JP2005507413A6 - EP2−受容体作用薬としてのω−シクロアルキル17−ヘテロアリールプロスタグランジンE2類似物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、一般的には、EP2作用薬としての、特に眼圧降下剤としてのE−タイプのプロスタグランジンの誘導体の使用に関する。本発明に従って使用するPGE誘導体は以下の式Iにより表される。
【化1】
(式中、斜線のセグメントはα結合を表し、塗りつぶした三角はβ結合を表し、波線のセグメントはα又はβ結合を表し、点線は二重結合又は単結合を表し、R3はヘテロアリール又は置換へテロアリール基であり、R1及びR2は独立して水素又は6個までの炭素原子を有する低級アルキル基、又は6個までの炭素原子を有する低級アシル基からなる群から選択され、RはCO2R4、CONR4 2、CH2OR4、CONR4SO2R4、P(O)(OR4)及び
【化2】
からなる群から選択され、R4はH、フェニル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキルからなる群から選択され、かつnは0又は1乃至4の整数である。)
【化1】
(式中、斜線のセグメントはα結合を表し、塗りつぶした三角はβ結合を表し、波線のセグメントはα又はβ結合を表し、点線は二重結合又は単結合を表し、R3はヘテロアリール又は置換へテロアリール基であり、R1及びR2は独立して水素又は6個までの炭素原子を有する低級アルキル基、又は6個までの炭素原子を有する低級アシル基からなる群から選択され、RはCO2R4、CONR4 2、CH2OR4、CONR4SO2R4、P(O)(OR4)及び
【化2】
からなる群から選択され、R4はH、フェニル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキルからなる群から選択され、かつnは0又は1乃至4の整数である。)
Description
【0001】
1.発明の分野
本発明は、EP2−受容体作用薬としてのω−シクロアルキル17−ヘテロアリールプロスタグランジンE2類似物に関する。これらの化合物は強力な眼圧降下剤であり、緑内障の処置に特に適する。
【0002】
発明の背景
2.関連技術の記載
眼圧降下剤は、手術及びレーザーによる線維柱帯切除術後の高眼圧症(ocular hypertensive)の発作、緑内障のような多くの種々の高眼圧状態の治療に、及び術前の添加剤として有用である。
緑内障は、増大した眼圧を特徴とする目の疾患である。病因学に基づいて、緑内障は原発性又は続発性に分類される。例えば、成人における原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角又は急性又は慢性閉塞隅角のいずれかである。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍又は拡張型白内障のような予め存在する目の疾患から生じる。
原発性緑内障の根本的な原因はまだ判明していない。増大した眼圧は、房水流出の閉塞に起因する。慢性開放隅角緑内障においては、前眼房及びその解剖学的構造は正常であるが、房水の流出が妨げられている。急性又は慢性閉塞隅角緑内障においては、前眼房が浅く、濾過の角度が狭くて、虹彩がシュレム管入口において小柱網を閉塞しうる。瞳孔の拡張は虹彩の根元を前方に押し、瞳孔を閉塞して、急性の発作を引き起こしうる。前眼房の角度が狭い目は、種々の重症度の急性閉塞隅角緑内障の発作を起こしやすい。
【0003】
続発性緑内障は、房水の後眼房から前眼房へ、次いでシュレム管への流れに対するいずれかの妨害により引き起こされる。前眼房の炎症性疾患は、膨隆虹彩において完全な虹彩後癒着を引き起こすことにより房水の流れを妨げうるし、浸出液で排水路を塞ぎうる。その他の一般的な原因は、眼内腫瘍、拡張型白内障、網膜中心静脈閉塞症、目の外傷、手術の処置及び眼内出血である。
全ての種類を考慮すると、緑内障は40歳以上の全人口の約2%に起こるが、急速な視力の喪失に進行する前の数年間は漸近的かもしれない。外科手術が指摘されない場合には、局所的なb−アドレナリン受容体拮抗薬が伝統的に緑内障の治療に選択される薬剤であった。
ある種のエイコサノイド及びその誘導体が眼圧降下活性を有することが報告されし、緑内障の処置に使用することが提言されている。エイコサノイド及びその誘導体には、プロスタグランジン及びその誘導体のような多くの生理学的に重要な化合物が含まれる。プロスタグランジンは、以下の構造式を有するプロスタン酸の誘導体であると記載しうる。
【0004】
【化9】
【0005】
プロスタン酸骨格の構造及び脂肪族環上に結合する置換基に依存して種々の種類のプロスタグランジンが公知である。更なる分類は、プロスタグランジンの包括的な種類の後の数字の下付き文字[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]により示される側鎖の不飽和結合の数、及びα又はβにより示される[例えば、プロスタグランジンF2 α(PGF2 α)]脂肪族環上の置換基の立体配置に基づく。
プロスタグランジンは以前は強力な眼圧上昇剤とみなされていたが、この10年間に蓄積された文献は、ある種のプロスタグランジンは非常に効果的な眼圧降下剤であり、緑内障の長期にわたる内科的処置に理想的に適することを示す(例えば、Bito, L. Z., Biological Protection with Prostaglandins, Cohen, M. M., ed., Boca Raton, Fla, CRC Press Inc., 1985, pp. 231−252; 及びBito, L. Z., Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas Drance, S. M. and Neufeld, A. H. eds., New York, Grune & Stratton, 1984, pp. 477−505を参照されたい)。そのようなプロスタグランジンには、PGF2 α、PGF1 α、PGE2、及びそのような化合物のC1〜C2アルキルエステル(例えば、1−イソプロピルエステル)のようなある種の脂質溶解性エステルが含まれる。
【0006】
正確なメカニズムはまだ知られていないが、経験的な結果が、プロスタグランジンに誘導された眼圧の低下がブドウ膜強膜流出の増大により生じることを示す[Nilsson et. al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. (suppl), 284 (1987)]。
PGF2 αのイソプロピルエステルは、おそらく一層効果的に角膜に浸透するために、親化合物より有意に強力に眼圧を降下させることが示された。1987年には、この化合物は“今まで報告された中で最も強力な眼圧降下剤である”と記載された[例えば、Bito, L. Z., Arch. Ophthalmol. 105, 1036 (1987), 及びSiebold et. al., Prodrug 5 3 (1989)を参照されたい]。
プロスタグランジンは有意な眼内副作用がないと思われるが、ヒトがそのような化合物、特にPGF2 α及びそのプロドラッグ、例えばその1−イソプロピルエステルを局所的に眼内で使用する場合には相変わらず眼表面(結膜)充血及び異物感を伴う。増大した眼圧、例えば緑内障に伴う状態の処置にプロスタグランジンを臨床治療に使用する可能性は、これらの副作用により非常に限定される。
【0007】
Allergan, Inc. に譲渡された一連の同時係属米国特許出願には、副作用がない又は実質的に低下した眼圧降下活性の増大したプロスタグランジンエステルが開示されている。同時係属出願第USSN 596,430号(1990年10月10日に出願)、現在の米国特許第5,446,041号は、11−ピバロイル、11−アセチル、11−イソブチリル、11−バレリル、及び11−イソバレリルPGF2 αのような、ある種の11−アシル−プロスタグランジンに関する。眼圧を降下させる15−アシル−プロスタグランジンは、同時係属出願第USSN 175,476号(1993年12月29日に出願)に開示されている。同様に、例えば11,15−ジピバロイル PGF2 αのような、プロスタグランジンの11,15−、9,15−及び9,11−ジエステルは、眼圧降下活性を有することが知られている。例えば、同時係属出願第USSN 385,645号(1989年7月7日に出願、現在の米国特許第4,994,274号)、同第USSN 584,370号(1990年9月18日に出願、現在の米国特許第5,028,624号)、及び同第USSN 585,284号(1990年9月18日に出願、現在の米国特許第5,034,413号)を参照されたい。これらのすべての特許出願の開示は特別に参考として本明細書に導入されている。
【0008】
発明の要約
本発明は、高眼圧症の哺乳動物に治療的に有効量の式Iの化合物を投与すること含む高眼圧症の治療方法に関する。
【0009】
【化10】
【0010】
(式中、斜線のセグメントは、α結合を表し、塗りつぶした三角は、β結合を表し、波線のセグメントは、α又はβ結合を表し、点線は、二重結合又は単結合を表し、R3は、ヘテロアリール又は置換へテロアリール基であり、R1及びR2は、独立して水素又は6個までの炭素原子を有する低級アルキル基、又は6個までの炭素原子を有する低級アシル基からなる群から選択され、Rは、CO2R4、CONR4 2、CH2OR4、CONR4SO2R4、P(O)(OR4)及び
【0011】
【化11】
【0012】
からなる群から選択され、R4は、H、フェニル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキルからなる群から選択され、かつnは、0又は1乃至4の整数である。)
【0013】
別の面においては、本発明は、計量するのに適する容器に詰められた、無毒性の眼科的に許容しうる液体賦形剤と混合された、治療的に有効量の式I(式中の記号は前述の意味を有する。)の化合物、又は薬学的に許容しうるそれらの塩を含む眼科用液剤に関する。特に、ヘテロアリール基上の置換基は、例えばC1〜C6アルキルのような低級アルキル、OR4、CO2R4、例えばフルオロ、クロロ及びブロモのようなハロゲン、トリフルオロメチル(CF3)、例えばCOCH3のようなCOR4、COCF3、例えばSO2NH2のようなSO2NR4、NO2、CN等からなる群から選択しうる。
更に別の面においては、本発明は、その内容物を計量した形で計量分配するように作られている容器、及び
前述のように定義したその中の眼科用液剤、
を含む医薬品に関する。
最後に、前述の式で表される、以下に記載する、本発明の方法に使用される化合物のうちいくつかは新規で明らかではない。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、EP2−受容体作用薬としてのω−シクロアルキル17−ヘテロアリールプロスタグランジンE2類似物の使用に関する。本発明に従って使用する化合物は以下の構造式Iに包含される。
【0015】
【化12】
【0016】
式中の置換基及び記号は、前記の定義どおりである。炭素5及び6(C−5)及び炭素13及び14(C−13)間の結合の点線は、一重又は二重結合を示す。C−5又はC−13において2つの実線が使用される場合には、その二重結合に関して特定の立体配置を示す。C−8、C−9及びC−11において使用されている斜線はα配置を示す。C−12位の三角はβ配置を表す。
好ましい本発明の化合物群には、以下の構造式IIを有する化合物が含まれる。
【0017】
【化13】
【0018】
式中のZは、O及びSからなる群から選択され、Aは、N、−CH、及びCからなる群から選択され、R5は、水素、ハロゲン、1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルコキシからなる群から選択され、R6及びR7は、水素、ハロゲン、1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルコキシからなる群から選択されるか、又は
【0019】
【化14】
【0020】
とともにR6及びR7が縮合アリール環を形成する。
別の好ましい群には式IIIを有する化合物が含まれる。
【0021】
【化15】
【0022】
前記の式において、置換基及び記号は前記の定義どおりである。
前記の本発明の化合物は、当業者に公知の方法により、又は以下の実施例にしたがって調製しうる。以下の化合物は、本発明の化合物の特に好ましい例である。
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸
薬学的に許容しうる塩は、親化合物の活性を保持し、それが投与される被験者及び状況に有害又は望ましくない影響を及ぼさない塩であればいずれでもよい。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛のような無機イオンで形成された塩が特に重要である。
【0023】
薬学的組成物は、活性成分としての、治療的に有効な量の1種以上の本発明による化合物、又は薬学的に許容しうるその酸添加塩を、従来の眼科的に許容しうる薬学的賦形剤と混合することにより、そして局所的な眼への使用に適する単位投薬量の形に調製することにより調製しうる。治療的に有効な量は、典型的には液体配合物中に約0.0001乃至約5%(w/v)、好ましくは約0.001乃至約1.0%(w/v)である。
眼科的用途においては、好ましくは溶液は主要な賦形剤として生理食塩水を用いて調製する。そのような眼科的溶液のpHは、好ましくは適する緩衝液系を用いて6.5乃至7.2に保持すべきである。配合物はまた、従来の薬学的に許容しうる防腐剤、安定剤及び界面活性剤も含みうる。
本発明の薬学的組成物に使用しうる好ましい防腐剤には、限定するわけではないが、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀及び硝酸フェニル水銀が含まれる。好ましい界面活性剤は、例えば、Tween 80である。同様に、本発明の眼科的製剤には種々の好ましい賦形剤を使用しうる。これらの賦形剤には、限定するわけではないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及び精製水が含まれる。
【0024】
緊張調整剤(tonicity adjustor)は、必要とされるとき又は便宜上添加しうる。それらには、限定するわけではないが、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール及びグリセリン、又はその他の適する眼科的に許容しうる緊張調整剤が含まれる。
pHを調製するための種々の緩衝液及び手段は、得られる製剤が眼科的に許容しうる限り使用しうる。したがって、緩衝液には、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液及びホウ酸緩衝液が含まれる。必要とされる場合にはこれらの配合物のpHの調製には酸又は塩を使用しうる。
同様に、本発明において使用するための眼科的に許容しうる酸化防止剤には、限定するわけではないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンが含まれる。
眼科的製剤に含まれうるその他の賦形剤成分はキレート剤である。その他のキレート剤も適するか又は同時に使用しうるが、好ましいキレート剤はエデト酸二ナトリウムである。
【0025】
成分は通常以下の量が使用される。
本発明の活性化合物の実際の投与量は、特定の化合物、及び治療すべき状態に依存する。適する投与量の選択は完全に当業者の知識の範囲内である。
本発明の眼科的配合物は、便宜上目への適用を容易にするようにドロッパーを具備する容器のような計量するのに適する形で詰められている。滴下するのに適する容器は、通常適する不活性の無毒性プラスチック材料で作られており、一般的には約0.5乃至約15mlの溶液を含む。
本発明を更に以下の非限定実施例により説明する。それらは図1及び2の反応スキームにまとめられており、化合物は実施例及び図の両方において同一の名称で特定される。
【0026】
実施例1
エチルシクロブタンカルボン酸エチルエステル(1)
前記化合物は、米国ウィスコンシン州ミルウォーキー P. O. Box 2060にあるAldrich Chemical Co.から購入した。
実施例2
1−(1−ヒドロキシ−1−チオフェン−2−イル−メチル)シクロブタンカルボン酸エチルエステル(2)
リチウムジイソプロピルアミドモノ(THF)(2.0Mヘプタン/THF/エチルベンゼン溶液1.95mL,3.90mmol)を−78℃においてエステル1(0.50g,3.9mmol)のTHF(6ml)溶液に添加した。30分間攪拌した後、2−チオフェンカルボックスアルデヒド(667mg,5.95mmol)を添加し、混合物を3時間攪拌した。TLC分析により反応の完了を判断した後、NH4CLの飽和水溶液を添加し、反応混合物を23℃にゆっくり暖めた。THFを蒸発させ、CH2Cl2(2×)を用いて反応混合物を抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過して濃縮した。残留物をフラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(FCC)(シリカゲル,100%ヘキサン次いで9:1ヘキサン/EtOAc)により精製すると、前記化合物2が得られた。
【0027】
実施例3
1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブタンカルボン酸エチルエステル(3)
ヨウ化トリメチルシリル(20g,100mmol)を0℃においてCH3CN(10mL)に添加し、混合物を5分間攪拌させた。温度を4〜10℃に保持しながら、アルコール2(5g,20mmol)のCH3CN(10mL)溶液をゆっくり添加し、反応混合物を23℃にゆっくり暖めた。23℃において2時間攪拌した後、TLC分析により反応の完了を判断した。反応混合物を0℃において3N NaOHに注ぎ、EtOAcを添加した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過して濃縮した。FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により2.3gの前記エステル3が得られた。
実施例4
(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)メタノール(4)
水素化ホウ素リチウム(435mg,20mmol)を0℃においてエステル3(2.3g,10mmol)のEt2O(20mL)溶液に添加した。5分間攪拌した後、MeOH(640mg,20mmol)を滴下し、発泡が止まるまで0℃において攪拌を継続した。混合物を23℃に暖めて更に1時間攪拌させ、その時点で混合物を3N NaOHに注ぎ、更に0.5時間攪拌した。有機層を分離してブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過して濃縮した。粗アルコール4は、FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により精製した。
【0028】
実施例5
1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブタンカルバルデヒド(5)
塩化オキサリル(50mL,0.10mmol)を23℃においてCH2Cl2(150mL)に添加し、−78℃に冷却した。DMSO(16g,0.20mmol)を混合物に滴下し、攪拌を15分間継続した。次いでアルコール4(7.9g,0.041mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液を滴下し、その後Et3N(44g,0.44mmol)を添加して混合物を23℃に暖めた。1時間後、混合物をNaHCO3の飽和水溶液に注ぎ、有機層を分離した。水性層をCH2Cl2(2×)で抽出し、一緒にした有機部分をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濃縮してFCC(シリカゲル,ヘキサン,2:1ヘキサン/CH2Cl2)により精製すると、前記アルデヒド5が得られた。
実施例6
1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−2−イン−1−オール(6)
混合物を周囲温度に保持しながら、臭化プロピルマグネシウムの溶液(0.5M THF溶液360mL,0.180mmol;THF中に0.5M)をアルデヒド5(7.0g,36mmol)のTHF(200mL)溶液に滴下した。23℃において3時間攪拌した後、反応混合物をNH4Clの飽和水溶液に注ぎ、Et2Oで抽出した。有機部分を分離してNaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濃縮した。FCC(シリカゲル,ヘキサン,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により、6.2gの前記アルキン6が得られた。
【0029】
実施例7
1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−3−イン−1−オール(7)
乾燥丸底フラスコに水素化カリウム(5.5g,48mmol;35質量%油中分散液)を装填し、ヘキサン(3×)で洗浄することにより油を除去した。アミノプロピルアミド(39mL)を混合物に添加し、発泡が止まるまで攪拌した。次いで混合物を0℃に冷却し、アルキン6(2g,9.1mmol)を添加し、反応混合物を23℃で1時間攪拌した。反応をMeOH(2mL)及び水で停止させた。混合物をEt2O(3×)で抽出し、一緒にした有機層を1N HCl、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濃縮した。FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により、570mgの前記アルキン7が得られた。
実施例8
tert−ブチルジメチル[1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−3−イニロキシ]シラン(8)
アルキン7(200mg,0.9mmol)、CH2Cl2(5mL)及びトリエチルアミン(275mg,2.72mmol)の冷却(0℃)溶液にtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(360mg,1.36mmol)を滴下した。0℃において5分間攪拌した後、混合物を23℃に暖め、更に1時間攪拌した。次いで反応をNaHCO3の飽和水溶液で停止し、CH2Cl2(2×)で抽出した。次いで一緒にした有機物を1N HCl、NaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,100%ヘキサン)により、695mgの前記化合物8が得られた。
【0030】
実施例9
tert−ブチル[(E)−4−ヨード−1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−3−エニロキシ]ジメチルシラン(9)
23℃においてCp2ZrHCl(304mg,1.18mmol)をアルキン8(263mg,0.786mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に添加し、20分間攪拌した。N−ヨードスクシンイミド(247mg,1.18mmol)を混合物に添加し、更に30分間攪拌を続けた。混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサン/Et2Oで希釈し、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,100%ヘキサン)により、360mgの前記化合物9が得られた。
実施例10
7−[(R)−3−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−5−オキソ−シクロペント−1−エニル]ヘプタン酸メチルエステル(10)
前記化合物は、日本の東京にある日産化学工業(株)から購入した。
【0031】
実施例11
7−{(1R,2R,3R)−2−[(E)−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−3−[(ジメチルエチル)ジメチルシラニロキシ]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル(11)
−78℃においてヨウ化ビニル9(120mg,0.259mmol)のEt2O(1.5mL)溶液にt−BuLi(1.5M THF溶液0.35mL,0.52mmol)を添加した。−78℃において混合物を30分間攪拌した後、2−チエニル(シアノ)銅リチウム(1.14mL,0.285mmol)を添加し、更に30分間攪拌を継続した。次いで反応混合物をエノン10(91.6mg,0.259mmol)のEt2O(1mL)溶液で処理した。数分が経過した後、反応混合物が固化し、0.5mLのEt2Oを添加した。反応混合物を−78℃において1時間攪拌し、NH4Clの飽和水溶液に注ぎ、次いでEtOAc(3×)で抽出した。一緒にした有機部分をブラインで洗浄し、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,100%ヘキサン;9:1ヘキサン/EtOAc)により、63mgの前記化合物11が得られた。
【0032】
実施例12
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル(12H)
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル(12L)
23℃においてフッ化水素−ピリジン(0.091mL)をbis−TBSエーテル11(63mg,0.912mmol)のCH3CN(3mL)溶液に添加した。3時間攪拌した後、反応をNa2CO3の飽和水溶液で停止し、EtOAc(3×)で抽出した。一緒にした有機部分を1N HCl、NaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、次いで乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,3:2ヘキサン/EtOAc次いで1:1ヘキサン/EtOAc)により、それぞれ以下では化合物12H及び12Lとして示すRfが高いほうのジオール(10mg)及びRfが低いほうのジオール(30mg)が得られた。
【0033】
実施例13H
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸(13H)
メチルエステル12H(4.8mg,10.4mmol)及びPLE(0.134mmol,45mmol)を23℃において16時間リン酸緩衝液(2mL,pH7.2)中で攪拌した。反応が完了した後、混合物を濾過し、水性相をEtOAc(3×)で抽出した。一緒にした有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/EtOAc;EtOAc)により、前記化合物13Hが得られた。
実施例13L
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸(13L)
メチルエステル12Lを実施例13Hにしたがって反応させると前記化合物が得られた。
【0034】
実施例14
(Z)−7−[(R)−3−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−5−オキソ−シクロペント−1−エニル]ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(14)
前記化合物は、日本の東京にある日産化学工業(株)から購入した。
実施例15
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−2−[(E)−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−3−[(ジメチルエチル)ジメチルシラニロキシ]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(15)
前記実施例14の化合物を実施例11の方法にしたがって反応させると前記化合物が得られた。
【0035】
実施例16
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(16H)
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(16L)
実施例15の化合物を実施例12の方法にしたがって反応させると、それぞれ以下では化合物16H及び16Lとして示すRfが高いほうのジオール(6.0mg)及びRfが低いほうのジオール(6.0mg)が得られた。
実施例17H
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(17H)
実施例16の化合物16Hを実施例13Hの方法にしたがって反応させると前記化合物が得られた。
実施例17L
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(17L)
実施例16の化合物16Lを実施例13Hの方法にしたがって反応させると前記化合物が得られた。
【0036】
放射リガンド結合
組み換えEP2受容体;一過性核酸取込増殖COS−7細胞は、製造業者の実験記録にしたがって、Lipofectin(米国メリーランド州のゲーサーズバーグにあるGibco−BRL life Technologies)を用いて一時的に核酸を取り込んで増殖させた。結合研究においては、核酸取込増殖前に2×106個の細胞を150mmの皿上に24時間おいた。各皿では、50μgのプラスミドDNA及び50μLのリポフェクチンを用いて核酸を取り込んで増殖させた。細胞を回収し、核酸取込増殖の48時間後に膜を調製し、使用するまで−80℃で凍結させた。
細胞膜調製品を室温において解凍し、最終的には1mg/mLの濃度で500μL使用した。[3H]−PGE2の結合(比放射能180Ci/mmol)は2回決定し、実験は3回繰り返した。培養は25℃において60分間実施し、4mLの氷冷した50μM TRIS−HClの添加により停止させた後、Whatman GF/B濾紙により迅速に濾過させ、細胞収穫機(Brandel)中で更に3回、4mLで洗浄した。5nM [3H]−PGE2の最終濃度で競争研究を実施し、10μMのそれぞれの標識のついていないプロスタノイドを用いて非特異性結合を決定した。
ある種の前述の化合物の活性を前述の組み換えヒトEP2受容体分析において試験し、結果を以下の表に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
EP2活性は、本発明の化合物が喘息、月経困難症並びに緑内障の治療及び眼圧の豪華に有用であることを示す。
その他の可能性のある治療用途は、骨粗鬆症、便秘、腎臓病、性的機能不全、はげ、糖尿病、癌及び免疫調節障害である。
本発明の化合物はまた、急性心筋梗塞、血管血栓症、高血圧症、肺高血圧症、虚血性心疾患、鬱血性心不全、及び狭心症を含む種々の病態生理学的疾患の治療にも有用である。それらの場合には、化合物は血管拡張に有効ないずれかの手段により投薬され、それにより疾患の症状を軽減しうる。例えば、投薬は、経口的、経皮的、腸管外、皮下、静脈内、筋肉内、、腹膜内、又は口腔内の経路である。
本発明の化合物は、例えば、白色ワセリン、鉱油及びワセリン及びラノリンアルコールのような適する基剤中に約0.10乃至10%の活性成分を含む軟膏に配合しうる。その他の適する基剤は当業者には容易に明らかであろう。
【0039】
本発明の医薬品は、例えば、伝統的な、完全に水溶性又は懸濁性のいずれかである化合物を溶解又は懸濁させることにより、それ自体は公知の方法で製造される。その他の病理生理学的疾患の治療における投薬のために。経口的に使用しうる医薬品には、ゼラチン製の押し込みばめカプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールのような可塑剤製の軟質のシールされたカプセルが含まれる。押し込みばめカプセルは、ラクトースのような充填剤、澱粉のようなバインダー、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウムのような滑剤及び、任意に安定剤と混合されうる液体中に活性化合物を含みうる。軟質カプセルにおいては、活性化合物は、好ましくは緩衝化塩溶液のような適する液体中に溶解又は懸濁している。更に、安定剤を添加しうる。
例えばゼラチンカプセル又はその他の適する賦形剤中に液体の形で提供する以外に、医薬品は活性化合物を薬学的に使用しうる調剤に加工するのを容易にするのに適する賦形剤を含みうる。したがって、経口的に使用する医薬品は、所望又は必要であれば、錠剤又は糖衣錠のコアを得るのに適する補助薬を添加した後、活性化合物の溶液を固体支持体に付着させ、任意に得られた混合物を粉末化して顆粒の混合物を処理することにより得ることもできる。
【0040】
適する賦形剤は、特に、糖(例えば、ラクトース又はスクロース)、マンニトール又はソルビトール、セルロース配合物及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム)のような充填剤、並びに澱粉、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、たくさん澱粉を含む、ジャガイモ澱粉を用いたペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンのようなバインダーである。所望であれば、前述の澱粉及びカルボキシメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はその塩(例えばアルギン酸ナトリウム)のような崩壊剤を添加しうる。補助剤は、とりわけ流動調節剤及び滑剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムのようなその塩、及び/又はポリエチレングリコール)である。糖衣錠は、所望であれば、耐胃液性の適する塗膜を用いて提供される。このためには、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び適する有機溶媒又は溶媒混合物を含みうる濃厚糖溶液を使用しうる。塗膜を耐胃液性とするためには、アセチルセルロースフタレート又はヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレートのような適するセルロース配合物の溶液を使用する。例えば識別のため又は活性化合物の服用量の組合せを特徴づけるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠の塗膜に添加しうる。
【0041】
静脈内又は腸管外投薬に適する配合物には活性化合物の水溶液が含まれる。更に、油性注射用懸濁液としての活性化合物の懸濁液も投薬しうる。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含みうる。任意に懸濁液は安定剤も含みうる。
前述の記載は、本発明を実施するのに使用しうる特定の方法及び組成物を詳述し、考えられる最良の態様を表す。しかしながら、当業者の一が、所望の薬学的性質を有する更なる化合物を類似の方法で調製しうること、及び開示された化合物を異なる出発物質から異なる化学反応により得ることができることも明らかである。同様に、異なる薬学的組成物も調製しうるし、使用して実質的に同一の結果となる場合もある。したがって、前述の記載が本明細書においていかに詳細であっても、本発明の全範囲の限定と解釈されるべきではなく、それどころか、本発明の範囲は特許請求の範囲の法的解釈によってのみ規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
具体的に実施例12H及びL及び13H及びLとして開示されている本発明の化合物の化学的合成のスキームである。
【図2】
具体的に実施例16H及びL及び17H及びLとして開示されている本発明の化合物の化学的合成のスキームである。
1.発明の分野
本発明は、EP2−受容体作用薬としてのω−シクロアルキル17−ヘテロアリールプロスタグランジンE2類似物に関する。これらの化合物は強力な眼圧降下剤であり、緑内障の処置に特に適する。
【0002】
発明の背景
2.関連技術の記載
眼圧降下剤は、手術及びレーザーによる線維柱帯切除術後の高眼圧症(ocular hypertensive)の発作、緑内障のような多くの種々の高眼圧状態の治療に、及び術前の添加剤として有用である。
緑内障は、増大した眼圧を特徴とする目の疾患である。病因学に基づいて、緑内障は原発性又は続発性に分類される。例えば、成人における原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角又は急性又は慢性閉塞隅角のいずれかである。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍又は拡張型白内障のような予め存在する目の疾患から生じる。
原発性緑内障の根本的な原因はまだ判明していない。増大した眼圧は、房水流出の閉塞に起因する。慢性開放隅角緑内障においては、前眼房及びその解剖学的構造は正常であるが、房水の流出が妨げられている。急性又は慢性閉塞隅角緑内障においては、前眼房が浅く、濾過の角度が狭くて、虹彩がシュレム管入口において小柱網を閉塞しうる。瞳孔の拡張は虹彩の根元を前方に押し、瞳孔を閉塞して、急性の発作を引き起こしうる。前眼房の角度が狭い目は、種々の重症度の急性閉塞隅角緑内障の発作を起こしやすい。
【0003】
続発性緑内障は、房水の後眼房から前眼房へ、次いでシュレム管への流れに対するいずれかの妨害により引き起こされる。前眼房の炎症性疾患は、膨隆虹彩において完全な虹彩後癒着を引き起こすことにより房水の流れを妨げうるし、浸出液で排水路を塞ぎうる。その他の一般的な原因は、眼内腫瘍、拡張型白内障、網膜中心静脈閉塞症、目の外傷、手術の処置及び眼内出血である。
全ての種類を考慮すると、緑内障は40歳以上の全人口の約2%に起こるが、急速な視力の喪失に進行する前の数年間は漸近的かもしれない。外科手術が指摘されない場合には、局所的なb−アドレナリン受容体拮抗薬が伝統的に緑内障の治療に選択される薬剤であった。
ある種のエイコサノイド及びその誘導体が眼圧降下活性を有することが報告されし、緑内障の処置に使用することが提言されている。エイコサノイド及びその誘導体には、プロスタグランジン及びその誘導体のような多くの生理学的に重要な化合物が含まれる。プロスタグランジンは、以下の構造式を有するプロスタン酸の誘導体であると記載しうる。
【0004】
【化9】
【0005】
プロスタン酸骨格の構造及び脂肪族環上に結合する置換基に依存して種々の種類のプロスタグランジンが公知である。更なる分類は、プロスタグランジンの包括的な種類の後の数字の下付き文字[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]により示される側鎖の不飽和結合の数、及びα又はβにより示される[例えば、プロスタグランジンF2 α(PGF2 α)]脂肪族環上の置換基の立体配置に基づく。
プロスタグランジンは以前は強力な眼圧上昇剤とみなされていたが、この10年間に蓄積された文献は、ある種のプロスタグランジンは非常に効果的な眼圧降下剤であり、緑内障の長期にわたる内科的処置に理想的に適することを示す(例えば、Bito, L. Z., Biological Protection with Prostaglandins, Cohen, M. M., ed., Boca Raton, Fla, CRC Press Inc., 1985, pp. 231−252; 及びBito, L. Z., Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas Drance, S. M. and Neufeld, A. H. eds., New York, Grune & Stratton, 1984, pp. 477−505を参照されたい)。そのようなプロスタグランジンには、PGF2 α、PGF1 α、PGE2、及びそのような化合物のC1〜C2アルキルエステル(例えば、1−イソプロピルエステル)のようなある種の脂質溶解性エステルが含まれる。
【0006】
正確なメカニズムはまだ知られていないが、経験的な結果が、プロスタグランジンに誘導された眼圧の低下がブドウ膜強膜流出の増大により生じることを示す[Nilsson et. al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. (suppl), 284 (1987)]。
PGF2 αのイソプロピルエステルは、おそらく一層効果的に角膜に浸透するために、親化合物より有意に強力に眼圧を降下させることが示された。1987年には、この化合物は“今まで報告された中で最も強力な眼圧降下剤である”と記載された[例えば、Bito, L. Z., Arch. Ophthalmol. 105, 1036 (1987), 及びSiebold et. al., Prodrug 5 3 (1989)を参照されたい]。
プロスタグランジンは有意な眼内副作用がないと思われるが、ヒトがそのような化合物、特にPGF2 α及びそのプロドラッグ、例えばその1−イソプロピルエステルを局所的に眼内で使用する場合には相変わらず眼表面(結膜)充血及び異物感を伴う。増大した眼圧、例えば緑内障に伴う状態の処置にプロスタグランジンを臨床治療に使用する可能性は、これらの副作用により非常に限定される。
【0007】
Allergan, Inc. に譲渡された一連の同時係属米国特許出願には、副作用がない又は実質的に低下した眼圧降下活性の増大したプロスタグランジンエステルが開示されている。同時係属出願第USSN 596,430号(1990年10月10日に出願)、現在の米国特許第5,446,041号は、11−ピバロイル、11−アセチル、11−イソブチリル、11−バレリル、及び11−イソバレリルPGF2 αのような、ある種の11−アシル−プロスタグランジンに関する。眼圧を降下させる15−アシル−プロスタグランジンは、同時係属出願第USSN 175,476号(1993年12月29日に出願)に開示されている。同様に、例えば11,15−ジピバロイル PGF2 αのような、プロスタグランジンの11,15−、9,15−及び9,11−ジエステルは、眼圧降下活性を有することが知られている。例えば、同時係属出願第USSN 385,645号(1989年7月7日に出願、現在の米国特許第4,994,274号)、同第USSN 584,370号(1990年9月18日に出願、現在の米国特許第5,028,624号)、及び同第USSN 585,284号(1990年9月18日に出願、現在の米国特許第5,034,413号)を参照されたい。これらのすべての特許出願の開示は特別に参考として本明細書に導入されている。
【0008】
発明の要約
本発明は、高眼圧症の哺乳動物に治療的に有効量の式Iの化合物を投与すること含む高眼圧症の治療方法に関する。
【0009】
【化10】
【0010】
(式中、斜線のセグメントは、α結合を表し、塗りつぶした三角は、β結合を表し、波線のセグメントは、α又はβ結合を表し、点線は、二重結合又は単結合を表し、R3は、ヘテロアリール又は置換へテロアリール基であり、R1及びR2は、独立して水素又は6個までの炭素原子を有する低級アルキル基、又は6個までの炭素原子を有する低級アシル基からなる群から選択され、Rは、CO2R4、CONR4 2、CH2OR4、CONR4SO2R4、P(O)(OR4)及び
【0011】
【化11】
【0012】
からなる群から選択され、R4は、H、フェニル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキルからなる群から選択され、かつnは、0又は1乃至4の整数である。)
【0013】
別の面においては、本発明は、計量するのに適する容器に詰められた、無毒性の眼科的に許容しうる液体賦形剤と混合された、治療的に有効量の式I(式中の記号は前述の意味を有する。)の化合物、又は薬学的に許容しうるそれらの塩を含む眼科用液剤に関する。特に、ヘテロアリール基上の置換基は、例えばC1〜C6アルキルのような低級アルキル、OR4、CO2R4、例えばフルオロ、クロロ及びブロモのようなハロゲン、トリフルオロメチル(CF3)、例えばCOCH3のようなCOR4、COCF3、例えばSO2NH2のようなSO2NR4、NO2、CN等からなる群から選択しうる。
更に別の面においては、本発明は、その内容物を計量した形で計量分配するように作られている容器、及び
前述のように定義したその中の眼科用液剤、
を含む医薬品に関する。
最後に、前述の式で表される、以下に記載する、本発明の方法に使用される化合物のうちいくつかは新規で明らかではない。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、EP2−受容体作用薬としてのω−シクロアルキル17−ヘテロアリールプロスタグランジンE2類似物の使用に関する。本発明に従って使用する化合物は以下の構造式Iに包含される。
【0015】
【化12】
【0016】
式中の置換基及び記号は、前記の定義どおりである。炭素5及び6(C−5)及び炭素13及び14(C−13)間の結合の点線は、一重又は二重結合を示す。C−5又はC−13において2つの実線が使用される場合には、その二重結合に関して特定の立体配置を示す。C−8、C−9及びC−11において使用されている斜線はα配置を示す。C−12位の三角はβ配置を表す。
好ましい本発明の化合物群には、以下の構造式IIを有する化合物が含まれる。
【0017】
【化13】
【0018】
式中のZは、O及びSからなる群から選択され、Aは、N、−CH、及びCからなる群から選択され、R5は、水素、ハロゲン、1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルコキシからなる群から選択され、R6及びR7は、水素、ハロゲン、1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル及び1乃至6個の炭素原子を有する低級アルコキシからなる群から選択されるか、又は
【0019】
【化14】
【0020】
とともにR6及びR7が縮合アリール環を形成する。
別の好ましい群には式IIIを有する化合物が含まれる。
【0021】
【化15】
【0022】
前記の式において、置換基及び記号は前記の定義どおりである。
前記の本発明の化合物は、当業者に公知の方法により、又は以下の実施例にしたがって調製しうる。以下の化合物は、本発明の化合物の特に好ましい例である。
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸
薬学的に許容しうる塩は、親化合物の活性を保持し、それが投与される被験者及び状況に有害又は望ましくない影響を及ぼさない塩であればいずれでもよい。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛のような無機イオンで形成された塩が特に重要である。
【0023】
薬学的組成物は、活性成分としての、治療的に有効な量の1種以上の本発明による化合物、又は薬学的に許容しうるその酸添加塩を、従来の眼科的に許容しうる薬学的賦形剤と混合することにより、そして局所的な眼への使用に適する単位投薬量の形に調製することにより調製しうる。治療的に有効な量は、典型的には液体配合物中に約0.0001乃至約5%(w/v)、好ましくは約0.001乃至約1.0%(w/v)である。
眼科的用途においては、好ましくは溶液は主要な賦形剤として生理食塩水を用いて調製する。そのような眼科的溶液のpHは、好ましくは適する緩衝液系を用いて6.5乃至7.2に保持すべきである。配合物はまた、従来の薬学的に許容しうる防腐剤、安定剤及び界面活性剤も含みうる。
本発明の薬学的組成物に使用しうる好ましい防腐剤には、限定するわけではないが、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀及び硝酸フェニル水銀が含まれる。好ましい界面活性剤は、例えば、Tween 80である。同様に、本発明の眼科的製剤には種々の好ましい賦形剤を使用しうる。これらの賦形剤には、限定するわけではないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及び精製水が含まれる。
【0024】
緊張調整剤(tonicity adjustor)は、必要とされるとき又は便宜上添加しうる。それらには、限定するわけではないが、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール及びグリセリン、又はその他の適する眼科的に許容しうる緊張調整剤が含まれる。
pHを調製するための種々の緩衝液及び手段は、得られる製剤が眼科的に許容しうる限り使用しうる。したがって、緩衝液には、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液及びホウ酸緩衝液が含まれる。必要とされる場合にはこれらの配合物のpHの調製には酸又は塩を使用しうる。
同様に、本発明において使用するための眼科的に許容しうる酸化防止剤には、限定するわけではないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンが含まれる。
眼科的製剤に含まれうるその他の賦形剤成分はキレート剤である。その他のキレート剤も適するか又は同時に使用しうるが、好ましいキレート剤はエデト酸二ナトリウムである。
【0025】
成分は通常以下の量が使用される。
本発明の活性化合物の実際の投与量は、特定の化合物、及び治療すべき状態に依存する。適する投与量の選択は完全に当業者の知識の範囲内である。
本発明の眼科的配合物は、便宜上目への適用を容易にするようにドロッパーを具備する容器のような計量するのに適する形で詰められている。滴下するのに適する容器は、通常適する不活性の無毒性プラスチック材料で作られており、一般的には約0.5乃至約15mlの溶液を含む。
本発明を更に以下の非限定実施例により説明する。それらは図1及び2の反応スキームにまとめられており、化合物は実施例及び図の両方において同一の名称で特定される。
【0026】
実施例1
エチルシクロブタンカルボン酸エチルエステル(1)
前記化合物は、米国ウィスコンシン州ミルウォーキー P. O. Box 2060にあるAldrich Chemical Co.から購入した。
実施例2
1−(1−ヒドロキシ−1−チオフェン−2−イル−メチル)シクロブタンカルボン酸エチルエステル(2)
リチウムジイソプロピルアミドモノ(THF)(2.0Mヘプタン/THF/エチルベンゼン溶液1.95mL,3.90mmol)を−78℃においてエステル1(0.50g,3.9mmol)のTHF(6ml)溶液に添加した。30分間攪拌した後、2−チオフェンカルボックスアルデヒド(667mg,5.95mmol)を添加し、混合物を3時間攪拌した。TLC分析により反応の完了を判断した後、NH4CLの飽和水溶液を添加し、反応混合物を23℃にゆっくり暖めた。THFを蒸発させ、CH2Cl2(2×)を用いて反応混合物を抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過して濃縮した。残留物をフラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(FCC)(シリカゲル,100%ヘキサン次いで9:1ヘキサン/EtOAc)により精製すると、前記化合物2が得られた。
【0027】
実施例3
1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブタンカルボン酸エチルエステル(3)
ヨウ化トリメチルシリル(20g,100mmol)を0℃においてCH3CN(10mL)に添加し、混合物を5分間攪拌させた。温度を4〜10℃に保持しながら、アルコール2(5g,20mmol)のCH3CN(10mL)溶液をゆっくり添加し、反応混合物を23℃にゆっくり暖めた。23℃において2時間攪拌した後、TLC分析により反応の完了を判断した。反応混合物を0℃において3N NaOHに注ぎ、EtOAcを添加した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過して濃縮した。FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により2.3gの前記エステル3が得られた。
実施例4
(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)メタノール(4)
水素化ホウ素リチウム(435mg,20mmol)を0℃においてエステル3(2.3g,10mmol)のEt2O(20mL)溶液に添加した。5分間攪拌した後、MeOH(640mg,20mmol)を滴下し、発泡が止まるまで0℃において攪拌を継続した。混合物を23℃に暖めて更に1時間攪拌させ、その時点で混合物を3N NaOHに注ぎ、更に0.5時間攪拌した。有機層を分離してブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過して濃縮した。粗アルコール4は、FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により精製した。
【0028】
実施例5
1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブタンカルバルデヒド(5)
塩化オキサリル(50mL,0.10mmol)を23℃においてCH2Cl2(150mL)に添加し、−78℃に冷却した。DMSO(16g,0.20mmol)を混合物に滴下し、攪拌を15分間継続した。次いでアルコール4(7.9g,0.041mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液を滴下し、その後Et3N(44g,0.44mmol)を添加して混合物を23℃に暖めた。1時間後、混合物をNaHCO3の飽和水溶液に注ぎ、有機層を分離した。水性層をCH2Cl2(2×)で抽出し、一緒にした有機部分をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濃縮してFCC(シリカゲル,ヘキサン,2:1ヘキサン/CH2Cl2)により精製すると、前記アルデヒド5が得られた。
実施例6
1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−2−イン−1−オール(6)
混合物を周囲温度に保持しながら、臭化プロピルマグネシウムの溶液(0.5M THF溶液360mL,0.180mmol;THF中に0.5M)をアルデヒド5(7.0g,36mmol)のTHF(200mL)溶液に滴下した。23℃において3時間攪拌した後、反応混合物をNH4Clの飽和水溶液に注ぎ、Et2Oで抽出した。有機部分を分離してNaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濃縮した。FCC(シリカゲル,ヘキサン,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により、6.2gの前記アルキン6が得られた。
【0029】
実施例7
1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−3−イン−1−オール(7)
乾燥丸底フラスコに水素化カリウム(5.5g,48mmol;35質量%油中分散液)を装填し、ヘキサン(3×)で洗浄することにより油を除去した。アミノプロピルアミド(39mL)を混合物に添加し、発泡が止まるまで攪拌した。次いで混合物を0℃に冷却し、アルキン6(2g,9.1mmol)を添加し、反応混合物を23℃で1時間攪拌した。反応をMeOH(2mL)及び水で停止させた。混合物をEt2O(3×)で抽出し、一緒にした有機層を1N HCl、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濃縮した。FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/CH2Cl2)により、570mgの前記アルキン7が得られた。
実施例8
tert−ブチルジメチル[1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−3−イニロキシ]シラン(8)
アルキン7(200mg,0.9mmol)、CH2Cl2(5mL)及びトリエチルアミン(275mg,2.72mmol)の冷却(0℃)溶液にtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(360mg,1.36mmol)を滴下した。0℃において5分間攪拌した後、混合物を23℃に暖め、更に1時間攪拌した。次いで反応をNaHCO3の飽和水溶液で停止し、CH2Cl2(2×)で抽出した。次いで一緒にした有機物を1N HCl、NaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,100%ヘキサン)により、695mgの前記化合物8が得られた。
【0030】
実施例9
tert−ブチル[(E)−4−ヨード−1−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−3−エニロキシ]ジメチルシラン(9)
23℃においてCp2ZrHCl(304mg,1.18mmol)をアルキン8(263mg,0.786mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に添加し、20分間攪拌した。N−ヨードスクシンイミド(247mg,1.18mmol)を混合物に添加し、更に30分間攪拌を続けた。混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサン/Et2Oで希釈し、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,100%ヘキサン)により、360mgの前記化合物9が得られた。
実施例10
7−[(R)−3−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−5−オキソ−シクロペント−1−エニル]ヘプタン酸メチルエステル(10)
前記化合物は、日本の東京にある日産化学工業(株)から購入した。
【0031】
実施例11
7−{(1R,2R,3R)−2−[(E)−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−3−[(ジメチルエチル)ジメチルシラニロキシ]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル(11)
−78℃においてヨウ化ビニル9(120mg,0.259mmol)のEt2O(1.5mL)溶液にt−BuLi(1.5M THF溶液0.35mL,0.52mmol)を添加した。−78℃において混合物を30分間攪拌した後、2−チエニル(シアノ)銅リチウム(1.14mL,0.285mmol)を添加し、更に30分間攪拌を継続した。次いで反応混合物をエノン10(91.6mg,0.259mmol)のEt2O(1mL)溶液で処理した。数分が経過した後、反応混合物が固化し、0.5mLのEt2Oを添加した。反応混合物を−78℃において1時間攪拌し、NH4Clの飽和水溶液に注ぎ、次いでEtOAc(3×)で抽出した。一緒にした有機部分をブラインで洗浄し、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,100%ヘキサン;9:1ヘキサン/EtOAc)により、63mgの前記化合物11が得られた。
【0032】
実施例12
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル(12H)
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル(12L)
23℃においてフッ化水素−ピリジン(0.091mL)をbis−TBSエーテル11(63mg,0.912mmol)のCH3CN(3mL)溶液に添加した。3時間攪拌した後、反応をNa2CO3の飽和水溶液で停止し、EtOAc(3×)で抽出した。一緒にした有機部分を1N HCl、NaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、次いで乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,3:2ヘキサン/EtOAc次いで1:1ヘキサン/EtOAc)により、それぞれ以下では化合物12H及び12Lとして示すRfが高いほうのジオール(10mg)及びRfが低いほうのジオール(30mg)が得られた。
【0033】
実施例13H
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸(13H)
メチルエステル12H(4.8mg,10.4mmol)及びPLE(0.134mmol,45mmol)を23℃において16時間リン酸緩衝液(2mL,pH7.2)中で攪拌した。反応が完了した後、混合物を濾過し、水性相をEtOAc(3×)で抽出した。一緒にした有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧下で濾過及び濃縮した。FCC(シリカゲル,1:1ヘキサン/EtOAc;EtOAc)により、前記化合物13Hが得られた。
実施例13L
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸(13L)
メチルエステル12Lを実施例13Hにしたがって反応させると前記化合物が得られた。
【0034】
実施例14
(Z)−7−[(R)−3−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−5−オキソ−シクロペント−1−エニル]ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(14)
前記化合物は、日本の東京にある日産化学工業(株)から購入した。
実施例15
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−2−[(E)−(tert−ブチルジメチルシラニロキシ)−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−3−[(ジメチルエチル)ジメチルシラニロキシ]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(15)
前記実施例14の化合物を実施例11の方法にしたがって反応させると前記化合物が得られた。
【0035】
実施例16
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(16H)
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル(16L)
実施例15の化合物を実施例12の方法にしたがって反応させると、それぞれ以下では化合物16H及び16Lとして示すRfが高いほうのジオール(6.0mg)及びRfが低いほうのジオール(6.0mg)が得られた。
実施例17H
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(17H)
実施例16の化合物16Hを実施例13Hの方法にしたがって反応させると前記化合物が得られた。
実施例17L
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸(17L)
実施例16の化合物16Lを実施例13Hの方法にしたがって反応させると前記化合物が得られた。
【0036】
放射リガンド結合
組み換えEP2受容体;一過性核酸取込増殖COS−7細胞は、製造業者の実験記録にしたがって、Lipofectin(米国メリーランド州のゲーサーズバーグにあるGibco−BRL life Technologies)を用いて一時的に核酸を取り込んで増殖させた。結合研究においては、核酸取込増殖前に2×106個の細胞を150mmの皿上に24時間おいた。各皿では、50μgのプラスミドDNA及び50μLのリポフェクチンを用いて核酸を取り込んで増殖させた。細胞を回収し、核酸取込増殖の48時間後に膜を調製し、使用するまで−80℃で凍結させた。
細胞膜調製品を室温において解凍し、最終的には1mg/mLの濃度で500μL使用した。[3H]−PGE2の結合(比放射能180Ci/mmol)は2回決定し、実験は3回繰り返した。培養は25℃において60分間実施し、4mLの氷冷した50μM TRIS−HClの添加により停止させた後、Whatman GF/B濾紙により迅速に濾過させ、細胞収穫機(Brandel)中で更に3回、4mLで洗浄した。5nM [3H]−PGE2の最終濃度で競争研究を実施し、10μMのそれぞれの標識のついていないプロスタノイドを用いて非特異性結合を決定した。
ある種の前述の化合物の活性を前述の組み換えヒトEP2受容体分析において試験し、結果を以下の表に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
EP2活性は、本発明の化合物が喘息、月経困難症並びに緑内障の治療及び眼圧の豪華に有用であることを示す。
その他の可能性のある治療用途は、骨粗鬆症、便秘、腎臓病、性的機能不全、はげ、糖尿病、癌及び免疫調節障害である。
本発明の化合物はまた、急性心筋梗塞、血管血栓症、高血圧症、肺高血圧症、虚血性心疾患、鬱血性心不全、及び狭心症を含む種々の病態生理学的疾患の治療にも有用である。それらの場合には、化合物は血管拡張に有効ないずれかの手段により投薬され、それにより疾患の症状を軽減しうる。例えば、投薬は、経口的、経皮的、腸管外、皮下、静脈内、筋肉内、、腹膜内、又は口腔内の経路である。
本発明の化合物は、例えば、白色ワセリン、鉱油及びワセリン及びラノリンアルコールのような適する基剤中に約0.10乃至10%の活性成分を含む軟膏に配合しうる。その他の適する基剤は当業者には容易に明らかであろう。
【0039】
本発明の医薬品は、例えば、伝統的な、完全に水溶性又は懸濁性のいずれかである化合物を溶解又は懸濁させることにより、それ自体は公知の方法で製造される。その他の病理生理学的疾患の治療における投薬のために。経口的に使用しうる医薬品には、ゼラチン製の押し込みばめカプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールのような可塑剤製の軟質のシールされたカプセルが含まれる。押し込みばめカプセルは、ラクトースのような充填剤、澱粉のようなバインダー、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウムのような滑剤及び、任意に安定剤と混合されうる液体中に活性化合物を含みうる。軟質カプセルにおいては、活性化合物は、好ましくは緩衝化塩溶液のような適する液体中に溶解又は懸濁している。更に、安定剤を添加しうる。
例えばゼラチンカプセル又はその他の適する賦形剤中に液体の形で提供する以外に、医薬品は活性化合物を薬学的に使用しうる調剤に加工するのを容易にするのに適する賦形剤を含みうる。したがって、経口的に使用する医薬品は、所望又は必要であれば、錠剤又は糖衣錠のコアを得るのに適する補助薬を添加した後、活性化合物の溶液を固体支持体に付着させ、任意に得られた混合物を粉末化して顆粒の混合物を処理することにより得ることもできる。
【0040】
適する賦形剤は、特に、糖(例えば、ラクトース又はスクロース)、マンニトール又はソルビトール、セルロース配合物及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム)のような充填剤、並びに澱粉、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、たくさん澱粉を含む、ジャガイモ澱粉を用いたペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンのようなバインダーである。所望であれば、前述の澱粉及びカルボキシメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はその塩(例えばアルギン酸ナトリウム)のような崩壊剤を添加しうる。補助剤は、とりわけ流動調節剤及び滑剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムのようなその塩、及び/又はポリエチレングリコール)である。糖衣錠は、所望であれば、耐胃液性の適する塗膜を用いて提供される。このためには、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び適する有機溶媒又は溶媒混合物を含みうる濃厚糖溶液を使用しうる。塗膜を耐胃液性とするためには、アセチルセルロースフタレート又はヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレートのような適するセルロース配合物の溶液を使用する。例えば識別のため又は活性化合物の服用量の組合せを特徴づけるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠の塗膜に添加しうる。
【0041】
静脈内又は腸管外投薬に適する配合物には活性化合物の水溶液が含まれる。更に、油性注射用懸濁液としての活性化合物の懸濁液も投薬しうる。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含みうる。任意に懸濁液は安定剤も含みうる。
前述の記載は、本発明を実施するのに使用しうる特定の方法及び組成物を詳述し、考えられる最良の態様を表す。しかしながら、当業者の一が、所望の薬学的性質を有する更なる化合物を類似の方法で調製しうること、及び開示された化合物を異なる出発物質から異なる化学反応により得ることができることも明らかである。同様に、異なる薬学的組成物も調製しうるし、使用して実質的に同一の結果となる場合もある。したがって、前述の記載が本明細書においていかに詳細であっても、本発明の全範囲の限定と解釈されるべきではなく、それどころか、本発明の範囲は特許請求の範囲の法的解釈によってのみ規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
具体的に実施例12H及びL及び13H及びLとして開示されている本発明の化合物の化学的合成のスキームである。
【図2】
具体的に実施例16H及びL及び17H及びLとして開示されている本発明の化合物の化学的合成のスキームである。
Claims (27)
- 高眼圧症の哺乳動物に治療的に有効量の式Iで表される化合物を投与すること含む高眼圧症の治療方法。
- 前記へテロアリール基上の置換基が、C1〜C6のアルキル、OR4、CO2R4、ハロゲン、トリフルオロメチル、COR4、COCF3、SO2NR4、NO2、及びCNからなる群から選択される請求項1記載の方法。
- 前記点線が、二重結合を表す請求項4記載の方法。
- 前記点線が、単結合を表す請求項4記載の方法。
- 前記Rが、CO2R4であり、R4が、Hである請求項5記載の方法。
- 前記Rが、CO2R4であり、R4が、Hである請求項6記載の方法。
- 前記Rが、CO2R4であり、R4が、メチルである請求項5記載の方法。
- 前記Rが、CO2R4であり、R4が、メチルである請求項6記載の方法。
- 前記Rが、CO2R4である請求項4記載の方法。
- 前記R4が、H及び低級アルキルからなる群から選択される請求項11記載の方法。
- 前記Aが、Cであり、R5、R6及びR7が、Hである請求項4記載の方法。
- 前記化合物が、7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステルである請求項13記載の方法。
- 前記化合物が、7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸である請求項13記載の方法。
- 前記化合物が、(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステルである請求項13記載の方法。
- 前記化合物が、(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸である請求項13記載の方法。
- 計量された適用に適した容器に詰められた、無毒性の眼科的に許容しうる液体賦形剤と混合された、治療的に有効量の請求項1記載の式Iの化合物、又は薬学的に許容しうるその塩を含む眼科用液剤。
- 前記化合物が、式IIIの化合物である請求項18記載の眼科用液剤。
- (1)容器内の内容物を計量した形で分配する容器、及び
(2)無毒性の眼科的に許容しうる液体賦形剤と混合された、請求項1記載の式Iの化合物、又は薬学的に許容しうるその塩を含む、前記容器中の眼科用液剤、
を含むことを特徴とする医薬品。 - 前記化合物が、式IIIの化合物である請求項20記載の医薬品。
- 式Iで表される化合物。
- 前記Rが、CO2R4である請求項22記載の化合物。
- 前記R4が、H及び低級アルキルからなる群から選択される請求項23記載の方法。
- 前記Aが、Cであり、R5、R6及びR7が、Hである請求項25記載の方法。
- 前記化合物が、
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸メチルエステル、
7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタン酸、
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチルエステル、及び
(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(E)−4−ヒドロキシ−4−(1−チオフェン−2−イル−メチルシクロブチル)ブタ−1−エニル]−5−オキソ−シクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸、
からなる群から選択される請求項26記載の化合物。
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