JP2006061235A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】MRI装置が保有する静磁場不均一情報を用いて後処理にて静磁場不均一に起因する画像歪みを補正し、良好な画像を得る。
【解決手段】MRI装置の静磁場不均一を表す位相分布データを予め取得し、保存しておき、撮像後の計測空間データのエコー番号と予め保存された位相分布データの情報を用いて画像データの画素毎の補正値を算出し、この補正値を用いて位相補正を行なう。位相補正は、まず計測空間データs(kx,ky)を周波数エンコード方向にフーリエ変換し、フーリエ変換後のハイブリッド空間データs(x,ky)について1つの画素位置E(xp,yp)の静磁場不均一に起因する位相誤差を位相補正した後、さらに位相エンコード方向にフーリエ変換して得た画像データI(x,y)を得る。この画像データから当該画素に対応する画素データI(xp,yp)を抽出し、最終画像の画素とする。これを全ての画素について実行し位相補正された画像データI'(x,y)を得る。
【選択図】図5
【解決手段】MRI装置の静磁場不均一を表す位相分布データを予め取得し、保存しておき、撮像後の計測空間データのエコー番号と予め保存された位相分布データの情報を用いて画像データの画素毎の補正値を算出し、この補正値を用いて位相補正を行なう。位相補正は、まず計測空間データs(kx,ky)を周波数エンコード方向にフーリエ変換し、フーリエ変換後のハイブリッド空間データs(x,ky)について1つの画素位置E(xp,yp)の静磁場不均一に起因する位相誤差を位相補正した後、さらに位相エンコード方向にフーリエ変換して得た画像データI(x,y)を得る。この画像データから当該画素に対応する画素データI(xp,yp)を抽出し、最終画像の画素とする。これを全ての画素について実行し位相補正された画像データI'(x,y)を得る。
【選択図】図5
Description
この発明は磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に係り、特に静磁場不均一に起因するアーチファクトを補正する手段を備えたMRI装置に関する。
MRI装置は、均一な静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を照射し、これによって生じる磁気共鳴信号(エコー信号)を用いて被検体の画像を再構成するものであり、良好な画質を得るためには静磁場が均一であることが条件となる。MRI装置の静磁場発生装置としては、永久磁石、常電導磁石或いは超電導磁石を用いたものがあるが、いずれも均一度には性能上の限界があり、このため磁石片を取り付けたり、磁場の不均一をキャンセルする補正磁場を発生させるシムコイルを組み込んだりして均一度を向上させている。シムコイルによる静磁場不均一の補正は、例えば、静磁場の不均一によってエコー信号に生じる位相回転の不均一を位相分布データ(位相マップ)として求め、それから静磁場不均一を算出し、この静磁場不均一を解消する磁場をシムコイルによって発生させるものである。シムコイルを用いた静磁場不均一の補正方法については例えば特許文献1、特許文献2に記載されている。
しかしこのようなシムコイルを用いたアクティブシミングや磁石片を用いたパッシブシミングを採用した場合にも不均一を完全に取り除くことはできず、数ppm程度の不均一性は残る。そしてこのような静磁場不均一の影響は、例えばエコープレナーイメージング(EPI)などの1回の励起後に傾斜磁場パルスを反転させて複数のエコー信号を計測するイメージング方法では、無視できない画像の歪み(アーチファクト)となって表れる。これは静磁場不均一によって磁化が本来受ける位相回転以上の回転を受けるためである。図7(a)及び(b)に、一般的な静磁場不均一と、それによって生じる画像の歪みを示す。
このような静磁場不均一によって生じるアーチファクトを、計測後の信号を位相補正することにより除去する手法も種々提案されている。これは計測した信号に、静磁場不均一によって生じた位相回転量に相当する位相補正を行うものであり、画像形成用データの取得に先立って画像形成用データの取得時と同じような条件で取得したエコー信号(参照データ)を用いて補正用データを作成し、これによって画像形成用データを補正する。例えば、特許文献3には、補正用データとして取得した参照データについて、基準と成るデータp(i,j,kb)とその他のデータについてp(i,j,k)との差を求め位相成分及び絶対値成分の変化を算出し、この変化分を補正データとし、参照データp(i,j,k)と同じ位相エンコードi、周波数エンコードj、エコー番号kである画像形成用データq(i,j,k)を補正する。このような従来の位相補正方法では、参照データ取得のためのプリスキャンとそれを用いた補正用データの作成が必要となる。
特開2001−238866号公報
特開2000−342552号公報
特開2002−85376号公報
本発明は、従来の位相補正方法で行なっていた撮像毎のプリスキャンを不要とし、事後的に位相補正を行なうことができ、それにより撮像時間を短縮を図ることができる位相補正方法を提供することを目的とする。また本発明は、事後的な位相補正手段を備え、良好な画像を得ることができるMRI装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の補正方法は、画像データの静磁場不均一による画像歪みを補正する方法であって、MRI装置の静磁場不均一を表す位相分布データを取得し、保存するステップと、撮像後の計測空間データのエコー番号と前記位相分布データの情報を用いて画像データの画素毎の補正値を算出するステップと、前記補正値を用いて画素毎に位相補正された画像データを作成するステップとを含む補正方法である。
本発明の補正方法において、例えば、位相分布データは、微小時間αに静磁場不均一により生じるスピンの位相変化情報を含み、前記補正値を算出するステップは、計測空間データのエコー時間と前記微小時間αと画素毎の位相変化情報を用いて画素毎の補正値を算出する。
また本発明の補正方法において、例えば、前記位相補正された画像データを作成するステップは、計測空間データs(nx,ny)を周波数エンコード方向にフーリエ変換するステップ(1)、フーリエ変換後のハイブリッド空間データs(x,ny)について1つの画素位置(xp,yp)の静磁場不均一に起因する位相誤差を位相補正するステップ(2)、ハイブリッド空間データを位相エンコード方向にフーリエ変換して得た画像データI(x,y)から当該画素位置の画素データI(xp,yp)を抽出し、最終画像の画素とするステップ(3)、前記ステップ(1)〜(3)を全ての画素について実行し位相補正された画像データI'(x,y)を得るステップ(4)を含む。
本発明のMRI装置は、静磁場、傾斜磁場及び高周波磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段を含み、静磁場中に置かれた被検体から核磁気共鳴信号をエコー信号として取得する撮像手段と、前記撮像手段が取得したエコー信号を信号処理し、画像データを作成する画像作成手段と、前記画像データを画像として表示する画像表示手段とを備え、前記撮像手段は、高周波磁場による1回の励起で複数のエコー信号を取得する撮像シーケンスを実行し、前記画像作成手段は、前記撮像シーケンスにより取得した計測空間データについて、そのエコー番号と予め記憶された静磁場の不均一情報を用いて前記画像データの画素毎の補正値を求め、画素毎に位相補正された画像データを作成することを特徴とする。
本発明によれば、MRI装置が静磁場不均一を補正するために予め取得した位相分布データを利用することにより、撮像時に静磁場不均一に起因する位相回転量を求めるためのプリスキャンを不要とし、事後的に取得データを位相補正することができるので、短時間で撮像を終了することができる。
以下、本発明のMRI装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示すブロック図である。このMRI装置は、主として、静磁場発生回路1と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、制御系(シーケンサ6及びCPU7)と、操作部8とからなる。静磁場発生回路1は、被検体9が置かれる空間に被検体の体軸方向或いは体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、図示していないが、永久磁石、常電導磁石或いは超伝導磁石からなる磁場発生手段が配置されている。傾斜磁場発生系2は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた3つの傾斜磁場コイル10と、各傾斜磁場コイル10をそれぞれ駆動する傾斜磁場電源12と、複数のチャンネルを有するシムコイル11と、シムコイル11の各チャンネルにそれぞれ電流を印加するシム電源13とからなり、シーケンサ6からの命令に従って傾斜磁場電源12を駆動することにより、スライス方向、位相エンコード方向及び周波数エンコード方向(読み出し方向)の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを静磁場空間に加えることができる。またシムコイル11の電源13を駆動することにより、静磁場の不均一を補正することができる。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示すブロック図である。このMRI装置は、主として、静磁場発生回路1と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、制御系(シーケンサ6及びCPU7)と、操作部8とからなる。静磁場発生回路1は、被検体9が置かれる空間に被検体の体軸方向或いは体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、図示していないが、永久磁石、常電導磁石或いは超伝導磁石からなる磁場発生手段が配置されている。傾斜磁場発生系2は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた3つの傾斜磁場コイル10と、各傾斜磁場コイル10をそれぞれ駆動する傾斜磁場電源12と、複数のチャンネルを有するシムコイル11と、シムコイル11の各チャンネルにそれぞれ電流を印加するシム電源13とからなり、シーケンサ6からの命令に従って傾斜磁場電源12を駆動することにより、スライス方向、位相エンコード方向及び周波数エンコード方向(読み出し方向)の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを静磁場空間に加えることができる。またシムコイル11の電源13を駆動することにより、静磁場の不均一を補正することができる。
送信系3は、高周波発振器14と、変調器15と、高周波増幅器16と、送信側の高周波コイル(送信コイル)17とからなり、高周波発振器14から出力された高周波パルスをシーケンサ6から送出される高周波磁場パルスにより変調器15で変調し、高周波増幅器16で増幅した後に、送信コイル17に供給することにより、被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせて励起するようになっている。
受信系4は、受信側の高周波コイル(受信コイル)18と、増幅器19と、直交位相検波器20と、A/D変換器21とからなり、照射コイル17から照射された電磁波による被検体9の応答の電磁波であるNMR信号(エコー信号)は受信コイル18で検出され、増幅器19で増幅された後、直交位相検波器20で高周波発振器14からの高周波信号を参照信号として位相検波され、シーケンサ6からの命令によるタイミングでA/D変換器21でサンプリングされ二系列のデジタルデータとして信号処理系5に送られる。
なお図では、照射コイル17及び受信コイル18は被検体9から離れた位置に記載しているが、これらは被検体9に近接して配置される。また一つのRFコイルが照射コイル17と受信コイル18とを兼ねていてもよい。
信号処理系5は、受信系4で検出したエコー信号からなる収集データを用いて画像再構成演算を行うとともに画像表示をするもので、収集データに対しフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成計算等の処理を行うCPU7と、ROM(読み出し専用メモリ)22、RAM(随時書き込み読み出しメモリ)23、光磁気ディスク24及び磁気ディスク26などの記憶装置と、ディスプレイ25とからなる。ROM22には、例えば画像解析処理及び撮像を行うプログラムやその実行に用いられる不変のパラメータなどが記憶され、RAM23には、受信系4で受信した収集データや関心領域設定に用いる画像及び関心領域設定のためのパラメータなどが一時的に保管される。本実施形態のMRI装置では、静磁場の不均一を計測した結果である位相分布データ(位相マップ)もRAM23に格納され、この位相マップをもとに静磁場不均一を補正するシムコイル11の駆動電流が決定される。さらに位相マップを利用して、所定の撮像方法で収集したデータに対して静磁場不均一の影響を除去するための位相補正が実行される。シム電源13に供給する電流値の計算や画像の位相補正計算はCPU7が行う。光磁気ディスク24や磁気ディスク26には、CPU7で再構成された画像データが記録される。ディスプレイ25は、データ格納部(光磁気ディスク24や磁気ディスク26)から読み出した画像を表示するともに、装置に操作部8を介して指令やパラメータなどを入力する際のGUIが表示される。
CPU7は、上述した信号処理系5としての機能のほかに、装置全体を制御する制御部としての機能を有し、シーケンサ6に命令を送り、送信系3、傾斜磁場発生系2及び受信系4の動作を所定のパルスシーケンスに従って動作させるように制御する。パルスシーケンスは信号処理系5(ROM22)にプログラムとして記憶されており、その実行に必要な可変のパラメータは、操作部8を介してユーザーが設定できるようになっている。操作部8は、信号処理系5や制御系で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボールやマウス27、キーボード28などが備えられている。
次に上記構成におけるMRI装置の動作を参照して説明する。
本発明のMRI装置は、信号処理系5の機能として、静磁場不均一による画像歪みを補正する機能を備えており、特にシム電流を算出するために求めた位相マップをその補正計算に利用することが特徴である。位相マップは、例えば前述の特許文献1や特許文献2に開示されている公知の手法で求めたものであり、信号処理系5の記憶装置に格納されている。位相マップの求め方として知られている方法は、ファントムのような均質な被検体を用いて、変形スピンエコー型のシーケンスを実行し、スピンエコーが発生するエコー時間(2τ)からα経過した時点でエコー信号を計測し、この微小時間αに生じた静磁場の不均一を計測する。
本発明のMRI装置は、信号処理系5の機能として、静磁場不均一による画像歪みを補正する機能を備えており、特にシム電流を算出するために求めた位相マップをその補正計算に利用することが特徴である。位相マップは、例えば前述の特許文献1や特許文献2に開示されている公知の手法で求めたものであり、信号処理系5の記憶装置に格納されている。位相マップの求め方として知られている方法は、ファントムのような均質な被検体を用いて、変形スピンエコー型のシーケンスを実行し、スピンエコーが発生するエコー時間(2τ)からα経過した時点でエコー信号を計測し、この微小時間αに生じた静磁場の不均一を計測する。
即ち、図2に示すような核スピンを励起する90°パルス201を印加し、τ経過後に核スピンを反転させる180°パルス202を印加すると、180°パルス印加からτ経過後に核スピンの位相が揃う。その後は静磁場不均一に起因して位相回転し、時間α経過後に計測したエコー信号には静磁場不均一に起因する位相回転量のみが含まれることになる。この際、スライス傾斜磁場203、204と位相エンコード傾斜磁場205を用いることにより、2次元或いは3次元データとして位相マップE0(x,y)(x,yは実空間の座標を示す)を得ることができる。こうして求めた位相マップE0(x,y)は、シムコイルを駆動するシム電流を決定するのに使用される。決定されたシム電流を流しつつ、再度2次元或いは3次元データとして位相マップE(x,y)を取得する。或いは、決定された電流を流した場合の位相マップE(x,y)を最初に求めた位相マップE0(x,y)をもとに推定する。この位相マップE(x,y)は信号処理系の記憶装置に保存されると共に、撮像後に取得データの位相補正に用いられる。
データ取得後に静磁場不均一に起因する画像の歪みを補正すべき撮像シーケンスとしては、1回の励起で複数のエコー信号を連続して取得する撮像法がある。具体的には、シングルショットEPI、マルチショットEPI、GRASE(Gradient and Spin Echo Imaging)等のシーケンスを用いた撮像法がある。
EPIシーケンスでは、図3に示すように、高周波磁場パルス101をスライス選択傾斜磁場102とともに印加した後、必要に応じ位相エンコード方向の傾斜磁場オフセットを与える傾斜磁場103を印加し、周波数エンコード方向の傾斜磁場104を、極性を反転させながら(106)繰り返し印加するとともに、位相エンコード傾斜磁場105をブリップ状に印加し、周波数エンコード傾斜磁場の反転毎に発生するエコー信号108をサンプリング時間内107に計測する。このEPIシーケンスは、1回の計測109で1枚の画像再構成に必要な全データを取得するシングルショットEPIでも、複数回の計測109を繰り返し全データを取得するマルチショットEPIでもよい。
このようなパルスシーケンスの実行によって取得されたデータは、一方の座標軸を位相エンコード量ky(エコー番号)、他方の座標軸を周波数エンコード数kxとする計測空間データとして記憶装置に保存され、以下に述べる位相補正を行った後、画像再構成される。
図4に位相補正を含む画像再構成の手順を、図5に取得データと最終的に位相補正された画像データとの関係を示す。まず上述のデータ計測(ステップ402)で得られたk空間データを周波数エンコード方向にフーリエ変換し、ハイブリッド空間データs(x,ny)(xは周波数エンコード方向の位置、nyはエコー番号で、ny=1,2,3,・・・,p)を作成する(ステップ403)。一方、予め記憶装置に保存された静磁場不均一マップ(位相マップE(x,y))(401)用いて補正値を算出する(ステップ404)。補正値を算出する手順は次のとおりである。
まず撮像により得られたエコー信号s(nx,ny)は、静磁場不均一をB(x,y)とすると、次式(1)で表すことができる。
ここで(nx,ny)は計測空間上の位置、(x,y)は実空間上の位置であり、ρ(x,y)はプロトン密度、ωは共鳴周波数、Gxは周波数エンコード傾斜磁場の印加強度、Gyは位相エンコード傾斜磁場の印加強度、Δtはデータサンプル時間、Δτは位相エンコード傾斜磁場パルスの印加時間である。この式(1)はさらに、次式(2)で表すことができる。
一般的にB(x,y)≪GxであるためΔx≒0とみなすことができ、図3に示したパルスシーケンスにおける各エコー信号108の収集タイミング(te1, te2, te3, ・・・,tep)における静磁場不均一の位相情報は、それぞれ次式となる。
即ち静磁場不均一による位相変化は、エコー信号を計測空間に配列した場合、位相エンコード方向への位相傾斜となる。
一方、信号処理部が静磁場不均一データとして有する位相マップE(x,y)は、静磁場不均一をB(x,y)としたとき,式(4)で表すことができる。従って各エコー信号の補正値θ(ny)は、式(5)となる。
ここでtenyはエコー信号のエコー時間であり、αは位相マップを求める際のエコー時間(2τ)からのずれ時間であるから(図2のα)、E(x,y)が分かればθ(ny)を算出することができる。
従って所定の画素位置(xp,yp)における静磁場不均一による位相誤差を補正するための補正値は、上式(5)より、次式(6)から求められる。
この補正値θ(ny)を用いて周波数エンコード方向にフーリエ変換した後のデータs(x,ny)に対し次式(7)により位相誤差を補正する(ステップ405)。
続いて補正後のデータs'(x,ky)を位相エンコード方向にフーリエ変換する(ステップ406)。これにより画素位置(xp,yp)における静磁場不均一を補正した画像I(x,y)が作成できる。次いで画像I(x,y)上の画素I(xp,yp)を抽出し、最終的に出力する画像I'(x,y)の画素とする(ステップ407)。上記補正値算出404、位相補正処理405、位相エンコード方向のフーリエ変換406及び画素抽出407の各ステップを注目する画素を変更して(ステップ408)、画像上の全画素に対して実行する。最終的に静磁場不均一による画像歪みを補正した画像I'(x,y)を得ることができる。補正後の画像は記憶装置に保存されると共に表示部に表示される(ステップ409)。
このように本実施形態のMRI装置によれば、シム電流算出のために既に装置が有している位相マップを用いて静磁場不均一を補正する位相補正値を算出するので、撮像毎に位相情報を得るためのプリスキャンを行なう必要がなく、時間を延長せずに撮像を行なうことができ、しかも静磁場不均一による画像歪みが補正された良好な画像を得ることができる。
なお以上説明した実施形態では、式(6)において補正値θを算出するために
を算出することとしたが、この計算に用いるエコー時間teny(te1,te2,te3,・・・tep)は実効的エコー時間、エコー取得間隔、エコー信号数によって決まり一定値で増加する。従ってこれらパラメータを用いて算出することも可能である。
また補正値θを式(6)の代わりに次式(8)を用いて算出することも可能である。既に述べたように、静磁場不均一による位相変化は、エコー信号を計測空間に配列した場合、図6に示すような位相エンコード方向への位相傾斜となる。従って手入力される値をInとすると式(8)によりθ(ny)を算出することができる。
以上、本発明の一実施形態として、MRI装置の信号処理系において、取得したデータについて位相マップを用いて位相補正する方法を説明したが、本発明の位相補正は、MRI装置に備えられた信号処理系のみならず、独立した画像処理装置として実行することも可能である。例えば、画像データを遠隔地に転送して表示する場合において、画像データと付随してMRI装置の静磁場不均一情報を転送し、画像処理の一環として位相補正を行なうことも可能である。
本発明によれば、MRI装置が保有する静磁場不均一情報を用いて後処理にて静磁場不均一に起因する画像歪みを補正することができ、撮像時間に影響を与えることなく画像歪みのない良好な画像を得ることができる。
1・・・静磁場発生回路、2・・・傾斜磁場発生系、3・・・送信系、4・・・受信系、5・・・信号処理系、7・・・CPU(制御部)、8・・・操作部。
Claims (4)
- 磁気共鳴イメージング装置で撮像した画像データの静磁場不均一による画像歪みを補正する方法であって、
前記磁気共鳴イメージング装置の静磁場不均一を表す位相分布データを取得し、保存するステップと、
撮像後の計測空間データのエコー番号と前記位相分布データの情報を用いて画像データの画素毎の補正値を算出するステップと、
前記補正値を用いて画素毎に位相補正された画像データを作成するステップとを含む補正方法。 - 前記位相分布データは、微小時間αに静磁場不均一により生じるスピンの位相変化情報を含み、前記補正値を算出するステップは、計測空間データのエコー時間と前記微小時間αと画素毎の位相変化情報を用いて画素毎の補正値を算出することを特徴とする請求項1記載の補正方法。
- 前記位相補正された画像データを作成するステップは、計測空間データs(nx,ny)を周波数エンコード方向にフーリエ変換するステップ(1)、フーリエ変換後のハイブリッド空間データs(x,ny)について1つの画素位置(xp,yp)の静磁場不均一に起因する位相誤差を位相補正するステップ(2)、ハイブリッド空間データを位相エンコード方向にフーリエ変換して得た画像データI(x,y)から当該画素位置の画素データI(xp,yp)を抽出し、最終画像の画素とするステップ(3)、前記ステップ(1)〜(3)を全ての画素について実行し位相補正された画像データI'(x,y)を得るステップ(4)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の補正方法。
- 静磁場、傾斜磁場及び高周波磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段を含み、静磁場中に置かれた被検体から核磁気共鳴信号をエコー信号として取得する撮像手段と、前記撮像手段が取得したエコー信号を信号処理し、画像データを作成する画像作成手段と、前記画像データを画像として表示する画像表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記撮像手段は、高周波磁場による1回の励起で複数のエコー信号を取得する撮像シーケンスを実行し、
前記画像作成手段は、前記撮像シーケンスにより取得した計測空間データについて、そのエコー番号と予め記憶された静磁場の不均一情報を用いて前記画像データの画素毎の補正値を求め、画素毎に位相補正された画像データを作成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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2004
- 2004-08-25 JP JP2004244628A patent/JP2006061235A/ja active Pending
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