JP2006010126A - 冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸発器22の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも、空気が流入して圧縮機の負荷が増大する前に、冷媒の漏洩を検知して突然不冷となるような故障を極力回避するとともに、地球温暖化係数の小さい可燃性冷媒を用いながら高い安全性が確保できる冷凍冷蔵ユニットやこれを用いた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷媒としてR290あるいはR290を主成分とする混合冷媒を用いるとともに、蒸発器22の配管温度を検知する蒸発温度センサー23を備え、前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行するものである。
【選択図】図1
【解決手段】冷媒としてR290あるいはR290を主成分とする混合冷媒を用いるとともに、蒸発器22の配管温度を検知する蒸発温度センサー23を備え、前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、架台上部に冷却システムの圧縮機や凝縮器を設置し、架台下部に蒸発器を設置する冷凍冷蔵ユニットと、本体上部に前記冷凍冷蔵ユニットを設けた業務用の大型冷凍冷蔵庫に関するものである。
従来、500Lを越える業務用の大型冷凍冷蔵庫では、300W以上の高能力の圧縮機を用いた冷凍冷蔵ユニットが用いられている。また、特に冷凍室を冷却するシステムでは、蒸発温度が低くても高い冷凍能力が出せるR22やR404A等の低沸点冷媒を用いている。
しかしながら、近年、地球温暖化防止の観点から温暖化係数の高いR22やR404A等のフロン系冷媒からR290やR600a等の自然冷媒への転換が望まれるとともに、二酸化炭素の排出量削減のために消費電力量の大きい業務用の大型冷凍冷蔵庫についても、早急に省エネルギー化を図ることが望まれている。
ここで、業務用の大型冷凍冷蔵庫は、冷媒封入量が多く、かつ周辺の厨房環境に着火源となる火気が多いことから、可燃性の自然冷媒の適用について慎重に検討が進められている。また、家庭用冷蔵庫においては、冷媒配管が損傷して可燃性の自然冷媒が漏洩した場合に、漏洩を検知する手法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。
図4は特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の断面図である。
図4に示すように、冷凍室1と、扉2と、キャビネット3とから構成されている。キャビネット3の上部には、冷凍冷蔵ユニット4を固定するユニットベース5と、冷凍室1を冷却する冷却室6が設置される。
冷凍冷蔵ユニット4は、レシプロ型の圧縮機構を有する圧縮機7、凝縮器8、減圧手段であるキャピラリ9、蒸発器10、圧縮機7の吸入管11、凝縮用ファン12、蒸発用ファン13からなる。また、キャビネット3の背面には冷却室6内の除霜水を排出するドレイン14が埋設されている。
また、蒸発器10の下部に取り付けられたラジアントヒーター15と、蒸発器10の冷媒配管(図示せず)に取り付けられた蒸発温度センサー16と、蒸発器10の上部に取り付けられた出口温度センサー17と、冷凍室1の上部に取り付けられた室内温度センサー18とが設置されている。
次に冷凍冷蔵ユニット4の動作を説明する。冷媒は低沸点冷媒であるR600aを用いる。冷媒R600aは圧縮機7で圧縮され、凝縮器8で凝縮された後、キャピラリ9で減圧されて、蒸発器10へ送られる。そして、蒸発器10で蒸発された後、吸入管11を通って圧縮機7へ還流する。このとき、キャピラリ9と吸入管11は熱交換されて、圧縮機7へ還流する冷媒の冷廃熱が回収される。
このとき、周囲温度30℃、冷凍室1の室内温度センサー18の指示値(以下室内温度という)−20℃の通常運転中における、冷媒R600aの凝縮温度は約40℃(約5.3気圧)、蒸発温度は約−30℃(約0.5気圧)である。
そして、起動あるいは除霜後の経過時間を積算して、積算時間が約10時間を越える毎に、圧縮機7を停止するとともにラジアントヒーター15に通電され蒸発器10が除霜される。このとき、出口温度センサー17が約5℃を検知すると、除霜完了と判断されラジアントヒーター15の通電が停止する。
さらに、蒸発温度センサー16と出口温度センサー17の指示値の差が5℃より大きくなった場合、例えば、室内温度−20℃、蒸発温度センサー16の指示値−30℃において、出口温度センサー17の指示値が−25℃より高くなった時、冷媒の漏洩と判断され、圧縮機7を停止するとともに、冷媒の漏洩が発生したことを報知する。
冷媒が外部に漏洩した場合、冷却能力が低下して鈍冷傾向になるとともに、蒸発器10の出口では完全に気化して、過熱蒸気となり蒸発器10に流入する室内空気の温度近くまで温度上昇する。すなわち、蒸発温度センサー16と出口温度センサー17の指示値の差が所定値の5℃より大きくなったことを基準に冷媒の漏洩を検知すると、鈍冷傾向が発生する比較的初期の段階で冷媒の漏洩が発生したことを報知することができる。
この結果、使用者が冷媒の漏洩を確認して、火気の使用を停止したり、サービスコールをかけることで早期に対応することができ、安全性が向上できる。
特開平9−14811号公報
しかしながら、上記従来の冷蔵庫は、冷却能力が低下して蒸発器10の出口で冷媒が過熱蒸気となることを前提として冷媒の漏洩を検知するものであるが、業務用の大型冷蔵庫では使用時の扉開閉の頻度が高いため、使用時に冷媒漏洩が発生すると着霜により蒸発器10の蒸発能力が低下して、蒸発器10の出口で冷媒が過熱蒸気になりにくいという問題が発生する。
また、上記従来の冷蔵庫は、高沸点冷媒であるR600aを使用しているため、低圧圧力が大気圧よりも低く、蒸発器10の接続部で配管の損傷が生じると冷媒が漏洩する前に空気が流入して、高圧圧力が上昇して冷却能力が低下するとともに、最悪の場合、空気圧縮により過負荷が生じて圧縮機7が停止して再起動せず、不冷となる可能性がある。
すなわち、高沸点冷媒であるR600aを使用した場合、蒸発器10の接続部などの低圧側で配管が損傷すると、空気圧縮により圧縮機7が停止したまま再起動できずに配管の損傷部から冷媒が漏洩し続ける可能性があり、蒸発温度センサー16と出口温度センサー17の指示値の差を基準にするだけでは、冷媒の漏洩を検知することができないという問題が発生する。そこで、高沸点冷媒であるR600aを使用した場合、圧縮機7の過負荷が継続した時や、過負荷で起動停止を繰り返した時にも冷媒が漏洩したと判断する施策が提案されている。
一方、業務用の大型冷蔵庫では、家庭用冷蔵庫に比べて負荷が大きくより高い冷却能力が求められるとともに、故障発生時にも最低限の冷却運転の継続が求められる。すなわち、空気圧縮により過負荷が生じて圧縮機7が停止して再起動せずに突然不冷となるような故障は極力避けなければならない。
ここで、業務用冷蔵庫の周囲温度30℃の一般的な運転状態である凝縮温度40℃、蒸発温度−30℃、過冷却0℃、吸入ガス温度32℃における圧縮比、高圧圧力、低圧圧力、および理論効率と体積能力の相対値を高沸点冷媒であるR600aと他の冷媒と比較した結果を(表1)に示す。
(表1)に示したように、高沸点冷媒R134a、R600aに比べて低沸点冷媒であるR22、R290、R404Aは、理論効率が低い反面、圧縮比が低く体積能力が高く、かつ蒸発圧力が大気圧より高いことがわかる。すなわち、低沸点冷媒であるR22、R290、R404Aは、蒸発器10の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも直ぐに空気が流入して空気圧縮が生じることはないが、運転中や蒸発器10の除霜中に冷媒が大量に漏洩した後に蒸発温度が低下して空気が流入する可能性がある。
そこで、業務用の大型冷蔵庫では、低沸点冷媒であるR22、R290、R404Aを使用するとともに、早期に冷媒の漏洩を検知して報知することや冷媒の漏洩を抑制することで、故障発生時にも最低限の冷却運転を継続することが期待されている。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも、空気圧縮により過負荷が生じて圧縮機が停止して再起動せずに突然不冷となるような故障を極力回避する冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫は、冷媒として体積能力が大きく、かつ沸点が約−40℃と通常運転時の蒸発温度−30℃よりも10℃程度低いR290あるいはR290を主成分とする混合冷媒を用いるとともに、蒸発器の配管温度を検知する蒸発温度センサーを備え、前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行するものである。
これによって、高い冷却能力が出せるとともに、使用中に着霜が著しくなり蒸発器の蒸発能力が低下した時に蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも、R290の蒸発圧力が負圧となる沸点近傍の蒸発温度を基準に漏洩を判定することにより、空気が流入して圧縮機の負荷が増大する前に、通常運転時の蒸発温度−30℃よりも大幅に蒸発温度が低下したことで冷媒の漏洩を検知することができる。
本発明の冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫は、使用中に着霜が著しくなり蒸発器の蒸発能力が低下した時に蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも、空気が流入して圧縮機の負荷が増大する前に、冷媒の漏洩を検知することができるので、空気圧縮により過負荷が生じて圧縮機が停止して再起動せずに突然不冷となるような故障を極力回避することができるとともに、地球温暖化係数の小さい可燃性冷媒を用いながら高い安全性が確保できる。
本発明の請求項1に記載の発明は、冷媒としてR290あるいはR290を主成分とする混合冷媒を用いるとともに、蒸発器の配管温度を検知する蒸発温度センサーを備え、前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行するものであり、高い冷却能力が出せるとともに、使用中に蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも、R290の蒸発圧力が負圧となる沸点近傍の蒸発温度を基準に漏洩を判定することにより、空気が流入して圧縮機の負荷が増大する前に冷媒の漏洩を検知することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明に、さらに、蒸発器の配管温度を検知する蒸発温度センサーと、蒸発器周囲を通過する冷気の温度を検知する冷気温度センサーとを備え、前記蒸発温度センサーと前記冷気温度センサーとの温度差が所定値より大きく、かつ前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行するものであり、蒸発温度センサーと冷気温度センサーの温度指示値を比較することで異常着霜が発生したことを検知することができるので、異常着霜によって蒸発温度が低下して冷媒漏洩を誤検知することを防止できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明に、さらに、冷媒漏洩が発生したことを報知する漏洩対応制御を行うものであり、使用者が冷媒の漏洩を確認して、火気の使用を停止したり、サービスコールをかけることで早期に対応することができ、突然不冷となるような故障を極力回避することができるとともに、高い安全性が確保できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明にさらに、通常制御よりも除霜間隔を延ばす漏洩対応制御を行うものであり、蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合に、除霜時に高圧となってさらに冷媒の漏洩速度が増加することを抑制できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明にさらに、能力可変型圧縮機と、外気温度を検知する外気温度センサーとを備え、外気温度と庫内の設定温度に応じた所定能力で連続運転する漏洩対応制御を行うものであり、外気温度センサーの指示値から推算される必要最低限の冷却能力で能力可変型圧縮機を駆動させて、蒸発圧力を極力高く維持することにより、蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合に、運転中に負圧となって空気が流入することを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による冷蔵庫の断面図である。図2は同実施の形態による冷蔵庫に用いられる蒸発器の模式図である。図3は冷媒の蒸発温度と蒸発圧力の相関図である。なお、従来と同一の構成については、同一番号を付して詳細な説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態1による冷蔵庫の断面図である。図2は同実施の形態による冷蔵庫に用いられる蒸発器の模式図である。図3は冷媒の蒸発温度と蒸発圧力の相関図である。なお、従来と同一の構成については、同一番号を付して詳細な説明は省略する。
図1に示すように、冷凍室1、扉2、キャビネット3から構成されている。キャビネット3の上部には、冷凍冷蔵ユニット20を固定するユニットベース5と、冷凍室1を冷却する冷却室6が設置される。冷媒は低沸点冷媒であるR290を用いる。
冷凍冷蔵ユニット20は、レシプロ型の圧縮機構を有し回転数が30〜80rpsに可変できる能力可変型圧縮機21、凝縮器8、減圧手段であるキャピラリ9、蒸発器22、能力可変型圧縮機21の吸入管11、凝縮用ファン12、蒸発用ファン13、蒸発温度センサー23、冷気温度センサー24からなる。また、キャビネット3の背面には冷却室6内の除霜水を排出するドレイン14が埋設されている。
図2に示すように、蒸発器22は冷媒配管22、フィン31、シーズヒーター32から構成されている。シーズヒーター32は、蒸発器22の除霜時に通電されて蒸発器22を加温するものである。そして、フィン31の風上側の一部を切り欠いて、蒸発温度センサー23が金属ホルダー25によって冷媒配管30に取り付けられるとともに、冷気温度センサー24が樹脂ホルダー26によって冷媒配管30に取り付けられている。
蒸発温度センサー23は熱伝導性の高い金属ホルダー25で固定されることで、冷媒配管30の温度、すなわち冷媒の蒸発温度を検知するものである。また、冷気温度センサー24は熱伝導性の低い樹脂ホルダー26で固定され、冷凍室1内から流入する通風大気に触れることで、冷凍室1内の冷気温度に近い温度を検知するものである。そして、蒸発器22に異常に多い着霜が発生した場合、蒸発温度センサー23および冷気温度センサー24の周辺は、霜や塊状の氷に覆いつくされて一体となり、ともに冷媒の蒸発温度に近い温度を検知するものである。
なお、厨房環境に設置される業務用冷蔵庫においては、空気中の埃や飛沫状油分が凝縮器8に付着して目詰まりを起こしやすいことから、凝縮器8の間口寸法を十分大きく確保して、目詰まりの影響を小さくするとともに、凝縮器8の間口にフィルター(図示せず)を装着する。また、能力可変型圧縮機21の耐久性を維持するため、過酷な条件で高能力を出し続けることがないように、冷凍室1内の温度を検知する冷凍室温度センサー(図示せず)や、冷蔵庫の周囲温度を検知する外気温度センサー(図示せず)や、凝縮器8の冷媒の凝縮温度を検知する凝縮温度センサー(図示せず)が設置され、これらの温度に基づいて能力可変型圧縮機21の回転数が決定される。
次に冷凍冷蔵ユニット20の動作を説明する。
ドア開閉が頻繁に行われて冷凍室1の室内温度が大きく上昇した場合、能力可変型圧縮機21は80rpsで駆動され、冷媒R290が能力可変型圧縮機21で圧縮され、凝縮器8で凝縮された後、キャピラリ9で減圧されて、蒸発器22へ送られる。そして、蒸発器22で蒸発された後、吸入管11を通って能力可変型圧縮機21へ還流する。このとき、キャピラリ9と吸入管11は熱交換されて、能力可変型圧縮機21へ還流する冷媒の冷廃熱が回収される。
ここで、能力可変型圧縮機21の気筒容積は、高沸点冷媒であるR600aを使用した従来の冷蔵庫の圧縮機の約1/3に設計されており、R600aの3倍の体積能力であるR290を用いた本実施例において、従来同等の冷却能力が発揮できる。
そして、冷凍室1の室内温度が低下して設定温度−20℃の+1.5℃以下に下がると、所定時間毎に能力可変型圧縮機21の回転数を80rpsから30rpsまで順次低下させる。さらに、冷凍室1の室内温度が低下して設定温度−20℃の−2℃以下に下がると、能力可変型圧縮機21の運転を停止させる。
このとき、周囲温度30℃、冷凍室1の室内温度−20℃の通常運転中における、冷媒R290を用いた本実施例の冷蔵庫の凝縮温度は約40℃(約14気圧)、蒸発温度は約−30℃(約1.7気圧)であるのに対して、冷媒R600aを用いた従来の冷蔵庫の凝縮温度は約40℃(約5.3気圧)、蒸発温度は約−30℃(約0.5気圧)である。従って、蒸発器22の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合、冷媒R600aを用いた従来の冷蔵庫では通常運転中の圧力が負圧であるためすぐに空気が流入するのに対して、本実施例の冷蔵庫では通常運転中の圧力が正圧であるためすぐに空気が流入せず、運転中や蒸発器22の除霜時に冷媒が流出して蒸発温度が低下した時や、異常に着霜して蒸発温度が低下した時にはじめて空気が流入する。
なお、本実施例においては、冷却運転中の凝縮器ファン12と冷却器ファン13の風量一定としたが、冷却能力の低下とともに、凝縮器ファン12と冷却器ファン13の風量を低下してもよい。凝縮器ファン12と冷却器ファン13の風量を低下することで、ファン入力の省エネルギー化が図れる。
また、本実施例においては、能力可変型圧縮機21の最低回転数を30rpsとしたが、冷凍室1の設定温度が低く周囲温度が高い場合は冷却負荷が大きく冷凍室1の室内温度が低下しにくいことから、周囲温度や設定温度により最低回転数を決定することが望ましい。
次に、通常運転中に冷媒漏洩が発生した場合の蒸発温度センサー23と冷気温度センサー24の働きについて説明する。
図3の実線は冷媒R290の蒸発温度と蒸発圧力の相関を示したものであり、点線は冷媒R600aの蒸発温度と蒸発圧力の相関を示したものである。周囲温度30℃、冷凍室1の室内温度−20℃の通常運転中における冷媒の蒸発温度は約−30℃である。このときの冷媒R290の状態は図3のA点であり、蒸発圧力は約170kPaを示す。
一方、蒸発温度センサー23の検出温度は約−30℃、冷気温度センサー24の検出温度は約−25℃である。蒸発温度センサー23は冷媒の蒸発温度とほぼ同一であるが、冷気温度センサー24は冷媒の蒸発温度と蒸発器22に流入する冷気の温度約−20℃のほぼ中間の値を示す。
ここで、蒸発器22の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合、冷媒の一部が漏洩して冷却能力が低下するとともに、蒸発圧力が低下していく。このとき、低下した冷却能力を補うため、すなわち冷凍室1の室内温度の上昇を抑制するため、能力可変型圧縮機21の回転数が増加して、さらに蒸発圧力が低下する。結果として、図3のB点で示す状態、蒸発圧力約100kPa(大気圧)まで圧力が降下していく。このときの冷媒R290の蒸発温度は約−42℃である。
そして、蒸発温度センサー23の検出温度は冷媒の蒸発温度とともに低下して約−42℃を示し、冷気温度センサー24の検出温度も同様に冷媒の蒸発温度とともに低下して約−30℃を示す。冷気温度センサー24の温度低下が小さいのは、蒸発器22に流入する冷気の温度が約−20℃と大きく変わらないためである。仮に、冷凍室1の冷却負荷が同時に増大して、能力可変型圧縮機21の回転数増加で対応しきれなくなると、冷凍室1の室内温度が上昇して冷気温度センサー24の指示値はさらに大きくなる。
このとき、蒸発温度センサー23の指示値が冷媒R290の沸点、すなわち大気圧の蒸発温度の近傍に低下し、かつ、蒸発温度センサー23と冷気温度センサー24の指示値の差が通常運転時の5℃よりも大きいことから、冷媒が漏洩したことを検知して漏洩対応制御に移行する。
漏洩対応制御として、警報ランプや警報ブザー、エラー表示などの報知を行うとともに、除霜間隔を延ばすこと、能力可変型圧縮機21の回転数を低減することが望ましい。報知することにより、使用者が冷媒の漏洩を確認して、火気の使用を停止したり、サービスコールをかけることで早期に対応して危険を回避することができ高い安全性を確保することができる。また、蒸発器22の圧力が増加する除霜の回数を低減することで、冷媒の漏洩速度を抑制することができる。また、能力可変型圧縮機21を当該外気温度における通常運転可能な最低限の回転数で駆動することにより、蒸発圧力がさらに低下して負圧となり、空気を吸入して過負荷が生じて能力可変型圧縮機21が停止して再起動できなくなる最悪の事態を回避することができる。
なお、比較例として冷媒R600aを用いて、蒸発器22の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合は、損傷した時点から空気の吸入が開始されて能力可変型圧縮機21の負荷が増大していく。これは、図3のC点示したように冷媒R600aでは通常運転中でも蒸発圧力が負圧(約46kPa)となるためである。また、この場合、能力可変型圧縮機21が停止しない限り、冷媒はほとんど漏洩せず、蒸発温度センサー23や冷気温度センサー24、さらに蒸発器22の出口温度はほとんど変化しないので、異常を検知することは困難である。そして、能力可変型圧縮機21の負荷が限界を超えると停止し、再起動不可能な状態に陥る。この結果、不冷となり、能力可変型圧縮機21が停止したまま冷凍室1の室内温度が上昇し、図3のD点(約−11℃)を越えた時点から冷媒が漏洩し続けることになる。
次に、異常着霜が発生した場合の蒸発温度センサー23と冷気温度センサー24の働きについて説明する。
通常運転中に扉開閉が特に頻繁であった場合や、扉の閉塞が不十分で長時間運転された場合、蒸発器22の風上側に異常に多量の霜が付着する。また、このような場合、冷凍室1の室内が高湿度になるため、付着した霜が塊状の氷になる。
このとき、蒸発器22の蒸発能力が低下して、冷媒の蒸発温度が低下していく。同時に蒸発温度センサー23と冷気温度センサー24が低下して、ほぼ同一の温度を示すようになる。これは、蒸発温度センサー23と冷気温度センサー24の周辺が密度の高い塊状の氷で覆い尽くされるためである。
この結果、蒸発温度センサー23の指示値が冷媒R290の沸点、すなわち大気圧の蒸発温度の近傍に低下しても、蒸発温度センサー23と冷気温度センサー24の指示値の差が通常運転時の5℃よりも小さくなることから、冷媒が漏洩したとは判定しない。従って、蒸発温度センサー23の指示値が冷媒R290の沸点、すなわち大気圧の蒸発温度の近傍に低下したことのみを判定基準に冷媒が漏洩したことを検知した場合に発生する誤検知を防止することができる。
以上のように、冷媒としてR290あるいはR290を主成分とする混合冷媒を用いるとともに、蒸発器の配管温度を検知する蒸発温度センサーと蒸発器周囲を通過する冷気の温度を検知する冷気温度センサーを備え、前記蒸発温度センサーと前記冷気温度センサーとの温度差が通常時より大きく、かつ前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行することで、蒸発器の接続部などの低圧側で配管が損傷した場合でも、空気が流入して圧縮機の負荷が増大する前に、冷媒の漏洩を検知して突然不冷となるような故障を極力回避するとともに、地球温暖化係数の小さい可燃性冷媒を用いながら高い安全性が確保できる。
なお、本実施例では通常−15℃〜−25℃に設定される冷凍室1を対象としたが、5℃以上に設定される貯蔵室、たとえば冷蔵室を冷却する場合でも同様の効果が得られる。この場合、通常運転時の蒸発温度が−10℃〜−15℃であり、本実施例に比べて15℃〜20℃上昇するので、冷媒R290を主成分として例えば高沸点冷媒であるR600aなどを混合した沸点−30℃程度の混合冷媒を用いることが望ましい。通常運転時の蒸発温度と沸点の差が大きすぎると、検知するまでに漏洩する冷媒量が増加するため、安全上好ましくない。
なお、本実施例では異常着霜を検知して、冷媒の漏洩判定を否定したが、蒸発温度センサーと冷気温度センサーの指示値が略同一で、かつ通常運転時の蒸発温度よりも大きく低下した場合は異常着霜と判定して、蒸発器の除霜を行うことが望ましい。異常着霜と冷媒漏洩が同時に発生した場合に、冷媒の漏洩判定が遅れることが回避できる。
なお、本実施例では蒸発温度センサーと冷気温度センサーを蒸発器の風上側上部に個別に設置したが、1個のホルダーを用いて同一配管に設置してもよい。また、蒸発温度センサーあるいは冷気温度センサーを用いて、通常バイメタルなどで実施される蒸発器の除霜終了の検知を行ってもよい。
本発明にかかる冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫は、R290を冷媒として用いることで冷媒が漏洩した場合でも地球温暖化係数が小さく、かつ体積能力が大きく高能力が実現できるとともに、運転中に冷媒が漏洩したことをいち早く検知することで安全性を高めることができるので、高能力が必要であり、かつ厨房などの火気が周囲で使用されている可能性が高い業務用大型冷蔵庫やショーケースなどの業務用機器の冷却システムとして適用できる。
1 冷凍室
5 ユニットベース
20 冷凍冷蔵ユニット
21 能力可変型圧縮機
22 蒸発器
23 蒸発温度センサー
24 冷気温度センサー
5 ユニットベース
20 冷凍冷蔵ユニット
21 能力可変型圧縮機
22 蒸発器
23 蒸発温度センサー
24 冷気温度センサー
Claims (5)
- 冷媒としてR290あるいはR290を主成分とする混合冷媒を用いるとともに、蒸発器の配管温度を検知する蒸発温度センサーを備え、前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行することを特徴とする冷凍冷蔵ユニットおよび前記冷凍冷蔵ユニットを用いた冷蔵庫。
- 蒸発器の配管温度を検知する蒸発温度センサーと、蒸発器周囲を通過する冷気の温度を検知する冷気温度センサーとを備え、前記蒸発温度センサーと前記冷気温度センサーとの温度差が所定値より大きく、かつ前記蒸発温度センサーの検知温度が冷媒の沸点近傍以下になると冷媒漏洩と判断して、漏洩対応制御に移行することを特徴とする請求項1記載の冷凍冷蔵ユニットおよび前記冷凍冷蔵ユニットを用いた冷蔵庫。
- 冷媒漏洩が発生したことを報知する漏洩対応制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍冷蔵ユニットおよび前記冷凍冷蔵ユニットを用いた冷蔵庫。
- 通常制御よりも除霜間隔を延ばす漏洩対応制御を行うことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の冷凍冷蔵ユニットおよび前記冷凍冷蔵ユニットを用いた冷蔵庫。
- 能力可変型圧縮機と、外気温度を検知する外気温度センサーとを備え、外気温度と庫内の設定温度に応じた所定能力で連続運転する漏洩対応制御を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の冷蔵庫。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004184752A JP2006010126A (ja) | 2004-06-23 | 2004-06-23 | 冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004184752A JP2006010126A (ja) | 2004-06-23 | 2004-06-23 | 冷凍冷蔵ユニットおよび冷蔵庫 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2004
- 2004-06-23 JP JP2004184752A patent/JP2006010126A/ja active Pending
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JP2021131208A (ja) * | 2020-02-21 | 2021-09-09 | 三菱電機株式会社 | 除湿機 |
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