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JP2005521402A - ヒト胚性幹細胞に由来する内皮細胞 - Google Patents

ヒト胚性幹細胞に由来する内皮細胞 Download PDF

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JP2005521402A JP2003580506A JP2003580506A JP2005521402A JP 2005521402 A JP2005521402 A JP 2005521402A JP 2003580506 A JP2003580506 A JP 2003580506A JP 2003580506 A JP2003580506 A JP 2003580506A JP 2005521402 A JP2005521402 A JP 2005521402A
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Abstract

本発明は、ヒト胚性幹細胞からインビトロで生成された胚性内皮細胞集団である。これらの細胞は血小板内皮細胞接着分子1を生成し、血管生成能を有する。これらの細胞は、ポリマーマトリックス上に播種され得るか、細胞支持基材と合わされ得るか、またはポリマーマトリックス中に注入した細胞支持基材と合わされ得る。これらの細胞はまた、組織部位に直接注入され得る。本発明はまた、細胞支持基材;およびその細胞支持基材により支持されたヒト胚性内皮細胞、を備える、組織工学構築物を提供する。

Description

本出願は、米国仮特許出願第60/367,689号(2002年3月26日出願)の優先権を主張し、これらの全内容は本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、胚性幹細胞の使用、さらに具体的に言うとヒト胚性内皮細胞の分化、単離、特徴付け、使用に関している。
(発明の背景)
ヒト血管内皮細胞は、血管疾患の処置のための人工血管の開発に重要であり、また虚血性組織領域または移植手術後の領域へ血管の成長の増強にも有用であり得る(Niklasonら,(1999)Science 284,489−93;Kawamotoら,(2001)Circulation 103,634−7)。成人由来内皮前駆細胞は、脈管形成能を有する(Kawamoto,2001)。脈管形成(vasculogenesis)は、血管新生(angiogenesis)、すなわちすでに存在している血管からの毛細管の発芽に対して、未分化の内皮細胞からの毛細管のインサイチュ集合として定義される(Yancopoulosら,(1998)Cell 93,661−4)。この潜在能力は、組織内血管新生誘導(特に再生組織の血管新生が必須である複雑な組織について)のために組織工学において利用され得る。例えば、人工組織を移植前にインビトロで血管新生させることがしばしば望ましい(Blackら,(1998)FASEB J 12,1331−40;Kaiharaら,(2000)Tissue Eng 6,105−17)。インビトロで血管新生を起こさせることは、組織成長期間における細胞の生存、構造的な組織化の誘導、および移植時における組み込みの促進を可能にするために重要である。成人内皮細胞前駆体または内皮細胞に代えて組織工学および他の適用における胚性幹細胞の利用は、特に興奮させる。なぜなら、ES細胞は明らかに際限なく増殖させ得、かつES細胞由来の細胞は、事実上無制限量に産出され得、臨床利用に利用可能である可能性があるからである。(Amitら,(2000)Dev Biol 227,271−8)。
胚性細胞の脈管形成潜在能力は、組織工学において、組織の血管新生の誘導に特に有用であり得る。これらの適用のための細胞の潜在的な供給源は、胚性幹細胞であり、この細胞は、マウスの系で、脈管形成と呼ばれる過程において内皮細胞に分化して血管構造を形成することが示された(Vittetら,(1996)Blood 88,3424−31)。分化中のマウス胚性幹細胞から単離された初期内皮前駆細胞は、造血細胞、内皮細胞および平滑筋細胞の3つの血管細胞成分を生じることが示された(Yamashitaら,(2000)Nature 408,92−6)。それゆえ、精製されたヒト胚性内皮細胞は、潜在的な臨床適用に加えて、ヒトの初期発生および胚性幹細胞からさまざまな組織への分化を研究するために重要であり得る。
胚性幹細胞から内皮細胞への分化および血管構造の形成は、成熟期、分子的事象および増殖因子の関与を含む、マウスの胚形成において広範囲にわたって研究されてきた(Keller,G.M.(1995)Curr Opin Cell Biol 7,862−9;Hirashimaら,(1999)Blood 93,1253−63)。しかしながら、実験細胞系が存在しなかったため、今日まで、ヒトにおけるこのような発生過程の研究は困難であった。ヒトの未分化胚芽細胞の内細胞塊から最近確立されたヒト胚性幹細胞株(hES)は、ヒトの胚発生でのこれらの現象を研究する唯一の系を提供する(Thomsonら,(1998)Science 282,1145−7)。ヒトES細胞は、分化が起こる時、すべての胚性細胞系統を生成する潜在能力を有する。hESの分化は、この細胞を支持細胞層からはずし、懸濁増殖することにより、誘導され得る。この懸濁液中での分化は、細胞の凝集および、順調な分化の過程が見られる胚様体(embryoid body)(EB)の形成という結果となる(Itskovitz−Eldorら,(2000)Mol Med 6,88−95)。
(発明の要旨)
本発明は、ヒト胚性幹細胞からインビトロで生成したヒト胚性内皮細胞集団を使用する。これらの細胞は脈管形成能を有し得る。あるいは、またはさらに、これらの細胞は、PECAM1、GATA−2、N−カドヘリン、VE−カドヘリン、VWFおよびCD34のうちの1つ以上を発現する。これらの細胞は、ac−LDLを取り込み得る。1つの実施形態として、組織工学的構築物が、ヒト胚性内皮細胞を細胞支持基材と合わせることにより形成される。ポリマーマトリックスには、細胞支持基材を注入し得る。このポリマーマトリックスは、いかなる形、例えば粒子(particle)、管(tube)、スポンジ(sponge)、球(sphere)、ストランド(strand)、コイル型ストランド(coiled strand)、毛管ネットワーク(capillary network)、フィルム(film)、繊維(fiber)、網目(mesh)またはシート(sheet)の形状をとり得る。増殖因子が、ポリマーマトリックスに接着させ得るか、または細胞支持基材に合わされ得る。この細胞支持基材は、ゲルであり得、および液体キャリア(例えばリン酸緩衝化生理食塩水)と合わされ得る。このゲルは、MatrigelTMまたはコラーゲン−GAGゲルであり得る。あるいは、このゲルは、コラーゲンI、コラーゲンIV、ラミニン、フィブリン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、糖タンパク質、グリコアミノグリカン、プロテイナーゼ、コラゲナーゼ、走化性因子、増殖因子のうちの1つ以上を、含み得る。その組織工学的構築物において、さらなる細胞型が、ヒト胚性内皮細胞と合わされ得る。例えば、このような細胞は、筋肉細胞、神経細胞、結合組織細胞または幹細胞であり得る。細胞支持基材は、管、例えば、脱細胞化血管、合成ポリマー管またはコラーゲン管であり得、これらにおいて、細胞は、内側表面に配置される。
別の局面において、本発明は、脈管形成性ヒト細胞をインビトロで生成する方法を提供する。この方法は、ヒト胚性幹細胞集団の提供、培養幹細胞を含む胚様体の形成刺激するために、LIFおよびbFGFの両方の非存在下で幹細胞を培養する工程、およびこの胚様体からPECAM1陽性細胞を単離する工程を含む。単離工程は、胚様体を分離させて培養幹細胞を分離する工程、培養幹細胞を標識PECAM1抗体とともにインキュベートしてPECAM1+である培養胚細胞部分を区別する工程、およびPECAM1+細胞を残りの培養幹細胞から分離する工程を包含する。提供の工程には、ヒト胚性幹細胞集団を培地中で培養する工程、および、その幹細胞を少なくとも部分的に脱凝集する工程が、包含され得る。この方法により生成された脈管形成性ヒト細胞は、液性キャリア中で、または細胞支持基材上で、あるいはその混合物中で懸濁され得、動物内の組織に送達され得る。あるいはその脈管形成性細胞を、(細胞支持基材の存在下でも非存在下でも)マトリックスに細胞懸濁物を注入することにより、ポリマーマトリックス上に配置させ得る。この細胞懸濁物は、さらなる細胞型を含み得、あるいは、そのさらなる細胞型は、別々にポリマーマトリックスに添加され得る。このポリマーマトリックスは、組織部位に送達され得る。例えば、このポリマーマトリックスは、血管の外側の周囲に配置され得る。この細胞は、組織部位に送達される前に、細胞支持基材内でか、またはポリマーマトリックス上で増殖させられ得る。機械的力を、増殖中の細胞に与え得る。この機械的力は、周期的であり得る。任意の力、例えば、周応力、剪断応力、等方応力、圧縮応力および引張り応力、が適切である。この細胞は、いかなる型の組織、例えば、結合組織、筋肉組織、神経組織、または器官組織にも送達され得る。この細胞は、増殖中に血管構造を形成し得る。
本明細書中に示された数値には、利用可能な測定技術の精度と正確さの限界および計算過程での数の丸めによって境界が規定される、一定範囲の値が含まれる。
(特定の好ましい実施形態の詳細な説明)
ヒト胚性内皮細胞の単離は、虚血性組織の修復のための細胞移植および代用血管の組織工学を含む、潜在的な治療と関係がある。近年、このような適用のための成人の内皮前駆細胞の使用が、いくつかの研究により実証された(Kawamoto,2001;Kaushalら,(2001)Nat Med 7,1035−40)。これらの適用のための細胞の別の供給源は、胚性幹細胞であり、この細胞は、マウスの系で、脈管形成おいて内皮細胞に分化して血管構造を形成することが示された(Vittetら,(1996)Blood 88,3424−31)。分化中のマウス胚性幹細胞から単離された初期内皮前駆細胞は、造血細胞、内皮細胞および平滑筋細胞の3つの血管細胞成分を生じることが示された(Yamashitaら,(2000)Nature408,92−6)。それに加え、内皮前駆細胞および胚性内皮細胞が、新生児の心筋細胞と同時培養された場合、あるいは損傷を受けた心臓領域付近に注入した場合に、鼓動する心筋細胞へと分化し得ることが、最近示された(Condorelli,G.ら,(2001)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98,10733−10738)。胚性内皮細胞が、肝臓および膵臓の器官形成の最も初期の段階においても、重要な位置を占めていることが示された(Matsumoto,K.ら,(2001)Science 294,559−563;Lammert,E.ら,(2001)Science 294,564−567)。最初の毛細血管の形成は、大抵、内皮細胞が前駆細胞から生成される胚発生の初期段階の間に起こるので、単離されたヒト胚性内皮細胞、あるいは前駆細胞は、このような適用にとって重要であり得る(Flammeら,(1997)J Cell Physiol 173,206−10)。それゆえ、精製されたヒト胚性内皮細胞は、潜在的な臨床適用に加えて、ヒトの初期発生および胚性幹細胞からさまざまな組織への分化を研究するために重要であり得る。
胚性幹細胞から内皮細胞への分化および血管構造の形成は、成熟期、分子的事象および増殖因子の関与を含む、マウスの胚形成において広範囲にわたって研究されてきた(Keller,G.M.(1995)Curr Opin Cell Biol 7,862−9;Hirashimaら,(1999)Blood 93,1253−63)。しかしながら、実験細胞系が存在しなかったため、今日まで、ヒトにおけるこのような発生過程の研究は困難であった。ヒト胚芽細胞の内細胞塊から最近確立されたヒト胚性幹細胞株(hES)は、ヒトの胚発生でのこれらの現象を研究する唯一の系を提供する(Thomsonら,(1998)Science 282,1145−7)。ヒトES細胞は、分化が起こる場合、すべての胚性細胞系統を生成する潜在能力を有する。hESの分化は、この細胞を支持細胞層からはずし、懸濁増殖することにより、誘導され得る。この懸濁液中での分化は、細胞の凝集および、順調な分化の過程が見られる胚様体(EB)の形成という結果となる(Itskovitz−Eldorら,(2000)Mol Med 6,88−95)。
1つの実施形態では、本発明は、ヒト胚性内皮細胞の一集団である。該細胞は、ヒト胚性幹細胞をLIFおよびbFGFの非存在下で培養して、胚様体の形成刺激し、細胞集団の中からPECAM1陽性細胞を単離することにより産出され得る。本明細書中に記載の技術を使用して、本発明者らは、いくつかの内皮細胞特異的遺伝子の発現がEBの分化中に増加し、13〜15日目の間に最大値に到達すること、および、EB内において広範囲にわたる血管様構造が成長することを示す。本発明者らは、血小板内皮細胞接着分子−1(PECAM1)抗体を使用して、13〜15日目のEBからヒト胚性内皮細胞を単離し、その細胞のインビトロおよびインビボでの挙動を特徴付けた。
1つの実施形態では、本発明によって与えられる技術に従って生成された細胞は、PECAM1、転写因子GATA−2、N−カドヘリン、血管内皮カドヘリン、およびフォンビルブラント因子を発現する。例えば、少なくとも45%、さらなる例では55%、または65%が、これらのタンパク質のうち少なくとも一つを発現する。さらなる例では、この細胞のうち少なくとも75%、または少なくとも85%、あるいは少なくとも95%が、これらのタンパク質のうち一つ以上を発現し得る。あるいはそれに付け加えて、例えば少なくとも45%、少なくとも55%、あるいは少なくとも65%が、ac−LDL(アセチル化低密度リポタンパク質)を取り込み得る。さらなる例では、これらの細胞のうち少なくとも75%、少なくとも85%、あるいは少なくとも95%が、ac−LDLを取り込み得る。あるいはそれに付け加えて、例えばこれらの細胞のうち少なくとも10%、少なくとも12%、あるいは少なくとも14%が、CD34を発現し得る。さらなる例では、これらの細胞のうち少なくとも16%、少なくとも18%、あるいは少なくとも20%が、CD34を発現し得る。本明細書中で用いる場合、「発現」という用語は、細胞が特定の遺伝子のmRNA転写産物、あるいはその転写産物から翻訳されたタンパク質を生成することを指す。
これらの細胞は、細胞外マトリックス成分を含む細胞支持基材と合わされ得る。この基質は、ゲル(例えば、Becton−DickinsonのMatrigelTM)であり得る。MatrigelTMは、EHSマウス腫瘍から抽出した、可溶化基底膜マトリックスである(Kleinman,H.K.ら,Biochem.25:312,1986)。このマトリックスの主要成分は、ラミニン、コラーゲンI、エンタクチン、およびヘパラン硫酸プロテオグリカン(perlecan)である(Vukicevic,S.ら,Exp.Cell Res.202:1,1992)。MatrigelTMはまた、増殖因子、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP[コラゲナーゼ])、およびその他のプロテイナーゼ(プラスミノーゲン活性化因子[PA])を含む(Mackay,A.R.ら,BioTechniques 15:1048,1993)。このマトリックスはまた、いくつかの未同定の成分も含む(Kleinman,H.K.ら,Biochem.25:312、1986;McGuire,P.G.およびSeeds,N.W.,J.Cell.Biochem.40:215,1989)が、検出可能なレベルのメタロプロテイナーゼの組織インヒビター(TIMP)は少しも含まない(Mackay,1993)。
また別の実施形態では、そのゲルはコラーゲンIゲルであり得る。このようなゲルはまた、グリコサミノグリカン、フィブリン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、および糖タンパク質といった、その他の細胞外マトリックス成分も含み得る。このゲルはまた、コラーゲンIVおよびラミニンといった基底膜成分も含み得る。細胞が増殖因子および化学走化性因子といった改変因子に応答し得るように、プロテイナーゼおよびコラゲナーゼといった酵素を、このゲルに添加し得る。
この細胞は、ゲルと混合させるか、あるいは単純にPBSのような液体キャリアと混合させるかのいずれかで、脈管形成が所望される組織部位に直接注入され得る。例えば、これらの細胞は、心臓や他の筋肉内の虚血性組織に注入され得る。ここで、これらの細胞は、既在の心臓血管と吻合し、疾患組織に血液を供給する細管を組織化する。他の組織も同じ方法で脈管形成を成し得る。これらの細胞は、虚血性組織で新血管形成部位に取り込まれ、血管の成長と吻合を促進し得る(Kawamoto,2001を参照のこと)。本発明は、結合組織、筋肉組織、神経組織、および器官組織を含む全種類の組織に血管を形成させるために使用されることを意図する。非血管ネットワークは、肝臓や膵臓といった多くの器官で発見され得、本発明の技術は、このような組織の治癒を操作または促進するために使用され得る。例えば、肝臓に注入された胚性内皮細胞は、管状のネットワークへと成長し得、その周囲でネイティブの肝細胞が他の肝臓構造へと成長し得る。
胚性内皮細胞はまた、血管形成術後に心臓の脈管構造が治癒するのを補助するのに使用され得る。例えば、カテーテルは、血管形成術後またはステントの挿入前に胚性内皮細胞を血管の表面に送達するために、使用され得る。その代わりとして、ステントは、胚性内皮細胞と共に播種され得る。成人内皮細胞で処理された血管は、加速された再内皮化(re−endothelialization)を呈示し、損傷血管の再狭窄を防止する(Parikhら(2000)Advanced Drug Delivery Reviews,42,139−161)。別の実施形態では、胚性内皮細胞はポリマーシートに播種され、血管形成術またはステント挿入を施した血管の外側の周囲を覆い得る(Nugentら(2001)J.Surg.Res.,99,228−234)。これらの細胞はまた、マトリックス上に直接播種する代わりに、ゲルと混合され、ポリマーシートに注入され得る。
より堅い移植物が望ましい場合には、この細胞を、例えばスポンジといったポリマーマトリックス上に播種し得、これは、その後所望の組織部位に移植され得る。あるいは、この細胞をゲルと混合し得、その後これをマトリックスの内側と外側の表面に吸収させ、スポンジ状またはその他の多孔性マトリックスのいくつかの細孔に充填し得る。毛管力によって、ゲルを硬化する前にマトリックス上に保持するか、あるいはゲルがマトリックス上で硬化することが可能となって、より一層自立性が増すようになり得る。
望ましくは、ポリマーマトリックスは生分解性である。生分解性マトリックスとして適したものは、当該分野で周知であり、コラーゲン−GAG、コラーゲン、フィブリン、PLA、PGAおよびPLA−PGAコポリマーが挙げられる。さらなる生分解性物質には、ポリ(無水物)、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(プロピルフマレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリアミド、ポリアミノ酸、ポリアセタール、生分解性ポリシアノアクリレート、生分解性ポリウレタンおよびポリサッカライドが挙げられる。非生分解性ポリマーもまた、同様に使用され得る。非生分解性ながら生体適合性を有するその他のポリマーとしては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリスチレン、ポリエステル、非生分解性ポリウレタン、ポリウレア、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリカーボネートおよびポリ(エチレンオキシド)が挙げられる。当業者は、これが、組織操作適用に適したポリマーの、包括的ではなく、例示的な一覧であると認識する。
このマトリックスは、置換される細胞外マトリックスと同様の微細構造をもって形成されることが好ましい。周辺の組織からこのマトリックスにかけられた機械的力は、人工マトリックス上の細胞に影響を与え、適切な微細構造を有する細胞外マトリックスの再生を促進する。このマトリックスの架橋密度はまた、マトリックスの機械的特性および(分解性足場の)分解速度の両方を制御するように調節され得る。最終的な移植物の形状および大きさは、移植部位および組織型に適応するべきである。このマトリックスは、単純にこの細胞についての送達ビヒクルとして作用し得るか、あるいは構造的機能もしくは機械的機能を提供し得る。このマトリックスは、例えば、粒子、スポンジ、管、球、ストランド、コイル型ストランド、毛管ネットワーク、フィルム、繊維、網目またはシートといった、いかなる形状でも形成され得る。
PLA、PGAならびにPLA/PGAコポリマーは、生分解性マトリックスを形成するために特に有用である。PLAポリマーは、通常、乳酸の環状エステルから調製される。L(+)型およびD(−)型乳酸の両方とも、D(−)型およびL(+)型乳酸の光学的に不活性なDL−乳酸混合物と同じように、PLAポリマーの調製に用いられ得る。PGAは、グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)のホモポリマーである。グリコール酸からポリ(グリコール酸)への変換において、グリコール酸は、まず自身と反応して環状エステルグリコリドを形成し、これは、熱および触媒の存在下で、高分子量の直鎖状ポリマーに変換される。ポリエステルマトリックスの腐食は分子量に関係する。量平均分子量90,000以上の、比較的高い分子量では、長期間の構造的整合性を保持するポリマーマトリックスが得られるのに対し、量平均分子量が30,000以下の比較的低い分子量では、より遅い放出およびより短いマトリックスの寿命の両方という結果を招く。例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(50:50)は、移植後約6週間で分解される。
例示的な実施形態では、増殖因子あるいは走化性因子といったような細胞応答改変因子を、ポリマーマトリックスに添加し得る。このような改変因子、例えば血管内皮由来増殖因子は、胚性内皮細胞の分化を促進するために使用され得る。あるいは、この改変因子は、細胞をマトリックスに補充するため、あるいはマトリックスに補充された細胞における特定の代謝活性を促進、または阻害するために、選択され得る。例示的な増殖因子として、上皮増殖因子、骨形成タンパク質、TGFβ、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、TGFα、IGF−IおよびIGF−II、造血増殖因子、ヘパリン結合増殖因子、ペプチド増殖因子ならびに塩基性線維芽細胞増殖因子および酸性線維芽細胞増殖因子が挙げられる。いくつかの実施形態では、これは、神経成長因子(NGF)あるいは筋肉形成因子(muscle morphogenic factor)(MMP)のような増殖因子であり得る。使用される特定の増殖因子は、所望の細胞活性に適切でなければならない。大きなファミリーの増殖因子の調節的効果は、当該分野で周知である。
ゲルの存在下あるいは非存在下で、細胞を播種したポリマーマトリックスは、結合組織、筋肉組織、神経組織および器官組織を含むいかなる組織にも移植され得る。例えば、骨の欠損部位に配置された移植物は、周辺の骨から細胞を誘引し、この細胞は、細胞外マトリックスを生成し、一方で胚性内皮細胞は血管を形成する。新生骨への血液供給は、新しいECMが形成され石灰化されるにつれて提供される。皮膚欠損部位に配置された移植物は、真皮の形成を促進し、新生皮膚に栄養素を供給する血管ネットワークを提供する。
あるいは、これらの細胞は、管状基材上に播種され得る。例えば、このポリマーマトリックスは、管またはネットワークへと形成され得る。このような管は、天然のECM材料または合成ECM材料(例えば、PLAまたはコラーゲン)から形成され得るか、あるいは、天然の供給源、例えば細胞除去した管状移植片に由来し得る。この胚性内皮細胞は、管の内側を覆い、心臓バイパスに用い得る人工チャネルを形成する。加えて、胚性内皮細胞の使用は、移植後の血栓症を減少させ得る(Kaushall,2001を参照)。
これらの細胞は、動物に移植される前に、このポリマーマトリックス上、あるいは管状基材上で増殖させられ得る。増殖の間に、機械的力を、この移植物に加え、特定の細胞応答を刺激するかあるいは移植物が動物内でいずれ経験する機械的力を刺激し得る。例えば、培地を、拍動様式で(すなわち、周方向力)、あるいは管の内側を覆う細胞に剪断応力を加えるのに十分な速度で、管状基材中を循環させる(Niklason,1999;Kaushal,2001)。あるいは、等方応力あるいは圧縮力は、肝臓のような器官内に配置される移植物に付与され得るか、または、引張り応力は、張力を経験する組織において使用される移植物に付与され得る。
移植物に補充される細胞は、他の細胞型にもまた分化し得る。骨移植物の中に移動する骨細胞前駆体は、骨芽細胞へと分化し得る。血管に移動する間葉幹細胞は、筋肉細胞に分化し得る。肝臓で管状ネットワークを形成する内皮細胞は、肝臓組織の形成を誘導し得る。
別の実施形態では、胚性内皮細胞は、移植の前に別の細胞型と混合される。この細胞混合物は、培養培地のようなキャリア中で、あるいは上記のゲル中で懸濁され得る。あるいは、これらの細胞は、ポリマーマトリックス上に同時に播種され得るか、またはマトリックスに吸収されたゲルと合わされ得る。扱いにくいものの、一つの細胞型を直接マトリックス上に播種して、第二の細胞型を、ゲルを経由して添加することが望ましくあり得る。胚性内皮細胞と他の細胞型とは、いかなる比率でも使用され得る。当業者は、特定の適用に対してこの比率が容易に最適化され得ると認識する。他の細胞に対する胚性内皮細胞の例示的な比率は、少なくとも10%(例えば、1:9)、少なくとも25%、少なくとも50%(例えば、1:1)、少なくとも75%および、少なくとも90%である。より少ない比率、例えば10%未満もまた、使用され得る。
結合組織細胞、神経細胞、筋肉細胞、器官細胞あるいは他の幹細胞を含むいかなる細胞型も、胚性内皮細胞と合わされ得る。例えば、骨芽細胞は、胚性内皮細胞と合わされて、大きい欠損部位で骨とその脈管構造との同時生成を促進し得る。胚性内皮細胞と合わされて皮膚に挿入された線維芽細胞は、完全に血管が通った真皮を生成する。本発明の胚性内皮細胞と合わされ得る他の例示的な細胞としては、靭帯細胞、肺細胞、上皮細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、島細胞、神経細胞、肝細胞、腎臓細胞、膀胱細胞および骨形成細胞が挙げられる。
(材料および方法)
細胞培養。hES細胞(H9クローン)を、ES細胞用に最適化して改変したバージョンのダルベッコ改変イーグル培地である、KnockOut Medium(Gibco−BRL、Gaithersburg,MD)中で、マウス胚線維芽細胞(Cell Essential)上で増殖させた(Itskovitz−Eldorら,(2000)Mol.Med.6,88−95,この内容は、本明細書中に参考として援用されている)。ティッシュカバープレートを、0.1%ゼラチン(Sigma)で覆った。培養物を、5%COで増殖させ、1mg/ml IV型コラゲナーゼ(Gibco−BRL)で脱凝集させた後、5〜6日ごとにルーチン的に継代した。EBの形成を誘導するために、hESコロニーを、1mg/ml IV型コラゲナーゼまたはトリプシン/EDTA(0.1%/1mM)のどちらかを使用して消化し、ペトリ皿に移して凝集させ、プレートに接着しないようにした。ヒトEBを、LIFおよびbFGFを含まない同じ培養培地中で増殖させた。単離したPECAM1+細胞を、1%ゼラチンでコートしたプレート上で、内皮細胞増殖培地であるEGM−2(Clonetics)中で増殖させ、0.025%/0.01%のトリプシン/EDTA(Clonetics)を使用して継代した。HUVEC細胞(Clonetics)を、通常の組織培養プレート上にてEGM−2培地中で増殖させた。Matrigel分化アッセイには、コンフルエントな培養物からトリプシン処理により遊離させた細胞を、Matrigelでコートされた35mmプレート(BD Biosciences)上に、300μlの培養培地当たり1×10個の細胞濃度で播種した。37℃で30分のインキュベーションの後、1mlの培地を添加した。コード形成を、細胞播種の24時間後あるいは3日後に、位相差顕微鏡によって評価した。
(逆転写(RT)−PCR分析)
未分化のhESおよびEB由来の全RNAを、RNEasy Mini Kit(Qiagen)を使用して単離した。RT−PCR反応を、Qiagen OneStep RT−PCRキットを、10単位のRnaseインヒビター(Gibco−BRL)および40ngのRNAを加えて使用して行った。RT−PCRアッセイの半定量的結果を保証するために、各プライマーのセットについてのPCRサイクル数が、増幅の直線的範囲内であることを確認した。更に、すべてのRNAサンプルを、内部標準としてのGAPDHの等量の増幅が得られるように補正した。プライマー配列、反応条件および至適サイクル数は、以下の通りである:
Figure 2005521402
増幅産物を、エチジウムブロマイドを含む1.2%アガロースゲル(E−Gel,Invitrogen)上で分離した。各時点について、各バンドの平均画素強度を測定し、GAPDHバンドの平均画素強度に対して正規化した。その後、3回の実験の値を、平均し、標準偏差とともにグラフ化した。
(免疫化学的試薬および手順)
染色のために、EBを、ゼラチンでコートされたカバーガラスに、10%FBS含有培地とともに移した。カバーガラスに接着した後のEB、またはゼラチンでコートされたカバーガラス上で増殖した細胞を、−20℃にて5分間メタノールで、または室温にて3%パラホルムアルデヒドで固定し、関連する一次抗体(抗ヒトPECAM1抗体、抗ヒトビンキュリン抗体(Sigma)、抗ヒトフォンビルブラント因子(vWF)抗体(Dako)、精製モノクローナル抗N−カドヘリン抗体および精製モノクローナル抗ヒトVE−cad抗体(7B4))を用いて30分間染色した(Volkら,(1986)J Cell Biol 103,1451−64;Lampugnaniら,(1992)J Cell Biol 118,1511−22)。二次抗体は、Cy3標識化ヤギ抗マウスIgG抗体(Jackson Laboratories)およびAlexa Fluorヤギ抗ウサギIgG抗体(Molecular Probes)であった。いくつかの場合、細胞またはEBを、DAPIおよびFITC−ファロイジン(Sigma)を用いても染色した。間接的免疫標識の後、細胞を、Floromount−G(Southern Biotechnology)にマウントし、従来の蛍光顕微鏡(Nikon)またはZiess LSM510共焦点顕微鏡のいずれかを使用して試験した。
Dill標識化ac−LDLの取り込みのために、PECAM1+細胞およびコントロールPECAM−細胞を、10μg/mlのDill標識化ac−LDL(Biomedical Technologies Inc)とともに、37℃で4時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を、PBSで3回洗浄し、3%パラホルムアルデヒドで30分間固定して蛍光顕微鏡(Nikon)で可視化した。
免疫組織学のために、組織切片を、脱パラフィン化し、スナイパー(Biocare Medical)で5分間ブロックし、Vector ABCキットまたはARK(DAB)キットを使用して、上記抗体とともに2時間インキュベーションを行い染色した。使用する抗体として、抗ヒトPECAM1抗体、抗ヒトvWF抗体(DAKO)および抗ヒトCD34抗体(Lab Vision Corporation)が挙げられる。
(フローサイトメトリー)
PECAM1陽性細胞の単離のために、13日目のEBを、0.025%/0.01%のトリプシン/EDTAで解離させ、5%のFBSを含むPBSで洗浄し、氷上で蛍光標識したPECAM1抗体(PharMingen,30884X)とともに30分間インキュベートした。蛍光標識した細胞を、フローサイトメトリー細胞選別機(FACStar,Becton Dickinson)を使用して単離し、1%ゼラチンでコートされたプレートに、内皮細胞増殖培地(Clonetics)とともに移した。内皮細胞マーカーの分析のために、6回継代した培養物中で増殖させたPECAM1+細胞、およびHUVEC細胞を、細胞解離緩衝液(Gibco−BRL)を使用して解離させ、5%のFBSを含むPBSで洗浄した。これらの細胞を、アイソタイプコントロール(マウスIgG1 κ,PharMingen)または抗原特異的抗体(PECAM1−FITC(PharMingen)、CD34−FITC(Miltenyi Biotec,AC136)およびFlk−1/VEGFR−2−PE(ImClone Systems))のいずれかとともにインキュベートした。細胞を、ヨウ化プロピジウムを使用して、CELLQUESTソフトフェアとともにFACScan(Becton Dickinson)によって死細胞を排除することによって、生きたままで(固定せずに)分析した。
(電子顕微鏡検査法)
Matrigelでコートされた35mmプレートに播種された細胞を、0.1Mカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中にある2.5%グルタルアルデヒド、3%パラホルムアルデヒド、および7.5%スクロース中で1時間固定した後、ベロナール−酢酸緩衝液中の1%OsO中で1時間追加固定した。これらの細胞を、ベロナール−酢酸緩衝液(pH6.0)中の0.5%酢酸ウラニルで、ひとまとめにして一晩染色し、脱水してSpurrs樹脂に包埋した。切片は、Reichert Ultra cut E上で、ダイヤモンドナイフを使用して70nmの厚さで切った。切片を、Phillips EM410を使用して検査した。
(生分解性ポリマーマトリックス)
ポリ−L−乳酸(PLLA)およびポリ−乳酸−グリコール酸(poly lactic−co−glycolic acid)(PLGA)から構成される多孔性スポンジを、主として以前に記述されたように作成した(Mooneyら,(1997)J Biomed Mater Res 37,4130−20)。手短に言うと、1:1で、PLLA(Polysciences)およびPLGA(Boehringer Ingelheim)を、クロロホルムに溶解して5%ポリマー溶液(w/v)を得、この溶液の0.24mlを、0.4gの塩化ナトリウム粒子を充填した鋳型に流し込んだ。この溶媒を蒸発させ、このスポンジを引き続き蒸留水に8時間浸して(毎時交換する)塩を浸出させて、相互連結した細孔構造を創出させた。このスポンジは、平均250μmの孔径を有し、これを、0.5×4×5mmに切り出した。移植の前に、スポンジを、70%EtOHに一晩浸し、PBSで3回洗浄した。
(SCIDマウスへの移植)
PECAM1+細胞(1×10個)を、50μlの培養培地およびMatrigel(BD Biosciences)の1:1混合物中に再懸濁し、PLLA/PLGAポリマースポンジの中に吸収させた。37℃で30分インキュベーションして、Matrigelをゲル化させた後、細胞+足場を、4週齢SCIDマウス(CB.17.SCID Taconic)の背部に皮下移植した。移植から7日後または14日後に、この移植物を、回収し、4℃にて10%緩衝化ホルマリン中に一晩固定し、パラフィンに包埋し、組織学的実験のために切片化した。
(結果)
hEBの分化の間での内皮遺伝子の発現。ヒト胚性幹(hES)細胞から内皮細胞を単離するため、本発明者らは、初めに、hESの分化の間の内皮特異的な遺伝子とタンパク質の発現を分析することにより、血管形成能力を特徴付けた。H9 hES細胞から内皮細胞への自然発生的なインビトロでの分化について、未分化細胞を、マウス胚性線維芽細胞(MEF)支持細胞層から取り出し、EB形成の誘導のために白血病阻害因子(LIF)および塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を欠いている培養培地を含むペトリ皿に移し変えた後で、調査した(Thomsonら,(1998)Science 282,1145−1147)。分化過程の間の種々の時点で、培養されたhEBを、収集し、RNAを、RT−PCRを使用する内皮関連遺伝子発現の分析のために抽出した。分析した遺伝子としては、血小板内皮細胞接着分子1(PECAM1/CD31)、血管内皮カドヘリン(VE−cad)およびCD34のような内皮細胞接着分子;血管内皮増殖因子レセプター(Flk−1/KDR/VEGFR−2)およびTie−2のような増殖因子レセプター;転写因子GATA−2およびGATA−3;および、血管/造血幹細胞および前駆細胞の細胞表面マーカーである、AC133/CD133が挙げられる(DeLisserら,(1994)Immunol Today 15,490−5;Lampugnani(1992);Youngら,(1995)Blood 85,96−105;Yamaguchiら,(1993)Development 118,489−98;Satoら,(1993)Proc Natl Acad Sci USA 90,9355−8;Weissら,(1995)Exp Hematol 23,99−107;Peichevら,(2000)Blood 95,952−8)。
図1に示すように、PECAM1、VE−cadおよびCD34といった内皮マーカーのレベルが、EBの分化の間に増加し、13〜15日目に最大値に到達し、内皮細胞への分化過程を提示した。GATA−2は、より初期に発現し、18日目に向かって劇的に増加した。マウスの系とは異なり、VEGFレセプターFlk−1が、未分化細胞でも発現し(H1系統でKaufmanら(2001)によっても最近報告された)、分化の間に極めてわずかに増加する(Kaufmanら,(2001)Proc Natl Acad Sci USA 98,10716−21)。チロシンキナーゼレセプターTie−2および転写因子GATA−3もまた、hES細胞で発現し、その発現は、EBの分化の最初の6日の間に増加し、その後減少した(図1,AおよびB)。AC133は、未分化細胞および、分化EB細胞で、Flk−1と同様なパターンで発現する。Oct−4は、未分化細胞で発現することが知られており、そのレベルはコントロールとしての役割を提供した(Yeomら,(1996)Development 122,881−94)。Oct−4の発現は、0日目においてその細胞の未分化段階を示す。なぜなら、これは、これらの細胞で高レベルに発現するからである。Oct−4の発現は、引き続いて減少し、EBにおいて分化過程が進行していることを、提示する。ヒト臍静脈内皮(HUVEC)細胞を、様々なヒト内皮遺伝子の発現についてのポジティブコントロールとして使用した。MEF支持細胞層細胞を、ネガティブコントロールとして使用した。これは、試験したどのヒト特異的遺伝子も発現しなかった。これらのデータは、いくつかの内皮細胞遺伝子発現が、EBの分化の間で増加し、13〜15日目に最大値に達することを提示する(図1,AおよびB)。ある遺伝子は、未分化細胞において高レベル(Flk−1,AC133,Tie−2)または低レベル(GATA−3,CD34)のいずれかで発現し、別の遺伝子は、EBの形成および分化の後に顕著となった(PECAM1,VE−cad,GATA−2)(図1,AおよびB)。
分化中のhEBにおける血管様構造の形成。13日目のEBにおける内皮特異的タンパク質の分析により、すべてのEBは、PECAM1を発現する細胞の領域を規定したことが示された(図2C)。様々な内皮特異的タンパク質による、PECAM1+細胞のさらなる分析により、これらの細胞が、内皮様であり、細胞間接着部位においてPECAM1およびVE−cad接着分子を発現し、細胞質中にわたって分散している大顆粒においてフォンビルブラント因子(vWF)を発現することが、提示された(図2AおよびB)。これらのEBの中において、この内皮細胞は、単一の細胞としては見出されず、特異的なチャネル様構造に組織化されたグループの状態で見出され(図2DおよびE)、EBとして培養されたhES細胞が、内皮細胞および血管様構造へと自然に分化することが、示された。
この血管形成様の過程をさらに深く調査するために、種々の時点におけるEBを、PECAM1抗体で染色し、共焦点顕微鏡を使用して分析した。図3は、13日目まで引き続き起こる成熟段階の間に、毛細血管領域が、拡大したことを提示する。4日目に、PECAM1+細胞は、EBの中で低い割合で観察され、小さい細胞クラスターとして集約された(図3A)。6日目から、毛細血管に似た内皮構造のいくつかの発芽が、明確になった(図3B)。10日目からは、100%のEBが、ネットワーク様の毛細血管構造の拡張された領域を含んだ(図3C)。この陽性領域は、13日目でより大きく、このネットワーク構造は、より複雑になった(図3D)。EBの中における細胞分化および広範囲な血管類似構造の発達のタイムコースは、PECAM1、VE−cad、CD34といった内皮遺伝子のRNAレベルの、13〜15日の間に最大値に到達する、引き続き起こる増加を提示するRT−PCR分析と、相関する(図1)。
hEB由来の内皮細胞。内皮遺伝子およびタンパク質発現の分析に基づき、本発明者らは、ヒト胚性内皮細胞を単離する方法および時点を、決定した。本発明者らは、この単離のために、PECAM1に対する抗体を使用することを決定した。なぜなら、PECAM1は、マウス胚性内皮細胞の決定的なマーカーとして示されてきており、ヒトEBにおいては、VE−cadおよびvWFの発現と相関して血管様構造で発現し(図2および3)、このことは、PECAM1が、ヒト胚性内皮細胞に対するマーカーとしても、同様に役立ち得ることを示唆することからである(Vecchiら,(1994)Eur J Cell Biol 63,247−54)。13日目のEBを、解離させ、蛍光標識化抗PECAM1抗体で染色し、PECAM1+細胞(2%)を、フローサイトメトリーを使用して分別した(図4A)。培養物中で増殖するPECAM1+細胞の内皮様表現型を確認するため、本発明者らは、これらの細胞を、内皮細胞マーカーの発現についてアッセイした。単離したPECAM1+細胞(培養物中で数回の継代後)およびHUVEC細胞を、蛍光標識化抗体とともにインキュベートし、FACSにより分析した。図4Bは、単離したPECAM1+細胞におけるCD34およびFlk−1の発現プロファイルが、HUVEC細胞と同様であることを示す。PECAM1の発現もまた、匹敵したものであるが、HUVEC細胞(98%)において、PECAM1+単離細胞(78%)に比べて高い発現を示す。FACS分析に加え、本発明者らは、免疫蛍光顕微鏡法により、接着分子の分布について調査した。PECAM1+細胞は、内皮接合部の正確な組織化を提示すると見られる;N−カドヘリンおよび内皮特異的VE−カドヘリンは、アクチンミクロファイバー系との相互作用によって特徴付けられた部類の細胞接着(Ayalonら,(1994)J Cell Biol 126,247−58)である、接着型接合部に分布する(図5CおよびD)。アクチンストレスファイバーは、ビンキュリンを用いる二重染色により観察された場合、細胞全体、ならびに細胞間接着接合の末端およびフォーカルコンタクトの末端の両方で見出される(図5E)。緊密な接合の構成要素である、PECAM1は、細胞間裂溝に分布し、内皮マーカーvWFは、細胞質で高く発現する(図5AおよびB)。
ac−LDLの取り込みは、内皮細胞を特徴付けるのに使用されてきた(Voytaら,(1984)J Cell Biol 99,2034−40)。胚由来のPECAM1+細胞が、ac−LDLを取り込み得るかどうかを評価するため、細胞を、Dill−Ac−LDLとともにインキュベートし、引き続いて蛍光顕微鏡で検査した。図5Fに示すように、胚由来のPECAM1+細胞は、明るく蛍光を発した一方、PECAM1−細胞の蛍光強度は、バックグラウンドレベルであった。
ヒト胚のPECAM1+細胞の特徴または、内皮細胞の分化を促進するのに使用され得る細胞外マトリックス基底膜である、マトリゲル中での培養によっても評価した(Grantら,(1991)In Vitro Cell Dev Biol 27A,327−36)。PECAM1+細胞を、マトリゲル上で培養した時、これらの細胞は、数日培養物中で維持された時に、自然に紐様構造物を再構成し得た(図5GおよびH)。コードの断面の電子顕微鏡分析により、このコードは、管腔を有することが示され(図5I〜J)、このことは、これらの細胞は、適切な条件下で分化し管様構造を形成する能力を有することを示唆する。
PECAM+細胞のSCIDマウスへの移植。hES由来内皮細胞の治療能力を分析するため、本発明者らは、これらの細胞のインビトロでの挙動を調査した。これらの細胞を、組織操作のための足場として通常使用される、高多孔性のPLLA/PLGA生分解性ポリマー足場に、播種した(Putnamら,(1996)Nat Med 2,824−6)。胚由来のPECAM+細胞を播種したスポンジを、SCIDマウスの皮下組織に移植した。移植物回収時には(14日目)、感染の徴候は、まったく検出されず、炎症は最小限だった。少なくとも7日間マウス中で維持された移植物は、マウスの血管が満たされた線維質の結合組織によって、包囲されるようになった。ヒト特異的でかつマウスの微小血管と反応しない抗体を使用する組織学的試験により、ヒトPECAM1およびCD34と免疫反応性である微小血管が、示される(図6,A〜E)。これらのヒト陽性血管のうちのいくつかは、管腔にマウス血球を有した。このことは、微小血管が形成され、マウスの脈管構造と吻合し、機能的な血液輸送微小血管になったことを示唆した。
(考察)
この調査により、ヒトES細胞は、EBを形成するように誘導された時に、自然に内皮細胞系統に分化し得、最終的に、血管構造を形成することが示される。本発明者らのデータは、EBの分化の間でいくつかの内皮細胞遺伝子の発現が増加し、13〜15日目に最大値に達することを提示する。未分化細胞で高レベル(Flk−1,AC133,Tie−2)または低レベル(GATA−3,CD34)のいずれかで発現する遺伝子があり、一方で、EBの形成および分化の後に顕著となる遺伝子(PECAM1,VE−cad,GATA−2)もあった。マウスでは、これらの遺伝子は、ESでは発現せず(あるいはきわめて低いレベルで発現し、EBが形成される1日目までに、消滅する(PECAM1,Tie−2))、3日目付近およびそれ以降にだけ出現し始める。(Flk−1は2〜3日目、PECAMおよびTie−2は4日目、VE−cadおよびTie−1は5日目)(Vittet(1996);Robertsonら,(2000)Development 127,2447−59)。マウスおよびヒトのES細胞は、形態、集団倍加時間および増殖因子要求性において異なる。例えば、未分化のマウス細胞は、LIFのような増殖因子を、培地に添加すれば、細胞支持層と無関係に未分化細胞として維持し得る(Matsudaら,(1999)Embo J 18,4261−9)。しかしながら、ヒト細胞は、LIF存在下であってさえ、細胞支持層非存在下増殖させると、あるいは、細胞支持層馴化培地なしで増殖させると、分化する(Thompson(1998);Xuら,(2001)Nat Biotechnol 19,971−4)。このように、LIFおよびLIF除去に対する応答の、マウスES細胞とヒトES細胞間で異なる機構は、細胞の未分化段階から分化した段階への移行において観察される遺伝子発現パターンにおける相違に、影響を与え得る。未分化hES細胞における内皮マーカーの遺伝子発現は、いくつかの細胞による、hES細胞の未分化段階からの「逃避」に関連し得るか、あるいは、現時点の培養条件で保った未分化段階のES細胞の種々の基本的な定義(遺伝子発現に関する)に起因し得ることが可能である。しかし、初期のヒトとマウスとの間の発生における顕著な相違、およびマウスES細胞とヒトES細胞との挙動の相違に起因して、ここに示されたヒト内皮遺伝子発現のパターンは、胚での内皮分化の機構における相違を示し得る。本発明者らの予備段階の結果は、マウスEBで内皮分化を誘導することが知られている増殖因子カクテル(bFGFおよびVEGFを含む)が、hEBに対しては同様の効果がないことを示し(データは示さず)、このことは、この過程の基礎となる分子機構の、この二つの系の間にある潜在的な相違を再び指し示し、ヒトの系を使用して発生過程を分析する必要性を強調する。
発生中の血管用構造の構築は、細胞が、内皮マーカーの組を獲得するとすぐに、EBの成長の間に観察され得る。このデータはまた、EBの毛細血管領域が、引き続き起こる成熟段階の間に13日目まで、細胞クラスターから始まって増大し、その細胞クラスターは、後に毛細管様構造へと発芽し、最終的にネットワーク様配置を形成するようになることも、示す。EB分化の間のPECAM1遺伝子、CD34遺伝子、VE−cad遺伝子およびGATA−2遺伝子のRNA発現の増加は、分化中のEBの抗体染色によって提示されるように、PECAM1タンパク質およびVE−cadタンパク質を発現する内皮細胞の観察される数の増加と、相関関係を有する(図2および3)。抗体染色はまた、成熟の異なる段階で、大部分のマーカーが、同じ細胞で共発現すると見受けられることを示す。これらのデータは、ヒトES細胞が、マウスES細胞と同様に、自然に分化して、胚の血管新生に似たパターンで血管様構造をインビトロで組織化し得ることを、初めて示す。
本研究では、本発明者らは、インビトロで分化させたhES細胞由来の内皮細胞を、単離し、培養物として維持した。PECAM1抗体が、マウスの系で内皮細胞の単離のために使用されてきた(Balconiら,(2000)Arterioscler Thromb Vasc Biol 20,1443−51)。ESから内皮細胞の純粋な培養物を得るこの手順により、本発明者らは、内皮の特徴を失うことなく培養物として培養し得る多数のヒト胚性内皮細胞を、培養することが可能となった。
本発明の他の実施形態は、本明細書または本明細書中に開示された本発明の実施を考慮すれば、当業者には明らかとなる。本明細書および実施例は、例示的であるとしてだけ考慮されることを意図し、本発明の真の範囲および精神は、上記の特許請求の範囲により示される。
本特許の書面には色付きで描かれた図面が少なくとも一つ含まれている。色付きの図面を含む本特許の複写物は、要請があれば有料で特許庁によって提供される。
本発明は、添付のいくつかの図面を参照して記述される。
図1は、RT−PCR分析によるhES由来EBでの内皮性遺伝子の発現を示す。(A)RNAを、未分化hES細胞およびhEBから分化段階の種々の時点(日)で単離し、RT−PCR分析に供した。陰性コントロール(鋳型なし(N.T.)およびMEF)、およびHUVEC陽性コントロール(HUV)を右側に示す。(B)遺伝子発現の定量的分析。相対的画素強度が遺伝子発現レベルに相当する;各時点で各バンドの平均画素強度を測定し、GAPDHバンドの平均画素強度で標準化した。示される結果は、3回の異なる実験の平均値±標準偏差である。 図2は、hEB内の血管様構造における内皮細胞マーカーの発現を示す。(A)ヒトPECAM1抗体(赤)、フォンビルブラント因子抗体(緑)、および核染色のためのDAPI(青)で染色した、13日目のEB。PECAM1は細胞間接合部に組織化される一方、VWFは細胞質の細胞小器官に見られる。(B)ヒトVE−カドヘリン抗体(赤)およびDAPI(青)で染色したEB細胞。(原図は1000倍拡大)。(C)PECAM1抗体で染色したEBの低倍率拡大図(100倍拡大)。(D)伸長したクラスターに組織化されたEBの一部におけるPECAM1陽性細胞(赤)の領域。細胞核をDAPIで染色(青)した。(原図は400倍拡大)。(E)13日経過したEB内でチャンネルを形成しているPECAM1陽性細胞(原図は200倍拡大)。 図3は、PECAM1について染色されたEBの共焦点顕微鏡像を示す。これは、血管様チャンネルといった三次元ネットワーク形成を示している。(A)4日経過したEB、(B)6日経過したEB、(C)10日経過したEB、(D)13日経過したEB。10日から13日経過したEBではっきりとした複雑な血管ネットワークが発達したことに注目されたい。(原図は100倍拡大)。 図4は、蛍光標識化抗PECAM1抗体を用いた、ヒト胚様体からの内皮細胞の単離および分別した細胞の分析を示す。(A)13日経過のEBを、解離させてPECAM1抗体とともにインキュベートした。フローサイトメトリー細胞選別機を用いて、蛍光標識された細胞を単離した。(B)6回継代した培養物中で増殖するPECAM1+細胞、およびHUVEC細胞における内皮細胞マーカーのフローサイトメトリー分析。これらの細胞を、解離させて、アイソタイプコントロール(破線)または示されるような抗原特異的抗体(実線)のいずれかとともにインキュベートした。陽性細胞の割合を示す。 図5は、培養物中で増殖するhES由来内皮細胞の特徴付けを示す。(A)細胞間接合部でのPECAM1(赤)および細胞質でのvWF(緑)の免疫蛍光染色。核はDAPI(青)で染色される。(B)はPECAM1について染色された細胞の低倍率拡大図(200倍)を示す。細胞間接着接合における(C)N−カドヘリン染色および(D)VE−カドヘリン染色。(E)Vinculin(赤)およびActin(緑)についての二重染色。Vinculinはアクチンストレスファイバーの末端が結合しているフォーカルコンタクトおよび細胞間接着接合の両方において見出される。(原図は、AおよびC〜Eについて1000倍拡大)(F)PECAM1+細胞によるDill標識化ac−LDLの取り込み。(G−H)Matrigelに細胞を播種してから24時間後(G)または3日後(H)のPECAM1+細胞によるコードの形成。(原図は、Gが100倍拡大、Hが200倍拡大)。(I)管腔の形成が示されるコードの断面の電子顕微鏡検査(縮尺棒は2μm)ならびに(J)一個の細胞の管腔(lu)および核(n)を近接させる細胞間相互作用を示す管腔の高拡大(縮尺棒は8μm)。 図6は、胚性内皮細胞(PECAM1+)のSCIDマウスへの移植を示す。材料および方法に記された通りに、PECAM1+細胞をPLLA/PLGAポリマー製の足場に播種した。この細胞+足場を、生後4週間のSCIDマウスの背部に皮下移植した。(A−C)移植7日目の抗ヒトPECAM1抗体による免疫ペルオキシダーゼ染色(茶色)および(D−E)移植14日目の抗ヒトCD34抗体による免疫ペルオキシダーゼ染色は、これらのヒト特異的抗体に免疫反応性である微小血管を示す。これらのヒト抗原陽性の微小血管のうちいくつかは、管腔にマウスの血球を有する。(原図は400倍拡大)。

Claims (101)

  1. ヒト胚性幹細胞からインビトロで生成された胚性内皮細胞集団。
  2. 前記胚性内皮細胞が脈管形成能を有する、請求項1に記載の集団。
  3. 前記胚性内皮細胞の少なくとも45%が、血小板内皮細胞接着分子1(PECAM1)、GATA−2、N−カドヘリン(N−cad)、血管内皮N−カドヘリン(VE−cad)およびフォンビルブラント因子(vWF)のうちの一要素以上を発現する、請求項1に記載の集団。
  4. 前記胚性内皮細胞の少なくとも55%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項3に記載の集団。
  5. 前記胚性内皮細胞の少なくとも65%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項4に記載の集団。
  6. 前記胚性内皮細胞の少なくとも75%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項5に記載の集団。
  7. 前記胚性内皮細胞の少なくとも85%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項6に記載の集団。
  8. 前記胚性内皮細胞の少なくとも95%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項7に記載の集団。
  9. 前記胚性内皮細胞の少なくとも45%が、ac−LDLを取り込む、請求項1に記載の集団。
  10. 前記胚性内皮細胞の少なくとも55%が、ac−LDLを取り込む、請求項9に記載の集団。
  11. 前記胚性内皮細胞の少なくとも65%が、ac−LDLを取り込む、請求項10に記載の集団。
  12. 前記胚性内皮細胞の少なくとも75%が、ac−LDLを取り込む、請求項11に記載の集団。
  13. 前記胚性内皮細胞の少なくとも85%が、ac−LDLを取り込む、請求項12に記載の集団。
  14. 前記胚性内皮細胞の少なくとも95%が、ac−LDLを取り込む、請求項13に記載の集団。
  15. 前記胚性内皮細胞の少なくとも10%が、CD34を発現する、請求項1に記載の集団。
  16. 前記胚性内皮細胞の少なくとも12%が、CD34を発現する、請求項15に記載の集団。
  17. 前記胚性内皮細胞の少なくとも14%が、CD34を発現する、請求項16に記載の集団。
  18. 前記胚性内皮細胞の少なくとも16%が、CD34を発現する、請求項17に記載の集団。
  19. 前記胚性内皮細胞の少なくとも18%が、CD34を発現する、請求項18に記載の集団。
  20. 前記胚性内皮細胞の少なくとも20%が、CD34を発現する、請求項19に記載の集団。
  21. 組織工学構築物であって、
    細胞支持基材;および
    該細胞支持基材により支持されたヒト胚性内皮細胞、
    を備える、組織工学構築物。
  22. 前記ヒト胚性内皮細胞が脈管形成能を有する、請求項21に記載の組織工学構築物。
  23. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも45%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項21に記載の組織工学構築物。
  24. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも55%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項23に記載の組織工学構築物。
  25. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも65%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項24に記載の組織工学構築物。
  26. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも75%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項25に記載の組織工学構築物。
  27. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも85%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項26に記載の組織工学構築物。
  28. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも95%が、PECAM1、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一要素以上を発現する、請求項27に記載の組織工学構築物。
  29. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも10%が、CD34を発現する、請求項21に記載の組織工学構築物。
  30. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも12%が、CD34を発現する、請求項29に記載の組織工学構築物。
  31. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも14%が、CD34を発現する、請求項30に記載の組織工学構築物。
  32. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも16%が、CD34を発現する、請求項31に記載の組織工学構築物。
  33. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも18%が、CD34を発現する、請求項32に記載の組織工学構築物。
  34. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも45%が、ac−LDLを取り込む、請求項21に記載の組織工学構築物。
  35. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも55%が、ac−LDLを取り込む、請求項34に記載の組織工学構築物。
  36. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも65%が、ac−LDLを取り込む、請求項35に記載の組織工学構築物。
  37. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも75%が、ac−LDLを取り込む、請求項36に記載の組織工学構築物。
  38. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも85%が、ac−LDLを取り込む、請求項37に記載の組織工学構築物。
  39. 前記ヒト胚性内皮細胞の少なくとも95%が、ac−LDLを取り込む、請求項38に記載の組織工学構築物。
  40. 前記細胞支持基材を注入されたポリマーマトリックスをさらに含む、請求項21に記載の組織工学構築物。
  41. 前記ポリマーマトリックスが、ポリ(グリコール酸)、コラーゲン−グリコサミノグリカン、コラーゲン、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(無水物)、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(プロピルフマレート)、ポリサッカライド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(カーボネート)およびこれらの任意の組み合わせを含む、請求項40に記載の組織工学構築物。
  42. 前記ポリマーマトリックスが、粒子、管、スポンジ、球、ストランド、コイル型ストランド、毛管ネットワーク、フィルム、繊維、網目およびシートから選択された形状を有する、請求項40に記載の組織工学構築物。
  43. 前記ポリマーマトリックスが、共有結合性相互作用および非共有結合性相互作用のうちの一要素によって該ポリマーと結合した増殖因子を含む、請求項40に記載の組織工学構築物。
  44. 前記細胞支持基材が、ゲルを含む、請求項21に記載の組織工学構築物。
  45. 前記ゲルが、MATRIGELTMおよびコラーゲン−GAGのうちの一要素以上を含む、請求項44に記載の組織工学構築物。
  46. 前記ゲルが、コラーゲンI,コラーゲンIV、ラミニン、フィブリン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、糖タンパク質、グリコアミノグリカン、プロテイナーゼ、コラゲナーゼ、走化性因子、増殖因子および上記の任意の組み合わせからなる群のうちの一要素をさらに含む、請求項44に記載の組織工学構築物。
  47. 前記細胞支持基材と混合した液体キャリアをさらに含む、請求項21に記載の組織工学構築物。
  48. 少なくとも一種類のさらなる細胞型をさらに含む、請求項21に記載の組織工学構築物。
  49. 前記胚性内皮細胞と前記さらなる細胞型との間の比が、少なくとも1:9である、請求項48に記載の組織工学構築物。
  50. 前記胚性内皮細胞と前記さらなる細胞型との間の比が、少なくとも2.5:7.5である、請求項49に記載の組織工学構築物。
  51. 前記胚性内皮細胞と前記さらなる細胞型との間の比が、少なくとも1:1である、請求項50に記載の組織工学構築物。
  52. 前記胚性内皮細胞と前記さらなる細胞型との間の比が、少なくとも7.5:2.5である、請求項51に記載の組織工学構築物。
  53. 前記胚性内皮細胞と前記さらなる細胞型との間の比が、少なくとも9:1である、請求項52に記載の組織工学構築物。
  54. 前記さらなる細胞型と前記胚性内皮細胞との間の比が、少なくとも9:1である、請求項48に記載の組織工学構築物。
  55. 前記さらなる細胞型が、筋肉細胞、神経細胞、結合組織細胞または幹細胞から選択される、請求項48に記載の組織工学構築物。
  56. 前記細胞支持基材が、管であり、かつ前記胚性内皮細胞が、該管の内側表面に配置される、請求項21に記載の組織工学構築物。
  57. 前記管が、脱細胞化血管、合成ポリマー管およびコラーゲン管のうちの一要素である、請求項56に記載の組織工学構築物。
  58. 脈管形成能を有するヒト細胞をインビトロで生成する方法であって、
    ヒト胚性幹細胞集団を提供する工程;
    LIFおよびbFGFの非存在下で該幹細胞を培養して、該培養幹細胞を含む胚様体の形成を刺激する工程;および
    該胚様体からPECAM1陽性細胞を単離する工程、
    を包含する、方法。
  59. 前記単離する工程が、
    前記胚様体を解離させて、前記培養幹細胞を分離する工程;
    該培養幹細胞を標識化PECAM1抗体とともにインキュベートして、該培養幹細胞のPECAM1+である部分を区別する工程;および
    該PECAM1+細胞を残りの該培養幹細胞から分離する工程、
    を包含する、請求項58に記載の方法。
  60. 前記標識が、磁性成分および蛍光成分のうちの一要素である、請求項59に記載の方法。
  61. 前記提供する工程が、
    ヒト胚性幹細胞集団を培養培地でインキュベートする工程;および
    該培養幹細胞を少なくとも部分的に脱凝集する工程、
    を包含する、請求項58に記載の方法。
  62. インビボで脈管形成を刺激する方法であって、
    請求項58に記載の方法を実施する工程;
    前記単離されたPECAM1+細胞を、液体キャリア、細胞支持基材およびその両方の混合物のうちの一要素の中で懸濁する工程;ならびに
    該細胞懸濁物を動物中の組織へ送達する工程、
    を包含する、方法。
  63. 挿入工程の前に、ポリマーマトリックスに前記細胞懸濁物を注入する工程をさらに包含し、該挿入工程は、該ポリマーマトリックスを動物の中へ移植する工程を包含する、請求項62に記載の方法。
  64. 前記細胞支持基材が、ゲルを含む、請求項62または63に記載の方法。
  65. 前記ゲルが、MATRIGELTMおよびコラーゲン−GAGのうちの一つ以上を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記ゲルが、コラーゲンI,コラーゲンIV、ラミニン、フィブリン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、糖タンパク質、グリコアミノグリカン、プロテイナーゼ、コラゲナーゼ、走化性因子、増殖因子および上記の任意の組み合わせからなる群のうちの一要素をさらに含む、請求項64に記載の方法。
  67. 前記ゲルが硬化するのを可能にする工程をさらに包含する、請求項64に記載の方法。
  68. 前記ポリマーマトリックスが、粒子、管、スポンジ、球、ストランド、コイル型ストランド、毛管ネットワーク、フィルム、繊維、網目およびシートから選択された形状を有する、請求項63に記載の方法。
  69. 前記送達工程が、前記ポリマーマトリックスを血管の外側の周囲に配置する工程を包含する、請求項63に記載の方法。
  70. 前記ポリマーマトリックスが、増殖因子を含む、請求項63に記載の方法。
  71. 前記増殖因子が、上皮増殖因子、骨形成タンパク質、TGFβ、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、TGFα、IGF−IおよびIGF−II、造血増殖因子、ヘパリン結合増殖因子、ペプチド増殖因子ならびに塩基性線維芽細胞増殖因子および酸性線維芽細胞増殖因子、神経成長因子(NGF)、血管内皮由来増殖因子(VEGF)ならびに筋肉形成因子(MMP)から選択される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記細胞懸濁物を管の内側の表面に配置する工程をさらに包含する、請求項62に記載の方法。
  73. 前記管が、コラーゲン管、合成ポリマー管および脱細胞化血管のうちの一要素から選択される、請求項72に記載の方法。
  74. 前記送達工程の前に前記細胞が増殖するのを可能にする工程をさらに包含する、請求項63または73に記載の方法。
  75. 前記可能にする工程の間に前記細胞が血管構造を形成する工程を可能にする工程をさらに包含する、請求項74に記載の方法。
  76. 前記可能にする工程の間に前記細胞に機械的力を加える工程をさらに包含する、請求項74に記載の方法。
  77. 前記機械的力が周期的である、請求項76に記載の方法。
  78. 前記機械的力が、周応力、剪断応力、等方応力、圧縮応力および引張り応力からなる群より選択される、請求項76に記載の方法。
  79. 前記組織が虚血性である、請求項62に記載の方法。
  80. 前記組織が、結合組織、筋肉組織、神経組織および器官組織からなる群より選択される、請求項62に記載の方法。
  81. 前記送達工程が、前記細胞を血管の内側表面に配置する工程を包含する、請求項62に記載の方法。
  82. 前記細胞支持マトリックスが、増殖因子を含む、請求項62に記載の方法。
  83. 前記増殖因子が、上皮増殖因子、骨形成タンパク質、TGFβ、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、TGFα、IGF−IおよびIGF−II、造血増殖因子、ヘパリン結合増殖因子、ペプチド増殖因子ならびに塩基性線維芽細胞増殖因子および酸性線維芽細胞増殖因子、神経成長因子(NGF)、血管内皮由来増殖因子(VEGF)あるいは筋肉形成因子(MMP)から選択される、請求項82に記載の方法。
  84. 前記胚性内皮細胞にさらなる細胞型を合わせる工程を、さらに包含する、請求項62に記載の方法。
  85. 前記さらなる細胞型と前記胚性内皮細胞との比が、1:9と9:1との間にある、請求項84に記載の方法。
  86. 前記さらなる細胞型と前記胚性内皮細胞との比が、9:1より大きい、請求項84に記載の方法。
  87. 前記胚性内皮細胞の、前記さらなる細胞型に対する比が、9:1より大きい、請求項84に記載の方法。
  88. 前記細胞が、結合組織細胞、神経細胞、器官細胞、筋肉細胞、および幹細胞から選択される、請求項84に記載の方法。
  89. 血管構造を生成する方法であって、
    請求項58に記載の方法を実施する工程;
    前記単離されたPECAM1+細胞を、液体キャリア、細胞支持基材およびその両方の混合物のうちの一要素の中に懸濁する工程;
    ポリマーマトリックスに前記細胞懸濁物を注入する工程;および
    該PECAM+細胞が、該ポリマーマトリックス上で増殖するのを可能にする工程、
    を包含する、方法。
  90. 前記ポリマーマトリックスが、粒子、管、スポンジ、球、ストランド、コイル型ストランド、毛管ネットワーク、フィルム、繊維、網目およびシートから選択された形状を有する、請求項89に記載の方法。
  91. 前記細胞支持基材が、ゲルを含む、請求項89に記載の方法。
  92. 前記ゲルが、MATRIGELTMおよびコラーゲン−GAGのうちの一つ以上を含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記ゲルが、コラーゲンI,コラーゲンIV、ラミニン、フィブリン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、糖タンパク質、グリコアミノグリカン、プロテイナーゼ、コラゲナーゼ、走化性因子、増殖因子および上記の任意の組み合わせからなる群のうちの一要素をさらに含む、請求項92に記載の方法。
  94. 前記ゲルが硬化するのを可能にする工程をさらに包含する、請求項91に記載の方法。
  95. 前記可能にする工程の間に前記マトリックスに機械的力を加える工程をさらに包含する、請求項89に記載の方法。
  96. 前記機械的力が周期的である、請求項95に記載の方法。
  97. 前記機械的力が、周応力、剪断応力、等方応力、圧縮力および引張り応力からなる群より選択される、請求項95に記載の方法。
  98. 脈管形成能を有するヒト細胞をインビトロで生成する方法であって、
    ヒト胚性幹細胞集団を提供する工程;
    LIFおよびbFGFの非存在下で該幹細胞を培養して、該培養幹細胞を含む胚様体の形成を刺激する工程;ならびに
    該胚様体から、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一つ以上について陽性である細胞を単離する工程、
    を包含する、方法。
  99. 前記単離する工程が、
    前記胚様体を解離させて、前記培養幹細胞を分離する工程;
    前記培養幹細胞を、GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一つ以上に対する標識化抗体とともにインキュベートする工程;ならびに
    GATA−2、N−cad、VE−cadおよびvWFのうちの一つ以上を発現する細胞を残りの該培養幹細胞から分離する工程、
    を包含する、請求項98に記載の方法。
  100. インビボで脈管形成を刺激する方法であって、
    請求項98に記載の方法を実施する工程;
    前記単離された細胞を、液体キャリア、細胞支持基材およびその両方の混合物のうちの一要素の中で懸濁する工程;ならびに
    該細胞懸濁物を動物中の組織へ送達する工程、
    を包含する、方法。
  101. 血管構造を生成する方法であって、
    請求項97に記載の方法を実施する工程;
    前記単離された細胞を、液体キャリア、細胞支持基材およびその両方の混合物のうちの一要素の中で懸濁する工程;
    ポリマーマトリックスに該細胞懸濁物を注入する工程;ならびに
    該単離された細胞が該ポリマーマトリックス上で増殖するのを可能にする工程、
    を包含する、方法。
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