JP2006015985A - 建設機械のキャビン - Google Patents
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Abstract
【課題】 転倒時等のキャビンの変形を抑えながらキャビン内からの視界を広げ、しかも軽量化をも実現する。
【解決手段】 キャビンの骨組となるフレーム21の構成要素として、センターピラー26と左リアピラー27と右リアピラー28を設け、これら各ピラー26〜28の上端部同士をルーフメンバー29、第1及び第2両クロスメンバー30,31で一体に連結することにより、外郭形状が平面視で略二等辺三角形となる門形構造体Aをキャビン後部に構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 キャビンの骨組となるフレーム21の構成要素として、センターピラー26と左リアピラー27と右リアピラー28を設け、これら各ピラー26〜28の上端部同士をルーフメンバー29、第1及び第2両クロスメンバー30,31で一体に連結することにより、外郭形状が平面視で略二等辺三角形となる門形構造体Aをキャビン後部に構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は油圧ショベル等の建設機械のキャビンに関するものである。
油圧ショベルのキャビンを例にとって説明する。
油圧ショベルは、図17に示すようにクローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に搭載された上部旋回体2と、この上部旋回体2に装着された作業アタッチメント3とによって構成され、上部旋回体2にキャビン4が設けられる。
ここで、一般的には上部旋回体2の右側(キャビン4内に着座したオペレータから見た右側。以下にいう左右及び前後の方向性について同じ)に作業アタッチメント3、左側にキャビン4がそれぞれ設けられ、キャビン4の左側面に、ドア5によって開閉される出入り口が設けられる。
このキャビン4は、図18に示す骨組としてのフレーム6に外装材(板材や窓ガラス)が取付けられて構成される。
従来のキャビン4のフレーム6は、前部左右両側に立設されたフロントピラー7,8と、後部左右両側に立設されたリアピラー9,10と、左側のフロント、リア両ピラー7,9間に立設されたセンターピラー11と、左側のフロント、リア両ピラー7,9の上端間に架け渡された左ルーフメンバー12と、右側のフロント、リア両ピラー8,10の上端間に架け渡された右ルーフメンバー13と、左右のフロントピラー7,8の上端間に架け渡された上フロントクロスメンバー14と、同下端間に架け渡された下フロントクロスメンバー15と、左右のリアピラー9,10の上端間に架け渡された上リアクロスメンバー16とによって構成され、これら各構成部材の接合部は溶接によって一体化されている。
一般にキャビンのフレームには、
(A) 転倒(横転)時におけるオペレータの安全性が確保されること(転倒時の左側方荷重によって変形してもオペレータの空間が確保されること)、
(B) 作業時のオペレータの視界(とくに前方視界)が十分確保されること
の二つの条件を満足することが求められる。
(A) 転倒(横転)時におけるオペレータの安全性が確保されること(転倒時の左側方荷重によって変形してもオペレータの空間が確保されること)、
(B) 作業時のオペレータの視界(とくに前方視界)が十分確保されること
の二つの条件を満足することが求められる。
ここで、上記(A)の条件を満足するためには、フレームが十分な強度・剛性を備えていることが必要となる。
一方、(B)の条件を満足するためには、フレーム構成部材が視界の妨げとならないように、構成部材の量(とくに前側の構成部材の量)をできるだけ少なくし、かつ、断面サイズを小さくするのが望ましい。
この点で、フレームに求められる強度・剛性と視界性は二律背反的な要求となる。
このような要求に対し、従来のフレーム6においては、左右のフロントピラー7,8と上フロントクロスメンバー14で前面側の門形構造体、左右のリアピラー9,10とリアクロスメンバー16で後面側の門形構造体を構成し、この前後の門形構造体を左右のルーフメンバー12,13でつないだ構成となっている。
また、同様の技術思想に基づくものとして、特許文献1に示されているように、とくにルーフ部に加えられた荷重をフレーム全体に広く分散するためのつなぎ部材を設けた技術も提案されている。
一方、他のフレーム構成として、特許文献2に示されているように、左右両側面部において前後方向の中間部から後上向きに延びる幅広の主ピラーを設けた構成、及び特許文献3に示されているように、上記従来のフレーム6における前後両側の門形構造体同士を板状のルーフ材で連結した構成がそれぞれ提案されている。
さらに、特許文献4に示されているように、センターピラーを左右両側に設け、これらの上端間をつないでフレーム中央部に門形構造体を構成する技術も公知である。
特開2004−42739号公報
特開2000−327462号公報
特開2001−123482号公報
特開2001−140283号公報
図18に示す従来のフレーム構成、及び特許文献1のフレーム構成では、転倒時等に左側面部に加えられる側方荷重を前後両側の門形構造体に伝えてフレーム全体に分散させ、すべての構成部材で均等に受けることになる。
しかし、このようにすべての構成部材を荷重支持部材として機能させるフレーム構成によると、全構成部材に均一な強度・剛性が必要となる。従って、前方視界内に位置する左右のフロントピラー7,8及び上フロントクロスメンバー14についても他の構成部材と同等の断面サイズを確保しなければならないため、前方視界を良くしたいという要求には十分応えられない。
また、特許文献2の技術によると、主ピラーが後倒れに傾いているため側方視界は広がるものの、ルーフ部の前後方向中間部にかかる側方荷重がルーフメンバーに集中してこれが大きく変形し易くなるため、オペレータの安全確保の点で問題がある。
一方、特許文献3の技術では、ルーフ部の耐側方荷重は大きくなるものの、弊害としてフレーム重量が増加し、軽量化というもう一つの要請に反する。
さらに、特許文献4の技術によると、門形構造体を構成する左右のセンターピラーの断面サイズが大きくなるため、左右の側方視界が大きく狭められる。
そこで本発明は、転倒時等の変形を抑えながら視界を広げるという二律背反的な二つの要求を同時に満足し、しかも軽量化をも実現し得る建設機械のキャビンを提供するものである。
請求項1の発明は、骨組となるフレームの構成要素として、少なくとも、左右片側において前後方向の中間部に位置するセンターピラーと、このセンターピラーの前後一側に間隔を置いて位置する第1サイドピラーと、この第1サイドピラーに対して左右反対側に位置する第2サイドピラーとが、平面視で三角形の各頂点に位置する状態で設けられ、上記センターピラー、第1及び第2両サイドピラーの上端部同士が連結部材で一体に連結されることにより、外郭形状が平面視で略三角形となる門形構造体が構成されたものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、連結部材として、センターピラーと第1サイドピラーの上端部間にルーフメンバー、センターピラーと第2サイドピラーの上端部間に第1クロスメンバー、両サイドピラーの上端部間に第2クロスメンバーがそれぞれ一体状態で架け渡されたものである。
請求項3の発明は、請求項1の構成において、センターピラー、第1及び第2両サイドピラーの各上端部間に跨って略三角形の板状の連結部材が一体状態で設けられたものである。
請求項4の発明は、請求項1の構成において、センターピラー、第1及び第2両サイドピラーの各上端部間に跨って平面視略三角形の扁平な箱状の連結部材が一体状態で設けられたものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成において、出入り口側にセンターピラーと第1サイドピラー、反対側に第2サイドピラーがそれぞれ設けられたものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、第2サイドピラーがセンターピラーと第1サイドピラーとの間の前後方向中間位置でこれらと反対側に設けられたものである。
請求項7の発明は、請求項6の構成において、門形構造体の平面形状が略二等辺三角形となるように第2サイドピラーがセンターピラーと第1サイドピラーとの間の前後方向中央位置でこれらと反対側に設けられたものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、第2サイドピラーが、センターピラーと同じ前後方向位置でこれと反対側に設けられたものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、第2サイドピラーが第1サイドピラーと同じ前後方向位置でこれと反対側に設けられたものである。
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかの構成において、センターピラーの後方に第1サイドピラーとしての左右一方のリアピラー、これと左右反対側の後部に第2サイドピラーとしての他方のリアピラーがそれぞれ設けられ、これらによってキャビン後部に門形構造体が構成されたものである。
請求項11の発明は、請求項1乃至9のいずれかの構成において、センターピラーの前方に第1サイドピラーとしてのフロントピラー、これと左右反対側でフロントピラーよりも後方位置に第2サイドピラーとしてのリアピラーがそれぞれ設けられ、これらによって門形構造体が構成されたものである。
請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかの構成において、第1サイドピラーまたは第2サイドピラーと左右同じ側に第3サイドピラーが設けられ、この第3サイドピラーとセンターピラーの上端部同士、及び第3サイドピラーと第2サイドピラーの上端部同士がそれぞれ追加連結部材で一体に連結されることにより、外郭形状が平面視で略三角形となる二つの門形構造体が隣接して構成されたものである。
本発明によると、転倒等によってフレームに加えられる側方荷重を、キャビン前部または後部に構成した門形構造体で集中的に受けるため、他の部分にはさほどの高強度・高剛性は要求されない。
従って、他の部分の構成材の量を少なくし、かつ、その断面サイズを小さくすることができる。
しかも、この門形構造体は、左右非対称に配置した三本のピラーの上端部同士を連結部材で連結して平面視略三角形に形成しているため、構造体全体として高強度・高剛性となって高い荷重支持性能を発揮し、とくに耐ねじれ荷重の点ですぐれたものとなる。
つまり、十分な荷重支持力を持った変形しにくい門形構造体が得られ、この門形構造体で荷重を集中的に受けることにより、キャビンの変形を抑えて運転者を保護するという基本目的を達成しながら、視界を広げ、かつ軽量化をも実現することができる。
また、断面サイズの大きいセンターピラーを左右両側に設け、これらの上端間をつないでフレーム中央部に門形構造体を構成した場合(特許文献4の技術)のように、側面部に目立つ突出部分が現れないため、意匠性の点でも有利となる。
この場合、請求項2の発明によると、連結部材として枠材であるルーフメンバー及びクロスメンバーを用いているため、構造体全体を軽くでき、キャビンの軽量化の点でとくに有利となる。
これに対し、請求項3,4の発明によると、略三角形の板状または扁平な箱状の連結部材を用いているため、門形構造体の一体強度を高めることができるとともに、組立が容易となる。とくに請求項4の発明によると、連結部材を箱状とすることでその剛性・強度をより高くとることができるため、連結部材そのものの変形を抑え、門形構造体の一体強度をさらに高めることができる。
なお、本発明において、門形構造体は、センターピラー、第1及び第2両サイドピラーを平面視で三角形の各頂点部分に配置し、これらの上端部同士を連結部材で連結することによって外郭形状が平面視で略三角形となるように構成すればよい。つまり、連結部材によって形成される門形構造体の天井部分そのものは必ずしも平面視略三角形である必要はなく、たとえば連結部材としてフレーム材を用いる場合に一部の連結部材をへの字形等に屈曲させて、天井部分の平面形状を非三角形としてもよい。
ところで、機械の転倒時には出入り口側の側面部が下になり、この下になった側面部が直接荷重を受ける可能性が高い。
この点、請求項5の発明によると、出入り口側にセンターピラーを配置したことにより、荷重を門形構造体全体に確実に伝え、変形抑制作用を確保することができる。
また、請求項6,7の発明によると、門形構造体の平面形状を非直角三角形としたから、直角三角形の場合と比較して耐ねじれ剛性を高め、変形抑制効果が高いものとなる。
とくに、平面形状を略二等辺三角形とした請求項7の発明によると、耐ねじれ剛性が三角形のうちでも最大となって門形構造体が最も変形しにくくなる。このため、運転者保護の目的をより確実に達成することができる。
なお、門形構造体の平面形状が略二等辺三角形以外の略三角形となるように各構成部材を配置した場合(請求項8,9)でも、基本的には、略三角形によって荷重を伝達し易くてしかも変形しにくい特長は生かされる。
一方、請求項10の発明によると、キャビン後部に平面視略三角形の門形構造体を構成するため、作業時に重要な前方視界を広げることができ、視界性向上の実益が大きい。
これに対し、請求項11の発明によると、請求項10の場合よりも前方に門形構造体を構成するため、キャビン前半部の空間を確保したい(運転者の保護を重視する)キャビン構成をとる場合に有利となる一方、キャビン後半部の居住空間を確保し易い。また、後方の視界性を向上させることができる。
また、請求項12の発明によると、平面視略三角形の二つの門形構造体を隣接して構成したから、荷重支持性能(変形抑制効果)を重視する場合に有利となる。
第1実施形態(図1〜図5参照)
第1実施形態にかかるキャビンのフレーム21は、左右のフロントピラー22,23と、上下のフロントクロスメンバー24,25と、出入り口側(左側)の前後方向中間部に立設されたセンターピラー26と、後部左右両側に立設されたリアピラー(第1、第2サイドピラー)27,28とを具備している。
第1実施形態にかかるキャビンのフレーム21は、左右のフロントピラー22,23と、上下のフロントクロスメンバー24,25と、出入り口側(左側)の前後方向中間部に立設されたセンターピラー26と、後部左右両側に立設されたリアピラー(第1、第2サイドピラー)27,28とを具備している。
なお、センターピラー26は、左側の前後方向の中央部に設けてもよいし、中央部よりも前後いずれかにずれた位置に設けてもよい。
センターピラー26と左右のリアピラー27,28は、平面視で三角形の各頂点に位置する状態で設けられ、センターピラー26と左リアピラー27の上端部間に連結部材としての左後ルーフメンバー29が設けられるとともに、センター及び両リアピラー26,27,28の各上端部間にV字配置で連結部材としての第1及び第2両クロスメンバー30,31が一体状態で架け渡されている。
こうして、キャビン後部に、左右非対称に配置された各ピラー26〜28を互いの上端部で連結・一体化させた、外郭形状が平面視で略三角形となる門形構造体Aが構成されている。
ここで、右リアピラー28は、センターピラー26と左リアピラー27との間の前後方向中央位置に配置され、門形構造体Aの平面形状が略二等辺三角形となっている(図2参照)。
なお、左後ルーフメンバー29と左フロントピラー22の上端間に左前ルーフメンバー32、右リアピラー28と右フロントピラー23の上端間に右ルーフメンバー33がそれぞれ架け渡されている。
また、門形構造体Aの各構成部材を含めてこのフレーム21を構成する部材同士は、互いの接合部分で溶接によって一体化されている。
このフレーム構成によると、転倒等によってフレーム21の左側面中間部に加えられる側方荷重(図2中に二重線矢印で示す)がセンターピラー26に伝えられ、ここから第1クロスメンバー30を通じて右リアピラー28に、さらに第2クロスメンバー31を通じて左リアピラー27へと伝えられる。
すなわち、側方荷重を門形構造体Aで集中的に受け、同構造体A全体が変形する。
従って、この門形構造体Aと無関係な前側の各構成部材(左前、右両ルーフメンバー32,33、左右のフロントピラー22,23、上下のフロントクロスメンバー24,25)は、荷重を殆ど分担せず、高強度・高剛性を要求されない。
このため、この前側各構成部材については、図示のように最小限に少なくてすみ、その断面サイズも小さくてよい。
これにより、図2に示すように、作業時に必要な前方視界及び側方視界を最大限に広げることが可能となる。
図2において、キャビン内のオペレータが構成部材に邪魔されずに見通すことができる視界領域に斜線を付して示している。また、同図中、3はキャビン右側に取付けられる作業アタッチメント(図17参照)である。
また、前側各構成部材の量が少なく、かつ断面サイズが小さくてすむことにより、フレーム21全体を軽量化することができる。
この軽量化に関して、図18に示す従来のキャビン(フレーム6)と、第1実施形態にかかるキャビン(フレーム21)の重量比較を図3に示す。
同図から分かるように、第1実施形態キャビンによると従来キャビンに対して2割程度まで重量を低減することができる。
なお、図4(a)〜(c)は前側各構成部材の他の配置例を示し、(a)は第1実施形態の右フロントピラー23と下フロントクロスメンバー25を省略した例、(b)は左フロントピラー22と下フロントクロスメンバー25を省略した例、(c)は上側のフロントクロスメンバー24を省略した例である。
このように、前側各構成部材の配置パターンを、視界の拡充と軽量化の観点から広い選択肢から選択することが可能となる。
しかも、荷重を集中的に受ける門形構造体Aは、左右非対称に配置した三本のピラー(センター及び左右のリアピラー26〜28)を互いの上端で左後ルーフ及び両クロス各メンバー29〜31によって一体化させた平面視略三角形であるため、荷重の伝達性が良くて各部材の強度を最大限に生かし、全体として高い荷重支持性能(とくに耐ねじれ剛性)を得ることができる。
とくに、この第1実施形態では、門形構造体Aの平面形状が略二等辺三角形であるため、耐ねじれ剛性が三角形のうちでも最大となって最も変形しにくくなる。
この第1実施形態による門形構造体Aの荷重支持性能に関して、図2中に二重線矢印で示すように左側面部の中央部に側方荷重を受けた場合の変形量を解析により求めた結果を図5に示す。
同図は、門形構造体Aの変形状態を後から見た場合を示し、門形構造体Aの各構成部材(センター及び左右のリアピラー26〜28)が均等に変形する一方で、同構造体Aの構成要素でない左右のフロントピラー22,23が殆ど変形しないこと、すなわち、荷重を門形構造体Aで集中的に受けること、及び門形構造体Aの各構成部材に荷重が伝達されて構造体全体が一体として変形することがわかる。図中、Oはキャビン内のオペレータを示す。
また、上記フレーム構成によると、特許文献4に記載されているように断面の大きいセンターピラーを左右両側に設けてフレーム中央部に門形構造体を構成する場合と比較して、側面部に目立つ突出部分が現れないため、意匠性の点でも有利となる。
なお、第1実施形態において、門形構造体Aは、センターピラー26、リアピラー(第1及び第2両サイドピラー)27,28を平面視で三角形の各頂点部分に配置し、これらの上端部同士を連結部材としての各メンバー29,30,31で連結することによって外郭形状が平面視で略三角形となるように構成すればよい。つまり、各メンバー29〜31によって形成される天井部分そのものは必ずしも平面視略三角形である必要はなく、たとえばたとえば第1クロスメンバー30または第2クロスメンバー31を直線状でなくへの字形等の屈曲形状として、天井部分の外郭形状を平面視で非三角形に形成してもよい。この点は、以下に挙げる他の実施形態においても同じである。
他の実施形態
第1実施形態との相違点のみを説明する。
第1実施形態との相違点のみを説明する。
図6,7には、右リアピラー28の前後方向位置を変えた場合の二例を示す。
図6の第2実施形態では、右リアピラー28をセンターピラー26と同じ前後方向位置(キャビン前後方向の中間部=第1実施形態の右リアピラー位置を中央位置とした場合の前方位置)に配置している。
これに対し図7の第3実施形態では、右リアピラー28を左リアピラー27と同じ前後方向位置(キャビン後端部=同後方位置)に配置している。
そして図8には、第1〜第3各実施形態にかかる門形構造体Aの荷重支持性能の比較結果を示す。
これは、センターピラー26の上端に側方荷重を掛けた場合の門形構造体Aの右側への変位量を解析により調べたもので、右リアピラー28が中央位置に設けられた第1実施形態の場合が最も変形量を小さくすることができる。
ただし、第2及び第3両実施形態によっても、第1実施形態に近い高い荷重性能を発揮できることも同時に確認された。
図9,10に示す第4実施形態においては、図7の第3実施形態のフレーム構成を前提として、左右のリアピラー27,28間のほぼ下半部に背面壁34を設けている。
この背面壁34は、板材のみによって形成してもよいし、図示のように内面側の上下(または左右)複数個所に補強用の梁材35を固着してもよい。
このように背面壁34を設けることにより、左右のリアピラー27,28間での荷重の伝達性能を高めることができる。
図11は門形構造体の構成に関する第5実施形態を示す。この第5実施形態においては、左フロントピラー22及び左前ルーフメンバー32を強度部材として構成できる場合に、右リアピラー28と左フロントピラー22の上端部同士を追加連結部材としての第3クロスメンバー36で一体に連結することにより、門形構造体Aの前方にもう一つの門形構造体Bを隣接して構成している。
この第5実施形態によると、第1実施形態の場合よりは前方視界の点で不利となるが、荷重支持力が強化されるため、安全性を重視する場合に好適となる。
図12に示す第6実施形態においては、第1実施形態の左リアピラー27を無くする一方、左フロントピラー22を強度部材として構成し、この左フロントピラー22とセンターピラー26の上端部間に左ルーフメンバー37、左フロントピラー22と右リアピラー28の上端部間に第1クロスメンバー38、センターピラー26と右リアピラー28の上端部間に第2クロスメンバー39をそれぞれ一体状態で架け渡すことによって門形構造体Aを構成している。
この第6実施形態によると、第1〜第4実施形態と比較して前方視界の点で不利となるが、転倒時等にキャビン前半部の空間を確保したい(運転者の保護を重視する)キャビン構成をとる場合に有利となる一方、キャビン後半部の居住空間を確保し易い。また、後方の視界性を向上させることができる。
次に、図13に示す第7実施形態においては、第1実施形態と基本的に同じフレーム構成をとりながら、門形構造体Aを構成する各ピラー26〜28の各上端部間に跨って略三角形の板状の連結部材40を一体状態で設けたフレーム構成をとっている。
この構成によると、門形構造体Aの一体強度を高めることが可能となるとともに、組立が容易となる。
図14,15に示す第8実施形態においては、第7実施形態の板状の連結部材40に代えて、扁平な箱状に形成した連結部材41を設けている。
このように、箱状の連結部材41を用いることにより、単なる板状の場合と比較してその剛性・強度をより高くとることができるため、連結部材そのものの変形を抑え、門形構造体の一体強度をさらに高めることができる。
なお、この第8実施形態において連結部材41の平面形状は略三角形としてもよいし、図示のように前面側に後辺とほぼ平行な辺を持った台形に近い形状等、略三角形以外の形状としてもよい。この点は第7実施形態も同じである。
また、第8実施形態において、連結部材41の剛性・強度を効果的に高める手段として、図15に示すように連結部材41の内空部に複数の仕切り状のリブ42…を設けてもよい。
図16に示す第9実施形態においては、第1実施形態とは左右逆のフレーム構成をとっている。すなわち、右側にセンターピラー26を配置し、これを含む三本のピラー26,27,28の上端部間に右後ルーフメンバー43、第1及び第2両クロスメンバー30,31を設けて門形構造体Aを構成している。44は右前ルーフメンバーである。
このフレーム構成は、キャビンが右側、作業アタッチメントが左側に配置され、キャビンの出入り口が右側に設けられる場合に好適となる。
21 フレーム
A 門形構造体
27 門形構造体を構成する第1サイドピラーとしての左リアピラー
28 同第2サイドピラーとしての右リアピラー
29 連結部材としての左後ルーフメンバー
30,31 同クロスメンバー
32 左前ルーフメンバー
33 右ルーフメンバー
B もう一つの門形構造体
23 第3サイドピラーとしての右フロントピラー
36 追加連結部材としての第3クロスメンバー
37 連結部材としての左ルーフメンバー
38,39 連結部材としての第1及び第2両クロスメンバー
40 三角形の板状の連結部材
41 平面視略三角形の扁平な箱状の連結部材
43 門形構造体を左右逆に配置した場合の連結部材としての右後ルーフメンバー
A 門形構造体
27 門形構造体を構成する第1サイドピラーとしての左リアピラー
28 同第2サイドピラーとしての右リアピラー
29 連結部材としての左後ルーフメンバー
30,31 同クロスメンバー
32 左前ルーフメンバー
33 右ルーフメンバー
B もう一つの門形構造体
23 第3サイドピラーとしての右フロントピラー
36 追加連結部材としての第3クロスメンバー
37 連結部材としての左ルーフメンバー
38,39 連結部材としての第1及び第2両クロスメンバー
40 三角形の板状の連結部材
41 平面視略三角形の扁平な箱状の連結部材
43 門形構造体を左右逆に配置した場合の連結部材としての右後ルーフメンバー
Claims (12)
- 骨組となるフレームの構成要素として、少なくとも、左右片側において前後方向の中間部に位置するセンターピラーと、このセンターピラーの前後一側に間隔を置いて位置する第1サイドピラーと、この第1サイドピラーに対して左右反対側に位置する第2サイドピラーとが、平面視で三角形の各頂点に位置する状態で設けられ、上記センターピラー、第1及び第2両サイドピラーの上端部同士が連結部材で一体に連結されることにより、外郭形状が平面視で略三角形となる門形構造体が構成されたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1記載の建設機械のキャビンにおいて、連結部材として、センターピラーと第1サイドピラーの上端部間にルーフメンバー、センターピラーと第2サイドピラーの上端部間に第1クロスメンバー、両サイドピラーの上端部間に第2クロスメンバーがそれぞれ一体状態で架け渡されたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1記載の建設機械のキャビンにおいて、センターピラー、第1及び第2両サイドピラーの各上端部間に跨って略三角形の板状の連結部材が一体状態で設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1記載の建設機械のキャビンにおいて、センターピラー、第1及び第2両サイドピラーの各上端部間に跨って平面視略三角形の扁平な箱状の連結部材が一体状態で設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建設機械のキャビンにおいて、出入り口側にセンターピラーと第1サイドピラー、反対側に第2サイドピラーがそれぞれ設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建設機械のキャビンにおいて、第2サイドピラーがセンターピラーと第1サイドピラーとの間の前後方向中間位置でこれらと反対側に設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項6記載の建設機械のキャビンにおいて、門形構造体の平面形状が略二等辺三角形となるように第2サイドピラーがセンターピラーと第1サイドピラーとの間の前後方向中央位置でこれらと反対側に設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のキャビンにおいて、第2サイドピラーが、センターピラーと同じ前後方向位置でこれと反対側に設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建設機械のキャビンにおいて、第2サイドピラーが第1サイドピラーと同じ前後方向位置でこれと反対側に設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の建設機械のキャビンにおいて、センターピラーの後方に第1サイドピラーとしての左右一方のリアピラー、これと左右反対側の後部に第2サイドピラーとしての他方のリアピラーがそれぞれ設けられ、これらによってキャビン後部に門形構造体が構成されたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の建設機械のキャビンにおいて、センターピラーの前方に第1サイドピラーとしてのフロントピラー、これと左右反対側でフロントピラーよりも後方位置に第2サイドピラーとしてのリアピラーがそれぞれ設けられ、これらによって門形構造体が構成されたことを特徴とする建設機械のキャビン。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の建設機械のキャビンにおいて、第1サイドピラーまたは第2サイドピラーと左右同じ側に第3サイドピラーが設けられ、この第3サイドピラーとセンターピラーの上端部同士、及び第3サイドピラーと第2サイドピラーの上端部同士がそれぞれ追加連結部材で一体に連結されることにより、外郭形状が平面視で略三角形となる二つの門形構造体が隣接して構成されたことを特徴とする建設機械のキャビン。
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