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JP2006062590A - エアバッグ - Google Patents

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JP2006062590A
JP2006062590A JP2004250082A JP2004250082A JP2006062590A JP 2006062590 A JP2006062590 A JP 2006062590A JP 2004250082 A JP2004250082 A JP 2004250082A JP 2004250082 A JP2004250082 A JP 2004250082A JP 2006062590 A JP2006062590 A JP 2006062590A
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cut
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JP2004250082A
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Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
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Nihon Plast Co Ltd
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

【課題】 エアバッグが当接物体から受ける可能性のある切創から保護するものであり、エアバッグが損傷、破損することなく、確実に乗員または歩行者の衝撃を吸収することができる保護装置を提供すること。
【解決手段】 車輌衝突時に膨張して歩行者または乗員と車輌内外部との間に介在して衝撃を吸収するエアバッグであって、エアバッグ本体基布の少なくとも一部がJIS L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機を用いて測定した押し刃による貫通強さが、5N以上であることを特徴とするエアバッグ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、車輌の衝突時、乗員または歩行者を保護するためのエアバッグに関するものである。
車輌の乗員保護用安全装置としてエアバッグシステムが普及し、運転席用から助手席用、側突保護用、後部座席用と装着部位も増えてきており、乗員に対する保護機能が高まっている。
しかし、近年車輌が歩行者と衝突する事故も多く、乗員の保護とともに歩行者の保護に関する規制の動きがあり、自らの周囲に保護体を保持していない歩行者に対し、車輌側からの安全対策の改善が求められている。
例えば、特許文献1(特開平6−239198号公報)には、車輌バンパーを覆うようにエアバッグを展開させる方法、また、特許文献2(特開平7−108903号公報)には、前面ウインド周縁部のフロントピラー内に装着されたエアバッグを展開させる方法、などが提案されている。
これらの方法は、従来、車輌の衝突時に乗員保護用に使用されているエアバッグを、歩行者の保護に使用するというものである。これら車外で展開するエアバッグに対して、歩行者自身の体以外に、歩行者の所持品や携帯品、場合によっては、自転車、自動二輪車などの乗り物なども当接する可能性があり、エアバッグ本体には衝撃吸収性能に加えて、耐磨耗性、耐擦過性、耐切創性、などが求められる。
特に、角部や先端部のある金属材料、硬化性樹脂などが衝撃的にエアバッグに当接すると、基布表面が損傷したり、破損したりする場合も考えられる。
そのため、エアバッグ基布の被覆材やエアバッグの構造を改良する検討も行われている。
例えば、特許文献3(特開平10−297410号公報)には、エアバッグ袋体の基布の内面と外面の少なくとも一方に、気密性の高い樹脂に微細な繊維を混入したコーティング材を塗布し、袋体膨張時の基布の目ずれや破断発生を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献4(特開2003−72500号公報)には、接合部付近に凹陥部が形成される乗員頭部の保護バッグにおいて、室内側基布の外面に、前記凹陥部を覆う外皮基布を重ね、保護バッグに接合し、凹陥部付近に乗員の頭部が当接した場合のエネルギー吸収量を高める方法が提案されている。
さらに、特許文献5(特開2004−17776号公報)には、膨張した状態において外面に凹陥部が形成されるようにエアバッグ本体と該エアバッグ本体に沿って配置されたバッグ外皮とからなり、バッグ外皮が該凹陥部を跨いで緊張するように配置して、エアバッグ全面にわたって衝撃吸収能を向上させる方法も記載されている。
しかし、これらの方法は、本発明とは発明の構成、効果が異なり、本発明が目的とするエアバッグ本体表面の耐切創性を向上させるものではない。
特開平6−239198号公報 特開平7−108903号公報 特開平10−297410号公報 特開2003−72500号公報 特開2004−17776号公報
本発明は、エアバッグが当接物体から受ける可能性のある切創から保護するものであり、エアバッグが損傷、破損することなく、確実に乗員または歩行者の衝撃を吸収することができる保護装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、エアバッグ本体の乗員または歩行者と当接する側の基布の少なくとも一部に耐切創性材料を付与するものであり、乗員または歩行者との衝突によりエアバッグ本体基布表面に受ける可能性のある切創を抑止し、安全、確実に乗員または歩行者の衝突エネルギーを吸収することを可能にするものである。
すなわち、本発明は、
(1) 車輌衝突時に膨張して歩行者または乗員と車輌内外部との間に介在して衝撃を吸収するエアバッグであって、エアバッグ本体基布の少なくとも一部がJIS−L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機を用いて測定した押し刃による貫通強さが、5N以上であることを特徴とするエアバッグ、
(2) エアバッグ本体基布がそれに添設された被覆材を有し、かつ該被覆材と本体基布が縫い合わされたものの少なくとも一部がJIS L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機を用いた押し刃による貫通強さが、5N以上であることを特徴とする前記(1)記載のエアバッグ、
(3) 前記被覆材が芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、ポリアゾール、高分子量ポリエチレン、高強度ポリビニルアルコールから選ばれた1種または2種以上の材料からなる前記(2)記載のエアバッグ、
(4) エアバッグ本体基布が、350デシテックス以上の糸から構成され、カバーファクターが710以上である織物からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のエアバッグ、
に関する。
本発明のエアバッグは、車輌が歩行者などと衝突した時、乗員または歩行者への衝撃を緩和するとともに、乗員または歩行者が当接した際の衝撃力に耐え、さらに、特定の貫通強さを有することにより乗員または歩行者の身につけているアクセサリーや携帯品にエアバッグが接触しても、エアバッグ本体基布の破損、破断を防止することができる。
本発明のエアバッグは、上側基布と下側基布から構成されたエアバッグ本体の基布、好ましくは衝突物が当接する上側基布の片面の少なくとも一部に、耐切創性のある材料が付与されていることが必要である。ここで言う耐切創性とは、JIS L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機を用いて、押し棒の代わりに押し刃により測定した貫通強さを言い、本発明では5N以上であることが肝要である。
貫通強さが5N未満の場合は、当接物によってはエアバッグ本体が損傷を受けることもある。耐切創生材料を付与しない場合は、エアバッグ本体基布自体を太い糸を使用した目付の大きな基布を用いるか、通常の太さ糸を使用した基布を複数枚用いることにより、損傷を軽減することができるが、エアバッグの重量が大きくなり、折り畳み容積も嵩高いものになる。
本発明では、シート状の耐切創性材料をエアバッグ本体の上側基布の少なくとも片面の一部に接合させることが好ましく、本体基布表面の耐擦過性、耐摩耗性、耐切創性を向上させ、エアバッグ本体の損傷、破損を抑えることができる。本体基布への耐切創性材料の接合は、通常、布帛、シート、フィルムなどの接合に用いられている縫合、接着、溶着、あるいはこれらの併用によって行えばよい。耐切創性材料の接合は、エアバッグ本体の外側または内側の一方、あるいは外側および内側の両方に行えばよいが、衝突物が当接する外側に接合することは効果的である。また、接合する部位も、エアバッグが装着される位置、形状などに応じて選定すればよく、全面に接合することは耐切創性の向上をより確実、効果的なものとすることができる。
この方法で用いる耐切創性材料の形態は、シート状、すなわち、織物、編み物、不織布、抄紙、フィルム、ネット、メッシュ、網、テープ、およびこれらの複合体などから選定された形態であればよい。材料の厚さ、目付、などは接合されるエアバッグの形状、部位、などにより適宜選定すればよく、例えば厚さは0.1mm〜1mm、目付は20g/m2〜200g/m2の範囲とすればよいが、これに限定するものではない。また、耐切創性材料と本体基布との接合性を向上させるため、耐切創性材料に交絡加工、表面研磨加工、プライマー加工などの物理的、化学的な加工を行ってもよい。
また、本発明では、エアバッグ本体基布の上側基布の少なくとも片面の一部に、耐切創性材料を含んだ被覆材を施してもよい。耐切創性材料を含んだ被覆材は、エアバッグを作成後にその表面に塗布、噴霧、浸漬などにより付与してもよいし、エアバッグ本体基布の少なくとも片面、好ましくは両面に被覆材を施した基布を作成し、この基布を用いてエアバッグを作成してもよい。これらの被覆材を施された基布は、エアバッグの外表面または内表面のいずれか、もしくは両面になるように用いれば良いが、エアバッグの外表面に用いることは耐切創性材料を付与する上で効果的である。
この方法で用いる耐切創性材料の形状は、被覆材との均一な混合が行えるものであればよく、例えば、単繊維状、撚糸条、紡績糸、嵩高性糸、分割シート片、スプリット状糸、などがあり、太さ、長さも適宜選定すればよい。例えば、単糸太さは1〜50デシテックス、総太さは100〜1500デシテックス、長さは5〜100mmとすればよい。場合によっては、被覆材との混合性を向上させるために、耐切創性材料に表面処理などを施してもよい。
本発明で用いる耐切創性材料は、要求される耐切創性を満足するものであればよいが、例えば、パラフェニレンテレフタルアミド、パラフェニレンテレフタルアミドと芳香族エーテルとの共重合物に代表される芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル(ポリアリーレート)、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(以下PBOと記す)に代表されるポリオキサゾール、ゲル紡糸法が適用される高分子量ポリエチレンや高強度ポリビニルアルコール、から選ばれた1種または2種以上の材料を用いれば良い。
また、本発明のエアバッグ本体基布は、350デシテックス以上の糸から構成され、カバーファクターが710以上、より好ましくは800〜1120である織物で、少なくとも片面が不通気性材料で被覆されていることが好ましい。カバーファクターが710未満では貫通強さが十分でなくなる。
ここで、カバーファクター(CF)は、経糸および緯糸の太さ(デシテックス)と経糸および緯糸の織物密度(本/cm)との積で求められる織物構造の粗密を表すパラメーターで、下式にて表される。
CF=Nw×√Dw+Nf×√Df
ここで、DwおよびDfは、経糸および緯糸の太さ(デシテックス)、NwおよびNfは、経糸および緯糸の織物密度(本/cm)を表す。
本発明でエアバッグ本体基布に施される耐切創性材料を含む被覆材、および不通気性の被覆材は、耐熱性、気密性、などを付与するために通常エアバッグに用いられているものの内、耐久性、耐候性、耐衝撃性に優れる材料、例えば、シリコーン樹脂またはゴム、ポリウレタン樹脂またはゴム(シリコーン変性、フッ素変性などを含む)、クロロプレンゴムやハイパロンなどの含塩素系ゴム、フッ素系ゴム、ポリエステル系樹脂またはゴム、ポリアミド系樹脂またはゴム、などから選定された1種または2種以上を用いれば良い。
これらの被覆材を本体基布に付与する方法は、1)コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマなど)2)浸漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータリーなど)、4)ラミネート法、5)噴霧法、などの加工法によればよい。被覆材の性状は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水溶液系あるいはこれらの混合溶液、微粉末状、フィルム状またはシート状など、いずれでもよい。
また、被覆材には、加工法、接着法、耐久性、耐候性、耐切創性材料の混和性などを改良するために通常使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、反応促進剤、反応遅延剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤、などの1種または2種以上を選択し、使用してもよい。
本体基布への被覆材の付与は、同一または異なる2種以上の被覆材を重ねて積層してもよい。耐切創性材料を含む被覆材と不通気性被覆材は、同一材でもよく、異なったものでもよい。また、前者の被覆材と後者の被覆材を積層してもよい。例えば、アンダー層として本体基布との密着性、耐熱性、柔軟性に優れた第1の被覆材を基布面に施し、トップ層として耐切創性を含む第2の被覆材を第1の被覆材の上に重ねた2層構造の被覆層を形成させてもよい。また、トップ層として使用する被覆材は、耐油性、耐候性、耐水性、耐擦過性、耐摩耗性に優れた材料を用いることが好ましい。
耐切創性の被覆材は、本体基布の少なくとも一方の表面、基布の間隔部あるいは繊維糸条の間隔など、いずれに介在させてもよい。
また、被覆材には基布との密着性を向上するための各種前処理剤、接着向上剤などを添加してもよいし、予め基布表面にプライマー処理などの前処理を施してもよい。さらに、該被覆材に耐熱性、老化防止性、耐酸化性などを付与するため、被覆材を織物に付与した後、乾燥、架橋、加硫などを熱風処理、接触熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線)などにより行ってもよい。
本発明に使用されるエアバッグ本体の基布は、通常の工業用織物を製造するのに用いられる各種織機により製織すればよく、例えば、シャトル織機、ウォータージェット織機(WJL)、エアージェット織機(AJL)、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選べばよい。
本発明では、経糸および緯糸から構成される通常の織物以外に、織物の力学的な等方性高めた3軸織物、4軸織物などを用いても良い。また、ジャカード織機により作成される2枚の基布を接結して袋構造をなす袋織物を用いても良い。
エアバッグ本体を構成する織物の接合は、縫製、接着、溶着、製織、製編、あるいはこれらの併用などいずれでもよく、エアバッグとしての堅牢性、展開時の耐衝撃性、耐圧性などを満足するものであればよい。
例えば、縫合による場合、縫い仕様は、本縫い、二重環縫いなどの通常のエアバッグに適用されている縫い目により行えばよい。また、縫い糸の太さは700デシテックス(20番手相当)〜2800デシテックス(0番手相当)、運針数は2〜10針/cmとすればよい。複数列の縫い目線が必要な場合は、縫い目間の距離は2〜8mm程度として、多針型ミシンを用いれば良いが、1本針ミシンで複数回縫合してもよい。また、場合によっては、多針型ミシンを用いれば良いが1本針ミシンで複数回縫合してもよい。また、場合によっては、ホルダー、バインダーなどの縫製治具を用いて基布端の一方または両方を巻き込んだり、あるいは別途準備した当て布を挟むか、包み込むようにして縫合してもよい。エアバッグ本体として複数枚の裁断片を積層した状態で用いる場合には、複数枚を重ねて縫合してもよいし、1枚ずつ縫合してもよい。
また、場合によっては、縫い目からのガス抜け、基布の目ずれを防ぐため、接着剤、シール剤などを、縫い目の上および/または下、縫い目の間、縫い代部などに塗布、噴霧、積層してもよく、接着剤を塗布したテープ、帯状布、パッチなどを当該箇所に貼り付けてもよい。
縫合に使用する縫い糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや、工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリエステル、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラスなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸のいずれかでもよい。
また、本発明では使用するインフレーターの特性によっては、インフレーターからの熱ガスからエアバッグ本体基布を保護するための耐熱保護布や力学的な補強布を設けてもよい。これらの保護布や補強布は、布自体が耐熱性の材料、例えば、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、含フッ素系繊維などの耐熱性繊維材料を用いてもよいし、エアバッグ本体と同じか別途作成した本体基布より太い糸を用いた織物などの基布に耐熱性材料を被覆加工したものを用いてもよいし、被覆材を施さずに用いてもよい。
また、本発明の本体基布を構成する繊維糸条は、特に限定するものではなく、例えば、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン46、ナイロン610、ナロン612などの単独またはこれらの共重合体、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、などの単独またはこれらの共重合、混合によりえられるポリエステル繊維、ビニリデンまたはポリ塩化ビニルなどの塩素系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含むフッ素系繊維、ポリアセタール繊維、ポリサルフォン繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、場合によっては、スチールに代表される金属繊維などから適宜選定すればよい。
これらの繊維糸条には紡糸性や加工性、材質性の耐久性を改善するために通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの一種または二種以上を使用してもよい。また、場合によっては、加撚、嵩高加工、巻縮加工、巻回加工などの加工を施してもよい。さらに糸条の形態は、長繊維のフィラメント、短繊維の紡績糸、これらの複合糸など、特に限定するものではない。
本発明になるエアバッグの仕様、形状、容量は、配設される部位、用途、収納スペース、乗員または歩行者衝撃の吸収性能、インフレーターの出口などに応じて選定すればよい。
また、エアバッグに乗員または歩行者が当接した際のエネルギー吸収のため、一個または複数の排気穴、例えばφ10mm〜φ80mmの円形またはそれに相当する面積の穴を設けてもよく、排気穴の周囲には、補強布を接合してもよい。さらに、乗員または歩行者側へのエアバッグの突出を抑制したり、膨張時の厚みを制御するためにエアバッグの内側に吊り紐以外に、ガス流調整布、エアバッグの外側にフラップと呼ぶ帯状布、抑え布などを設けてもよい。
バッグを収納する際の折り畳み法も、運転席用バッグのように中心から左右、上下対称の屏風折り、中心に向かって多方位から押し縮める折り、助手席用バッグのようなロール折り、あるいは蛇腹折り、屏風状のつづら折り、あるいはこれらの併用や、シート内蔵型サイドバッグのようなアリゲータ折り、などにより折り畳めばよい。
本発明は、特に歩行者保護用エアバッグの耐切創性を改良する方法に関するものであるが、乗員保護用バッグ、例えば、運転席および助手席の前席保護用、側突保護用のサイドバッグ、追突保護用のヘッドレストバッグ、ニーバッグ、フットバッグ、乳幼児保護用(チャイルドシート)のミニバッグ、エアーベルト用袋体、乗用車、トラック・バス、二輪車などの各用途の他に、機能的に満足するものであれば、船舶、列車、飛行機、あるいは他の輸送手段、遊園地設備、など他用途に適用してもよい。
実施例
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例の中でエアバッグ本体基布の性能評価は以下の方法によった。
(1)耐切創性
JIS L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機による測定法において押し棒の代わりに、厚さ5mm、幅25mmの厚板(合金工具鋼SKD11の先端を角度90度に切断、研磨しナイフ状とした押し刃を作成し、前記B法に準じて貫通強さを測定し、N=3の平均値を求めた。
(2)引き裂き強力
JIS L−1096(8.15.1 A−1法)により基布の経、緯の各引き裂き強力を測定し、N=3の平均値を求めた。
実施例1
エアバッグ用基布として、ナイロン66繊維470dtex/72f(糸強度8.6cN/dtex)の糸を用い、織密度が経、緯いずれも20本/cmの平織物を作成し、エアバッグ本体基布の上側基布と下側基布を作成した。この織物を、精練、熱セットし、次いで、付加型の熱硬化性シリコーン樹脂(顔料としてカーボンブラックを1重量%含む)を織物の外側面に40g/m2(固形分換算)塗布し、120℃で乾燥、160℃で熱処理した。塗布後の織密度は、経、緯いずれも21本/cm、目付は250g/m2であった。
次いで、ケブラー29(インビスタ社製芳香族ポリアミド繊維)の太さ450dtex糸を用いた経、緯いずれも13本/cmの平織物(目付115g/m2)を準備し、上記ナイロン基布のコート面の上に縫合した。縫合は、上糸、下糸いずれもナイロン66の8番手(940dtex相当)により、運針数4針/cmの本縫いにて、縫い目間隔20mmにて、上記ナイロン基布の経、緯に沿って、直角に交差するように行った。総目付は365g/m2(縫い糸重量は省く)であった。
次いで、前記評価法により、基布の貫通強さ、引き裂き強さを測定した。貫通強さは、ケブラー織物の縫合面を上にして測定した。いずれも、良好なものであった。
実施例2
実施例1で準備したエアバッグ用基布(エアバッグ本体基布の上側基布と下側基布に付加型の熱硬化性シリコーン樹脂を塗布する際、該樹脂の中に、ザイロンAS(東洋紡社製PBO繊維)の紡績糸40S/1(150dtex相当)を長さ約30mmに切断したものを、樹脂重量に対し25%となるように混合した塗布液を用い、上側および下側基布の外側面に80g/m2、内側面に60g/m2塗布してエアバッグ本体用基布(総目付は350g/m2)を得た。次いで、前記評価法により、基布の貫通強さ、引き裂き強さを測定した。いずれも、良好であった。
実施例3
エアバッグ用基布として、ナイロン66繊維350dtex/72f(糸強度8.6cN/dtex)の糸を用い、織密度が経、緯いずれも23本/cmの平織物を作成し、エアバッグ本体基布の上側基布と下側基布を作成した。この織物を、精練、熱セットし、次いで、織物の内側に実施例1で用いたシリコーン樹脂(1)、外側面に実施例2で用いたシリコーン樹脂(2)を、それぞれ30g/m2(固形分換算)塗布し、実施例1に準じた工程によりコート織物を得た。塗布後の織密度は、経、緯いずれも24.5本/cm、目付は250g/m2であった。次いで、実施例1と同様にケブラー29の織物をシリコーン樹脂(2)の塗布面に重ね合わせて縫合した。総目付は365g/m2であった。
次いで、貫通強さ、引き裂き強さを測定した。貫通強さは、ケブラー織物の縫合面を上にして行った。いずれも、良好であった。
比較例1
実施例1において、ケブラー織物を縫合せずに物性を評価した。実施例1に比較して、目付は軽いものの、貫通強さ、引き裂き強さ、いずれも不足している。
比較例2
エアバッグ用基布として、ナイロン940dtex/144f(糸強度8.5cN/dtex)の糸を用い平織物を作成し、エアバッグ本体基布の上側基布と下側基布を作成した。実施例1と同様に熱硬化性シリコーン樹脂を上側基布および下側基布の各外側面に80g/m2塗布し、上側基布および下側基布の各内側面に60g/m2塗布し、コート基布を得た。織物の密度は、経、緯いずれも11本/cmで、総目付は365g/m2(織物225g/m2、塗布量140g/m2)であった。
次いで、貫通強さ、引き裂き強さを評価したが、引き裂き強さは良好なものの、貫通強さは不足している。
比較例3
エアバッグ用基布として、実施例3と同様の糸を用い、シリコーン樹脂を塗布した上側基布および下側基布を作成し、コート基布を得た。塗布後の基布密度は、経、緯いずれも23.2本/cm、塗布量は30g/m2、総目付は205g/m2(織物175g/m2)であった。
次いで、この上側基布および下側基布を各2枚重ねて物性を評価した。引き裂き強さは良好なものの、貫通強さは不足している。
Figure 2006062590
本発明のエアバッグの上側基布からの説明図。 図1A−A線断面図。 本発明のエアバッグの上側基布からの説明図。 図3A−A線断面図。
符号の説明
1,11 エアバッグ
2,12 エアバッグ本体基布の上側基布
3,13 エアバッグ本体基布の下側基布
4a、4b、14b 不通気性材料
5 耐切創性材料
15 耐切創性材料を含んだ不通気性材料
6a、6b 吊紐
7a、7b、7c、7d 吊紐の固定縫い
a〜f 耐切創性材料の上側基布との縫合部
9 外周縫合部
10,20 インフレーター取付口

Claims (4)

  1. 車輌衝突時に膨張して歩行者または乗員と車輌内外部との間に介在して衝撃を吸収するエアバッグであって、エアバッグ本体基布の少なくとも一部がJIS L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機を用いて測定した押し刃による貫通強さが、5N以上であることを特徴とするエアバッグ。
  2. エアバッグ本体基布がそれに添設された被覆材を有し、かつ該被覆材とエアバッグ本体基布が縫い合わされたものの少なくとも一部がJIS L−1096(8.16.2 B法)に記載の定速伸長形破裂試験機を用いた押し刃による貫通強さが、5N以上であることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
  3. 前記被覆材が芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、ポリオキサゾール、高分子量ポリエチレン、高強度ポリビニルアルコールから選ばれた1種または2種以上の材料からなる請求項2記載のエアバッグ。
  4. エアバッグ本体基布が、350デシテックス以上の糸から構成され、カバーファクターが710以上である織物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のエアバッグ。
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