JP2006095563A - 高密度エネルギービームによるバリ除去方法およびバリ除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被加工材の内部における孔が交差する部分に存在するバリを確実に除去することができる高密度エネルギービームによるバリ除去方法およびバリ除去装置を提供する。
【解決手段】 被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリに対しレーザビームLbを照射してバリを除去する際に、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って孔1内に入れ、孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えてバリに照射する。
【選択図】 図1
【解決手段】 被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリに対しレーザビームLbを照射してバリを除去する際に、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って孔1内に入れ、孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えてバリに照射する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被加工材に対し切削加工を行った際に発生するバリを除去する技術、特に被加工材の内部における孔と孔が交差した部分に発生するバリを除去する技術に関するものである。
油圧ポンプや燃料ポンプ等の部品は、油や燃料を供給するための小径孔(直径が1〜10mm程度)が複雑にあけられている。この中の多くは孔と孔が交差したものが多く存在しており、以下の問題がある。
第1の問題として、これらの孔は主に切削加工であけられるが、その際には孔が交差する部分に必ずバリが発生する。バリは油や燃料の供給に支障を与えるばかりか、剥離してバルブ等に詰まれば製品機能をストップさせる危険がある。
このため、ブラシで擦り取ったり、電解バリ除去装置を用いて除去している。ブラシによる除去では、バリの倒れ発生による内部への残留の危険性がある。また、電解除去は、設備費が高く、しかも形状に合わせた多種多様な電極製作が必要であり、消耗による再製作によるコストアップの問題がある。また、近年、環境の問題から電解液の廃液処理が困難な状況になっている。これらのことから信頼性が高く、安価で環境負荷の小さいバリの除去手段が望まれている。
第2の問題として、ポンプ部品等は近年、内部の高圧化が進んでいる。このため、孔の交差部には、応力を緩和するためにR形状が望まれている。表面に露出した角部であれば、加工が容易だが、ポンプ部品などのように細く深い孔の奥では、加工が困難である。
これらの問題に対して、電極が不要で高速な除去可能な方法として、特許文献1においてレーザによるバリ取り技術が開示されている。
特開2000−317660号公報
ところが、特許文献1による技術によれば、孔の交差部のバリが除去可能であるとの記載がある。しかしながら、孔の内部のバリを除去することについての具体的なやり方は開示されていない。特許文献1の方法は、多関節ロボットに被加工材を保持し、ガルバノを使用したレーザ照射を被加工材の外側から行っているが、この方法では表面に存在するバリの除去には有効であるが、孔の内部のバリを除去することは困難である。また、多関節ロボットにファイバを支持させてバリを除去する方法が記されているが、孔の内部の交差した部位に細いファイバの先端を正確に位置決めすることは難しい。この特許文献1の構成から孔内部のバリを除去可能な範囲を考えると、直径が数10mmの大口径の孔を対象としたもので、直径が数mmの微細な孔に存在するバリを除去することは困難である。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被加工材の内部における孔が交差する部分に存在するバリを確実に除去することができる高密度エネルギービームによるバリ除去方法およびバリ除去装置を提供することにある。
請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法は、被加工材に形成した孔の外部において高密度エネルギービームを集光レンズで絞って孔内に入れ、当該孔内に配した反射ミラーで向きを変えてバリに照射するようにしたことを特徴としている。このように、高密度エネルギービームを微細な孔の内部に確実に導くべく、光学系を孔の内部に挿入し、かつ、この挿入する光学系は細い孔の内部で的確な方向性を得ることができる反射ミラーを使うこととし、その反射ミラーは照射スポット径に近い大きさがあればよく、挿入する孔のサイズに合わせ小さくすることができる。また、高密度エネルギービーム発生装置から供給される高密度エネルギービームは孔に対し太い、もしくは、エキスパンダ等により太くなっている場合がほとんどである。そのため、その高密度エネルギービームを最終的に加工する集光径まで絞り込む集光レンズは、直径が数10mm程度となることから、集光レンズを被加工材の孔の外部に位置した状態とすることで、微細な孔でのバリを除去することが可能になる。このようにして、被加工材の内部における孔が交差する部分に存在するバリを確実に除去することができることとなる。
そのための高密度エネルギービームによるバリ除去装置として、請求項13に記載のように、高密度エネルギービームを発生する高密度エネルギービーム発生器と、孔内に差し込まれる筒状ハウジングと、被加工材の外部に配置され、高密度エネルギービーム発生器からの高密度エネルギービームを絞って筒状ハウジングの内部に入れる集光レンズと、筒状ハウジングの内部に配置され、筒状ハウジングの内部を通る高密度エネルギービームを反射してバリに向かわせる反射ミラーと、を備えたものを用いるとよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、集光レンズと反射ミラーとの距離を変更して高密度エネルギービームにおける照射箇所でのビーム径を調整するようにしたことを特徴としている。請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、集光レンズへの高密度エネルギービームの拡がり角を変更して高密度エネルギービームにおける照射箇所でのビーム径を調整するようにしたことを特徴としている。請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、反射ミラーの反射面での曲率を変更して高密度エネルギービームにおける照射箇所でのビーム径を調整するようにしたことを特徴としている。
請求項2,3,4に記載の発明によれば、例えば、除去するバリの周辺の状況により高密度エネルギービームの集光径を調整することができる。このとき、高密度エネルギービームの集光径を調整すべく反射ミラーを孔の内部において径方向に移動させる場合には微細な孔の中では移動できる範囲は極わずかであり、調整は難しいが、請求項2,3,4に記載の発明においては、ビームの集光径を容易に調整することができる。
そのための装置として、請求項19に記載のように、請求項13〜18のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、高密度エネルギービームの軸上において集光レンズを反射ミラーに接離する方向に移動可能に支持するビーム径調整機構を設けたものを用いると、容易にビーム径を調整することができる。また、請求項20に記載のように、請求項13〜18のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、集光レンズにおける高密度エネルギービームの入射側に、曲面の曲率が変化可能なレンズ部を配置するとともに、レンズ部の曲面の曲率を変化させるビーム径調整用アクチュエータを設けたものを用いると、容易にビーム径を調整することができる。また、請求項21に記載のように、請求項13〜18のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、反射ミラーとして反射面の曲率を変更可能なものを用いると、容易にビーム径を調整することができる。
請求項5に記載のように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、バリに高密度エネルギービームを照射して除去する際に、孔内にガスを供給し、当該ガスをバリが存在する部位を通過させる。これにより以下の効果を奏する。
バリ除去加工において、孔の内部で高密度エネルギービームをバリに照射した時には、照射した周辺に溶融・昇華した材料が付着しやすい(バリ除去部分とは別の箇所において再び固体化してしまう)。被加工材の孔内に溶融した材料が付着することは、除去工程を更に必要とするため好ましくない。
これに対し請求項5に記載の発明においては、孔内にガスを供給し、当該ガスをバリが存在する部位を通過させることで、被加工材の孔内に溶融した材料が付着することを防止することができる。
また、付着する領域は被加工材だけではなく、反射ミラーにも付着しやすく、反射ミラーに付着することは、高密度エネルギービームの出力を充分かつ確実に加工点に供給することが困難になる。
そこで、請求項6に記載のように、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、バリに高密度エネルギービームを照射して除去する際に、孔内にガスを供給し、当該ガスを反射ミラーの反射面を通過させると、反射ミラーへの付着を防止することができる。
そのための装置として、請求項23に記載のように、請求項13〜22のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、筒状ハウジングの内部にガスを供給して当該ガスを反射ミラーの反射面を通過させ筒状ハウジングにおける高密度エネルギービームの出射口から排出するためのガス供給装置を設けたものを用いるとよい。また、請求項24に記載のように、請求項13〜23のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、筒状ハウジングを差し込む孔の開口部から孔の内壁と筒状ハウジングの外周面との間にガスを供給して孔でのバリが存在する部位を通過させるためのガス供給装置を設けたものを用いるとよい。
請求項7に記載のように、請求項5または6に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、孔から強制的にガスを吸引すると、バリ除去に伴い溶融・昇華した材料が被加工材へ付着するのを防止することができる。また、この時、反射ミラーへの付着防止効果も高くなる。
そのための装置として、請求項25に記載のように、請求項23または24に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、被加工材における孔の開口部に接続され、強制的にガスを吸引するガス吸引部材を設けたものを用いるとよい。
請求項8に記載のように、請求項1〜7のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、孔の交差部のエッジ部分に形成されたバリに対し高密度エネルギービームを走査して照射すると、例えば、微細なバリの除去や、バリを除去した部位にR形状加工が必要な場合などに有用である。
請求項9に記載のように、請求項1〜8のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、反射ミラーの向きを変更して高密度エネルギービームを走査するとよい。
そのための装置として、請求項22に記載のように、請求項13〜21のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、反射ミラーの向きを変更させるアクチュエータを設けたものを用いることにより、反射ミラーの向きを変更させてレーザビームを走査してバリに向かわせることができる。
請求項10に記載のように、請求項1〜7のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、孔の交差部のエッジ部分に形成されたバリに対し高密度エネルギービームを全て含む大きさで一括して照射すると、さほど形状や精度を必要とせず、早く除去したい場合などに有用である。
請求項11に記載のように、請求項1〜10のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法において、高密度エネルギービームの光学系の途中にモニター光学系を分岐させ、モニター光学系により孔の内部をモニターすると、例えば、バリの除去後の評価を行うことができる。
そのための装置として、請求項26に記載のように、請求項13〜25のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、高密度エネルギービームの光学系の途中にビームスプリッタを配置するとともにビームスプリッタにより分岐させた光学系に孔内モニター用撮像装置を設けたものを用いると、容易にモニターすることができる。
請求項14に記載のように、請求項13に高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、集光レンズと反射ミラーとの距離は、筒状ハウジングを差し込む孔における孔の交差部の深さより大きいと、反射ミラーを確実に照射する位置に位置決めできるため確実にバリを除去することができる。
請求項15に記載のように、請求孔13または14に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、少なくとも筒状ハウジングと反射ミラーとをユニット化し、当該光学ユニットを装置本体に対し着脱可能にすると、以下の効果を奏する。
多種多様な被加工材(部品)にあけられた孔の直径、角度、バリの形状、また交差の仕方による除去部位の大きさや形状等の複雑な加工に対応するために、それぞれの形状に適合した光学ユニットを用意しておき、形状に合わせた光学ユニットを装着する。これにより、多種多様な被加工材(部品)に対処することができる。
また、請求項16に記載のように、請求項15に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、光学ユニットは、切削工具を保持する工具ホルダに代わるアタッチメントとして装置本体に対し着脱可能であると、高額な設備を有効に活用する上で、切削工具を保持した工具ホルダを回転させて被加工材の内部に孔加工を行う切削加工が終了した後に、光学ユニットに交換し、被加工材に形成した孔に存在するバリを除去することができ、これにより低コストで高効率な部品加工が可能となる。
請求項17に記載のように、請求項15または16に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、光学ユニットを、装置本体に対し凹凸関係により位置決めすると、装置本体に対し光学ユニットを適切に位置決めすることができる。
請求項18に記載のように、請求項15〜17のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置において、光学ユニットの筒状ハウジングの延設方向は、集光レンズに入射する高密度エネルギービームの軸に対し角度を有し、集光レンズを通過した後の高密度エネルギービームの軸が、2つ以上の反射ミラーで筒状ハウジングの延設方向と平行となっていると、被加工材の表面に対し斜めにあけられた孔のバリを除去する場合において、孔の軸方向と差し込む筒状ハウジングの軸を平行にすることで、筒状ハウジングの孔内への挿入が可能になる。
請求項12,27に記載のように、高密度エネルギービームはレーザビームであると、高密度エネルギービームとして、ランプ照射ビーム、レーザビーム、電子ビームなどがあるが、レーザビームを用いることは、取り扱いが容易で一般的な加工設備として普及しているので好ましい。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
図1に、本実施形態における高密度エネルギービームによるバリ除去装置10の概略構成を示す。図2には、被加工材Wの内部の状態を示す。図3には、バリ除去装置10の全体構成を示す。図4にはバリ除去装置10の要部構成を示す。高密度エネルギービームとしてレーザビームを用いている。
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
図1に、本実施形態における高密度エネルギービームによるバリ除去装置10の概略構成を示す。図2には、被加工材Wの内部の状態を示す。図3には、バリ除去装置10の全体構成を示す。図4にはバリ除去装置10の要部構成を示す。高密度エネルギービームとしてレーザビームを用いている。
図1に示すように、被加工材Wは自動車部品(例えば燃料噴射ポンプ)用ハウジングブロックであり、アルミ製である。この被加工材Wには孔1,2が交差する状態で形成されている。孔1は被加工材Wの上面から下方に向けて所定の深さで形成されている。孔2は被加工材Wの側面から横方向(水平方向)に延び、孔1と交差(詳しくは直交)している。孔1の直径は10mmで、孔1の深さ70mmの位置に直径が3mmの孔2が直交してあけられている。孔1,2の交差部において図2に示すように約0.3mmの高さのバリ3が切削加工で発生している。
なお、図1は実施形態を説明するために簡略化して表しているが、被加工材Wには複雑に孔があけられている。
バリ除去装置10の概略構成として、図1に示すように、バリ除去装置10は、高密度エネルギービーム発生器としてのレーザ発振器11とミラー12と集光レンズ13と反射ミラー14とを具備している。反射ミラー14は被加工材Wの孔1の内部に配置され、その他の部材11,12,13は被加工材Wの孔1の外部に配置されている。レーザ発振器11から出力(発生)されるレーザビームLbは、ミラー12、集光レンズ13および反射ミラー14を経て、被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリ3(図2参照)に照射される。この光学系において被加工材Wの孔1,2の外部に配置された集光レンズ13により、レーザ発振器11からのレーザビームLbが絞られ、当該レーザビームLbは被加工材Wの孔1の内部に入って下方に進み、反射ミラー14によって反射して水平方向に進み、バリ3にスポット的に照射される。このレーザビームLbの照射によりバリ3が除去される。このとき、集光レンズ13を通過した後のレーザビームLbの軸は反射ミラー14を挿入する孔1と同軸となっている。
バリ除去装置10の概略構成として、図1に示すように、バリ除去装置10は、高密度エネルギービーム発生器としてのレーザ発振器11とミラー12と集光レンズ13と反射ミラー14とを具備している。反射ミラー14は被加工材Wの孔1の内部に配置され、その他の部材11,12,13は被加工材Wの孔1の外部に配置されている。レーザ発振器11から出力(発生)されるレーザビームLbは、ミラー12、集光レンズ13および反射ミラー14を経て、被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリ3(図2参照)に照射される。この光学系において被加工材Wの孔1,2の外部に配置された集光レンズ13により、レーザ発振器11からのレーザビームLbが絞られ、当該レーザビームLbは被加工材Wの孔1の内部に入って下方に進み、反射ミラー14によって反射して水平方向に進み、バリ3にスポット的に照射される。このレーザビームLbの照射によりバリ3が除去される。このとき、集光レンズ13を通過した後のレーザビームLbの軸は反射ミラー14を挿入する孔1と同軸となっている。
以下、バリ除去装置10の詳しい構成を説明していく。
図3に示すように、レーザ発振器11は、波長が1.064μmのYAGレーザを出力する。また、バリ除去装置10は、レーザ発振器11等を支持するレーザ発振器支持部材15と、上下位置決め部材16と、被加工材Wを支持するテーブル17と、上下位置決め部材16に取り付けられた光学ユニット18を備えている。テーブル17の上方において上下位置決め部材16が配置され、上下位置決め部材16の横にレーザ発振器支持部材15が配置されている。レーザ発振器支持部材15内のレーザ発振器11からのレーザビームLbが上下位置決め部材16内のミラー12により下方に向かう。上下位置決め部材16は上下方向(Z軸方向)に移動することができるようになっている。テーブル17はX,Y,θ方向(θは回転を指す)に移動することができるようになっている。テーブル17には、孔1,2を形成した後の被加工材Wが載置・固定され、当該被加工材Wはテーブル17の動作に伴ってX,Y,θ方向に移動することになる。
図3に示すように、レーザ発振器11は、波長が1.064μmのYAGレーザを出力する。また、バリ除去装置10は、レーザ発振器11等を支持するレーザ発振器支持部材15と、上下位置決め部材16と、被加工材Wを支持するテーブル17と、上下位置決め部材16に取り付けられた光学ユニット18を備えている。テーブル17の上方において上下位置決め部材16が配置され、上下位置決め部材16の横にレーザ発振器支持部材15が配置されている。レーザ発振器支持部材15内のレーザ発振器11からのレーザビームLbが上下位置決め部材16内のミラー12により下方に向かう。上下位置決め部材16は上下方向(Z軸方向)に移動することができるようになっている。テーブル17はX,Y,θ方向(θは回転を指す)に移動することができるようになっている。テーブル17には、孔1,2を形成した後の被加工材Wが載置・固定され、当該被加工材Wはテーブル17の動作に伴ってX,Y,θ方向に移動することになる。
上下位置決め部材16および光学ユニット18の詳細を、図4を用いて説明する。
上下位置決め部材16に関して、上下位置決め部材16にはレーザ通路20が形成され、レーザ通路20の水平部20aと垂直部20bの角部にミラー12が配置されている。光学ユニット18に関して、上下位置決め部材16の下面に光学ユニット18が取り付けられている。光学ユニット18は、上側のレンズハウジング25と下側の筒状ハウジング26を具備している。筒状ハウジング26は孔1に差し込まれる。上下位置決め部材16におけるレーザ通路20の垂直部20bと光学ユニット18のレンズハウジング25の内部とが連通している。光学ユニット18のレンズハウジング25内には集光レンズ13が配置されている。集光レンズ13は、焦点距離fが100mmである。集光レンズ13は上下スライド機構27により上下方向(ビームの入射の際の軸上)に移動可能に支持されている。つまり、バリ除去装置10に設けられたビーム径調整機構としての上下スライド機構27は、レーザビームLbの軸上において集光レンズ13を反射ミラー14に接離する方向に移動可能に支持している。上下スライド機構27にはモータ28が連結され、モータ28により集光レンズ13を上下に移動させることができるようになっている。集光レンズ13の移動によりレーザビームLbの照射箇所におけるビーム径が調整される。
上下位置決め部材16に関して、上下位置決め部材16にはレーザ通路20が形成され、レーザ通路20の水平部20aと垂直部20bの角部にミラー12が配置されている。光学ユニット18に関して、上下位置決め部材16の下面に光学ユニット18が取り付けられている。光学ユニット18は、上側のレンズハウジング25と下側の筒状ハウジング26を具備している。筒状ハウジング26は孔1に差し込まれる。上下位置決め部材16におけるレーザ通路20の垂直部20bと光学ユニット18のレンズハウジング25の内部とが連通している。光学ユニット18のレンズハウジング25内には集光レンズ13が配置されている。集光レンズ13は、焦点距離fが100mmである。集光レンズ13は上下スライド機構27により上下方向(ビームの入射の際の軸上)に移動可能に支持されている。つまり、バリ除去装置10に設けられたビーム径調整機構としての上下スライド機構27は、レーザビームLbの軸上において集光レンズ13を反射ミラー14に接離する方向に移動可能に支持している。上下スライド機構27にはモータ28が連結され、モータ28により集光レンズ13を上下に移動させることができるようになっている。集光レンズ13の移動によりレーザビームLbの照射箇所におけるビーム径が調整される。
筒状ハウジング26は、上下方向に真っ直ぐに延びる有底円筒状をなしている。筒状ハウジング26の外径は7mmであり、当該ハウジング26が直径10mmの孔1内に差し込まれる。筒状ハウジング26は被加工材Wの外部から孔1の内部に当該孔1に沿って延設されている。筒状ハウジング26とレンズハウジング25とは連結支持され、集光レンズ13からのレーザビームLbが筒状ハウジング26内に導入される。筒状ハウジング26とレンズハウジング25との間には保護ガラス板29が介在され、筒状ハウジング26の内部とレンズハウジング25の内部とは保護ガラス板29により分離されている。
筒状ハウジング26の内部における底面は斜状面となっており、当該斜状面には反射ミラー14が取り付けられている。反射ミラー14は銅製で、表面を超精密切削加工で平面の鏡面状態に仕上げたものを使用している。筒状ハウジング26の内部を通るレーザビームLbが反射ミラー14により反射してバリ3に向かうことになる。反射ミラー14は調整ネジ30により向きを調整することができるようになっている。つまり、鉛直方向に入射したレーザビームLbを水平方向にすべく90°曲げるようにネジ30で調整し固定している。反射ミラー14の外径は4mmであり、孔1の内径より小さい。また、筒状ハウジング26の下部での側面にはビーム出射口31が形成され、反射ミラー14で反射したレーザビームLbがビーム出射口31から筒状ハウジング26の外部に出力される(バリに向かう)。ビーム出射口31はその径が5mmである。
筒状ハウジング26における上部にはガス供給装置としてのガス導入管32が接続され、このガス導入管32から筒状ハウジング26内にガスが供給される。このガスとして空気を用いており、その圧力は0.6MPaである。筒状ハウジング26内に供給された空気は反射ミラー14の反射面を通過してビーム出射口31から筒状ハウジング26の外部に排出される。また、筒状ハウジング26内に供給されるガスは保護ガラス板29により集光レンズ13側には流れない。保護ガラス板29は、バリ除去加工に影響の出ない程度のビーム透過率を持つ材質であれば何を用いてもよい。また、ガスとして空気を用いたが、ガスの種類・圧力は反射ミラー14の反射面を通過させるガス流が発生して、後記するレーザビームLbを照射した時に溶融物が反射ミラー14に付着するのを防止できるように選定すればよい。
レーザビームLbの光学系の途中、詳しくは、レーザビームLbの光軸におけるレーザ通路20の垂直部20bには(ミラー12と集光レンズ13の間には)、ビームスプリッタ33が配置されている。これにより、レーザビームLbの光学系の途中にモニター光学系が分岐され、モニター光学系により孔1,2の内部をモニターすることができるようになっている。ビームスプリッタ33により分岐させたモニター光学系には孔内モニター用撮像装置としてのカメラ34がレーザ通路20の外部に設置されている。カメラ34により、ビームスプリッタ33と集光レンズ13と反射ミラー14を介してバリ除去加工部が撮像される。つまり、このカメラ34によりバリ除去加工部の状態を見ながら、加工する位置の調整や集光レンズ13の移動によるビーム径の調整等を行うことができる。
被加工材Wの上面での孔1の開口部における光学ユニット18を挿入した部位の近傍には、ガス供給装置としてのガス供給ノズル35が配置され、ガス供給ノズル35から孔1の内部における孔1の内壁と筒状ハウジング26の外周面との間にガスが供給される。ガスには0.5MPaの空気を用いている。筒状ハウジング26を差し込む孔1の開口部からノズル35にて供給されたガスは、孔1の内壁と筒状ハウジング26の外周面との間を通って孔1,2でのバリの存在する部位を通過して孔2の開口部(被加工材Wの外周面側の開口部)から排出される。
このようにして、バリ除去装置10は、筒状ハウジング26を差し込む孔1の開口部から孔1の内壁と筒状ハウジング26の外周面との間にガスを供給して孔1,2でのバリ3が存在する部位を通過させるガス供給装置(35)を備えている。
この時、筒状ハウジング26のビーム出射口31から排出されるガス圧に対し、被加工材Wの孔1の開口部からノズル35にて供給するガスの圧力を低くしている。これにより、ノズル35にて供給するガスが筒状ハウジング26のビーム出射口31から筒状ハウジング26内に流入することを回避することができる。
次に、バリ除去装置10の作用、即ち、バリ除去方法を説明する。
切削加工によって交差する孔1,2があけられた被加工材Wを、図3のテーブル17の上にセットする(固定する)。そして、図3のテーブル17のX,Y,θ方向への移動機構および上下位置決め部材16の上下移動機構を用いて、光学ユニット18を上下方向(Z軸)に移動するとともに被加工材Wを回転させて被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリ3に対しレーザビームLbを照射して当該バリ3を除去する。この際、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って、交差する孔1,2のうちの一方の孔1内に入れ、当該孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えて、交差する孔1,2のうちの他方の孔2の開口部に存在するバリ3に照射する。詳しくは、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って、交差する孔1,2のうちの大きい方の孔1内に入れ、当該孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えて、交差する孔1,2のうちの小さい方の孔2の開口部に存在するバリ3に照射する。
切削加工によって交差する孔1,2があけられた被加工材Wを、図3のテーブル17の上にセットする(固定する)。そして、図3のテーブル17のX,Y,θ方向への移動機構および上下位置決め部材16の上下移動機構を用いて、光学ユニット18を上下方向(Z軸)に移動するとともに被加工材Wを回転させて被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリ3に対しレーザビームLbを照射して当該バリ3を除去する。この際、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って、交差する孔1,2のうちの一方の孔1内に入れ、当該孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えて、交差する孔1,2のうちの他方の孔2の開口部に存在するバリ3に照射する。詳しくは、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って、交差する孔1,2のうちの大きい方の孔1内に入れ、当該孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えて、交差する孔1,2のうちの小さい方の孔2の開口部に存在するバリ3に照射する。
このレーザビームLbをバリ3に照射する際に、図5(a),(b)に示すように、孔1,2の交差部のエッジ部分に形成されたバリ3に対しレーザビームLbを走査して照射する。この走査は、図3のテーブル17のX,Y,θ方向への移動機構および上下位置決め部材16の上下移動機構を用いて、光学ユニット18の上下方向への移動およびテーブル17(被加工材W)の回転にて行う。このような走査の際の位置決めは予めプログラミングしておいたもの(NC機能)を使用する。また、その時のレーザ条件は、出力100W、周波数:50Hz、送り速度300mm/minとするにより、バリを除去することができる。このように、バリ3を除去する際に、微細なバリの除去やバリを除去した部位にR形状加工が必要な場合などは、孔1,2の交差部のエッジ部分(孔の稜線)に形成されたバリに対しレーザビームLbを走査して照射することによりバリを除去する。
また、孔2が小さい場合、さほど形状や精度を必要とせず早く除去したい場合は、図6(a),(b)に示すように、レーザビームLbを、孔2を含むようなビーム径になるように集光レンズ13の上下位置を調整して照射する。つまり、孔1,2の交差部のエッジ部分(孔の稜線)に形成されたバリ3に対しレーザビームLbを全て含む大きさで一括して照射する。
このように、高密度エネルギービームとしてのレーザビームLbをバリ3に照射して被加工材Wの内部に形成した孔1,2に存在するバリ3を除去する方法として、被加工材Wに形成した孔1,2の外部においてレーザビームLbを集光レンズ13で絞って孔1内に入れ、当該孔1内に配した反射ミラー14で向きを変えてバリ3に照射する。
つまり、レーザビームLbを微細な孔の内部に確実に導くためには光学系を孔1の内部に挿入する必要があり、挿入する光学系は細い孔1の内部で的確な方向性を得ることができる反射ミラー14を使う固定光学系が適しており、その反射ミラー14は照射スポット径に近い大きさがあればよいので挿入する孔1のサイズに合わせ小さくすることができる。また、レーザ発振器11から供給されるレーザビームは孔1に対し太い(もしくはエキスパンダ等により太くなっている)場合がほとんどである。そのため、そのレーザビームLbを最終的に加工する集光径まで絞り込む集光レンズは直径が数10mm程度となることから、集光レンズ13を被加工材Wの孔1の外部に位置した状態とすることで、微細な孔でのバリを除去することができる。このようにして、被加工材Wの内部における孔1,2が交差する部分に存在するバリ3を確実に除去することができる。
ここで、図4に示すように、その時の集光レンズ13と反射ミラー14との距離L2は、筒状ハウジング26を差し込む孔1における孔1,2の交差部の深さL1より大きいので、光学ユニット18の反射ミラー14を確実に照射する位置に位置決めできる。そのため、確実にバリを除去することができる。
また、バリ3を除去する際にビーム径調整機構としてのスライド機構27およびモータ28を用いて、集光レンズ13と反射ミラー14との距離L2を変更(調整)することによりレーザビームLbにおける照射箇所でのビーム径(バリに照射するレーザビームの集光径)を調整する。ここで、除去するバリの周辺の状況によりレーザビームLbの集光径を調整する方法として、光学ユニット18の筒状ハウジング26(反射ミラー14)を孔1の内部において径方向(図4の左右方向)に移動させる方法があるが、微細な孔1の中では移動できる範囲は極わずかであり、調整は難しい。これに対し本実施形態では、光学ユニット18の内部に配置した集光レンズ13と反射ミラー14との距離を調整することによりレーザビームLbの集光径の調整を容易に行うことができる。
この調整の際に、レーザ発振器11と光学ユニット18との間に配したビームスプリッタ33、およびカメラ34を用いる。つまり、バリ除去加工部を画像により状態を確認しながら最適となる集光レンズ位置(ビーム径)に設定する。
なお、モータを用いることなく手動により行うようにしてもよいが、モータ28を用いることにより作業性に優れている。
また、バリ除去加工時に孔1,2の内部でレーザビームLbをバリ3に照射した時に、照射した部位の周辺に溶融・昇華した材料が付着することがある。つまり、バリ除去部分とは別の箇所において再び固体化しやすい。被加工材Wの孔内に溶融した材料が付着することは、除去工程を更に必要とするため好ましくない。そこで、バリ3にレーザビームLbを照射して除去する際に、ガス供給ノズル35からガスを孔1内に供給し、このガスをバリ3が存在する部位を通過させる。このように、ノズル35を通して孔1の開口部から孔1の内部にガスを導入して、孔1の内壁および孔2の内部を通して孔2の開口部から排出する。これにより、孔1,2の内部に付着物を付きにくくすることができる(被加工材Wの孔1,2内に、溶融した材料が付着することを防止することができる)。
また、バリ除去加工時に孔1,2の内部でレーザビームLbをバリ3に照射した時に、照射した部位の周辺に溶融・昇華した材料が付着することがある。つまり、バリ除去部分とは別の箇所において再び固体化しやすい。被加工材Wの孔内に溶融した材料が付着することは、除去工程を更に必要とするため好ましくない。そこで、バリ3にレーザビームLbを照射して除去する際に、ガス供給ノズル35からガスを孔1内に供給し、このガスをバリ3が存在する部位を通過させる。このように、ノズル35を通して孔1の開口部から孔1の内部にガスを導入して、孔1の内壁および孔2の内部を通して孔2の開口部から排出する。これにより、孔1,2の内部に付着物を付きにくくすることができる(被加工材Wの孔1,2内に、溶融した材料が付着することを防止することができる)。
このとき、上述のモニター機構(ビームスプリッタ33、カメラ34)を用いて、バリ3を除去する際に周辺に付着した付着物の状況やバリの除去後の評価を行う。
また、レーザビーム照射時に溶融・昇華した材料が付着するのは被加工材Wだけではなく、光学ユニット18の反射ミラー14にも付着しやすい。反射ミラー14に付着することは、レーザビームLbの出力を充分に確実に加工点に供給することが困難になる。この問題は、孔1が細くなり筒状ハウジング26と孔1の隙間が小さくなることでより顕著となり、このことが光学ユニット18の筒状ハウジング26を孔1に入れて使用する時の大きな課題である。
また、レーザビーム照射時に溶融・昇華した材料が付着するのは被加工材Wだけではなく、光学ユニット18の反射ミラー14にも付着しやすい。反射ミラー14に付着することは、レーザビームLbの出力を充分に確実に加工点に供給することが困難になる。この問題は、孔1が細くなり筒状ハウジング26と孔1の隙間が小さくなることでより顕著となり、このことが光学ユニット18の筒状ハウジング26を孔1に入れて使用する時の大きな課題である。
このため、バリ3にレーザビームLbを照射して除去する際に、ガスを孔1内、詳しくは光学ユニット18の筒状ハウジング26内に供給し、このガスを反射ミラー14の反射面を通過させた後、ビーム出射口31から排出することで反射ミラー14への付着が防止される。
以下、変形例を説明する。
ガスを孔1に導入してバリ除去加工部を経由して排出する場合、図7に示すように、被加工材Wにおける孔2の開口部にガス吸引部材(吸引システム)40を接続して強制的にガスを吸引してもよい。図7においては、ガス吸引部材40は、吸引ポンプ41とアダプタ42とパイプ43とフィルタ44を備えている。アダプタ42により被加工材Wにパイプ43が接続され、パイプ43によりフィルタ44を介して吸引ポンプ41が接続されている。また、水平方向に延び、孔1に連通する孔45がある場合にはキャップ46で塞ぐ。
ガスを孔1に導入してバリ除去加工部を経由して排出する場合、図7に示すように、被加工材Wにおける孔2の開口部にガス吸引部材(吸引システム)40を接続して強制的にガスを吸引してもよい。図7においては、ガス吸引部材40は、吸引ポンプ41とアダプタ42とパイプ43とフィルタ44を備えている。アダプタ42により被加工材Wにパイプ43が接続され、パイプ43によりフィルタ44を介して吸引ポンプ41が接続されている。また、水平方向に延び、孔1に連通する孔45がある場合にはキャップ46で塞ぐ。
このようにするのは以下の理由による。直径10mmの孔1は、真っ直ぐあけられており、途中遮るものもないので、ノズル35やガス導入管32からのガスの流し方で、溶融物の付着が防止できるが、図8に示すように孔1が深く形成され、かつ、貫通孔でない場合には、孔1内における孔2との交差部よりも下の部分において、ガスの流れF1が滞り溶融物の付着が起きやすい。これに対し、図7のように、被加工材Wにおける直径3mmの孔2が開口する部位に、ガス吸引部材40の吸引用アダプタ42を取り付けて、ガス供給ノズル35と光学ユニット18から排出されるガスを吸引することにより、孔1内における孔2との交差部よりも下の部分においてガスの流れが滞ることを回避して溶融物の付着を防止することができる。また、他の水平方向に延びる孔45に栓をすることにより、吸引効果が低下するのを防止できる。
このようにして、被加工材Wへの付着防止を図るべく、被加工材Wの内部にバリ3の存在する孔1,2のうちの光学ユニット18のない側から強制的にガスを吸引し、バリ3の存在する部位を通過して被加工材Wの外部に排出することで、バリ除去に伴い溶融・昇華した材料が被加工材Wへ付着するのを防止することができる。この時に、反射ミラー14への付着防止効果も高くなる。なお、孔2の開口部ではなく孔1の開口部(光学ユニット18のある側)から吸引すると、バリ除去に伴い溶融・昇華した材料が光学ユニット18に付着しやすくなるため好ましくない。
図4においては集光レンズ13をスライド機構27およびモータ28により上下動してビーム径を調整した。これに代わり、図9(a),(b)に示すように、集光レンズ13の入射側(上側)に、可変焦点レンズ装置50を設け、可変焦点レンズ装置50での焦点距離をf1〜f2の範囲で変更して、集光レンズ13へのレーザビームLbの拡がり角をα1〜α2の範囲で調整することにより、ビーム径を調整してもよい。
詳しくは、可変焦点レンズ装置50は、第1リング部材51と、第1リング部材51の上下両面に貼り付けられたガラス製透明弾性板52,53と、これらの部材51,52,53により形成された密閉空間に封入された作動流体54と、透明弾性板53の外周部に貼り付けられた第2リング部材55と、4枚の環状をなす圧電バイモルフ56と、圧電バイモルフ56の内周部に接合されるとともに軸方向の一端が透明弾性板52に接合された筒状の内周連結部材57と、圧電バイモルフ56の外周部に接合されるとともに一端がリング部材51に接合された棒状の外周連結部材58とを備えている。外周連結部材58はリング部材51の全周方向において等間隔に設けられている。作動流体54として透明弾性板52,53とほぼ同じ屈折率のシリコンオイルを用いている。作動流体54と透明弾性板52,53によりレンズ部を構成している。圧電バイモルフ56は、共通電極を兼ねる弾性板の両面に圧電材料よりなる環状の圧電板を接合するとともに、各圧電板の表面にそれぞれ膜状電極を形成したものである。圧電バイモルフ56の一方の表面電極は内周連結部材57と電気的に接続され、また、圧電バイモルフ56の他方の表面電極は外周連結部材58と電気的に接続されている。
そして、圧電バイモルフ56は内周連結部材57と外周連結部材58を介して電圧を印加することにより変形して内周連結部材57を印加電圧に応じた高さに位置させる。例えば、圧電バイモルフ56に対し電圧を印加しないときには、図9(a)に示すように、内周連結部材57が最も下に位置し、このとき、第2リング部材55の内方において透明弾性板52,53が下に凸となっている。これに対し圧電バイモルフ56に対し内周連結部材57と外周連結部材58を介して最も高い電圧を印加することにより、図9(b)に示すように、透明弾性板52,53が上に凸となる。このようにして、ビーム径調整用アクチュエータとしての圧電バイモルフ56に印加する電圧に応じて透明弾性板52,53の形状を調整して、作動流体54と透明弾性板52,53よりなるレンズ部の焦点距離をf1〜f2の範囲で調整することができる。即ち、第2リング部材55の内方を通過するレーザビームLbの焦点位置を調整してビーム径を調整することができる。
このように、集光レンズ13におけるレーザビームLbの入射側に、曲面の曲率が変化可能なレンズ部(52,53,54)を配置するとともに、レンズ部(52,53,54)の曲面の曲率を変化させるビーム径調整用アクチュエータ(56)を設けた設備になっている。そして、集光レンズ13へのレーザビームLbの拡がり角をα1〜α2の範囲で変更してレーザビームLbにおける照射箇所でのビーム径を調整する。つまり、レンズの曲面の曲率が変化可能な可変焦点レンズを使って、集光レンズ13を固定した状態で前記レンズ部の曲率を変化させる。この手法は、ビーム径の調整をモータで行うと振動の発生や、軸上を移動する際の真直性が問題となる場合や、モータ駆動よりも速く焦点移動を行いたい場合などに有効である。
また、図4においては反射ミラー14の向きはネジ30により調整した。これに代わり、図10に示す構成としてもよい。図10において、回動プレート62には軸61が設けられ、回動プレート62は軸61により回動可能となっている。回動プレート62には反射ミラー14が固設されている。これにより、反射ミラー14はその向きが変更可能に支持されている。軸61にはモータ60が駆動連結されている。そして、モータ60により反射ミラー14の向きを変更してレーザビームLbを走査する。このようにアクチュエータとしてのモータ60により反射ミラー14の向きを変更させて図5(a),(b)に示したようにレーザビームを走査してバリに向かわせるようにしてもよい。
また、ビーム径の調整機構として、図11に示す構成としてもよい。図11において、反射ミラー65として凹面鏡を用いている。その反射面65aは薄板にて構成している。反射面構成用の薄板の裏面には圧電素子(例えばPZT)66が接合されている。そして、アクチュエータとしての圧電素子(例えばPZT)66への印加電圧を調整することにより反射面構成用の薄板を所望の曲率に変形させることができるようになっている。このようにして、反射ミラー65として反射面の曲率を変更可能なものを用い、反射ミラー65の反射面での曲率を変更してレーザビームLbにおける照射箇所でのビーム径を調整するようにしてもよい。なお、反射ミラー65は凹面鏡であったが、これに代わり凸面鏡を用い、かつ、その反射面の曲率を変更可能なものを用いてもよい。
また、図1等においては、集光レンズ13で絞ったレーザビームLbを、交差する孔1,2のうちの大きい方の孔1内に入れ、反射ミラー14で向きを変えてバリ3に照射したが、交差する孔1,2のうちの小さい方の孔2内に入れ、反射ミラー14で向きを変えてバリ3に照射してもよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図12には、図3に代わる本実施形態におけるバリ除去装置の全体構成図を示す。
本実施形態においては、図13に示すごとく、切削装置におけるドリル80を保持する工具ホルダ81に対し、この工具ホルダ81を自動で取り外した後に、図12に示すように、アタッチメントとしての光学ユニット70を自動で取り付けて切削加工の後に切削装置に備えられた位置調整機能を用いてバリ除去加工を行う。また、アタッチメントとしての光学ユニット(70)は複数用意されており自動で交換する。つまり、多種多様な部品(被加工材W)にあけられた孔の直径、角度、バリの形状、また交差の仕方による除去部位の大きさや形状等の複雑な加工に対応するために、複数の光学ユニットを自動で交換可能な光学ツール交換機能を有する。
本実施形態においては、図13に示すごとく、切削装置におけるドリル80を保持する工具ホルダ81に対し、この工具ホルダ81を自動で取り外した後に、図12に示すように、アタッチメントとしての光学ユニット70を自動で取り付けて切削加工の後に切削装置に備えられた位置調整機能を用いてバリ除去加工を行う。また、アタッチメントとしての光学ユニット(70)は複数用意されており自動で交換する。つまり、多種多様な部品(被加工材W)にあけられた孔の直径、角度、バリの形状、また交差の仕方による除去部位の大きさや形状等の複雑な加工に対応するために、複数の光学ユニットを自動で交換可能な光学ツール交換機能を有する。
図14には、図4に代わる本実施形態のバリ除去装置の要部構成を示す。
光学ユニット70の内部構成は、第1の実施形態で説明した光学ユニット18と同じであり、集光レンズ13、保護ガラス板29、反射ミラー14等を具備している。
光学ユニット70の内部構成は、第1の実施形態で説明した光学ユニット18と同じであり、集光レンズ13、保護ガラス板29、反射ミラー14等を具備している。
図13において上下位置決め部材16には回転ハウジング82が設けられ、回転ハウジング82の孔82aに、切削工具としてのドリル80を保持する工具ホルダ81が嵌入される。回転ハウジング82は一対のプーリー83,84およびベルト85を介してモータ86と連結され、モータ86の駆動により回転ハウジング82が回転し、これにより工具ホルダ81(ドリル80)が回転して孔があけられる。
図16に示すように、光学ユニット70の上部ハウジング71は、図13の回転ハウジング82の孔82aに嵌入できる形状(円錐形)をなしている。また、光学ユニット70の上部ハウジング71の外周部には図15(図14のA−A断面図)に示すように、凹凸による位置決め部材としてのキー溝72が形成され、回転ハウジング82の突起73と係合する。よって、光学ユニット70の上部ハウジング71を回転ハウジング82の孔82aに嵌入する際にキー溝72と突起73が嵌め合うように挿入することにより正確に光学ユニット70を位置決めすることができる。
このようにして、光学ユニット70のハウジング部と、装置本体としての上下位置決め部材16との相対位置関係を決定すべく光学ユニット70をレーザビームLbの照射方向と移動する方向、筒状ハウジングの孔の差し込む方向を定めるために、装着する光学ユニット70にキー溝72を、また、光学ユニットが保持される保持部(上下位置決め部材16)に突起73を設け、特定の方向で固定されるように構成されている。即ち、光学ユニット70を、装置本体(16)に対し凹凸関係により位置決めしており、これにより光学ユニット70を装置本体(16)に対し適切に位置決めすることができる。
図17には、アタッチメントとしての光学ユニット90を示し、この光学ユニット90は被加工材Wの表面に斜めに延びる孔1が形成されている場合に用いられる。詳しくは、光学ユニット90は、筒状ハウジング26内に二つの反射ミラー91,92が配置されている。光学ユニット90の筒状ハウジング26の延設方向は、集光レンズ13に入射するレーザビームLbの軸に対し角度を有し、集光レンズ13を通過した後のレーザビームLbの軸が、2つ以上の反射ミラー91,92で筒状ハウジング26の延設方向と平行となっている。よって、光学ユニット90の筒状ハウジング26の内部は、集光レンズ13を通過した後のレーザビームLbの軸が2つの反射ミラー91,92を用いて孔1の軸と平行となっている。このようにして、孔1の軸方向と差し込む筒状ハウジング26の軸が平行であり、筒状ハウジング26の孔内への挿入が可能となっている。なお、レーザビームLbの照射位置の微調整は、ネジ30を用いて行う。
このように、多種多様な部品(被加工材W)にあけられた孔の直径、角度、バリの形状、また交差の仕方による除去部位の大きさや形状等の複雑な加工に対応すべく、それぞれの形状に適合した光学ユニット70,90が用意されている。各光学ユニット70,90は図13に示すように台87にセットされ、台87はテーブル17と共にX,Y,θ方向に移動する。
形状に合わせた光学ユニット70,90の交換は次のようにして行う。上下位置決め部材16の孔82aから光学ユニットまたは工具ホルダ81を取り外した状態で、図13のテーブル17及び台87のX,Y,θ方向への移動機構を用いて、光学ユニット70(90)と上下位置決め部材16とを上下に対向するように位置させる。そして、上下位置決め部材16の上下移動機構を用いて上下位置決め部材16を下動させて、選択した光学ユニット70(90)を上下位置決め部材16の孔82a内に挿入する。この際、図15のキー溝72に合わせる位置で固定する。これにより、光学ユニットでのビームの照射方向と移動する方向、筒状ハウジングの孔の差し込む方向が定められる。その後、被加工材Wと上下位置決め部材16(光学ユニット)とを上下に対向するように位置させる。
こうしてから、バリの除去を行う。つまり、孔1と任意に選択した光学ユニット70,90の位置を特定し、目的の箇所へレーザビームLbを導いてバリ3を除去する。更に、前述したようにレーザビームLbを走査(例えば被加工材Wもしくは光学ユニットをθ方向へ移動、即ち、回転する等)してバリを除去する。
このように、予め孔の大きさ、形状に合わせて用意した光学ユニット70,90を交換しながら加工を進めていく。このようにすることで、多種製品の多様な加工箇所のバリ除去が可能になる。例えば、図17に示すように、斜めにあけられた孔1などのバリを除去する場合、孔1の軸方向と差し込む筒状ハウジング26の軸を平行にすることで筒状ハウジング26の孔内への挿入が可能になる。
また、切削装置における工具ホルダ81が嵌入される回転ハウジング82を流用することにより、切削加工とその加工で発生したバリの除去を同一の設備で行うことが可能になる(高密度エネルギービームを照射する装置として高額な設備を有効に活用する)。つまり、ドリル80を保持した工具ホルダ81を回転させて被加工材Wの内部に孔加工を行う切削加工が終了した後に、光学ユニット70に交換し、被加工材Wの内部に形成した孔1,2に存在するバリ3を除去するバリ除去工程で加工を行うことで、低コストで高効率な部品加工が可能となる。
以上のように本実施形態は下記の特徴を有している。
少なくとも筒状ハウジング26と反射ミラー14とをユニット化し、光学ユニット70を装置本体(16)に対し着脱可能としたので、形状に合わせた光学ユニットを装着することにより多種多様な被加工材(部品)に対処することができる。特に、光学ユニット70は、ドリル(切削工具)80を保持する工具ホルダ81に代わるアタッチメントとして装置本体(16)に対し着脱可能である。よって、高額な設備を有効に活用する上で、ドリルによる切削加工が終了した後に、光学ユニットに交換し、被加工材に形成した孔に存在するバリを除去することができ、これにより低コストで高効率な部品加工が可能となる。
少なくとも筒状ハウジング26と反射ミラー14とをユニット化し、光学ユニット70を装置本体(16)に対し着脱可能としたので、形状に合わせた光学ユニットを装着することにより多種多様な被加工材(部品)に対処することができる。特に、光学ユニット70は、ドリル(切削工具)80を保持する工具ホルダ81に代わるアタッチメントとして装置本体(16)に対し着脱可能である。よって、高額な設備を有効に活用する上で、ドリルによる切削加工が終了した後に、光学ユニットに交換し、被加工材に形成した孔に存在するバリを除去することができ、これにより低コストで高効率な部品加工が可能となる。
次に、応用例を説明する。
図16で説明した光学ユニット70はハウジング25内にスライド機構27とモータ28を備えているが、これは、切削加工機能を備えた場合において、回転ハウジング82の回転時の振動などで、破損する危険を防ぐためである。しかし、必ずしも交換可能なユニット70内に納める必要はなく、図19に示すように、装置本体としての上下位置決め部材16側に集光レンズ13とスライド機構27とモータ28を設置し、光学ユニット70に2枚のミラー74,75を配置する。そして、図18に示すように、集光レンズ13を通過したレーザビームLbを光学ユニット70内においてミラー74,75で反射して筒状ハウジング26内に導入してもよい。
図16で説明した光学ユニット70はハウジング25内にスライド機構27とモータ28を備えているが、これは、切削加工機能を備えた場合において、回転ハウジング82の回転時の振動などで、破損する危険を防ぐためである。しかし、必ずしも交換可能なユニット70内に納める必要はなく、図19に示すように、装置本体としての上下位置決め部材16側に集光レンズ13とスライド機構27とモータ28を設置し、光学ユニット70に2枚のミラー74,75を配置する。そして、図18に示すように、集光レンズ13を通過したレーザビームLbを光学ユニット70内においてミラー74,75で反射して筒状ハウジング26内に導入してもよい。
また、これまでの説明においては高密度エネルギービームとしてレーザビームを用いたが、他にも、ランプ照射ビーム、電子ビーム等を使用してもよい。ただ、レーザビームは、取り扱いが容易で一般的な加工設備として普及しているので使い勝手がよい。
1…孔、2…孔、3…バリ、11…レーザ発振器、13…集光レンズ、14…反射ミラー、16…上下位置決め部材、26…筒状ハウジング、27…上下スライド機構、31…ビーム出射口、32…ガス導入管、33…ビームスプリッタ、34…カメラ、35…ガス供給ノズル、40…ガス吸引部材、50…可変焦点レンズ装置、51…第1リング部材、52…ガラス製透明弾性板、53…ガラス製透明弾性板、54…作動流体、55…第2リング部材、56…圧電バイモルフ、57…内周連結部材、58…外周連結部材、70…光学ユニット、72…キー溝、80…ドリル、81…工具ホルダ、90…光学ユニット、91…反射ミラー、92…反射ミラー、Lb…レーザビーム。
Claims (27)
- 被加工材(W)の内部における孔(1,2)が交差する部分に存在するバリ(3)に対し高密度エネルギービーム(Lb)を照射して当該バリ(3)を除去する高密度エネルギービームによるバリ除去方法であって、
被加工材(W)に形成した孔(1,2)の外部において高密度エネルギービーム(Lb)を集光レンズ(13)で絞って孔(1)内に入れ、当該孔(1)内に配した反射ミラー(14)で向きを変えてバリ(3)に照射するようにしたことを特徴とする高密度エネルギービームによるバリ除去方法。 - 集光レンズ(13)と反射ミラー(14)との距離を変更して高密度エネルギービーム(Lb)における照射箇所でのビーム径を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 集光レンズ(13)への高密度エネルギービーム(Lb)の拡がり角を変更して高密度エネルギービーム(Lb)における照射箇所でのビーム径を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 反射ミラー(65)の反射面での曲率を変更して高密度エネルギービーム(Lb)における照射箇所でのビーム径を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- バリ(3)に高密度エネルギービーム(Lb)を照射して除去する際に、前記孔(1)内にガスを供給し、当該ガスをバリ(3)が存在する部位を通過させるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- バリ(3)に高密度エネルギービーム(Lb)を照射して除去する際に、前記孔(1)内にガスを供給し、当該ガスを反射ミラー(14)の反射面を通過させるようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 前記孔(2)から強制的にガスを吸引するようにしたことを特徴とする請求項5または6に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 孔(1,2)の交差部のエッジ部分に形成されたバリ(3)に対し高密度エネルギービーム(Lb)を走査して照射するようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 反射ミラー(14)の向きを変更して高密度エネルギービーム(Lb)を走査するようにしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 孔(1,2)の交差部のエッジ部分に形成されたバリ(3)に対し高密度エネルギービーム(Lb)を全て含む大きさで一括して照射するようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 高密度エネルギービーム(Lb)の光学系の途中にモニター光学系を分岐させ、モニター光学系により孔(1,2)の内部をモニターするようにしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 高密度エネルギービームはレーザビームであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去方法。
- 被加工材(W)の内部における孔(1,2)が交差する部分に存在するバリ(3)に対し高密度エネルギービーム(Lb)を照射して当該バリ(3)を除去する高密度エネルギービームによるバリ除去装置であって、
高密度エネルギービーム(Lb)を発生する高密度エネルギービーム発生器(11)と、
前記孔(1)内に差し込まれる筒状ハウジング(26)と、
被加工材(W)の外部に配置され、前記高密度エネルギービーム発生器(11)からの高密度エネルギービーム(Lb)を絞って前記筒状ハウジング(26)の内部に入れる集光レンズ(13)と、
前記筒状ハウジング(26)の内部に配置され、前記筒状ハウジング(26)の内部を通る高密度エネルギービーム(Lb)を反射してバリ(3)に向かわせる反射ミラー(14)と、
を備えたことを特徴とする高密度エネルギービームによるバリ除去装置。 - 前記集光レンズ(13)と反射ミラー(14)との距離(L2)は、前記筒状ハウジング(26)を差し込む孔(1)における孔(1,2)の交差部の深さ(L1)より大きいことを特徴とする請求項13に高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 少なくとも前記筒状ハウジング(26)と反射ミラー(14)とをユニット化し、当該光学ユニット(70)を装置本体(16)に対し着脱可能としたことを特徴とする請求項13または14に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 前記光学ユニット(70)は、切削工具(80)を保持する工具ホルダ(81)に代わるアタッチメントとして装置本体(16)に対し着脱可能であることを特徴とする請求項15に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 前記光学ユニット(70)を、装置本体(16)に対し凹凸関係により位置決めしたことを特徴とする請求項15または16に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 前記光学ユニット(90)の筒状ハウジング(26)の延設方向は、集光レンズ(13)に入射する高密度エネルギービーム(Lb)の軸に対し角度を有し、
集光レンズ(13)を通過した後の高密度エネルギービーム(Lb)の軸が、2つ以上の反射ミラー(91,92)で筒状ハウジング(26)の延設方向と平行となっていることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。 - 高密度エネルギービーム(Lb)の軸上において前記集光レンズ(13)を反射ミラー(14)に接離する方向に移動可能に支持するビーム径調整機構(27)を設けたことを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 前記集光レンズ(13)における高密度エネルギービーム(Lb)の入射側に、曲面の曲率が変化可能なレンズ部(52,53,54)を配置するとともに、レンズ部(52,53,54)の曲面の曲率を変化させるビーム径調整用アクチュエータ(56)を設けたことを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 反射ミラー(65)として反射面の曲率を変更可能なものを用いたことを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 反射ミラー(14)の向きを変更させるアクチュエータ(60)を設けたことを特徴とする請求項13〜21のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 筒状ハウジング(26)の内部にガスを供給して当該ガスを反射ミラー(14)の反射面を通過させ筒状ハウジング(26)における高密度エネルギービーム(Lb)の出射口(31)から排出するためのガス供給装置(32)を設けたことを特徴とする請求項13〜22のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 前記筒状ハウジング(26)を差し込む孔(1)の開口部から孔(1)の内壁と筒状ハウジング(26)の外周面との間にガスを供給して孔(1,2)でのバリ(3)が存在する部位を通過させるためのガス供給装置(35)を設けたことを特徴とする請求項13〜23のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 前記被加工材(W)における孔(2)の開口部に接続され、強制的にガスを吸引するガス吸引部材(40)を設けたことを特徴とする請求項23または24に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 高密度エネルギービーム(Lb)の光学系の途中にビームスプリッタ(33)を配置するとともにビームスプリッタ(33)により分岐させた光学系に孔内モニター用撮像装置(34)を設けたことを特徴とする請求項13〜25のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
- 高密度エネルギービームはレーザビームであることを特徴とする請求項13〜26のいずれか1項に記載の高密度エネルギービームによるバリ除去装置。
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