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JP2006095480A - 複合逆浸透膜 - Google Patents

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JP2006095480A JP2004287448A JP2004287448A JP2006095480A JP 2006095480 A JP2006095480 A JP 2006095480A JP 2004287448 A JP2004287448 A JP 2004287448A JP 2004287448 A JP2004287448 A JP 2004287448A JP 2006095480 A JP2006095480 A JP 2006095480A
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Osamu Hayashi
修 林
Masahiko Hirose
雅彦 廣瀬
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Nitto Denko Corp
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Abstract

【課題】 高い塩阻止性能と高い透過流束を併せ持ち、さらに汚染性有機物質を含有する原液を処理しても透過流束が低下することがない複合逆浸透膜を提供すること。
【解決手段】 芳香族多官能アミン成分と多官能酸成分とを縮合反応させて得られる芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜が多孔性ポリスルホン支持膜の表面に形成されている複合逆浸透膜において、前記薄膜は、電気的に中性の有機化合物を含有するか及び/又はその表面に電気的に中性のポリビニルアルコール等の有機化合物を含有する保護層を有しており、膜材質の赤外線吸収強度比を一定範囲に限定したことを特徴とする複合逆浸透膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜とこれを支持する多孔性ポリスルホン支持膜とからなる複合逆浸透膜に関する。かかる複合逆浸透膜は、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。
従来より、多孔性支持体上に実質的に選択分離性を有する薄膜を形成してなる複合逆浸透膜が知られている。このような複合逆浸透膜としては、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との界面重合によって得られるポリアミドからなるスキン層が支持体上に形成されたものが知られている(特許文献1〜3)。しかし、これら複合逆浸透膜を用いて、排水などの汚染性有機物質を含有する液を処理すると膜汚染により透過流束が低下するという問題があり、排水処理を行った場合でも透過流束が低下しない逆浸透膜の開発が望まれていた。
前記問題を解決することを目的として、ポリビニルアルコールを分離活性層の表面に被覆する方法が提案されている(特許文献4)。しかし、特許文献4記載の逆浸透複合膜でも透過流束の低下を十分に抑制することができない。
また、透過流束を向上させることを目的として、アミン塩を含有する芳香族ポリアミド水透過膜が開示されている(特許文献5)。しかし、芳香族ポリアミド水透過膜に添加されているアミン塩のアミンが蒸発し、非イオン性物質の阻止性能が低下したり、実用上で用いられる化学洗浄剤などに対して膜性能が低下するなどの問題があった。
特開昭55−147106号公報 特開昭62−121603号公報 特開昭63−218208号公報 特許第3379963号明細書 特公平6−73617号公報
本発明の目的は、高い塩阻止性能と高い透過流束を併せ持ち、さらに汚染性有機物質を含有する原液を処理しても透過流束が低下することがない複合逆浸透膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、下記複合逆浸透膜により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、芳香族多官能アミン成分と多官能酸成分とを縮合反応させて得られる芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜が多孔性ポリスルホン支持膜の表面に形成されている複合逆浸透膜において、前記薄膜は、電気的に中性の有機化合物を含有するか及び/又はその表面に電気的に中性の有機化合物を含有する保護層を有しており、かつ下記式(1)〜(3)をすべて満たすことを特徴とする複合逆浸透膜、に関する。
(数4)
0.25<A/C<0.5 (1)

(数5)
0.9<A/B<1.3 (2)
(数6)
0.014<A/BC<0.02 (3)
(ただし、上記式(1)〜(3)において、Aは、芳香族ポリアミド樹脂中のアミド基のアミドII吸収帯(1660±20cm−1)における最大赤外吸収強度であり、Bは、芳香族ポリアミド樹脂中の芳香環の吸収帯(1610±20cm−1)における最大赤外吸収強度であり、Cは、多孔性ポリスルホン支持膜のスルホン基の吸収帯(1245±20cm−1)における最大赤外吸収強度である。)
本発明の複合逆浸透膜は、高い塩阻止性能と高い透過流束を併せ持ち、さらに汚染性有機物質を含有する原液を処理しても透過流束が低下することがない。膜汚染の原因の一つとして、薄膜の荷電状態が挙げられる。界面重合によって得られる芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜は、残存する多官能酸成分の影響で負電荷を有している。そして、負電荷を帯びた薄膜表面にカチオン性汚染物質が吸着して透過流束が低下すると考えられる。
本発明においては、電気的に中性の有機化合物を薄膜に含有させるか及び/又は薄膜の表面に電気的に中性の有機化合物を含有する保護層を設けることにより、薄膜表面が電荷を帯びることを防止し、薄膜表面に汚染物質が吸着することを抑制することができる。その結果、汚染性有機物質を含有する原液を処理した場合でも透過流束の低下を抑制することができる。
また本発明においては、芳香族ポリアミド樹脂中のアミド基及び芳香環、並びに多孔性ポリスルホン支持膜のスルホン基の最大赤外吸収強度を上記関係に調整することにより、さらに透過流束の低下を抑制することができる。
上記式(1)において、A/Cが0.25以下の場合には、薄膜の強度が小さくなるため使用時に損傷を受けやすくなる。一方、A/Cが0.5以上の場合には、薄膜構造が密になりすぎて透過流束が低下する。上記式(1)は、0.25<A/C<0.45であることが好ましい。
上記式(2)において、A/Bが0.9以下の場合には、薄膜の強度が小さくなるため使用時に損傷を受けやすくなる。一方、A/Bが1.3以上の場合には、薄膜構造が密になりすぎて透過流束が低下する。上記式(2)は、0.95<A/B<1.2であることが好ましい。
上記式(3)において、A/BCが0.014以下の場合には、薄膜の強度が小さくなるため使用時に損傷を受けやすくなる。一方、A/BCが0.02以上の場合には、薄膜構造が密になりすぎて透過流束が低下する。上記式(3)は、0.014<A/BC<0.018であることが好ましい。
本発明においては、電気的に中性の有機化合物が、非イオン性親水基を有する有機化合物であることが好ましい。汚染性有機物質が疎水性基を有する場合、非イオン性親水基を有する有機化合物を用いることにより、薄膜表面に汚染物質が吸着することを抑制することができる。
本発明においては、前記非イオン性親水基を有する有機化合物は、ポリビニルアルコールであることが好ましい。また、前記ポリビニルアルコールは、平均重合度が2000〜
3000であり、かつケン化度が99%以上であることがより好ましい。このようなポリビニルアルコールは、多数のヒドロキシル基の作用により薄膜表面に汚染物質が吸着することを効果的に抑制することができる。
本発明の複合逆浸透膜において、保護層の厚さは0.001〜1μmであることが好ましい。保護層の厚さが0.001μm未満の場合には、均一な被膜を形成することが困難となり、1μmを超える場合には、透水性が低下する傾向にある。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の複合逆浸透膜は、芳香族多官能アミン成分と多官能酸成分とを縮合反応させて得られる芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜が多孔性ポリスルホン支持膜の表面に形成されたものであり、前記薄膜は、電気的に中性の有機化合物を含有するか及び/又はその表面に電気的に中性の有機化合物を含有する保護層を有しており、かつ上記式(1)〜(3)をすべて満たすことを特徴とする。
芳香族多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する芳香族アミンである。
芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、及びキシリレンジアミン等が挙げられる。これら芳香族多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上用いてもよい。また、上記式を満たせば脂肪族多官能アミンや脂環族多官能アミンを併用してもよい。
多官能酸成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸化合物であり、例えば酸ハライド基、酸無水物基等を有する多官能酸化合物を挙げることができる。
多官能酸ハライド化合物としては、芳香族、脂肪族、又は脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。芳香族多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸トリクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸トリクロライド、ベンゼンジスルホン酸ジクロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上用いてもよい。高塩阻止性能の薄膜を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。
また、多官能酸成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸成分を用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。
薄膜の厚みは、薄膜の製法等にもよるが、0.05〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。当該厚みが薄い方が透過流束の面で優れるが、薄くなりすぎると薄膜の機械的強度が低下して欠陥が生じ易く、塩や非イオン性物質の阻止性能に悪影響を及ぼす傾向がある。
前記薄膜は、電気的に中性の有機化合物を含有するか及び/又はその表面に電気的に中性の有機化合物を含有する保護層を有している。
電気的に中性の有機化合物としては、カチオン性官能基とアニオン性官能基とを有する有機化合物や、非イオン性親水基を有する有機化合物が挙げられる。
非イオン性親水基を有する有機化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ケン化ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらのうち、平均重合度が2000〜3000であり、かつケン化度が99%以上であるポリビニルアルコールを用いることが好ましい。平均重合度は2500〜3000であることがより好ましく、ケン化度は99.5%以上であることがより好ましい。上記ポリビニルアルコールを用いると、非イオン性親水基であるヒドロキシル基の作用により汚染性有機物質に対する耐性が高くなり、薄膜に汚染物質が吸着することを抑制することができるため、透過流束の低下を効果的に抑制することができる。
薄膜表面にポリビニルアルコールなどの電気的に中性の有機化合物を含有する保護層を設ける場合、その形成方法は特に制限されず、例えば、電気的に中性の有機化合物を含有する溶液を塗布し、乾燥する方法が挙げられる。溶媒としては、薄膜を劣化させることのない溶媒を用いることが好ましく、例えば、水、低級アルコール、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素、アセトン、アセトニトリル、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。特に、低級アルコールと水の混合溶媒を用いることが好ましい。
溶液中の電気的に中性の有機化合物の濃度は、0.01〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。塗布方法は特に制限されず、ディッピング法、噴霧法などが挙げられる。塗布後の乾燥手段及び乾燥温度も特に制限されないが、20〜200℃であることが好ましく、さらに好ましくは50〜150℃である。
保護層の厚さは0.001〜1μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.5μmである。
本発明において、上記薄膜を支持する多孔性支持膜としては、化学的、機械的、及び熱的に安定である観点から、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホンからなる多孔性ポリスルホン支持膜を用いる。かかる多孔性ポリスルホン支持膜は、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmの厚みを有するが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、多孔性ポリスルホン支持膜は、対称構造でも非対称構造でもよいが、薄膜の支持機能と通液性を両立させる上で、非対称構造が好ましい。なお、多孔性ポリスルホン支持膜の薄膜形成側面の平均孔径は、1〜1000nmが好ましい。多孔性ポリスルホン支持膜は織布、不織布等による裏打ちにて補強されていてもよい。
芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜を多孔質ポリスルホン支持膜上に形成させる際に、その方法については何ら制限なく、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。中でも、多孔質ポリスルホン支持膜上に芳香族多官能アミン成分を含有する水溶液を塗布した後に、かかる多孔質ポリスルホン支持膜を多官能酸成分を含有する有機溶液に接触させることにより多孔質ポリスルホン支持膜上に薄膜を形成させる界面縮合法が好ましい。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
界面縮合法を用いる場合、前記水溶液中の芳香族多官能アミン成分の含有量は0.1〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。芳香族多官能アミン成分の濃度が0.1重量%未満の場合には薄膜にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、また塩や非イオン性物質の阻止性能が低下する傾向にある。一方、芳香族多官能アミン成分の濃度が10重量%を超える場合には膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液中の多官能酸成分の含有量は0.01〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。多官能酸成分の濃度が0.01重量%未満の場合には薄膜にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、また塩や非イオン性物質の阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能酸成分の濃度が10重量%を超える場合には膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液に用いられる有機溶媒としては、水に対する溶解度が低く、多孔性ポリスルホン支持膜を劣化させず、多官能酸成分を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の飽和炭化水素、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン置換炭化水素を挙げることができる。好ましくは沸点が300℃以下、さらに好ましくは沸点が200℃以下の飽和炭化水素である。
また、その反応場に、製膜を容易にし、あるいは得られる複合逆浸透膜の性能を向上させるための目的で、各種の試薬を存在させることが可能である。これらの試薬として、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、縮重合反応にて生成するハロゲン化水素を除去しうる水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カンファースルホン酸、あるいは公知のアシル化触媒、また、特開平8−224452号公報に記載の溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm1/2の化合物などがあげられる。
多孔性ポリスルホン支持膜上に前記水溶液を塗布した後に、かかる多孔性ポリスルホン支持膜を多官能酸成分を含有する有機溶液に接触させる時間は特に制限されないが、2〜600秒であることが好ましく、さらに好ましくは4〜60秒である。
有機溶液との接触後、多孔性ポリスルホン支持膜上の過剰な有機溶液を除去し、多孔性ポリスルホン支持膜上の形成膜を20〜200℃、さらに好ましくは100〜150℃で加熱乾燥して薄膜を形成することが好ましい。形成膜を加熱処理することにより薄膜の機械的強度や耐熱性等を高めることができる。加熱時間は30秒〜10分程度が好ましく、さらに好ましくは1〜7分程度である。
本発明の複合逆浸透膜は、高い塩阻止性能と高い透過流束を併せ持ち、さらに汚染性有機物質を含有する原液を処理しても透過流束がほとんど低下することがない。
該複合逆浸透膜は、クリーンな水が要求される分野、例えば、かん水や海水等の脱塩による淡水化や、半導体の製造に必要とされる超純水の製造等に好適に用いることができる。特に、染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、食塩の阻止率は下記式により算出される値である。
<食塩の阻止率>
阻止率(%)=(1−(膜透過液中の食塩濃度/原水中の食塩濃度))×100
<最大赤外吸収強度A、B、及びCの測定方法>
作製した複合逆浸透膜の最大赤外吸収強度A、B、及びCは、FT−IR 1750(PERKIN−ELMER社製)を使用し、KRS−5を用いた45℃多重反射ATR法により得られた赤外吸収スペクトルから求めた。なお、複合逆浸透膜の薄膜側から赤外放射して測定した。このときの測定深さは、PET基板上の多孔性ポリスルホン支持膜を超えず、PET基板に含まれる1710cm−1付近のエステル結合由来の吸収がないことを確認した。具体的には、ベースラインを引き、そこから垂直にアミド基のアミドII吸収帯のピークトップに引いた長さをA(mm)、芳香環の吸収帯のピークトップに引いた長さをB(mm)、及びスルホン基の吸収帯のピークトップに引いた長さをC(mm)とする。
実施例1
m−フェニレンジアミン3重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.25重量部、カンファースルホン酸5.5重量部(0.35N)、水酸化ナトリウム1.4重量部(0.35N)、イソプロピルアルコール20重量部、及び水69.85重量部を混合して水溶液を調製した。該水溶液を多孔性ポリスルホン支持膜(限外ろ過膜、厚さ:約140μm)上に塗布した後、余分な水溶液を除去して多孔性ポリスルホン支持膜上に膜を形成した。次に、トリメシン酸クロライド0.2重量%を含むイソオクタン溶液を前記膜上に塗布した。その後、余分なイソオクタン溶液を除去して120℃の乾燥器内で2分間保持して多孔性ポリスルホン支持膜上に薄膜(厚さ:約200nm)を形成した。
0.25重量%のポリビニルアルコール(平均重合度:2600、ケン化度:99.5%)を含有する溶液(イソプロピルアルコール/水=3/7)を薄膜上に塗布した後、100℃の乾燥器内で5分間保持し、再度該溶液を塗布して130℃で5分間保持し、保護層(厚さ:約0.1μm)を形成して複合逆浸透膜を得た。
作製した複合逆浸透膜を用いて、1500mg/lの食塩水を原水として、25℃、pH6.5、操作圧力1.5MPaの条件下で透過試験を行った。その結果を表1に示す。また、作製した複合逆浸透膜を平膜セルにセットし、工業用水を原水として、25℃、pH6.5、操作圧力1.5MPaの条件下で透過試験を行った。連続運転5分後の透過流束(X)と30分後の透過流束(Y)、及び保持率(Y/X)を表1に示す。
比較例1
保護層を設けなかった以外は実施例1と同様の方法で複合逆浸透膜を作製し、透過試験を行った。透過試験の結果を表1に示す。
比較例2
m−フェニレンジアミン3重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.25重量部、ベンゼンスルホン酸5.5重量部(0.35N)、トリエチルアミン3.5重量部(0.35N)、イソプロピルアルコール20重量部、及び水67.75重量部を混合して水溶液を調製した。その後、実施例1と同様の方法で複合逆浸透膜を作製し、透過試験を行った。透過試験の結果を表1に示す。
比較例3
保護層を設けなかった以外は比較例2と同様の方法で複合逆浸透膜を作製し、透過試験を行った。透過試験の結果を表1に示す。
Figure 2006095480
表1から明らかなように、本発明の複合逆浸透膜は、高い塩阻止性能と高い透過流束を有し、さらに汚染性有機物質による透過流束の低下を効果的に抑制することができる(耐汚染性に優れる)ため、各種脱塩用途や排水等の回収用途に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 芳香族多官能アミン成分と多官能酸成分とを縮合反応させて得られる芳香族ポリアミド樹脂を含む薄膜が多孔性ポリスルホン支持膜の表面に形成されている複合逆浸透膜において、前記薄膜は、電気的に中性の有機化合物を含有するか及び/又はその表面に電気的に中性の有機化合物を含有する保護層を有しており、かつ下記式(1)〜(3)をすべて満たすことを特徴とする複合逆浸透膜。
    (数1)
    0.25<A/C<0.5 (1)
    (数2)
    0.9<A/B<1.3 (2)
    (数3)
    0.014<A/BC<0.02 (3)
    (ただし、上記式(1)〜(3)において、Aは、芳香族ポリアミド樹脂中のアミド基のアミドII吸収帯(1660±20cm−1)における最大赤外吸収強度であり、Bは、芳香族ポリアミド樹脂中の芳香環の吸収帯(1610±20cm−1)における最大赤外吸収強度であり、Cは、多孔性ポリスルホン支持膜のスルホン基の吸収帯(1245±20cm−1)における最大赤外吸収強度である。)
  2. 電気的に中性の有機化合物が、非イオン性親水基を有する有機化合物である請求項1記載の複合逆浸透膜。
  3. 非イオン性親水基を有する有機化合物が、ポリビニルアルコールである請求項2記載の複合逆浸透膜。
  4. 前記ポリビニルアルコールは、平均重合度が2000〜3000であり、かつケン化度が99%以上である請求項3記載の複合逆浸透膜。
  5. 保護層の厚さが0.001〜1μmである請求項1〜4のいずれかに記載の複合逆浸透膜。
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