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JP2006063181A - 新規ポリエステル重合触媒を用いて製造されたポリエステル - Google Patents

新規ポリエステル重合触媒を用いて製造されたポリエステル Download PDF

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JP2006063181A JP2004246817A JP2004246817A JP2006063181A JP 2006063181 A JP2006063181 A JP 2006063181A JP 2004246817 A JP2004246817 A JP 2004246817A JP 2004246817 A JP2004246817 A JP 2004246817A JP 2006063181 A JP2006063181 A JP 2006063181A
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Abstract

【課題】 アンチモン化合物以外の新規の重合触媒を用いて製造することで、衣料用繊維、産業資材用繊維、各種フィルム、シート、ボトルやエンジニアリングプラスチックなどの各種成形物、および塗料や接着剤などへの応用が可能なポリエステルを提供する。
【解決手段】 アルミニウム化合物とマグネシウム化合物からなる固溶体を主成分とするポリエステル重合触媒を用いて製造されたポリエステルであって、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.1〜1.0質量%含有することを特徴とするポリエステル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アンチモン化合物を用いない新規のポリエステル重合触媒を用いて製造されたポリエステルに関する。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)は、機械的特性および化学的特性に優れており、多用途への応用、例えば、衣料用や産業資材用の繊維、包装用や磁気テープ用などの各種フィルムやシート、ボトルやエンジニアリングプラスチックなどの成形物への応用がなされている。
PETの工業的な製造方法は、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル化もしくはエステル交換によってビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る工程と、これを高温、真空下で触媒を用いて重縮合する工程からなっている。この際、重縮合触媒として、安価で優れた触媒活性を有するという理由から、三酸化アンチモンが広く用いられている。しかしながら、三酸化アンチモンを用いると重縮合時に金属アンチモンが析出するため、PETに黒ずみや異物が発生するという問題点を有している。こうした問題点の解決としては、重縮合触媒として三酸化アンチモンとビスマスおよびセレンの化合物を用いる方法(特許文献1)、ナトリウムおよび鉄の酸化物を含有する三酸化アンチモンを用いる方法(特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、最近では、アンチモンの環境に対する影響が指摘されているため、三酸化アンチモンの代替となる重縮合触媒の検討が行われている。テトラアルコキシチタネートやゲルマニウムは、従来から広く知られているが、前者を用いて製造されたPETは著しく着色すること、ならびに熱分解を容易に起こすという問題があり、また、後者は非常に高価であるという問題点や、重合中に反応系から外へ溜出しやすいため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御が困難になるという問題点を有している。
さらに、特許文献3には、アルミニウム化合物とマグネシウム化合物を逐次的に添加することで、それらの触媒活性を足し合わせた以上の触媒活性を持たすことが提案されているが、得られるポリマーに触媒の分解物などの粗大な異物が発生したり、色調が充分には優れないという問題があった。
特許第2666502号公報 特開平9−291141号公報 特開2000−302854号公報
本発明は、上記の課題を解決するものであり、アンチモン化合物以外の新規の重縮合触媒を用いて製造されたポリエステルを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するもので、その要旨は、次の通りである。
アルミニウム化合物とマグネシウム化合物からなる固溶体を主たる成分とするポリエステル重合触媒を用いて製造されたポリエステルであって、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.1〜1.0質量%含有することを特徴とするポリエステル。
アルミニウム化合物とマグネシウム化合物からなる固溶体を主たる成分とするポリエステル重合触媒によれば、マグネシウム化合物とアルミニウム化合物の複合効果により、適度な重合活性が得られ、透明性に優れたポリエステルが提供される。さらに、この重合触媒を用いて製造されたポリエステルに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加することで、色調、透明性、経時安定性の良好なポリエステルが提供される。本発明のポリエステルは、衣料用繊維、産業資材用繊維、各種フィルム、シート、ボトルやエンジニアリングプラスチックなどの各種成形物、および塗料や接着剤などへ応用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステルの製造に用いるポリエステル重合触媒は、アルミニウム化合物とマグネシウム化合物からなる固溶体を主たる成分とする。アルミニウム化合物とマグネシウム化合物とを固溶体として用いることによって、適度な重合活性が得られ、また、固溶体の屈折率は1.5程度であり、代表的なポリエステルであるPETの屈折率1.6に近い値であるため、透明性も良好となる。アルミニウム化合物とマグネシウム化合物を固溶体としてではなく、別々の化合物として同時または逐次的に添加すると、ポリマー中に触媒の分解物などの異物が発生したり、色調が不十分となる。
アルミニウム化合物とマグネシウム化合物からなる固溶体とは、それぞれが溶け合って均一な相となった固体であり、これらの結晶格子の一部は他の原子によって置き換わり、組成を変化させることができるものである。固溶体中におけるモル比率は、アルミニウム/マグネシウム=0.1〜10であり、優れた透明性となるポリエステルを得るには0.2〜5とするのが好ましい。
固溶体を形成するアルミニウム化合物の例としては、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn−プロポキサイド、アルミニウムn−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩および無機酸塩が好ましく、これらの中でもさらに水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウムがとくに好ましい。
また、固溶体を形成するマグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、マグネシウムアセチルアセトネート、酢酸以外のカルボン酸塩などが挙げられ、特に水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムが好ましい。
上記のアルミニウム化合物およびマグネシウム化合物は、いずれか一方もしくは両者が2種類以上の化合物の固溶体であってもよい。
また、ポリエステル重合触媒には、固溶体中にマグネシウム、アルミニウム以外の他の金属またはそれらの化合物が含有されていてもよい。他の金属としては亜鉛、チタン、錫、コバルト、マンガン、ニオブ、タンタル、タングステン、インジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ケイ素、鉄、ニッケル、ガリウムなどが挙げられる。
本発明においてポリエステル重合触媒の使用量は、ポリエステルに対して80〜500ppmとすることが好ましく、さらに、好ましくは100〜400ppmである。なお、本発明において、ppmはすべて質量ppmである。
上記ポリエステル重合触媒を用いて製造される本発明のポリエステルとしては、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種または二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種または二種以上とから得られるもの、ヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から得られるもの、環状エステルから成るもの、並びにこれらの共重合体または混合物などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、エイコサン二酸、トリシクロデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、4、4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられ、これらのジカルボン酸のうちテレフタル酸およびイソフタル酸が好ましい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
グリコールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1、12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられ、これらのグリコールのうちエチレングリコールおよび1,4−ブチレングリコールが好ましい。
これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
本発明のポリエステルの好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、およびこれらの共重合体が挙げられ、なかでもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明のポリエステルの製造は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化後、重縮合する方法、もしくは、テレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸のアルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応を行った後、重縮合する方法のいずれの方法でも行うことができる。
本発明においてポリエステル重合触媒の添加時期は、重縮合反応の開始前が望ましいが、エステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階で反応系に添加することもできる。
本発明においてポリエステル重合触媒の添加方法は、粉末状態であってもよいし、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状であってもよい。
本発明のポリエステルは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.1〜1.0質量%含有することが必要である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1’−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が用いられるが、効果とコストの点で、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンが好ましい。
上記重合触媒を用いて製造された本発明のポリエステルは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することで、経時安定性が向上するが、含有量が0.1質量%未満では、十分な効果が得られず、長期経過すると、極限粘度の低下や成形後の色調悪化が起こる可能性がある。また、含有量が1.0質量%を超えると、ポリエステルの色調や透明性が悪化するため好ましくない。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加時期は、重縮合反応の開始前が望ましいが、エステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階で反応系に添加することもできる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加方法は、粉末状態であってもよいし、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状であってもよい。
本発明のポリエステル中には、他の任意の重合体や安定剤、制電剤、消泡剤、染色性改良剤、染料、顔料、艶消剤、蛍光増白剤、その他の添加剤が含有されていてもよい。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例において特性評価は次のようにして行った。
(a)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量
ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比が1/20の混合溶液に溶解させ、日本電子製LA−400型NMR装置にて1H−NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンのピークの積分強度から、含有量を求めた。
(b)極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
(c)ポリエステルの色調(b値)
日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定した。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系の色相(+は黄味、−は青味)を表す。
ここでは、b値が7以下であれば合格とした。
(d)ポリエステルの透明性
ポリエステルペレットを常法により乾燥し、内径6cm、外径6.6cmの透明なガラス管に入れ、窒素雰囲気下、280℃で30分間保持して溶融し、このときの見かけの濁度を標準サンプルと比較することにより透明性を判定した。標準サンプルは、同様のガラス管に二酸化チタンを異なる濃度で溶融アクリル樹脂に分散させたものである。
S1:二酸化チタン濃度0
S2:二酸化チタン濃度0.5ppm
S3:二酸化チタン濃度1.0ppm
また、透明性の判定は次の3水準とした。
○:濁度が、標準サンプルS1とS2との間にあり透明性良好
△:濁度が、標準サンプルS2とS3との間にあり透明性普通
×:濁度が、標準サンプルS3を超えるもので透明性不良
(e)熱処理
経時促進試験として、ポリエステルを130℃の常圧空気雰囲気下で120時間静置させた。処理前の極限粘度[η]1と処理後の極限粘度[η]2、また、処理前のポリエステルのチップのb値(b1)と、処理後のポリエステルのチップのb値(b2)を比較し、処理前後の極限粘度の比[η]2/[η]1が0.90以上、処理前後のチップのb値の差(b2−b1)が3.0以下を合格とした。
なお、実施例において重合触媒として使用した固溶体は次の通りである。
・堺化学社製HT−P
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムからなり、Al/Mgの比率が0.4である固溶体。
・堺化学社製HT−7
上記HT−Pの固溶体中に、酸化亜鉛を、Zn/(Al+Mg)のモル比率が0.05となるように含有させたもの。
実施例1
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応缶に、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力50hPaGの条件で反応させ、滞留時間を8時間としてエステル化反応率95%のPETオリゴマー(平均重合度:7)を連続的に得た。
このPETオリゴマー60.3kgを重合反応器に移送し、重合触媒として、HT−Pを14.4g(ポリエステル対して250ppmとなる量)に続いて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティーズ社製イルガノックス−1010)120gを加え、重縮合反応器中を減圧にして、最終的に0.9hPa、280℃で3時間重縮合反応を行って、極限粘度([η]1)0.65、b値(b1)3.6のポリエステルを得た。また、このポリエステルを、130℃空気雰囲気下での120時間の熱処理を行った後の極限粘度([η]2)は0.63、プレートのb値(b2)は5.1となり、熱処理前後の極限粘度の比率[η]2/[η]1は0.97、熱処理前後のプレートのb値の差b2−b1は1.5であった。得られたポリマーの特性値を表1に示す。
実施例2
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリマーの特性値を表1に示す。
実施例3
重合触媒としてHT−Pに代えて、HT−7を14.4g(ポリエステルに対して250ppmとなる量)用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリマーの特性値を表1に示す。
比較例1〜3
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリマーの特性値を表1示す。
比較例4
HT−Pに代えて、酢酸アルミニウムを8.6g(ポリエステルに対して150ppmとなる量)および、酢酸マグネシウムを6.0g(ポリエステルに対して105ppmとなる量)を逐次的に添加した以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリマーの特性値を表1に示す。
比較例5
HT−Pに代えて、重合触媒として三酸化アンチモンを14.4g(ポリエステルに対して250ppmとなる量)添加した以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリマーの特性値を表1に示す。
実施例1〜3では、良好な特性および経時安定性を有するポリマーが得られたが、比較例1〜4では、次のような問題があった。
比較例1では、酸化防止剤を添加していないため、ポリマーの経時安定性が良好とはいえず、熱処理後のポリエステルの極限粘度の低下やb値の悪化が大きかった。
比較例2では、酸化防止剤の添加量が少ないため、ポリマーの経時安定性が良好となるには十分な効果が得られず、熱処理後のポリエステルの極限粘度の低下やb値の悪化が大きかった。
比較例3では、酸化防止剤の添加量が多いため、ポリマーの透明性が悪く、b値も高かった。
比較例4では、酢酸アルミニウムと酢酸マグネシウムを逐次的に添加させたところ、得られたポリマーの透明性が悪く、b値も高かった。また、経時安定性も悪く、熱処理後のポリエステルのb値の悪化、極限粘度の低下が大きかった。
比較例5では、重合触媒として、三酸化アンチモンを用いたところ、得られたポリマーの透明性が悪かった。

Claims (1)

  1. アルミニウム化合物とマグネシウム化合物からなる固溶体を主たる成分とするポリエステル重合触媒を用いて製造されたポリエステルであって、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.1〜1.0質量%含有することを特徴とするポリエステル。

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JP2009242483A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステルの製造方法

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