JP2006035507A

JP2006035507A - 可撓性不燃化粧板

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Publication number: JP2006035507A
Application number: JP2004215885A
Authority: JP
Inventors: Toshihiro Yamamoto; 智弘山本; Yutaka Hori; 豊堀; Keisuke Shitan; 慶介士反
Original assignee: Aica Kogyo Co Ltd
Current assignee: Aica Kogyo Co Ltd
Priority date: 2004-07-23
Filing date: 2004-07-23
Publication date: 2006-02-09
Anticipated expiration: 2024-07-23
Also published as: JP4396893B2

Abstract

【課題】耐衝撃性、強度に優れる上、フレキシビリティであり、水打ちや熱加工等の特殊な処理無しでかつ常温において曲面用途に用いることができる不燃化粧板を得る。
【解決手段】軟質難燃コア層と、金属箔と、表面化粧層とを順次積層し、一体成型する。該軟質難燃コア層として、繊維基材に熱可塑性樹脂と無機充填剤とからなるスラリーが含浸された樹脂含浸プリプレグを用い、該熱可塑性樹脂と該無機充填剤の配合割合は固形分比で１：３〜１：１０とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、可撓性不燃化粧板に関する。

従来、厚み数センチの化粧ボードを曲げ加工用途に用いる場合、裏面に溝を切削する方法が知られている。

しかしながら、化粧ボードの裏面より溝を入れた場合、曲げ加工により化粧ボードが破損することがあった。

特開平５−５１９８０号特開昭６２−５９００５特開平９−２２４７６０

本発明は、かかる状況に鑑み検討されたもので、不燃性能を有し、かつ曲げ加工に優れる化粧板を得ることを目的とするもので、以下のことを特徴とする。
すなわち、請求項１記載の発明は、軟質難燃コア層と、金属箔と、表面化粧層とを順次積層し、一体成型してなることを特徴とする可撓性不燃化粧板である。
請求項２記載の発明は、該軟質難燃コア層が、繊維基材に熱可塑性樹脂と無機充填剤とからなるスラリーが含浸された樹脂含浸プリプレグからなることを特徴とする可撓性不燃化粧板である。
請求項３記載の発明は、該熱可塑性樹脂と該無機充填剤の配合割合が固形分比で１：３〜１：１０であることを特徴とする請求項２記載の可撓性不燃化粧板である。
請求項４記載の発明は、該スラリーの含浸率が数１で示される算出方法で７００〜２０００％であることを特徴とする請求項２記載の可撓性不燃化粧板である。
請求項５記載の発明は、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度（Ｔｇ）が０℃以下であることを特徴とする請求項２又は３記載の可撓性不燃化粧板である。
請求項６記載の発明は、該熱可塑性樹脂がアクリル樹脂又はＳＢＲラテックスであることを特徴とする請求項２、３又は５記載の可撓性不燃化粧板である。
請求項７記載の発明は、該表面化粧層がメラミン樹脂含浸化粧紙であることを特徴とする請求項１記載の可撓性不燃化粧板である。

本発明によれば、耐衝撃性、強度に優れる上、フレキシビリティであり、水打ちや熱加工等の特殊な処理無しでかつ常温において曲面用途に用いることができ、裏面側に溝を形成する必要がない。
以下、本発明について詳細に説明する。

本発明の軟質難燃コア層は、酢酸ビニル樹脂、ＳＢＲ、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂と無機充填剤などからなるスラリーを、無機繊維基材や有機繊維基材などの繊維基材に含浸したものである。
無機繊維基材としては、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維などの無機繊維からなる不織布、織布などが挙げられる。無機繊維基材の坪量は、１０〜２００ｇ／ｍ^２の範囲が好適であり、とりわけ、耐熱性、耐炎性に優れ、スラリーの含浸性が優れるガラス繊維不織布を用いるのが好ましい。
有機繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等やこれらの変成物およびエチレン−酢酸ビニル共重合体などに代表される各種共重合体からなる繊維およびこれらの混合物か、さらにはこれらの重合体からなる複合繊維などが挙げられる。
熱可塑性樹脂の中でも曲げ性、密着性、成形性に優れるガラス転移温度が０℃以下のアクリル樹脂又はＳＢＲラテックスが好ましく、有機繊維の中では引っ張り強度の優れるポリエステルが好ましい。

スラリー中に含まれる無機充填剤は成形性の安定化、強度の向上、及び難燃効果を目的とするものであり、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられ、平均粒子径が０．５〜２００μｍの範囲のものが繊維基材への含浸が可能であり、中でも、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなど結晶水を含むものは耐水性、耐熱性に優れる。

該スラリー中の熱可塑性樹脂分と無機充填剤との配合割合は固形分比で１：３〜１：１０の範囲とするのが望ましく、熱可塑性樹脂分に対して無機充填剤が多いと密着性が低下し、また、無機充填剤が少くなると熱圧成形時に樹脂が染み出したりする。

繊維基材へのスラリー固形分含有率（％）は、数１で示される算出方法で、７００〜２０００％の範囲が好ましい。上限を超えると固形分の脱落が多くなり取り扱いにくく、また下限に満たないと層間剥離しやすくなる。

スラリー中に含まれる無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられ、平均粒子径が０．５〜５００μｍの範囲のものが無機性繊維不織布への含浸が可能であり、中でも、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなど結晶水を含むものは高温時に分解し、吸熱、結合水を放出するため不燃性の効果の点で最適である。

有機樹脂分と無機充填剤との配合割合は５〜２０：９５〜８０とするのが望ましく、有機樹脂分に対して無機充填剤が多くなると不燃性能が向上するものの密着性が低下し、また、無機充填剤が少くなると密着性が向上するものの不燃性能が低下する。

金属箔の材質としては、鉄、銅、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられ、プリプレグ、化粧層との密着性を向上させるため接着紙、例えば、フェノールブチラールが含浸塗布されたものが用いられる。中でも熱分解温度が高く耐熱性に優れる銅箔が好ましく、厚さは常温での曲げ加工性を考慮すると１〜１００μｍが望ましい。アルミニウム箔の場合、厚みが薄いと分解して不燃性が低下するため３０μｍ以上が好ましい。
金属箔を用いることにより、熱拡散効果とガスバリア効果が発揮され、また、裏面に溝を切削する必要もなく、破損しにくいといった補強効果がある。

金属箔の上には、表面化粧層として熱硬化性樹脂含浸化粧紙が積層される。熱硬化性樹脂含浸化粧紙は、６０〜１８０ｇ／ｍ^２の化粧板用化粧紙に、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂からなる樹脂液を数２で示される含浸率が８０〜２００％となるように含浸し、乾燥したものである。
とりわけメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を用いるのが硬度、耐汚染性の面から好ましい。

アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはアミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどとホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用でき、中でも耐久性に優れるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。

プリプレグと、金属箔と、熱硬化性樹脂含浸化粧紙とは積層された後、平板プレス、連続プレスなどのプレス機で熱圧一体化される。
積層する際には、最下層に反りを抑制するためバランス紙を配してもよく、バランス紙としては、前記の熱硬化性樹脂含浸表面紙の他、クラフト紙に、フェノール樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸した熱硬化性樹脂含浸クラフト紙などが挙げられる。

以下、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明をより具体的に示すものであって、特に限定するものではない。
実施例１
軟質難燃コア層
７０ｇ／ｍ^２のポリエステル繊維不織布に、Ｔｇが−５０℃のアクリル樹脂１２部に対して、水酸化アルミニウムを８８部配合したスラリーを、式１に示すスラリー固形分定着率が９００％となるように含浸してプリプレグ（ａ）を得た。
熱硬化性樹脂含浸化粧紙
坪量８０ｇ／ｍ^２の化粧板用化粧紙にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる樹脂液を含浸して熱硬化性樹脂含浸化粧紙を得た。
可撓性不燃化粧板
プリプレグ（ａ）を６枚、片面接着処理された厚み３５μｍの銅箔１枚と、熱硬化性樹脂含浸化粧紙を１枚、接着処理面が含浸化粧紙に当接するように積層し、１３０℃，７０ｋｇ／ｃｍ^２、９０分間の条件で熱圧成形し、実施例１の可撓性不燃化粧板を得た。

実施例２
実施例１において銅箔の代わりに厚さ５０μｍのアルミ箔を用いた以外は同様に実施した。

実施例３
実施例１において、銅箔の直下に２８ｇ／ｍ２の化粧含用の原紙にフェノール−ブチラールを含浸塗布した接着紙を挿入して積層した以外は同様に実施した。

比較例１
実施例１において、銅箔を用いなかった以外は同様に実施した。

比較例２
実施例１において、銅箔の代わりに２００ｇ／ｍ^２のラテックス含浸紙を用いた以外は同様に実施した。

比較例３
実施例２において、厚さ５０μｍのアルミ箔の代わりに、厚さ１０μｍのアルミ箔を用いた以外は同様に実施した。

評価結果を表１に示す。

試験方法は以下の通りとした。
不燃性：ＩＳＯ５６６０準拠したコーンカロリーメーターによる２０分試験の発熱性試験・評価方法ににおいて総発熱量を測定した。
可撓性：３５０Ｒのコンクリート製の丸柱に巻きつけ破損しないものを○、破損したものを×とした。
密着性：熱圧成形品の木口面からカッターを入れ層間で剥離が生じるかどうかを確認し、端部が５ｍｍ程度剥離して破損するものを○、全く剥離しないものを◎とした。

実施例１の可撓性不燃化粧板の構成断面図。

符号の説明

２プリプレグ
３メラミン樹脂含浸化粧紙
６銅箔
９可撓性不燃化粧板

Claims

軟質難燃コア層と、金属箔と、表面化粧層とを順次積層し、一体成型してなることを特徴とする可撓性不燃化粧板。
該軟質難燃コア層が、繊維基材に熱可塑性樹脂と無機充填剤とからなるスラリーが含浸された樹脂含浸プリプレグからなることを特徴とする可撓性不燃化粧板。
該熱可塑性樹脂と該無機充填剤の配合割合が固形分比で１：３〜１：１０であることを特徴とする請求項２記載の可撓性不燃化粧板。
該スラリーの含浸率が数１で示される算出方法で７００〜２０００％であることを特徴とする請求項２記載の可撓性不燃化粧板。
該熱可塑性樹脂のガラス転移温度（Ｔｇ）が０℃以下であることを特徴とする請求項２又は３記載の可撓性不燃化粧板。
該熱可塑性樹脂がアクリル樹脂又はＳＢＲラテックスであることを特徴とする請求項２、３又は５記載の可撓性不燃化粧板。
該表面化粧層がメラミン樹脂含浸化粧紙であることを特徴とする請求項１記載の可撓性不燃化粧板。