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JP2006044772A - 複合キャップおよびその複合キャップを備えた容器 - Google Patents

複合キャップおよびその複合キャップを備えた容器 Download PDF

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JP2006044772A
JP2006044772A JP2004231248A JP2004231248A JP2006044772A JP 2006044772 A JP2006044772 A JP 2006044772A JP 2004231248 A JP2004231248 A JP 2004231248A JP 2004231248 A JP2004231248 A JP 2004231248A JP 2006044772 A JP2006044772 A JP 2006044772A
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English (en)
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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Kiyoshi Wada
潔 和田
Takekuni Seki
関  武邦
Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明、包装体内部の湿度を容易にコントロールし得る複合キャップおよびその複合キャップを備えた容器包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、キャップ本体(A)内に、水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)と、該吸着部材(C)を収納する空間部(a)を有し、かつ容器本体(D)の空間部(b)と空間部(a)を共有する通気孔(c)を設けたインナーキャップ(B)を組み込んで配設してなる複合キャップであって、前記水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)には乾燥剤が配合され、その乾燥剤の吸湿特性として、40℃−90%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量、かつ40℃−20%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量もしくは吸湿量を特定したことを特徴とする複合キャップおよびその複合キャップを備えた容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャップ本体(A)、キャップ本体に組み込むことでパッキン機能を有するインナーキャップ(B)、そして水分を吸着することが可能な樹脂組成物より形成された吸着部材(C)から構成された構造を有する複合キャップに関し、より詳細には、複合キャップ中に装填する吸着部材(C)に配合される乾燥剤の選定や吸着部材(C)の個数(枚数)に応じて、容器本体中の湿度を容易に調整することが可能な、複合キャップに関する。
各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、「パッケージ」あるいは「包装」のキーワードとしては大きく以下の内容が挙げられる。
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」。
(2)充填した内容物自体に包装体が侵されないための「内容物耐性」。
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」。
これらのキーワードは更に細分化され、細かい要求品質へと展開される。そのうち、「内容物の保護」という点で特に注目を浴びているのが、酸素や水分からの内容物の保護が挙げられる。特に最近では、食品分野、工業製品分野、医療・医薬品分野等の各分野において、酸素や水分に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。その背景として、酸素については酸化による内容物の分解、変質、水分については吸湿や加水分解に伴う内容物の変質が挙げられる。
このように酸素あるいは水分による内容物の変質を防ぐ為、様々な方法が検討されてきた。その一つが、酸素バリアあるいは水分バリア性を有する材料を用いた包装体を設計することが挙げられる。酸素バリア性という点では、アルミ箔、無機化合物蒸着フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの酸素バリア性に優れる基材を用いた包材が提案されている。水分バリアという点では、防湿性のあるポリオレフィン系樹脂、これらのポリオレフィン系樹脂やポリエステル樹脂やポリアミド樹脂からなるフィルムにポリビニリデンクロライド系コーティング層を設けることで防湿性を付与したフィルムを用いた包材が最も一般的である。
これらの酸素や水分バリア性基材を用いた包装体は、その高い酸素や水分バリア性から各種用途に展開が広がっている。しかしながらこれらのバリア機構は、あくまで包材外部から進入してくる酸素や水分の透過を防止するものであり、一部の内容物によっては、ヘッドスペース中のわずかな酸素や水分によって劣化を伴う場合もある。そのような意味で、包装容器外側からの酸素や水分バリア性だけでなく、容器本体ヘッドスペース中の酸素や水分も除去したいというニーズが出てきている。
容器ヘッドスペース中の酸素や水分を吸収させるという機能を有する包装体の設計ということでは大きく以下のタイプが挙げられる。
(1)各種容器に小袋状の酸素吸収剤や乾燥剤をキャップあるいは容器本体に装填させたタイプ
(2)酸素吸収剤や乾燥剤を樹脂に練り込むことで、容器本体自体に酸素や水分吸収能を付与したタイプ
これらの技術はすでに公知の技術である。
(1)のケースでは、小袋状の脱酸素剤や乾燥剤を内容物と共に配合したり、あるいはキャップあるいは蓋材の内側に、粘着剤を設けた小袋状の乾燥剤を貼りあわせるなどして、
容器内の酸素または水分を除去する試みがされている。しかしながら、小袋状の乾燥剤は誤飲、誤食の問題が有り、また粘着剤を用いてキャップや蓋材の内側に貼りつける場合には、装着工程が煩雑などの問題点を抱えている。また、キャップ内側に装填させた乾燥剤としては、乾燥機能を有する無機化合物を各種無機系バインダーとともにタブレット状の成形体を作成するケースが見うけられる。しかしながらこれらの成形体は、ちょっとした応力や振動によって破壊されるケースが多く、最悪の場合には内容物への異物混入の問題が発生する恐れがある。その問題を回避するためにこのタブレット状の成形体を薄紙などで包装したタイプも見うけられるようになってきたが、この場合では、タブレット状乾燥剤を包装する薄紙が容器内の水分を除去する上で悪影響を与えることが問題視されるようになってきた。このような観点から(2)のタイプを用いた容器設計が主流になってきた。
吸収機能という機能面では、包装容器中に含まれる酸素や水分などは、内容物への影響から完全に除去したいという傾向が深まる一方で、その反面、水分を完全に除去する機能(絶乾状態)ではなく、適度な水分に調整するというニーズ(調湿)も出てきている。例えばサプリメント食品やカプセル状食品などの機能性食品は、内容物中の水分が乾燥剤により取り除かれる事で脆い製品となり、商品流通工程で割れてしまうなどの問題が発生する。またこのような機能性食品は、有効成分として液状の物質をカプセルなどに封入するものも見受けられるが、吸湿剤の影響でカプセル内容物の重量変化が顕著に発生する。このように、酸素や水分を嫌う内容物だけでなく、ある程度水分コントロールが必要な容器設計が求められるようになってきた。
このような機能性食品用の容器設計に限らず、今後の容器包装を考慮していく上では容器形状や成形方法にとらわれず、酸素や水分の吸収能力を調整することが容易な容器設計が必要と考えられる。しかしながら、酸素吸収剤や乾燥剤などを配合した樹脂組成物を用いて容器設計を行うという点で今後課題とされる内容として、機能性食品に代表される容器の形状は、近年既成型といわれる容器型を用いるケースが非常に多くなり、容器容積は可変にしながらも容器口径などはある規格に順じて統一化したものが多くなってきたことが挙げられる。この内容は大きく以下の内容に影響される。
(1)容器が既成型を用いた既製品になってしまうため、成形方法に制約を受ける。
(2)容器がガラス製、プラスチック製などが考えられるため、容器本体の材質の酸素/水分バリア性を考慮した酸素/水分吸収機能の設計を行う必要がある。
(3)容器のサイズや充填する内容物に応じて酸素や水分の吸収能力の調整(コントロール)が必要(吸収剤のタイプや添加量の調整が必要)。
以下、特許文献を記す。
米国特許第6,214,255号明細書 特公平7−53222号公報 特開平5−39379号公報。
そのような意味で、特許文献1に記載される「ポリマーに乾燥剤を配合した乾燥容器」については、容器自体に乾燥機能を付与させた容器のタイプであるが、容器成形方法が非常に特殊であるために、上記(1)の内容が課題として挙げられる。またそれ以外にも、容器にクラックが発生することに伴う容器の強度物性への影響が懸念され、さらには容器の変色や低分子量成分の染み出しなどの課題点を有する。
また、特許文献2、3では、ポリマーに調湿機能を有する乾燥剤を配合した樹脂組成物
、あるいはこの樹脂組成物を用いた成形品の開示が認められる。引用文献2、3に記載される包装体は、調湿機能を有する乾燥剤を配合した樹脂組成物層を、防湿性を有する熱可塑性樹脂により包装容器を全面で被覆する形状を有する。しかしながら、調湿機能は絶乾機能とは用いる乾燥剤の吸湿特性が異なり、一概に乾燥剤を熱可塑性樹脂に配合すれば良いというものではなく、包装体の防湿性や、容器容積、乾燥剤の吸湿特性など様々なパラメーターを組み合わせる事で始めてその機能が達成される。つまり、上述した引用文献中の容器設計における容器内湿度は、結果的にその容器内湿度になったものであり、コントロールされたものではない。つまり、上記(2)、(3)の内容が課題として挙げられ、内容物によってある湿度範囲でコントロールする必要が有る場合には、すぐには対応できない包装体設計である。
上記特許文献1〜3は水分吸収能力に関する文献であるが、特に水分の場合、上述したように絶乾〜調湿といったコントロールが要求されるにも関わらず、現状では容器包装として必要な水分の吸収能力に対してオーバースペックな設計をしているのが現状であり、容器内部の水分量を考慮して吸収能力をコントロールしているとは言えない状態である。
本発明、上記の実情を考慮してなされたものであって、包装体内部の湿度を容易にコントロールし得る複合キャップおよびその複合キャップを備えた容器包装体を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決する手段として、
請求項1記載の発明は、少なくとも、キャップ本体(A)内に、水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)と、該吸着部材(C)を収納する空間部(a)を有し、かつ容器本体(D)の空間部(b)と空間部(a)を共有する通気孔(c)を設けたインナーキャップ(B)を組み込んで配設してなる複合キャップであって、
前記水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)には乾燥剤が配合され、その乾燥剤の吸湿特性として、40℃−90%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量が自重の10%以上、かつ40℃−20%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量も10%以上の吸湿特性を有することを特徴とする複合キャップである。
請求項2記載の発明は、少なくとも、キャップ本体(A)内に、水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)と、該吸着部材(C)を収納する空間部(a)を有し、かつ容器本体(D)の空間部(b)と空間部(a)を共有する通気孔(c)を設けたインナーキャップ(B)を配設してなる複合キャップであって、
前記水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)には乾燥剤が配合され、その乾燥剤の吸湿特性として、40℃−90%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量が自重の10%以上、かつ40℃−20%相対湿度環境下での保存における吸湿量が5%以下の吸湿特性を有することを特徴とする複合キャップである。
請求項3記載の発明は、前記乾燥剤が、酸化カルシウム、ゼオライト、シリカゲルの少なくとも1種類から選択されることを特徴とする請求項1記載の複合キャップである。
請求項4記載の発明は、請求項1または3記載の複合キャップを容器に装着したときの容器内湿度を10%相対湿度以下に保つことが可能であることを特徴とする複合キャップである。
請求項5記載の発明は、前記乾燥剤が、容器中の水分(蒸気圧)と乾燥剤が吸湿した水
分(蒸気圧)を平衡に保つべく、水分の吸脱着が可能であることを特徴とする請求項2記載の複合キャップである。
請求項6記載の発明は、前記乾燥剤が、硫酸マグネシウムや焼明礬などの硫酸塩化合物、活性アルミナ、活性炭、粘土鉱物の少なくとも1種類以上から選択されることを特徴とする請求項2または5記載の複合キャップである。
請求項7記載の発明は、請求項2、5、6のいずれか1項に記載の複合キャップを容器に装着したときの容器内湿度を20〜70%相対湿度以下に保つことが可能であることを特徴とする複合キャップである。
請求項8記載の発明は、前記吸着部材(C)が、空間部(a)に複数枚を配設することが可能なディスク形状であることを特徴とする請求項1〜7記のいずれか1項に記載の複合キャップである。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合キャップを容器に装着したときの容器内湿度を、吸着部材(C)に配合される乾燥剤の選定およびその吸着部材(C)の枚数により調整することが可能であることを特徴とする複合キャップである。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合キャップを装着したことを特徴とする容器である。
本発明の複合キャップおよびその複合キャップを備えた容器は、複合キャップに配設する「吸着部材(C)」に配合する乾燥剤の選定や「吸着部材(C)」の枚数を調整することで、容易に容器内湿度をコントロールすることが可能である。この複合キャップを用いることで、今後、機能性が期待される内容物の品質の低下を伴わない容器包装体を提供することが可能である。また、水分吸収による容器内湿度をコントロールする乾燥剤以外にも酸素吸収剤や消臭剤などの機能性を有する化合物を配合することで、更なる複合機能を付与することが可能である。
以下、本発明を図1を参照して詳細に説明する。本発明の複合キャップは、「キャップ本体(A)」、キャップ本体に組み込むことでパッキン機能を有する「インナーキャップ(B)」、そして水分を吸着することが可能な樹脂組成物より形成された「吸着部材(C)」から構成される。
本発明の複合キャップの特徴とされる点は、「インナーキャップ(B)」に「吸着部材(C)」を収納することが可能な空間部(a)を設けることで、「キャップ本体(A)」と「インナーキャップ(B)」とを組み合わせることで得られた空間部(a)に「吸着部材(C)」を装填したことが挙げられ、要望とする容器内湿度に応じて、「インナーキャップ(B)」に設けた空間部(a)に装填させる「吸着部材(C)」のタイプや個数(枚数)を調整することが可能であることをが挙げられる。つまり、この複合キャップを装着する容器の材質(ガラス製かプラスチック製か)やバリア性(酸素/水分)や容器サイズ、そして中に充填する内容物の水分による影響度合いに応じて、「吸着部材(C)」のタイプや個数(枚数)を組み合わせることで容器内の湿度を容易にコントロールすることが可能である。
「キャップ本体(A)」の材質は特には制限されず、アルミなどの金属やポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることが可能である。「キャップ本体(A)」は基本的
には既成型で作成された既成容器本体(D)に装着することが可能であるキャップ形状であれば、その他の細かい形状については何ら制約は受けない。
「インナーキャップ(B)」は「キャップ本体(A)」に組み込むことで、容器本体(D)の口元部のおける密封性を向上させる必要がある。そのような意味でも「インナーキャップ(B)」の材質はクッション性を有するような材料が好ましく用いられ、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはそのエステル化物かイオン架橋物、ホモやブロックやランダムポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂あるいはエチレン系共重合体が挙げられ、さらには各種エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、あるいはこれらの架橋物や水添物、共重合ポリエステルや共重合ポリアミドからなるエラストマーを用いても構わなく、「キャップ本体(A)」と容器本体(D)の密封性が保たれるような材質であれば制限はない。
「インナーキャップ(B)」の構造的な特徴は大きく2つある。一つは、「吸着部材(C)」を収納することが可能な空間部(a)を設けることが挙げられる。もう一つは、複合キャップを容器本体に取りつけた時に形成された、容器本体の容積空間{空間部(b)}と複合キャップに設けられた空間部(a)を共有するべく、「インナーキャップ(B)」に通気孔(c)を設けたことが挙げられる。最初の構造的特徴は、複数個(枚)の「吸着部材(C)」をこの空間部(a)に設けることを可能にすることによって、各種ガス成分の吸着量を容易にコントロールすることが挙げられる。後者の構造的特徴は、容器本体{空間部(b))の水分をより効率良く吸収させるために設けるものである。このような構造の成形体はおもに射出成形によって成形されるが、特に製造方法に制約を受けるものではなく、上記構造的特徴を兼ね備えた成形品を形成することが可能な成形方法であれば特に制約は受けない。
「吸着部材(C)」については、形状的な制約は受けず、上記「インナーキャップ(B)」に設けられた空間部(a)に装填可能な形状であれば構わない。この「吸着部材(C)」に配合する成分としては乾燥剤が挙げられる。この乾燥剤の選定は、上述したように包装容器内の湿度を絶乾状態(相対湿度10%以下)に保つか、ある程度湿度調整(相対湿度20〜70%)された環境にするかによって異なってくる。前者の場合は、乾燥剤に吸着された水分が吸脱着しないあるいはしにくい乾燥剤を選ぶ必要があり、このようなものとしては、酸化カルシウム、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。後者の場合は、包装容器中の水分(蒸気圧)と乾燥剤が吸湿した水分(蒸気圧)を平衡に保つべく、水分の吸脱着が可能であるような乾燥剤が好ましく、硫酸マグネシウムや焼明礬などの硫酸塩化合物、活性アルミナ、活性炭、粘土鉱物から少なくとも1種類以上から選択されることが好ましい。これらの乾燥剤を、各種熱可塑性樹脂に配合することで水分吸収能を有する「吸着部材(C)」を得ることが可能である。
「吸着部材(C)」の製造方法としては、目的に応じた乾燥剤を1〜50wt%、熱可塑性樹脂50〜99wt%になるように調整した材料をリボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドし、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーなどの混練機を用いて、ベースとなる熱可塑性樹脂にもよるが、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下、さらに好ましくは240℃以下で混練することで得られる。その際、必要に応じて各種機能相をオレフィン系ワックスなどの分散剤で表面処理を施しても構わない。得られたストランドは空冷あるいは水冷により冷却し、ペレタイズ後、アルミバッグなどの包装形態中で保管する。そして射出成形により「吸着部材(C)」を直接成形したり、Tダイ法によりシート製膜した後に「吸着部材(C)
」を打ちぬくことによって成形することによって作成するが、成形方法は特に制約はない。
このようにして得られた「吸着部材(C)」を、必要とされる吸収能力や容器形状に応じて複合キャップに装填することで、容易に容器内部の湿度をコントロールすることが可能である。
以下に本発明の実施例を示すが、それに限定されるものではない。実施例で使用する材料およびその作成方法、評価方法などを下記に記す。
[吸着部材(C)の作成]
<ベース樹脂の選定>
・A−1:エチレン−ヘキセン−1共重合体(MI=23)
<機能相の選定>
・B−1:酸化カルシウム CaO(絶乾用)
・B−2:焼明礬 KAl(SO42(調湿用)
<樹脂組成物の製造/吸着部材(C)の作成>
それぞれ異なる機能相を有する吸着部材(C)を作り分けた。このとき、上記ベース樹脂に対し(B−1)は40wt%、(B−2)は30wt%になるように調整した混合物を2軸押出機(φ=30,L/D=49)により吐出9kg、200℃、50rpmでコンパウンドを行った。得られたコンパウンドはアルミ包装体に保管した(不活性ガス置換済み)。このコンパウンドを射出成形によりφ20mm、厚み1mmの面子状の吸着部材(C)を作成した。
[インナーキャップ(B)の作成]
MI=16の低密度ポリエチレンを用いて、上記吸着部材が15枚収納可能の空間部(a)を有するインナーキャップ(B)を射出成形により作成した。インナーキャップ(B)は下記キャップ本体(A)に組み込めるサイズに調整した。
[キャップ本体(A)および容器本体]
容器口径が約φ50mmで容器内容積100mlであり、キャップ込みの容器防湿性が1〜2mg/pkg/dayである既成のポリプロピレン製プラスチック容器を用意した。キャップ本体Aはこの容器口径に合わせたタイプのポリプロピレン製キャップを手配した。
[評価方法]
下記実施例に記載する容器内の湿度評価方法は、図2に示すように、容器本体(底部)に穴をあけ、そこから湿度湿度センサーを装着したものを用いた。この時、センサーを装着した穴から防湿の低下を抑制するために、エポキシ系の接着剤にて穴を塞いだ。このセンサーおよび複合キャップを装着した容器本体を40℃−90%相対湿度下に保管した時の経時における容器内湿度を測定した。
絶乾用乾燥剤としてB−1を用いた「吸着部材(C)」を作成した。この「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に装着しないで、25℃−55%相対湿度下において容器を密栓し40℃−90%相対湿度下保管における容器内湿度の推移を評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に1枚
装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に3枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に5枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に7枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に9枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に11枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に13枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に15枚装着した以外は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2006044772
表1からも確認されるように、「吸着部材(C)」を装填していないものは経時で容器内の湿度が上昇し、容器内湿度が90%相対湿度付近まで到達しているのにたいし、「吸着部材(C)」を装填したものは、容器内湿度が10%相対湿度以下になることが確認される。また「吸着部材(C)」の枚数によって10%相対湿度以下を維持できる期間が延長されることが確認される。この内容は「吸着部材(C)」の枚数によって、容器内を低湿度下に維持できる期間がコントロールできることを示唆しており、容器に充填した内容物に必要とされる湿度環境やシェルフライフに応じて容器内湿度を調整することが可能であることを意味する。
調湿用乾燥剤としてB−2を用いた「吸着部材(C)」を作成した。この「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に1枚装填し、25℃−55%相対湿度下において容器を密栓し40℃−90%相対湿度下保管における容器内湿度の推移を評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に3
枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に5枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に7枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に9枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に11枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に13枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
実施例10において、「吸着部材(C)」を図1に示す複合キャップ空間部(a)に15枚装着した以外は実施例10と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2006044772
表2からも確認されるように、「吸着部材(C)」を装填したものは、その枚数に応じて容器内湿度を30%〜70%相対湿度の範囲になっていることが確認される。この内容は「吸着部材(C)」の枚数によって、容器内の湿度を調整することが可能であることを示唆し、容器に充填した内容物に必要とされる湿度環境やシェルフライフに応じて容器内湿度を調整することが可能であることを意味する。
絶乾用乾燥剤としてB−1を用いた「吸着部材(C)」を3枚と調湿用乾燥剤としてB−2を用いた「吸着部材(C)」を5枚用いることで、実施例1と同様にして評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2006044772
表3からもわかるように、絶乾タイプと調湿タイプとでは、低湿度下でも水分を吸収する能力を有する絶乾タイプが先行して機能を発現する。表1からも確認される絶乾機能の低下が起きるころから、調湿機能を発現していることが確認される。この内容は、例えば内容物を容器に充填直後からある程度の保管期間内は低湿度化を保ち、消費者の手にわたり開封してからは、調湿機能を付与したい場合には、このような複合機能を展開する事が可能であると推測される。
(1−1)は、本発明の複合キャップの一例を示す断面模式図である。(1−2)は、本発明の複合キャップを取り付けた容器(センサー付き)の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
A:キャップ本体
B:インナーキャップ
a:空間部a
C:吸着部材
D:容器本体
b:空間部b
c:通気孔c
E:センサー

Claims (10)

  1. 少なくとも、キャップ本体(A)内に、水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)と、該吸着部材(C)を収納する空間部(a)を有し、かつ容器本体(D)の空間部(b)と空間部(a)を共有する通気孔(c)を設けたインナーキャップ(B)を組み込んで配設してなる複合キャップであって、
    前記水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)には乾燥剤が配合され、その乾燥剤の吸湿特性として、40℃−90%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量が自重の10%以上、かつ40℃−20%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量も10%以上の吸湿特性を有することを特徴とする複合キャップ。
  2. 少なくとも、キャップ本体(A)内に、水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)と、該吸着部材(C)を収納する空間部(a)を有し、かつ容器本体(D)の空間部(b)と空間部(a)を共有する通気孔(c)を設けたインナーキャップ(B)を配設してなる複合キャップであって、
    前記水分を吸着することが可能な樹脂組成物からなる吸着部材(C)には乾燥剤が配合され、その乾燥剤の吸湿特性として、40℃−90%相対湿度環境下での保存における飽和吸湿量が自重の10%以上、かつ40℃−20%相対湿度環境下での保存における吸湿量が5%以下の吸湿特性を有することを特徴とする複合キャップ。
  3. 前記乾燥剤が、酸化カルシウム、ゼオライト、シリカゲルの少なくとも1種類から選択されることを特徴とする請求項1記載の複合キャップ。
  4. 請求項1または3記載の複合キャップを容器に装着したときの容器内湿度を10%相対湿度以下に保つことが可能であることを特徴とする複合キャップ。
  5. 前記乾燥剤が、容器中の水分(蒸気圧)と乾燥剤が吸湿した水分(蒸気圧)を平衡に保つべく、水分の吸脱着が可能であることを特徴とする請求項2記載の複合キャップ。
  6. 前記乾燥剤が、硫酸マグネシウムや焼明礬などの硫酸塩化合物、活性アルミナ、活性炭、粘土鉱物の少なくとも1種類以上から選択されることを特徴とする請求項2または5記載の複合キャップ。
  7. 請求項2、5、6のいずれか1項に記載の複合キャップを容器に装着したときの容器内湿度を20〜70%相対湿度以下に保つことが可能であることを特徴とする複合キャップ。
  8. 前記吸着部材(C)が、空間部(a)に複数枚を配設することが可能なディスク形状であることを特徴とする請求項1〜7記のいずれか1項に記載の複合キャップ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合キャップを容器に装着したときの容器内湿度を、吸着部材(C)に配合される乾燥剤の選定およびその吸着部材(C)の枚数により調整することが可能であることを特徴とする複合キャップ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合キャップを装着したことを特徴とする容器。
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