3の第2嵌合部5内で移動させる。例えば第1面502aの偏心に起因するコマ収差と第2面502bの偏心に起因するコマ収差とをほぼ均等にバランスさせたい場合、第1面502aの偏心のコマ収差への寄与度と第2面502bの偏心のコマ収差への寄与度との比の逆数で内分される位置にマーカM1が位置するように、回折レンズ602をアライメントすればよい。ここで、第1面502aは、例えばDVD用のもので、NA0.60、基板厚0.6mm、波長655nmであり、第2面502bは、例えばCD用のもので、NA0.45、基板厚1.2mm、波長780nmである。よって、CD用の第2面502bの位置ずれによって生じるコマ収差が1であるとしたとき、DVD用の第1面502aの位置ずれによって生じるコマ収差は約2〜6倍となる。このことから、第1面502aの偏心に起因するコマ収差と第2面502bの偏心に起因するコマ収差とをほぼ均等にバランスさせるためには、例えばDVD用の第1面502aの位置ずれよるコマ収差が2倍である場合には、両マーカM2’,M2"の間であって、マーカM2’から0.33D、マーカM2"から0.66Dの位置にマーカM1が存在すればよいことが分かる。このように、両マーカM2’,M2"の位置をマーカM1を基準として調整することにより、両面502a,502bの傾斜に起因するコマ収差の発生バランスを適当に調整することができる。
〔第9実施形態〕
以下、第9実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。この光ピックアップ装置は、図12に示す第7実施形態に係る対物レンズユニット550を用いている。
図18は、対物レンズ本体1に対する回折レンズ502のアライメント後の状態を概念的に説明する拡大図である。図からも明らかなように、回折レンズ502の傾斜が許容され、回折レンズ502の光軸OA2は、対物レンズ本体1の光軸OA1に対して角θだけ傾斜している。第7実施形態でも説明したように、一般に第1面502aの中心や第2面502bの中心が光軸OA1を延長した光線LL上からずれることによって生じるコマ収差は、対物レンズユニット550のNA値の3乗と、光ディスクの基板厚と、レーザ光の波長の逆数とに比例する。具体例で説明すると、第1面502aの偏心量と第2面502bの偏心量とが等しい場合、第1面502aの偏心のコマ収差への寄与度が第2面502bの偏心のコマ収差への寄与度の約2〜6倍になることを意味し、第1面502aの偏心量を減らすことが第2面502bの偏心量を減らすことよりも全体の性能向上を図る上で意味があることが分かる。よって、第1面502aの中心にマーカM2を形成しこのマーカM2を光線LL上に配置することにより、DVD用の第1面502aによって生じるコマ収差を最小限とするとともに、CD用の第2面502bよって生じるコマ収差を許容する。一方で、第2面502bの偏心によって生じるコマ収差を別の手法で低減することができるならば、対物レンズユニット550の収差を極めて少なくすることができる。このような目的で、CD用の波長780nmの光源位置をBDやDVD用の光源位置から離れた位置に配置することにより、第2面502bの偏心によって生じるコマ収差を低減することとする。
図19は、本実施形態の光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。この光ピックアップ装置は、図12,18に示す対物レンズユニット550を組み込んだものであり、図11に示す第6実施形態に係る光ピックアップ装置と光源を除いて同様の構造を有する。
図20は、図19に示す光ピックアップ装置に組み込まれる3波長半導体レーザ761の縦断面構造を説明する図である。図から明らかなように、半導体レーザチップ761Xの左側部分には、2階層構造の第1及び第2レーザ素子761a,761bが形成されており、半導体レーザ761の右側部分には、単独の第3レーザ素子761cが形成されている。第1レーザ素子761aは、第1光ディスクDBの情報再生用のレーザ光(例えばBD用で波長405nm)を発生し、第2レーザ素子761bは、第2光ディスクDDの情報再生用のレーザ光(例えばDVD用で波長655nm)を発生し、第3レーザ素子761cは、第3光ディスクDCの情報再生用のレーザ光(例えばCD用で波長780nm)を発生する。図示のように、第1及び第2レーザ素子761a,761bは、光軸OAに沿ってアライメントして配置されているが、第3レーザ素子761cは、光軸OAから距離ΔXだけ離れて配置されている。この結果、第3レーザ素子761cの結像に際しては、コマ収差が発生するが、このようなコマ収差は、図18で説明した第2面502bの偏心によって生じるコマ収差と向きが反対で大きさが同じになっている。つまり、対物レンズユニット550によって形成される集光スポットのコマ収差は、BD用の405nm、DVD用の655nm、CD用の780nmのすべてでゼロに近いものとなり、良好な収差補正がなされている。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、アライメント用のマーカM1,M2の凹凸や輪郭等を含む形状については、実施形態に例示するものに限らず、計測機器等を介して視覚的に観察できるものであれば、利用しやすさも考慮して様々な形状を用いることができる。
また、上記実施形態では、2つの光学素子からなる対物レンズユニット50〜350、550,650、750について説明したが、3つ以上の光学素子からなる対物レンズユニットの場合も、例えば隣接するいずれか2つの光学素子を上記実施形態と同様の位置決めマーカでアライメントすることができる。この場合も、対物レンズユニットの組立が簡単になり、かつ、光学性能も向上する。
また、上記実施形態では、対物レンズ本体1と回折レンズ2,102,502,602と鏡枠3とを別体としているが、対物レンズ本体1と鏡枠3とを一体化して筒状のフランジを有する対物レンズ本体1とすることができ、回折レンズ2,102,502,602と鏡枠3とを一体化して筒状のフランジを有する回折レンズ2,102,502,602とすることができ、いずれの場合も、図6、図7等で説明したアライメントによってコマ収差を無くすることができる。
また、上記第7及び第8実施形態において、対物レンズユニット550,650の回折レンズ502,602の傾き方向を特定するべく、鏡枠3等に傾斜マークを設けることができる(図9の切欠303d参照)。
また、上記実施形態では、BDを対象として含む互換用の対物レンズユニット50,150,250,350,550,650について説明したが、例えばBDに代えてHDを対象として含む互換用の対物レンズユニット等にも本発明を適用できることは勿論である。具体的に説明すると、第1〜第5実施形態の対物レンズユニット50,150,250,350については、例えばDVD及びHDに対して互換性を持たせたものとすることができ、第7〜第9実施形態の対物レンズユニット550,650については、例えばCD、DVD及びHDに対して互換性を持たせたものとすることができる。
第1実施形態のレンズユニットの側方断面図である。 レンズユニットを構成する回折レンズの正面図である。 (a)〜(h)は、回折レンズの中央領域に形成される位相構造の具体例を説明する断面図である。 (a)〜(h)は、回折レンズの中央領域に形成される位相構造の具体例を説明する断面図である。 図1の対物レンズユニットのアライメントを説明する拡大図である。 図1の対物レンズユニットのアライメントを説明する拡大図である。 第2実施形態の対物レンズユニットのアライメントを説明する拡大図である。 第3実施形態のレンズユニットの側方断面図である。 第4実施形態のレンズユニットの側方断面図である。 第5実施形態のレンズユニットを構成する回折レンズの正面図である。 第6実施形態の光ピックアップ装置の構造を説明するブロック図である。 第7実施形態のレンズユニットの側断面図である。 第7実施形態の対物レンズユニットのアライメントを説明する拡大図である。 図13に示すレンズユニットを組み込んだ光ピックアップ装置を示す図である。 第8実施形態のレンズユニットの側断面図である。 第8実施形態の対物レンズユニットのアライメントを説明する拡大図である。 レンズユニットを光源側から観察した状態を示す。 第9実施形態における対物レンズユニットのアライメントを説明する拡大図である。 題9実施形態の光ピックアップ装置を示す図である。 図19に示す光ピックアップ装置に組み込まれる3波長半導体レーザの縦断面構造を説明する図である。
符号の説明
1…対物レンズ本体、 2…回折レンズ、 3…鏡枠、 50…対物レンズユニット、 61…2波長半導体レーザ、 63…偏光ビームスプリッタ、 65…シリンドリカルレンズ、 67…光検出器、 72…2次元アクチュエータ、CA…中央領域、D1…第1光ディスク、D2…第2光ディスク、M1,M2…マーカ、 S1…情報記録面、 MS2…情報記録面、 OA1,OA2… 光軸

Claims (22)

  1. 光情報記録媒体側に配置され固有の第1光軸を有する対物レンズ本体と、
    光源側に配置され固有の第2光軸を有する位相制御素子と、
    前記対物レンズ本体に対して、前記第2光軸が前記第1光軸に対して所定量だけ傾斜した状態で前記位相制御素子を固定するとともに、前記第2光軸が通過する前記位相制御素子の対向表面上の2つの中心点の少なくとも一方を、前記第1光軸を通って延びる中心延長光路上にアライメントした状態に保持する支持部材と
    を備えるレンズユニット。
  2. 前記位相制御素子は、少なくとも2つの異なる波長の使用光に対する互換性を前記対物レンズ本体に与え、前記少なくとも2つの使用光のうち波長が長い方を使用する際に、開口数が0.6以上の状態となっていることを特徴とする請求項1記載のレンズユニット。
  3. 前記位相制御素子は、少なくとも2つの異なる波長の使用光に対する互換性を前記対物レンズ本体に与え、前記少なくとも2つの使用光のうち波長が長い方を使用する際に、前記第2光軸が前記第1光軸に対して3μmだけ平行にシフトさせた場合に、波長をλとして5mλRMS以上のコマ収差を生じさせることを特徴とする請求項1記載のレンズユニット。
  4. 前記支持部材は、前記位相制御素子の対向表面上のうち位相構造が形成される表面上の中心点を、前記第1光軸を通って延びる中心延長光路上にアライメントした状態に保持することを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれか一項記載のレンズユニット。
  5. 前記位相制御素子は、前記対向表面を有する平板状の部材であり、前記対向表面の少なくとも一方のうち前記第2光軸の周囲の中央領域に位相構造を有し、前記第2光軸の周囲の周辺領域に平坦面を有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項記載のレンズユニット。
  6. 前記少なくとも2つの使用光うち波長が長い方を使用する際に、前記位相制御素子の前記中央領域に当該波長の長い使用光を入射させることを特徴とする請求項5記載のレンズユニット。
  7. 前記位相制御素子の前記2つの中心点の少なくとも一方と、前記第1光軸が通過する前記対物レンズ本体の対向表面上の2つの中心点の少なくとも一方とに、位置決めマークが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項記載のレンズユニット。
  8. 前記対物レンズ本体は、前記位相制御素子側の前記中心点に前記位置決めマークを有することを特徴とする請求項7記載のレンズユニット。
  9. 前記位相制御素子は、前記位相制御素子の対向表面上のうち位相構造が形成される表面上の中心点に前記位置決めマークを有することを特徴とする請求項7及び請求項8のいずれか一項記載のレンズユニット。
  10. 前記位相制御素子は、位相構造として、回折構造及び光路差付与構造のうち少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項記載のレンズユニット。
  11. 前記位相構造は、前記少なくとも2つの使用光うち波長が短い方に対しては位相差を付加せず、波長の長い方に対しては位相差を付加することを特徴とする請求項10記載のレンズユニット。
  12. 少なくとも2つの異なる波長の使用光に用いられるレンズユニットであって、前記位相制御素子の前記対向表面の一方は、前記少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの1つである第1波長の光に対して作用する第1位相構造を有し、前記対向表面の他方は、前記少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの他の1つである第2波長の光に対して作用する第2位相構造を有することを特徴とする請求項1記載のレンズユニット。
  13. 前記位相制御素子は、前記第1及び第2位相構造のうち偏心によって発生するコマ収差の影響が多い方を基準として、前記対物レンズ本体に対して位置合わせされた状態で前記支持部材に保持されていることを特徴とする請求項12記載のレンズユニット。
  14. 前記対物レンズ本体は、前記位相制御素子側の前記中心点に位置決めマークを有し、前記位相制御素子は、前記第1及び第2位相構造のうち偏心によって発生するコマ収差の影響が多い方が形成される表面上の中心点に位置決めマークを有することを特徴とする請求項13記載のレンズユニット。
  15. 少なくとも2つの異なる波長の使用光に用いられるレンズユニットであって、前記対向表面の一方は、前記少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの1つである第1波長の光に対して作用する第1位相構造を有し、前記対向表面の他方は、前記少なくとも2つの異なる波長の使用光のうちの他の1つである第2波長の光に対して作用する第2位相構造を有し、
    前記支持部材は、前記位相制御素子の前記対向表面上の2つの中心点を、前記中心延長光路から当該中心延長光路に垂直な反対方向にずれた状態に保持することを特徴とする請求項1記載のレンズユニット。
  16. 前記位相制御素子は、前記第1及び第2位相構造の偏心によってそれぞれ発生するコマ収差の影響が略均衡するように、前記対物レンズ本体に対して位置合わせされた状態で前記支持部材に保持されていることを特徴とする請求項15記載のレンズユニット。
  17. 前記対物レンズ本体は、前記位相制御素子側の前記中心点に位置決めマークを有し、前記位相制御素子は、前記対向表面上の各中心点に前記位置決めマークを有することを特徴とする請求項16記載のレンズユニット。
  18. 前記位相制御素子、前記対物レンズ本体、及び前記支持部材の少なくとも1つは、前記第2光軸の前記第1光軸に対する傾斜方向を示す傾斜マークを有することを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項記載のレンズユニット。
  19. 光情報記録媒体の記録面上にスポットを形成するための請求項1から請求項18のいずれか一項記載のレンズユニットを備え、
    光情報記録媒体の情報を読み取り、若しくは光情報記録媒体に情報を書き込むことができる光ピックアップ装置。
  20. 光情報記録媒体の記録面上にスポットを形成するための請求項12記載のレンズユニットと、
    前記第1波長の光を発生可能であり、前記レンズユニットの前記中心延長光路上にアライメントして配置される第1光源と、
    前記第2波長の光を発生可能であり、前記第2波長に関して発生する前記レンズユニットのコマ収差を減少させるように前記レンズユニットの前記中心延長光路上からはずれて配置される第2光源とを備え、
    光情報記録媒体の情報を読み取り、若しくは光情報記録媒体に情報を書き込むことができる光ピックアップ装置。
  21. 前記第1位相構造は、前記第2位相構造に比較して、偏心によって発生するコマ収差の影響が多いことを特徴とする請求項20記載の光ピックアップ装置。
  22. 前記対物レンズ本体は、前記位相制御素子側の前記中心点に位置決めマークを有し、前記位相制御素子は、前記第1及び第2位相構造のうち偏心によって発生するコマ収差の影響が多い方が形成される表面上の中心点に位置決めマークを有することを特徴とする請求項21記載の光ピックアップ装置。
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