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JP2006050976A - 細胞回収方法 - Google Patents

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JP2006050976A
JP2006050976A JP2004235541A JP2004235541A JP2006050976A JP 2006050976 A JP2006050976 A JP 2006050976A JP 2004235541 A JP2004235541 A JP 2004235541A JP 2004235541 A JP2004235541 A JP 2004235541A JP 2006050976 A JP2006050976 A JP 2006050976A
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Hideichiro Inatome
秀一郎 稲留
Eigo Takahashi
英吾 高橋
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
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Abstract

【課題】 虚血性疾患患者の患部再生に有効でかつ血管新生補助機能の高い細胞をより効率よく回収するための方法を提供し、さらにその回収細胞を利用して虚血性疾患部位を再生する方法を提供すること
【解決手段】 有核細胞を捕捉する高分子多孔質体を容器内に充填したフィルターに細胞浮遊液を通過させる工程、該高分子多孔質体に捕捉された細胞を剥離し回収する工程を順に含む細胞回収方法において、細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの捕捉細胞のフィルター内捕捉時間が2時間以上12時間以下であることを特徴とする細胞回収方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、虚血性疾患部位の再生治療に有効な血管内皮前駆細胞や血管内皮増殖因子産生細胞などの有用細胞を、細胞浮遊液から分離回収する方法に関する。さらに本発明は、上記方法で回収することができ、閉塞性動脈硬化症やバージャー病などの虚血性疾患の病変部位および/または欠損を修復再生するために使用できる細胞含有液に関する。
糖尿病、高血圧症、高脂血症、及び肥満などの生活習慣病は血管障害の危険因子であり、最終的には閉塞性動脈硬化症(ASO(Arteriosclerosis obliterans))、心筋梗塞、腎不全などの臓器不全を引き起こす。これらの生活習慣病の患者数は極めて多く、血管治療は現代医療の最重要課題と言っても過言ではない。
例えば下肢壊疽を引き起こす閉塞性動脈硬化症では、下腿切断を余儀なくされる例が少なくなく、米国で年間150,000人、日本で年間2,000人とも言われ、患者のQOL(Quality of life)は著しく低下する(非特許文献1)。それら虚血状態に陥った組織・臓器の治療法としては、カテーテルによる血管拡張術、静脈グラフトを用いて血行を外科的に再建する方法などが行われてきたが、重度の患者には有効な手段となり得ていない。
近年、新しい治療法として血管新生療法(therapeutic angiogenesis)が行われつつある。血管新生療法には大きく分けて遺伝子治療と細胞移植法がある。遺伝子治療ではVEGF(Vascular endothelial growth factor)又はHGF(Hepatocytegrowth factor)のプラスミドを虚血病変部位に注入し、血流の改善が報告されている(非特許文献2及び3)。一方、細胞移植法では骨髄由来単核球を閉塞性動脈硬化症患者の下腿に注入し、良好な結果を得ている(非特許文献4)。また、臍帯血及び末梢血の単核球から培養用ディッシュに付着するアタッチング細胞(attaching細胞)と名付けられた血管内皮前駆細胞をラットに移植すると、未処置のコントロール群に比べ効果的に血流の改善が可能であったとの報告がある(非特許文献5)。
これら細胞移植法における移植対象となる単核球において、その亜群の一つである単球に着目し、血管内皮への分化誘導、あるいは細胞から放出される細胞成長因子タンパクなどによる血管新生補助能力についても様々な検討がなされている(非特許文献6及び7)。
一般に細胞移植法においては、虚血部位で血管内皮前駆細胞が効率的に血管形成するように、またインビトロ(in vitro)での細胞増幅を効率的に行うために血液中の赤血球、血小板、顆粒球等を除去し血管内皮前駆細胞を含む単核球を分離濃縮する。濃縮方法としては、ファルマシア社製フィコール(Ficoll)等の比重遠心法が主流であるが、界面を揺らさないなど作業が煩雑であること、処理時間が長い(2時間程度)、開放系で雑菌のコンタミネーションが懸念されることなど課題も多く、臨床応用に好適な細胞処理方法が望まれている。また、遠心法は細胞回収率が低く、移植に必要な血管内皮前駆細胞を得るために多量の原料血液を採血する必要があり、血液提供者の負担が大きいという問題がある。
一方、血液医学の分野においては、造血組織、即ち骨髄の再生である造血幹細胞移植はすでに通常の医療として確立されており、同分野で用いる造血幹細胞の分離濃縮には、例えば特許文献1で提案されている、簡便操作が特徴であるフィルター法が利用されている。さらに特許文献2には、この造血幹細胞の濃縮分離フィルター法を用いて血管内皮前駆細胞の濃縮分離を行なう方法、および分離濃縮した血管内皮前駆細胞を用いて血管再生が可能であることが開示されている。
特開平8−104643号公報 特開2003−250820号公報 最新医学56巻、第8号1748-1754、2001 Circulation、 98:2800-2804、1998 Hypertension、 33:1379-1384、1999 最新医学56巻、第8号1755-1764、2001 The Journal of Clinical Investigation、105:1527-1536、2000 PNAS、vol.100 No.5: 2426-2431、2003 Cardiovasc Research、49(3):671-680、 2001
本発明の課題は、虚血性疾患患者の患部再生に有効でかつ血管新生補助機能の高い細胞をより効率よく回収するための方法を提供し、さらに上記方法で得られる細胞含有液を利用して虚血性疾患部位を再生する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を進めた。その結果、高分子多孔質体を充填したフィルターに細胞浮遊液を通過させて該高分子多孔質体に細胞を捕捉させた後に、該捕捉された細胞を回収する細胞回収方法において、細胞付浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの細胞のフィルター内捕捉時間を2時間以上とすることにより、従来の一般的常識に反し、有核細胞、特に単核球、例えば単球の回収率が従来の方法に比べて有意に増加すること、さらに回収した単核球から得られる血管内皮増殖因子(VEGF)の量が有意に増加するということを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明によれば、有核細胞を捕捉する高分子多孔質体を容器内に充填したフィルターに細胞浮遊液を通過させる工程、該高分子多孔質体に捕捉された細胞を剥離し回収する工程を順に含む細胞回収方法において、細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの捕捉細胞のフィルター内捕捉時間が2時間以上12時間以下であることを特徴とする細胞回収方法が提供される。
好ましくは、細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞浮遊液の通過終了時点までの細胞通過時間は30分以上12時間以下である。
好ましくは、本発明の細胞回収方法は、細胞浮遊液を通過させる工程と、捕捉された細胞を剥離回収する工程との間に、該フィルターを洗浄する工程を含む。
好ましくは、フィルターの洗浄開始時点から細胞の剥離開始時点までの洗浄液置換時間は1時間以上である。
好ましくは、回収する細胞は単核球であり、さらに好ましくは単球である。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の細胞回収方法によって得られる細胞含有液が提供される。
好ましくは、本発明の細胞含有液のVEGF濃度は100pg/mL以上である。
好ましくは、本発明の細胞含有液のVEGF産生能は60pg/106細胞以上である。
好ましくは、本発明の細胞含有液は、虚血性疾患の治療のために用いることができる。
好ましくは、虚血性疾患は閉塞性動脈硬化症またはバージャー病である。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の細胞含有液を含む虚血性疾患治療薬が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の虚血性疾患治療薬を虚血性疾患患者の患部に移植する虚血性疾患の治療方法が提供される。
本発明によれば、簡便な操作で細胞を回収できるフィルター法において、より高い血管新生能力を有する細胞含有液、すなわち単核球、特に単球の比率を高められた細胞含有液を高い収率で得ることが可能である。また、本発明の特定の条件では、血管新生補助能力の高い細胞成長因子産生能力に特に優れた細胞の比率の高い細胞含有液を得ることも可能である。したがって本発明によれば、虚血性疾患に対する細胞移植治療において必要な血管新生を得るために必要な血液又は骨髄液などの細胞供給源の採取量を減らすことができ、供血の際の負担を大きく軽減することができる。また、限られた量の細胞供給源からより高い血管新生性能を有する細胞濃縮液を得ることができるため、効果の高い治療を行なうことが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の細胞回収方法は、有核細胞を捕捉する高分子多孔質体を容器内に充填したフィルターに細胞浮遊液を通過させる工程、該高分子多孔質体に捕捉された細胞を剥離し回収する工程を順に含む細胞回収方法において、細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの捕捉細胞のフィルター内捕捉時間が2時間以上12時間以下であることを特徴とするものである。
本発明で回収される細胞は、虚血性疾患部位および/または欠損を修復再生するために有効な細胞を言う。この目的に有効な細胞であれば何れの細胞でもよいが、好ましくは単核球であり、より好ましくは単球である。
本発明で言う細胞浮遊液とは、骨髄、末梢血あるいは臍帯血などの血液、さらにこれら血液から遠心分離、密度勾配遠心分離(例えばFicoll)法など既知の細胞分離方法により採取した細胞を再浮遊させたものであってもよい。
本発明で言う「有核細胞を捕捉する高分子多孔質体を容器内に充填したフィルター」とは、好ましくは、高分子多孔質体からなる濾材を液体導入口と液体導出口を有する容器に充填したものである。濾材である高分子多孔質体の形状としては、不織布、スポンジ状構造体が体積あたりの表面積が大きく、取扱性が容易で、細胞浮遊液の流れ性がよいため、本発明において好ましい。
不織布の場合、平均繊維径は1.0μm以上30μm以下が適当であり、好ましくは1.0μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは1.5μm以上10μm以下である。1.0μm未満では細胞が強固に捕捉されてしまい回収が困難となる可能性がある。また、30μmを超えると細胞が繊維に捕捉されず素通りする可能性が高くなる。いずれの場合も回収率の低下につながるおそれがあるので好ましくない。
また、スポンジ状構造体を用いる場合、孔径は通常2.0μm以上25μm以下が適当であり、好ましくは3.0μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは4.0μm以上15μm以下である。2.0μm未満では流れ性が著しく劣り、通液自体が困難になるおそれがあり、また25μmを超えると細胞の捕捉率が低下し、回収率の低下を招くので好ましくない。
高分子多孔質体よりなる濾材の材質としては、合成高分子多孔質体、半合成高分子多孔質体、天然高分子多孔質体、無機多孔質体、いずれも用いることができるが、濾材として、成形性、滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子があげられる。また、濾材に細胞浮遊液が均一に流れるように、例えば特公平6−51060号公報で提案されているヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする合成高分子で濾材を親水化処理してもよい。
使用条件や使用目的によって、有核細胞を捕捉する高分子多孔質体の細孔内表面は適宜改質されているものを選択することができる。たとえば素材表面を親水化した細胞捕捉材は、原料細胞液をフィルターに均一に流すために効果的であり、好適に選択される。表面改質の方法は、このように親水性の表面を構築することによってもよいし、また親水性と疎水性の適切な配分を構築することによってもよいし、またこれらの表面に対し荷電性を付与するなどの公知の方法を目的に応じて採用することができる。たとえば電離性の放射線照射後、熱水で処理することによって表面を親水化することが可能である。また両親媒性の高分子をコーティングすることによっても表面改質は可能である。たとえばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシアクリルあるいはメタクリル系の高分子、あるいはアミン系高分子やポリエチレングリコール系高分子、またはそれらの共重合体等による親水化である。また、グラフト重合法は細胞捕捉材に化学的に親水性を有する高分子を結合させる方法で、溶出の心配が無いなどの利点を有する。特開2000−185094号公報に記載された方法などが好適に採用される。
この濾材を充填する、液体導入口と液体導出口を有する容器の材質としては成形性や滅菌性に優れ、細胞毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、塩化ビニル等の合成高分子、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属があげられるが、これらに限定されるものではない。
容器の構造としては、形状は直方体、立方体、円柱形、楕円柱形などがあげられるが、いずれの形状でもよい。また、細胞浮遊液導入口と細胞浮遊液導出口の位置としては、細胞浮遊液導入口は濾材の最上層に液体を導入できる位置であればよく、また細胞浮遊液導出口は濾材の最下層から液体を導出できる位置であればよい。
本発明で言う「フィルターに細胞浮遊液を通過させる」とは、前記フィルターに前記細胞浮遊液を導入及び導出させる方法であれば、何れの方法でもよい。例えば、細胞提供者に対する連続的体外循環法を用いてもよいし、あるいはあらかじめ採取しておいた細胞浮遊液を重力落差で処理する方法を用いてもよいし、またシリンジなどの注入器に採取した細胞浮遊液を手動あるいは装置(例えば、シリンジポンプ、ブラッドポンプ、ペリスタポンプ等)を用いてフィルターに導入する方法を用いてもよい。
細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞浮遊液の通過終了時点までの細胞通過時間は好ましくは12時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下である。12時間を越えると、細胞自身が生体外環境下におかれる時間が長すぎるため、細胞の生存率が低下するため好ましくない。細胞通過時間の下限は特に限定されないが、例えば30分以上とすることができる。
本発明で言う「該高分子多孔質体に捕捉された細胞を剥離し回収する」とは、例えば、細胞浮遊液を通過させたフィルターから該高分子多孔質体を取り出し細胞回収用の液体中で振とうするなどの方法を用いてもよいが、実施し易さおよび高い細胞回収率を得るために、前記容器における細胞浮遊液導入口から細胞回収用の流体を該フィルターへ導入し、濾材に捕捉された細胞を導入する流体により剥離させ押し出し、前記容器における細胞浮遊液導出口から回収する方法を用いるか、あるいは前記容器における細胞浮遊液導出口から細胞回収用の流体を該フィルターへ導入し濾材に捕捉された細胞を導入する流体により剥離させ押し出し、前記容器における細胞浮遊液導入口から回収する方法を用いるのが好ましい。細胞回収率の観点から後者の方法がより好ましい。
前記細胞回収用の流体が液体である場合、細胞に悪影響を及ぼさない流体であればいかなる流体も使用できるが、いくつか例示すると、生理食塩水、D-PBS(ダルベッコリン酸塩緩衝液)、HBSS(ハンクス液)などの緩衝液、RPMI-1640などの培地があげられる。これらの液体に、細胞保護、栄養補給、抗凝固性付与、凍結保存時の凍害防止、粘度向上(回収率向上に有効な場合がある)等の目的で必要に応じ、アルブミン、グロブリン、グルコース、サッカロース、トレハロース、クエン酸化合物、EDTA、ジメチルスルホキシド、デキストラン、ポリビニルピロリドン、グリセリン、キチン誘導体、ヒドロキシエチルデンプン、ゼラチン等を添加してもよい。また、ここで言う流体とは、液体単体のみならず、空気、アルゴン、窒素など細胞に悪影響を及ぼさない気体あるいはこれら気体を前記液体と混合したものも含まれる。流体の導入方向としては細胞浮遊液の細胞分離フィルターへの通液方向と同一方向あるいは逆方向が考えられるが、逆方向の方が高い回収率が得られる傾向にあるのでより好ましい。
本発明で言う「細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの捕捉細胞のフィルター内捕捉時間」とは、前記細胞を捕捉する高分子多孔質体を容器内に充填したフィルターに細胞浮遊液を通過させるいわゆる「ろ過」の際に、該細胞浮遊液中の細胞の該高分子多孔質体への捕捉が実質的に開始された時点から、該多孔質体に捕捉された細胞の剥離が実質的に開始される時間までのことである。「細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの捕捉細胞のフィルター内捕捉時間」は2時間以上12時間以下であり、好ましくは2時間以上10時間以下であり、より好ましくは3時間以上10時間以下であり、さらに好ましくは3時間以上8時間以下である。2時間未満である場合、濾材表面と捕捉された細胞との間の相互作用による細胞表面の変化が十分に得られず、十分な単球回収率の増加が得られないため好ましくない。また、12時間を越えると、細胞自身が生体外環境下におかれる時間が長すぎるため、細胞の生存率が低下するため好ましくない。
細胞浮遊液のフィルターへの通過、すなわち細胞浮遊液の供給方法としては、(a)前記フィルター内捕捉時間内にわたって高分子多孔質体に連続して供給する、(b)前記フィルター内捕捉時間内に高分子多孔質体に間歇的に供給する、(c)供給した後に完全に供給を停止する、あるいは(b)と(c)の組合せが考えられるが、その何れの供給方法であってもよい。例えば、細胞浮遊液が末梢血の体外循環法である場合、前記(a)の方法は、本フィルターを体外循環の主回路への組み込む、またはバイパス回路を設けて組み込むことにより連続処理が可能であり、前記(b)や(c)の方法は、バイパス回路を設けて組み込むことにより間歇的な処理や完全停止が可能となる。また、体外循環ではないバッチ処理においても同様であり、処理量や処理速度等の処理条件または施行目的等により適宜使い分ければよい。
前記の剥離および回収において、細胞浮遊液に赤血球などの治療に不要な細胞が混入している場合、これを予め除いておくために該フィルターに細胞浮遊液を通過させた後、「回収」を行なう前に「洗浄」を行なうことが好ましい。「洗浄」に用いる流体としては、前記剥離および回収に用いる流体と同じものを用いてもよく、またこれと異なるものであっても細胞に悪影響を及ぼさない流体であればいかなる流体も使用できる。洗浄液をフィルターを通過させる手段は、シリンジポンプ、ブラッドポンプ、ペリスタポンプ等の装置を用いるものや、簡便法としてシリンジを手で押す方法、液体を貯留したバッグを圧迫することで液流を惹起する方法、落差処理等があげられる。
「洗浄」を行なう場合、「洗浄」の開始時点から細胞の剥離開始時点までの洗浄液置換時間は特に限定されず、上記した捕捉細胞のフィルター内捕捉時間が2時間以上12時間以下となるような時間であれば適宜設定することができるが、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上である。これによって、濾過前あるいは濾過中に産生される細胞の凝集を促す物質や、そのような物質を放出する細胞を、洗浄により除くことができるため、濾材表面に捕捉された有用な細胞の剥離し易い状態への変化、あるいは捕捉された細胞の活性化による細胞成長因子の産生能力を高めることができる。
上記した本発明の細胞回収方法によって得られる細胞含有液も本発明の範囲内である。本発明の細胞含有液中には、単核球、特には単球などの虚血性疾患部位の再生治療に有効な細胞が回収されている。本発明の細胞含有液は、VEGF濃度が100pg/mL以上であることが好ましく、あるいはまたVEGF産生能が60pg/106細胞以上であることが好ましい。このような高いVEGF濃度又はVEGF産生能を有することにより、本発明の細胞含有液は、虚血性疾患の治療のために用いることができる。
本発明で言う虚血性疾患は、主に血管の動脈硬化のため、十分な血液の供給が保たれず、臓器にダメージが与えられる疾患を言う。虚血性疾患の具体例としては、閉塞性動脈硬化症、バージャー病(動脈硬化性疾患ではないが血流不足により引き起こされる疾患)、狭心症、心筋梗塞などが挙げられる。本発明の細胞含有液は、特に閉塞性動脈硬化症またはバージャー病の治療のために用いることができる。また、閉塞性動脈硬化症としては、糖尿病由来の閉塞性動脈硬化症が一例として挙げられ、その例としては、冠状動脈の閉塞症あるいは下肢閉塞性動脈硬化症等が挙げられる。
本発明の細胞含有液を虚血性疾患の患部に移植して虚血性疾患の治療を行う場合、患部に移植する細胞数は治療効果を発揮できる限り特に限定されないが、一般的には、単核球の細胞数として1回当たり1×106〜1×1012細胞、好ましくは1×107〜1×1012細胞、さらに好ましくは1×108〜1×1011細胞程度である。細胞含有液の投与頻度も特に限定されず、適当数の細胞を数ヶ月〜数年に1回投与してもよいし、あるいはより高頻度に定期的に投与することもできる。
本発明の細胞含有液は、直接あるいは何らかの処理を加えた後、上記したような疾患部位に輸注することができる。ここでいう何らかの処理とは、さらなる濃縮操作、あるいは希釈操作、また凍結、加温等の温度履歴などを言い、治療の手順によってこれら処理方法は適宜選択される。すなわち、少量ずつ長期に輸注される場合、散在する疾患部位の何箇所かに輸注される場合、特定の臓器に輸注される場合、輸注面積の大小や疾患の程度によって該細胞組成物の輸注の方法は最良のものが選択される。また輸注による治療を受ける患者と、血液中の血管新生に有効な細胞を提供する人とは異なっていてもよいし、同一人でもよい。同一人の場合には、移植に伴う拒絶反応は基本的に回避することができる。
例えば、細胞浮遊液が末梢血である場合は、フィルターを通過させた末梢血を供血者へ返血する体外循環の方法を採用することができる。この場合、洗浄用の流体が返血する末梢血に混入しないよう、専用の流路および洗浄液回収容器を設けるのが好ましい。また、体外循環を虚血性疾患患者自身に行なう場合、自己の細胞を用いた自家移植治療を行うこともできる。
体外循環の場合の抗凝固剤は、適宜選択することができる。ACD-A、CPD等のクエン酸系抗凝固剤の他、メシル酸ナファモスタットを含有するフサン等が想定されるが、ヘパリン系の抗凝固剤は血液透析に一般的に採用されており、副作用の少ない抗凝固剤として好適に採用される。特にヘパリンを採用することによって血液透析回路に連結して処理することが可能となり、透析患者に対しては通常の透析治療以外に単核球採取を目的とした行為が必要なくなるという大きな利点を得ることができる。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
直径6.8mmの円形に切り出した平均繊維径1.9μmのポリプロピレン不織布(目付け約66g/m2、かさ高約0.6mm)を3枚積層し濾材とした。この濾材をモビコールカラム(Mo Bi Tec社、A5310)に充填し細胞捕捉用フィルターとした。この細胞捕捉用フィルターの出入り口ノズルの一方に細胞浮遊液導入用の血液回路を接続し、またもう一つのノズルにはろ過された細胞浮遊液を導出するための血液回路を接続し、細胞捕捉用フィルターシステムとした。
健常なドナーから末梢血を採血し、抗凝固剤として血液1リットル当り5000単位のヘパリンを添加し、ヘパリン加全血とした。ヘパリン加全血中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、)を用いて計測した結果、白血球濃度は3,890個/μL、単核球濃度は1,470個/μL、および単球濃度は350個/μLであった。
このヘパリン加全血から2mLを、プラスチックシリンジに採取し、前記細胞捕捉用フィルターシステムの導入用血液回路に接続した。プラスチックシリンジは、シリンジ用ポンプにセットされた。
一定流速2.67mL/時間でヘパリン加全血を細胞捕捉用フィルターに通過させ、通過した血液を細胞捕捉用フィルターシステムの導出側回路の末端に設置されたプラスチックチューブに回収した。プラスチックシリンジが空になった時点でポンプを停止させ、前記導入側回路を鉗子にて閉止した。細胞捕捉用フィルターにヘパリン加全血が流入した時点を濾過開始点とし、ポンプを停止させた時間を濾過終了点として、濾過時間を計測し「処理時間A」とした。本例における処理時間Aは、45分であった。
そのまま室温にて90分間静置した後、前記フィルターシステムの細胞浮遊液導出側回路の末端に、デキストラン40を生理食塩水と混合した回収用溶液を3mL充填したプラスチックシリンジを接続した。細胞浮遊液導入側回路の末端には、回収用のプラスチックチューブを設置し0.2MPaの加圧力にてプラスチックシリンジを押し、前記システム細胞浮遊液導出側から回収液を注入し、前記回収用プラスチックチューブに濾材から剥離させた細胞を回収液と共に採取した。採取された回収液の量は3.8mLであった。
加圧機により回収液用プラスチックシリンジを加圧開始した時点を剥離開始点とし、前記濾過開始点からの時間を計測し、「処理時間B」とした。本例における、処理時間Bは、135分であった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、)を用いて計測した結果、白血球濃度は1,200個/μL、単核球濃度は700個/μL、および単球濃度は110個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は59%、単核球は90%、および単球は60%であった。
最終的に採取された回収液中の単核球数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した上で、単核球数が1.6×106個になるように、FBS5%加培養メディウム(CLONETICS社、EBM2)1.0mLに添加したものを、プラスチックディッシュ(IWAKI、35mm Fibronectin Dish)上に播種し、37℃(CO2濃度5%)にて72時間培養を行なった。培養後のメディウムを回収し、ELISA法(ENDOGEN社、VEGF ELISA KIT)にてVEGF濃度を測定した結果、124pg/mLであった。
本例の細胞回収方法による血管内皮増殖効果を表わすため、以下の(式1)を用いて濾過した単核球単位個数あたりのVEGF産生量「VEGF産生能」を求めた。
回収液VEGF産生量=VEGF濃度×1.0×{(回収単核球数)/(播種単核球数)}
VEGF産生能 =(回収液VEGF産生量)/(処理単核球数)
・・・(式1)
播種単核球数: 1.6×106
回収単核球数: 前記回収液中の計測された単核球濃度(個/μL)に最終的に採取された回収液の量(μL)を乗じたもの
処理単核球数: 前記ヘパリン加全血中の計測された単核球濃度(個/μL)に濾過に用いられた量(μL)を乗じたもの
上記により算出した結果、本例におけるVEGF産生能は70pg/106個であった。
比較例1
濾過終了後から剥離開始点までの室温下静置時間をおかないことを除いては、実施例1と同様に処理を行なった。即ち、同じヘパリン加全血を用い、同一の構成の細胞捕捉用フィルターシステムを用いてこれを処理し回収液を採取するにあたり、濾過後速やかに捕捉細胞の回収を行なったことを除き、同一の条件で操作を行なった。
ヘパリン加全血の細胞捕捉用フィルターへの濾過開始から濾過終了までの時間、すなわち処理時間Aは45分であった。また、濾過開始から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Bは45分であった。また、最終的に得られた回収液の量は3.8mLであった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した結果、白血球濃度は1,110個/μL、単核球濃度は620個/μL、および単球濃度は70個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は54%、単核球は80%、および単球は38%であった。
実施例1と同様にVEGF濃度を測定した結果、87pg/mLであった。また実施例1と同様に(式1)によって求めた、本例におけるVEGF産生能は、44pg/106個であった。
実施例2
濾過を行なうヘパリン加全血を6mlとすること、濾過終了後から剥離開始までの静置時間をおかなかったこと以外は実施例1と同様の操作により細胞の回収を行なった。
ヘパリン加全血の細胞捕捉用フィルターへの濾過開始から濾過終了までの時間、すなわち処理時間Aは135分であった。また、濾過開始時点から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Bは135分であった。また、最終的に得られた回収液の量は4.0mLであった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した結果、白血球濃度は2,260個/μL、単核球濃度は1,120個/μL、および単球濃度は130個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は39%、単核球は51%、および単球は25%であった。
実施例1と同様にVEGF濃度を測定した結果、210pg/mLであった。また実施例1と同様に(式1)によって求めた、本例におけるVEGF産生能は、67pg/106コであった。
実施例3
濾過を行なうヘパリン加全血を8mlとすること、濾過終了後から剥離開始までの静置時間をおかなかったこと以外は実施例1と同様の操作により細胞の回収を行なった。
ヘパリン加全血の細胞捕捉用フィルターへの濾過開始から濾過終了までの時間、すなわち処理時間Aは180分であった。また、濾過開始時点から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Bは180分であった。また、最終的に得られた回収液の量は4.0mLであった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した結果、白血球濃度は2,020個/μL、単核球濃度は1,200個/μL、および単球濃度は130個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は26%、単核球は41%、および単球は19%であった。
実施例1と同様にVEGF濃度を測定した結果、292pg/mLであった。また実施例1と同様に(式1)によって求めた、本例におけるVEGF産生能は、74pg/106個であった。
実施例4
濾過終了後に洗浄を行なうこと、洗浄開始から剥離開始まで90分の静置時間をおくこと以外は、実施例1と同様の操作により細胞の回収を行なった。
洗浄は以下の方法により行なった。
濾過終了後、空になった細胞浮遊液用プラスチックシリンジを、デキストラン40を生理食塩水と混合した洗浄用溶液を充填したプラスチックシリンジに速やかに交換し、前記導入側回路を閉止していた鉗子を外した。シリンジポンプを始動させ一定流速2.67mL/時間にて洗浄用溶液を細胞捕捉用フィルターに20分間通液させ洗浄を実施した。洗浄液を該フィルターに充填した状態でポンプを停止させ洗浄を終了した後、実施例1と同様の操作で剥離を開始した。加圧機により回収液用プラスチックシリンジを加圧開始した時点を剥離開始点とし、前記洗浄開始点からの時間を計測し、「処理時間C」とした。本例における、処理時間Cは、90分であった。ヘパリン加全血の細胞捕捉用フィルターへの濾過開始から濾過終了までの時間、すなわち処理時間Aは45分であった。また、濾過開始時点から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Bは135分であった。また、最終的に得られた回収液の量は3.8mLであった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した結果、白血球濃度は1,190個/μL、単核球濃度は730個/μL、および単球濃度は110個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は58%、単核球は94%、および単球は60%であった。
実施例1と同様にVEGF濃度を測定した結果、140pg/mLであった。また実施例1と同様に(式1)によって求めた、本例におけるVEGF産生能は、83pg/106個であった。
実施例5
濾過終了後に洗浄を行なうこと、洗浄開始から剥離開始まで150分の静置時間をおくこと以外は、実施例1と同様の操作により細胞の回収を行なった。
ヘパリン加全血の細胞捕捉用フィルターへの濾過開始から濾過終了までの時間、すなわち処理時間Aは45分であった。濾過開始時点から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Bは195分であった。洗浄開始から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Cは150分であった。また、最終的に得られた回収液の量は3.8mLであった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した結果、白血球濃度=1,600個/μL、単核球濃度は880個/μL、および単球濃度は130個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は78%、単核球は100%、および単球は72%であった。
実施例1と同様にVEGF濃度を測定した結果、150pg/mLであった。また実施例1と同様に(式1)によって求めた、本例におけるVEGF産生能は、107pg/106個であった。
比較例2
濾過終了後に洗浄を行なうこと、洗浄開始から剥離開始まで45分の静置時間をおくこと以外は、実施例1と同様の操作により細胞の回収を行なった。
ヘパリン加全血の細胞捕捉用フィルターへの濾過開始から濾過終了までの時間、すなわち処理時間Aは45分であった。濾過開始時点から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Bは90分であった。洗浄開始から剥離開始までの時間、すなわち処理時間Cは45分であった。また、最終的に得られた回収液の量は3.8mLであった。
最終的に採取された回収液中の細胞数をミクロセルカウンター(シスメックス社、K−4500)を用いて計測した結果、白血球濃度は1,340個/μL、単核球濃度は650個/μL、および単球濃度は70個/μLであった。
計測された各細胞濃度に用いたヘパリン加全血または最終的に採取された回収液の量を乗じて各細胞数を算出し、後者細胞数を前者細胞数で除し、各細胞の回収率を求めた結果、白血球は65%、単核球は84%、および単球は38%であった。
実施例1と同様にVEGF濃度を測定した結果、95pg/mLであった。また実施例1と同様に(式1)によって求めた、本例におけるVEGF産生能は、50pg/106コであった。
上記した実施例1〜5及び比較例1及び2の結果を以下の表1に記載する。
本発明によれば、簡便な操作で細胞を回収できるフィルター法において、より高い血管新生性能力を有する細胞含有液、すなわち単核球、特に単球の比率を高められた細胞含有液を高い収率で得ることが可能である。本発明の方法により得られた細胞含有液は、虚血性疾患に対する細胞移植治療に用いることができ、効果の高い治療を行なうことが可能となる。


Claims (11)

  1. 有核細胞を捕捉する高分子多孔質体を容器内に充填したフィルターに細胞浮遊液を通過させる工程、該高分子多孔質体に捕捉された細胞を剥離し回収する工程を順に含む細胞回収方法において、細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞の剥離開始時点までの捕捉細胞のフィルター内捕捉時間が2時間以上12時間以下であることを特徴とする細胞回収方法。
  2. 細胞浮遊液のフィルターへの通過開始時点から細胞浮遊液の通過終了時点までの細胞通過時間が30分以上12時間以下である、請求項1に記載の細胞回収方法。
  3. 細胞浮遊液を通過させる工程と、捕捉された細胞を剥離回収する工程との間に、該フィルターを洗浄する工程を含む、請求項1又は2に記載の細胞回収方法。
  4. フィルターの洗浄開始時点から細胞の剥離開始時点までの洗浄液置換時間が1時間以上である、請求項3に記載の細胞回収方法。
  5. 回収する細胞が単核球である、請求項1から4の何れか一項に記載の細胞回収方法。
  6. 回収する細胞が単球である、請求項1から5の何れか一項に記載の細胞回収方法。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の細胞回収方法によって得られる細胞含有液。
  8. VEGF濃度が100pg/mL以上である、請求項7に記載の細胞含有液。
  9. VEGF産生能が60pg/106細胞以上である、請求項6又は7に記載の細胞含有液。
  10. 虚血性疾患の治療のために用いる、請求項7から9の何れかに記載の細胞含有液。
  11. 虚血性疾患が閉塞性動脈硬化症またはバージャー病である、請求項10に記載の細胞含有液。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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