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JP2006070978A - 電磁クラッチ装置 - Google Patents

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JP2006070978A
JP2006070978A JP2004254476A JP2004254476A JP2006070978A JP 2006070978 A JP2006070978 A JP 2006070978A JP 2004254476 A JP2004254476 A JP 2004254476A JP 2004254476 A JP2004254476 A JP 2004254476A JP 2006070978 A JP2006070978 A JP 2006070978A
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Sunao Mogami
直 最上
Shinji Yamazaki
伸司 山崎
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GKN Driveline Japan Ltd
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GKN Driveline Torque Technology KK
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Abstract

【課題】 構造を簡易化し、小型化する。
【解決手段】 第1トルク伝達部材3と、第1トルク伝達部材3の外周側に配置された第2トルク伝達部材5と、トルク伝達部材3,5の間で駆動トルクを断続するクラッチ7と、電磁石9と、電磁石9の磁路の一部を構成するロータ11と、この磁路を介して電磁石9に吸引されクラッチ13を締結させるアーマチャ15からなる電磁アクチュエータ17とを備え、ロータ11を第1トルク伝達部材3の外周に連結部19によって一体回転可能に連結した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁石によって断続されるクラッチにより、一対のトルク伝達部材の間で駆動トルクを伝達する電磁クラッチ装置に関する。
特許文献1に連結装置が記載されている。
図3のように、この連結装置501において電磁石503がアーマチャ505を吸引しパイロットクラッチ507を締結させると、ボールカム509が作動してメインクラッチ511が締結され、回転ケース513と軸状トルク伝達部材515との間で駆動トルクが伝達される。
回転ケース513には磁性材料のロータ517が一体に連結されており、電磁石503の磁力はロータ517とパイロットクラッチ507とアーマチャ505などから形成される磁路を介してアーマチャ505を吸引する。
特開平3−282019号公報
従来の連結装置501は、上記のように、ロータ517が回転ケース513に連結されているから、これらを連結するための連結構造が必要であり、それだけ構造が複雑になって装置が大型化し、車載機器の場合は車載性が低下する恐れがある。
特に、ロータ517を回転ケース513に溶接する場合は、回転ケース513の軸方向の一方がロータ517で塞がれるから構成部材を組み付ける際の自由度が低下する上に、ロータ517が溶接された回転ケース513は大型化する上に、回転ケース513とロータ517は分解できないから、組み付け性だけでなく、分解性やメンテナンス性も低下する。
そこで、この発明は、構造を簡易化し、小型化した電磁クラッチ装置の提供を目的としている。
請求項1の電磁クラッチ装置は、軸状の第1トルク伝達部材と、第1トルク伝達部材の外周側に配置された第2トルク伝達部材と、第1と第2の各トルク伝達部材の間で駆動トルクを断続するクラッチと、電磁石と、電磁石の磁路の一部を構成するロータと、この磁路を介して電磁石に吸引されクラッチを断続操作するアーマチャからなる電磁アクチュエータとを備えた電磁クラッチ装置であって、第1トルク伝達部材の外周に連結部を設け、この連結部によりロータを第1トルク伝達部材に対して一体回転可能に連結したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された電磁クラッチ装置であって、電磁石は、電磁コイルと、電磁コイルの内周面及び外周面及び一方の径方向面を覆うコアとからなり、コアとロータとの間には、電磁コイルの磁力線を透過させる第1と第2の対向面が形成されており、ロータと第1トルク伝達部材との前記連結部の径方向投影と、第1と第2の対向面の少なくとも一方の径方向投影とが、少なくとも一部で互いにオーバーラップしていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された電磁クラッチ装置であって、電磁コイルの径方向投影と、第1と第2の対向面の少なくとも一方の径方向投影とが、少なくとも一部で互いにオーバーラップしていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載された電磁クラッチ装置であって、第1の対向面は、第2の対向面より径方向内側に位置しており、第1の対向面において、ロータとコアはこの順で径方向の内側から外側に向けて配置され、第2の対向面において、ロータとコアはこの順で径方向の内側から外側に向けて配置され、ロータ端部が、電磁コイルと軸方向に対向していることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載された電磁クラッチ装置であって、電磁アクチュエータによるクラッチの連結力を増幅するカム機構を設け、カム機構で発生する軸方向の推力及び反推力を受ける受け部を第1トルク伝達部材上に設けたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載された電磁クラッチ装置であって、連結部における第1トルク伝達部材の連結部分は、軸方向に設けられており、この連結部分において、クラッチとカム機構の少なくともいずれかが第1トルク伝達部材と一体回転可能に連結されていることを特徴とする。
請求項1の電磁クラッチ装置は、第1トルク伝達部材の外周に連結部を介してロータを一体回転可能に連結したことにより、ロータが第2トルク伝達部材から分離されロータと第2トルク伝達部材との結合構造を取らなくて済むから、構造の簡素化が可能になり、それに伴って装置を小型化し、車載性を向上させることができる。
また、ロータを第1トルク伝達部材から取り外すことができる本発明の電磁クラッチ装置では、構成部材を組み付ける際の自由度だけでなく、分解性やメンテナンス性も大幅に向上する。
請求項2の電磁クラッチ装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
また、ロータと第1トルク伝達部材の連結部と、電磁石のコアとロータとの間に形成され、磁路の一部となる第1と第2の各対向面の一方または両方の少なくとも一部を径方向にオーバーラップさせた(互いの径方向投影が重なるように配置した)ことにより、軸方向の配置スペースがそれだけ抑制され、電磁クラッチ装置が軸方向に小型化される。
請求項3の電磁クラッチ装置は、請求項2の構成と同等の効果を得ることができる。
また、電磁コイルと、第1と第2の各対向面の一方または両方の少なくとも一部を径方向にオーバーラップさせたことにより、軸方向の配置スペースがさらに抑制され、電磁クラッチ装置が軸方向に小型化される。
請求項4の電磁クラッチ装置は、請求項2または請求項3の構成と同等の効果を得ることができる。
また、第1の対向面を第2の対向面の径方向内側に設け、第1の対向面においてはロータとコアをこの順に径方向の内側から外側に配置し、第2の対向面においてはロータとコアをこの順で径方向の内側から外側に配置したことによって、第1と第2の各対向面の配置順序と、第1と第2の各対向面での部材の配置順序を特定したことによって電磁クラッチ装置が径方向に大型化することが防止されている。
また、ロータ端部を電磁コイルと軸方向に対向させたことにより、配置スペースを抑えたうえで極力第2対向面の軸方向長さを長く(対向面積を広く)してロータとコアとの間の対向面積を確保することができる。
請求項5の電磁クラッチ装置は、請求項1〜請求項4の構成と同等の効果を得ることができる。
また、カム機構によるクラッチの締結力を含めて、カム機構の推力と反推力を第1トルク伝達部材上で受けることによって第1トルク伝達部材上だけでこれらを互いに相殺することができるから、推力と反推力の影響が電磁クラッチ装置の外部へ波及することが防止される。
請求項6の電磁クラッチ装置は、請求項5の構成と同等の効果を得ることができる。
また、第1トルク伝達部材上の連結部分にクラッチとカム機構の一方か両方を連結し、この連結部分をロータの連結と共用したことにより、これらの部材の組み付け性が向上すると共に、ロータの連結用以外の連結部を設ける必要がないから、本発明を実施する上でのコストアップを事実上回避することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1によって電磁クラッチ装置1(本発明の第1実施形態)の説明をする。この電磁クラッチ装置1は4輪駆動車の後輪側動力系に用いられており、左右の方向はこの車両の左右の方向であり、図1の右方はこの4輪駆動車の前方(エンジン側)に相当する。
この4輪駆動車の動力系は、エンジン(原動機)、トランスミッション、トランスファ、トランスファの内部に設けられた2ー4切り換え機構、フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)、前車軸、左右の前輪、前側のプロペラシャフト、電磁クラッチ装置1、後側のプロペラシャフト、リヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)、後車軸、左右の後輪などから構成されている。
エンジンの駆動力は、トランスミッションからフロントデフに伝達され、フロントデフから前車軸を介して左右の前輪に配分される。また、2ー4切り換え機構が連結されると、エンジンの回転はトランスファから前側のプロペラシャフトを介して電磁クラッチ装置1に伝達される。電磁クラッチ装置1が連結されると、エンジンの駆動力は後側のプロペラシャフトを介してリヤデフに伝達され、リヤデフから後車軸を介して左右の後輪に配分され車両は4輪駆動状態になる。また、電磁クラッチ装置1の連結が解除されると後側のプロペラシャフト以下が切り離されて車両は2輪駆動状態になる。
[電磁クラッチ装置1の特徴]
電磁クラッチ装置1は、ハブ3(軸状の第1トルク伝達部材)と、ハブ3の外周側に配置された回転ケース5(第2トルク伝達部材)と、ハブ3と回転ケース5の間で駆動トルクを断続するメインクラッチ7(クラッチ)と、
電磁石9と、電磁石9の磁路の一部を構成するロータ11と、この磁路を介して電磁石9に吸引されパイロットクラッチ13(クラッチ)を断続操作するアーマチャ15とからなる電磁アクチュエータ17とを備えた電磁クラッチ装置であて、
ロータ11を、ハブ3の外周にスプライン部19(連結部)を介して一体回転可能に連結し、
電磁石9は、電磁コイル21と、電磁コイル21の内周面及び外周面及び左方の径方向面を覆うコア23とからなり、ロータ11とコア23との間には、電磁コイル21の磁力線を透過させる第1のエアギャップ25(第1の対向面)及び第2のエアギャップ27(第2の対向面)が形成されており、
ロータ11とハブ3を連結するスプライン部19の径方向投影と第1と第2のエアギャップ25,27の径方向投影の大部分が互いにオーバーラップし、
電磁コイル21の径方向投影と第1のエアギャップ25の径方向投影が互いにオーバーラップし、
第1のエアギャップ25は第2のエアギャップ27の径方向内側に位置しており、第1のエアギャップ25では、ロータ11とコア23がこの順で径方向の内側から外側に配置され、第2のエアギャップ27では、ロータ11とコア23がこの順で径方向の内側から外側に配置され、第2のエアギャップ27を構成するロータ11の端部29が、電磁コイル21と軸方向に対向しており、
電磁アクチュエータ17によるメインクラッチ7の連結力を増幅するボールカム31(カム機構)を設けると共に、ボールカム31で発生する軸方向の推力及び反推力を受けてこれらを相殺するスナップリング33,35(受け部)をハブ3に固定し、
スプライン部19におけるハブ3のスプライン37(連結部分)が、軸方向に設けられており、このスプライン37に、メインクラッチ7のインナープレート55と、ボールカム31を構成するプレッシャープレート65がハブ3と一体回転可能に連結されていることを特徴としている。
さらに、第1のエアギャップ25と第2のエアギャップ27はロータ11とコア23の各円筒面の間で形成され、特に、第2のエアギャップ27はロータ11の径方向外側にまで延設されたコア23の延設部24とロータ11との間に形成されている。また、第1のエアギャップ25と第2のエアギャップ27は軸方向にオフセット配置されている。
[電磁クラッチ装置1の構成]
電磁クラッチ装置1は車体の下部に固定されたケーシングに収容されている。このケーシングはケーシング本体39と前部カバーとを、Oリング40を挟み、ボルトで固定して構成されており、ケーシングの内部にはオイル溜りが設けられている。
ハブ3は後方の開口側から回転ケース5に貫入している。ハブ3の内周に設けられたスプライン41には動力伝達軸43が連結されており、動力伝達軸43は後側のプロペラシャフトなどを介してリヤデフ側に連結されている。また、動力伝達軸43はボールベアリング45を介してケーシング本体39に支持され、ハブ3は動力伝達軸43とボールベアリング45とを介してケーシング本体39に支持されている。動力伝達軸43とケーシング本体39との間にはオイル漏れを防止するオイルシール47が配置されている。
回転ケース5は円筒部材48と動力伝達軸49とこれらを連結する前側壁部50からなり、動力伝達軸49の外周に設けられたスプライン51には動力伝達軸が連結され、この動力伝達軸は前側のプロペラシャフトなどを介してトランスファ側に連結されている。また、動力伝達軸49はボールベアリング53を介して前部カバーに支持されている。なお、ハブ3のスプライン41と回転ケース5(動力伝達軸49)のスプライン51は互いに軸方向に設けられている。
メインクラッチ7はハブ3と回転ケース5(円筒部材48)との間に配置されており、インナープレート55はハブ3のスプライン37に連結され、アウタープレート57は円筒部材48の内周に設けられたスプライン59に連結されている。また、メインクラッチ7の前側に接して受圧プレート61がスプライン59に連結されており、スナップリング35は受圧プレート61と接してハブ3に取り付けられ、メインクラッチ7と受圧プレート61を軸方向前方に位置決めしている。
上記のように、電磁アクチュエータ17は電磁石9とロータ11とパイロットクラッチ13とアーマチャ15から構成されている。
ロータ11はハブ3の外周にスプライン部19を介して一体回転可能に連結されている。また、スナップリング33はロータ11と接してハブ3に取り付けられており、ロータ11を軸方向後方に位置決めしている。
パイロットクラッチ13は、ハブ3の外周で回転自在に支持されたカムリング63と、回転ケース5(円筒部材48)との間に配置されており、インナープレートはカムリング63の外周にスプライン連結され、アウタープレートは円筒部材48のスプライン59に連結されている。
アーマチャ15はパイロットクラッチ13とプレッシャープレート65との間に配置されている。アーマチャ15は内周をカムリング63の外周にスプライン連結され、プレッシャープレート65は内周をハブ3のスプライン37に連結されている。
ボールカム31はカムリング63とプレッシャープレート65との間に設けられており、ロータ11とカムリング63との間にはボールカム31のカムスラスト力(軸力)を受けるスラストベアリング67とワッシャ69が配置されている。
電磁コイル21(電磁石9)のリード線はコア23に設けられた端子71,73から保護パイプ75を通ってケーシング本体39の外部に引き出され、車載のバッテリに接続されている。保護パイプ75とケーシング本体39との間にはOリング77が配置され、オイル漏れと異物の侵入を防止している。電磁石9はケーシング本体39の内部から保護パイプ75を開口79に貫通させてケーシング本体39に取り付けられている。この際、保護パイプ75に設けられた凸部81をケーシング本体39側と係合させて電磁石9をケーシング本体39に回り止めしていると共に、保護パイプ75の先端に設けられた可撓性の凸部83は開口79を貫通した後拡張し、保護パイプ75及び電磁石9の抜け止め機能を果たしている。
コア23とエアギャップ25,27とロータ11とパイロットクラッチ13とアーマチャ15とによって電磁石9の磁路が形成されており、スプライン部19において磁路からの磁束漏れを軽減するためにハブ3はロータ11より透磁率の低い材料で作られている。また、スプライン部19に近接して設けられているエアギャップ25の変動を軽減するためにハブ3はロータ11より熱膨張率の低い材料で作られている。
また、ロータ11は板材のプレス加工か、あるいは、焼結によって作られており、磁路上での磁束のバイパスを防止するためにステンレス鋼のリング85(磁路形成部)によって磁気的に径方向の外側と内側に分断されている。なお、リング85の代わりに、ロータ11に複数の抜き孔(磁路形成部)を周方向に設けてもよい。
コントローラは、電磁石9の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。
電磁石9が励磁されると、上記の磁路に磁束ループ87が発生し、アーマチャ15が吸引されてパイロットクラッチ11を締結させ、発生したパイロットトルクによって回転ケース5からパイロットクラッチ13とカムリング63とを介してボールカム31にエンジンの駆動力が掛かり、発生したカムスラスト力(軸力)によりプレッシャープレート65を介しメインクラッチ7が受圧プレート61の間で押圧されて電磁クラッチ装置1が連結され、上記のようにエンジンの駆動力は電磁クラッチ装置1からプロペラシャフトなどを介してリヤデフに伝達され、左右の後輪に配分されて車両は4輪駆動状態になり、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
このとき、コントローラの励磁電流調整によって電磁石9の磁力を制御すると、パイロットクラッチ13に滑りが生じてパイロットトルクが変化し、ボールカム31のカムスラスト力が変化して、メインクラッチ7の連結力(電磁クラッチ装置1を介して後輪側に伝達される駆動力)を調整することができる。このような電磁クラッチ装置1の連結力調整によって前後輪間の駆動力配分比を任意に制御することが可能であり、例えば、旋回走行中にこの制御を行えば、車両の操縦性や安定性などが向上する。
電磁石9の励磁を停止すると、パイロットクラッチ13が開放されてボールカム31のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ7が開放されて電磁クラッチ装置1の連結が解除され、後輪側が切り離されて車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
また、ハブ3の前端と回転ケース5(前側壁部50)との間にはスラストワッシャ89が配置され、ハブ3と回転ケース5とを軸方向に位置決めしている。
[電磁クラッチ装置1の効果]
電磁クラッチ装置1は次のような効果が得られる。
ハブ3の外周にスプライン部19を介してロータ11を一体回転可能に連結したことにより、ロータ11が回転ケース5から分離されると共に、ロータ11をハブ3から取り外すことも可能になるから、構造の簡素化が可能になり、それに伴って装置を小型化し、車載性を向上させることができる。
また、ロータ11がハブ3から取り外し可能なこの構成によれば、メインクラッチ7、プレッシャープレート65、アーマチャ15、ボールカム31、パイロットクラッチ13などの構成部材を組み付ける際の自由度と、分解性やメンテナンス性が大幅に向上する。
また、ハブ3とロータ11の連結にスプライン部19(スプライン37)を用いるこの構成では、ハブ3のスプライン37をプレッシャープレート65とメインクラッチ7のインナープレート55と受圧プレート61の連結にも利用できるから、これらの部材55,61,65の組み付け性が向上すると共に、本発明を実施する上でのコストアップを事実上回避することができる。
また、ロータ11とハブ3間のスプライン部19の径方向投影とエアギャップ25,27の径方向投影の大部分をオーバーラップさせ、さらに、電磁コイル21の径方向投影とエアギャップ25の径方向投影をオーバーラップさせたことによって軸方向の配置スペースが抑制され、電磁クラッチ装置1が軸方向に小型化され、車載性が向上する。
また、エアギャップ25をエアギャップ27の径方向内側に位置し、エアギャップ25においてロータ11とコア23をこの順で径方向の内側から外側に配置し、エアギャップ27においてロータ11とコア23をこの順で径方向の内側から外側に配置したことにより、電磁クラッチ装置1が径方向に大型化することが防止されており、さらに、エアギャップ27を構成するロータ11の端部29を電磁コイル21と軸方向に対向させたことにより、エアギャップ27の軸方向長さを長くし、対向面積を広くすることができる。
また、ボールカム31を設けたことによってメインクラッチ7のクラッチ容量を比較的小さくしても、充分な駆動力を後輪側に伝達することができると共に、スナップリング33,35をハブ3に固定したことにより、ボールカム31で発生するカムスラスト力とその反力をハブ3上で相殺することができ、カムスラスト力とその反力の影響が電磁クラッチ装置1の外部へ波及することが防止される。
また、ハブ3をロータ11より熱膨張率の低い材料で作ったことによりエアギャップ25(隙間)の変動が軽減されるから、磁束ループ87が安定して形成され、電磁クラッチ装置1による駆動力伝達機能が安定する。
また、スラストワッシャ89によるハブ3と回転ケース5との軸方向位置決め機能によって各エアギャップ25,27での軸方向対向面積の変動が防止されるから、磁束ループ87の強さが安定し、電磁クラッチ装置1の駆動力伝達機能がさらに安定する。
また、従来例のようにロータ517を回転ケース513に溶接する構成と較べると、ロータ11をハブ3にスプライン連結する本発明の電磁クラッチ装置1ではロータ11とハブ3の間で生じる磁束漏れが軽減される、電磁石9をそれだけ小型化することが可能になる。
また、ハブ3とロータ11の連結にスプライン部19を用いる構成では、スプライン部19を他の構成部材(例えば、クラッチのプレート)との連結にも利用できるから、連結部を共用するこのような構成では、実施する上でのコストアップを事実上回避することができる。
(第2実施形態)
図2は電磁クラッチ装置101(本発明の第2実施形態)を示している。
電磁クラッチ装置101は、第1実施形態の電磁クラッチ装置1において、ハブ3の前端と回転ケース5との間に、スラストワッシャ89の代わりに、ボールベアリング103を配置した構成である。
ハブ3は、前端をボールベアリング103と回転ケース5とボールベアリング53によってケーシングの前部カバーに支持されており、また、上記のように後端を動力伝達軸43とボールベアリング45とを介してケーシング本体39に支持されているから、ハブ3の外周上に配置されたロータ11、スラストベアリング67、ワッシャ69、カムリング63、プレッシャープレート65、メインクラッチ7(インナープレート55)などの支持が安定し、回転に伴う振れが高度に防止される。
また、ハブ3及びロータ11の振れ防止機能によってエアギャップ25,27の隙間の変動が防止されるから、磁束ループ87の強さが安定し、電磁クラッチ装置101の駆動力伝達機能が安定する。
また、ハブ3と回転ケース5はボールベアリング103とスナップリング105,107によって軸方向に位置決めされており、エアギャップ25,27での軸方向対向面積の変動が防止され磁束ループ87の強さが安定するから、電磁クラッチ装置101の駆動力伝達機能がさらに安定する。
これに加えて、電磁クラッチ装置101は第1実施形態の電磁クラッチ装置1と同等の効果が得られる。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、本発明において、各実施形態のパイロットクラッチ13はアーマチャ15とロータ11に設けた摩擦面で構成される単板構造のクラッチであってもよい。
また、パイロットクラッチとメインクラッチを統合して単板または多板の摩擦クラッチとしてもよい。
また、上記のロータとアーマチャ間の単板摩擦クラッチにカム機構を加えて自己ロック機能を持ったクラッチ構造を構成することができる。この場合カム機構はアーマチャと第2トルク伝達部材側との間に設けられる。
電磁石により、第1トルク伝達部材に一体回転可能に連結されたロータを介して、第2トルク伝達部材側とカム機構とを介してカムの回転角分の相対回転を許容した上で、一体回転可能に連結するアーマチャを吸引する。この吸引力をトリガーとして、アーマチャはロータとの間で摺動摩擦して、アーマチャとロータとの間で初期的なトルク伝達を行い、この初期的なトルク伝達がアーマチャと第2トルク伝達部材側の間の上記カム機構に入力し、この伝達トルクに応じたカム推力をロータに対するアーマチャの押圧力としてフィードバックし、さらにアーマチャとロータとの間の上記単板摩擦クラッチの締結力を増強する。このフィードバック回路は自己的にロックするクラッチ機能を有する循環型の回路となる。従って、駆動トルクは直列的に第1トルク伝達部材とロータと摩擦クラッチとアーマチャとカム機構と第2トルク伝達部材の順で、あるいは、この逆の順に伝達される。また、カム機構の推力と反推力は、第1トルク伝達部材上に設けられた2つの受け部で、直接的にまたは他の部材を介して間接的に入力し、互いに相殺される。
また、本発明において、クラッチは、各実施形態で用いられたようなプレートを用いたクラッチに限定されず、例えば、コーン式などの他の摩擦クラッチや、磁性流体式の粘性係数を制御するクラッチや、粘性流体の剪断係数を制御するクラッチや、ドッグクラッチ(噛み合いクラッチ)や、スリーブクラッチなどが適用可能である。
また、本発明の電磁クラッチ装置は、実施形態のような駆動力の断続装置だけでなく、デファレンシャル装置の差動回転をロックさせる電磁クラッチ装置や、デファレンシャル装置に内蔵されて駆動力を断続する電磁クラッチ装置としても適用できる。
第1実施形態を示す断面図である。 第2実施形態を示す断面図である。 従来例の断面図である。
符号の説明
1 電磁クラッチ装置
3 ハブ(軸状の第1トルク伝達部材)
5 回転ケース(第2トルク伝達部材)
7 メインクラッチ(クラッチ)
9 電磁石
11 ロータ
13 パイロットクラッチ(クラッチ)
15 アーマチャ
17 電磁アクチュエータ
19 スプライン部(連結部)
21 電磁石9の電磁コイル
23 電磁石9のコア
25 第1のエアギャップ(第1の対向面)
27 第2のエアギャップ(第2の対向面)
29 電磁コイル21と軸方向に対向するロータ11の端部
31 ボールカム(カム機構)
33,35 ハブ3に固定され、ボールカム31の推力及び反推力を相殺するスナップリング(受け部)
37 スプライン部19におけるハブ3のスプライン(連結部分)
55 スプライン37でハブ3と一体回転可能に連結されたメインクラッチ7のインナープレート
65 スプライン37でハブ3と一体回転可能に連結されたプレッシャープレート
101 電磁クラッチ装置

Claims (6)

  1. 軸状の第1トルク伝達部材と、
    第1トルク伝達部材の外周側に配置された第2トルク伝達部材と、
    第1と第2の各トルク伝達部材の間で駆動トルクを断続するクラッチと、
    電磁石と、電磁石の磁路の一部を構成するロータと、この磁路を介して電磁石に吸引されクラッチを断続操作するアーマチャからなる電磁アクチュエータとを備えた電磁クラッチ装置であって、
    第1トルク伝達部材の外周に連結部を設け、この連結部によりロータを第1トルク伝達部材に対して一体回転可能に連結したことを特徴とする電磁クラッチ装置。
  2. 請求項1に記載された電磁クラッチ装置であって、
    電磁石は、電磁コイルと、電磁コイルの内周面及び外周面及び一方の径方向面を覆うコアとからなり、
    コアとロータとの間には、電磁コイルの磁力線を透過させる第1と第2の対向面が形成されており、
    ロータと第1トルク伝達部材との前記連結部の径方向投影と、第1と第2の対向面の少なくとも一方の径方向投影とが、少なくとも一部で互いにオーバーラップしていることを特徴とする電磁クラッチ装置。
  3. 請求項2に記載された電磁クラッチ装置であって、
    電磁コイルの径方向投影と、第1と第2の対向面の少なくとも一方の径方向投影とが、少なくとも一部で互いにオーバーラップしていることを特徴とする電磁クラッチ装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載された電磁クラッチ装置であって、
    第1の対向面は、第2の対向面より径方向内側に位置しており、
    第1の対向面において、ロータとコアはこの順で径方向の内側から外側に向けて配置され、
    第2の対向面において、ロータとコアはこの順で径方向の内側から外側に向けて配置され、
    ロータ端部が、電磁コイルと軸方向に対向していることを特徴とする電磁クラッチ装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載された電磁クラッチ装置であって、 電磁アクチュエータによるクラッチの連結力を増幅するカム機構を設け、
    カム機構で発生する軸方向の推力及び反推力を受ける受け部を第1トルク伝達部材上に設けたことを特徴とする電磁クラッチ装置。
  6. 請求項5に記載された電磁クラッチ装置であって、
    連結部における第1トルク伝達部材の連結部分は、軸方向に設けられており、
    この連結部分において、クラッチとカム機構の少なくともいずれかが第1トルク伝達部材と一体回転可能に連結されていることを特徴とする電磁クラッチ装置。
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