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JP2006030400A - プロジェクタ - Google Patents

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JP2006030400A
JP2006030400A JP2004206287A JP2004206287A JP2006030400A JP 2006030400 A JP2006030400 A JP 2006030400A JP 2004206287 A JP2004206287 A JP 2004206287A JP 2004206287 A JP2004206287 A JP 2004206287A JP 2006030400 A JP2006030400 A JP 2006030400A
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Masashi Kitabayashi
雅志 北林
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Abstract

【課題】 光変調装置の位置調整を実施するための位置調整装置の構造を簡素化できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタは、光変調装置441と投射光学装置との間の光路中に配設され、内部に流体を封入可能とする流体封入室Rを有するフォーカス調整装置4402を備える。フォーカス調整装置4402は、流体封入室Rの容積を変更可能に構成され、流体封入室R内部に封入された流体を通過する光束の光路長を変更し、投射光学装置のバックフォーカス位置に光変調装置441を位置付ける。
【選択図】 図8

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、R,G,Bの3つの色光を色光毎に画像情報に応じて変調する3つの光変調装置、変調された3つの光束を合成して画像光を形成する色合成光学装置と、形成された画像光を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタでは、各光変調装置は投射光学装置のバックフォーカス位置に必ずなければならない。また、より鮮明な画像を得るために、各光変調装置間での画素ずれ、投射光学装置からの距離のずれの発生を防止する必要がある。
このため、プロジェクタの製造時において、各光変調装置を投射光学装置のバックフォーカス位置に正確に配置するフォーカス調整、および、各光変調装置の画素を一致させるアライメント調整が高精度に実施される。そして、このような位置調整を実施する位置調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この位置調整装置は、平面位置調整部と、面内回転位置調整部と、面外回転位置調整部と、液晶パネル保持部とが一体的に構成されたものである。そして、平面位置調整部は、光変調装置に入射する光束の光軸方向をZ軸、これに直交する2軸をX,Y軸とした場合に、液晶パネル保持部にて保持された光変調装置を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向にそれぞれ位置調整する。また、面外回転位置調整部は、液晶パネル保持部にて保持された光変調装置を、X軸を中心とした回転方向(Xθ方向)およびY軸を中心とした回転方向(Yθ方向)にそれぞれ位置調整する。さらに、面内回転位置調整部は、液晶パネル保持部にて保持された光変調装置を、Z軸を中心とした回転方向(θ方向)に位置調整する。
特開2003−107395号公報(図6)
しかしながら、特許文献1に記載の位置調整装置では、平面位置調整部、面内回転位置調整部、面外回転位置調整部、および液晶パネル保持部が一体的に構成されているので、該位置調整装置の構造が複雑化する。このため、位置調整装置の製造コストが高騰してしまうとともに、位置調整装置が大型化してしまう。
以上のことにより、位置調整装置の構造を簡素化できる光変調装置の位置調整構造の確立が要望されている。
本発明の目的は、光変調装置の位置調整を実施するための位置調整装置の構造を簡素化できるプロジェクタを提供することである。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、前記光変調装置と前記投射光学装置との間の光路中に配設され、内部に流体を封入可能とする流体封入室を有するフォーカス調整装置を備え、前記フォーカス調整装置は、前記流体封入室の容積を変更可能に構成され、前記流体封入室内部に封入された流体を通過する光束の光路長を変更し、前記投射光学装置のバックフォーカス位置に前記光変調装置を位置付けることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタがフォーカス調整装置を備えているので、流体封入室の容積を変更し流体封入室内部に封入された流体の厚み寸法(光束の光軸方向の厚み寸法)を変更することで、流体を通過する光束の光路長を変更できる。このことにより、フォーカス調整装置における流体封入室の容積を変更することで、光変調装置を直接移動することなく、投射光学装置のバックフォーカス位置に光変調装置を位置付けることができる。したがって、従来の位置調整装置において、光変調装置をZ軸方向に移動する構造、X軸を中心とした回転方向(Xθ方向)に移動する構造、および、Y軸を中心とした回転方向(Yθ方向)に移動する構造を省略することができ、位置調整装置の構造を簡素化できる。したがって、位置調整装置の低コスト化および小型化を図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記フォーカス調整装置は、前記光束を通過可能とする開口をそれぞれ有し対向配置される第1枠状部材および第2枠状部材と、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の各開口をそれぞれ閉塞する一対の透光性基板と、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材を接続する螺合部材とを備え、前記第1枠状部材は、前記螺合部材を挿通可能とする孔および前記開口を有する板状の第1板体と、前記第1板体における前記第2枠状部材に対向する端面に突設され前記開口を平面的に囲う第1突出部とを含んで構成され、前記第2枠状部材は、前記螺合部材を挿通可能とする孔および前記開口を有する板状の第2板体と、前記第2板体における前記第1枠状部材に対向する端面に突設され前記開口を平面的に囲い前記第1突出部に嵌合可能とする第2突出部とを含んで構成され、前記流体封入室は、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の各開口が前記一対の透光性基板にて閉塞され、前記第1突出部および前記第2突出部が嵌合することで前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の間に形成され、前記螺合部材は、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の前記孔のうち少なくともいずれか一方の孔と螺合し、前記孔との螺合状態を変更することで前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の相対位置を変更し前記流体封入室の容積を変更することが好ましい。
ここで、螺合部材としては、ねじ部材を採用できる。また、螺合部材が第1枠状部材および第2枠状部材を接続する構造としては、以下の構成を採用できる。
例えば、螺合部材が第1枠状部材および第2枠状部材の各孔とそれぞれ螺合する。この際、各孔との螺合構造として、異なる螺合構造、例えば、右ねじの螺合構造および左ねじの螺合構造とする。このように構成すれば、螺合部材を操作して各孔との螺合状態を変更することで、第1枠状部材および第2枠状部材の進退移動方向が逆方向となり、第1枠状部材および第2枠状部材の相対位置が変更される。
また、例えば、螺合部材が第1枠状部材の孔と螺合する。このように構成すると、螺合部材を操作して前記孔との螺合状態を変更すると、螺合部材が第1枠状部材に対して進退移動する。ここで、螺合部材が第2枠状部材の孔に挿通された状態で螺合部材の進退移動に伴って第2枠状部材をも進退移動させるように螺合部材および第2枠状部材を接続しておけば、螺合部材を操作して前記孔との螺合状態を変更することで、第1枠状部材および第2枠状部材の相対位置が変更される。
本発明によれば、フォーカス調整装置は、第1枠状部材と、第2枠状部材と、一対の透光性基板と、螺合部材とで構成されているので、例えば伸縮自在な蛇腹を利用した構造に比較して、構造の簡素化を図れ、製造コストを低減できる。
また、螺合部材を操作することで流体封入室の容積を容易に変更でき、投射レンズのバックフォーカス位置に光変調装置を容易に位置付けることができる。
本発明のプロジェクタでは、前記螺合部材は、少なくとも3つのねじ部材で構成されていることが好ましい。
本発明によれば、螺合部材が少なくとも3つのねじ部材で構成されているので、少なくとも3つのねじ部材をそれぞれ操作することで、例えば、第1枠状部材に対する第2枠状部材の光軸方向の進退移動、および光軸と直交する平面に対する傾斜状態の変更を良好に実施できる。このため、流体封入室内の流体の光軸方向の厚みを、光軸方向と直交する方向に一様な状態で変更することも、光軸方向と直交する方向に連続して異なる状態に変更することも可能とし、投射光学装置のバックフォーカス位置に光変調装置を容易にかつ良好に位置付けることができる。
本発明のプロジェクタでは、前記第1枠状部材は、前記第2枠状部材に対する光束入射側で当該プロジェクタ内部の所定位置に固定され、前記光変調装置を支持することが好ましい。
本発明によれば、第1枠状部材が光変調装置を支持するので、フォーカス調整装置および光変調装置を一体化でき、プロジェクタの小型化を図れる。
また、フォーカス調整装置をプロジェクタ内部に設置するための部材と、光変調装置をプロジェクタ内部に設置するための部材とを共通化でき、部材の省略からプロジェクタの低コスト化および小型化を図れる。
ところで、従来、光変調装置の支持構造としては、位置調整装置にて光変調装置を移動させ、最適位置で固定するために、以下の支持構造が採用されている。
光変調装置には、光軸方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。そして、複数の貫通孔に接着剤が塗布されたピンスペーサをそれぞれ挿通し、光変調装置を支持する支持部材にピンスペーサの一端を当接しておく。そして、位置調整装置にて光変調装置のフォーカス調整を実施することで、ピンスペーサの外周上を光変調装置の貫通孔が摺動する。そして、光変調装置のフォーカス調整を実施した後、前記接着剤を硬化させて光変調装置を支持部材に固定する。したがって、光変調装置を複数のピンスペーサにて支持する支持構造が採用されている。このような構成では、外力により接着状態が解除されやすく、光変調装置を投射レンズのバックフォーカス位置に良好に位置付けておくことが難しい。
本実施形態では、流体封入室の容積を変更することで光変調装置を直接、移動することなくフォーカス調整を実施できるので、第1枠状部材における光変調装置の支持構造として、例えば、ねじ等にて光変調装置を第1枠状部材に固定する支持構造を採用できる。このような構成では、外力により光変調装置が位置ずれを起こすこともなく、光変調装置を投射レンズのバックフォーカス位置に良好に位置付けておくことができる。
本発明のプロジェクタでは、前記光変調装置は、複数設けられ、前記フォーカス調整装置は、前記複数の光変調装置に対応して複数設けられ、前記複数の光変調装置にて変調された各光束を合成する色合成光学装置を備え、前記第1枠状部材は、前記第2枠状部材に対する光束入射側に配置され、前記第1板体の端縁から光束射出側に突出し前記フォーカス調整装置を前記色合成光学装置の光束入射側端面に取り付けるための取付部を備え、前記複数の光変調装置は、前記複数のフォーカス調整装置の前記第1枠状部材にそれぞれ支持され、前記複数のフォーカス調整装置を介して前記色合成光学装置の複数の光束入射側端面にそれぞれ固定されていることが好ましい。
本発明によれば、プロジェクタは、色合成光学装置を備える。そして、複数のフォーカス調整装置は、色合成光学装置の複数の光束入射側端面に第1枠状部材の第1板体の取付部を介してそれぞれ取り付けられる。また、複数の光変調装置は、複数のフォーカス調整装置を構成する各第1枠状部材に支持される。このことにより、複数の光変調装置、複数のフォーカス調整装置、および色合成光学装置を一体化することで、光変調装置を複数設けた場合であっても、プロジェクタが大型化することがない。
また、第1枠状部材における光変調装置の支持構造としては、上述したように、例えば、光変調装置をねじ等にて第1枠状部材に固定する支持構造を採用できる。したがって、外力により各光変調装置が位置ずれを起こすこともなく、複数の光変調装置の相互位置を良好に維持し、画素ずれのない良好な光学像を形成できる。
本発明のプロジェクタでは、前記第1枠状部材は、熱伝導性材料から構成され、前記光変調装置を熱伝達可能に支持することが好ましい。
本発明によれば、光源装置から射出された光束により光変調装置に生じた熱を、光変調装置〜第1枠状部材〜流体封入室内部の流体の熱伝達経路を辿って放熱でき、光変調装置の冷却効率を向上し、光変調装置の熱劣化を防止できる。このため、プロジェクタの長寿命化を図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記フォーカス調整装置は、前記流体封入室に流体を流入させる流入口と、前記流体封入室内部の流体を外部に流出させる流出口とを有し、前記フォーカス調整装置の流入口および流出口と接続され、流体を前記流体封入室外部に案内し、再度、前記流体封入室内部に導く複数の流体循環部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、プロジェクタが複数の流体循環部材を備えているので、フォーカス調整装置の流体封入室内部の流体を対流させることができ、光変調装置と流体との温度差を良好に維持し、光変調装置の冷却効率をさらに向上できる。
本発明のプロジェクタでは、前記光変調装置と前記投射光学装置との間の光路中に配設され、入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子を備え、前記光学変換素子は、透光性基板と、前記透光性基板上に形成され入射した光束の光学特性を変換する光学変換膜とで構成され、前記フォーカス調整装置を構成する前記一対の透光性基板のうち少なくともいずれかの透光性基板は、前記光学変換素子を構成する透光性基板であることが好ましい。
ここで、光学変換素子としては、例えば、射出側偏光板、位相差板、あるいは視野角補正板等を採用できる。
本発明によれば、フォーカス調整装置を構成する一対の透光性基板のうち少なくともいずれかの透光性基板は、光学変換素子を構成する透光性基板であるので、光源装置から射出された光束によって光学変換膜に生じた熱を、光学変換膜〜透光性基板〜流体封入室内部の流体の熱伝達経路を辿って放熱でき、光学変換素子の冷却効率を向上し、光学変換素子の熱劣化を防止できる。このため、プロジェクタの長寿命化を図れる。
また、光学変換素子をプロジェクタ内部に設置する部材も省略でき、プロジェクタの低コスト化および小型化を図れる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔1.プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装ケース2と、冷却ユニット3と、光学ユニット4とを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、冷却ユニット3および光学ユニット4以外の空間には、電源ブロック、ランプ駆動回路等が配置されるものとする。
外装ケース2は、合成樹脂等から構成され、冷却ユニット3および光学ユニット4を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装ケース2は、図示は省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、前記アッパーケースおよび前記ロアーケースは互いにねじ等で固定されている。
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
また、具体的な図示は省略するが、この外装ケース2には、冷却ユニット3によりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口2A(図2参照)、およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
さらに、この外装ケース2には、図1に示すように、光学ユニット4の後述する投射レンズの側方で外装ケース2の角部分に位置し、光学ユニット4の後述する光学装置のラジエータを他の部材と隔離する隔壁21が形成されている。
冷却ユニット3は、プロジェクタ1内部に形成される冷却流路に冷却空気を送り込み、プロジェクタ1内で発生する熱を冷却する。この冷却ユニット3は、光学ユニット4の後述する投射レンズの側方に位置し、外装ケース2に形成された図示しない吸気口からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述する光学装置の液晶パネルに冷却空気を吹き付けるシロッコファン31と、外装ケース2に形成された隔壁21内部に位置し、外装ケース2に形成された吸気口2A(図2参照)からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述するラジエータに冷却空気を吹き付ける冷却ファンとしての軸流ファン32とを備える。
なお、この冷却ユニット3は、図示は省略するが、シロッコファン31および軸流ファン32の他、光学ユニット4の後述する光源装置、および図示しない電源ブロック、ランプ駆動回路等を冷却するための冷却ファンも有しているものとする。
光学ユニット4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応して光学像(カラー画像)を形成し、図示しないスクリーン上に拡大投射するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学ユニット4の詳細な構成については、後述する。
〔2.光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投射光学装置としての投射レンズ45と、これら光学部品41〜43,45、および、光学装置44の後述する光学装置本体を所定位置に配置する光学部品用筐体46とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、図1では、放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡で構成し、光束射出側に該楕円面鏡により反射された光束を平行光とする平行化凹レンズを採用した構成としてもよい。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置44の後述する赤色光側の光変調装置まで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する青色光側の光変調装置に達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光側をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する緑色光側の光変調装置に達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する赤色光側の光変調装置に達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。本実施形態においては赤色光の光路長が長いのでこのような構成とされているが青色光の光路長を長くする構成も考えられる。
光学装置44は、図1に示すように、3つの入射側偏光板442と、これら入射側偏光板442の光束射出側にそれぞれ配置される3つの光変調装置441(赤色光側の光変調装置を441R、緑色光側の光変調装置を441G、青色光側の光変調装置を441Bとする)と、これら光変調装置441の光束射出側にそれぞれ配置される3つの光学変換素子としての視野角補正板443および3つの射出側偏光板444と、3つの射出側偏光板444の光束射出側に配置される色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム440とを含んで構成される。そして、これらのうち、3つの光変調装置441、3つの視野角補正板443、3つの射出側偏光板444、およびクロスダイクロイックプリズム440は、一体化し後述する光学装置本体を構成している。本実施形態では、3つの入射側偏光板442は、前記光学装置本体と別体で構成されるが、一体化する構成を採用してもよい。
なお、光学装置44は、具体的な構成は後述するが、3つの入射側偏光板442、3つの光変調装置441、3つの視野角補正板443、3つの射出側偏光板444、およびクロスダイクロイックプリズム440以外に、メインタンク、流体圧送部、ラジエータ、流体循環部材、流体分岐部、フォーカス調整装置、および流体送入部を備える。
3つの入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方位が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光方位と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。これら入射側偏光板442は、具体的な図示は省略するが、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
なお、光変調装置441、視野角補正板443、射出側偏光板444、およびクロスダイクロイックプリズム440の詳細な構成については、後述する。
投射レンズ45は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ45は、光学装置44の後述する光学装置本体にて形成されたカラー画像を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
図2は、プロジェクタ1内の一部を上方側から見た斜視図である。なお、図2において、光学部品用筐体46内の光学部品は、説明を簡略化するために、光学装置44の後述する光学装置本体のみを図示し、その他の光学部品41〜43,442は省略している。
図3は、プロジェクタ1内の一部を下方側から見た斜視図である。
光学部品用筐体46は、例えば、金属製部材から構成され、図1に示すように、内部に所定の照明光軸Aが設定され、上述した光学部品41〜43,442,45、および光学装置44の後述する光学装置本体を照明光軸Aに対する所定位置に配置する。なお、光学部品用筐体46は、金属製部材に限らず、その他の材料にて構成してもよい。この光学部品用筐体46は、図2に示すように、光学部品41〜43,442、および光学装置44の後述する光学装置本体を収納する容器状の部品収納部材461と、部品収納部材461の開口部分を閉塞する図示しない蓋状部材とで構成される。
これらのうち、部品収納部材461において、側面の内側面には、図2に示すように、上述した光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,442を上方からスライド式に嵌め込むための溝部461Aが形成されている。
また、側面の正面部分には、図2に示すように、投射レンズ45を照明光軸Aに対する所定位置に設置するための投射レンズ設置部461Bが形成されている。この投射レンズ設置部461Bは、平面視略矩形状に形成され、平面視略中央部分には光学装置44からの光束射出位置に対応して円形状の図示しない孔が形成されており、光学装置44の後述する光学装置本体にて形成されたカラー画像が前記孔を通して投射レンズ45にて拡大投射される。
また、この部品収納部材461において、底面には、図3に示すように、光学装置44の光変調装置441位置に対応して形成された3つの孔461Cと、光学装置44の後述する流体分岐部の冷却流体流入部に対応して形成された孔461Dとが形成されている。ここで、冷却ユニット3のシロッコファン31によりプロジェクタ1外部から内部に導入された冷却空気は、シロッコファン31の吐出口31A(図3)から吐出され、図示しないダクトを介して孔461Cに導かれる。
〔3.光学装置の構成〕
光学装置44は、図1ないし図3に示すように、3つの光変調装置441(図1、図2)、3つの視野角補正板443(図1)、3つの射出側偏光板444(図1)、およびクロスダイクロイックプリズム440(図1)が一体化された光学装置本体44A(図2)と、メインタンク445と、流体圧送部446と、ラジエータ447と、複数の流体循環部材448とを備える。
複数の流体循環部材448は、内部に冷却流体が対流可能にアルミニウム製の管状部材で構成され、冷却流体が循環可能に各部材440,445〜447を接続する。そして、循環する冷却流体により光学装置本体44Aを構成する光変調装置441および視野角補正板443に生じる熱を冷却する。
なお、本実施形態では、冷却流体として、透明性の非揮発性液体であるエチレングリコールを採用する。なお、冷却流体としては、エチレングリコールに限らず、その他の液体を採用してもよい。以下の表1に、本実施形態に採用可能な冷却流体、および該冷却流体の屈折率を示す。なお、表1に示す種々の冷却流体をそれぞれ単体で採用してもよいし、種々の冷却流体のうち少なくともいずれかを混合した冷却流体を採用してもよい。
Figure 2006030400
以下では、各部材440,445〜447を、循環する冷却流体の流路に沿って光変調装置441に対する上流側から順に説明する。
〔3-1.メインタンクの構造〕
メインタンク445は、図2または図3に示すように、略円柱形状を有し、アルミニウム製の2つの容器状部材から構成され、2つの容器状部材の開口部分を互いに接続することで内部に冷却流体を一時的に蓄積する。これら容器状部材は、例えば、シール溶接またはゴム等の弾性部材を介在させることで接続される。
このメインタンク445において、円柱軸方向略中央部分には、図3に示すように、冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部445Aおよび内部の冷却流体を外部に流出させる冷却流体流出部445Bが形成されている。
これら冷却流体流入部445Aおよび冷却流体流出部445Bは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、メインタンク445の内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部445Aの外側に突出した一端には、流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して外部からの冷却流体がメインタンク445内部に流入する。また、冷却流体流出部445Bの外側に突出した一端にも、他の流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介してメインタンク445内部の冷却流体が外部へと流出する。
また、このメインタンク445の外周面において、円柱軸方向略中央部分には、図2または図3に示すように、2つの容器状部材のそれぞれに3つの固定部445Cが形成され、該固定部445Cにねじ445Dを挿通し、外装ケース2の底面に螺合することで、2つの容器状部材が互いに密接して接続されるとともに、メインタンク445が外装ケース2に固定される。
そして、このメインタンク445は、図1または図2に示すように、光学部品用筐体46と外装ケース2の内側面とで形成される平面視三角形状の領域に配置される。この領域にメインタンク445を配置することで、外装ケース2内の収納効率の向上が図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。
〔3-2.流体圧送部の構造〕
流体圧送部446は、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を外部に強制的に送出する。このため、流体圧送部446は、図3に示すように、メインタンク445の冷却流体流出部445Bに接続した流体循環部材448の他端と連通接続するとともに、外部に冷却流体を送出するために他の流体循環部材448の一端と連通接続している。
この流体圧送部446は、具体的な図示は省略するが、例えば、略直方体状のアルミニウム製の中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、図示しない制御装置による制御の下、前記羽根車が回転することで、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を流体循環部材448を介して強制的に送入し、送入した冷却流体を流体循環部材448を介して外部に強制的に送出する。このような構成では、流体圧送部446は、前記羽根車の回転軸方向の厚み寸法を小さくすることができ、プロジェクタ1内部の空きスペースに配置することが可能となり、プロジェクタ1内部の収納効率の向上を図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。本実施形態では、流体圧送部446は、図2または図3に示すように、投射レンズ45の下方に配置される。
〔3-3.光学装置本体の構造〕
図4は、光学装置本体44Aの概略構成を示す分解斜視図である。なお、図4では、説明を簡略化するために、G色光側のみを分解している。R,B色光側もG色光側と同様の構造とする。
光学装置本体44Aは、図4に示すように、3つの光変調装置441と、3つの視野角補正板443と、3つの射出側偏光板444と、クロスダイクロイックプリズム440と、流体分岐部4401と、3つのフォーカス調整装置4402と、流体送入部4403とを備える。
〔3-3-1.光変調装置の構造〕
光変調装置441は、図4に示すように、液晶パネル4410と、保持枠4411とで構成される。
液晶パネル4410は、具体的な図示は省略するが、ガラスなどからなる一対の基板間に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。前記一対の基板のうち、一方の基板は、前記液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子とを有している。また、他方の基板は、前記一方の基板に対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。また、前記一対の基板には、図示しない制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力するフレキシブルプリント基板4410Aが接続されている。このフレキシブルプリント基板4410Aを介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極と前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方位が変調される。
保持枠4411は、略直方体形状を有する熱伝導性部材から構成され、液晶パネル4410を内部に収納保持し液晶パネル4410と熱伝達可能に接続する。
この保持枠4411において、平面視矩形状の略中央部分には、図4に示すように、液晶パネル4410の画像形成領域に対応して光束を透過する開口4411Aが形成されている。
また、この保持枠4411において、平面視矩形状の四隅部分には、図4に示すように、光変調装置441をフォーカス調整装置4402に固定するための固定用孔4411Bがそれぞれ形成されている。
〔3-3-2.視野角補正板の構造〕
視野角補正板443は、液晶パネル4410で生じる複屈折を補償する。そして、この視野角補正板443により、投射画像の視野角が拡大されかつ、投射画像のコントラストが向上する。この視野角補正板443は、図4に示すように、サファイアあるいは水晶等の透光性基板4430上に光学変換膜としての視野角補正膜4431が貼付された構成を有している。
そして、この視野角補正板443は、図4に示すように、フォーカス調整装置4402の光束入射側端面の所定位置に固定される。
〔3-3-3.射出側偏光板の構造〕
射出側偏光板444は、液晶パネル4410から射出され視野角補正板443を介した光束のうち、所定の偏光方位を有する偏光光のみを透過させ、その他の光束を吸収する。この射出側偏光板444は、図4に示すように、入射側偏光板442と同様に、サファイアあるいは水晶等の透光性基板4440上に偏光膜4441が貼付された構成を有し、光束を透過する透過軸が入射側偏光板442の透過軸と略直交するように配置される。
そして、この射出側偏光板444は、図4に示すように、クロスダイクロイックプリズム440の光束入射側端面に熱伝導性を有する接着剤等により固着される。
〔3-3-4.クロスダイクロイックプリズムの構造〕
クロスダイクロイックプリズム440は、射出側偏光板444から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム440は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、光変調装置441R,441Bから射出され視野角補正板443および射出側偏光板444を介した各色光をそれぞれ反射し、光変調装置441Gから射出され視野角補正板443および射出側偏光板444を介した色光を透過する。このようにして、各光変調装置441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
〔3-3-5.流体分岐部の構造〕
流体分岐部4401は、図4に示すように、クロスダイクロイックプリズム440の上面または下面と略同一の平面形状を有する略直方体状のアルミニウム製の中空部材で構成されている。そして、この流体分岐部4401は、流体圧送部446から強制的に送出された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を3つのフォーカス調整装置4402毎に分岐して送出する。また、この流体分岐部4401は、図4に示すように、クロスダイクロイックプリズム440の下面に固定され、クロスダイクロイックプリズム440を支持するプリズム固定板としての機能も有する。
この流体分岐部4401において、底面の略中央部分には、図3に示すように、流体圧送部446から圧送された冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部4401Aが形成されている。この冷却流体流入部4401Aは、メインタンク445の冷却流体流入部445Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部4401内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部4401Aの外側に突出した一体には、流体圧送部446に連通接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して流体圧送部446から圧送された冷却流体が流体分岐部4401内部に流入する。
また、底面の四隅部分には、図4に示すように、該底面に沿って延出する腕部4401Bがそれぞれ形成されている。これら腕部4401Bの先端部分には、それぞれ孔4401B1が形成され、これら孔4401B1に図示しないねじを挿通し、光学部品用筐体46の部品収納部材461に螺合することで、光学装置本体44Aが部品収納部材461に固定される。この際、流体分岐部4401および光学部品用筐体46は、熱伝達可能に接続される。このように、流体分岐部4401が光学部品用筐体46に熱伝達可能に接続されることで、循環する冷却流体〜流体分岐部4401〜光学部品用筐体46への熱伝達経路を確保し、冷却流体の冷却効率を向上させ、ひいては、冷却流体による液晶パネル4410および視野角補正板443の冷却効率の向上を図れる。また、シロッコファン31の送風を光学部品用筐体46の底面に沿って流せば、循環する冷却流体の放熱面積を増加でき、さらに、冷却効率が高められる。
また、この流体分岐部4401において、クロスダイクロイックプリズム440の光束入射側端面に対応する3つの側面には、図4に示すように、送入された冷却流体を3つのフォーカス調整装置4402毎に分岐して送出させる冷却流体流出部4401Cが形成されている。なお、図4では、R,G色光側の冷却流体流出部4401Cのみを図示しているが、B色光側にも冷却流体流出部が形成されているものとする。
これら冷却流体流出部4401Cは、冷却流体流入部4401Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部4401内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流出部4401Cの外側に突出した一端には、それぞれ流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して流体分岐部4401内部の冷却流体が分岐されて外部へと流出する。
さらに、この流体分岐部4401において、上面の略中央部分には、具体的な図示は省略するが、球状の膨出部が形成されている。そして、前記膨出部にクロスダイクロイックプリズム440の下面を当接させることで、流体分岐部4401に対するクロスダイクロイックプリズム440のあおり方向の位置調整が可能となる。
〔3-3-6.フォーカス調整装置の構造〕
3つのフォーカス調整装置4402は、内部に冷却流体を封入可能に構成され、3つの光変調装置441および3つの視野角補正板443を内部の冷却流体と熱伝達可能に保持する。また、これらフォーカス調整装置4402は、内部の冷却流体における照明光軸A方向の厚み寸法を変更し内部の冷却流体を通過する光束の光路長を変更することで、投射レンズ45のバックフォーカス位置に液晶パネル4410を位置調整可能に構成されている。このフォーカス調整装置4402は、図4に示すように、第1枠状部材4404と、第2枠状部材4405と、透光性基板4406(図6参照)と、弾性部材4407,4408と、螺合部材としての4つの調整ねじ4409とを備える。
図5は、第1枠状部材4404を光束射出側から見た斜視図である。
第1枠状部材4404は、第2枠状部材4404の光束入射側に配置され、第2枠状部材4404を移動可能に支持するとともに、光変調装置441および視野角補正板443を支持固定するものであり、アルミニウム製の部材で構成される。この第1枠状部材4404は、図4または図5に示すように、第1板体4404Aと、第1突出部4404B(図5)と、取付部4404Cとで構成され、略直方体状の容器形状を有する。
第1板体4404Aは、略中央部分に液晶パネル4410の画像形成領域に対応した開口4404Dを有する平面視矩形枠状の板体である。そして、視野角補正板443は、図4に示すように、視野角補正膜4431が光束入射側に位置し透光性基板4430にて第1板体4404Aの開口4404Dを塞ぐにように弾性部材4407を介して第1板体4404Aの光束入射側端面に取り付けられる。
この第1板体4404Aにおいて、開口4404Dの周縁位置には、図4に示すように、光変調装置441の保持枠4411の4つの固定用孔4411Bに対応して、4つのねじ孔4404Eが形成されている。そして、光変調装置441は、図4に示すように、保持枠4411の4つの固定用孔4411Bを介して4つの固定ねじ449を第1板体4404Aの4つのねじ孔4404Eにそれぞれ螺合することで、第1板体4404Aに固定される。ここで、固定ねじ449は、金属等の熱伝導性部材で構成され、該固定ねじ449により光変調装置441を第1板体4404Aに固定することで、第1枠状部材4404と保持枠4411とが熱伝達可能に接続される。
また、この第1板体4404Aにおいて、四隅近傍位置には、図4に示すように、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通し、調整ねじ4409と螺合するねじ孔4404Fがそれぞれ形成されている。
第1突出部4404Bは、図5に示すように、第1板体4404Aの光束射出側端面に突設され、開口4404Dを平面的に囲む円形枠形状を有し、第2枠状部材4405の後述する第2突出部と嵌合する部分である。
取付部4404Cは、第1板体4404Aの外周端縁から光束射出側に向けて第1板体4404Aに略直交するように突出し、突出方向先端部分が外側に略90°屈曲する形状を有している。そして、フォーカス調整装置4402は、図4に示すように、取付部4404Cの先端部分をクロスダイクロイックプリズム440の光束入射側端面に当接し接着剤等により固定することで、クロスダイクロイックプリズム440に固定される。
この取付部4404Cにおいて、第1板体4404Aの上下端縁から突出する突出部分(第1枠状部材4404における容器形状の上下側端面)には、図4または図5に示すように、第2枠状部材4405の後述する流出口および流入口をそれぞれ挿通可能とする挿通部4404Gがそれぞれ形成されている。
第2枠状部材4405は、第1枠状部材4404と同様にアルミニウム製の部材で構成され、第1枠状部材4404の容器形状内側に配置され、第1枠状部材4404に対する位置を変更可能に構成されている。この第2枠状部材4405は、図4に示すように、第2板体4405Aと、第2突出部4405Bとで構成されている。
第2板体4405Aは、略中央部分に液晶パネル4410の画像形成領域に対応した開口4405Cを有する平面視矩形枠状の板体である。開口4405Cの内側面は、光束射出側の開口面積が小さい段付状に形成されている(図6参照)。そして、開口4405Cには、光束入射側から透光性基板4406が嵌合固定される(図6参照)。
この第2板体4405Aにおいて、四隅近傍位置には、図4に示すように、第1枠状部材4404の4つのねじ孔4404Fに対応して、固定用孔4405Dが形成されている。
第2突出部4405Bは、図4に示すように、第2板体4405Aの光束入射側端面に突設され、開口4405Cを平面的に囲む円形枠形状を有する。この第2突出部4405Bの円形枠状の径寸法は、第1枠状部材4404における第1突出部4404Bの円形枠状の径寸法よりも大きく設定されている。このため、第1枠状部材4404の第1突出部4404Bに対して弾性部材4408を介して第2枠状部材4405の第2突出部4405Bが嵌合可能となる。
そして、第1枠状部材4404の開口4404Dを弾性部材4407および視野角補正板443にて閉塞しかつ、第2枠状部材4405の開口4405Cを透光性基板4406にて閉塞するとともに、第1突出部4404Bに対して弾性部材4408を介して第2突出部4405Bを嵌合させると、第2枠状部材4405と第1枠状部材4404との間に冷却流体を封入可能とする流体封入室R(図6参照)が形成される。
また、第2突出部4405Bの下方側には、図4に示すように、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cから流出した冷却流体を流体封入室R(図6参照)内部に流入させる流入口4405Eが形成されている。この流入口4405Eは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有し、第2突出部4405Bの円形枠内側に連通する略筒状部材から構成され、第2枠状部材4405の下方側に突出するように形成されている。第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405が取り付けられた状態では、流入口4405Eが第1枠状部材4404の下方側の挿通部4404Gに挿通される。そして、流入口4405Eの挿通部4404Gから突出した端部には、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cに接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して流体分岐部4401から流出した冷却流体が流体封入室R(図6参照)内部に流入する。
さらに、第2突出部4405Bの上方側には、図4に示すように、流体封入室R(図6参照)内部の冷却流体を外部に流出させる流出口4405Fが形成されている。この流出口4405Fは、流入口4405Eと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有し、第2突出部4405Bの円形枠内側に連通する略筒状部材から構成され、第2枠状部材4405の上方側に突出するように形成されている。第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405が取り付けられた状態では、流出口4405Fが第1枠状部材4404の上方側の挿通部4404Gに挿通される。そして、流出口4405Fの挿通部4404Gから突出した端部には、流体循環部材448が接続され、流入口4405Eを介して流体封入室R(図6参照)内部に流入した冷却流体が該流体循環部材448を介して外部に流出される。
透光性基板4406は、透光性を有するガラス基板で構成される。
弾性部材4407,4408は、流体封入室R(図6参照)内部の冷却流体が、第1枠状部材4404の開口4404D周縁と視野角補正板443との隙間、および第1枠状部材4404の第1突出部4404Bと第2枠状部材4405の第2突出部4405Bとの隙間から漏れることを防止するものである。これら弾性部材4407,4408は、弾性を有するシリコンゴムで形成され、両面あるいは片面に表層の架橋密度を上げる表面処理が施されている。例えば、弾性部材4407,4408としては、サーコンGR−dシリーズ(冨士高分子工業の商標)を採用できる。ここで、端面に表面処理が施されていることにより、弾性部材4407,4408を設置する作業を容易に実施できる。
4つの調整ねじ4409は、第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405を固定するとともに、第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405を移動させる部材である。これら調整ねじ4409は、第1枠状部材4404の各ねじ孔4404Fに螺合するとともに、先端部分が第2枠状部材4405の各固定用孔4405Dに挿通される。そして、調整ねじ4409の先端部分には、2つのナット4409A(図6参照)が固定され、これらナット4409Aの間に第2枠状部材4405が挟まれる。
なお、調整ねじ4409による第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405が移動する構造については、プロジェクタ1の製造方法を説明する際に説明する。
〔3-3-7.流体送入部の構造〕
流体送入部4403は、図4に示すように、クロスダイクロイックプリズム440の上面または下面と略同一の平面形状を有する略直方体状のアルミニウム製の中空部材で構成され、クロスダイクロイックプリズム440の上面に固定される。そして、この流体送入部4403は、各フォーカス調整装置4402から送出された冷却流体を一括して送入し、送入した冷却流体を外部に送出する。
この流体送入部4403において、その上面には、図4に示すように、各フォーカス調整装置4402から送出された冷却流体を内部に流入させる3つの冷却流体流入部4403Aが形成されている。これら冷却流体流入部4403Aは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体送入部4403内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流入部4403Aの外側に突出した端部には、3つのフォーカス調整装置4402の各流出口4405Fと接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して各フォーカス調整装置4402から送出された冷却流体が一括して流体送入部4403内部に流入する。
また、流体送入部4403において、クロスダイクロイックプリズム440の光束射出側端面に対応する端面には、図4に示すように、送入された冷却流体を外部に流出させる冷却流体流出部4403Bが形成されている。この冷却流体流出部4403Bは、冷却流体流入部4403Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体送入部4403内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流出部4403Bの外側に突出した端部には、メインタンク445の冷却流体流入部445Aと接続した流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して流体送入部4403内部の冷却流体がメインタンク445内部に流入する。
〔3-3-8.ラジエータの構造〕
ラジエータ447は、図1または図2に示すように、外装ケース2に形成された隔壁21内に配置され、流体送入部4403からメインタンク445へと流通する冷却流体の熱を放熱する。このラジエータ447は、図2または図3に示すように、複数の放熱フィン4471を有する。
複数の放熱フィン4471は、金属等の熱伝導性部材からなる板体で構成され、流体送入部4403およびメインタンク445を接続する流体循環部材448を挿通可能に構成され流体循環部材448と熱伝達可能に接続する。そして、複数の放熱フィン4471は、流体循環部材448の挿通方向と直交する方向に延びるようにそれぞれ形成され、該挿通方向に沿って並列配置している。このような複数の放熱フィン4471の配置状態では、軸流ファン32から吐出される冷却空気が複数の放熱フィン4471の間を通り抜けることになる。
以上説明したように、冷却流体は、複数の流体循環部材448を介して、メインタンク445〜流体圧送部446〜流体分岐部4401〜各フォーカス調整装置4402〜流体送入部4403〜ラジエータ447〜メインタンク445という流路を循環する。
〔4.冷却構造〕
次に、光変調装置441および視野角補正板443の冷却構造を説明する。
図6は、光変調装置441および視野角補正板443の冷却構造を説明するための図である。具体的に、図6は、光学装置本体44Aを側方から見た断面図である。
流体圧送部446が駆動することにより、流体循環部材448を介して、メインタンク445内の冷却流体が流体圧送部446内に送入されるとともに、流体圧送部446から流体分岐部4401に送出される。
そして、流体分岐部4401内に送入された冷却流体は、流体循環部材448を介して、フォーカス調整装置4402の流入口4405Eから流体封入室R内部へと流入する。
ここで、光源装置411から射出された光束により、液晶パネル4410に生じた熱は、液晶パネル4410〜保持枠4411〜固定ねじ449〜第1枠状部材4404の熱伝達経路を辿って、フォーカス調整装置4402の流体封入室R内の冷却流体に伝達される。
また、光源装置411から射出された光束により、視野角補正板443に生じた熱は、第1枠状部材4404を介して流体封入室R内の冷却流体に伝達される。
流体封入室R内の冷却流体に伝達された熱は、冷却流体の流れにしたがって、下方から上方に向かい、流出口4405Fと接続した流体循環部材448を介して、流体送入部4403へと移動する。そして、温められた冷却流体が流体送入部4403から流体循環部材448を介してメインタンク445に移動する際、ラジエータ447を通過することで、流体循環部材448〜複数の放熱フィン4471に熱が伝達される。そしてまた、軸流ファン32から吐出される冷却空気により、複数の放熱フィン4471に伝達された熱が冷却される。
また、冷却ユニット3のシロッコファン31によりプロジェクタ1外部から内部に導入された冷却空気は、光学部品用筐体46の底面に形成された孔461Cを介して光学部品用筐体46内に導入される。
そして、シロッコファン31により光学部品用筐体46内に導入された冷却空気は、図6に示すように、下方から上方に向けて流通する。
この際、下方から上方に向けて流通する冷却空気は、図6に示すように、光変調装置441の光束入射側端面、光変調装置441と第1枠状部材4404との隙間に沿って流通し、光変調装置441、第1枠状部材4404、および視野角補正板443が冷却される。
また、下方から上方に向けて流通する冷却空気の一部は、図6に示すように、フォーカス調整装置4402の下方側の挿通部4404Gから第1枠状部材4404の内側に入り込み、上方側の挿通部4404Gを介してフォーカス調整装置4402の外側に向けて流通する。この際、冷却空気により第2枠状部材4405および射出側偏光板444も冷却される。
〔5.プロジェクタの製造方法〕
次に、プロジェクタ1の製造方法を説明する。
図7は、プロジェクタ1の製造方法を説明するフローチャートである。
先ず、以下に示すように、光学ユニット4を組み立てる(処理S1)。
3つのフォーカス調整装置4402、3つの視野角補正板443、および3つの光変調装置441をそれぞれ一体化して3つのパネルユニットを形成する(処理S11)。
具体的に、先ず、第1枠状部材4404、第2枠状部材4405、および透光性基板4406を予め一体化したフォーカス調整装置4402に、視野角補正板443の姿勢を調整しながら貼り付ける。
視野角補正板443の姿勢調整としては、例えば、図示しない角度調整装置に、フォーカス調整装置4402を設置する。そして、角度調整装置を構成する角度調整治具に視野角補正板443を保持させるとともに、視野角補正板443に光束を導入する。この後、視野角補正板443、および入射側偏光板442と略同一の透過軸を有する図示しない基準偏光板を介した光束を検出する。そしてまた、検出した光束の照度あるいは消光比に基づいて、前記角度調整治具を操作して視野角補正板443の姿勢を調整し、第1枠状部材4404の開口4404D周縁に弾性部材4407を介して視野角補正板443を熱伝導性を有する接着剤等により固着する。
次に、光変調装置441の4つの固定用孔4411Bを介して4つの固定ねじ449を第1枠状部材4404の4つのねじ孔4404Eにそれぞれ螺合することで、光変調装置441をフォーカス調整装置4402に固定する。
以上のような工程を、3つの光変調装置441R,441G,441Bに対応して実施し、3つのパネルユニットを形成する。
処理S11の後、クロスダイクロイックプリズム440、3つの射出側偏光板444、流体分岐部4401、および流体送入部4403を一体化してプリズムユニットを形成する(処理S12)。
具体的に、先ず、図示しない位置出し装置内に、流体分岐部4401を設置する。そして、流体分岐部4401の図示しない膨出部に熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤を塗布し、クロスダイクロイックプリズム440の下面を流体分岐部4401の前記膨出部に当接させる。そして、接着剤が未硬化の状態で、流体分岐部4401に対するクロスダイクロイックプリズム440の位置調整を実施する。位置調整後、ホットエアまたは紫外線等で接着剤を硬化して流体分岐部4401およびクロスダイクロイックプリズム440を固定する。
流体分岐部4401に対するクロスダイクロイックプリズム440の位置調整としては、例えば、クロスダイクロイックプリズム440の上面をCCD(Charge Coupled Device)等の光学像検出装置にて検出し、検出した画像に基づいて、クロスダイクロイックプリズム440の2つの誘電体多層膜にて形成される十字位置が所定の位置となるように位置調整する構成を採用できる。また、例えば、クロスダイクロイックプリズム440の光束入射側端面から光束を導入し、光束射出側端面から射出される光束に基づいて、クロスダイクロイックプリズム440を位置調整する構成を採用してもよい。
次に、クロスダイクロイックプリズム440の上面に嫌気性の接着剤を塗布し、図示しない位置出し治具を用いて流体送入部4403をクロスダイクロイックプリズム440の上面に位置決めした状態で載置する。この後、上述した位置出し治具とともに、流体分岐部4401、クロスダイクロイックプリズム440、および流体送入部4403を乾燥機内に放置し(例えば、65℃で15分間)、嫌気性の接着剤を硬化させる。
また、クロスダイクロイックプリズム440の各光束入射側端面に、3つの射出側偏光板444を姿勢調整しながら貼り付ける。射出側偏光板444の姿勢調整としては、上述した視野角補正板443の姿勢調整と同様の方法を採用できる。
処理S12の後、処理S11にて組み立てた3つのパネルユニットと、処理S12にて組み立てたプリズムユニットとを一体化して光学装置本体44Aを組み立てる(処理S13)。
具体的に、各パネルユニットを構成するフォーカス調整装置4402の取付部4404Cに熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤を塗布し未硬化の状態で、プリズムユニットを構成するクロスダイクロイックプリズム440の各光束入射側端面に取付部4404Cを当接させ各パネルユニットをそれぞれ装着する。
次に、各フォーカス調整装置4402の流入口4405Eおよび流出口4405Fと、流体分岐部4401の各冷却流体流出部4401Cおよび流体送入部4403の各冷却流体流入部4403Aとを6つの流体循環部材448でそれぞれ接続する。
処理S13の後、光学部品用筐体46の部品収納部材461の所定位置に、光学部品41〜43,442,45、および光学装置本体44Aを設置する(処理S14)。
具体的に、部品収納部材461の各溝部461Aに、光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,442をスライド式に嵌め込む。また、部品収納部材461の所定位置に、光源装置411、投射レンズ45、および光学装置本体44Aを配置する。なお、以下の工程は、各フォーカス調整装置4402の流体封入室R内部に冷却流体を充填した状態で実施するものとする。すなわち、流体分岐部4401および流体送入部4403内部の冷却流体が外部に漏れないように、流体分岐部4401の冷却流体流入部4401A、および流体送入部4403の冷却流体流出部4403Bに図示しない封止栓を取り付けておく。なお、上記の構成の他、処理S14にて、光学装置本体44Aと、光学装置44を構成するメインタンク445、流体圧送部446、ラジエータ447を複数の流体循環部材448にて接続し、光学装置44の流路中に冷却流体を充填しておく構成としてもよい。
処理S14の後、光源装置411の光源ランプ416を点灯させて、光源装置411から白色光の光束を射出させ(処理S2)、この射出された光束が各種光学部品を通過した後の投影画像を、図示しないスクリーン上に投影させる(処理S3)。
ところで、各液晶パネル4410が投射レンズ45のバックフォーカス位置に配置されていない場合には、投射レンズ45を介して拡大投射され図示しないスクリーン上に投影された投影画像が不鮮明な状態となる。また、各液晶パネル4410の相互位置が一致していない場合には、前記スクリーン上に投影された投影画像に画素ずれが生じ画質が損なわれることとなる。
このため、処理S3の後、前記スクリーン上に投影された投影画像に基づいて、以下に示すように、各光変調装置441R,441G,441Bの位置調整を実施する(処理S4)。具体的な図示は省略するが、本実施形態では、前記スクリーン裏面には3CCDカメラが設けられ、前記3CCDカメラにて前記スクリーン上に投影された投影画像が撮像される。また、3CCDカメラで撮像された画像は、赤、緑、青の3色に分解されて、R,G,B信号としてモニタに出力され、モニタ上に各色光の画像または各色光が重畳された画像が表示される。そして、以下の位置調整では、前記モニタ上に表示された画像を確認しながら実施するものとする。
先ず、各液晶パネル4410を投射レンズ45のバックフォーカス位置に配置するフォーカス調整を実施する(処理S41)。
図8は、調整ねじ4409の回転による第2枠状部材4404の移動状態を示す断面図である。
具体的に、先ず、緑色光側の液晶パネル4410のフォーカス調整を実施する。ここで、液晶パネル4410のフォーカス調整を実施する場合には、緑色光側のフォーカス調整装置4402を図示しない位置調整治具に保持させ、前記位置調整治具を操作することでフォーカス調整装置4402の調整ねじ4409を回転させる。
調整ねじ4409を回転させた場合には、図8に示すように、調整ねじ4409と第1枠状部材4404のねじ孔4404Fとの螺合状態が変更され、第1枠状部材4404に対して調整ねじ4409が進退移動する。この際、第2枠状部材4405は、図8に示すように、調整ねじ4409の先端部分に固定された2つのナット4409Aにより挟まれた状態であるので、調整ねじ4409の進退移動に伴って第1枠状部材4405に対する位置が変更される。
ここで、調整ねじ4409は、4つで構成されているので、各調整ねじ4409を回転させることで、第1枠状部材4404に対する第2枠状部材4405の照明光軸A方向の進退移動、および照明光軸Aに直交する平面に対する傾斜状態の変更を実施できる。このため、流体封入室R内の冷却流体における照明光軸A方向の厚みを、照明光軸A方向と直交する方向に一様な状態で変更することも、照明光軸A方向と直交する方向に連続して異なる状態に変更することも可能となる。
そして、調整ねじ4409を回転させ、流体封入室R内部の冷却流体における照明光軸A方向の厚みを変更することで、以下に示すように、流体封入室R内部の冷却流体を通過する光束の光路長が変更され、液晶パネル4410のフォーカス調整が実施される。
図9は、流体封入室R内部の冷却流体を通過する光束の光路長を変化させることで液晶パネル4410のフォーカス調整を実施する様子を示す模式図である。
例えば、図9(A)に示すように、光変調装置441の液晶パネル4410のパネル面Pに対して、投射レンズ45のバックフォーカス面BF1が照明光軸Aの光路後段側に位置している場合には、各調整ねじ4409を回転させることで第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405を離間する方向に移動し、流体封入室R内の冷却流体における照明光軸A方向の厚みを、照明光軸A方向と直交する方向に一様な状態で寸法Dだけ大きくする。このように調整することで、厚み寸法を変更しない状態での厚み寸法Dにおける空気層の光路長と、厚み寸法を変更した状態での厚み寸法Dにおける冷却流体層の光路長とに差がでる。
冷却流体層の屈折率をnとし、変更した厚み寸法をDとした場合には、光路長の変化量Zは、以下の数式1で算出される。なお、数式1では、空気層の屈折率を1としている。
Figure 2006030400
例えば、冷却流体層の屈折率を1.5とした場合、光路長の変化量Zは、上記数式1により、D/3となる。このため、冷却流体層の厚み寸法をDだけ大きくすることで、光路長は、D/3だけ長くなる。したがって、パネル面Pとバックフォーカス面BF1との離間寸法Dと光路長の変化量であるD/3とが同一となるように、前記位置調整治具を操作し調整ねじ4409を回転させて厚み寸法Dを変更することで、バックフォーカス面BF1を照明光軸Aの光路前段側に擬似的に配置しパネル面Pに位置付け、前記モニタに表示される緑色光の投影画像を鮮明な状態とすることができる。
なお、パネル面Pに対してバックフォーカス面BF1が照明光軸Aの光路前段側に位置している場合には、上記と逆の調整を実施する。
また、例えば、図9(B)に示すように、パネル面Pに対して、バックフォーカス面BF2が傾斜している場合、すなわち、パネル面Pとバックフォーカス面BF2の照明光軸A方向の離間寸法Dが照明光軸A方向と直交する方向に連続して異なる状態である場合には、以下に示すように、フォーカス調整を実施する。
すなわち、前記位置調整治具を操作し各調整ねじ4409の回転調整量を異なるようにそれぞれ回転させることで第1枠状部材4404に対して第2枠状部材4405を傾斜するように移動し、流体封入室R内の冷却流体における照明光軸A方向の厚みを、照明光軸A方向と直交する方向に連続して異なる状態に変更する。このように調整することで、上記同様に、変更された厚み寸法Dに応じて、光路長が長くなる(例えば、上記ではD/3長くなる)。ここでは、上述したように、流体封入室R内の冷却流体における照明光軸A方向の厚みを、照明光軸A方向と直交する方向に連続して異なる状態に変更しているため、これに伴って、光路長の変化量Zも、照明光軸A方向と直交する方向に連続して異なる状態となる。したがって、前記位置調整治具を操作し調整ねじ4409を回転させて上述したように厚み寸法Dを変更することで、バックフォーカス面BF2の傾斜状態を補正してパネル面Pに位置付け、前記モニタに表示される緑色光の投影画像を鮮明な状態とすることができる。
処理S41の後、以下に示すように、緑色光側の液晶パネル4410のアライメント調整を実施する(処理S42)。
前記位置調整治具を操作し、前記モニタ上に表示される緑色光の投影画像が所定位置に位置するように、フォーカス調整装置4402における取付部4404Cとクロスダイクロイックプリズム440との当接面を摺動面としてフォーカス調整装置4402を移動させ、液晶パネル4410のアライメント調整(照明光軸Aに直交する平面内における互いに直交する2軸(X軸、Y軸)方向の調整、および前記平面内での回転調整)を実施する。
処理S42にて緑色光側の液晶パネル4410のアライメント調整を実施した後、フォーカス調整装置4402における取付部4404Cとクロスダイクロイックプリズム440との間に充填された熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤に、ホットエアまたは紫外線で、熱硬化型接着剤を加熱または紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して接着剤を硬化させ、クロスダイクロイックプリズム440に対してフォーカス調整装置4402を固定する(処理S43)。すなわち、処理S43により、緑色光側の液晶パネル4410がクロスダイクロイックプリズム440に対して固定されたこととなる。
そして、位置調整と固定が完了した緑色光側の液晶パネル4410を基準として、赤色光側および青色光側の液晶パネル4410に対しても上述した処理S41〜S43の処理を実施する(処理S44)。そして、処理S44により、各色光の投影画像がそれぞれ鮮明な状態となるとともに、各色光の投影画像における各画素が一致し画質が良好な状態となる。
なお、処理S41〜S44では、3つの液晶パネル4410のうち、先ず、緑色光側の液晶パネル4410に対して実施した後、順次、他の液晶パネル4410に対して実施していたが、これに限らず、3つの液晶パネル4410に対して略同時に処理S41〜43を実施してもよい。
処理S44の後、光学部品41〜43,442、および光学装置本体44Aが所定位置に設置された光学部品用筐体46を外装ケース2内に設置するとともに、冷却ユニット3等のその他の部材も外装ケース2内に設置し、プロジェクタ1を組み立てる(処理S5)。
以上のような工程により、プロジェクタ1が製造される。
上述した実施形態においては、プロジェクタ1がフォーカス調整装置4402を備えているので、流体封入室Rの容積を変更し流体封入室R内部に封入された冷却流体における照明光軸A方向の厚み寸法を変更することで、冷却流体を通過する光束の光路長を変更できる。このことにより、フォーカス調整装置4402における流体封入室Rの容積を変更することで、光変調装置441を直接移動することなく、投射レンズ45のバックフォーカス面を液晶パネル4410のパネル面に位置付けることができる。このため、液晶パネル4410の位置調整を実施するための前記位置調整治具としては、フォーカス調整装置4402の各調整ねじ4409を回転させる構造、フォーカス調整装置4402を照明光軸Aに直交する平面内における2軸方向(X軸、Y軸)に移動させる構造、および前記平面内で回転移動させる構造を備えていればよい。したがって、従来のように、光変調装置441を照明光軸A方向に移動する構造(Z方向)、X軸を中心とした回転方向(Xθ方向)に移動する構造、および、Y軸を中心とした回転方向(Yθ方向)に移動する構造を前記位置調整治具に具備させる必要がなく、前記位置調整治具の構造を簡素化できる。このため、前記位置調整治具の低コスト化および小型化を図れる。
ここで、フォーカス調整装置4402は、第1枠状部材4404と、第2枠状部材4405と、透光性基板4406と、弾性部材4407,4408と、4つの調整ねじ4409とで構成され、第1枠状部材4404の第1突出部4404B、および第2枠状部材4405の第2突出部4405Bとが嵌合することで流体封入室Rが形成されるので、例えば伸縮自在な蛇腹を利用した構造に比較して、構造の簡素化を図れ、製造コストを低減できる。また、各調整ねじ4409を回転させることで流体封入室Rの容積を容易に変更でき、投射レンズ45のバックフォーカス面を液晶パネル4410のパネル面に容易に位置付けることができる。
ここでまた、調整ねじ4409が4つで構成されているので、各調整ねじ4409をそれぞれ回転させることで、第1枠状部材4404に対する第2枠状部材4405の照明光軸A方向の進退移動、および照明光軸Aと直交する平面に対する傾斜状態の変更を良好に実施できる。このため、流体封入室R内の冷却流体における照明光軸A方向の厚みを、照明光軸Aと直交する方向に一様な状態で変更することも、照明光軸A方向と直交する方向に連続して異なる状態に変更することも可能とし、投射レンズ45のバックフォーカス面を液晶パネル4410のパネル面に容易にかつ良好に位置付けることができる。
そして、フォーカス調整装置4402の第1枠状部材4404に光変調装置441が固定されるので、フォーカス調整装置4402および光変調装置441を一体化でき、プロジェクタの小型化を図れる。また、フォーカス調整装置4402をプロジェクタ1内部に設置するための部材と、光変調装置441をプロジェクタ1内部に設置するための部材とを共通化でき、部材の省略からプロジェクタ1の低コスト化および小型化を図れる。
ここで、各フォーカス調整装置4402は、取付部4404Cを介してクロスダイクロイックプリズム440の各光束入射側端面に固定されるので、光変調装置441を複数で構成した場合であっても、各光変調装置441、各フォーカス調整装置4402、およびクロスダイクロイックプリズム440を一体化でき、プロジェクタ1が大型化することがない。
また、光変調装置441は、固定ねじ449により第1枠状部材4404に固定されているので、外力により光変調装置441が位置ずれを起こすこともなく、光変調装置441のパネル面に投射レンズ45のバックフォーカス面を良好に位置付けておくことができ、各光変調装置441の相互位置を良好に維持し画素ずれのない良好な光学像を形成できる。
さらに、固定ねじ449によりフォーカス調整装置4402に対して光変調装置441を着脱自在に構成しているので、液晶パネル4410の不具合等により液晶パネル4410を交換する際であっても、固定ねじ449を取り外すことで光変調装置441をフォーカス調整装置4402から取り外すことができ、固定ねじ449を取り付けることで新しい光変調装置441の取り付けを容易に実施でき、光変調装置441のリワーク性を向上できる。
そしてまた、光変調装置441を固定ねじ449により第1枠状部材4404に固定すると、第1枠状部材4404と保持枠4411とが熱伝達可能に接続されるので、光源装置411から射出された光束により液晶パネル4410に生じた熱を、液晶パネル4410〜保持枠4411〜第1枠状部材4404〜流体封入室R内部の冷却流体の熱伝達経路を辿って放熱でき、液晶パネル4410の冷却効率を向上し、液晶パネル4410の熱劣化を防止できる。このため、プロジェクタ1の長寿命化を図れる。
ここで、各フォーカス調整装置4402は、複数の流体循環部材448により冷却流体を循環可能に、メインタンク445、流体圧送部446、流体分岐部4401、流体送入部4403、およびラジエータ447と接続しているので、流体封入室R内部の流体を対流させることができ、液晶パネル4410と冷却流体との温度差を良好に維持し、液晶パネル4410の冷却効率をさらに向上できる。
また、第1枠状部材4404の開口4404Dは、視野角補正板443の透光性基板4430にて閉塞されるので、光源装置411から射出された光束によって視野角補正膜4431に生じた熱を、視野角補正膜4431〜透光性基板4430〜流体封入室R内部の冷却流体の熱伝達経路を辿って放熱でき、視野角補正板443の冷却効率を向上し、視野角補正板443の熱劣化を防止できる。このため、プロジェクタ1の長寿命化を図れる。また、視野角補正板443をプロジェクタ1内部に設置する部材も省略でき、プロジェクタ1の低コスト化および小型化を図れる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記実施形態において、フォーカス調整装置4402の構成は、前記実施形態で説明した構成に限らない。例えば、フォーカス調整装置4402としては、液晶パネル4410の画像形成領域に応じた開口をそれぞれ有する一対の枠状部材と、各枠状部材の各開口をそれぞれ閉塞する一対の透光性基板と、各枠状部材の外周端縁を接続する蛇腹とで構成する。そして、各枠状部材の各開口が一対の透光性基板にてそれぞれ閉塞され、各枠状部材の外周側が蛇腹にて覆われることにより、一対の枠状部材の間に冷却流体を封入可能とする流体封入室を形成する。そして、蛇腹を伸縮させて一対の枠状部材の相対位置を変更することで、流体封入室の容積を変更する。
前記実施形態では、フォーカス調整装置4402は、固定ねじ449により光変調装置441を支持固定するとともにクロスダイクロイックプリズム440の光束入射側端面に固定されていたが、これに限らない。フォーカス調整装置4402は、光変調装置441と投射レンズ45との間に配設されていればよく、光変調装置441を支持しない構成、あるいは、クロスダイクロイックプリズム440に固定されない構成を採用してもよい。
また、フォーカス調整装置4402による光変調装置441の支持構造は、固定ねじ449による支持構造に限らず、その他の支持構造、例えば、接着剤等により第1枠状部材4404に対して光変調装置441を接着固定する構造を採用してもよい。
前記実施形態では、各調整ねじ4409は、第1枠状部材4404の各ねじ孔4404Fと螺合し、先端部分が第2枠状部材4405の各固定用孔4405Dに挿通された状態で先端部分に固定された2つのナット4409Aにより第2枠状部材4405を挟む構造を採用していたが、これに限らず、以下の構成を採用してもよい。
例えば、調整ねじ4409を第1枠状部材4404のねじ孔4404Fおよび第2枠状部材4405の固定用孔4405Dの双方とそれぞれ螺合させる。この際、ねじ孔4404Fおよび固定用孔4405Dとの螺合構造として、異なる螺合構造、例えば、右ねじの螺合構造および左ねじの螺合構造とする。このように構成すれば、調整ねじ4409を回転させることで、第1枠状部材4404および第2枠状部材4405の進退移動方向が逆方向となり、第1枠状部材4404および第2枠状部材4405の相対位置が変更される。
また、調整ねじ4409の数は、4つの限らず、1つ、2つ、あるいは、3つで構成してもよい。
前記実施形態では、第1突出部4404Bおよび第2突出部4405Bは、平面視円形枠形状を有していたが、これに限らず、各開口4404D,4405Cを平面的に囲う形状であれば、いずれの形状であってもよい。例えば、矩形枠形状に形成してもよい。
前記実施形態では、取付部4404Cは、第1板体4404Aの各端縁から突出する形状を有していたが、これに限らず、各端縁の少なくともいずれかの端縁から突出する形状としてもよい。
前記実施形態において、流入口4405Eおよび流出口4405Fは、前記実施形態で説明した形成位置に限らず、その他の形成位置を採用してもよい。例えば、冷却流体の流通方向を逆にし、各流入口4405Eおよび各流出口4405Fをそれぞれ流出口および流入口としてそれぞれ機能させる構成を採用してもよい。
前記実施形態では、光学装置44が、メインタンク445、流体圧送部446、およびラジエータ447を備えた構成を説明したが、これに限らず、これらメインタンク445、流体圧送部446、およびラジエータ447のうち少なくともいずれかを省略した構成を採用してもよい。
前記実施形態では、フォーカス調整装置4402として、液晶パネル4410のフォーカス調整を実施する機能の他、流体封入室R内部の冷却流体により液晶パネル4410および視野角補正板443を冷却する機能を具備した構成を説明したが、少なくともフォーカス調整を実施する機能を具備していればよい。
前記実施形態では、光学変換素子として視野角補正板443を採用していたが、これに限らず、位相差板あるいは偏光板等を採用してもよい。例えば、第2枠状部材4405の開口4405Cを、透光性基板4406ではなく、射出側偏光板444の透光性基板4440にて閉塞する構成を採用してもよい。また、例えば、第1枠状部材4404の開口4404Dを射出側偏光板444の透光性基板4440にて閉塞し、偏光膜4441上に視野角補正膜4431を貼り付ける構成を採用してもよい。
前記各実施形態において、冷却流体と接触する部材である、流体循環部材448、メインタンク445、流体圧送部446、流体分岐部4401、第1枠状部材4404、第2枠状部材4405、および流体送入部4403は、アルミニウム製の部材から構成したが、これに限らない。耐食性を有する材料であれば、アルミニウムに限らず、他の材料にて構成してもよく、例えば、無酸素銅やジュラルミンにて構成してもよい。また、流体循環部材448としては、フォーカス調整装置4402への変形反力が小さい硬度の低いブチルゴムまたはフッ素ゴム等を使用してもよい。
前記実施形態では、各フォーカス調整装置4402に流入する冷却流体の流量は、略同一に設定されていたが、これに限らず、各フォーカス調整装置4402に流入する冷却流体の流量を異なるものとする構成を採用してもよい。
例えば、流体分岐部4401から各フォーカス調整装置4402に流通する流路中に弁を設け、該弁の位置を変更することで流路を狭めたり拡げたりする構成を採用してもよい。
また、例えば、流体分岐部4401と各フォーカス調整装置4402とを接続する各流体循環部材448を各光変調装置441R,441G,441Bに応じて異なる管径寸法とする構成を採用してもよい。
前記実施形態において、シロッコファン31を省略しても構わない。このような構成では、低騒音化に寄与できる。
前記実施形態において、プロジェクタ1の製造方法は、図7に示すフローに限らない。例えば、処理S13において、光学装置本体44Aを組み立てる際、冷却流体を充填しない状態で、液晶パネル4410のアライメント調整を実施する。具体的に、液晶パネル4410に光束を射出し、クロスダイクロイックプリズム440を介した光束を直接、CCD等の撮像素子にて撮像する。そして、撮像した画像に基づいて、処理S42と同様にフォーカス調整装置4402を移動させてアライメント調整を実施する。この後、処理S43と同様に、フォーカス調整装置4402をクロスダイクロイックプリズム440に固定する。そして、冷却流体を充填した状態で、処理S14,S2,S3,S41,S43,S44,S5を実施する。
前記実施形態では、図示しない位置調整治具に、各調整ねじ4409を回転させる構造を具備させていたが、これに限らず、前記構造を具備しない構成を採用してもよい。この際、処理S41にてフォーカス調整を実施する際には、各調整ねじ4409を直接、操作する。このような構成では、前記位置調整治具の構造をさらに簡素化できる。
前記実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
前記実施形態では、3つの液晶パネル4410を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネルを採用したが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を採用してもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明のプロジェクタは、光変調装置の位置調整を実施するための位置調整装置の構造を簡素化できるため、ホームシアターやプレゼンテーションで利用されるプロジェクタとして有用である。
本実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタ内の一部を上方側から見た斜視図。 前記実施形態におけるプロジェクタ内の一部を下方側から見た斜視図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す分解斜視図。 前記実施形態における第1枠状部材を光束射出側から見た斜視図。 前記実施形態における光変調装置および視野角補正板の冷却構造を説明するための図。 前記実施形態におけるプロジェクタの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における調整ねじの回転による第2枠状部材の移動状態を示す断面図。 前記実施形態における流体封入室内部の冷却流体を通過する光束の光路長を変化させることで液晶パネルのフォーカス調整を実施する様子を示す模式図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、45・・・投射レンズ(投射光学装置)、411・・・光源装置、440・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、441,441R,441G,441B・・・光変調装置、443・・・視野角補正板(光学変換素子)、448・・・流体循環部材、4402・・・フォーカス調整装置、4404・・・第1枠状部材、4404A・・・第1板体、4404B・・・第1突出部、4404C・・・取付部、4404D・・・開口、4404F・・・ねじ孔、4405・・・第2枠状部材、4405A・・・第2板体、4405B・・・第2突出部、4405C・・・開口、4405D・・・固定用孔、4405E・・・流入口、4405F・・・流出口、4409・・・調整ねじ(螺合部材)、4430・・・透光性基板、4431・・・視野角補正膜(光学変換膜)、R・・・流体封入室。

Claims (8)

  1. 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
    前記光変調装置と前記投射光学装置との間の光路中に配設され、内部に流体を封入可能とする流体封入室を有するフォーカス調整装置を備え、
    前記フォーカス調整装置は、前記流体封入室の容積を変更可能に構成され、前記流体封入室内部に封入された流体を通過する光束の光路長を変更し、前記投射光学装置のバックフォーカス位置に前記光変調装置を位置付けることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記フォーカス調整装置は、前記光束を通過可能とする開口をそれぞれ有し対向配置される第1枠状部材および第2枠状部材と、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の各開口をそれぞれ閉塞する一対の透光性基板と、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材を接続する螺合部材とを備え、
    前記第1枠状部材は、前記螺合部材を挿通可能とする孔および前記開口を有する板状の第1板体と、前記第1板体における前記第2枠状部材に対向する端面に突設され前記開口を平面的に囲う第1突出部とを含んで構成され、
    前記第2枠状部材は、前記螺合部材を挿通可能とする孔および前記開口を有する板状の第2板体と、前記第2板体における前記第1枠状部材に対向する端面に突設され前記開口を平面的に囲い前記第1突出部に嵌合可能とする第2突出部とを含んで構成され、
    前記流体封入室は、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の各開口が前記一対の透光性基板にて閉塞され、前記第1突出部および前記第2突出部が嵌合することで前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の間に形成され、
    前記螺合部材は、前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の前記孔のうち少なくともいずれか一方の孔と螺合し、前記孔との螺合状態を変更することで前記第1枠状部材および前記第2枠状部材の相対位置を変更し前記流体封入室の容積を変更することを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記螺合部材は、少なくとも3つのねじ部材で構成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項2または請求項3に記載のプロジェクタにおいて、
    前記第1枠状部材は、前記第2枠状部材に対する光束入射側で当該プロジェクタ内部の所定位置に固定され、前記光変調装置を支持することを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項2から請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光変調装置は、複数設けられ、
    前記フォーカス調整装置は、前記複数の光変調装置に対応して複数設けられ、
    前記複数の光変調装置にて変調された各光束を合成する色合成光学装置を備え、
    前記第1枠状部材は、前記第2枠状部材に対する光束入射側に配置され、前記第1板体の端縁から光束射出側に突出し前記フォーカス調整装置を前記色合成光学装置の光束入射側端面に取り付けるための取付部を備え、
    前記複数の光変調装置は、前記複数のフォーカス調整装置の前記第1枠状部材にそれぞれ支持され、前記複数のフォーカス調整装置を介して前記色合成光学装置の複数の光束入射側端面にそれぞれ固定されていることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項4または請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
    前記第1枠状部材は、熱伝導性材料から構成され、前記光変調装置を熱伝達可能に支持することを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
    前記フォーカス調整装置は、前記流体封入室に流体を流入させる流入口と、前記流体封入室内部の流体を外部に流出させる流出口とを有し、
    前記フォーカス調整装置の流入口および流出口と接続され、流体を前記流体封入室外部に案内し、再度、前記流体封入室内部に導く複数の流体循環部材を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  8. 請求項2から請求項7のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光変調装置と前記投射光学装置との間の光路中に配設され、入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子を備え、
    前記光学変換素子は、透光性基板と、前記透光性基板上に形成され入射した光束の光学特性を変換する光学変換膜とで構成され、
    前記フォーカス調整装置を構成する前記一対の透光性基板のうち少なくともいずれかの透光性基板は、前記光学変換素子を構成する透光性基板であることを特徴とするプロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011022524A (ja) * 2009-07-21 2011-02-03 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 投射型映像表示装置
EP3283916A1 (de) * 2015-04-17 2018-02-21 Leica Microsystems CMS GmbH Verfahren und vorrichtung zum untersuchen eines objektes, insbesondere einer mikroskopischen probe

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