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JP2005350364A - ヘムオキシゲナーゼの誘導または誘導促進剤としてのプロリン誘導体 - Google Patents

ヘムオキシゲナーゼの誘導または誘導促進剤としてのプロリン誘導体 Download PDF

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JP2005350364A
JP2005350364A JP2004170092A JP2004170092A JP2005350364A JP 2005350364 A JP2005350364 A JP 2005350364A JP 2004170092 A JP2004170092 A JP 2004170092A JP 2004170092 A JP2004170092 A JP 2004170092A JP 2005350364 A JP2005350364 A JP 2005350364A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
general formula
active ingredient
proline derivatives
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Pending
Application number
JP2004170092A
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English (en)
Inventor
Ayako Nakamura
綾子 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyorin Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kyorin Pharmaceutical Co Ltd
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Priority to JP2004170092A priority Critical patent/JP2005350364A/ja
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Abstract

【課題】 新規なヘムオキシゲナーゼ誘導剤または誘導促進剤を提供すること。
【解決手段】 一般式(1)
Figure 2005350364

[式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいヘテロ芳香環、または一般式(1a)または一般式(1b)を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基を表し、Aは−CHCH−、−CH=CH−を表す]で示されるプロリン誘導体、およびそれを有効成分として含有するヘムオキシゲナーゼの誘導剤または誘導促進剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヘムオキシゲナーゼの誘導剤または誘導促進剤に関し、詳細には下記一般式(1)
Figure 2005350364
で示されるプロリン誘導体およびこれらプロリン誘導体のうち少なくとも一つを有効成分とするヘムオキシゲナーゼの誘導剤または誘導促進剤に関する。
ヘムオキシゲナーゼ(以下 HOと略す)は、ヘムの代謝における第一段階で働く律速酵素であり、細胞内遊離へムを一酸化炭素(CO)、鉄、ビリベルジンに分解する酵素である。ビリベルジンはさらにビリベルジン還元酵素によりビリルビンに変換される。HOにはHO-1、HO-2及びHO-3の3つのアイソザイムが知られている。HO-1は誘導型の酵素であり、酸化ストレス、熱ショック、サイトカイン、金属ポルフィリン、重金属、生体異物、ホルモンなどの広範囲な化合物や病的状態により誘導され、細胞内ヘムの恒常性、ヘム蛋白の維持および鉄の再利用に重要な役割を果たしていると考えられている。また、HO-1は哺乳類の組織に広く存在するが、炎症や虚血再還流時の酸化的ストレス部位で誘導されることが知られている。さらに種々の炎症モデルでの検討から、HO-1の誘導は細胞障害に対する内因性の防御機構の一部と考えられている。HOにより生じたビリベルジン、ビリルビンは抗酸化、抗補体作用を有し、COは細胞内伝達物質として、鉄は遺伝子調節因子としての機能を有することから、これらが防御作用に関与していることが考えられている。
HO-2は非誘導型の酵素であり、特に脳、精巣に多く存在し、グルココルチコイド以外には誘導されることがないとされている。
HO-3は構造的にHO-2と関連するが、詳細については明らかにされていない。触媒としての活性は比較的弱く、ヘム同士の結合に関与すると考えられている。
HO-1の誘導と病態との関連性については、幾つかの報告がされている。HO-1誘導剤である鉄プロトポルフィリンによりHO-1を誘導しておくと、カラゲニンによる胸膜炎モデルでは胸水量、胸水中の炎症細胞数増加が抑制される。これに対しHO阻害薬であるスズプロトポルフィリンの投与により炎症反応が増悪することが報告されている(非特許文献1)。オゾン暴露による気道炎症マウスモデルにおいてHO-1の過剰発現は気道への好中球浸潤を抑制し、気道過敏症を改善させることが報告されている(非特許文献2)。また、遺伝的にHO-1の発現能が低いヒトが慢性閉塞性肺疾患(以下COPDと略す)になりやすいという疫学調査結果が報告されている(非特許文献3)。マウスでの喘息モデルではHO-1の誘導により、好酸球数の増加が抑制されることも報告されている(非特許文献4)。更に、高酸素負荷時(非特許文献5)や心臓移植(非特許文献6)、脳血管攣縮時(非特許文献7)においてもHO-1の発現は組織防御的に作用し、生体にとって有利に働いていることが報告されている。
また、近年ヒトでの世界初症例となる先天的HO-1欠損症の報告がなされた(非特許文献8)。患者は2歳ごろより持続する発熱、肝肥大、関節痛、発疹、溶血性貧血、凝固線溶系の異常など多彩な臨床症状を示し、6歳時に高血圧と頭蓋内出血を合併して死亡したと報告されている。一方、PossらはHO-1ノックアウトマウスを作製し解析を行った(非特許文献9)。HO-1ノックアウトマウスでは鉄の再利用障害による貧血、組織への鉄の沈着、成長障害などが認められた。また、このマウスでは胎児死亡率が極めて高く、感染ストレスに対する抵抗性も著明に低下していると考えられた。これらの情報よりHO-1は生体防御に重要な役割を演じており、この欠損は酸化ストレスのみならず生体の防御機構不全を引き起こし、種々の合併症を生じるものと想定されている。
ところでプロリン誘導体がHO-1を誘導するとの報告はこれまでになされていない。HO-1の誘導を示す化合物としてはレミノプラゾール(特許文献1)、ニコチンアミド誘導体(特許文献2)及びプロスタグランジンAやそのアゴニスト、ビタミンB12、ヘミンやそのフラグメントとアナログ(特許文献3)が特許として、ピリジン誘導体及びイミダゾール誘導体が文献として報告されている(非特許文献10)が、何れも本発明のプロリン誘導体とは構造が異なる。
また、プロリン誘導体としてはトロンビン阻害剤(特許文献4)、セリンプロテアーゼ阻害剤(特許文献5)、Bax阻害剤(特許文献6)、駆虫薬(特許文献7)などが知られているが、HO-1の活性化に関する報告は全くなされておらず、本発明構造とは異なる。
特開2000−119182 WO 0168094 WO 9609038 WO 2002050056 WO 2002022575 WO 2001074769 WO 2001054498 Willis, D, et al : Nature Medicine 2, 87-90(1996) Hisada, T, et al : Eur. J. Pharmacol., 399, 229-234(2000) Yamada, N. et al : Am. J. Hum. Genet., 66, 187-195(2000) Suzuki, M. et al : 呼吸, 19巻, 2号, S37-S38(2000) Otterbein L. E. et al : J. Clin. Invest., 103, 1047-1054(1999) Coito, A. J. et al : Lab. Invest., 82, 61-70(2002) Tunoda, H. et al : 日薬理誌 114, Suppl1, 55-59(1999) Yachie, A. et al : J. Clin. Invest., 103, 129-135(1999) Poss, K. D. et al : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 10919-10924(1997) Kobayashi, Y, et al : Jpn. J. Toxicol. Environ. Health. 42, 468-478(1996)
本発明は、新規なHO誘導剤または誘導促進剤を提供することにある。
本発明は、
1) 一般式(1)
Figure 2005350364
[式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいヘテロ芳香環、または一般式(1a)
Figure 2005350364
(式中Xは−CH=CH−、−NH−、−CHNH−、または−CH−を表し、Qは置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいヘテロ芳香環)、または一般式(1b)
Figure 2005350364
(式中Ra、Rbは同一または相異なって、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基を表す)を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基を表し、Aは−CHCH−、−CH=CH−を表す]で示されるプロリン誘導体、

2) 一般式(2)
Figure 2005350364
[式中、R1は一般式(1)に同じ]で示される1)記載のプロリン誘導体、

3) 1)で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する、ヘムオキシゲナーゼの誘導剤または誘導促進剤、

4) 1)で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する急性肺傷害(ALI, ARDS)治療剤、

5) 1)で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤、

6)1)で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する喘息治療剤、

7) 1)で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する移植臓器の保護剤、
に関するものである。
一般式(1)
Figure 2005350364
[式中、R1, R2, Aは上述の通り]で示される本発明のプロリン誘導体はHO-1 mRNAの誘導を介してHO活性を上昇させていることが判明したので、HOの誘導剤または誘導促進剤として有用であり、様々な疾患の治療剤として、例えば急性肺傷害治療剤、慢性閉塞性肺疾患治療剤、喘息治療剤、移植臓器の保護剤などとして、様々な酸化的ストレスに対する生体防御剤としての有用性が期待される。
一般式(1)において、「置換基を有していてもよいフェニル基」、「置換基を有していてもよいヘテロ芳香環」における「置換基」とは、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基等が挙げられ、「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、「炭素数1〜4の低級アルキル基」とは、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などの直鎖または分枝した炭素数1〜4のアルキル基を表し、「炭素数1〜4の低級アルコキシル基」とは、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソピロポキシ基、ブトキシ基などの直鎖または分枝したアルコキシ基を表し、「ヘテロ芳香環」とは、5員もしくは6員の窒素、酸素または硫黄原子を含む複素環およびその縮合環を表し、たとえばピリジル基、インドリル基、キノリル基等が挙げられる。
本発明で包含される化合物は例えば以下の方法により製造することができる。
<スキーム1>
Figure 2005350364
スキーム1で構造式(4)
Figure 2005350364
で表される化合物は、N−t−ブトキシカルボニル(N−BOC)プロリン(3)とN,O−ジメチルヒドロキシルアミンより製造することができる(工程1)。
工程1の反応は、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)等の縮合剤を用い、DMFやTHFなどの有機溶媒中、0℃〜加熱還流、好適には常温にて行うことができる。
スキーム1で構造式(5)
Figure 2005350364
で表される化合物は、化合物(4)とフェニルビニルリチウムまたはフェニルビニルマグネシウムブロミド等のビニル化剤により製造することができる(工程2)。
工程2の反応は、βブロモスチレンとブチルリチウムやマグネシウムなどから調製したビニル化剤を、THF、エーテル等の有機溶媒中、−78℃〜常温、好適には−78℃で行うことができる。
スキーム1で構造式(6)
Figure 2005350364
で表される化合物は、構造式(5)で表される化合物を脱保護することにより製造することができる(工程3)。
工程3の反応は、塩酸やトリフルオロ酢酸などの酸の存在下、塩化メチレンや酢酸エチルなどの有機溶媒中、−20℃〜加熱還流、好適には常温にて行うことができる。
スキーム1で一般式(1−2)
Figure 2005350364
[式中R1は上述の通り]で表される化合物は、化合物(6)で表される化合物と一般式(7)
Figure 2005350364
[式中R1は上述の通り]で表される化合物か、または一般式(8)
Figure 2005350364
[式中R1は上述の通り]で表される化合物を反応させることにより、製造することができる(工程4)。
工程4の反応は、化合物(7)を用いた場合には、DCCやEDCなどの縮合剤を用い、塩化メチレンやTHFなどの有機溶媒中、0℃〜加熱還流、好適には常温にて行うことができる。また、化合物(8)を用いた場合には、トリエチルアミンまたはピリジン等の塩基の存在下、塩化メチレンやTHFを溶媒とし、0℃〜加熱還流、好適には常温にて行うことができる。
次に、一般式(1)で表される化合物のうち、R2が水素かつAが-CH2CH2-である一般式(1−3)
Figure 2005350364
[式中R1は上述の通り]で表される化合物は、以下の方法で製造することができる。
<スキーム2>
Figure 2005350364
スキーム2で一般式(1−3)で表される化合物は、上述の一般式(1−2)で表される化合物を還元することによって、製造することができる(工程5)。
工程5の反応は、パラジウム−炭素等の触媒を用い、水素雰囲気下、メタノールや酢酸エチルなどの有機溶媒中、常温〜加熱還流、好適には常温にて行うことができる。
次に本発明を具体例によって説明するがこれらの例によって本発明が限定されるものではない。
<参考例1>
(2S)−1−t−ブトキシカルボニル−2−(N−メチル−N−メトキシカルバモイル)ピロリジン
Figure 2005350364
N−BOC-L−プロリン(1.0 g, 4.65 mmol) をテトラヒドロフラン(30 mL) に溶解し、氷冷した。トリエチルアミン (0.7 mL)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩 (460 mg, 4.72 mmol)、EDC (910 mg)を加え、室温で3時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。 硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:メタノール=10:1 v/v) で精製し、無色油状物 の目的物(390 mg, 32 %)を得た。
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.36 (9H, s), 1.72-1.88 (3H, m), 2.18 (1H, s), 3.11 (3H, s), 3.32-3.38 (2H, m), 3.70 (3H, s), 4.58 (1H, d, J = 6.7 Hz)
<参考例2>
(2S)−1−t−ブトキシカルボニル−2−シンナモイルピロリジン
Figure 2005350364
アルゴン雰囲気下、β-ブロモスチレン (380 mg, 1.47 mmol) をテトラヒドロフラン(20 mL) に溶解し、-78℃に冷却した。溶液に、1.51 mol/L t-ブチルリチウムのペンタン溶液 (9.7 mL, 14.6 mmol) を加え、-78℃で1時間撹拌した。テトラヒドロフランに溶解した参考例1の化合物(380 mg, 1.47 mmol) を加えさらに-78℃で3時間撹拌した。溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温で10分撹拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=3:2 v/v) で精製し、黄色油状物 の目的物(310 mg, 70 %) を得た。(回転異性体の混合物)
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.36 (9H, s, major), 1.48 (9H, s, minor), 1.87-1.98 (3H, m), 2.17-2.32 (1H, m), 3.43-3.66 (2H, m), 4.45 (1H, dd, J = 8.6, 4.9 Hz, major), 4.69 (1H, dd, J = 8.6, 3.7 Hz, minor), 6.86 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.37-7.43 (3H, m), 7.52-7.59 (2H, m), 7.69 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.71 (1H, d, J = 15.9 Hz).
<参考例3>
(2S)−2−シンナモイルピロリジン
Figure 2005350364
参考例2の化合物 (310 mg, 1.03 mmol) をジクロロメタン (6 mL) に溶解した。 氷冷し、トリフルオロ酢酸 (2.0 mL) を加え、30分撹拌後、室温で4時間撹拌した後、濃縮して目的物を得た。本化合物はそのまま次の反応に用いた。
<参考例4>
(2R)−1−t−ブトキシカルボニル−2−(N−メチル−N−メトキシカルバモイル)ピロリジン
Figure 2005350364
N−Boc−D−プロリンを用い、参考例1と同様の方法で合成した。
収率 28 %
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.42 (9H, s), 1.46 (9H, s), 1.80-2.02 (4H, m), 2.10-2.26 (2H, m), 3.20 (3H, s), 3.36-3.65 (3H, m), 3.72 (3H, s), 3.79 (3H, s), 4.60 (1H, dd, J = 8.6, 3.7 Hz), 4.71 (1H, dd, J = 8.6, 3.7 Hz).
<参考例5>
(2R)−1−t−ブトキシカルボニル−2−シンナモイルピロリジン
Figure 2005350364
参考例4の化合物を用い、参考例2と同様の方法で合成した。
収率 22 %
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.36 (9H, s), 1.48 (9H, s), 1.85-1.98 (3H, m), 2.17-2.31 (1H, m), 3.41-3.65 (2H, m), 4.33 (1H, d, J = 5.5 Hz), 4.45 (2H, d, J = 5.5 Hz), 6.56-6.66 (1H, m), 6.86 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.18-7.25 (3H, m), 7.28-7.42 (8H, m), 7.51-7.59 (2H, m), 7.69 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.71 (1H, d, J = 15.9 Hz).
<参考例6>
(2R)−2−シンナモイルピロリジン
Figure 2005350364
参考例5の化合物を用い、参考例3と同様の方法で合成した。本化合物はそのまま次の反応に用いた。
<実施例1>
(2S)−2−シンナモイル−1−(2,2−ジフェニルアセチル)ピロリジン
Figure 2005350364
ジフェニル酢酸 (300 mg, 1.41 mmol) を塩化チオニル (2.0 mL)に溶解し、触媒量のDMFを加え、室温で15分間撹拌した。過剰の塩化チオニルを減圧下で留去し、残渣をジクロロメタン (10 mL) に溶解した。参考例2の化合物(310mg)から調製した参考例3の化合物 とトリエチルアミン (1.0 mL) を加え、室温で1.5 時間撹拌した。溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を3.0 mol/L塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1:1 v/v) で精製し、黄色油状物の目的物 (320 mg, 79 % 2steps)を得た。 (回転異性体の混合物)
高分解能質量分析(EI); 計算値 (C27H25NO2): 395.1885, 実測値: 395.1883
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.86-2.29 (5H, m), 3.59-3.68 (2H, m, major), 3.79 (0.1H, t, J = 7.3 Hz, minor), 4.59 (0.1H, dd, J = 9.2, 3.7 Hz, minor), 4.75 (0.1H, s, minor), 4.96 (1H, dd, J = 9.2, 4.3 Hz, major), 5.16 (1H, s, major), 6.81 (1H, d, J = 16.5 Hz), 7.08-7.45 (13H, m), 7.47-7.55 (2H, m), 7.69 (1H, dd, J = 15.9, 9.2 Hz)
<実施例2>
(2S)−2−シンナモイル−1−アセチルピロリジン
Figure 2005350364
参考例3の化合物 (220 mg, 0.47 mmol) をジクロロメタン (4 mL) に溶解し、アセチルクロライド (100 mg)、 トリエチルアミン (0.6 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を 3.0 mol/L塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:メタノール=10:1 v/v) で精製し、ヘキサン-酢酸エチルで再結晶し、白色粉末の目的物 (48 mg, 18 %) を得た。(回転異性体の混合物)
高分解能質量分析(CI); 計算値 (C15H18NO2): 244.1338, 実測値: 244.1333
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.96-2.10 (3H, m), 2.13 (3H, s), 2.44-2.22 (1H, m), 3.56 (1H, dt, J = 9.8, 8.3 Hz), 3.67-3.75 (1H, m), 4.61+4.93 (1H, dd, J = 9.2, 4.3 Hz), 6.84 + 6.86 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.38-7.44 (3H, m), 7.54-7.60 (2H, m), 7.69+7.77 (1H, d, J = 15.9 Hz)
<実施例3>
(2R)−2−シンナモイル−1−(2,2−ジフェニルアセチル)ピロリジン
Figure 2005350364
参考例5の化合物(70mg, 0.23mmol)から調製した参考例6の化合物を用い、実施例1と同様な方法で合成した。
収率 30 % (2工程)
高分解能質量分析(FAB); 計算値 (C27H26NO2): 396.1964, 実測値: 396.1940
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.90-2.03 (3H, m), 2.12-2.25 (1H, m), 3.62-3.67 (2H, m), 4.96 (1H, dd, J = 8.6, 3.7 Hz), 5.16 (1H, s), 6.81 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.10-7.43 (24H, m), 7.47-7.55 (2H, m), 7.67 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.70 (1H, d, J = 15.9 Hz).
<実施例4>
(2S)−2−(3−フェニルプロピオニル)−1−(2,2−ジフェニルアセチル)ピロリジン
Figure 2005350364
実施例1の化合物 (62 mg, 0.18 mmol) を酢酸エチルに溶解し、10% Pd/C (10 mg) を加え、水素雰囲気下、常圧、室温で5時間撹拌した。反応終了後、触媒をセライトを通して濾過し、濾液を濃縮した。 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2 v/v)を用いて精製し、淡黄色油状物の目的物 (45 mg, 72 %) を得た。
高分解能質量分析(FAB); 計算値 (C27H28NO2): 398.2120, 実測値: 398.2120
1H-NMR (400MHz; CDCl3) δ: 1.62-1.71 (1H, m), 1.79-1.93 (2H, m), 1.94-2.07 (1H, m), 2.75-2.96 (4H, m), 3.48-3.59 (2H, m), 4.62 (1H, dd, J = 8.6, 4.9 Hz), 5.11 (1H, s), 7.10-7.34 (15H, m).
<実験例1> ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)におけるHO活性の測定
HUVECは、2% ウシ胎児血清(FCS) を含むEB-2培地にて継代培養し、6〜9代のものを実験に使用した。HUVEC (1×105 cell/mL) 4.5mLを、コラーゲンタイプIコート6cmディッシュに播種しDMSOに溶解し、培地にて100倍希釈した試験化合物を0.5ml添加した。37℃ CO2インキュベーターにて3、8および24時間インキュベートした後、細胞を回収した。凍結融解により細胞を破壊し、蛋白定量を行い、60〜100μgをサンプルとした。
HO活性の測定はTaylor,JLらの方法(Am.J.Physiol. 274, L582-L590, 1998)に準じて行った。サンプルにラット肝上澄蛋白を2 mg、20 μM ヘミン、2mM グルコース6-ホスフェート、0.016 U/μL グルコース6-ホスフェート デハイドロゲナーゼ、0.8 mM ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド ホスフェート(NADPH)を含む反応液450μLを加え、攪拌した後、1時間反応させた。クロロホルムを700μL加え、良く攪拌した後、9000rpm、4℃にて5分間遠心し、下層(クロロホルム層)の吸光度(453nmおよび530nm)を測定した。453nmと530nmの吸光度差より、生成したビリルビン量を算出し、HO活性とした。
活性化比率は下記の計算式を用いて算出した。
Figure 2005350364
実施例1の化合物の活性化比率は7.93であった。
以上のように、一般式(1)で表される本発明の化合物はHO-1活性化作用を持つことが確認された。
一般式(1)
Figure 2005350364
[式中、R1, R2, Aは上述の通り]で示される本発明のプロリン誘導体は実験例1に示したようにヒト臍帯静脈内皮細胞を用いた実験により、HOの誘導または誘導促進作用を有することは明らかになった。即ち、一般式(1)で示されるプロリン誘導体がHO-1のmRNAを上昇させることを示し、HO-1 mRNAの誘導を介してHO活性を上昇させていることが判明した。
従って本発明のプロリン誘導体はHOの誘導剤または誘導促進剤として有用であり、様々な疾患の治療剤として、例えば急性肺傷害治療剤、慢性閉塞性肺疾患治療剤、喘息治療剤、移植臓器の保護剤などとして、様々な酸化的ストレスに対する生体防御剤としての提供することができる。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 2005350364
    [式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルキルアミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいヘテロ芳香環、または一般式(1a)
    Figure 2005350364
    (式中Xは−CH=CH−、−NH−、−CHNH−、または−CH−を表し、Qは置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいヘテロ芳香環)、または一般式(1b)
    Figure 2005350364
    (式中Ra、Rbは同一または相異なって、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基を表す)を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基を表し、Aは−CHCH−、−CH=CH−を表す]で示されるプロリン誘導体。
  2. 一般式(2)
    Figure 2005350364
    [式中、R1は一般式(1)の場合に同じ]で示される請求項1記載のプロリン誘導体。
  3. 請求項1で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する、ヘムオキシゲナーゼの誘導剤または誘導促進剤。
  4. 請求項1で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する急性肺傷害(ALI, ARDS)治療剤。
  5. 請求項1で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤。
  6. 請求項1で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する喘息治療剤。
  7. 請求項1で示されるプロリン誘導体のうち、少なくとも一種類を有効成分として含有する移植臓器の保護剤。
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